ミシン
【課題】簡単な機構でかつメンテナンスを容易に行い、縫製品質の低下を防止する。
【解決手段】押さえ棒の下端に設けられた連結部21と、被縫製物を押さえる押さえ足部22と、押さえ足部に協働してボタンを保持した状態で被縫製物の送り方向に移動するボタン保持部24と、ボタン穴かがり縫いの前位置及び後位置と、さらに鳩目穴かがり縫いの環状部と直線部の境界位置とを、それぞれ指示するように外部に露出して設けた被当接部26,27,28と、を備えたボタン穴かがり押さえ2と、ミシン本体に備えられ、ボタン穴かがり押さえが縫製動作中に移動しているときに、所定位置で各被当接部と接触させて各被当接部を検出する検出手段3とにより、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置の被当接部を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置の被当接部を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替える。
【解決手段】押さえ棒の下端に設けられた連結部21と、被縫製物を押さえる押さえ足部22と、押さえ足部に協働してボタンを保持した状態で被縫製物の送り方向に移動するボタン保持部24と、ボタン穴かがり縫いの前位置及び後位置と、さらに鳩目穴かがり縫いの環状部と直線部の境界位置とを、それぞれ指示するように外部に露出して設けた被当接部26,27,28と、を備えたボタン穴かがり押さえ2と、ミシン本体に備えられ、ボタン穴かがり押さえが縫製動作中に移動しているときに、所定位置で各被当接部と接触させて各被当接部を検出する検出手段3とにより、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置の被当接部を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置の被当接部を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボタン穴かがり縫いを行うことができるミシンに関する。
【背景技術】
【0002】
ボタン穴かがりミシンにおいては、ボタンの大きさに応じてかがり縫いの長さを変えることが必要である。そのかがり縫いの長さを決定する方法としては、まず、図13及び図14に示すようなボタン穴かがり押さえ100に設けられた、布を押さえる押さえ足部101に対してスライド移動するボタン保持部102を設け、押さえ足部101及びボタン保持部102に縫い長さの両端の位置を検出する突起103,104を設ける。さらに、ボタン保持部102が移動して突起103,104が所定位置に到達した際に突起103,104が接触するセンサ105を設ける。
具体的には、図14に示すように、(a)に示す状態まで布を正送りで送りつつかがり縫いを行い、センサ105が一方の突起103に接触すると送りが逆送りに切り替えられて布を逆送りで送る。そして、(b)に示す状態まで布が送られ、センサ105が他方の突起104に接触すると、送りが切り替えられて布を正送りで送りつつかがり縫いを行う(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、穴かがり縫いには、図15に示すように、鳩目縫いと呼ばれるものがある。鳩目縫いにおいては、縫い方が途中で変化するため、上記のように二箇所をセンサ105で検出するだけでは、縫い形式の切り替えをどこで行うかの指標がないため、鳩目縫いを適切に行うことができない。そこで、図15に示すように、鳩目縫いのうち、縫い方向に沿って中央で分割し、左半分の環状部200及び直線部201を縫い終わった後に右半分の環状部202及び直線部203を縫うといった方法をとっていた。しかし、このような縫製方法をとると、布を送る際に発生する滑り等により左右の縫い形状が異なる形状となったり、環状部200,202の先端同士の位置がずれて縫製品質が低下するという問題があった。
鳩目縫いを行う場合におけるこのような問題を解決するため、図16に示すように、鳩目縫いにおける環状部300を一度に縫製し、その後、直線部301を縫製するという方法がある。しかし、この縫製方法をとると、別途ボタンの大きさを入力する装置が必要となり、縫い形状又は布の送り方向の境界を検出するセンサを必要とするので、より精度の高いセンサが必要となるという問題がある。
【0004】
そこで、以上に掲げる問題を解決すべく、鳩目縫いにおいては、縫いの切り替えを三箇所に設けられたセンサで検出するように構成し、縫製品質の低下を防止することができる穴かがり縫いミシンが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2000−102681号公報
【特許文献2】特公平7−61389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献2においては、縫い形状又は布の送り方向の切り替えのタイミングを検出するセンサとして光電センサを用い、この光電センサをボタン穴かがり押さえの内部に設けていたため、ボタン穴かがり押さえの機構が複雑になり、コストが嵩むという問題があった。また、光電センサを用いる場合、その光路上に埃等が堆積するとセンサとして機能しないためメンテナンスをこまめに行う必要があるが、光電センサがボタン穴かがり押さえの内部に設けられていると、メンテナンスの際にボタン穴かがり押さえを分解しなければならないため、メンテナンスが困難であるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡単な機構でかつメンテナンスを容易に行うことができ、縫製品質の低下を防止することができるミシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、ミシンにおいて、ミシンの押さえ棒の下端に設けられた押さえホルダに取り付けられる連結部と、この連結部に摺動自在に保持され、縫製動作中に被縫製物の布送りに伴って移動しながら被縫製物を押さえる押さえ足部と、前記押さえ足部に摺動自在に保持され、前記押さえ足部とでボタンを保持し、前記押さえ足部に協働してボタンを保持した状態で被縫製物の送り方向に移動するボタン保持部と、前記押さえ足部及び前記ボタン保持部に設けられ、ボタン穴かがり縫いの前位置及び後位置と、さらに鳩目穴かがり縫いの環状部と直線部の境界位置とを、それぞれ指示するように外部に露出して設けた被当接部と、を備えたボタン穴かがり押さえと、ミシン本体に備えられ、前記押さえ棒の下端に設けられた前記ボタン穴かがり押さえが縫製動作中に移動しているときに、所定位置で各被当接部と接触させて各被当接部を検出する検出手段とにより、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置の被当接部を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置の被当接部を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ボタン保持部と押さえ足部とでボタンを保持し、連結部に摺動自在に保持された押さえ足部で被縫製物を押さえて被縫製物を送りながら縫製を行うと、縫製動作に協働して押さえ足部も被縫製物の送り方向に移動する。押さえ足部が移動すると、押さえ足部及びボタン保持部に設けられた被当接部も同方向に移動し、被当接部が所定位置に到達すると、検出手段が各被当接部の存在を検出する。このようなボタン穴かがり押さえと検出手段により、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置の被当接部を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置の被当接部を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替える。
これにより、鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向の切り替えや環状部と直線部の縫いの切り替えは、検出手段とボタン穴かがり押さえにより行われるので、光電センサのように光路上への埃等の堆積による未検出といった問題を解消することができる。
また、検出手段は外部に露出するように設けられた被当接部に当接するように構成されているので、押さえ足部周辺の機構を簡単にすることができ、メンテナンスを容易に行うことができ、メンテナンス不良による縫製品質の低下を防止することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミシンにおいて、前記検出手段は、前記押さえ足部が未装着である第1の状態と、前記被当接部に当接していない第2の状態と、前記被当接部に当接した第3の状態と、を検出可能であることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、検出手段は、被当接部への当接の有無だけでなく、押さえ足部が未装着であることも検出できるので、押さえ足部の装着の確認を検出手段で行うことができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、ミシンの押さえ棒の下端に設けられた押さえホルダに取り付けられる連結部と、この連結部に摺動自在に保持され、縫製動作中に被縫製物の布送りに伴って移動しながら被縫製物を押さえる押さえ足部と、前記押さえ足部に摺動自在に保持され、前記押さえ足部とでボタンを保持し、前記押さえ足部に協働してボタンを保持した状態で被縫製物の送り方向に移動するボタン保持部と、前記押さえ足部及び前記ボタン保持部に設けられ、ボタン穴かがり縫いの前位置及び後位置と、さらに鳩目穴かがり縫いの環状部と直線部の境界位置とを、それぞれ指示するように外部に露出して設けた反射板と、を備えたボタン穴かがり押さえと、ミシン本体に備えられ、前記押さえ棒の下端に設けられた前記ボタン穴かがり押さえが縫製動作中に移動しているときに、所定位置で対向する反射板に向けて発光する発光部と、ミシン本体に備えられ、前記発光部から発光された光が前記反射板に当たって反射された光を受光する受光部と、を備えた検出手段とにより、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置における反射板からの反射光を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置における反射板からの反射光を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替えることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、ボタン保持部と押さえ足部とでボタンを保持し、連結部に摺動自在に保持された押さえ足部で被縫製物を押さえて被縫製物を送りながら縫製を行うと、縫製動作に協働して押さえ足部も被縫製物の送り方向に移動する。押さえ足部が移動すると、押さえ足部及びボタン保持部に設けられた反射板も同方向に移動し、反射板が所定位置に到達すると、検出手段を構成する発光部から発光された光が所定位置に到達した反射板に当たって反射し、受光部で受光される。このようなボタン穴かがり押さえと検出手段により、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置の反射板を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置の反射板を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替える。
これにより、鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向の切り替えや環状部と直線部の縫いの切り替えは、発光部及び受光部と押さえ足部及びボタン保持部に設けられた反射板とによって検出されるので、発光部及び受光部と押さえ足部及びボタン保持部とを接触させることなく押さえ足部が所定位置に到達したことを検出することができる。なお、縫い形状又は被縫製物の送り方向の切り替えタイミングの検出に光を利用することにより光路上への埃等の堆積による問題が考えられるが、反射板は露出するように設けられているため、埃等の除去を容易に行うことができ、メンテナンスを容易に行うことができる。また、押さえ足部及び少なくとも三つ以上の反射板を設けて発光部及び受光部で検出することができるので、鳩目縫いのように縫い形状又は被縫製物の送り方向の切り替えにも対応することができ、縫製品質の低下を防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向の切り替えや環状部と直線部の縫いの切り替えは、検出手段とボタン穴かがり押さえにより行われるので、光電センサのように光路上への埃等の堆積による未検出といった問題を解消することができる。
また、検出手段は外部に露出するように設けられた被当接部に当接するように構成されているので、押さえ足部周辺の機構を簡単にすることができ、メンテナンスを容易に行うことができ、メンテナンス不良による縫製品質の低下を防止することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、検出手段は、被当接部への当接の有無だけでなく、押さえ足部が未装着であることも検出できるので、押さえ足部の装着の確認を検出手段で行うことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向の切り替えや環状部と直線部の縫いの切り替えは、発光部及び受光部と押さえ足部及びボタン保持部に設けられた反射板とによって検出されるので、発光部及び受光部と押さえ足部及びボタン保持部とを接触させることなく押さえ足部が所定位置に到達したことを検出することができる。なお、縫い形状又は被縫製物の送り方向の切り替えタイミングの検出に光を利用することにより光路上への埃等の堆積による問題が考えられるが、反射板は露出するように設けられているため、埃等の除去を容易に行うことができ、メンテナンスを容易に行うことができる。また、押さえ足部及び少なくとも三つ以上の反射板を設けて発光部及び受光部で検出することができるので、鳩目縫いのように縫い形状又は被縫製物の送り方向の切り替えにも対応することができ、縫製品質の低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、ミシンの最良の形態について詳細に説明する。なお、本実施形態では、ミシンとして、ボタン穴かがり縫いミシンを例に挙げて説明する。
<ミシンの構成>
図1に示すように、ミシン10には、押さえ棒1がミシン10の上下方向に移動可能に設けられている。
押さえ棒1の下端には、押さえホルダ(図示略)が設けられ、この押さえホルダには、被縫製物たる布を押さえるボタン穴かがり押さえ2が設けられている。
ボタン穴かがり押さえ2は、その下面が布の載置される針板Pの上面に対向するように配置されている。
図2に示すように、ボタン穴かがり押さえ2は、押さえ棒1の下端に設けられた押さえホルダに取り付けられた連結部21と、連結部21に摺動自在に保持され、布を上方から押さえるとともに縫製動作中に布の布送りに伴って移動しながら布を押さえる押さえ足部22と、この押さえ足部22の下方に位置するように押さえ足部22に連結され、押さえ足部22とで布を挟み込むプレート23(図5参照)と、押さえ足部22に摺動自在に保持され、押さえ足部22とでボタンを保持し、押さえ足部22に協働してボタンを保持した状態で布の送り方向に移動するボタン保持部24と、押さえ足部22の上面に設けられたカバー部材25等を備えている。
【0017】
(連結部)
図3は、連結部21の平面図である。図3に示すように、連結部21の上面には、押さえ棒1の下端に設けられた押さえホルダが連結部21を把持して連結するための連結棒21aが設けられている。従って、押さえホルダによる連結棒21aの把持及び解放により押さえ足部22を押さえ棒1に着脱自在とすることができる。連結部21の下面側には、押さえ足部22の開口22a(図4参照)及びプレート23の開口23a(図5参照)に嵌り込んで当該開口22a,23aの長手方向に沿って摺動可能となるように形成されたガイド突起(図示略)が形成されている。
連結部21は、下面に設けられたガイド突起(図示略)を開口22a,23aに嵌め込むことにより、押さえ足部22の上面における開口22aの周囲に形成されたくぼみ22bに嵌め込まれる。そして、上方からカバー部材25(図7参照)を設けることにより、連結部21のくぼみ22bからの離脱を防止する。
【0018】
(押さえ足部)
図4は、押さえ足部22の平面図である。図4に示すように、押さえ足部22は、一方に長尺な板材から形成され、一方の端部近傍から中央付近にわたって、その長手方向に沿って長尺な矩形状の開口22aが形成されている。この開口22aは、針落ちさせるための開口である。押さえ足部22には、長手方向に沿った対向する両側縁にカバー部材5に係合する係合爪22cが形成されている。この係合爪22cは押さえ足部22と一体形成されていてもよいし、別個に設けられていてもよい。
押さえ足部22の他端近傍には、ボタン保持部24(図6参照)の一部が嵌め込まれ、ボタン保持部24の長手方向への移動を可能とする溝22dが形成されている。
【0019】
押さえ足部22の他端には、ボタンの一部の周縁に沿って形成され、ボタン保持部24とでボタンを支持するボタン支持部22eが設けられている。このボタン支持部22eは押さえ足部22と一体形成されていてもよいし、別個に設けられていてもよい。
押さえ足部22の長手方向に沿った一側縁の一部は、外側に向けて張り出すように形成されており、その張り出した部分には、プレート23の一部が挿通される挿通孔22fが形成されている。
押さえ足部22の上面側側縁には、押さえ足部22の長手方向に沿って延び、ボタン保持部24のスライド移動を案内するスライド溝22gが形成されている。
【0020】
押さえ足部22におけるスライド溝22gの一端には、外部に露出するとともに押さえ足部22の側方に向けて突出する被当接部としての突部26が形成されている。
突部26は、押さえ足部22の側方に最も突出するように形成され、その先端は押さえ足部22の長手方向に沿って平行に延びるように形成されている。突部26は、ボタン穴かがり縫いの前位置を指示するものである。
【0021】
また、押さえ足部22には、突部26と同様に外部に露出するとともに押さえ足部22の側方に向けて突出する被当接部としての突部27が形成されている。突部27は、押さえ足部22の側方に最も突出するように形成され、その先端は尖るように形成されている。また、突部26と突部27は、押さえ足部22の側方への突出量が略等しくなるように形成されている。突部27は、鳩目穴かがり縫いの環状部と直線部の境界位置を指示するものである。
【0022】
(プレート)
図5に示すように、プレート23は、一方に長尺な板材から形成され、一方の端部近傍から中央付近にわたって、その長手方向に沿って長尺な矩形状の開口23aが形成されている。この開口23aは、針落ちさせるための開口であり、押さえ足部22とプレート23を重ね合わせた際に、互いの開口22a,23a同士も重なり合うように形成されている。
プレート23の長手方向に沿った一側縁の一端部は、外側に向けて張り出すように形成されており、その張り出した部分には、押さえ足部22の挿通孔22fに挿通するためにプレート23の上面に対してほぼ直角をなすように立てて形成された立部23bが形成されている。
【0023】
(ボタン保持部)
図6に示すように、ボタン保持部24は、押さえ足部22に対して摺動自在に設けられ、縫製動作に協働してボタンを保持した状態で布の送り方向に移動するように設けられている。ボタン保持部24は、土台24aを備えており、この土台24aには、押さえ足部22に設けられたボタン支持部22eとでボタンを保持するボタン支持部24bを備えている。ボタン支持部24bは、押さえ足部22に形成された溝22dに対してスライド移動自在に嵌め込まれるガイド爪24cと、ボタン支持部24bに対向配置され、ボタンの外周に合わせて形成されたボタン当接部24dと、を備えている。
【0024】
土台24aの上面には、ユーザがボタン保持部24をスライドさせるためのツマミ24eが立設されている。
土台24aの下面には、押さえ足部22に形成されたスライド溝22gに嵌り込むガイドレール24fが設けられている。ガイドレール24fを押さえ足部22のスライド溝22gに嵌め込むことにより、ボタン支持部24bは、押さえ足部22のボタン支持部22eに対して接離可能となる。これにより、ボタンの大きさに合わせてボタン保持部24の移動量が変化し、ボタン穴かがり縫いの長さも変化する。
【0025】
ボタン保持部24の側方でガイドレール24fの先端には、外部に露出するようにガイドレール24fから突出し、ガイドレール24fの延びる方向に対して略直角をなす方向、かつ、土台24a上面に沿った方向に突出する被当接部としての突部28が設けられている。突部28は、ボタン保持部24に形成されているため、ボタン保持部24の移動とともにその位置を変えることができるようになっている。すなわち、押さえ足部のボタン支持部22eとボタン保持部24のボタン支持部24bとで保持するボタンの大きさによって位置が変わる。
【0026】
突部28は、ボタン保持部24及び押さえ足部22の側方に突出するように形成され、その先端はボタン保持部24のスライド移動方向に沿って平行に延びるように形成されている。突部28の先端は、ボタン保持部24を押さえ足部22に取り付ける、ガイドレール24fをスライド溝22gに嵌め込んだ際に押さえ足部22の突部26及び突部27の先端と同じ高さ、言い換えると同一直線上に並ぶように形成されている。なお、これらの突部26,27,28の先端を結ぶ直線はボタン保持部24のスライド移動方向に略平行となる。突部28は、ボタン穴かがり縫いの後位置を指示するものである。
【0027】
(カバー部材)
図7に示すように、カバー部材25は、一方に長尺な板材から形成され、一方の端部近傍から中央付近にわたって、その長手方向に沿って長尺な矩形状の開口25aが形成されている。この開口25aは、針落ちさせるための開口であり、押さえ足部22及びプレート23とカバー部材25を重ね合わせた際に、互いの開口22a,23a,25a同士も重なり合うように形成されている。
カバー部材25には、長手方向に沿った対向する両側縁に押さえ足部22の係合爪22cに係合する係合受部25cが形成されている。この係合受部25cはカバー部材25と一体形成されていてもよいし、別個に設けられていてもよい。
カバー部材25には、ボタン保持部24の上方への浮き上がりを防止するための規制板25dが設けられている。規制板25dは、ボタン保持部24のガイドレール24fの上方に配置され、ガイドレール24fが押さえ足部22のスライド溝22gから離脱するのを防止する。
【0028】
(スイッチ)
突部26,27,28の移動経路上には、押さえ棒1の下端に設けられたボタン穴かがり押さえ2が縫製動作中に移動しているときに、所定位置で各突起26,27,28と接触させて各突起26,27,28を検出する検出手段としてのスイッチ3が設けられている。
図8に示すように、スイッチ3は、ボタン穴かがり押さえ2の上方に位置するミシン本体Fに設けられている。スイッチ3は、ミシン本体Fに垂下支持された板状の検出板31を備えている。検出板31は、その長手方向の中央近傍でミシン本体Fに対して回動自在に取り付けられており、その上部及び下部がミシン10の上下方向及びボタン保持部24の移動方向(布送り方向)に対して略直角をなす方向に移動可能とされている。
【0029】
検出板31の回動による上部の移動経路上には、検出板31を挟み込むように二つの接点32,33が設けられている。接点32は検出板3の下部に設けられた当接部材34が突部26,27,28の移動経路上に進出するように回動したときに検出板31の上部が当接するように配置されている。接点33は検出板31の下部に設けられた当接部材34が突部26,27,28の移動経路から退避するように回動したときに検出板31の上部が当接するように配置されている。従って、当接部材34は、所定位置で突部26,27,28の移動経路上に進退自在とされている。ここで、所定位置とは、当接部材34が突部27と突部28との間で突部27,28の移動経路上に進退するように、ユーザにより任意に決定される位置である。
【0030】
検出板31の下端には、検出板31の回動により突部26,27,28の移動経路上に進退自在とされた当接部材34が設けられている。また、検出板31の下端は、付勢手段であるバネ35によりミシン本体Fと連結され、ボタン保持部24に向けて付勢されている。ここで、バネ35の付勢力は、検出板31の下端に設けられた当接部材34の先端が、押さえ棒1にボタン穴かがり押さえ2を取り付けなかった場合における突部26,27,28よりもボタン穴かがり押さえ2の内側に移動するような力となっている。すなわち、押さえ棒1にボタン穴かがり押さえ2が取り付けられていないときには、当接部材34が各突部26,27,28の先端よりもボタン穴かがり押さえ2の内部に進出し、検出板31の上部は接点32に当接する。
【0031】
また、図9に示すように、当接部材34は、検出板31が接点32と接点33との中間位置にあるときに、その先端がボタン保持部24の側面に当接するように配置されている。すなわち、押さえ棒1にボタン穴かがり押さえ2が設けられている場合であって、当接部材34が突部26,27,28に当接していない場合には、検出板31は接点32,33のいずれにも当接することがなく、ボタン保持部24は当接部材34の先端に対して摺動する。
また、図10に示すように、検出板31は、当接部材34が突部26,27,28に当接した場合に接点33に当接するように配置されている。
従って、スイッチ3からは、押さえ足部22が未装着である第1の状態(図8の状態)と、突部26,27,28に当接していない第2の状態(図9の状態)と、被当接部26,27,28に当接した第3の状態(図10の状態)と、が検出可能である。
【0032】
(制御装置)
ミシン10には、縫製についての制御を行う制御装置4が設けられている。
図11に示すように、制御装置4は、縫製に関する処理プログラム、主軸モータ等の駆動制御に関するプログラムに従って各処理を実行するCPU41と、各処理プログラムを展開してCPU41の作業エリアとなるRAM42と、各処理を実行するためのプログラムや縫製に関するデータ等が記憶されるROM43、を備えている。
ROM43には、当接部材34が突部26,27,28に当接した際に切り替えられる縫い形状又は被縫製物の送り方向に関する縫製データ43dが突部26,27,28毎に記憶されている。具体的には、鳩目縫いを行う場合には、鳩目縫いの環状部の縫い形状となるように縫製するための縫製データ(一針ごとの針落ち位置データ)と、鳩目縫いの直線部の縫い形状となるように縫製するための縫製データ(針振り幅、布送り量)とがどの突部26,27,28に当接した際に切り替えられるかというテーブルが記憶されている。
【0033】
ROM43には、当接部材34が突部26,27,28に当接したことを検出した際に、当接した突部26,27,28に対応する縫製データに基づいて布の縫い形状又は布の送り方向を切り替える制御プログラム43pが記憶されている。すなわち、CPU41が制御プログラム43pを実行することにより制御装置4は制御手段として機能する。
スイッチ3に設けられている接点32,33は、制御装置4に電気的に接続されており、検出板31が接点32,33に当接することにより、制御装置4に信号が送られ、当接部材34の状態を検出することができるようになっている。
具体的には、制御プログラム43pは、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、スイッチ3が、突起26又は突起28が検出板31に当接したことを検出した場合に、鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替える。また、制御プログラム43pは、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、スイッチ3が、突起27が検出板31に当接したことを検出した場合に、環状部と直線部の縫いを切り替える。
【0034】
<鳩目縫い>
次に、穴かがり縫いの一つである鳩目縫いの手順について説明する。ここでは、二つの突部27,28による検出結果を用いて鳩目縫いを行う場合と、三つの突部26,27,28による検出結果を用いて鳩目縫いを行う場合とに分けて説明する。
【0035】
(二つの突部の検出により鳩目縫いを行う方法)
図12(a)に示すように、押さえ足部22のボタン支持部22eとボタン保持部24のボタン支持部24bとでボタンを挟持し、押さえ足部22とプレート23で布を挟み込み、縫製を開始する。そして、当接部材34が突部28に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、設定された針振り幅と布送り量を用いて直線部D1の縫製を行うように各部の動作を制御する。
【0036】
そして、直線部D1の縫製中に当接部材34が突部27に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、一針ごとの針落ち位置データを用いて環状部D2の縫製を行うように各部の動作を制御する。
次いで、環状部D2の縫製中に当接部材34が突部27に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、設定された針振り幅と布送り量を用いて直線部D3の縫製を行うように各部の動作を制御する。
【0037】
その後、直線部D3の縫製中に当接部材34が突部28に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、縫製を終了させる。
以上の手順で鳩目縫いを行う領域を三つに分割し、縫製の開始及び終了、各領域の縫製の切り替えを二つの突部27,28で検出して縫製を行うことにより、鳩目縫いが形成される。
【0038】
(三つの突部の検出により鳩目縫いを行う方法)
図12(b)に示すように、押さえ足部22のボタン支持部22eとボタン保持部24のボタン支持部24bとでボタンを挟持し、押さえ足部22とプレート23で布を挟み込み、縫製を開始する。そして、当接部材34が突部28に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、設定された針振り幅と布送り量を用いて直線部T1の縫製を行うように各部の動作を制御する。
そして、直線部T1の縫製中に当接部材34が突部27に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、一針ごとの針落ち位置データを用いて曲線部T2の縫製を行うように各部の動作を制御する。
【0039】
次いで、曲線部T2の縫製中に当接部材34が突部26に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、一針ごとの針落ち位置データを用いて半円状の環状部T3の縫製を行うように各部の動作を制御する。
次いで、環状部T3の縫製中に当接部材34が突部26に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、一針ごとの針落ち位置データを用いて曲線部T4の縫製を行うように各部の動作を制御する。
【0040】
次いで、曲線部T4の縫製中に当接部材34が突部27に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、設定された針振り幅と布送り量を用いて直線部T5の縫製を行うように各部の動作を制御する。
【0041】
その後、直線部T5の縫製中に当接部材34が突部28に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、縫製を終了させる。
以上の手順で鳩目縫いを行う領域を五つに分割し、縫製の開始及び終了、各領域の縫製の切り替えを三つの突部26,27,28で検出して縫製を行うことにより、鳩目縫いが形成される。
【0042】
<作用効果>
実施形態におけるミシン10によれば、ボタン保持部24と押さえ足部22とでボタンを保持し、連結部21に摺動自在に保持された押さえ足部22とプレート23で布を挟み込んで布を送りながら縫製を行うと、縫製動作に協働して押さえ足部22及びボタン保持部24も布の送り方向に移動する。押さえ足部22及びボタン保持部24が移動すると、押さえ足部22に設けられた突部26,27や、ボタン保持部24に設けられた突部28も同方向に移動し、突部26,27,28がスイッチ3の当接部材34に当接すると、検出板31が接点33に当接して縫い形状又は布の送り方向の切り替えを行うタイミングを検出する。スイッチ3が、突部26,27,28が当接部材34に当接したことを検出すると、制御装置4は、ROM43に記憶された、当接した突部26,27,28に対応する縫製データ43dに基づいて布の縫い形状又は布の送り方向を切り替える。
【0043】
これにより、縫い形状又は送り方向の切り替えの検出は、スイッチ3とボタン保持部24及び押さえ足部22とに設けられた突部26,27,28との当接により検出されるので、光電センサのように光路上への埃等の堆積による未検出といった問題を解消することができる。
また、スイッチ3はボタン保持部24の側方から外部に露出するように設けられた突部26,27,28に当接するように構成されているので、押さえ足部22やプレート23周辺の機構を簡単にすることができ、メンテナンスを容易に行うことができる。また、少なくとも三つ以上の被当接部26,27,28を設けてスイッチ3で検出することができるので、鳩目縫いにおける送り方向や環状部と直線部の切り替えにも対応することができ、さらには縫い形状を美しくすることができて、縫製品質の低下を防止することができる。また、スイッチ3は当接部材34が検出板31に当接することにより機械的に検出することができるので、構造が簡単で比較的安価なスイッチを用いることができ、コストダウンに寄与することができる。
【0044】
また、スイッチ3は、突部26,27,28への当接の有無だけでなく、押さえ足部22が未装着であることも検出できるので、押さえ足部22の装着の確認をスイッチ3で行うことができる。
【0045】
<その他>
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限られるものではない。例えば、突部26,27,28に代えて光を反射する反射板を設けるとともに、スイッチ3に代えて縫製動作中におけるボタン保持部の移動時に、対向するボタン保持部に向けて発光する発光部と、発光部から発光された光が反射板に当たって反射された光を受光する受光部と、を有する検出手段としてのセンサを設ける。そして、発光部から発光された光を受光部が受光したときに切り替えられる縫い形状又は送り方向に関する縫製データを反射板毎にROMに記憶させ、発光部から発光された光を受光部が受光した際に、制御装置により、発光部からの光を反射した反射板に対応する縫製データに基づいて、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置の反射板を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置の反射板を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替えるように構成してもよい。
【0046】
このような構成とすることで、鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向の切り替えや環状部と直線部の縫いの切り替えは、発光部及び受光部と押さえ足部及びボタン保持部に設けられた反射板とによって検出されるので、発光部及び受光部と押さえ足部及びボタン保持部とを接触させることなく押さえ足部が所定位置に到達したことを検出することができる。なお、縫い形状又は被縫製物の送り方向の切り替えタイミングの検出に光を利用することにより光路上への埃等の堆積による問題が考えられるが、反射板は露出するように設けられているため、埃等の除去を容易に行うことができ、メンテナンスを容易に行うことができる。また、押さえ足部及び少なくとも三つ以上の反射板を設けて発光部及び受光部で検出することができるので、鳩目縫いのように縫い形状又は被縫製物の送り方向の切り替えにも対応することができ、縫製品質の低下を防止することができる。
【0047】
また、突部の数を増やすことにより、縫い形状の切り替えを詳細に設定することもできるので、より美しい縫い目の形成や複雑な縫い形状の実現が可能である。
その他、発明の範囲内において、自由に設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】ミシンの概略図。
【図2】ボタン穴かがり押さえの平面図。
【図3】連結部の平面図。
【図4】押さえ足部の平面図。
【図5】プレートの平面図。
【図6】(a)はボタン保持部の平面図、(b)はボタン保持部の側面図。
【図7】カバー部材の平面図。
【図8】(a)はボタン穴かがり押さえが未装着の場合における当接部材の位置を示す図、(b)は(a)の状態におけるスイッチの状態を示す図。
【図9】(a)は当接部材が突部に当接していない場合における当接部材の位置を示す図、(b)は(a)の状態におけるスイッチの状態を示す図。
【図10】(a)は当接部材が突部に当接している場合における当接部材の位置を示す図、(b)は(a)の状態におけるスイッチの状態を示す図。
【図11】制御装置の構成を示すブロック図。
【図12】(a)は二つの突部を検出して行う鳩目縫いの手順を示す図、(b)は三つの突部を検出して行う鳩目縫いの手順を示す図。
【図13】従来技術におけるボタン穴かがり押さえの平面図。
【図14】(a)は従来技術における正送りから逆送りへの切り替えを示す図、(b)は従来技術における逆送りから正送りへの切り替えを示す図。
【図15】従来技術における鳩目縫いの手順を示す図。
【図16】従来技術における鳩目縫いの手順を示す図。
【符号の説明】
【0049】
1 押さえ棒
2 ボタン穴かがり押さえ
3 スイッチ(検出手段)
4 制御装置
21 連結部
22 押さえ足部
23 プレート
24 ボタン保持部
26 突部(被当接部)
27 突部(被当接部)
28 突部(被当接部)
43 ROM
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボタン穴かがり縫いを行うことができるミシンに関する。
【背景技術】
【0002】
ボタン穴かがりミシンにおいては、ボタンの大きさに応じてかがり縫いの長さを変えることが必要である。そのかがり縫いの長さを決定する方法としては、まず、図13及び図14に示すようなボタン穴かがり押さえ100に設けられた、布を押さえる押さえ足部101に対してスライド移動するボタン保持部102を設け、押さえ足部101及びボタン保持部102に縫い長さの両端の位置を検出する突起103,104を設ける。さらに、ボタン保持部102が移動して突起103,104が所定位置に到達した際に突起103,104が接触するセンサ105を設ける。
具体的には、図14に示すように、(a)に示す状態まで布を正送りで送りつつかがり縫いを行い、センサ105が一方の突起103に接触すると送りが逆送りに切り替えられて布を逆送りで送る。そして、(b)に示す状態まで布が送られ、センサ105が他方の突起104に接触すると、送りが切り替えられて布を正送りで送りつつかがり縫いを行う(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、穴かがり縫いには、図15に示すように、鳩目縫いと呼ばれるものがある。鳩目縫いにおいては、縫い方が途中で変化するため、上記のように二箇所をセンサ105で検出するだけでは、縫い形式の切り替えをどこで行うかの指標がないため、鳩目縫いを適切に行うことができない。そこで、図15に示すように、鳩目縫いのうち、縫い方向に沿って中央で分割し、左半分の環状部200及び直線部201を縫い終わった後に右半分の環状部202及び直線部203を縫うといった方法をとっていた。しかし、このような縫製方法をとると、布を送る際に発生する滑り等により左右の縫い形状が異なる形状となったり、環状部200,202の先端同士の位置がずれて縫製品質が低下するという問題があった。
鳩目縫いを行う場合におけるこのような問題を解決するため、図16に示すように、鳩目縫いにおける環状部300を一度に縫製し、その後、直線部301を縫製するという方法がある。しかし、この縫製方法をとると、別途ボタンの大きさを入力する装置が必要となり、縫い形状又は布の送り方向の境界を検出するセンサを必要とするので、より精度の高いセンサが必要となるという問題がある。
【0004】
そこで、以上に掲げる問題を解決すべく、鳩目縫いにおいては、縫いの切り替えを三箇所に設けられたセンサで検出するように構成し、縫製品質の低下を防止することができる穴かがり縫いミシンが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2000−102681号公報
【特許文献2】特公平7−61389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献2においては、縫い形状又は布の送り方向の切り替えのタイミングを検出するセンサとして光電センサを用い、この光電センサをボタン穴かがり押さえの内部に設けていたため、ボタン穴かがり押さえの機構が複雑になり、コストが嵩むという問題があった。また、光電センサを用いる場合、その光路上に埃等が堆積するとセンサとして機能しないためメンテナンスをこまめに行う必要があるが、光電センサがボタン穴かがり押さえの内部に設けられていると、メンテナンスの際にボタン穴かがり押さえを分解しなければならないため、メンテナンスが困難であるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡単な機構でかつメンテナンスを容易に行うことができ、縫製品質の低下を防止することができるミシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、ミシンにおいて、ミシンの押さえ棒の下端に設けられた押さえホルダに取り付けられる連結部と、この連結部に摺動自在に保持され、縫製動作中に被縫製物の布送りに伴って移動しながら被縫製物を押さえる押さえ足部と、前記押さえ足部に摺動自在に保持され、前記押さえ足部とでボタンを保持し、前記押さえ足部に協働してボタンを保持した状態で被縫製物の送り方向に移動するボタン保持部と、前記押さえ足部及び前記ボタン保持部に設けられ、ボタン穴かがり縫いの前位置及び後位置と、さらに鳩目穴かがり縫いの環状部と直線部の境界位置とを、それぞれ指示するように外部に露出して設けた被当接部と、を備えたボタン穴かがり押さえと、ミシン本体に備えられ、前記押さえ棒の下端に設けられた前記ボタン穴かがり押さえが縫製動作中に移動しているときに、所定位置で各被当接部と接触させて各被当接部を検出する検出手段とにより、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置の被当接部を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置の被当接部を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ボタン保持部と押さえ足部とでボタンを保持し、連結部に摺動自在に保持された押さえ足部で被縫製物を押さえて被縫製物を送りながら縫製を行うと、縫製動作に協働して押さえ足部も被縫製物の送り方向に移動する。押さえ足部が移動すると、押さえ足部及びボタン保持部に設けられた被当接部も同方向に移動し、被当接部が所定位置に到達すると、検出手段が各被当接部の存在を検出する。このようなボタン穴かがり押さえと検出手段により、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置の被当接部を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置の被当接部を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替える。
これにより、鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向の切り替えや環状部と直線部の縫いの切り替えは、検出手段とボタン穴かがり押さえにより行われるので、光電センサのように光路上への埃等の堆積による未検出といった問題を解消することができる。
また、検出手段は外部に露出するように設けられた被当接部に当接するように構成されているので、押さえ足部周辺の機構を簡単にすることができ、メンテナンスを容易に行うことができ、メンテナンス不良による縫製品質の低下を防止することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミシンにおいて、前記検出手段は、前記押さえ足部が未装着である第1の状態と、前記被当接部に当接していない第2の状態と、前記被当接部に当接した第3の状態と、を検出可能であることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、検出手段は、被当接部への当接の有無だけでなく、押さえ足部が未装着であることも検出できるので、押さえ足部の装着の確認を検出手段で行うことができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、ミシンの押さえ棒の下端に設けられた押さえホルダに取り付けられる連結部と、この連結部に摺動自在に保持され、縫製動作中に被縫製物の布送りに伴って移動しながら被縫製物を押さえる押さえ足部と、前記押さえ足部に摺動自在に保持され、前記押さえ足部とでボタンを保持し、前記押さえ足部に協働してボタンを保持した状態で被縫製物の送り方向に移動するボタン保持部と、前記押さえ足部及び前記ボタン保持部に設けられ、ボタン穴かがり縫いの前位置及び後位置と、さらに鳩目穴かがり縫いの環状部と直線部の境界位置とを、それぞれ指示するように外部に露出して設けた反射板と、を備えたボタン穴かがり押さえと、ミシン本体に備えられ、前記押さえ棒の下端に設けられた前記ボタン穴かがり押さえが縫製動作中に移動しているときに、所定位置で対向する反射板に向けて発光する発光部と、ミシン本体に備えられ、前記発光部から発光された光が前記反射板に当たって反射された光を受光する受光部と、を備えた検出手段とにより、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置における反射板からの反射光を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置における反射板からの反射光を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替えることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、ボタン保持部と押さえ足部とでボタンを保持し、連結部に摺動自在に保持された押さえ足部で被縫製物を押さえて被縫製物を送りながら縫製を行うと、縫製動作に協働して押さえ足部も被縫製物の送り方向に移動する。押さえ足部が移動すると、押さえ足部及びボタン保持部に設けられた反射板も同方向に移動し、反射板が所定位置に到達すると、検出手段を構成する発光部から発光された光が所定位置に到達した反射板に当たって反射し、受光部で受光される。このようなボタン穴かがり押さえと検出手段により、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置の反射板を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置の反射板を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替える。
これにより、鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向の切り替えや環状部と直線部の縫いの切り替えは、発光部及び受光部と押さえ足部及びボタン保持部に設けられた反射板とによって検出されるので、発光部及び受光部と押さえ足部及びボタン保持部とを接触させることなく押さえ足部が所定位置に到達したことを検出することができる。なお、縫い形状又は被縫製物の送り方向の切り替えタイミングの検出に光を利用することにより光路上への埃等の堆積による問題が考えられるが、反射板は露出するように設けられているため、埃等の除去を容易に行うことができ、メンテナンスを容易に行うことができる。また、押さえ足部及び少なくとも三つ以上の反射板を設けて発光部及び受光部で検出することができるので、鳩目縫いのように縫い形状又は被縫製物の送り方向の切り替えにも対応することができ、縫製品質の低下を防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向の切り替えや環状部と直線部の縫いの切り替えは、検出手段とボタン穴かがり押さえにより行われるので、光電センサのように光路上への埃等の堆積による未検出といった問題を解消することができる。
また、検出手段は外部に露出するように設けられた被当接部に当接するように構成されているので、押さえ足部周辺の機構を簡単にすることができ、メンテナンスを容易に行うことができ、メンテナンス不良による縫製品質の低下を防止することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、検出手段は、被当接部への当接の有無だけでなく、押さえ足部が未装着であることも検出できるので、押さえ足部の装着の確認を検出手段で行うことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向の切り替えや環状部と直線部の縫いの切り替えは、発光部及び受光部と押さえ足部及びボタン保持部に設けられた反射板とによって検出されるので、発光部及び受光部と押さえ足部及びボタン保持部とを接触させることなく押さえ足部が所定位置に到達したことを検出することができる。なお、縫い形状又は被縫製物の送り方向の切り替えタイミングの検出に光を利用することにより光路上への埃等の堆積による問題が考えられるが、反射板は露出するように設けられているため、埃等の除去を容易に行うことができ、メンテナンスを容易に行うことができる。また、押さえ足部及び少なくとも三つ以上の反射板を設けて発光部及び受光部で検出することができるので、鳩目縫いのように縫い形状又は被縫製物の送り方向の切り替えにも対応することができ、縫製品質の低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、ミシンの最良の形態について詳細に説明する。なお、本実施形態では、ミシンとして、ボタン穴かがり縫いミシンを例に挙げて説明する。
<ミシンの構成>
図1に示すように、ミシン10には、押さえ棒1がミシン10の上下方向に移動可能に設けられている。
押さえ棒1の下端には、押さえホルダ(図示略)が設けられ、この押さえホルダには、被縫製物たる布を押さえるボタン穴かがり押さえ2が設けられている。
ボタン穴かがり押さえ2は、その下面が布の載置される針板Pの上面に対向するように配置されている。
図2に示すように、ボタン穴かがり押さえ2は、押さえ棒1の下端に設けられた押さえホルダに取り付けられた連結部21と、連結部21に摺動自在に保持され、布を上方から押さえるとともに縫製動作中に布の布送りに伴って移動しながら布を押さえる押さえ足部22と、この押さえ足部22の下方に位置するように押さえ足部22に連結され、押さえ足部22とで布を挟み込むプレート23(図5参照)と、押さえ足部22に摺動自在に保持され、押さえ足部22とでボタンを保持し、押さえ足部22に協働してボタンを保持した状態で布の送り方向に移動するボタン保持部24と、押さえ足部22の上面に設けられたカバー部材25等を備えている。
【0017】
(連結部)
図3は、連結部21の平面図である。図3に示すように、連結部21の上面には、押さえ棒1の下端に設けられた押さえホルダが連結部21を把持して連結するための連結棒21aが設けられている。従って、押さえホルダによる連結棒21aの把持及び解放により押さえ足部22を押さえ棒1に着脱自在とすることができる。連結部21の下面側には、押さえ足部22の開口22a(図4参照)及びプレート23の開口23a(図5参照)に嵌り込んで当該開口22a,23aの長手方向に沿って摺動可能となるように形成されたガイド突起(図示略)が形成されている。
連結部21は、下面に設けられたガイド突起(図示略)を開口22a,23aに嵌め込むことにより、押さえ足部22の上面における開口22aの周囲に形成されたくぼみ22bに嵌め込まれる。そして、上方からカバー部材25(図7参照)を設けることにより、連結部21のくぼみ22bからの離脱を防止する。
【0018】
(押さえ足部)
図4は、押さえ足部22の平面図である。図4に示すように、押さえ足部22は、一方に長尺な板材から形成され、一方の端部近傍から中央付近にわたって、その長手方向に沿って長尺な矩形状の開口22aが形成されている。この開口22aは、針落ちさせるための開口である。押さえ足部22には、長手方向に沿った対向する両側縁にカバー部材5に係合する係合爪22cが形成されている。この係合爪22cは押さえ足部22と一体形成されていてもよいし、別個に設けられていてもよい。
押さえ足部22の他端近傍には、ボタン保持部24(図6参照)の一部が嵌め込まれ、ボタン保持部24の長手方向への移動を可能とする溝22dが形成されている。
【0019】
押さえ足部22の他端には、ボタンの一部の周縁に沿って形成され、ボタン保持部24とでボタンを支持するボタン支持部22eが設けられている。このボタン支持部22eは押さえ足部22と一体形成されていてもよいし、別個に設けられていてもよい。
押さえ足部22の長手方向に沿った一側縁の一部は、外側に向けて張り出すように形成されており、その張り出した部分には、プレート23の一部が挿通される挿通孔22fが形成されている。
押さえ足部22の上面側側縁には、押さえ足部22の長手方向に沿って延び、ボタン保持部24のスライド移動を案内するスライド溝22gが形成されている。
【0020】
押さえ足部22におけるスライド溝22gの一端には、外部に露出するとともに押さえ足部22の側方に向けて突出する被当接部としての突部26が形成されている。
突部26は、押さえ足部22の側方に最も突出するように形成され、その先端は押さえ足部22の長手方向に沿って平行に延びるように形成されている。突部26は、ボタン穴かがり縫いの前位置を指示するものである。
【0021】
また、押さえ足部22には、突部26と同様に外部に露出するとともに押さえ足部22の側方に向けて突出する被当接部としての突部27が形成されている。突部27は、押さえ足部22の側方に最も突出するように形成され、その先端は尖るように形成されている。また、突部26と突部27は、押さえ足部22の側方への突出量が略等しくなるように形成されている。突部27は、鳩目穴かがり縫いの環状部と直線部の境界位置を指示するものである。
【0022】
(プレート)
図5に示すように、プレート23は、一方に長尺な板材から形成され、一方の端部近傍から中央付近にわたって、その長手方向に沿って長尺な矩形状の開口23aが形成されている。この開口23aは、針落ちさせるための開口であり、押さえ足部22とプレート23を重ね合わせた際に、互いの開口22a,23a同士も重なり合うように形成されている。
プレート23の長手方向に沿った一側縁の一端部は、外側に向けて張り出すように形成されており、その張り出した部分には、押さえ足部22の挿通孔22fに挿通するためにプレート23の上面に対してほぼ直角をなすように立てて形成された立部23bが形成されている。
【0023】
(ボタン保持部)
図6に示すように、ボタン保持部24は、押さえ足部22に対して摺動自在に設けられ、縫製動作に協働してボタンを保持した状態で布の送り方向に移動するように設けられている。ボタン保持部24は、土台24aを備えており、この土台24aには、押さえ足部22に設けられたボタン支持部22eとでボタンを保持するボタン支持部24bを備えている。ボタン支持部24bは、押さえ足部22に形成された溝22dに対してスライド移動自在に嵌め込まれるガイド爪24cと、ボタン支持部24bに対向配置され、ボタンの外周に合わせて形成されたボタン当接部24dと、を備えている。
【0024】
土台24aの上面には、ユーザがボタン保持部24をスライドさせるためのツマミ24eが立設されている。
土台24aの下面には、押さえ足部22に形成されたスライド溝22gに嵌り込むガイドレール24fが設けられている。ガイドレール24fを押さえ足部22のスライド溝22gに嵌め込むことにより、ボタン支持部24bは、押さえ足部22のボタン支持部22eに対して接離可能となる。これにより、ボタンの大きさに合わせてボタン保持部24の移動量が変化し、ボタン穴かがり縫いの長さも変化する。
【0025】
ボタン保持部24の側方でガイドレール24fの先端には、外部に露出するようにガイドレール24fから突出し、ガイドレール24fの延びる方向に対して略直角をなす方向、かつ、土台24a上面に沿った方向に突出する被当接部としての突部28が設けられている。突部28は、ボタン保持部24に形成されているため、ボタン保持部24の移動とともにその位置を変えることができるようになっている。すなわち、押さえ足部のボタン支持部22eとボタン保持部24のボタン支持部24bとで保持するボタンの大きさによって位置が変わる。
【0026】
突部28は、ボタン保持部24及び押さえ足部22の側方に突出するように形成され、その先端はボタン保持部24のスライド移動方向に沿って平行に延びるように形成されている。突部28の先端は、ボタン保持部24を押さえ足部22に取り付ける、ガイドレール24fをスライド溝22gに嵌め込んだ際に押さえ足部22の突部26及び突部27の先端と同じ高さ、言い換えると同一直線上に並ぶように形成されている。なお、これらの突部26,27,28の先端を結ぶ直線はボタン保持部24のスライド移動方向に略平行となる。突部28は、ボタン穴かがり縫いの後位置を指示するものである。
【0027】
(カバー部材)
図7に示すように、カバー部材25は、一方に長尺な板材から形成され、一方の端部近傍から中央付近にわたって、その長手方向に沿って長尺な矩形状の開口25aが形成されている。この開口25aは、針落ちさせるための開口であり、押さえ足部22及びプレート23とカバー部材25を重ね合わせた際に、互いの開口22a,23a,25a同士も重なり合うように形成されている。
カバー部材25には、長手方向に沿った対向する両側縁に押さえ足部22の係合爪22cに係合する係合受部25cが形成されている。この係合受部25cはカバー部材25と一体形成されていてもよいし、別個に設けられていてもよい。
カバー部材25には、ボタン保持部24の上方への浮き上がりを防止するための規制板25dが設けられている。規制板25dは、ボタン保持部24のガイドレール24fの上方に配置され、ガイドレール24fが押さえ足部22のスライド溝22gから離脱するのを防止する。
【0028】
(スイッチ)
突部26,27,28の移動経路上には、押さえ棒1の下端に設けられたボタン穴かがり押さえ2が縫製動作中に移動しているときに、所定位置で各突起26,27,28と接触させて各突起26,27,28を検出する検出手段としてのスイッチ3が設けられている。
図8に示すように、スイッチ3は、ボタン穴かがり押さえ2の上方に位置するミシン本体Fに設けられている。スイッチ3は、ミシン本体Fに垂下支持された板状の検出板31を備えている。検出板31は、その長手方向の中央近傍でミシン本体Fに対して回動自在に取り付けられており、その上部及び下部がミシン10の上下方向及びボタン保持部24の移動方向(布送り方向)に対して略直角をなす方向に移動可能とされている。
【0029】
検出板31の回動による上部の移動経路上には、検出板31を挟み込むように二つの接点32,33が設けられている。接点32は検出板3の下部に設けられた当接部材34が突部26,27,28の移動経路上に進出するように回動したときに検出板31の上部が当接するように配置されている。接点33は検出板31の下部に設けられた当接部材34が突部26,27,28の移動経路から退避するように回動したときに検出板31の上部が当接するように配置されている。従って、当接部材34は、所定位置で突部26,27,28の移動経路上に進退自在とされている。ここで、所定位置とは、当接部材34が突部27と突部28との間で突部27,28の移動経路上に進退するように、ユーザにより任意に決定される位置である。
【0030】
検出板31の下端には、検出板31の回動により突部26,27,28の移動経路上に進退自在とされた当接部材34が設けられている。また、検出板31の下端は、付勢手段であるバネ35によりミシン本体Fと連結され、ボタン保持部24に向けて付勢されている。ここで、バネ35の付勢力は、検出板31の下端に設けられた当接部材34の先端が、押さえ棒1にボタン穴かがり押さえ2を取り付けなかった場合における突部26,27,28よりもボタン穴かがり押さえ2の内側に移動するような力となっている。すなわち、押さえ棒1にボタン穴かがり押さえ2が取り付けられていないときには、当接部材34が各突部26,27,28の先端よりもボタン穴かがり押さえ2の内部に進出し、検出板31の上部は接点32に当接する。
【0031】
また、図9に示すように、当接部材34は、検出板31が接点32と接点33との中間位置にあるときに、その先端がボタン保持部24の側面に当接するように配置されている。すなわち、押さえ棒1にボタン穴かがり押さえ2が設けられている場合であって、当接部材34が突部26,27,28に当接していない場合には、検出板31は接点32,33のいずれにも当接することがなく、ボタン保持部24は当接部材34の先端に対して摺動する。
また、図10に示すように、検出板31は、当接部材34が突部26,27,28に当接した場合に接点33に当接するように配置されている。
従って、スイッチ3からは、押さえ足部22が未装着である第1の状態(図8の状態)と、突部26,27,28に当接していない第2の状態(図9の状態)と、被当接部26,27,28に当接した第3の状態(図10の状態)と、が検出可能である。
【0032】
(制御装置)
ミシン10には、縫製についての制御を行う制御装置4が設けられている。
図11に示すように、制御装置4は、縫製に関する処理プログラム、主軸モータ等の駆動制御に関するプログラムに従って各処理を実行するCPU41と、各処理プログラムを展開してCPU41の作業エリアとなるRAM42と、各処理を実行するためのプログラムや縫製に関するデータ等が記憶されるROM43、を備えている。
ROM43には、当接部材34が突部26,27,28に当接した際に切り替えられる縫い形状又は被縫製物の送り方向に関する縫製データ43dが突部26,27,28毎に記憶されている。具体的には、鳩目縫いを行う場合には、鳩目縫いの環状部の縫い形状となるように縫製するための縫製データ(一針ごとの針落ち位置データ)と、鳩目縫いの直線部の縫い形状となるように縫製するための縫製データ(針振り幅、布送り量)とがどの突部26,27,28に当接した際に切り替えられるかというテーブルが記憶されている。
【0033】
ROM43には、当接部材34が突部26,27,28に当接したことを検出した際に、当接した突部26,27,28に対応する縫製データに基づいて布の縫い形状又は布の送り方向を切り替える制御プログラム43pが記憶されている。すなわち、CPU41が制御プログラム43pを実行することにより制御装置4は制御手段として機能する。
スイッチ3に設けられている接点32,33は、制御装置4に電気的に接続されており、検出板31が接点32,33に当接することにより、制御装置4に信号が送られ、当接部材34の状態を検出することができるようになっている。
具体的には、制御プログラム43pは、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、スイッチ3が、突起26又は突起28が検出板31に当接したことを検出した場合に、鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替える。また、制御プログラム43pは、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、スイッチ3が、突起27が検出板31に当接したことを検出した場合に、環状部と直線部の縫いを切り替える。
【0034】
<鳩目縫い>
次に、穴かがり縫いの一つである鳩目縫いの手順について説明する。ここでは、二つの突部27,28による検出結果を用いて鳩目縫いを行う場合と、三つの突部26,27,28による検出結果を用いて鳩目縫いを行う場合とに分けて説明する。
【0035】
(二つの突部の検出により鳩目縫いを行う方法)
図12(a)に示すように、押さえ足部22のボタン支持部22eとボタン保持部24のボタン支持部24bとでボタンを挟持し、押さえ足部22とプレート23で布を挟み込み、縫製を開始する。そして、当接部材34が突部28に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、設定された針振り幅と布送り量を用いて直線部D1の縫製を行うように各部の動作を制御する。
【0036】
そして、直線部D1の縫製中に当接部材34が突部27に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、一針ごとの針落ち位置データを用いて環状部D2の縫製を行うように各部の動作を制御する。
次いで、環状部D2の縫製中に当接部材34が突部27に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、設定された針振り幅と布送り量を用いて直線部D3の縫製を行うように各部の動作を制御する。
【0037】
その後、直線部D3の縫製中に当接部材34が突部28に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、縫製を終了させる。
以上の手順で鳩目縫いを行う領域を三つに分割し、縫製の開始及び終了、各領域の縫製の切り替えを二つの突部27,28で検出して縫製を行うことにより、鳩目縫いが形成される。
【0038】
(三つの突部の検出により鳩目縫いを行う方法)
図12(b)に示すように、押さえ足部22のボタン支持部22eとボタン保持部24のボタン支持部24bとでボタンを挟持し、押さえ足部22とプレート23で布を挟み込み、縫製を開始する。そして、当接部材34が突部28に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、設定された針振り幅と布送り量を用いて直線部T1の縫製を行うように各部の動作を制御する。
そして、直線部T1の縫製中に当接部材34が突部27に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、一針ごとの針落ち位置データを用いて曲線部T2の縫製を行うように各部の動作を制御する。
【0039】
次いで、曲線部T2の縫製中に当接部材34が突部26に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、一針ごとの針落ち位置データを用いて半円状の環状部T3の縫製を行うように各部の動作を制御する。
次いで、環状部T3の縫製中に当接部材34が突部26に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、一針ごとの針落ち位置データを用いて曲線部T4の縫製を行うように各部の動作を制御する。
【0040】
次いで、曲線部T4の縫製中に当接部材34が突部27に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、ROM43に記憶された縫製データ43dのうち、設定された針振り幅と布送り量を用いて直線部T5の縫製を行うように各部の動作を制御する。
【0041】
その後、直線部T5の縫製中に当接部材34が突部28に当接して検出板31が回動し、この検出板31が接点33に当接することにより、制御装置4は、縫製を終了させる。
以上の手順で鳩目縫いを行う領域を五つに分割し、縫製の開始及び終了、各領域の縫製の切り替えを三つの突部26,27,28で検出して縫製を行うことにより、鳩目縫いが形成される。
【0042】
<作用効果>
実施形態におけるミシン10によれば、ボタン保持部24と押さえ足部22とでボタンを保持し、連結部21に摺動自在に保持された押さえ足部22とプレート23で布を挟み込んで布を送りながら縫製を行うと、縫製動作に協働して押さえ足部22及びボタン保持部24も布の送り方向に移動する。押さえ足部22及びボタン保持部24が移動すると、押さえ足部22に設けられた突部26,27や、ボタン保持部24に設けられた突部28も同方向に移動し、突部26,27,28がスイッチ3の当接部材34に当接すると、検出板31が接点33に当接して縫い形状又は布の送り方向の切り替えを行うタイミングを検出する。スイッチ3が、突部26,27,28が当接部材34に当接したことを検出すると、制御装置4は、ROM43に記憶された、当接した突部26,27,28に対応する縫製データ43dに基づいて布の縫い形状又は布の送り方向を切り替える。
【0043】
これにより、縫い形状又は送り方向の切り替えの検出は、スイッチ3とボタン保持部24及び押さえ足部22とに設けられた突部26,27,28との当接により検出されるので、光電センサのように光路上への埃等の堆積による未検出といった問題を解消することができる。
また、スイッチ3はボタン保持部24の側方から外部に露出するように設けられた突部26,27,28に当接するように構成されているので、押さえ足部22やプレート23周辺の機構を簡単にすることができ、メンテナンスを容易に行うことができる。また、少なくとも三つ以上の被当接部26,27,28を設けてスイッチ3で検出することができるので、鳩目縫いにおける送り方向や環状部と直線部の切り替えにも対応することができ、さらには縫い形状を美しくすることができて、縫製品質の低下を防止することができる。また、スイッチ3は当接部材34が検出板31に当接することにより機械的に検出することができるので、構造が簡単で比較的安価なスイッチを用いることができ、コストダウンに寄与することができる。
【0044】
また、スイッチ3は、突部26,27,28への当接の有無だけでなく、押さえ足部22が未装着であることも検出できるので、押さえ足部22の装着の確認をスイッチ3で行うことができる。
【0045】
<その他>
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限られるものではない。例えば、突部26,27,28に代えて光を反射する反射板を設けるとともに、スイッチ3に代えて縫製動作中におけるボタン保持部の移動時に、対向するボタン保持部に向けて発光する発光部と、発光部から発光された光が反射板に当たって反射された光を受光する受光部と、を有する検出手段としてのセンサを設ける。そして、発光部から発光された光を受光部が受光したときに切り替えられる縫い形状又は送り方向に関する縫製データを反射板毎にROMに記憶させ、発光部から発光された光を受光部が受光した際に、制御装置により、発光部からの光を反射した反射板に対応する縫製データに基づいて、鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置の反射板を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置の反射板を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替えるように構成してもよい。
【0046】
このような構成とすることで、鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向の切り替えや環状部と直線部の縫いの切り替えは、発光部及び受光部と押さえ足部及びボタン保持部に設けられた反射板とによって検出されるので、発光部及び受光部と押さえ足部及びボタン保持部とを接触させることなく押さえ足部が所定位置に到達したことを検出することができる。なお、縫い形状又は被縫製物の送り方向の切り替えタイミングの検出に光を利用することにより光路上への埃等の堆積による問題が考えられるが、反射板は露出するように設けられているため、埃等の除去を容易に行うことができ、メンテナンスを容易に行うことができる。また、押さえ足部及び少なくとも三つ以上の反射板を設けて発光部及び受光部で検出することができるので、鳩目縫いのように縫い形状又は被縫製物の送り方向の切り替えにも対応することができ、縫製品質の低下を防止することができる。
【0047】
また、突部の数を増やすことにより、縫い形状の切り替えを詳細に設定することもできるので、より美しい縫い目の形成や複雑な縫い形状の実現が可能である。
その他、発明の範囲内において、自由に設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】ミシンの概略図。
【図2】ボタン穴かがり押さえの平面図。
【図3】連結部の平面図。
【図4】押さえ足部の平面図。
【図5】プレートの平面図。
【図6】(a)はボタン保持部の平面図、(b)はボタン保持部の側面図。
【図7】カバー部材の平面図。
【図8】(a)はボタン穴かがり押さえが未装着の場合における当接部材の位置を示す図、(b)は(a)の状態におけるスイッチの状態を示す図。
【図9】(a)は当接部材が突部に当接していない場合における当接部材の位置を示す図、(b)は(a)の状態におけるスイッチの状態を示す図。
【図10】(a)は当接部材が突部に当接している場合における当接部材の位置を示す図、(b)は(a)の状態におけるスイッチの状態を示す図。
【図11】制御装置の構成を示すブロック図。
【図12】(a)は二つの突部を検出して行う鳩目縫いの手順を示す図、(b)は三つの突部を検出して行う鳩目縫いの手順を示す図。
【図13】従来技術におけるボタン穴かがり押さえの平面図。
【図14】(a)は従来技術における正送りから逆送りへの切り替えを示す図、(b)は従来技術における逆送りから正送りへの切り替えを示す図。
【図15】従来技術における鳩目縫いの手順を示す図。
【図16】従来技術における鳩目縫いの手順を示す図。
【符号の説明】
【0049】
1 押さえ棒
2 ボタン穴かがり押さえ
3 スイッチ(検出手段)
4 制御装置
21 連結部
22 押さえ足部
23 プレート
24 ボタン保持部
26 突部(被当接部)
27 突部(被当接部)
28 突部(被当接部)
43 ROM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシンの押さえ棒の下端に設けられた押さえホルダに取り付けられる連結部と、
この連結部に摺動自在に保持され、縫製動作中に被縫製物の布送りに伴って移動しながら被縫製物を押さえる押さえ足部と、
前記押さえ足部に摺動自在に保持され、前記押さえ足部とでボタンを保持し、前記押さえ足部に協働してボタンを保持した状態で被縫製物の送り方向に移動するボタン保持部と、
前記押さえ足部及び前記ボタン保持部に設けられ、ボタン穴かがり縫いの前位置及び後位置と、さらに鳩目穴かがり縫いの環状部と直線部の境界位置とを、それぞれ指示するように外部に露出して設けた被当接部と、
を備えたボタン穴かがり押さえと、
ミシン本体に備えられ、前記押さえ棒の下端に設けられた前記ボタン穴かがり押さえが縫製動作中に移動しているときに、所定位置で各被当接部と接触させて各被当接部を検出する検出手段とにより、
鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置の被当接部を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置の被当接部を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替えることを特徴とするミシン。
【請求項2】
前記検出手段は、
前記押さえ足部が未装着である第1の状態と、前記被当接部に当接していない第2の状態と、前記被当接部に当接した第3の状態と、を検出可能であることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
【請求項3】
ミシンの押さえ棒の下端に設けられた押さえホルダに取り付けられる連結部と、
この連結部に摺動自在に保持され、縫製動作中に被縫製物の布送りに伴って移動しながら被縫製物を押さえる押さえ足部と、
前記押さえ足部に摺動自在に保持され、前記押さえ足部とでボタンを保持し、前記押さえ足部に協働してボタンを保持した状態で被縫製物の送り方向に移動するボタン保持部と、
前記押さえ足部及び前記ボタン保持部に設けられ、ボタン穴かがり縫いの前位置及び後位置と、さらに鳩目穴かがり縫いの環状部と直線部の境界位置とを、それぞれ指示するように外部に露出して設けた反射板と、
を備えたボタン穴かがり押さえと、
ミシン本体に備えられ、前記押さえ棒の下端に設けられた前記ボタン穴かがり押さえが縫製動作中に移動しているときに、所定位置で対向する反射板に向けて発光する発光部と、
ミシン本体に備えられ、前記発光部から発光された光が前記反射板に当たって反射された光を受光する受光部と、
を備えた検出手段とにより、
鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置における反射板からの反射光を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置における反射板からの反射光を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替えることを特徴とするミシン。
【請求項1】
ミシンの押さえ棒の下端に設けられた押さえホルダに取り付けられる連結部と、
この連結部に摺動自在に保持され、縫製動作中に被縫製物の布送りに伴って移動しながら被縫製物を押さえる押さえ足部と、
前記押さえ足部に摺動自在に保持され、前記押さえ足部とでボタンを保持し、前記押さえ足部に協働してボタンを保持した状態で被縫製物の送り方向に移動するボタン保持部と、
前記押さえ足部及び前記ボタン保持部に設けられ、ボタン穴かがり縫いの前位置及び後位置と、さらに鳩目穴かがり縫いの環状部と直線部の境界位置とを、それぞれ指示するように外部に露出して設けた被当接部と、
を備えたボタン穴かがり押さえと、
ミシン本体に備えられ、前記押さえ棒の下端に設けられた前記ボタン穴かがり押さえが縫製動作中に移動しているときに、所定位置で各被当接部と接触させて各被当接部を検出する検出手段とにより、
鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置の被当接部を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置の被当接部を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替えることを特徴とするミシン。
【請求項2】
前記検出手段は、
前記押さえ足部が未装着である第1の状態と、前記被当接部に当接していない第2の状態と、前記被当接部に当接した第3の状態と、を検出可能であることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
【請求項3】
ミシンの押さえ棒の下端に設けられた押さえホルダに取り付けられる連結部と、
この連結部に摺動自在に保持され、縫製動作中に被縫製物の布送りに伴って移動しながら被縫製物を押さえる押さえ足部と、
前記押さえ足部に摺動自在に保持され、前記押さえ足部とでボタンを保持し、前記押さえ足部に協働してボタンを保持した状態で被縫製物の送り方向に移動するボタン保持部と、
前記押さえ足部及び前記ボタン保持部に設けられ、ボタン穴かがり縫いの前位置及び後位置と、さらに鳩目穴かがり縫いの環状部と直線部の境界位置とを、それぞれ指示するように外部に露出して設けた反射板と、
を備えたボタン穴かがり押さえと、
ミシン本体に備えられ、前記押さえ棒の下端に設けられた前記ボタン穴かがり押さえが縫製動作中に移動しているときに、所定位置で対向する反射板に向けて発光する発光部と、
ミシン本体に備えられ、前記発光部から発光された光が前記反射板に当たって反射された光を受光する受光部と、
を備えた検出手段とにより、
鳩目ボタン穴かがり縫い中に、前位置又は後位置における反射板からの反射光を検出したときに鳩目ボタン穴かがり縫いの送り方向を切り替えるとともに、境界位置における反射板からの反射光を検出したときに環状部と直線部の縫いを切り替えることを特徴とするミシン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−275364(P2007−275364A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−106724(P2006−106724)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]