説明

マーキングノズル装置

【課題】 吐出口における塗料の詰まりを解消することが可能なマーキングノズル装置を提供する。
【解決手段】 印字対象に向けて塗料を吐出するマーキングノズル装置100である。印字対象に対する吐出前の塗料を貯留する貯留容器1の少なくとも先端部を構成するノズル先端部構成部材3を備え、ノズル先端部構成部材3の先端には、印字対象に向けて塗料を吐出する吐出口5が形成されている。ノズル先端部構成部材3の内部には、吐出口5の内部を洗浄する洗浄用流体を吐出口5に供給する洗浄用流体供給経路13が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マーキングノズル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、鋼材などへのマーキングに用いられるマーキング装置がある。
【0003】
マーキングの方式としては、1つのノズルをX−Y駆動機構により動作させることにより文字軌跡を与えながら所望のタイミングでノズルより塗料を吐出することにより印字する方式と、複数のノズルによりドットマトリクス方式で印字する方式がある。
【0004】
どちらの方式でも、印字を行わない時間などでは定期的に塗料捨て拭きなどの方法でノズルの吐出口を洗浄することにより塗料詰まりが起こらないようにしたり、ノズルの先端部を水に漬け塗料の乾燥を防止するなどの処置を行ったりする場合がある。
【0005】
特にドットマトリクス方式の場合では印字内容に応じて塗料を吐出する頻度の少ないノズルが生じるため、そのノズルでは必然的に詰まりを起こしやすい傾向にある。
【0006】
図8は従来のマーキングノズル装置1000を示す断面図、図9は図8の要部拡大図、図10はマーキングノズル装置1000を示す斜視図である。
【0007】
図8及び図9に示すように、マーキングノズル装置1000は、本体部1000Aと、この本体部1000Aの上部より突出するように設けられた突出部1000Bと、この突出部1000Bに接続された電気配線1000Cと、を備えている。
【0008】
図8に示すように、本体部1000Aは、印字対象に対する吐出前の塗料を貯留する貯留容器1001を内部に備えている。
【0009】
貯留容器1001の先端部は図8及び図9に示すようにテーパー状に先細りしている。
【0010】
この貯留容器1001の先端部及びその近傍部分は、ノズルチップ1003により構成されている。
【0011】
ノズルチップ1003は、図9に示すように、外形及び内周が略円錐状に形成された中空形状をなしている。
【0012】
ノズルチップ1003の先端には、貯留容器1001の内部から印字対象に向けて塗料を吐出する吐出口1005が形成されている。
【0013】
貯留容器1001の内部には、吐出口1005を閉塞又は開口させるニードル弁1006が上下動可能に配設されている。
【0014】
図8に示すように、突出部1000Bの内部には、ニードル弁1006を上下動させる駆動部1007が配設されている。
【0015】
駆動部1007は、電気配線1000Cを介して印加される電流により磁界を発生させるソレノイド1008と、このソレノイド1008の内部に配置された磁性体からなる吸着体1009と、を備えて構成される。
【0016】
ソレノイド1008に電流が印加されると、吸着体1009がニードル弁1006を吸着することにより該ニードル弁1006が上昇し、吐出口1005が開口する。
【0017】
他方、ソレノイド1008への電流の印加を停止すると、ニードル弁1006は、重力に従って下降するか、或いは、図示しないバネなどの付勢手段による付勢に従って下降し、吐出口1005が閉塞する。
【0018】
このように、駆動部1007によりニードル弁1006を上下動させることにより、吐出口1005を閉塞又は開口させることが可能となっている。
【0019】
ここで、貯留容器1001内の塗料は所定の圧力で加圧されているため、吐出口1005が開くと該吐出口1005を介して塗料が吐出される。
【0020】
また、本体部1000Aは、ノズルチップ1003の外周を覆うように配置されたエアーキャップ1011を備えている。
【0021】
このエアーキャップ1011とノズルチップ1003との間には、所定の間隔が設定されている。この間隔は、アトマイズエアをノズルチップ1003の先端部に供給するアトマイズエア供給経路1012を構成している。
【0022】
図10に示すように、本体部1000Aの上面には、塗料を貯留容器1001内に供給する配管(図示略)が接続される継ぎ手1014と、貯留容器1001から戻される塗料を排出する配管(図示略)が接続される継ぎ手1015と、アトマイズエアをアトマイズエア供給経路1012に供給する配管(図示略)が接続される継ぎ手1018と、が設けられている。
【0023】
貯留容器1001内の塗料は、沈殿しないように常時循環される。すなわち、塗料は、所定の圧力にて継ぎ手1014より本体部1000A内の図示しない供給経路を介して貯留容器1001に供給される一方で、貯留容器1001内の塗料は本体部1000A内の図示しない排出経路及び継ぎ手1015を介して本体部1000A外に排出される。
【0024】
次に、動作を説明する。
【0025】
先ず、アトマイズエア供給経路1012に空気を連続供給開始する。
【0026】
続いて、ニードル弁1006を動作させ所定のタイミングにて塗料を吐出し、印字対象にマーキングを行う。
【0027】
ここで、ニードル弁1006を上昇させることにより吐出口1005より吐出された塗料は、アトマイズエア供給経路1012を介して吹き出されるアトマイズエアにより霧化されて、印字対象に向けて吐出される。
【0028】
マーキングが終了すると、アトマイズエア供給経路1012にミスト(霧化させた浄水を含む空気)を供給し、ノズルチップ1003の先端部を洗浄する(例えば、1秒程度)。
【0029】
続いて、アトマイズエア供給経路1012に供給する流体を空気に切り替える。これにより、スタンバイ状態となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
ところで、マーキングノズル装置1000は、上記のように、貯留容器1001内の塗料を吐出口1005を介して吐出する構造であると共に、例えばニードル弁1006の先端により吐出口1005を閉塞又は開口させる構造であるため、吐出口1005の内部に塗料が残留しやすいという問題がある。
【0031】
吐出口1005に塗料が残留したままで時間が経過すると、この塗料が乾燥して固化することにより、吐出口1005が目詰まりしてしまい、次回のマーキング時に塗料の吐出動作の妨げとなる場合がある。
【0032】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、吐出口における塗料の詰まりを解消することが可能なマーキングノズル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0033】
上記課題を解決するため、本発明のマーキングノズル装置は、印字対象に向けて塗料を吐出するマーキングノズル装置において、印字対象に対する吐出前の塗料を貯留する貯留容器の少なくとも先端部を構成するノズル先端部構成部材を備え、前記ノズル先端部構成部材の先端には、前記貯留容器の内部から印字対象に向けて塗料を吐出する吐出口が形成され、前記ノズル先端部構成部材の内部には、前記吐出口の内部を洗浄する洗浄用流体を前記吐出口に供給する洗浄用流体供給経路が形成されていることを特徴としている。
【0034】
本発明のマーキングノズル装置においては、前記ノズル先端部構成部材の外周を覆うように配置されたカバー部材を備え、前記カバー部材と前記ノズル先端部構成部材との間隔により、アトマイズエアを前記ノズル先端部構成部材の先端部に供給するアトマイズエア供給経路が構成されていることが好ましい。
【0035】
本発明のマーキングノズル装置においては、前記貯留容器内に配設され、前記吐出口を閉塞又は開口させるニードル弁と、前記ニードル弁を前記吐出口を閉塞する方向及び開口させる方向に移動させる駆動手段と、を備えることが好ましい。
【0036】
本発明のマーキングノズル装置においては、前記ニードル弁の弁芯方向は、前記吐出口からの塗料の吐出方向に対して傾斜していることが好ましい。
【0037】
本発明のマーキングノズル装置においては、前記洗浄用流体は、少なくとも液体を含有することが好ましい。
【0038】
本発明のマーキングノズル装置においては、前記洗浄用流体は、少なくとも気体を含有することも好ましい。
【0039】
本発明のマーキングノズル装置においては、前記洗浄用流体は、前記液体を気体と混合して霧化させたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、ノズル先端部構成部材の内部には、吐出口の内部を洗浄する洗浄用流体を吐出口に供給する洗浄用流体供給経路が形成されているので、この洗浄用流体供給経路を介して洗浄用流体を吐出口に供給することにより、吐出口の内部を洗浄することができ、吐出口における塗料の詰まりを解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。
【0042】
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係るマーキングノズル装置100の斜視図、図2はマーキングノズル装置100の側断面図、図3は図2の要部拡大図である。
【0043】
図1に示すように、マーキングノズル装置100は、本体部100Aと、この本体部100Aの上部より突出するように設けられた突出部100Bと、この突出部100Bに接続された電気配線100Cと、を備えている。
【0044】
図2に示すように、本体部100Aは、印字対象に対する吐出前の塗料を貯留する貯留容器1を内部に備えている。
【0045】
貯留容器1は、例えば、図2に示すように、先端側に向けて段階的に細くなる形状とされ、該貯留容器1の先端部2は図2及び図3に示すようにテーパー状に先細りしている。
【0046】
この貯留容器1の先端部2及びその近傍は、ノズルチップ(ノズル先端部構成部材)3により構成されている。
【0047】
すなわち、ノズルチップ3は、図2及び図3に示すように、外形が略円錐状に形成され、該ノズルチップ3には、貯留容器1における先端部2及びその近傍部分の外周を構成する中空部4が形成されている。
【0048】
ノズルチップ3の先端には、貯留容器1の内部から印字対象に向けて塗料を吐出する吐出口5が形成されている。
【0049】
貯留容器1の内部には、吐出口5を閉塞又は開口させるニードル弁6が上下動可能に配設されている。
【0050】
また、突出部100Bの内部には、ニードル弁6を上下動させる駆動部(駆動手段)7が配設されている。
【0051】
駆動部7は、電気配線100Cを介して印加される電流により磁界を発生させるソレノイド8と、このソレノイド8の内部に配設され磁性体からなる吸着体9と、を備えて構成されている。
【0052】
また、ニードル弁6の上部には、磁性体からなる被吸着体10が設けられている。
【0053】
電気配線100Cを介してソレノイド8に電流が印加されると、吸着体9がニードル弁6上部の被吸着体10を引き寄せて吸着することにより、ニードル弁6が上昇し、吐出口5が開口する。
【0054】
他方、ソレノイド8への電流の供給を停止すると、ニードル弁6は、重力に従って下降するか、或いは、図示しないバネなどの付勢手段による付勢に従って下降し、吐出口5が閉塞する。
【0055】
このように、駆動部7によりニードル弁6を上下動させることにより、吐出口5を閉塞又は開口させることが可能となっている。
【0056】
ここで、貯留容器1内の塗料は所定の圧力で加圧されており、吐出口5が開くと該吐出口5を介して塗料が吐出される。
【0057】
また、本体部100Aは、ノズルチップ3の外周を覆うように配置されたエアーキャップ(カバー部材)11を備えている。
【0058】
このエアーキャップ11とノズルチップ3との間には、所定の間隔が設定されている。この間隔は、アトマイズエア及びノズル外部洗浄ミストをノズルチップ3の先端部に供給するアトマイズエア供給経路12を構成している。
【0059】
更に、ノズルチップ3の内部には、吐出口5の内部を洗浄するノズル内部洗浄ミスト(洗浄用流体)を吐出口5に供給する洗浄用流体供給経路13が形成されている。
【0060】
図3に示すように、洗浄用流体供給経路13は、吐出口5の脇から該吐出口5に合流するような配置とされている。
【0061】
図1に示すように、本体部100Aの上面には、塗料を本体部100A内に供給する配管(図示略)が接続される継ぎ手14と、塗料を本体部100A内より排出する配管(図示略)が接続される継ぎ手15と、ノズル内部洗浄ミストを本体部100A内に供給する配管(図示略)が接続される継ぎ手16と、ノズル外部洗浄ミストを本体部100A内に供給する配管(図示略)が接続される継ぎ手17と、アトマイズエアを本体部100A内に供給する配管(図示略)が接続される継ぎ手18と、が設けられている。
【0062】
貯留容器1内の塗料は、沈殿しないように常時循環される。すなわち、塗料は、所定の圧力にて継ぎ手14より本体部100A内の図示しない供給経路を介して貯留容器1に供給される一方で、貯留容器1内の塗料は本体部100A内の図示しない排出経路及び継ぎ手15を介して本体部100A外に排出される。
【0063】
ノズル内部洗浄ミストは、継ぎ手16より本体部100A内の洗浄用流体供給経路13を介して吐出口5に供給される。
【0064】
ノズル外部洗浄ミストは継ぎ手17より本体部100A内に供給され、アトマーズエアーは継ぎ手18より本体部100A内に供給される。ノズル外部洗浄ミストとアトマイズエアの供給経路は本体部100A内にて合流してアトマイズエア供給経路12に至る。
【0065】
図4は継ぎ手16にノズル内部洗浄ミストを供給する経路20を示す図である。
【0066】
図4に示すように、経路20は、浄水が流れる浄水経路21と、空気が流れる空気経路22と、ノズル内部洗浄ミストが流れるミスト経路23と、を備えている。
【0067】
浄水経路21は、浄水が導入される浄水導入口24と、導入された浄水を減圧する減圧弁25と、減圧後の浄水の流量を調節する流量調節弁26と、浄水を供給する状態としない状態とに切り替える電磁弁27と、を備えている。
【0068】
空気経路22は、空気が導入される空気導入口28と、導入された空気を減圧する減圧弁29と、減圧後の空気の流量を調節する流量調節弁30と、空気を供給する状態としない状態とに切り替える電磁弁31と、を備えている。
【0069】
浄水経路21と空気経路22との合流点には、負圧を発生させることにより、浄水を霧化させてノズル内部洗浄ミストを発生させるエジェクター32が設けられている。
【0070】
ミスト経路23には、逆流防止弁33が設けられている。
【0071】
また、図示は省略するが、継ぎ手17にノズル外部洗浄ミストを供給する経路も、図4に示す経路20と同様に構成されている。
【0072】
次に、以上のように構成されたマーキングノズル装置100の動作を説明する。
【0073】
先ず、マーキング準備として洗浄用流体供給経路13を介して吐出口5に空気を連続供給開始する。すなわち、電磁弁27を開く一方で電磁弁31を閉じた状態とする。
【0074】
続いて、アトマイズエア供給経路12にアトマイズエアを連続供給開始する。
【0075】
続いて、マーキングノズル装置100を印字対象に対して相対的に移動させながら、ニードル弁6を所定のタイミングで動作させることにより、所定のタイミングで吐出口5より塗料を吐出し、印字対象にマーキングを行う。
【0076】
ここで、ニードル弁6を上昇させることにより吐出口5より吐出された塗料は、アトマイズエア供給経路12を介して吹き出されるアトマイズエアにより霧化されて、印字対象に向けて吐出される。
【0077】
マーキングが終了すると、洗浄用流体供給経路13を介して吐出口5にノズル内部洗浄ミストを供給する。すなわち、電磁弁27を開いたままで電磁弁31を開くことにより、吐出口5にノズル内部洗浄ミストを供給する。これにより、吐出口5の内部が内部洗浄ミストにより洗浄される。なお、ノズル内部洗浄ミストの供給は、例えば、1秒程度行う。
【0078】
同様に、アトマイズエア供給経路12にノズル外部洗浄ミストを供給することにより、ノズルチップ3の先端部を洗浄する(例えば、2秒程度)。
【0079】
続いて、洗浄用流体供給経路13に対するノズル内部洗浄ミスト及びアトマイズエア供給経路12に対するノズル外部洗浄ミストの供給を終了し、洗浄用流体供給経路13及びアトマイズエア供給経路12に対してそれぞれ空気を連続供給する状態とする。
【0080】
これにより、スタンバイ状態となる。
【0081】
以上のような第1の実施形態によれば、ノズルチップ3の内部には、吐出口5の内部を洗浄するノズル内部洗浄ミストを吐出口5に供給する洗浄用流体供給経路13が形成されているので、この洗浄用流体供給経路13を介してノズル内部洗浄ミストを吐出口5に供給することにより、吐出口5の内部を洗浄することができ、吐出口5における塗料の詰まりを解消することができる。
【0082】
〔第2の実施形態〕
上記の第1の実施形態では、ニードル弁6の弁芯方向が、吐出口5からの塗料の吐出方向(吐出口5の中心線に等しい)Aと等しい例を説明したが、この場合、ノズルチップ3に対する洗浄用流体供給経路13の加工スペースが狭く、洗浄用流体供給経路13の加工が容易ではない。
【0083】
そこで、第2の実施形態では、以下に説明するように、ノズルチップ3に対する洗浄用流体供給経路13の加工スペースを拡大し、洗浄用流体供給経路13の加工を容易とする例を説明する。
【0084】
図5は第2の実施形態に係るマーキングノズル装置200の斜視図、図6はマーキングノズル装置200の側断面図、図7は図6の要部拡大図である。
【0085】
本実施形態に係るマーキングノズル装置200は、以下に説明する点でのみ上記の第1の実施形態に係るマーキングノズル装置100と相違する。
【0086】
図6及び図7に示すように、本実施形態の場合、ニードル弁6の弁芯方向は、吐出口5からの塗料の吐出方向(吐出口5の中心線に等しい)Aに対して傾斜している。
【0087】
すなわち、図6及び図7では、ニードル弁6は、吐出方向Aに対して左に傾斜している。
【0088】
これに伴い、貯留容器1、突出部100B及び突出部100B内の駆動部7も、ニードル弁6と同じ角度で吐出方向Aに対して傾斜している。
【0089】
更に、本実施形態の場合、ニードル弁6の傾斜に伴い、ノズルチップ3の肉厚が、ニードル弁6が傾斜した側(図6及び図7における左側)の部分では薄く、ニードル弁6が傾斜した側とは反対側(図6及び図7における右側)の部分では厚くなっており、この肉厚が厚い部分に、洗浄用流体供給経路13が形成されている。
【0090】
以上のような第2の実施形態によれば、ニードル弁6の弁芯方向を吐出方向Aに対して傾斜させ、ノズルチップ3の肉厚を、ニードル弁6が傾斜した側(図6及び図7における左側)の部分では薄く、ニードル弁6が傾斜した側とは反対側(図6及び図7における右側)の部分では厚く設定しているので、この肉厚が厚い部分に洗浄用流体供給経路13を好適に加工することができる。
【0091】
なお、上記の各実施形態では、洗浄用流体供給経路13を介して吐出口5に供給する洗浄用流体として、ノズル内部洗浄ミストを例示したが、本発明はこの例に限らず、洗浄用流体は、気体(例えば、空気)のみからなるものであっても良いし、或いは、液体(例えば、浄水)のみからなるものであっても良い。
【0092】
また、洗浄用流体に液体が含まれる場合、塗料が水溶性の場合には、上記の各実施形態のように水(浄水)を含有する洗浄用流体とすれば良いが、塗料が油性の場合には、例えば、油性の塗料を溶かす性質の液体(例えば、有機溶剤など)を含有する洗浄用流体を用いると良い。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】第1の実施形態に係るマーキングノズル装置の斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係るマーキングノズル装置の側断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】ノズル洗浄ミストを供給する経路を示す図である。
【図5】第2の実施形態に係るマーキングノズル装置の斜視図である。
【図6】第2の実施形態に係るマーキングノズル装置の側断面図である。
【図7】図6の要部拡大図である。
【図8】従来のマーキングノズル装置の斜視図である。
【図9】従来のマーキングノズル装置の側断面図である。
【図10】図9の要部拡大図である。
【符号の説明】
【0094】
100 マーキングノズル装置
1 貯留容器
3 ノズルチップ(ノズル先端部構成部材)
5 吐出口
6 ニードル弁
7 駆動部(駆動手段)
13 洗浄用流体供給経路
11 エアーキャップ(カバー部材)
200 マーキングノズル装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字対象に向けて塗料を吐出するマーキングノズル装置において、
印字対象に対する吐出前の塗料を貯留する貯留容器の少なくとも先端部を構成するノズル先端部構成部材を備え、
前記ノズル先端部構成部材の先端には、前記貯留容器の内部から印字対象に向けて塗料を吐出する吐出口が形成され、
前記ノズル先端部構成部材の内部には、前記吐出口の内部を洗浄する洗浄用流体を前記吐出口に供給する洗浄用流体供給経路が形成されていることを特徴とするマーキングノズル装置。
【請求項2】
前記ノズル先端部構成部材の外周を覆うように配置されたカバー部材を備え、
前記カバー部材と前記ノズル先端部構成部材との間隔により、アトマイズエアを前記ノズル先端部構成部材の先端部に供給するアトマイズエア供給経路が構成されていることを特徴とする請求項1に記載のマーキングノズル装置。
【請求項3】
前記貯留容器内に配設され、前記吐出口を閉塞又は開口させるニードル弁と、
前記ニードル弁を前記吐出口を閉塞する方向及び開口させる方向に移動させる駆動手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のマーキングノズル装置。
【請求項4】
前記ニードル弁の弁芯方向は、前記吐出口からの塗料の吐出方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項3に記載のマーキングノズル装置。
【請求項5】
前記洗浄用流体は、少なくとも液体を含有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のマーキングノズル装置。
【請求項6】
前記洗浄用流体は、少なくとも気体を含有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のマーキングノズル装置。
【請求項7】
前記洗浄用流体は、前記液体を気体と混合して霧化させたものであることを特徴とする請求項5に記載のマーキングノズル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−119553(P2008−119553A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302647(P2006−302647)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(000135254)株式会社ニレコ (41)
【Fターム(参考)】