説明

ミスト生成器

【課題】給水時に迅速に吸水棒を湿らせることが可能なミスト生成器を提供する。
【解決手段】本発明のミスト生成器は、水を貯める貯水部と、水を霧化する霧化部とを備えている。また、貯水部に貯められた水を一端から吸収し、反対側の一端から霧化部へ水を供給する吸水棒を備えている。また、ミスト生成器の上部に位置する外装の開閉を行う開閉機構である開閉部を備えている。また、開閉部が開状態となった場合に形成される穴部と、貯水部とをつなぐ給水路を備えている。霧化部は、開閉部により開閉されるミスト生成器の外装部に設けられている。吸水棒は、開閉部が閉状態となった場合にその一端が霧化部に当接する位置に設けられている。また吸水棒は、開閉部が開状態となった場合に、上記の穴部によりその一端がミスト生成器の器外に露出する位置に設けられている。また吸水棒は、上記の給水路の水路上に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて噴霧を行うミスト生成器に関するものであり、特に吸水棒、及び超音波振動子を用いて噴霧を行うミスト生成器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ミスト生成器において、様々な付加機能の開発が進められている。例えば、水や電解水からミスト(=霧)を生成し、噴霧することで車中の空気を清浄するミスト生成器が実用化されている。
【0003】
従来のミスト生成器の一例を、図7〜図10を用いて説明する。図7は、ミスト生成器の外観を示した上面図及び側面図である。図8は、ミスト生成器の内部構造を示した上面断面図及び側面断面図である。図9は、給水時のミスト生成器を示した側面断面図である。図10は、給水完了後のミスト生成器を示した側面断面図である。
【0004】
ミスト生成器は、放出板101、超音波振動子102、振動子駆動回路103、水溶液タンク104、吸水棒105、バネ部材106、水溶液取り入れ口107、空気穴108、及び止水膜109を備えている。
【0005】
ミスト生成器は、毛細管現象を利用して吸水棒105により水溶液タンク104から水溶液を吸い上げ、超音波振動子102によって水溶液からミスト生成し、噴霧させる。吸水棒105の上面には、超音波振動子102に当接する形で、微細な穴が開いた放出板101が貼り合わされている。
【0006】
ミスト生成器は図9に示すように、装置下部に設けられた水溶液タンク104が着脱可能である。水溶液タンク104への給水は、水溶液タンク104が取り外された状態で行われる。給水前の状態では、吸水棒105は乾燥している。
【0007】
給水が完了した水溶液タンク104が装着されると、図10に示すように吸水棒105の底部が浸水する。吸水棒105はこの底部から水溶液を吸収し、毛細血管現象により水溶液を吸い上げる(図10における吸水棒105の灰色部分)。
【0008】
上記のようなミスト生成器として特許文献1には、持ち運び可能な噴霧装置が開示されている。この噴霧装置は、加湿用の液体を貯留するための液体貯留手段と、貯留されている液体を上方に供給する液体供給手段とを備えている。また、ハウジング内の上部に設けられ、液体供給手段から供給を受けて、液体からミストを作るミスト生成手段を備えている。
【0009】
また、ミスト生成手段の上方に形成され、ミスト生成手段によって生成されたミストを通す開口を備えている。また、ハウジングの上端にオン位置とオフ位置との間で回動可能に設けられる蓋と、蓋がオン位置に回動されたとき開口と連通する放出口とを備えている。これにより、ミストが開口及び放出口を通って放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−168328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら特許文献1に示されているような従来のミスト生成器は、吸水棒105(=液体供給手段)が乾燥状態にある場合、吸水棒105が水溶液により湿るまでに時間がかかる。このため、水溶液を超音波振動子102まで迅速に吸い上げることができず、ミスト生成器の電源が起動されてからミストが噴霧されるまでにタイムラグが生じるという問題があった。
【0012】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、水溶液タンク、吸水棒、及び超音波振動子で構成されるミスト生成器であって、水溶液の給水時に迅速に吸水棒を湿らせることが可能なミスト生成器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために本発明のミスト生成器は、水を貯める貯水部と、水を霧化する霧化部と、前記貯水部に貯められた水を一端から吸収し、該一端と反対の一端から前記霧化部へ水を供給する吸水棒とを備えるミスト生成器において、前記ミスト生成器の上部に位置する外装の開閉を行う開閉部と、前記開閉部が開状態となった場合に形成される穴部と、該穴部と前記貯水部をつなぐ給水路とを備え、前記霧化部が、前記開閉部により開閉される前記外装に設けられており、前記吸水棒の設けられている位置が、前記開閉部が閉状態となった場合に前記吸水棒の一端が前記霧化部に当接する位置であり、且つ前記開閉部が開状態となった場合に前記穴部から該一端が前記ミスト生成器の器外に露出する位置であり、且つ前記給水路の水路上の位置であることを特徴とする。
【0014】
この構成によると、本発明のミスト生成器は、水を貯める貯水部と、水を霧化する霧化部とを備えている。また、貯水部に貯められた水を一端から吸収し、反対側の一端から霧化部へ水を供給する吸水棒を備えている。また、ミスト生成器の上部に位置する外装の開閉を行う開閉機構である開閉部を備えている。また、開閉部が開状態となった場合に形成される穴部と貯水部とをつなぐ、給水路を備えている。霧化部は、開閉部により開閉されるミスト生成器の外装部に設けられている。吸水棒が設けられている位置は、開閉部が閉状態となった場合に、その一端が霧化部に当接する位置である。且つ、開閉部が開状態となった場合に、上記の穴部によりその一端がミスト生成器の器外に露出する位置である。且つ、上記の給水路の水路上の位置である。これによりミスト生成器の使用者は、開閉部を開状態とすることにより、吸水棒の一端に水を浸透させつつ、貯水部に給水を行うことが可能である。
【0015】
また上記の目的を達成するために本発明のミスト生成器は、前記ミスト生成器の下部外装及び前記貯水部の内装の一部を形成し、且つ前記ミスト生成器に対して着脱可能である蓋部を備え、前記蓋部が脱状態となることにより形成される穴部により、前記霧化部と当接する前記吸水棒の一端と反対の一端が前記ミスト生成器の器外に露出する。
【0016】
この構成によると、本発明のミスト生成器は、ミスト生成器の下部外装の一部を形成し、且つ貯水部の内装の一部を形成し、且つミスト生成器に対して着脱可能である蓋部を備えている。また吸水棒の端部のうち、霧化部と反対側の一端が、蓋部が脱状態となることにより形成される穴部によりミスト生成器の器外に露出する。これによりミスト生成器の使用者は、蓋部を外した状態でミスト生成器を逆さまにすることにより、吸水棒の一端に水を浸透させつつ、貯水部に給水を行うことが可能である。
【0017】
また上記の目的を達成するために本発明のミスト生成器は、前記吸水棒の一端に接着されて前記給水棒を前記霧化部の方向へ加圧する弾性部材を備え、前記弾性部材が、該一端に対して水を供給する取水口を備える。
【0018】
この構成によると、本発明のミスト生成器は、吸水棒の一端に接着されて給水棒を霧化部の方向へ加圧する弾性部材を備えている。また弾性部材は、加圧する一端に対して水を供給する取水口を備えている。このため、吸水棒の一端に水を浸透させつつ、反対側の一端を霧化部に圧着させることが可能である。
【0019】
また上記の目的を達成するために本発明のミスト生成器は、前記開閉部が、前記ミスト生成器の上部に位置する外装を開閉するヒンジと、前記開閉部が閉状態となった場合に該外装に当接して該外装を固定する止め具とを含む。
【0020】
この構成によると、開閉部は、ミスト生成器の上部に位置する外装を開閉するヒンジを備えている。また、開閉部が閉状態となった場合に、開閉する外装に当接してこの外装を固定する止め具を備えている。
【0021】
また上記の目的を達成するために本発明のミスト生成器は、前記霧化部が、超音波振動子を含み、前記超音波振動子により水を霧化する。
【0022】
この構成によると、霧化部は超音波振動子を備えており、給水棒により供給される水を、この超音波振動子により霧化する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ミスト生成器の使用者が貯水部に対して給水する場合に、吸水棒を通過して給水が行われる構造としている。これにより、吸水棒をその一端から迅速に湿らせることが可能である。このため、吸水棒が乾燥している状態で給水を行った場合に、霧発生開始までの時間を短縮させることが可能である。
【0024】
また本発明によれば、ミスト生成器の下部外装且つ貯水部の内装に該当する位置に蓋部を設け、この蓋部を着脱可能な構造としている。このため、ミスト生成器を逆さまにして蓋部を外して給水することが可能である。これにより、吸水棒をその一端から迅速に湿らせることが可能である。
【0025】
また本発明によれば、吸水棒の一端に、スリット等の取水口を備える弾性部材を設けている。これにより、水が吸水棒の一端に進入しやすくなり、吸水棒を迅速に湿らせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のミスト生成器の内部構成を示す模式図である。
【図2】本発明のミスト生成器の給水時の内部構成を示す模式図である。
【図3】本発明のミスト生成器の電気回路構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第二の実施形態に係るミスト生成器の内部構成を示す模式図である。
【図5】本発明の第二の実施形態に係るミスト生成器の弾性部材の構成を示す模式図である。
【図6】本発明の第二の実施形態に係るミスト生成器の給水時の内部構成を示す模式図である。
【図7】従来のミスト生成器の外観を示す模式図である。
【図8】従来のミスト生成器の内部構成を示す模式図である。
【図9】従来のミスト生成器の給水時の内部構成を示す模式図である。
【図10】従来のミスト生成器の給水後の内部構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
【0028】
[実施の形態1]
〈1−1.内部構成について〉
図1は、本発明の第一の実施形態に係るミスト生成器1の内部構成を示す模式図である。ミスト生成器1は、ミスト生成器1が搭載されている車両10の車内に対してミスト生成して噴霧するための装置である。なおミスト生成器1は、車両10に着脱可能な構造となっている。
【0029】
図1(a)は、ミスト生成器1を上面から見た上面図である。図1(b)は、ミスト生成器1を側面から見た断面側面図である。ミスト生成器1は、充電可能なバッテリ(不図示)等を電源として作動するもので、直径10cm、高さ20cm程度の円筒形状をしている。なお図1(b)においては、図中の下方向が、ミスト生成器1の下部方向を示している。
【0030】
放出板101は、ミストを放出するために微細な穴が中央部に設けられた板状部材である。超音波振動子102(=霧化部)は、吸水棒105により吸い上げられた水溶液からミストを生成し、放出板101を通してミスト生成器1の機外へ噴射する円盤形状の部材である。超音波振動子102は、圧電セラミックに電圧を印加することによって高周波振動を発生させる。
【0031】
振動子駆動回路103は、超音波振動子102に対する電圧の印加の実施/未実施を制御する。振動子駆動回路103を含む基盤(不図示)は、ミスト生成器1のハウジング、つまり水溶液タンク104(=貯水部)の上方に設けられたスペースに収納されている。振動子駆動回路103は、リード線等により超音波振動子102と接続されている。
【0032】
水溶液タンク104は、吸水棒105に対して供給するための水溶液を貯蔵する。吸水棒105は、例えば繊維を重ね合わせて縮充したフェルト素材を内部に含むように構成されている。フェルト素材は繊維の積層物であるため、毛細管現象により水溶液を吸い上げる性質を備える。
【0033】
吸水棒105は、その上面及び底面(=一端)でのみ水溶液の出し入れを行えるよう、側面をプラスチック素材等で加工されている。従って水溶液タンク104に貯蔵された水溶液は、水溶液取り入れ口107を通過して吸水棒105の底面に当接することにより、毛細管機能によって吸水棒105の上部、つまり超音波振動子102へ供給される。
【0034】
吸水棒105の底部には、コイルバネが収納されたバネ部材106(=弾性部材)が設けられている。コイルバネの上端は吸水棒105の底面に当接しているので、このコイルバネの弾発力によって、吸水棒105が上方に押し上げられる。
【0035】
これにより、吸水棒105の上面が、超音波振動子102の中心部下面に安定的に当接する。吸水棒105の上面に達した水は超音波振動子102によってミストにされ、放出板101を通って放出、噴霧される。
【0036】
ミスト生成器1の上部には、ヒンジ201(=開閉部)を回転軸として開閉する振動子格納部203(=開閉部により開閉される外装)が設けられている。振動子格納部203は、止め具202により固定可能であり、これにより開閉不能なロック状態とすることができる。振動子格納部203の上面には、放出板101及び超音波振動子102が載置されている。
〈1−2.給水時の構成について〉
図2は、給水時におけるミスト生成器1の内部構成を示す模式図である。給水を行う場合、使用者は止め具202により振動子格納部203の固定を解除する。そして振動子格納部203をヒンジ201により回転駆動させることにより、開状態とする。
【0037】
ミスト生成器1のハウジングには、吸水棒105を通過させるための穴部210が設けられている。振動子格納部203が開状態となることにより、この穴部210がミスト生成器1の器外に露出される。
【0038】
この結果、吸水棒105が穴部210を通してミスト生成器1の器外に露出される。この状態において使用者が穴部210から水溶液を流し込むことにより、吸水棒105を上面から湿らせつつ、給水路110を通して水溶液タンク104へ給水を行うことが可能である。
〈1−3.電気回路の構成について〉
図3は、本発明の第一の実施形態に係るミスト生成器1の電気回路の構成を示すブロック図である。図3に示すようにミスト生成器1は、制御部301、起動スイッチ302、電源部303、渇水検知回路304、及び電極群305を含むように構成されている。なお超音波振動子102、振動子駆動回路103、及び水溶液タンク104については説明を省略する。
【0039】
制御部301は、ミスト生成器1の各部材の駆動を有機的に制御して、ミストの生成を統括制御するものである。また、電源部303を用いた電圧制御や、電極群305を用いた渇水検知等を統括制御する機能も備える。
【0040】
起動スイッチ302は、ミスト生成器1の稼働状態のON/OFFを切り替えるためのリミットスイッチである。ただし起動スイッチがOFFされている状態でも、起動スイッチ302は制御部301対して微小電流を流す。これにより制御部301はスタンバイ状態を維持することが可能である。
【0041】
電源部303は、外部電源(不図示)より電力の供給を受け、DC/ACの変換等を行い、ミスト生成器1の各部に対して電源電圧を与える。電源部303は例えば、外部電源より電力供給を受けるための電源コードを接続する接続端子(不図示)を備えている。
【0042】
或いは電源部303は、電源として乾電池或いは二次電池を使用することにより、外部電源から切り離された状態でミスト生成器1の駆動を可能とする形態であってもよい。二次電池としては例えば、充電式アルカリ電池やリチウムイオンバッテリ等を用いることが可能である。
【0043】
渇水検知回路304は、電極群305に含まれる電極板のうちの一電極板を用いて、水溶液タンク104の水位を検知する。そして水位が所定値を下回った場合に、渇水が発生したことを検知する。渇水を検知した場合、LEDライト(不図示)を点灯させるなどにより、通知を行い、また振動子駆動回路103は超音波振動子102によるミスト生成を停止させる。
【0044】
なお、電極群305が含む電極板は、例えばチタン又はルテニウム系材料に白金をコーティングし、その外側にイリジウムをコーティングすることにより形成されている。また電極板は、例えばリード線等を用いて電圧が印加される。
【0045】
以上に説明した本実施形態によれば、使用者が給水を行う際に、吸水棒105を上面から湿らせつつ給水を行う構造にしている。これにより、吸水棒105を迅速に湿らせることが可能である。この結果、吸水棒105が乾燥している状態から水溶液を給水する場合に、ミスト発生開始までの時間を短縮させることが可能である。
【0046】
また本実施形態によれば、給水する際に、ミスト生成器1又は水溶液タンク104を車両10より取り外して水道等の給水場へ持ち運ぶ必要がないため、使用者の利便性の向上を図ることができる。
[実施の形態2]
〈2−1.内部構成について〉
図4は、本発明の第二の実施形態に係るミスト生成器1の内部構成を示す模式図である。本実施形態のミスト生成器1は、水溶液タンク104の底部に蓋部204を備える。蓋部204は、水溶液タンク104の底部に対して着脱可能な部材である。
【0047】
図5は、本実施形態のバネ部材106の底面及び側面を示す模式図である。図5(a)に示すように、本実施形態のバネ部材106は、その底面に複数のスリット205(=取水口)を備えている。このスリット205が水溶液を通過させることにより、吸水棒105の底部が水溶液に接触するようになっている。
〈2−2.給水時の構成について〉
図6は、本実施形態の給水時におけるミスト生成器1の内部構成を示す模式図である。給水を行う場合、使用者はミスト生成器1を車両10より取り外し、逆さまの向きになるよう回転させる。この状態で蓋部204を水溶液タンク104より取り外す。
【0048】
この状態においては、吸水棒105の底面が、水溶液タンク104に貯蔵された水溶液により水圧を加えられる状態となる。この状態において使用者は、蓋部204の取り外されたことにより形成される穴部211より、水溶液を流し込む。
【0049】
この結果、バネ部材106に設けられたスリット205を介して、水圧が加えられる。この水圧により、吸水棒105に含まれるフェルト素材に水溶液が浸透する速度を促進させる。
〈2−3.電気回路構成について〉
実施の形態1と同内容であるため、説明を省略する。
【0050】
以上に説明した本実施形態によれば、ミスト生成器1の下部に設けられた水溶液タンク104の底部に蓋部204を設けている。これにより、給水時にミスト生成器1を逆さまにし、蓋部204を外し給水する構成としている。このため、給水時に吸水棒105を迅速に湿らせることが可能である。
【0051】
また本発明によれば、吸水棒105の端部に装着されるバネ部材106の底面にスリット205を設け、これを取水口として水溶液を取り入れる構成としている。これにより、水溶液が吸水棒105の端部に進入しやすくなり、吸水棒105を迅速に湿らせることが可能である。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0052】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
【0053】
(A)上記実施形態では、本発明の構成を実施する装置として、車載用のミスト生成器1を例に説明しているが、これ以外のミスト生成器において実施する形態でもよい。例えば、旅客機や船舶等に搭載されて使用されるミスト生成器において、本発明を実施する形態でもよい。また、持ち運んで使用する携帯用ミスト生成器において、本発明を実施する形態でもよい。
【0054】
(B)上記実施形態では、振動子格納部203をヒンジ201により開閉する機構を例に説明を行っているが、ヒンジ201を用いず、振動子格納部203をハウジングに対してスライドさせるスライド機構を設けることにより、開閉を行う形態でもよい。
【0055】
(C)上記実施形態では、水溶液タンク104から超音波振動子102まで水溶液を吸い上げる部材として、内部にフェルト繊維を含む吸水棒105を例に説明を行っているが、これ以外の形状又は組成をした部材により水溶液を吸い上げる構成でもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 ミスト生成器
10 車両
101 放出板
102 超音波振動子(霧化部)
103 振動子駆動回路
104 水溶液タンク(貯水部)
105 吸水棒
106 バネ部材(弾性部材)
110 給水路
201 ヒンジ(開閉部)
202 止め具(開閉部)
203 振動子格納部(外装)
204 蓋部
205 スリット(取水口)
210 穴部
211 穴部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯める貯水部と、
水を霧化する霧化部と、
前記貯水部に貯められた水を一端から吸収し、該一端と反対の一端から前記霧化部へ水を供給する吸水棒とを備えるミスト生成器において、
前記ミスト生成器の上部に位置する外装の開閉を行う開閉部と、
前記開閉部が開状態となった場合に形成される穴部と、該穴部と前記貯水部をつなぐ給水路とを備え、
前記霧化部が、前記開閉部により開閉される前記外装に設けられており、
前記吸水棒の設けられている位置が、前記開閉部が閉状態となった場合に前記吸水棒の一端が前記霧化部に当接する位置であり、且つ前記開閉部が開状態となった場合に前記穴部から該一端が前記ミスト生成器の器外に露出する位置であり、且つ前記給水路の水路上の位置であること
を特徴とするミスト生成器。
【請求項2】
前記ミスト生成器の下部外装及び前記貯水部の内装の一部を形成し、且つ前記ミスト生成器に対して着脱可能である蓋部を備え、
前記蓋部が脱状態となることにより形成される穴部により、前記霧化部と当接する前記吸水棒の一端と反対の一端が前記ミスト生成器の器外に露出する
請求項1に記載のミスト生成器。
【請求項3】
前記吸水棒の一端に接着されて前記給水棒を前記霧化部の方向へ加圧する弾性部材を備え、
前記弾性部材が、該一端に対して水を供給する取水口を備える、
請求項1に記載のミスト生成器。
【請求項4】
前記開閉部が、前記ミスト生成器の上部に位置する外装を開閉するヒンジと、前記開閉部が閉状態となった場合に該外装に当接して該外装を固定する止め具とを含む、
請求項1に記載のミスト生成器。
【請求項5】
前記霧化部が、超音波振動子を含み、前記超音波振動子により水を霧化する、
請求項1に記載のミスト生成器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−75196(P2011−75196A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226812(P2009−226812)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】