説明

ムスカリン受容体アンタゴニストおよびβ2−アドレナリン受容体アゴニストを含む医薬品

本発明は、選択されたムスカリン受容体アンタゴニストである第一活性成分およびβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二活性成分を含む、慢性閉塞性肺疾患および喘息のような呼吸器疾患の処置に使用するための、医薬品、キットまたは組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸器疾患、特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)および喘息の処置に有用な複数薬学的活性物質の組合せ剤に関する。
【背景技術】
【0002】
肺の本来的機能は、その脆弱な構造の、汚染物質、微生物、アレルゲン、および発癌物質を含む環境への多大な暴露を必要とする。ライフスタイルの選択と遺伝的素因の相互作用によって形成される宿主因子がこの暴露への応答に影響する。肺の損傷または感染は、広範囲の呼吸器系の疾患(または呼吸器疾患)を発症させ得る。多くのこれらの疾患は、大衆保健上極めて重要である。呼吸器疾患は、急性肺傷害、急性呼吸器窮迫症候群(ARDS)、職業性肺疾患、肺癌、結核、線維症、塵肺、肺炎、気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および喘息を含む。
【0003】
最も一般的な呼吸器疾患の一つは喘息である。喘息は、一般に間欠的な呼吸気流閉塞が原因の臨床症状を伴う気道の炎症性障害として定義される。それは発作性の喘鳴、呼吸困難および咳により臨床的に特徴付けられる。それは、有病率および重症度が上昇しているように見える、慢性機能障害性の疾患である。先進国における子供の15%および成人の5%が喘息に罹患していると推計される。故に、治療は通常の生活が可能となり、同時に基礎疾患である炎症の処置の基礎をもたらすような症状の抑制を目的とすべきである。
【0004】
COPDは、正常な呼吸を阻害し得る広汎な肺疾患群に用いられる病名である。現在の臨床ガイドラインは、COPDを、完全に可逆性ではない気道空気流制限によって特徴付けられる疾病状態と定義している。気道空気流制限は、通常進行性で、かつ有害粒子またはガスに対する肺の炎症性応答と関係するもの両方である。このような粒子およびガスに対する最重要寄与源は、少なくとも西側諸国ではタバコの煙である。COPD患者は咳、息切れ、および痰の過剰分泌を含む種々の症状を呈し、このような症状は、好中球、マクロファージ、および上皮細胞を含む多くの細胞群の機能障害に由来する。COPDに含まれる2つの最も重要な症状は慢性気管支炎および肺気腫である。
【0005】
慢性気管支炎は、気管支の長期にわたる炎症であり、後者は粘膜形成の増大およびその他の変化をもたらす。患者の症状は、咳および痰の喀出である。慢性気管支炎は、より頻繁で重篤な呼吸器感染、気管支の狭窄および閉塞、呼吸困難および呼吸不能に至り得る。
【0006】
肺気腫は、肺胞および/または小気管支の末端に影響する慢性肺疾患である。肺はその弾力性を失い、そのために、肺の当該領域は拡張する。当該拡張領域は古い空気を滞留させ、それを新鮮な空気と効率的に交換しない。その結果呼吸困難をもたらし、そして血中への酸素の供給不足を生じる。肺気腫患者の主症状は息切れである。
【0007】
呼吸器疾患の処置に使用される治療剤はβ−アドレナリン受容体アゴニストを含む。これらの薬剤(ベータ2(β)−アゴニストとしても既知)は、気管支平滑筋を弛緩させ、気道閉塞を軽減し、肺高度膨脹を軽減し、そして息切れを減らすことにより、呼吸器疾患の症状を軽減する。1日1回β2アゴニストとして現在治験中の化合物がExpert Opin. Investig. Drugs 14 (7), 775-783 (2005)に記載されている。
【0008】
呼吸器疾患の処置に使用される他の群の治療剤はムスカリンアンタゴニストである。ムスカリン受容体は、5種のファミリーメンバーM、M、M、MおよびMを有するGタンパク質共役受容体(GPCR)ファミリーである。5種のムスカリンサブタイプのうち、3種(M、MおよびM)がヒト肺組織で生理学的作用を発揮することが知られている。副交感神経は、ヒト気道で気管支収縮反射の主経路であり、アセチルコリンをムスカリン受容体に対して送達することにより気道緊張を仲介する。気道緊張は呼吸器障害、例えば喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者で高まっており、そしてこの理由でムスカリン受容体アンタゴニストが気道疾患における治療について開発されている。ムスカリン受容体アンタゴニスト(antagonsists)は、診療では抗コリン剤ともしばしば呼ばれ、COPDの個体の第一選択薬として広く認められており、その使用は文献で徹底的にレビューされている(例えばLee et al, Current Opinion in Pharmacology 2001,1, 223-229)。
【0009】
β−アドレナリン受容体アゴニストまたはムスカリンアンタゴニストでの処置はかなりの成果を得ることができているが、しばしばこれらの薬剤の効果は満足とはほど遠いことがある。さらに、呼吸器疾患、例えば喘息およびCOPDの複雑さの点から、何らかの一つのメディエーターがそれだけでこの疾患を十分に治療できる可能性はなさそうである。それ故に呼吸器疾患、例えばCOPDおよび喘息に対する新規治療、特に疾患修飾能を有する治療への医学的な切迫した要求がある。
【発明の概要】
【0010】
本発明は:
(R)−1−[5−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)
から選択されるムスカリンアンタゴニストである第一活性成分と、β−アドレナリン受容体アゴニストである第二活性成分を組み合わせて含む、医薬品を提供する。
【0011】
本発明に従うムスカリンアンタゴニストをβ−アドレナリン受容体アゴニストと組み合わせて呼吸器疾患の処置に使用したとき、有益な効果が観察され得る。有益な効果は、2種の活性成分を同時に(一医薬製剤としてまたは別の製剤を介していずれか)、または別の医薬製剤を介して連続的にまたは別々に投与したときに観察され得る。
【0012】
本発明の医薬品は、例えば、第一および第二活性成分を混合して含む医薬組成物であり得る。あるいは、本医薬品は、例えば、第一活性成分の製剤および第二活性成分の製剤と、場合により、それを必要とする患者へのこれらの製剤の同時の、連続的なまたは別々の投与に関する指示を含むキットであり得る。
【0013】
本発明の組合せ剤の第一活性成分は:
(R)−1−[5−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)
から選択されるムスカリンアンタゴニストである。
【0014】
本発明のムスカリンアンタゴニストは、M3受容体に高い効力を示す同時係属出願PCT/GB2008/000519(WO2008/099186)に記載した新規化合物群の中から選択される。ムスカリンアンタゴニストの名称は、実施例に記載した構造式、およびカーン・インゴルド・プレローグシステムに従う立体異性に基づき、MDL Information Systems Inc.により提供されるBeilstein Autonom 2000 naming packageにより作成したIUPAC名である。例えば、名称(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンは次の構造から作成された:
【化1】

【0015】
本発明のムスカリンアンタゴニストは、4級窒素原子上の正荷電と結合するアニオンXを含む。本アニオンXは、任意の一価または多価(例えば二価)酸の薬学的に許容されるアニオンであり得る。本発明の一態様においてXは、鉱酸のアニオン、例えばクロライド、ブロマイド、アイオダイド、スルフェート、ナイトレートまたはホスフェート;または適当な有機酸のアニオン、例えばトルエンスルホネート(トシレート)、エジシレート(エタン−1,2−ジスルホネート)、イセチオネート(2−ヒドロキシエチルスルホネート)、ラクテート、オレアート(oleic)、マレアート((Z)−3−カルボキシ−アクリレート)、スクシネート(3−カルボキシ−プロピオネート)、マレート((S)−3−カルボキシ−2−ヒドロキシ−プロピオネート)、p−アセトアミドベンゾエート、アセテート、マレアート、フマレート、シトレート、オキサレート、スクシネート、タートレート、メタンスルホネート、p−トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナパジシレート(ナフタレン−1,5−ジスルホネート)(例えばヘミナパジシレート)、2,5−ジクロロベンゼンスルホネート、(キシナホエート)1−ヒドロキシ−2−ナフトエートまたは1−ヒドロキシナフタレン−2−スルホネートであり得る。
【0016】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは臭化物塩の形である。
【0017】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは
(R)−1−[5−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイド;
(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライド;
(R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイド;
(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン2−ヒドロキシ−エタンスルホネート;
(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンベンゼンスルホネート;
(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライド;および
(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイド
から選択される。
【0018】
本発明の組合せ剤における第二活性成分はβ−アドレナリン受容体アゴニストである。本発明のβ−アドレナリン受容体アゴニストは、β受容体を刺激し、気管支拡張剤として作用できる任意の化合物または物質であり得る。本明細書の文脈において、特にことわらない限り、β−アドレナリン受容体アゴニストに関する全ての記載は、該β−アドレナリン受容体アゴニストから形成され得る活性塩、溶媒和物または誘導体および全ての鏡像体およびその混合物を含む。β−アドレナリン受容体アゴニストの可能な塩または誘導体は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、マレイン酸の塩のような酸付加塩、および薬学的に許容されるエステル類(例えばC−Cアルキルエステル類)である。β−アゴニストは溶媒和物、例えば水和物の形であり得る。
【0019】
この態様に従う医薬品で使用し得るβ−アドレナリン受容体アゴニストは、メタプロテレノール、イソプロテレノール、イソプレナリン、アルブテロール、サルブタモール(例えば硫酸塩として)、フォルモテロール(例えばフマル酸塩として)、サルメテロール(例えばキシナホ酸塩として)、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロール(例えばメシル酸塩として)、ピルブテロールまたはインダカテロールを含む。この態様のβ−アドレナリン受容体アゴニストは、長時間作用型β−アゴニスト(すなわち24時間を超えて持続する活性を有するβ−アゴニスト)、例えばサルメテロール(例えばキシナホ酸塩として)、フォルモテロール(例えばフマル酸塩として)、バンブテロール(例えば塩酸塩として)、カルモテロール(TA 2005、化学的に2(1H)−キノロン、8−ヒドロキシ−5−[1−ヒドロキシ−2−[[2−(4−メトキシ−フェニル)−1−メチルエチル]−アミノ]エチル]−モノヒドロクロライド、[R−(R*,R*)]として同定され、またChemical Abstract Service Registry Number 137888-11-0としても同定され、米国特許4,579,854に開示されている)、インダカテロール(CAS no 312753-06-3; QAB-149)、ホルムアニリド誘導体、例えばWO2002/76933に開示された3−(4−{[6−({(2R)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド誘導体、例えばWO2002/88167に開示された3−(4−{[6−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシ−メチル)フェニル]エチル}アミノ)−ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミド、WO2003/042164およびWO2005/025555に開示されたアリールアニリン受容体アゴニスト、WO2004/032921、US2005/222144に開示されたインドール誘導体、化合物GSK 159797、GSK 159802、GSK 597901、GSK 642444およびGSK 678007であり得る。
【0020】
本発明の一態様において、β−アドレナリン受容体アゴニストはフォルモテロールである。フォルモテロールの化学名はN−[2−ヒドロキシ−5−[(1)−1−ヒドロキシ−2−[[(1)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エチル]フェニル]−ホルムアミドである。フォルモテロールの製造は、例えば、WO92/05147に開示されている。この態様の一面において、β−アドレナリン受容体アゴニストはフマル酸フォルモテロールである。本発明は、フォルモテロールの全ての光学異性体およびラセミ体を含むその混合物の使用を包含することは理解されよう。それ故に、例えば、用語フォルモテロールは、N−[2−ヒドロキシ−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−[[(1R)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エチル]フェニル]−ホルムアミド、N−[2−ヒドロキシ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−2−[[(1S)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エチル]フェニル]−ホルムアミドおよびラセミ体を含むかかる鏡像体の混合物を包含する。
【0021】
本発明の一態様において、β−アドレナリン受容体アゴニストは:
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド、
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミド、および
7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン、
またはその薬学的に許容される塩から選択される。この態様に従うβ−アドレナリン受容体アゴニストは、本明細書の実験的製造の章に記載の通り製造し得る。この態様のβ−アドレナリン受容体アゴニストの名称は、IUPAC NAME, ACD Labs Version 8 naming packageにより作成したIUPAC名である。
【0022】
本発明のさらなる態様において、β−アドレナリン受容体アゴニストは:
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドジヒドロブロマイド、
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミドジヒドロブロマイド、および
7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンジヒドロブロマイド
から選択される。
【0023】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはフォルモテロール(例えばフマル酸塩として)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライドである。この態様の他の面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンベンゼンスルホネートである。
【0024】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはフォルモテロール(例えばフマル酸塩として)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライドである。この態様の他の面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン2−ヒドロキシ−エタンスルホネートである。
【0025】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[5−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはフォルモテロール(例えばフマル酸塩として)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[5−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイドである。
【0026】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはフォルモテロール(例えばフマル酸塩として)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイドである。
【0027】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはフォルモテロール(例えばフマル酸塩として)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイドである。
【0028】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライドである。この態様の他の面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンベンゼンスルホネートである。
【0029】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライドである。この態様の他の面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン2−ヒドロキシ−エタンスルホネートである。この態様の他の面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン2−ヒドロキシ−エタンスルホネートである。
【0030】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[5−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[5−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイドである。
【0031】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイドである。
【0032】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイドである。
【0033】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストは7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライドである。この態様の他の面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンベンゼンスルホネートである。
【0034】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストは7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライドである。この態様の他の面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン2−ヒドロキシ−エタンスルホネートである。
【0035】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[5−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストは7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[5−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイドである。
【0036】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストは7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイドである。
【0037】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストは7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンまたはその薬学的に許容される塩(例えば二臭化水素酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイドである。
【0038】
本発明の一態様において、β−アドレナリン受容体アゴニストはN−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミドまたはその薬学的に許容される塩である。この態様に従うβ−アドレナリン受容体アゴニストはWO2008/075026A1に記載の通り製造し得る。この態様の別の面において、β−アドレナリン受容体アゴニストはN−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミドビス−トリフルオロ酢酸塩である。この態様の別の面において、β−アドレナリン受容体アゴニストはN−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミドジヒドロ臭化物塩である。この態様の別の面において、β−アドレナリン受容体アゴニストはN−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミドジ−D−マンデル酸塩である。
【0039】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはN−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えばジヒドロブロマイドまたはジ−D−マンデル酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライドである。この態様の他の面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンベンゼンスルホネートである。
【0040】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはN−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えばジヒドロブロマイドまたはジ−D−マンデル酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライドである。この態様の他の面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン2−ヒドロキシ−エタンスルホネートである。
【0041】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[5−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはN−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えばジヒドロブロマイドまたはジ−D−マンデル酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−1−[5−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイドである。
【0042】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはN−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えばジヒドロブロマイドまたはジ−D−マンデル酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイドである。
【0043】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストはN−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミドまたはその薬学的に許容される塩(例えばジヒドロブロマイドまたはジ−D−マンデル酸塩)である。この態様の一面において、ムスカリン受容体アンタゴニストは(R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイドである。
【0044】
本発明の組合せ剤は、呼吸器疾患の処置に有益な治療効果を提供し得る。かかる可能性のある効果の例は、次の1個以上のパラメータの改善を含む:肺への炎症性細胞流入の軽減、軽度および重度増悪、FEV(一秒量)、肺活量(VC)、最大呼気流量(PEF)、症状スコアおよびクオリティ・オブ・ライフ。
【0045】
本発明のムスカリンアンタゴニスト(第一活性成分)およびβ−アドレナリン受容体アゴニスト(第二活性成分)を呼吸器疾患を処置するために同時に、連続的にまたは別々に投与し得る。連続投与により、これらの複数活性成分を、任意の順番で、一方の直後に他方を投与することを意味する。それらを別々に投与しても望む効果をなお有し得るが、この方法で投与するとき、一般に4時間以上は離れないで、より好都合には2時間以上離れないで、より好都合には30分間以上離れないで、そして最も好都合には10分間以上離れないで投与する。
【0046】
本発明のこれらの複数活性成分を経口または非経腸(例えば静脈内、皮下、筋肉内または関節内)投与により慣用の全身投与形態、例えば錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、水性または油性溶液または懸濁液、エマルジョンおよび滅菌注射可能水性または油性溶液または懸濁液で投与してよい。これらの複数活性成分をまた局所的に(肺および/または気道に)溶液、懸濁液、エアロゾル剤および乾燥粉末製剤の形で投与してよい。これらの投与形態は、通常、例えば、アジュバント、担体、結合剤、滑剤、希釈剤、安定化剤、乾燥剤、乳化剤、粘性調節剤、界面活性剤、防腐剤、香味剤および着色剤から選択され得る1種以上の薬学的に許容される成分を含む。当業者には理解される通り、これらの複数活性成分を投与する最も好適な方法は多くの因子による。
【0047】
本発明の一態様において、これらの複数活性成分を別々の医薬製剤により投与してよい。それ故、一面において、本発明は、本発明のムスカリンアンタゴニストである第一活性成分の製剤、およびβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二活性成分の製剤、および場合によりそれを必要とする患者へのこれらの製剤の同時の、連続的なまたは別々の投与のための指示を含むキットを提供する。
【0048】
他の態様において、これらの複数活性成分は一医薬組成物により投与してよい。それ故、本発明は、さらに、本発明のムスカリンアンタゴニストである第一活性成分、およびβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二活性成分を混合して含む、医薬組成物を提供する。
【0049】
本発明の医薬組成物は、ムスカリンアンタゴニスト(第一活性成分)とβ−アドレナリン受容体アゴニスト(第二活性成分)および薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を混合することにより製造し得る。それ故、本発明のさらなる面において、本発明のムスカリンアンタゴニストとβ−アドレナリン受容体アゴニストおよび薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を混合することを含む、医薬組成物の製造方法が提供される。
【0050】
本発明に従い投与される各活性成分の治療用量は、用いる特定の活性成分、活性成分を投与する方式、および処置する状態または障害により変わることは理解されよう。
【0051】
本発明の一態様において、本発明のムスカリンアンタゴニストを吸入により投与する。吸入により投与するとき、本発明のムスカリンアンタゴニストの投与量は、一般に、0.1マイクログラム(μg)〜5000μg、0.1〜1000μg、0.1〜500μg、0.1〜100μg、0.1〜50μg、0.1〜5μg、5〜5000μg、5〜1000μg、5〜500μg、5〜100μg、5〜50μg、5〜10μg、10〜5000μg、10〜1000μg、10〜500μg、10〜100μg、10〜50μg、20〜5000μg、20〜1000μg、20〜500μg、20〜100μg、20〜50μg、50〜5000μg、50〜1000μg、50〜500μg、50〜100μg、100〜5000μg、100〜1000μgまたは100〜500μgの範囲である。この投与量を、一般に、1日1〜4回、好都合には1日1回または2回、および最も好都合には1日1回で投与する。
【0052】
本発明の一態様において、β−アドレナリン受容体アゴニストを好都合には吸入により投与し得る。吸入により投与するとき、β−アドレナリン受容体アゴニストの投与量は、0.1〜50μg、0.1〜40μg、0.1〜30μg、0.1〜20μg、0.1〜10μg、5〜10μg、5〜50μg、5〜40μg、5〜30μg、5〜20μg、5〜10μg、10〜50μg、10〜40μg、10〜30μg、または10〜20μgの範囲である。この投与量を、一般に、1日1〜4回、好都合には1日1回または2回、および最も好都合には1日1回で投与する。
【0053】
一態様において、本発明は、本発明のムスカリンアンタゴニストである第一活性成分、およびβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二活性成分を組み合わせて含む医薬品を提供し、ここで、各活性成分は吸入投与用に製剤されている。
【0054】
一態様において複数活性成分の医薬製剤を同時に投与してよい。
【0055】
一態様において複数活性成分の異なる医薬製剤を連続的に投与してよい。
【0056】
一態様において複数活性成分の異なる医薬製剤を別々に投与してよい。
【0057】
本発明のこれらの複数活性成分は、好都合には吸入により(例えば肺および/または気道に局所的に)、溶液、懸濁液、エアロゾルおよび乾燥粉末製剤の形で投与される。例えば定量噴霧式吸入器を、適当な噴射剤に分散されており、そしてさらなる賦形剤、例えばエタノール、界面活性剤、滑剤または安定化剤を伴うかまたは伴わない、これらの複数活性成分の投与に使用できる。適当な噴射剤は炭化水素、クロロフルオロカーボンおよびヒドロフルオロアルカン(例えばヘプタフルオロアルカン)噴射剤、または任意のかかる噴射剤の混合物を含む。好ましい噴射剤はP134aおよびP227であり、これらの各々は単独でまたは他の噴射剤および/または界面活性剤および/または他の賦形剤と共に使用し得る。噴霧水性懸濁液または、好ましくは、溶液も、適当なpHおよび/または張性調節剤と共にまたは伴わずに、単位投与または多回投与量のいずれかとして使用し得る。
【0058】
これらの複数活性成分の乾燥粉末および加圧HFAエアロゾルを経口または経鼻吸入により投与し得る。吸入用に、本化合物は望ましくは微粉化されている。微粉化化合物は、好ましくは10μm未満の質量中央直径を有し、噴射剤混合物に分散剤、例えばC−C20脂肪酸またはその塩(例えば、オレイック酸)、胆汁酸塩、リン脂質、アルキルサッカライド、過フッ素化またはポリエトキシル化界面活性剤、または他の薬学的に許容される分散剤の助けを借りて懸濁され得る。
【0059】
一つの可能性は、微粉化した本発明の化合物と担体物質、例えば、モノ−、ジ−またはポリサッカライド、糖アルコール、または他のポリオールの混合である。適当な担体は類、例えば、ラクトース、グルコース、ラフィノース、メレジトース、ラクチトール、マルチトール、トレハロース、スクロース、マンニトール;およびデンプンである。あるいは微粉化化合物を他の物質でコーティングしてよい。粉末混合物をまた、各々所望用量の活性化合物を含む硬ゼラチンカプセルに分配してよい。
【0060】
他の可能性は、微粉化した粉末を、吸入過程の間に崩壊する球体に加工することである。この球体化粉末を、多投与量吸入器、例えば、投与ユニットが所望量を定量し、それがその後患者により吸入されるTurbuhaler(登録商標)として既知のもの薬剤貯蔵部に充填し得る。この系で、活性成分は、担体物質を伴いまたは伴わず、患者に送達される。
【0061】
本発明の組合せ剤は、呼吸器−管障害、例えば慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全てのタイプの慢性気管支炎(それに伴う呼吸困難を含む)、喘息(アレルギー性および非アレルギー性;‘喘鳴幼児症候群(wheezy-infant syndrome)’)、成人/急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性呼吸器閉塞、気管支機能亢進、肺線維症、肺気腫、およびアレルギー性鼻炎、他の薬物治療、特に他の吸入薬物治療の結果の気道反応性亢進の増悪または塵肺(例えばアルミニウム肺症、炭粉沈着症、石綿肺症、石肺症、ダチョウ塵肺症、鉄沈着症、珪肺症、タバコ症および綿肺症)の処置または予防に有用である。
【0062】
乾燥粉末吸入器は、これらの複数活性成分を、単独でまたは薬学的に許容される担体と共に、後者の場合、微粉化粉末または秩序混合物として投与するために使用し得る。乾燥粉末吸入器は一投与量または多回投与量であってよく、乾燥粉末または粉末含有カプセルを利用してよい。
【0063】
定量吸入器、ネブライザーおよび乾燥粉末吸入器は既知であり、種々のかかる装置が利用可能である。
【0064】
本発明は、さらに、治療において同時に、連続的にまたは別々に使用するための本発明の医薬品、キットまたは医薬組成物を提供する。
【0065】
本発明は、さらに、呼吸器疾患、特に慢性閉塞性肺疾患または喘息の処置用医薬の製造における、本発明の医薬品、キットまたは医薬組成物の使用を提供する。
【0066】
本発明はさらに、呼吸器疾患、特に慢性閉塞性肺疾患または喘息処置に使用する医薬の製造における、本発明の医薬品、キットまたは医薬組成物の使用を提供する。
【0067】
本発明は、なおさらに呼吸器疾患の処置方法であって:
(a)一定(治療有効)量の本発明のムスカリンアンタゴニストである第一活性成分;および
(b)一定(治療有効)量のβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二活性成分;
を、それらを必要とする患者に同時に、連続的にまたは別々に投与することを含む、方法を提供する。
【0068】
本明細書の文脈で、用語“治療”はまた、異なる具体的指示がない限り、“予防”も含む。用語“治療的”および“治療的に”もこれに従い解釈すべきである。予防は、当該疾患または状態の前のエピソードに罹患したか、または、他の方法でリスクが増加していると見なされるヒトの処置に特に関連すると期待される。特定の疾患または状態を発症するリスクのあるヒトは、一般に、該疾患または状態の家族歴を有するか、または、遺伝子試験またはスクリーニングで該疾患または状態の発症に特に感受性であることが同定されているヒトを含む。
【0069】
用語“疾患”は、他に定義しない限り、用語“状態”および“障害”と同様の意味を有し、本明細書および特許請求の範囲で交換可能に使用されている。用語“医薬”および“活性成分”は、本発明の組合せ剤を構成する化合物、例えばムスカリンアンタゴニストまたはβ−アドレナリン受容体アゴニストを意味する。
【0070】
本発明の医薬品、キットまたは組成物は場合により第三活性成分を含んでよく、該第三活性成分は呼吸器疾患の処置に適切な物質である。本発明に包含し得る第三活性成分の例は
・ ホスホジエステラーゼ阻害剤、
・ ケモカイン受容体機能のモジュレーター、
・ キナーゼ機能の阻害剤、
・ プロテアーゼ阻害剤、
・ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニスト、および
・ 非ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニスト
から選択される。
【0071】
この態様の第三活性成分として使用し得るホスホジエステラーゼ阻害剤の例は、PDE4阻害剤、例えばアイソフォームPDE4Dの阻害剤、PDE3阻害剤およびPDE5阻害剤を含む。例は化合物
(Z)−3−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−2−[4−(2−インダニルオキシ−5−メトキシ−2−ピリジル]プロパンニトリル、
N−[9−アミノ−4−オキソ−1−フェニル−3,4,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2,1−jk][1,4]ベンゾジアゼピン−3(R)−イル]ピリジン−3−カルボキサミド(CI−1044)、
3−(ベンジルオキシ)−1−(4−フルオロベンジル)−N−[3−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
(1S−exo)−5−[3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルオキシ)−4−メトキシフェニル]テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(アチゾラム)、
N−(3,5,ジクロロ−4−ピリジニル)−2−[1−(4−フルオロベンジル)−5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル]−2−オキソアセトアミド(AWD−12−281)、
β−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−プロパンアミド(CDC−801)、
N−[9−メチル−4−オキソ−1−フェニル−3,4,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2,1−jk][1,4]ベンゾジアゼピン−3(R)−イル]ピリジン−4−カルボキサミド(CI−1018)、
cis−[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸(シロミラスト)、
8−アミノ−1,3−ビス(シクロプロピルメチル)キサンチン(シパムフィリン(cipamfylline))、
N−(2,5−ジクロロ−3−ピリジニル)−8−メトキシ−5−キノリンカルボキサミド(D−4418)、
5−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジリデン)−2−イミノチアゾリジン−4−オン(Darbufelone)、
2−メチル−1−[2−(1−メチルエチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル]−1−プロパノン(イブジラスト)、
2−(2,4−ジクロロフェニルカルボニル)−3−ウレイドベンゾフラン−6−イルメタンスルホネート(リリミラスト(Lirimilast))、
(−)−(R)−5−(4−メトキシ−3−プロポキシフェニル)−5−メチルオキサゾリジン−2−オン(メソプラム(mesopram))、
(−)−cis−9−エトキシ−8−メトキシ−2−メチル−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−6−(4−ジイソプロピルアミノカルボニルフェニル)−ベンゾ[c][1,6]ナフチリジン(プマフェントリン(Pumafentrine))、
3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンズアミド(ロフルミラスト)、
ロフルミラストのN−オキシド、
5,6−ジエトキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(Tibenelast)、
2,3,6,7−テトラヒドロ−2−(メシチルイミノ)−9,10−ジメトキシ−3−メチル−4H−ピリミド[6,1−a]イソキノリン−4−オン(trequinsin)、および
3−[[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−メチル]−N−エチル−8−(1−メチルエチル)−3H−プリン−6−アミン(V−11294A)
を含む。
【0072】
この態様の第三活性成分として使用し得るケモカイン受容体機能のモジュレーターの例は、CCR3受容体アンタゴニスト、CCR4受容体アンタゴニスト、CCR5受容体アンタゴニストおよびCCR8受容体アンタゴニストを含む。
【0073】
この態様の第三活性成分として使用し得るキナーゼ機能の阻害剤の例は、p38キナーゼ阻害剤およびIKK阻害剤を含む。
【0074】
この態様の第三活性成分として使用し得るプロテアーゼ阻害剤の例は、好中球エラスターゼの阻害剤またはMMP12の阻害剤を含む。
【0075】
この態様の第三活性成分として使用し得るステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニストは、ブデソニド、フルチカゾン(例えばプロピオン酸エステルとして)、モメタゾン(例えばフロ酸エステルとして)、ベクロメタゾン(例えば17−プロピオン酸エステルまたは17,21−ジプロピオン酸エステルとして)、シクレソニド、ロテプレドノール(例えばエタボネートとして)、エチプレドノール(例えばジクロロアセテートとして)、トリアムシノロン(例えばアセトニドとして)、フルニソリド、ゾチカゾン(zoticasone)、フルモキソニド(flumoxonide)、ロフレポニド、ブチキソコート(例えばプロピオン酸エステルとして)、プレドニゾロン、プレドニゾン、チプレダン(tipredane)、ステロイドエステル類、例えば6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオチオ酸S−フルオロメチルエステル、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオチオ酸S−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)エステルおよび6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−17α−[(4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボニル)オキシ]−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオチオ酸S−フルオロメチルエステル、DE4129535に従うステロイドエステル類、WO2002/00679、WO2005/041980に従うステロイド、またはステロイドGSK 870086、GSK 685698およびGSK 799943を含む。
【0076】
この態様の第三活性成分として使用し得る非ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニストのモジュレーターの例は、WO2006/046916に記載されたものを含む。
【0077】
本発明を以下の非限定的実施例により説明する。実施例において、次の図面が示される:
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】ムスカリンアンタゴニスト(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン;ベンゼンスルホネート(実施例2)のX線粉末回折パターン。
【図2】ムスカリンアンタゴニスト(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライド(実施例3)のX線粉末回折パターン。
【図3】ムスカリンアンタゴニスト(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン2−ヒドロキシ−エタンスルホネート(実施例4)のX線粉末回折パターン。
【図4】ムスカリンアンタゴニスト(R)−1−[5−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイド(実施例5)のX線粉末回折パターン。
【図5】ムスカリンアンタゴニスト(R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイド(実施例7)のX線粉末回折パターン。
【図6】ムスカリンアンタゴニスト(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン2−ヒドロキシ−エタンスルホネート(実施例8)のX線粉末回折パターン。
【発明を実施するための形態】
【0079】
ムスカリンアンタゴニストの製造
本発明のムスカリンアンタゴニストは次の通り製造し得る。ここに記載した別の塩は、ここに記載する方法に準じた方法を使用して通常の化学により製造し得る。
【0080】
ムスカリンアンタゴニストの製造に関する一般的実験詳細
特に断らない限り、次の一般的条件をムスカリンアンタゴニストの製造に使用した。
全ての反応を特に断らない限り窒素の雰囲気下に行った。NMRスペクトルを、400MHzで操作する5mm逆検出三重共鳴プローブを用いるVarian Unity Inova 400分光計または400MHzで操作する5mm逆検出三重共鳴TXIプローブを用いるBruker Avance DRX 400分光計または300MHzで操作する標準5mmデュアル周波数プローブを用いるBruker Avance DPX 300分光計で得た。シフトは、テトラメチルシランに対するppmで示す。生成物をカラムクロマトグラフィーで精製するとき、‘フラッシュシリカ’は、クロマトグラフィー用シリカゲル、0.035〜0.070mm(220〜440メッシュ)(例えばFluka silica gel 60)、および10p.s.i.までの窒素圧を適用した加速カラム溶出または半自動化CombiFlash(登録商標)Companion精製系の使用によるまたは減圧下Biotage(登録商標)Isolute Flash Si IIカートリッジの手動溶出またはBiotage(登録商標)SP1半自動化系の使用を意味する。全ての溶媒および市販試薬は受領したまま使用した。SCXクロマトグラフィーをBiotage(登録商標)Isolute SCXまたはSCX-2予充填カートリッジを使用して行った。
【0081】
引用される液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)法を以下に記載する:
方法1
C18逆相カラム(5μm粒子系の100×3.0mm Higgins Clipeus)を用いるWaters Micromass ZQ2000、A:水+0.1%ギ酸;B:アセトニトリル+0.1%ギ酸で溶出。勾配:
【表1】

検出 − MS、ELS、UV(インラインUVディテクターでのMSのために100μlスプリット) MSイオン化方法− エレクトロスプレー(陽イオン)
【0082】
方法2
C18逆相カラム(30×4.6mm Phenomenex Luna 3μm粒子系)を用いるWaters Platform LC四重極質量分光計、A:水+0.1%ギ酸;B:アセトニトリル+0.1%ギ酸で溶出。勾配:
【表2】

検出 − MS、ELS、UV(インラインUVディテクターでのMSのために200μlスプリット) MSイオン化方法− エレクトロスプレー(陽および陰イオン)。
【0083】
実験部分で使用する略語:AIBN=2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル);DCM=ジクロロメタン;DMF=ジメチルホルムアミド;DMSO=ジメチルスルホキシド;IMS=工業料メチル化アルコール;LCMS=液体クロマトグラフィー−質量分析;NBS=N−ブロモスクシンイミド;RT=室温;Rt=保持時間;TFA=トリフルオロ酢酸;THF=テトラヒドロフラン;SCX=強カチオン交換クロマトグラフィー。
【0084】
実施例2の結晶形の分析について:
示差走査熱量測定(DSC)を、Mettler Toledo TS0801ROサンプルロボットおよび自動化サンプルカルーセルを備えたMettler Toledo DSC823eで行った。サンプルを40μl アルミニウムパンに調製し、サンプルの蓋をロボットにより自動的に穿孔し、30〜250℃で10℃/分で分析を行った。典型的に、1−3mgのサンプルを分析に使用し、分析を50ml 分−1の乾燥窒素パージ下に行った。装置を保証されたインジウムを使用してエネルギーおよび温度について較正した。
【0085】
熱重量分析(TGA)を、TS0801 ROサンプルロボットおよび自動化サンプルカルーセルを備えたMettler Toledo thermogravimetric analyser(TGA851e)で行った。各パンの蓋を分析前に手動で穿孔し、30〜400℃で10℃/分で行った。典型的に、1−3mgのサンプルを分析に使用した。60ml 分−1の窒素パージを分析中サンプル上に維持した。装置を温度について較正した。
【0086】
粉末X線回折(PXRD)を、Bruker AXS C2 GADDS回折計で、Cu K放射(40kV、40mA)、自動化XYZステージ、自動サンプル位置調整のためのレーザービデオ顕微鏡およびHiStar二次元領域検出器を使用して回収した。X線光学は、0.3mmのピンホールコリメーターと組み合わせた一ゲーベル多層膜鏡から成った。ビーム分岐、すなわちサンプル上へのX線ビームの有効サイズは約4mmであった。θ−θ連続走査モードを、3.2°〜42.7°の有効な2θ範囲をもたらすサンプル対ディテクター距離間で用いた。典型的にサンプルをX線ビームに120秒間曝した。サンプルを、磨かずに受け取った材料を使用して平板切片として製造した。約1−2mgのサンプルを平らな表面を得るためにスライドガラスに軽く押しつけた。
【0087】
動的蒸気収着(DVS)分析を、Surface Measurementシステム(SMS)DVS-Intrinsic moisture sorption analyserを使用して行った。装置をSMS Analysis Suiteソフトウェア(DVS-Intrinsic Control v1.0.0.30)により制御した。データの解析を、DVS Standard Analysis Suite (v6.0.0.7)と共にMicrosoft Excel 2007を使用して行った。サンプル温度を25℃に維持し、サンプル湿度を、200ml 分−1の合計流速で湿および乾燥窒素流を混合することにより得た。相対湿度は、サンプル近くに位置する較正済Rotronicプローブ(ダイナミック・レンジ1−100%相対湿度(RH))を使用して測定した。%RHの関数としてのサンプルの重量変化を常に微量天秤によりモニターした(精度±0.005mg)。典型的にPXRDは分析前に行うべきである。続いて20mgのサンプルを焼結(tared)ステンレススチールメッシュバスケットに環境条件下で入れた。サンプルを40%RHおよび25℃(典型的室条件)で載せるか、載せず、サンプルを、表1に示すパラメータを使用する2サイクルにわたる段階的DVSレジメンに付した。DVS等温線をこのデータから計算し、最終PXRDを固体状態形態の変化を確認するための分析後に行った。
【0088】
【表3】

【0089】
実施例3、4、5、7および8の結晶形態の分析について:
X線粉末回折(XRPD) − PANalytical X'Pert機で2θ−θ配置で、またはPANalytical CubiX PRO機で、φ−φ配置で、0.02°増分あたり100秒間暴露で、2°〜40° 2φの走査範囲にわたり行った。X線を、45kVおよび40mAで操作する銅長高精度焦点チューブで発生させた。銅X線の波長は1.5418Åであった。データを、〜2mgの化合物が入ったゼロ・バックグラウンド・ホルダー上で集めた。ホルダーはシリコンの一結晶から成り、それは、非回折平面に沿って切断し、その後磨いて光学的に平に仕上げた。この表面上へのX線投射は、Bragg消光により打ち消された。
【0090】
示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを、アルミニウムパンおよび穿孔した蓋と共に、TA Q1000示差走査熱量計を使用して測定した。サンプル重量は0.5〜5mgの間で変化した。本工程は、窒素ガス流(50ml/分)下で、10℃/分で一定速度で温度を上昇させて、25〜300℃の試験温度で行った。
【0091】
熱重量蒸気吸着(TGA)サーモグラムを、白金パンと共にTA Q500 Thermogravimetric Analyserを使用して分析した。サンプル重量は1〜5mgの間で変化した。本工程は、窒素ガス流(60ml/分)下で、10℃/分で一定速度で温度を上昇させて、室温〜300℃の試験温度で行った。
【0092】
重量蒸気収着(GVS)プロファイルをSurface Measurements Systems Dynamic Vapour Sorption DVS-1またはDVS Advantage装置を使用して測定した。固体サンプル約1−5mgをガラス容器に入れ、サンプル重量をデュアルサイクル工程法の間記録した(10%RH段階の40〜90〜0〜90〜0%相対湿度(RH))。
【0093】
中間体1 − (R)−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
【化2】

(R)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オール(1.25g)、CuI(93.1mg)、1,10−フェナントロリン(176mg)、CsCO(3.19g)および3−フルオロ−ヨード−ベンゼン(1.11g)のトルエン(2.5mL)溶液を100℃で20時間加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、セライトを通して濾過した。不溶性物質を数回酢酸エチルで洗浄した。濾液を5%硫酸銅溶液、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で蒸発させた。SCXによる精製により、(R)−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(490mg、45%)を褐色油状物として得た。LCMS(方法2、Rt 2.09分)。MH=222。
【0094】
中間体2−3を(R)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールおよび適当なアリールアイオダイドから中間体1について記載する方法に準じて製造した。中間体2−3のデータ:
【表4】

【0095】
中間体4 − (R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
【化3】

(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンを3−フルオロチオフェノールから次の通り製造した:3−フルオロチオフェノール(5g)のDMF(5ml)溶液を、NaH(1.56gの鉱油中60%分散)のDMF(40mL)懸濁液に室温で添加した。30分間後、メタンスルホン酸(S)−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)エステル(5.3g)(J. Med. Chem., 1992, 35, 2392-2406)のDMF(5mL)を混合物に滴下し、反応混合物を70℃で一夜加熱した。反応混合物を酢酸エチルおよび1N NaOH溶液に分配した。層を分離し、水性相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で蒸発させた。SCXクロマトグラフィーによる精製により、(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(4.5g、73%)を得た。中間体4のデータ:NMR (300MHz, MeOD): 7.33 (1 H, td, J=8.04, 6.01 Hz), 7.22-7.13 (2 H, m), 7.01-6.93 (1 H, m), 3.81-3.70 (1 H, m), 3.58-3.48 (1 H, m), 3.14-2.91 (2H, m), 2.92-2.77 (2 H, m), 2.26-2.15 (1 H, m), 2.01-1.77 (4 H, m), 1.70-1.58 (1 H, m)。
【0096】
中間体A − (R)−(5−クロロメチル−イソキサゾール−3−イル)−シクロヘキシル−フェニル−メタノール
【化4】

表題化合物を(R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−酢酸から次の通り得た:
工程1:1,1’−カルボニルジイミダゾール(25.0g、154mmol)を、撹拌している(R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−酢酸(30.0g、128mmol)の乾燥THF(600mL)懸濁液に添加した。90分間、室温で撹拌後、水素化ホウ素ナトリウム(11.6g、307mmol)を1時間にわたり少しずつ添加した。反応混合物を室温で一夜撹拌した。反応を水(100mL)の添加によりクエンチし、DCMで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で蒸発させて、粗固体を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(0−5%メタノールのDCM溶液で溶出)での精製により、(R)−1−シクロヘキシル−1−フェニル−エタン−1,2−ジオール(20.7g、73%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.41-7.33 (4 H, m), 7.28-7.24 (1 H, m), 3.99 (1 H, d), 3.83 (1 H, d), 2.68 (1 H, br s), 1.86-1.80 (1 H, m), 1.78-1.64 (3 H, m), 1.63-1.57 (1 H, m), 1.47-1.41 (1 H, m), 1.27-0.94 (5 H, m)。
【0097】
工程2:塩化オキサリル(15.5mL、201mmol)の乾燥DCM(900mL)溶液を−78℃に窒素雰囲気下に冷却した。DMSO(28.5mL、401mmol)のDCM(25mL)溶液を滴下し、混合物を−78℃で10分間撹拌した。(R)−1−シクロヘキシル−1−フェニル−エタン−1,2−ジオール(29.5g、134mmol)のDCM(250mL)溶液を1時間にわたり滴下し、濃いスラリーを得た。内部温度を−45℃にした。トリエチルアミン(92.8mL、669mmol)を滴下し、添加完了後混合物を室温に温めた。混合物を1N塩酸(500mL×2)、水(500mL)および塩水(500mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させて、オレンジ色油状物を得た。これをIMS(320mL)に溶解し、予め形成したヒドロキシルアミンヒドロクロライド(14.0g、201mmol)および炭酸ナトリウム(21.3g、201mmol)の水(210mL)溶液に少しずつ添加した。得られたエマルジョンを室温で一夜撹拌し、DCMおよび水に分配した。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(0−15%EtOAcのシクロヘキサン溶液で溶出)での精製により、(R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−アセトアルデヒドオキシム(25.9g、83%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.76 (1 H, s), 7.44-7.41 (2 H, m), 7.37-7.33 (2 H, m), 7.27-7.23 (1 H, m), 7.22 (1 H, br s), 3.34 (1 H, s), 1.90-1.60 (5 H, m), 1.37-1.05 (6 H, m)。
【0098】
工程3:(R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−アセトアルデヒドオキシム(8g、34mmol)および2,6−ルチジン(10mL、86mmol)のDCM(150mL)溶液を氷浴で冷却した。トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(15.6mL、86mmol)を滴下した。混合物を10分間、0℃で撹拌し、室温に30分間温めた。反応を水(50mL)の添加によりクエンチした。有機相を層分離カートリッジを通して単離し、真空で蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(10−20%EtOAcのシクロヘキサン溶液で溶出)での精製により、モノおよびビスTMS保護された化合物の混合物を得た。これをメタノールに溶解し、室温に一夜静置し、真空で蒸発させて、(R)−シクロヘキシル−フェニル−トリメチルシラニルオキシ−アセトアルデヒドオキシム(10g、96%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.62 (1 H, s), 7.32-7.28 (4 H, m), 7.26-7.21 (1 H, m), 7.11 (1 H, s), 1.93-1.85 (2 H, m), 1.76-1.71 (1 H, m), 1.68-1.56 (2 H, m), 1.49-1.42 (1 H, m), 1.27-0.78 (5 H, m), 0.11 (9 H, m)。
【0099】
工程4:(R)−シクロヘキシル−フェニル−トリメチルシラニルオキシ−アセトアルデヒドオキシム(6g、19.6mmol)の溶液を乾燥DCM(400mL)に形成し、−78℃に冷却した。照明を抑えながら、次亜塩素酸tert−ブチル(4.3g、39.3mmol)のDCM(10mL)溶液を滴下した。2時間、−78℃の後、トリエチルアミン(4.1mL、29.4mmol)のDCM(10mL)溶液を滴下した。さらに10分間、−78℃の後、混合物を0℃に温めた。この時点で、プロパルギルクロライド(14.4mL、196mmol)を添加し、混合物を室温に一夜温めた。混合物を塩水(200mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(0−10%EtOAcのシクロヘキサン溶液で溶出)での精製により、粗5−クロロメチル−3−((R)−シクロヘキシル−フェニル−トリメチルシラニルオキシ−メチル)−イソオキサゾールを得た。これをTHF(100mL)に再溶解し、氷浴で冷却し、テトラブチルアンモニウムフルオライド(19.6mLのTHF中1M)溶液を滴下した。この混合物を30分間、0℃撹拌し、酢酸エチルおよび水に分配した。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空で蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(0−20%EtOAcのシクロヘキサン溶液で溶出)での精製により、表題化合物を白色固体として得た(3.5g、58%)。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.51 (2 H, m), 7.32 (2 H, m), 7.25-7.21 (1 H, m), 6.29 (1 H, s), 4.52 (2 H, s), 2.80 (1 H, s), 2.34-2.28 (1 H, m), 1.81-1.76 (1 H, m), 1.72-1.62 (3 H, m), 1.36-1.02 (6 H, m)。
【0100】
中間体B − (R)−(5−ブロモメチル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−シクロヘキシル−フェニル−メタノール
【化5】

工程1:(R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−酢酸ヒドラジド
(R)−シクロヘキシルマンデル酸(2.34g)をDCM(20mL)に溶解し、1,1’−カルボニルジイミダゾール(1.95g)で処理し、室温で1時間撹拌した。反応混合物をヒドラジン一水和物(1.0mL)で処理し、さらに30分間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、1N NaOH溶液および塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で蒸発させて、表題化合物を白色固体として得た(2.0g、81%)。LCMS(方法2、2.73分)。MH=249。
【0101】
工程2:クロロ−酢酸N’−((R)−2−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−2−フェニル−アセチル)−ヒドラジド
前記化合物(1.0g)をDCM(20mL)に溶解し、0℃でジイソプロピルエチルアミン(0.83mL)およびクロロアセチルクロライド(0.39ml)で処理した。室温に温め、10分間撹拌後、反応混合物をDCMで希釈し、水および塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で蒸発させて、所望の化合物(1.1g、73%)を白色固体として得た。LCMS(方法2、3.20分)。MH=325。
【0102】
工程3:(R)−(5−クロロメチル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−シクロヘキシル−フェニル−メタノール
前記化合物(170mg)、トシルクロライド(96mg)および1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン(175mg)のDCM(2mL)溶液を室温で一夜撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、NaHCO溶液(2回)、塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(シリカ、0−100%シクロヘキサン/酢酸エチル)での精製により、表題化合物を白色固体として得た(105mg、63%)。表題化合物のデータ:LCMS(方法2、3.79分)。MH=307。
【0103】
工程4:前記化合物(4.66g)およびリチウムブロマイド(6.6g)のアセトン(200ml)溶液を一夜還流した。反応混合物を冷却し、真空蒸発させ、水および酢酸エチルに分配した。有機相を分離し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で蒸発させた。得られた固体をアセトン(200ml)に再溶解し、リチウムブロマイド(6.6g)で処理し、一夜加熱還流した。反応混合物を冷却し、真空で濃縮し、水および酢酸エチルに分配した。有機相を分離し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で蒸発させて、表題化合物を得た(4.65g、84%)。表題化合物のデータ:LCMS(方法2、3.90分)。MH=353。1H NMR δ (ppm)(CHCl-d): 7.60-7.53 (2 H, m), 7.41-7.25 (3 H, m), 4.49 (2 H, s), 3.28 (1 H, s), 2.33 (1 H, s), 1.85-1.73 (1 H, m), 1.68 (3 H, s), 1.44-1.09 (6 H, m)。
【0104】
中間体C − (5−ブロモメチル−イソキサゾール−3−イル)−ジフェニル−メタノール
【化6】

表題化合物をメチル5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキシレートから次の通り得た:
工程1。フェニルマグネシウムブロマイド(エーテル中3M溶液;100mL)をメチル5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキシレート(20.2g)の無水THF(300mL)溶液に、−10℃で窒素雰囲気下に滴下した。反応混合物を−10℃で5分間撹拌し、RTに温め、18時間静置した。反応混合物を冷1M HCl(300mL)に注ぎ、エーテルで抽出した。合わせた有機抽出物をNaHCO、水、および塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で蒸発させて、(5−メチル−イソキサゾール−3−イル)−ジフェニル−メタノール(37.21g、98%)を蝋状固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.39-7.25 (m, 10 H), 5.84 (s, 1 H), 3.69 (s, 1 H), 2.38 (s, 3 H)。
【0105】
工程2。乾燥1,2−DCE(500mL)をアルゴンで15分間パージした。(5−メチル−イソキサゾール−3−イル)−ジフェニル−メタノール(37.9g)を、窒素下、撹拌品柄添加し、NBS(28.0g)およびAIBN(4.7g)を添加した。反応混合物を80℃で1時間撹拌した。さらにNBS(28.0g)およびAIBN(4.7g)を反応混合物に添加し、撹拌を80℃で3時間続けた。反応混合物をRTに冷却し、1M HCl(500mL)に注ぎ、エーテルで抽出した。合わせた有機抽出物をNaHCO、水、および塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で蒸発させた。10−100%シクロヘキサン−DCMで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーでの精製により、表題化合物(26.0g、52%)を、少量の未変化出発物質、および二臭素化および三臭素化不純物を含む薄黄色固体として得た。表題化合物のデータ:1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.38-7.23 (m, 10 H), 6.18 (s, 1 H), 4.35 (s, 2 H), 3.63 (s, 1 H)。
【0106】
表題化合物をまたエチル2−クロロ−2−(ヒドロキシイミノ)アセテートから次の通り得ることができる:
工程A − (5−ヒドロキシメチル−イソキサゾール−3−イル)−ジフェニル−メタノール
トリエチルアミン(69mL)のエーテル(31mL)溶液に、4時間にわたり、シリンジポンプの助けを借りて、激しく撹拌しているプロパルギルアルコール(37.5mL)およびエチル2−クロロ−2−(ヒドロキシイミノ)アセテート(75g)のエーテル(500mL)溶液に室温で添加した。反応混合物を一夜撹拌し、濾過し、濾液を水(2回)で洗浄した。水性相を合わせ、塩化ナトリウムで飽和させ、酢酸エチルで再抽出した(2回)。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で蒸発させて、主に5−ヒドロキシメチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルエステルから成る濃い油状物(82g)を得た。これをTHF(700mL)に溶解し、−10℃に冷却し、フェニルマグネシウムクロライド(750mL、THF中2.0M)溶液で、−2℃以下の温度に維持しながら処理した。反応混合物を室温に温め、1時間撹拌した。反応混合物を注意深く氷冷濃塩酸(200mL)および氷(500mL)に添加し、層を分離した。水性層をエーテルで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空で蒸発させた。エーテルでの摩砕により、(5−ヒドロキシメチル−イソキサゾール−3−イル)−ジフェニル−メタノール(82.3g、59%(2工程))を白色固体として得た。1H NMR (300MHz, DMSO): δ 7.39-7.25 (m, 10 H), 6.82 (s, 1 H), 6.34 (s, 1 H), 5.62 (t, J=6.0 Hz, 1 H), 4.54 (d, J=6.0 Hz, 2 H)。
【0107】
工程B − (5−ブロモメチル−イソキサゾール−3−イル)−ジフェニル−メタノール
前記化合物(40g)およびテトラブロモメタン(70.8g)のDCM(350mL)溶液を−15℃に冷却し、温度を−8℃以下に維持しながらトリフェニルホスフィン(48.5g)で少しずつ処理した。反応を10℃に温め、直接シリカゲルパッドに注ぎ、DCM(2500mL)で溶出した。溶離剤を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(0−25%酢酸エチルのシクロヘキサン溶液)で精製して、表題化合物(43g、88%)を濃い、麦わら色油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.38-7.23 (m, 10 H), 6.18 (s, 1 H), 4.35 (s, 2 H), 3.63 (s, 1 H)。
【実施例】
【0108】
実施例1 − (R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライド
【化7】

(R)−(5−クロロメチル−イソキサゾール−3−イル)−シクロヘキシル−フェニル−メタノール(中間体A)(1.74g)および(R)−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(中間体2)(1.26g)をアセトニトリル(25mL)中で混合し、50℃で1時間加熱した。得られた白色固体を濾過により回収し、酢酸エチルおよびエーテルで洗浄し、真空で乾燥させて、表題化合物(2.9g)を得た。これを沸騰しているアセトニトリル(125ml)に溶解し、撹拌しながらゆっくり室温に冷却した。得られた結晶を濾過により回収し、真空で乾燥させて、表題化合物(2.4g、81%)を得た。実施例1のデータ:1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 7.51-7.46 (m, 2 H), 7.32 (t, 2 H), 7.25-7.12 (m, 3 H), 7.02-6.95 (m, 2 H), 6.79 (s, 1 H), 5.90 (s, 1 H), 4.88 (s, 1 H), 4.77 (s, 2 H), 3.91 (dd, 1 H), 3.54-3.34 (m, 5 H), 2.39 (s, 1 H), 2.24-2.09 (m, 2 H), 2.06-1.97 (m, 1 H), 1.94-1.80 (m, 2 H), 1.68 (d, 1 H), 1.58 (d, 3 H), 1.28-1.13 (m, 3 H), 1.10-0.98 (m, 3 H)。LCMS(方法1、8.68分)。M=491。
【0109】
実施例2 − (R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンベンゼンスルホネート
【化8】

(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン;クロライド(実施例1)(2.0g)をDCM(20ml)に溶解し、ベンゼンスルホン酸ナトリウム(3.4g)の水(20ml)溶液中、徹底的に撹拌した。有機層を分離し、再びベンゼンスルホン酸ナトリウム(3.4g)の水(20ml)溶液中で徹底的に撹拌した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で蒸発させて、表題化合物を白色泡状物として得た。これを沸騰しているプロパン−2−オール(48ml)に溶解した。熱溶液を濾過し、濾液を撹拌しながらゆっくり室温に冷却した。2時間後、混合物を0℃に冷却し、結晶を濾過により回収し、真空乾燥させた。表題化合物(2.1g)を85%収率で得た。1H NMR δ (ppm)(DMSO-d): 7.62-7.58 (2 H, m), 7.52-7.47 (2 H, m), 7.35-7.26 (5 H, m), 7.26-7.13 (3 H, m), 7.02-6.95 (2 H, m), 6.80 (1 H, s), 5.89 (1 H, s), 4.88 (1 H, s), 4.75 (2 H, s), 3.91 (1 H, dd, J=13.17, 8.11 Hz), 3.58-3.35 (5 H, m), 2.40 (1 H, s), 2.25-1.95 (3 H, m), 1.96-1.80 (2 H, m), 1.69 (1 H, d, J=10.55 Hz), 1.63-1.52 (3 H, m), 1.29-0.96 (6 H, m)。LCMS(方法1、8.73分)。M=491。
【0110】
結晶性物質のサンプルをDSC、TGA、PXRDおよびDVSにより分析した。
融点をDSCで10℃/分で決定し、178℃(±1℃)で開始する鋭い吸熱事象を有することが判明した。融解前の重量損失はTGAにより無視できた。PXRD分析は、サンプルが極めて結晶性であることを示した(図1参照)。DVS分析は、80%RH(±0.1%)で0.2%(%w/w)の質量増加を生じた。
【0111】
実施例3 − (R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライド
【化9】

(R)−(5−クロロメチル−イソキサゾール−3−イル)−シクロヘキシル−フェニル−メタノール(中間体A)(3.00g)および(R)−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(中間体1)(2.17g)をアセトニトリル(60mL)中で混合し、50℃で2時間加熱した。反応混合物を真空蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(1−15%メタノールのDCM溶液で溶出)で精製して、表題化合物を白色泡状物として得た。これを沸騰しているアセトニトリル(500ml)に溶解し、室温にゆっくり冷却した。得られた白色結晶を濾過により回収し、真空で乾燥させて、表題化合物を得た(3.9g、75%)。1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 7.49 (dd, 2 H), 7.40-7.29 (m, 3 H), 7.25-7.20 (m, 1 H), 6.93-6.79 (m, 4 H), 5.90 (s, 1 H), 4.96 (s, 1 H), 4.77 (s, 2 H), 3.95 (dd, 1 H), 3.49 (d, 4 H), 2.43 (s, 1 H), 2.26-2.10 (m, 2 H), 2.07-1.98 (m, 1 H), 1.95-1.82 (m, 2 H), 1.69 (d, 1 H), 1.59 (s, 4 H), 1.28-1.14 (m, 3 H), 1.10-0.98 (m, 3 H)。LCMS(方法1、8.70分)。M=491。
【0112】
結晶性物質のサンプルをDSC、XRPDおよびGVSにより分析した。
融点をDSCにより決定し、約134℃(±2℃)で開始する広い吸熱事象(融解)開始が葉名した。XRPD分析はサンプルが結晶性であることを示した(図2)参照。GVS分析は、第一サイクルで約5%および第二サイクルで6.5%の質量増加を生じた。
【0113】
実施例4 − (R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン2−ヒドロキシ−エタンスルホネート
【化10】

(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン;クロライド(実施例3)(3.2g)の温DCM(50ml)およびメタノール(0.5ml)溶液を徹底的に撹拌し、アンモニウムイセチオネート(5g)の水(20ml)で処理した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、0℃に冷却し、0.5時間撹拌した。得られた白色沈殿を濾過により回収し、水およびエーテルで洗浄し、真空乾燥させた。沈殿を沸騰しているアセトニトリル(172ml)に溶解した。得られた溶液を熱い間に濾過し、撹拌しながらゆっくり室温に冷却した。2時間後、得られた白色結晶を濾過により回収し、真空で乾燥させて、表題化合物を得た(3.07g、82%)。1H NMR δ (ppm)(DMSO-d): 7.47-7.42 (2 H, m), 7.35-7.25 (3 H, m), 7.21-7.13 (1 H, m), 6.81 (4 H, d, J=43.75 Hz), 5.84 (1 H, s), 4.92 (1 H, s), 4.70 (2 H, s), 4.40 (1 H, t, J=5.72 Hz), 3.90 (1 H, dd, J=13.18, 8.10 Hz), 3.58 (2 H, td, J=6.74, 5.72 Hz), 3.48-3.29 (5 H, m), 2.56 (2 H, t, J=6.74 Hz), 2.39 (1 H, s), 2.21-2.04 (2 H, m), 2.03-1.94 (1 H, m), 1.93-1.77 (2 H, m), 1.64 (1 H, d, J=10.36 Hz), 1.54 (3 H, d, J=9.07 Hz), 1.24-1.10 (3 H, m), 1.10-0.93 (3 H, m)。LCMS(方法1、8.72分)。M=491。
【0114】
結晶性物質のサンプルをDSC、XRPDおよびGVSにより分析した。
融点をDSCにより決定し、約214℃(±2℃)で開始する鋭い融解を有することが判明した。XRPD分析はサンプルが結晶性であることを示した(図3参照)。GVS分析は80%RHで質量増加を生じなかった。
【0115】
実施例5 − (R)−1−[5−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイド
【化11】

(R)−(5−ブロモメチル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−シクロヘキシル−フェニル−メタノール(中間体B)(2.93g)および(R)−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(中間体2)(1.8g)のアセトニトリル(60ml)溶液を50℃で一夜加熱した。反応混合物を真空蒸発させ、エーテルで摩砕して、表題化合物(4.7g)を得て、それを沸騰している酢酸エチルから再結晶した。1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 7.44-7.39 (m, 2 H), 7.34-7.21 (m, 3 H), 7.16-7.09 (m, 2 H), 6.97-6.90 (m, 2 H), 6.39 (s, 1 H), 4.92 (s, 2 H), 4.82 (s, 1 H), 3.97-3.87 (m, 1 H), 3.59-3.37 (m, 5 H), 2.38 (s, 1 H), 2.22 (t, 1 H), 2.11 (s, 1 H), 2.00 (s, 1 H), 1.84 (s, 2 H), 1.66 (s, 2 H), 1.57 (t, 2 H), 1.32 (d, 1 H), 1.23-1.00 (m, 3 H), 1.03-0.88 (m, 2 H)。LCMS(方法1、8.29分)。M=492。
【0116】
結晶性物質のサンプルをDSC、XRPDおよびGVSにより分析した。
融点をDSCにより決定し、二重吸熱事象が観察された。融解開始は約169℃(±2℃)と概算された。XRPD分析はサンプルが結晶性であることを示した(図4参照)。GVS分析は、80%RHで約0.8%の質量増加を生じた。
【0117】
実施例6 − (R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイド
【化12】

(5−ブロモメチル−イソキサゾール−3−イル)−ジフェニル−メタノール(中間体C)(1.1gの約40%純度サンプル)および(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(中間体4)(218mg)のアセトニトリル(10ml)を室温で1時間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、真空乾燥させた。これを沸騰しているアセトニトリル(130ml)に溶解し、熱い間に濾過し、撹拌しながら室温にゆっくり冷却した。得られた結晶を濾過により回収し、真空で乾燥させて、表題化合物を得た(312mg、51%)。1H NMR δ (ppm)(400MHz, CHOH-d): 7.40-7.22 (13 H, m), 7.09-7.03 (1 H, m), 6.83 (1 H, s), 4.71 (2 H, s), 4.07-3.98 (2 H, m), 3.69-3.38 (5 H, m), 2.50-2.39 (1 H, m), 2.29-2.25 (1 H, m), 2.24-2.14 (1 H, m), 2.18-1.93 (2 H, m)。LCMS(方法1、8.36分)。M=501.19。
【0118】
実施例7 − (R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンブロマイド
【化13】

(5−ブロモメチル−イソキサゾール−3−イル)−ジフェニル−メタノール(中間体C)(4.7gの約67%純度サンプル)および(R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(中間体3)(2g)のアセトニトリル(50ml)溶液を50℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を冷却し、固体を濾過により回収し、酢酸エチルおよびエーテルで洗浄し、真空で乾燥させて、表題化合物を得た(4.36g、88%)。これを沸騰しているプロパン−2−オール(760ml)に濾過し、熱い間に濾過し、撹拌しながら室温にゆっくり冷却した。得られた結晶を濾過により回収し、真空で乾燥させて、表題化合物を得た(3.72g)。1H NMR δ (ppm)(400MHz, CHOH-d): 7.39-7.26 (10 H, m), 7.16 (1 H, t, J=8.63 Hz), 6.84 (1 H, s), 6.75-6.66 (2 H, m), 4.93-4.87 (1 H, m), 4.79-4.70 (2 H, m), 4.03-3.95 (1 H, m), 3.67-3.48 (5 H, m), 2.56-2.52 (1 H, m), 2.40-2.31 (1 H, m), 2.20-2.11 (4 H, m), 2.10-1.93 (2 H, m)。LCMS(方法1、8.37分)。M=499.20。
【0119】
結晶性物質のサンプルをDSC、XRPDおよびGVSにより分析した。
融点をDSCにより決定し、約242℃(±2℃)で開始する鋭い融解が判明した。XRPD分析はサンプルが結晶性であることを示した(図5参照)。GVS分析は、80%RHで約0.1%の質量増加を生じた。
【0120】
実施例8 − (R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン2−ヒドロキシ−エタンスルホネート
オーバーヘッドスターラーを備えた5Lフラスコ中の撹拌している(R)−1−[3−((R)−シクロ(Cyco)ヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライド(155.83g)およびDCM(2380mL)の懸濁液に、MeOH(23.8mL)を一度に添加した。数分撹拌後、溶液が形成された。撹拌している塩化物塩の溶液に、イセチオン酸アンモニウム塩(61.60g)の水(945mL)溶液を5分間にわたり添加した。得られた二相反応混合物を激しく撹拌し、数分後、(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン2−ヒドロキシ−エタンスルホネートの種晶を少し添加した。さらに35分間の撹拌後に少し添加した。固体形成の痕跡がフラスコ側面に観察された。室温で2.5時間撹拌し、高密度沈殿が形成し始めた。少量の反応混合物の顕微鏡下の試験は、結晶性物質を示した。撹拌している反応混合物を氷浴で冷却した内部温度4℃で35分間)。固体は、さらに顆粒状になった。固体を濾過により回収し、冷水(400−60mLずつ全量3.1L)、続いてエーテル(5×500mL)。で洗浄した。それを空気中で吸引乾燥し、真空で40℃で一夜、そしてさらに6時間乾燥させて、生成物を白色結晶性固体(152.48g)として得た。LC−MS(方法2):R 8.91分、m/z 491 [M]。純度>99%。
【0121】
生成物(152.48g)を撹拌しながら、還流しているIMS(2.8L)に溶解し、熱溶液を濾過した。この溶液を熱いまま維持し、10L加熱ジャケット付リアクターで撹拌し、一方残った物質(151.64g)を還流しているIMS(2.8L)に溶解し、熱いまま濾過した。2溶液を10L加熱ジャケット付リアクターで合わせ、撹拌し、還流した。少量の物質が析出し始め、それ故にさらにIMS(350mL)を溶液が形成されるまで添加した。撹拌している溶液(撹拌速度88−89rpm)を徐々に冷却した[約1時間にわたり78℃(還流温度)から76.5℃(内部温度)、続いて4.5時間にわたり76.5−20℃(内部温度)、そして、20℃で一夜撹拌]。種晶を撹拌している溶液に77℃、69℃および59℃で添加した。固体物質がリアクターの底に析出し始めた。混合物をさらに冷却するにつれその後数分間でさらなる結晶化が観察された。一夜撹拌後固体を濾過により回収し、冷IMS(〜300ml)で洗浄し、空気中で吸引により(2.5時間)、続いて真空で40℃で一夜乾燥させて、結晶性(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン2−ヒドロキシ−エタンスルホネート(274.48g)を得た。
【0122】
LC−MS(方法2):R 8.84分、m/z 491[M]。純度>99%。 (R)−1−[3−((R)−シクロ(Cyco)ヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンクロライドの製造は実施例3およびWO2008/099186に記載されている。
【0123】
結晶性物質のサンプルをXRPD、GVSおよびDSCにより分析した。DSCにより決定した融点は、213℃(開始)(±2℃)であることが判明した。GVS決定により、80%RH(±0.3%)で0.15%の重量増加となった。XRPDスペクトルを図6に示す。
【0124】
ムスカリンアンタゴニストの生物学的活性
ムスカリンアンタゴニストの化合物の阻害効果を、ムスカリン受容体放射性リガンド結合アッセイにより測定した。
組み換えヒトM3受容体をCHO−K1細胞で発現させた。細胞膜を調製し、[3H]−N−メチルスコポラミン([3H]−NMS)と化合物の結合をシンチレーション近接アッセイ(SPA)で評価した。インキュベーション時間は16時間、環境温度で、1%(v/v)DMSO存在下であった。アッセイを白色96ウェル透明底NBSプレート(Corning)で行った。アッセイ前に、M3受容体含有CHO細胞膜をSPA WGA(小麦胚芽アグルチニン)ビーズ(GE Healthcare)にコーティングした。非特異的結合を1μMアトロピン存在下で決定した。
【0125】
放射活性をMicrobetaシンチレーションカウンター(PerkinElmer)で2分間/ウェル読み取り時間の3Hプロトコルを使用して測定した。[3H]−NMS結合の化合物による阻害を、典型的に0.03nM〜1μMの濃度範囲を使用して決定し、プレートについてプレート特異的放射性リガンド結合に対する阻害パーセントとして示した。化合物による[3H]−NMS結合の濃度依存的阻害をpIC50として示した。
【0126】
試験した全ての化合物は、M3結合アッセイで5nM未満の効力(Ki値)を有する。特に、M3結合アッセイで実施例1は0.80nMのKiを示し、実施例3は0.66nMのKiを示し、実施例5は0.70nMのKiを示し、実施例6は0.15nMのKiを示し、そして実施例7は0.40nMのKiを示す。
【0127】
β−アドレナリン受容体アゴニストの製造
本発明の組合せ剤に用い得る以下のβ−アドレナリン受容体アゴニストを次の通り製造し得る。
【0128】
β−アドレナリン受容体アゴニスト製造のための一般的実験詳細
H NMRスペクトルを、Varian Inova 400MHzまたはVarian Mercury-VX 300MHz装置で記録した。クロロホルム−d(δ 7.27ppm)、ジメチルスルホキシド−d 2.50ppm)、アセトニトリル−d 1.95ppm)またはメタノール−d 3.31ppm)の中央ピークを内部参照として使用した。カラムクロマトグラフィーをシリカゲル(0.040−0.063mm、Merck)を使用して行った。特に断らない限り、出発物質は市販されていた。全溶媒および市販試薬は研究室グレートであり、受領したまま使用した。
【0129】
次の方法をLC/MS分析に使用した:
装置Agilent 1100;カラムWaters Symmetry 2.1×30mm;質量APCI;流速0.7ml/分;波長254nm;溶媒A:水+0.1%TFA;溶媒B:アセトニトリル+0.1%TFA;勾配15−95%/B8分間、95%B 1分間。
【0130】
分析的クロマトグラフィーを、3.5μm粒子系のSymmetry C18−カラム、2.1×30mmで、移動相としてアセトニトリル/水/0.1%トリフルオロ酢酸を、0.7ml/分の流速で、8分間にわたり5%〜95%アセトニトリルの勾配で使用して行った。
【0131】
実施例で使用する略語または用語は次の意味を有する:
【表5】

【0132】
β−アドレナリン受容体アゴニストおよびその製造に使用する中間体を、記載する構造に基づき、IUPAC NAME, ACD Labs Version 8 naming packageを使用して命名する。
【0133】
β−アドレナリン受容体アゴニスト1:(BA1):製造例1
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドジヒドロブロマイド
【化14】

a) tert−ブチル3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパノエート
1−ナフタレンエタノール(10g)をベンジルトリメチル水酸化アンモニウム(Triton B(登録商標);0.9mLのメタノール中40%溶液)で処理し、得られた混合物を真空で30分間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、tert−ブチルアクリレート(8.19g)で処理した。得られた混合物をゆっくり室温に温め、一夜撹拌した。粗混合物を続いてアルミニウムオキシド(30g)に吸着させ、ジエチルエーテル(200mL)で溶出した。有機物を濃縮して、粗物質(16.6g)を得て、それを1:8、ジエチルエーテル:ヘキサンで溶出するフラッシュシリカクロマトグラフィーで精製して、副題化合物を得た(12.83g)。
1H NMR (CDCl3) δ 8.05 (dd, 1H), 7.84 (dd, 1H), 7.72 (dd, 1H), 7.54-7.34 (m, 4H), 3.81-3.69 (m, 4H), 3.35 (t, 2H), 2.52-2.47 (m, 2H), 1.45 (s, 9H)。
【0134】
b) 3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパン酸
ジクロロメタン(30mL)に取り込んだtert−ブチル3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパノエート(6.19g)をトリフルオロ酢酸(5mL)で処理した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、さらに1mLのトリフルオロ酢酸を添加し、溶液一夜撹拌した。混合物を濃縮し、2M 水酸化ナトリウム溶液(30mL)に取り込み、エーテル(2×20mL)で洗浄した。水性層を酸性化し(1M塩酸を使用)、エーテルで抽出した(2×30mL)。合わせた有機物を塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、副題化合物(5.66g)を透明油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 8.05 (bs, 1H), 7.85 (bs, 1H), 7.74 (bs, 1H), 7.50-7.38 (m, 4H), 3.84-3.75 (bm, 4H), 3.39 (bs, 2H), 2.65 (bs, 2H)。
【0135】
c) N−(2−ジエチルアミノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド
塩化オキサリル(0.33g)を、3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパン酸(0.53g)のジクロロメタン(10mL)、ジメチルホルムアミド(1滴)に滴下し、撹拌を室温で1時間続けた。混合物を濃縮し、ジクロロメタン(10mL)に再溶解し、2−(2−ジエチルアミノエチルアミノ)エタノール(0.35g)およびジイソプロピルエチルアミン(0.56g)のジクロロメタン(10mL)溶液に滴下した。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、希釈し(ジクロロメタン、50mL)、水(2×20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、粗生成物(0.91g)を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(5−7%メタノールのジクロロメタン溶液で溶出)で精製して、0.63gの副題化合物を得た。
1H NMR (CDCl3) δ 8.05 (d, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.52-7.47 (m, 2H), 7.42-7.35 (m, 2H), 3.84-3.78 (m, 6H), 3.72-3.70 (m, 1/2H), 3.45-3.35 (m, 6H), 2.79-2.77 (m, 1+1/2H), 2.62-2.58 (m, 2H), 2.54-2.49 (m, 4H), 1.04-1.01 (m, 6H)。
【0136】
d) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド
ジメチルスルホキシド(0.097g)のジクロロメタン(1mL)溶液に、塩化オキサリル(0.079g)のジクロロメタン(10mL)溶液を−78℃で添加した。反応を15分間撹拌し、N−(2−ジエチルアミノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(0.22g)のジクロロメタン(1mL+1mL洗液)溶液を添加し、反応混合物をさらに15分間撹拌した。トリエチルアミン(0.29g)を添加し、反応を1時間にわたり室温に温め、混合物を希釈し(ジクロロメタン30mL)、有機物を重炭酸ナトリウム(20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、副題化合物(0.21g)を得た。
【0137】
粗生成物をメタノール(10mL)に溶解し、7−(2−アミノエチル)−4−ヒドロキシ−1,3−ベンズ(ben)チアゾール−2(3H)−オンヒドロクロライド(Organic Process Research & Development 2004, 8(4), 628-642に略記の通り製造;0.131g)を酢酸(0.1mL)および水(0.1mL)と共に添加した。室温で30分間撹拌後、ナトリウムシアノボロハイドライド(0.020g)を添加し、反応混合物を一夜撹拌した。アンモニア(メタノール中7N、1mL)を添加し、混合物を濃縮した。粗残留物を1%アンモニア;5%−7%メタノールのジクロロメタン溶液で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。粗生成物を直接次工程に使用した。
【0138】
e) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドジヒドロブロマイド
【化15】

N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(0.052g)をエタノール(1.5mL)に溶解し、48%臭化水素酸(21μl)で処理した。白色固体ジヒドロ臭化物塩(0.058g)を濾過により回収した。
MS: APCI(+ve) 579 (M+1)
1H NMR δ(DMSO) 11.78-11.71 (m, 1H), 10.11-10.06 (m, 1H), 9.51-9.43 (m, 0.33H), 9.21-9.13 (m, 0.66H), 8.75-8.66 (m, 1H), 8.59-8.51 (m, 1H), 8.06 (d, 1H), 7.95-7.90 (m, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.60-7.48 (m, 2H), 7.47-7.39 (m, 2H), 6.87 (t, 1H), 6.76 (dd, 1H), 3.78-3.53 (m, 10H), 3.25-3.09 (m, 10H), 2.91-2.80 (m, 2H), 2.73-2.61 (m, 2H), 1.26-1.15 (m, 6H)。NMRは、298Kで回転異性体の約2:1混合物を示した。
【0139】
β−アドレナリン受容体アゴニスト1:(BA1):製造例2
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドジヒドロブロマイド
【化16】

a) N’−(2,2−ジメトキシエチル)−N,N−ジエチル−エタン−1,2−ジアミン
【化17】

N,N−ジエチル−エチレンジアミン(150g)のメタノール(500mL)メタノール溶液を、グロオキサールジメチルアセタール(60wt%水溶液、225g)を10−15℃で急速に滴下して処理した。添加完了後溶液を15℃に、続いて22℃に温め、この温度に16時間静置した。反応混合物を5%パラジウム/炭素(Johnson-Mattheyタイプ38Hペースト、15g)で処理し、GC/MSにより反応が完了するまで6barで水素化した。触媒を濾過により除去し、濾液を蒸発乾固して(トルエン共沸蒸留、2.5L)、196.2gの副題化合物を得た。
1H NMR (CDCl3): 4.48 (t, 1H), 3.39 (s, 6H), 2.75 (d, 2H), 2.69 (t, 2H), 2.57-2.48 (m, 6H), 1.01 (ts, 6H)。
【0140】
b) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2,2−ジメトキシエチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド
【化18】

塩化オキサリル(151mL)を、45分間にわたり、3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパン酸(389g)(実施例7 工程b))のジクロロメタン(2.1L)およびDMF(0.5mL)中の溶液に滴下した。反応混合物をさらに16時間撹拌した。混合物を濃縮し、DCM(1.7L)に再溶解し、1.75時間にわたり、0℃でN’−(2,2−ジメトキシエチル)−N,N−ジエチルエタン−1,2−ジアミン(325g)およびイソプロピルジエチルアミン(551mL)のDCM(1.7L)溶液に滴下した。得られた混合物を室温で3時間撹拌し、水性飽和重炭酸ナトリウム溶液(5×1L)、水(1.5L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、650gの副題化合物を得た。
m/e 431 (M+H+, 100%)
【0141】
c) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]−N−(2−オキソエチル)プロパンアミド
【化19】

N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2,2−ジメトキシエチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(93g)のDCM(270mL)溶液を、0℃で、トリフルオロ酢酸(270mL)を1.5時間にわたり滴下して処理した。反応後反応混合物を室温に温め、さらに1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を水性飽和重炭酸ナトリウム溶液(1800mL、注)に注いだ。水性混合物をDCMで抽出し(4×400mL)、合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を次工程に直接使用した。
【0142】
d) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドジヒドロブロマイド
【化20】

7−(2−アミノ−エチル)−4−ヒドロキシ−3H−ベンゾチアゾール−2−オンヒドロクロライド(53g)の乾燥NMP(216mL)中の懸濁液を60℃に加熱し、NaOH(8.2g)のメタノール(102mL)溶液で一度に処理した。明オレンジ色懸濁液を室温に冷却し、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]−N−(2−オキソエチル)プロパンアミドのジクロロメタン(475mL)溶液を20分間にわたり滴下して処理した。反応を25分間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(91.5g)を20分間にわたり少しずつ添加し、混合物をさらに50分間撹拌した。反応混合物を水(1.8L)に注ぎ、酸性溶液(pH5)をtert−ブチルメチルエーテル(TBME)(3×500mL)で洗浄した。水性相を固体炭酸カリウムの添加によりpH8に塩基性化し、ジクロロメタン(3×750mL)で抽出した;合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、暗油状物を得た。これをエタノール(200mL)に溶解し、48%水性臭化水素酸(73mL)を添加した。溶液を30分間熟成させ(aged)、蒸発乾固した。残留物をエタノール(560mL)で摩砕した;得られた固体を濾過により回収し、真空で50℃で乾燥させた。粘性固体を沸騰しているエタノール(100mL)に懸濁し、熱い間に濾過した。回収した固体を真空で50℃で乾燥させた。この物質をエタノール/水(3:1、500mL)から再結晶した。一夜静置後、得られた固体を濾過により回収し、氷冷エタノール(75mL)で洗浄した。真空で50℃で24時間乾燥させて、57gの表題化合物を得た。
【0143】
β−アドレナリン受容体アゴニスト2:(BA2):
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミドジヒドロブロマイド
【化21】

a) tert−ブチル3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパノエート
2−(3−クロロフェニル)エタノール(20g)をベンジルトリメチル水酸化アンモニウム(Triton B(登録商標))(2.67mL)で処理し、得られた混合物を真空で30分間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、t−ブチルアクリレート(17.40g)で処理した。反応を室温に温め、16時間撹拌した。混合物をエーテル(75mL)で溶出するアルミニウムオキシド(15g)で精製した。回収した濾液を濃縮して、副題化合物(34.40g)を油状物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 7.26-7.07 (m, 4H), 3.69-3.59 (m, 4H), 2.86-2.81 (t, 2H), 2.50-2.45 (t, 2H), 1.43 (s, 9H)
【0144】
b) 3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパン酸
tert−ブチル3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパノエート(実施例1a)、34.40g)をジクロロメタン(150mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(50mL)で処理した。混合物を室温で3時間撹拌し、真空で濃縮し、ジクロロメタン(2×10mL)と共沸蒸留した。残留物をジクロロメタン(300mL)に取り込み、飽和炭酸水素ナトリウム(200mL)で抽出した。塩基性層をジクロロメタン(20mL)で洗浄し、2M塩酸で酸性化した。酸性層をジクロロメタン(2×200mL)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、副題化合物(24.50g)を油状物として得た。
m/e 227 [M-H]
【0145】
c) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2,2−ジメトキシエチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミド
【化22】

塩化オキサリル(9.50mL)を45分間にわたり、3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパン酸(22.50g)(実施例1b)のジクロロメタン(120ml)およびDMF(0.5mL)中の溶液に滴下した。反応混合物をさらに16時間撹拌した。混合物を濃縮し、DCM(1.7L)に再溶解し、1.75時間にわたり、0℃で、N’−(2,2−ジメトキシエチル)−N,N−ジエチルエタン−1,2−ジアミン(20.20g)(実施例16a)およびイソプロピルジエチルアミン(34.43mL)のDCM(200mL)溶液に滴下した。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、水性飽和重炭酸ナトリウム溶液(3×1L)、水(1.5L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、39.50gの副題化合物。
m/e 415 (M+H+, 83%)
【0146】
d) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]−N−(2−オキソエチル)プロパンアミド
【化23】

N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2,2−ジメトキシエチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミド(実施例1c)(20g)のDCM(500mL)溶液を、0℃で、トリフルオロ酢酸(50mL)の30分間にわたる滴下により処理した。反応後反応混合物を室温に温め、さらに1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を水性飽和重炭酸ナトリウム溶液(1800mL、注)に注いだ。水性混合物をDCM(3×400mL)で抽出し、合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を次工程に直接使用した。
【0147】
e) N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミドジヒドロブロマイド
【化24】

7−(2−アミノ−エチル)−4−ヒドロキシ−3H−ベンゾチアゾール−2−オンヒドロクロライド(11.77g)の乾燥NMP(50mL)中の懸濁液を65℃に加熱し、NaOH(1.83g)のメタノール(23mL)で一度に処理した。明オレンジ色懸濁液を室温に冷却し、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]−N−(2−オキソエチル)プロパンアミド(実施例1d)のジクロロメタン(50mL)溶液の30分間にわたる滴下により処理した。反応を30分間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(20.33g)を20分間にわたり少しずつ添加し、混合物をさらに16時間撹拌した。反応混合物を水(1.8L)に注ぎ、固体炭酸カリウムの添加によりpH8に塩基性化し、ジクロロメタン(2×500mL)で抽出した;合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、暗油状物。残留物を溶離剤として10%(0.1%aqNH/MeOH)/DCMを用いるシリカクロマトグラフィーで精製して、副題化合物を褐色油状物として得た。収量(6.58g)。これをエタノール(150mL)に溶解し、48%水性臭化水素酸(10mL)を添加した。溶液を30分間熟成させ(aged)、蒸発乾固した。残留物をエタノール(100mL)で摩砕した;得られた固体を濾過により回収し、真空で50℃で乾燥させた。この物質をエタノール/水(6:1、500mL)から再結晶させた;一夜静置後、得られた固体を濾過により回収し、氷冷エタノール(75mL)で洗浄した。真空で、50℃で24時間の乾燥により、4.96gの表題化合物を得た。
MS: APCI(+ve): 563 (M+1) 99.3%純度(T9505M)。
1H NMR (DMSO, 90℃), δ 11.75-11.73 (m, 1H), 10.08-10.06 (d, 1H), 8.65 (bs, 1H), 7.33-7.19 (m, 4H), 6.89-6.84 (t, 1H), 6.77-6.74 (m, 1H), 3.68-3.58 (m, 8H), 3.17-3.16 (m, 10H), 2.86-2.80 (m, 4H), 2.67-2.62 (m, 2H), 1.23-1.19 (t, 6H)。
元素分析
CHNS C:46.54%(46.39);H:5.75%(5.70);N:7.94%(7.73);S:4.46%(4.42)
【0148】
β−アドレナリン受容体アゴニスト3:(BA3):
7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンジヒドロブロマイド
【化25】

a) 1−クロロ−2−[(E)−2−ニトロビニル]ベンゼン
【化26】

2−クロロベンズアルデヒド(販売Aldrich)(10.0g)をニトロメタン(26.05g)およびアンモニウムアセテート(21.92g)と酢酸(200mL)中で混合し、混合物を40分間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、酢酸の大部分を真空で除去した。残留物をジクロロメタンに溶解し、水、炭酸カリウム溶液(×2)、再び水で洗浄した。有機物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、所望の物質をオレンジ色油状物として得た(12.83g)。
1H NMR δ(CDCl3) 8.41 (d, 1H), 7.62-7.57 (m, 2H), 7.52-7.48 (m, 1H), 7.43 (dt, 1H), 7.34 (ddd, 1H)
【0149】
b) 2−(2−クロロフェニル)エタナミン
【化27】

アルミニウムハイドライドを、硫酸(8.40mL)の乾燥THF(60mL)溶液を、撹拌している1.0M リチウムアルミニウムハイドライドのTHF溶液(314mL)に、0−10℃で、窒素雰囲気下滴下することにより調製した。5℃で30分間撹拌後、1−クロロ−2−[(E)−2−ニトロビニル]ベンゼン(12.83g)の乾燥THF(160mL)溶液を内部温度を0℃〜10℃に維持しながら滴下した。添加が完了したら、反応を5分間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、次いで0℃に冷却し、イソプロパノール(22mL)を、温度を20℃以下に維持しながら注意深く滴下した。2M 水酸化ナトリウム(35mL)を、温度を20℃以下に維持しながら注意深く滴下した。混合物を室温で30分間撹拌し、セライトの層を通して濾過し、THF(×3)で洗浄した。濾液を蒸発乾固した。残留物を物質の充填に酢酸エチルを使用し、溶離剤として10%トリエチルアミンの酢酸エチル溶液、続いて10%トリエチルアミンの45%エタノール:45%酢酸エチル溶液を使用するシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の物質(4.66g)を得た。
1H NMR δ(CDCl3) 7.36 (dd, 1H), 7.25-7.13 (m, 3H), 2.98 (dt, 2H), 2.91-2.87 (m, 2H)
【0150】
c) tert−ブチル[2−(2−クロロフェニル)エチル]カルバメート
【化28】

撹拌している2−(2−クロロフェニル)エタナミン(25.57g)およびトリエチルアミン(22.87mL)の乾燥THF(300mL)溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(35.85g)の乾燥THF(50mL)溶液を、10分間にわたり、環境温度で、窒素雰囲気下に滴下した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を真空で除去して、所望の物質を黄色油状物として得た(42.0g)。
1H NMR δ(CDCl3) 7.35 (d, 1H), 7.25-7.14 (m, 3H), 4.57 (s, 1H), 3.43-3.35 (m, 2H), 2.95 (t, 2H), 1.43 (d, 9H)
【0151】
d) tert−ブチルアリル[2−(2−クロロフェニル)エチル]カルバメート
【化29】

エーテル(×3)で洗浄してある水素化ナトリウム(鉱油中60%)(7.23g)の乾燥DMF(200mL)懸濁液に、tert−ブチル[2−(2−クロロフェニル)エチル]カルバメート(42.0g)の乾燥DMF(50mL)溶液を、15分間にわたり、35℃で、窒素雰囲気下に添加した。添加が完了したら、混合物を50℃で90分間撹拌した。混合物を室温に冷却し、アリルブロマイド(15.63mL)を、外的冷却を使用して温度を25℃に維持しながらゆっくり添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した(×3)。有機物を合わせ、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を1%酢酸エチルのイソヘキサン溶液で充填し、溶離剤としてイソヘキサンの酢酸エチル溶液(0%、1%、2%、%5)を使用するシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の物質(27.0g)を得た。いくつかの混合フラクションが存在したため、それらを合わせ、上記の通りシリカカラムクロマトグラフィーで再精製して、さらに4gの所望の物質を得た。両方の生成物を合わせて、合計31.0g得た。
1H NMR δ(CDCl3) 7.36-7.31 (m, 1H), 7.21-7.12 (m, 3H), 5.83-5.68 (m, 1H), 5.17-5.05 (m, 2H), 3.86-3.66 (m, 2H), 3.41 (t, 2H), 3.03-2.90 (m, 2H), 1.43 (s, 9H)
HPLC: 95.90%@ 220nm [M+H-Boc]+=196.1 (Calc=295.1339)(multimode+)
【0152】
e) tert−ブチル[2−(2−クロロフェニル)エチル]{3−[(2−ヒドロキシエチル)チオ]プロピル}カルバメート
【化30】

tert−ブチルアリル[2−(2−クロロフェニル)エチル]カルバメート(31.0g)を2−メルカプトエタノール(7.37mL)、およびAIBN(1.15g)と混合し、65℃で45分間撹拌した。混合物を冷却し、さらにメルカプトエタノール(1mL)およびAIBN(200mg)を添加した。混合物65℃でさらに30分間加熱した。物質を、物質を20%酢酸エチルのイソヘキサン溶液で充填し、20%酢酸エチルのイソヘキサンで溶出し、50%に変えるシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の物質(31.94g)を得た。
1H NMR δ(CDCl3) 7.38-7.32 (m, 1H), 7.22-7.13 (m, 3H), 3.75-3.68 (m, 2H), 3.41 (t, 2H), 3.32-3.14 (m, 2H), 3.03-2.91 (m, 2H), 2.72 (t, 2H), 2.54-2.36 (m, 2H), 1.85-1.71 (m, 2H), 1.42 (s, 9H)
HPLC: 92.31%@ 220nm [M+H-Boc]+=274.1 (Calc=373.1478)(multimode+)
【0153】
f) tert−ブチル[2−(2−クロロフェニル)エチル]{3−[(2−オキソエチル)チオ]プロピル}カルバメート
【化31】

三酸化硫黄:ピリジン複合体(30.52g)をDMSO(200mL)に溶解し、室温で、窒素雰囲気下、15分間撹拌した。DCM(100mL)を添加し、tert−ブチル[2−(2−クロロフェニル)エチル]{3−[(2−ヒドロキシエチル)チオ]プロピル}カルバメート(23.9g)およびヒューニッヒ塩基(63.5mL)のDCM(160mL)を一度に添加した(発熱)。得られた混合物を環境温度で15分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、1N HCl、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去した。物質を、20%酢酸エチルのイソヘキサン溶液で溶出するシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の物質(12.43g)を得た。
1H NMR δ(CDCl3) 9.46 (t, 1H), 7.36-7.32 (m, 1H), 7.21-7.13 (m, 3H), 3.40 (t, 2H), 3.29-3.13 (m, 4H), 3.02-2.90 (m, 2H), 2.45-2.34 (m, 2H), 1.82-1.69 (m, 2H), 1.49-1.36 (m, 9H)
【0154】
g) tert−ブチル[2−(2−クロロフェニル)エチル]{3−[(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)チオ]プロピル}カルバメート
【化32】

tert−ブチル[2−(2−クロロフェニル)エチル]{3−[(2−オキソエチル)チオ]プロピル}カルバメート(11.32g)をメタノール(200mL)と酢酸(1.74ml)の混合物に溶解した。7−[(1R)−2−アミノ−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンヒドロクロライド(8.0g)を溶液に添加し、混合物を室温で、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。ナトリウムシアノボロハイドライド(1.92g)を添加し、混合物をさらに2時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物を水で希釈し、0.880水性アンモニアで塩基性化し、酢酸エチルで抽出した(×3)(抽出中セライトを通して濾過した)。有機物を合わせ、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、褐色残留物(15.5g)を得た。物質を、溶離剤としてDCMとMeOH(2%、5%、10%、20%および30%、全て1%0.880水性NH含有)を使用するシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の物質(6.67g)を得た(38%収率)。
1H NMR δ(DMSO) 7.43-7.38 (m, 1H), 7.30-7.21 (m, 3H), 6.86 (d, 1H), 6.69 (d, 1H), 4.56 (dd, 1H), 3.23-3.10 (m, 2H), 2.88 (t, 2H), 2.71-2.48 (m, 8H), 2.46-2.39 (m, 2H), 1.72-1.62 (m, 2H), 1.40-1.22 (m, 9H)
HPLC: 97.46%@ 220nm [M+H]+=582.1 (Calc=582.1863)(multimode+)
【0155】
h) 7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オンジヒドロブロマイド
【化33】

撹拌している工程g)(5.93g)からのBoc化合物のDCM(20mL)懸濁液に、トリフルオロ酢酸(20mL)を0℃で添加し、得られた混合物を窒素下、30分間撹拌した。混合物をトルエンで希釈し、溶媒を除去し、トルエンと共沸蒸留した(×2)。残留物をアセトニトリルに溶解し、48%水性HBrで酸性化し、真空で濃縮した(乾固しない)。混合物をさらにアセトニトリルで希釈し、沈殿した固体を濾過により回収し、アセトニトリルで洗浄し、真空下乾燥させて、6.35gを得た。3.8%不純物が存在したため(パートe)からの異性体)、物質をアセトニトリル:水の1:1混合物に溶解し、分取HPLC(Sunfire 30×80mm C8カラム;10分間にわたりNHOAc緩衝液;アセトニトリル5−50%)で精製した。得られた物質を一夜デシケーター中、10mbarでKOHおよびHSOで乾燥させた。得られた二酢酸塩を水に溶解し、0.880水性アンモニアで塩基性化した。白色ガム状物が形成され、水性物を傾捨し、ガム状物を真空で乾燥させて、遊離塩基(4.11g)を得た。これを熱エタノールに溶解し、溶液を濾過し、室温に冷却した。溶液を48%水性HBrで酸性化し、結晶化させた。白色固体を濾過により回収し、エタノールで洗浄し、真空で乾燥させて、3.81gのクロップ1を得た。
1H NMR δ(DMSO) 11.67 (s, 1H), 10.15 (s, 1H), 8.70 (s, 4H), 7.50-7.30 (m, 4H), 6.94 (d, 1H), 6.78 (d, 1H), 6.45 (s, 1H), 4.96-4.90 (m, 1H), 3.22-3.02 (m, 10H), 2.86-2.76 (m, 2H), 2.66 (t, 2H), 1.91 (quintet, 2H)
HPLC: 99.63%@ 220nm [M+H]+=482 (calc=482.1339)(MultiMode+)
元素分析:
【表6】

【0156】
母液を蒸発乾固し、アセトニトリルで摩砕した。固体を濾過により回収して、719mgのクロップ2を得た(合計4.53g)。
1H NMR δ(DMSO) 11.67 (s, 1H), 10.15 (s, 1H), 8.80-8.60 (m, 4H), 7.50-7.29 (m, 4H), 6.94 (d, 1H), 6.78 (d, 1H), 6.45 (s, 1H), 4.96-4.89 (m, 1H), 3.22-3.00 (m, 10H), 2.85-2.76 (m, 2H), 2.66 (t, 2H), 1.90 (quintet, 2H)
HPLC: 99.20%@ 220nm [M+H]+=482 (calc=482.1339)(MultiMode+)
元素分析:
【表7】

【0157】
β−アドレナリン受容体アゴニストの生物学的活性
アドレナリンβ仲介cAMP産生
細胞調製
H292細胞を225cm フラスコインキュベーター中、37℃、5%COで、10%(v/v)FBS(ウシ胎児血清)および2mM L−グルタミン含有RPMI培地中増殖させた。
【0158】
実験法
付着H292細胞を組織培養flasksから、AccutaseTM細胞脱離溶液で15分間処理することにより除去した。Flasksを15分間、加湿インキュベーターで37℃、5%COでインキュベートした。脱離細胞をRPMI培地(10%(v/v)FBSおよび2mMのL−グルタミン含有)に0.05×10細胞/mLで再懸濁した。100μL中の5000細胞を、組織培養処理96ウェルプレートの各ウェルに添加し、細胞を一夜、加湿インキュベーターで37℃、5%COでインキュベートした。培養培地を除去し、細胞を2回100μLアッセイ緩衝液で洗浄し、50μLアッセイ緩衝液(10mMのHEPES pH7.4および5mMのグルコース含有HBSS溶液)で置き換えた。細胞を室温で20分間休ませ、その後25μLのロリプラム(2.4%(v/v)ジメチルスルホキシド含有アッセイ緩衝液に1.2mMで製造)を添加した。細胞を、ロリプラムと10分間インキュベートし、その後化合物Aを添加し、細胞を60分間、室温でインキュベートした。アッセイ中の最終ロリプラム濃度は300μMであり、最終媒体濃度は1.6%(v/v)ジメチルスルホキシドであった。上清の除去により反応を停止し、1回100μLアッセイ緩衝液で線樹脂、50μL溶解緩衝液で置き換えた。細胞単層を−80℃で30分間(または一夜)凍結させた。
【0159】
AlphaScreenTM cAMP検出
cAMP(環状アデノシン一リン酸)の細胞溶解物中の濃度をAlphaScreenTM方法を使用して測定した。凍結細胞プレートを、プレートシェーカーで20分間融解し、次いで10μLの細胞溶解物を96ウェル白色プレートに移した。ビオチニル化cAMPとプレインキュベートした、40μLの混合したAlphaScreenTM検出ビーズを各ウェルに添加し、プレートを室温で10時間、暗所でインキュベートした。AlphaScreenTMシグナルを、製造社の推奨設定で、EnVision分光光度計(Perkin-Elmer Inc.)を使用して測定した。cAMP濃度を標準cAMP濃度を使用した同じ実験で決定した較正曲線を参照して決定した。化合物Aの濃度応答曲線を構築し、データをpEC50および内因性活性両方を決定するために4パラメータロジスティック方程式に適合させた。内因性活性を、各実験でフォルモテロールについて決定された最大活性に対する分画として示した。結果を表1に示す。
【0160】
選択性アッセイ
アドレナリンα1D
膜調製
膜を、組み換えヒトα1受容体を発現するヒト胚腎臓293(HEK293)細胞から調製した。これらをアッセイ緩衝液(50mMのHEPES、1mMのEDTA、0.1%ゼラチン、pH7.4)で希釈して、最大および最小特異的結合の間に明らかなウィンドウをもたらす最終濃度を提供した。
【0161】
実験方法
アッセイをU字型96ウェルポリプロピレンプレートで行った。10μLの[H]−プラゾシン(0.3nM最終濃度)および10μLの化合物A(最終濃度の10倍)を各試験ウェルに添加した。各アッセイプレートについて、8複製を[H]−プラゾシン結合について10μLの媒体(アッセイ緩衝液中10%(v/v)DMSO;最大結合を規定)または10μLのBMY7378(10μMの最終濃度;非特異的結合を規定(NSB))の存在下で得た。次いで膜を添加して100μLの最終体積を達成した。プレートを2時間室温でインキュベートし、次いで1時間アッセイ緩衝液に予め浸したPEI被覆GF/Bフィルタープレートに、Tomtec細胞ハーベスターを使用して濾過した。250μLの洗浄緩衝液(50mMのHEPES、1mMのEDTA、pH7.4)での5回の洗浄を4℃で行い、非結合放射活性を除去した。プレートを乾燥させ、次いで底面からPackardプレートシーラーを使用して密封し、MicroScint-O(50μL)を各ウェルに添加した。プレートを密封し(TopSeal A)、フィルター結合放射活性を、3分間計数プロトコルを使用して、シンチレーションカウンター(TopCount, Packard BioScience)で測定した。
【0162】
総特異的結合(B)を、平均最大結合から平均NSBを引くことにより決定した。NSB値をまた全ての他のウェル由来の値から引いた。これらのデータはBのパーセントとして示した。化合物濃度−効果曲線([H]−プラゾシン結合の阻害)を、典型的に0.1nM〜10μMの範囲の連続希釈を使用して測定した。データを化合物有効性を決定するための4パラメータロジスティック方程式に適合させ、それをpIC50として示した([H]−プラゾシン結合の50%阻害を誘導する負の対数のモル濃度)。結果は下記表3に示す。
【0163】
アドレナリンβ1
膜調製
組み換えヒトアドレナリンベータ1受容体を含む膜をEuroscreenから得た。これらをアッセイ緩衝液(50mMのHEPES、1mMのEDTA、120mMのNaCl、0.1%ゼラチン、pH7.4)で希釈して、最大および最小特異的結合の間に明らかなウィンドウをもたらす最終濃度を提供した。
【0164】
実験方法
アッセイをU字型96ウェルポリプロピレンプレートで行った。10μLの[125I]−ヨードシアノピンドロール(0.036nM最終濃度)および10μLの化合物A(最終濃度の10倍)を各試験ウェルに添加した。各アッセイプレートについて、8複製を[125I]−ヨードシアノピンドロール結合について10μLの媒体(アッセイ緩衝液中10%(v/v)DMSO;最大結合を規定)または10μLのプロプラノロール(10μMの最終濃度;非特異的結合を規定(NSB))の存在下で得た。次いで膜を添加して100μLの最終体積を達成した。プレートを2時間室温でインキュベートし、次いで1時間アッセイ緩衝液に予め浸したPEI被覆GF/Bフィルタープレートに、Tomtec細胞ハーベスターを使用して濾過した。250μLの洗浄緩衝液(50mMのHEPES、1mMのEDTA、120mMのNaCl、pH7.4)での5回の洗浄を4℃で行い、非結合放射活性を除去した。プレートを乾燥させ、次いで底面からPackardプレートシーラーを使用して密封し、MicroScint-O(50μL)を各ウェルに添加した。プレートを密封し(TopSeal A)、フィルター結合放射活性を、3分間計数プロトコルを使用して、シンチレーションカウンター(TopCount, Packard BioScience)で測定した。
【0165】
総特異的結合(B)を、平均最大結合から平均NSBを引くことにより決定した。NSB値をまた全ての他のウェル由来の値から引いた。これらのデータはBのパーセントとして示した。化合物濃度−効果曲線([125I]−ヨードシアノピンドロール結合の阻害)を、典型的に0.1nM〜10μMの範囲の連続希釈を使用して測定した。データを化合物有効性を決定するための4パラメータロジスティック方程式に適合させ、それをpIC50として示した([125I]−ヨードシアノピンドロール結合の50%阻害を誘導する負の対数のモル濃度)。結果を下記表1に示す。
【0166】
ドーパミンD2
膜調製
組み換えヒトドーパミンサブタイプD2s受容体を含む膜を、Perkin Elmerから得た。これらをアッセイ緩衝液(50mMのHEPES、1mMのEDTA、120mMのNaCl、0.1%ゼラチン、pH7.4)で希釈して、最大および最小特異的結合の間に明らかなウィンドウをもたらす最終濃度を提供した。
【0167】
実験方法
アッセイをU字型96ウェルポリプロピレンプレートで行った。30μLの[H]−スピペロン(0.16nM最終濃度)および30μLの化合物A(最終濃度の10倍)を各試験ウェルに添加した。各アッセイプレートについて、8複製を[H]−スピペロン結合について30μLの媒体(アッセイ緩衝液中10%(v/v)DMSO;最大結合を規定)または30μLのハロペリドール(10μMの最終濃度;非特異的結合を規定(NSB))の存在下で得た。次いで膜を添加して300μLの最終体積を達成した。プレートを2時間室温でインキュベートし、次いで1時間アッセイ緩衝液に予め浸したPEI被覆GF/Bフィルタープレートに、Tomtec細胞ハーベスターを使用して濾過した。250μLの洗浄緩衝液(50mMのHEPES、1mMのEDTA、120mMのNaCl、pH7.4)での5回の洗浄を4℃で行い、非結合放射活性を除去した。プレートを乾燥させ、次いで底面からPackardプレートシーラーを使用して密封し、MicroScint-O(50μL)を各ウェルに添加した。プレートを密封し(TopSeal A)、フィルター結合放射活性を、3分間計数プロトコルを使用して、シンチレーションカウンター(TopCount, Packard BioScience)で測定した。
【0168】
総特異的結合(B)を、平均最大結合から平均NSBを引くことにより決定した。NSB値をまた全ての他のウェル由来の値から引いた。これらのデータはBのパーセントとして示した。化合物濃度−効果曲線([H]−スピペロン結合の阻害)を、典型的に0.1nM〜10μMの範囲の連続希釈を使用して測定した。データを化合物有効性を決定するための4パラメータロジスティック方程式に適合させ、それをpIC50として示した([H]−スピペロン結合の50%阻害を誘導する負の対数のモル濃度)。結果を表3に示す。
【0169】
【表8】

【0170】
インビトロ組合せモデル
メタコリンで予め収縮させたモルモットからの単離気管環に対する化合物活性の評価
次のプロトコルを使用して、β2−アゴニストと組み合わせた本発明のムスカリンM3受容体アンタゴニストの効果を評価し得る。
【0171】
2−アドレナリン受容体アゴニストおよび/またはムスカリンM3受容体アンタゴニストの添加は、ムスカリンアゴニストであるメタコリンで予め収縮させた単離モルモット気管輪を弛緩させる。雄アルビノDunkin Hartleyモルモット(300−350g)を頸椎脱臼により殺し、気管を摘出する。付着結合組織を除去し、気管を輪断片に切断する(2−3mm幅)。これらを組成(mM):NaCl 117.56、KCl 5.36、NaHPO 1.15、MgSO 1.18、グルコース 11.10、NaHCO 25.00およびCaCl 2.55の修飾Krebs溶液を含む10mL臓器浴に懸濁する。これを37℃に維持し、連続的にO中5%COを通気し、インドメタシン(2.8μM)、コルチコステロン(10μM)、アスコルベート(1mM)、CGP20712A(1μM)およびフェントラミン(3μM)をKrebs溶液に添加する:インドメタシンは、シクロオキシゲナーゼ生成物合成による平滑筋緊張を阻止するため、コルチコステロンは取り込み2工程を阻止するため、アスコルベートはカテコラミン酸化を阻止するため、そしてCGP20712Aおよびフェントラミンは、それぞれβ1−およびα−アドレナリン受容体活性の何らかの複雑な作用を避けるため。
【0172】
気管輪を2個のステンレススチールフックの間に吊り下げ、そのフックの一方は等尺性力変換器に結合され、他方は臓器浴の固定支持体に結合している。等尺性力の変化を記録する。アセチル−β−メチルコリンクロライド(メタコリン)、インドメタシン、コルチコステロン−21−アセテート、フェントラミンヒドロクロライド、アスコルビン酸、CGP20712A メタンスルフェートをSigma Chemical Companyから得る。インドメタシンを10%w/v NaCOに溶解し、コルチコステロン21−アセテートをエタノールに溶解し、他の化合物はDMSOに溶解する。ムスカリンアンタゴニストおよびフォルモテロールは、組織への添加前にKrebsで希釈し、浴中のDMSOの濃度は<0.1%であった。
【0173】
各実験の開始時、1.0g.wt.の力を組織に負荷し、これを定常になるまで30分間平衡器官にわたり元に戻す。組織を1μMのムスカリンアゴニストであるメタコリンに暴露して、組織生存能を評価する。組織を浸かっているKrebs溶液を3回変えることにより洗浄する。30分間後、組織を再び1μM メタコリンで前収縮させる。収縮がプラトーに達したら、1nM フォルモテロール、10nMのムスカリンアンタゴニストまたはそれらの組合せを浸かっている媒体に添加し、60分間静置する。
【0174】
データをADInstruments Chart5 for windows softwareを使用して回収し、生じた緊張をメタコリン添加前およびその応答がプラトーに達した後に測定する。ムスカリンアンタゴニストおよび/またはフォルモテロールに対する応答を、添加後10分間隔で測定する。全ての応答は、メタコリン誘発収縮の阻害パーセントとして示す。
【0175】
インビボ組合せモデル
麻酔したモルモットの肺機能の評価
以下のプロトコルを使用して、β2−アゴニストと組み合わせた本発明のムスカリンM3受容体アンタゴニストの効果を評価し得る。
【0176】
雄Dunkin-Hartleyモルモット(300−600g)を秤量し、媒体(0.05M ホスフェート、0.1%Tween 80、0.6%食塩水、pH6)または化合物を、回復可能なガス麻酔(酸素中5%ハロタン)下に気管内経路により投与する。動物に化合物または媒体を、メタコリン投与2時間前に投与する。
モルモットを、最初の気管支収縮剤投与約30分前にペントバルビトン(1mL/kgの60mg/mL溶液i.p.)で麻酔する。気管にカニューレを挿入し、動物を一定体積呼吸器ポンプ(Harvard Rodent Ventilator model 683)で、60呼吸/分の速度および一回換気量5mL/kgで換気する。頸静脈にメタコリンまたは維持麻酔(0.1mLのベントバルビトン溶液、60mg/mL、必要に応じて)投与用のカニューレを挿入する。
【0177】
動物を気道抵抗性を測定するためにFlexivent System(SCIREQ, Montreal, Canada)に移す。動物を、60呼吸/分の速度および一回換気量5mL/kgで換気する(擬似正弦曲線換気パターン)。2−3cm HOの呼吸終末陽圧を提供する。呼吸器抵抗性をFlexivent“snapshot”facility (1秒間、1Hz周波数)を使用して測定する。安定なベースライン抵抗性値が得られたら、動物に、メタコリンを、頸部カテーテルから4分感覚で用量を増加させながら(0.5、1、2、3および5μg/kg、i.v)投与する。気管支収縮剤の各投与後、ピーク抵抗性値を記録する。モルモットを、肺機能測定終了後、静脈内への約1.0mL ペントバルビトンナトリウム(Euthatal)により殺す。化合物により生じる気管支保護パーセンテージを、気管支収縮剤の各投与量で、下記の通り計算する:
【数1】

式中、%変化Rvehは、媒体処置群での気道抵抗性の変化の最大パーセンテージの平均である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(R)−1−[5−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(R)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェノキシ)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(R)−3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1−[3−(ヒドロキシ−ジフェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(4−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX;
(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)
から選択されるムスカリンアンタゴニストである第一活性成分と、β−アドレナリン受容体アゴニストである第二活性成分を組み合わせて含む、医薬品。
【請求項2】
第一活性成分が、臭化物塩であるムスカリンアンタゴニストである、請求項1に記載の医薬品。
【請求項3】
β−アドレナリン受容体アゴニストがフォルモテロールである、請求項1または2に記載の医薬品。
【請求項4】
β−アドレナリン受容体アゴニストが:
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド、
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミド、および
7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン、
またはその薬学的に許容される塩
から選択される、請求項1または2に記載の医薬品。
【請求項5】
β−アドレナリン受容体アゴニストがN−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミドまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の医薬品。
【請求項6】
ムスカリン受容体アンタゴニストが(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストがN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬品。
【請求項7】
ムスカリン受容体アンタゴニストが(R)−1−[3−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−イソキサゾール−5−イルメチル]−3−(3−フルオロ−フェノキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタンX(ここで、Xは一価または多価酸の薬学的に許容されるアニオンである)であり、そしてβ−アドレナリン受容体アゴニストがN−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミドまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬品。
【請求項8】
呼吸器疾患の処置用医薬の製造における、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬品の使用。
【請求項9】
呼吸器疾患が慢性閉塞性肺疾患である、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
呼吸器疾患の処置方法であって:
(a)一定(治療有効)量の本発明のムスカリンアンタゴニストである第一活性成分;および
(b)一定(治療有効)量のβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二活性成分;
を、それらを必要とする患者に同時に、連続的にまたは別々に投与することを含む、方法。
【請求項11】
請求項1または2に定義するムスカリン受容体アンタゴニストである第一活性成分の製剤と、β−アドレナリン受容体アゴニストである第二活性成分、および場合によりそれを必要とする患者へのこれらの製剤の同時の、連続的なまたは別々の投与に関する指示を含む、キット。
【請求項12】
請求項1または2に定義するムスカリン受容体アンタゴニストである第一活性成分およびβ−アドレナリン受容体アゴニストである第二活性成分を、混合して含む、医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−530587(P2011−530587A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522935(P2011−522935)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【国際出願番号】PCT/SE2009/050925
【国際公開番号】WO2010/019098
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【出願人】(507259730)パルメイゲン・セラピューティクス・(シナジー)・リミテッド (23)
【氏名又は名称原語表記】PULMAGEN THERAPEUTICS (SYNERGY) LIMITED
【Fターム(参考)】