説明

メタロプロテイナーゼインヒビターとしての(2,5−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−N−ヒドロキシ−アセトアミド

本発明は、式(I):


[式中、可変基は、明細書に定義された通りである]
で示される化合物を提供する。本発明化合物は、メタロプロテイナーゼMMP-12のインヒビターであり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの閉塞性気道疾患の治療に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マトリックスメタロプロテイナーゼ、特にメタロプロテイナーゼ12(MMP-12)の選択的インヒビターである新規化合物、その製造方法、それを含む医薬組成物および治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
メタロプロテイナーゼは、近年その数が劇的に増加しているプロテイナーゼ(酵素)のスーパーファミリーを表す。構造的および機能的考察に基づいて、これらの酵素は、ファミリーおよびサブファミリーに分類されている。N.M.Hooper、FEBS letters 354、1-6(1994)。メタロプロテイナーゼの例として、コラーゲン(MMP-1、MMP-8、MMP-13、MMP-18)、ゼラチナーゼ(MMP-2、MMP-9)、ストロメライシン(MMP-3、MMP-10、MMP-11)、マトリライシン(MMP-7、MMP-26)、メタロエラスターゼ(MMP-12)、エナメライシン(MMP-20)、MT-MMPs(MMP-14、MMP-15、MMP-16、MMP-17、MMP-24、MMP-25)などの亜鉛含有エンドペプチダーゼのファミリーであるマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)が挙げられる。
【0003】
MMPsは、通常の生理的条件下での胚発生および骨形成などの組織の増殖および再構築に必要なプロセスである、コラーゲン、プロテオグリカンおよびフィブロネクチンなどの大きな生体分子を切断する能力がある亜鉛含有エンドペプチダーゼのファミリーである。発現は、炎症促進性サイトカインおよび/または成長因子によってアップギュレートされる。MMP'sは、活性化すると、たとえば、メタロプロテイナーゼの組織インヒビター(TIMP)およびα-マクログロブリンなどの内因性インヒビターによってコントロールされる不活性な酵素前駆体として分泌される。Chapman、K.T.ら、J.Med.Chem.36、4293-4301(1993);Beckett、R.P.ら、DDT 1、16-26(1996)。この酵素が関与する疾患の特徴は、過剰な組織破壊およびしばしば分解をもたらす、活性な酵素と内因性インヒビターとの間の化学量論的アンバランスであると思われる。McCachren、S.S.、Arthritis Rheum.34、1085-1093(1991)。
【0004】
MMPsの過剰発現および活性化は、がん、腫瘍転移、関節リウマチ、変形性関節症、気腫などの慢性炎症性障害、アテローム性動脈硬化症などの心血管障害、角膜潰瘍、歯肉炎および歯周病などの歯の疾病ならびに多発性硬化症などの神経障害などの広範な疾患と結びついている。Chirivi、R.G.S.ら、Int.J.Cancer、58、460-464(1994);Zucker、S.、Cancer Research、53、140-144(1993)。さらに、最近の研究は、MMP-12が、マウスにおいて喫煙誘発性肺気腫の発生に必要であることを示す。Science、277、2002(1997)。マクロファージエラスターゼまたはメタロエラスターゼとしても知られているMMP-12は、最初、マウスにおいて(Shapiro ら、J.Biological Chemistry、267、4664(1992))、次いでヒトにおいて(同じグループにより1995)クローニングされた。構造的に、プロMMP-12は、プロドメイン、亜鉛結合部位を含む触媒ドメインおよびC末端ヘモペキシン様ドメインからなる。組換えヒトMMP-12は、下記の通り、およびShapiroらの「Macrophage Elastase」 in Handbook of Proteolytic Enzymes 2004(Eds A J Barrett et al) pp 540-544 Academic Press、San Diegoによって総説された通り、自己触媒によって活性化されうる。
【0005】
MMP-12は、活性化マクロファージにおいて優先的に発現され、単球におけるその発現は、GM-CSFなどのサイトカインおよびCD-40シグナリングによって誘発されうる。エラスチンに加えて、MMP-12は、IV型コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、プロテオグリカン、硫酸コンドロイチン、ミエリン塩基性タンパク質、α1キモトリプシンおよびプラスミノーゲンなどの広範囲の基質を分解することができる。それは、MMP-2およびMMP-3を活性化することもできる。MMP-12は、マウスにおけるマクロファージ媒介性タンパク質分解およびマトリックス侵入に必要である。MMP-12は、大動脈瘤の発症機序において、およびたばこの煙、薪の煙および都市スモッグの慢性的吸入がもたらす肺気腫の発生において、直接的役割を持つことが提案されている。
【0006】
MMP-12は、喫煙者の肺胞マクロファージから分泌されること(Shapiro ら、J.Biological Chemistry、268、23824、(1993))、ならびにアテローム性動脈硬化症病巣における泡沫細胞において分泌されること(Matsumotoら、Am.J.Pathol、153、109、(1998))が明らかにされている。COPDのマウスモデルは、1週間に6日間、1日2本のたばこで6か月間のたばこの煙へのマウスのチャレンジに基づいている。野生型マウスは、この処置後に肺気腫を患った。MMP-12ノックアウトマウスをこのモデルで試験した場合、マウスは、重大な肺気腫を患わず、このことはMMP-12がCOPDの発病において重要な酵素であることを強く示している。COPD(気腫および気管支炎)におけるMMP-12などのMMPsの役割は、AndersonおよびShinagawa、Current Opinion in Anti-inflammatory and Immunomodulatory Investigational Drugs:29-38(1999)において議論されている。喫煙が、ヒト頚動脈プラークにおいてマクロファージ浸潤およびマクロファージ由来MMP-12の発現を増加させることが近年発見された(Kangavari、Matetzky S、Fishbein MC ら、Circulation 102、(18)、36-39 Suppl.S、Oct 31、(2000))。
【0007】
病変におけるこれらの潜在的に非常に破壊的な酵素の役割は別として、MMPsは、細胞再増殖および健康な組織における代謝回転において本質的な役割を演じる。臨床設定におけるMMPsの広範囲の阻害は、筋骨格硬直および痛みをもたらす。H.S.RasmussenおよびP.P.McCann、Pharmacol.Ther.、75、69-75 (1997)。この副作用および広範囲の阻害に伴うその他の副作用は、慢性的投与によって増強される。したがって、選択的なMMPインヒビターを提供することが都合がよい。
【0008】
このようなMMP-12の活性の阻害は、MMP-12によって引き起こされるか、またはMMP-12の活性に関連する上記議論した疾患の改善および予防に寄与するとみなされる。したがって、MMP-12インヒビターの開発が望まれている。
【0009】
多くのメタロプロテイナーゼインヒビターが知られており、文献に記載されている(たとえば、Beckett R.P.およびWhittaker M.、1998、Exp. Opin. Ther. Patents、8(3):259-282によるMMPインヒビターの総説などを参照)。
Whittaker M.ら、1999、Chemical Reviews 99(9):2735-2776)は、広範囲の既知のMMPインヒビターを概説している。彼らは、有効なMMPインヒビターは、亜鉛結合基、すなわち、活性部位亜鉛(II)イオン、酵素骨格との水素結合相互作用を提供する少なくとも1つの官能基および酵素サブサイトとの有効なファンデルワールス相互作用を受ける1つ以上の側鎖をキレート化する能力がある官能基を必要とすると述べている。既知のMMPインヒビターにおける亜鉛結合基として、カルボン酸基、ヒドロキサム酸基、スルフヒドリル基またはメルカプト基が挙げられる。
【0010】
亜鉛配位子としてのヒドロキサム酸の潜在的親和性にもかかわらず、ヒドロキサム酸インヒビターは、MMPファミリーの範囲内でかなりの程度の特異性を実証する:MMPファミリーの1つのメンバーの潜在的インヒビターは、もう1つのMMPファミリーメンバーに対する最小の潜在力のみを有することができる。この提示された特異性は、典型的に、たとえば、P1、P2、P3およびP4ユニットなどのインヒビターの他の部分の同一性を頼りにする。決して理論に結びつけることを望むものではなく、あるいは、特定の可変基のための暫定的結合モードの帰属なしで、Schechter & Berger、(1976) Biochem Biophys Res Comm 27 157-162によって説明されているように、抽象的概念P1、P2、P3およびP4は、本明細書において便利さのみのために用いられ、実質的にそれらの常套の意味を有し、酵素のそれぞれS1、S2、S3およびS4サブサイトを満たすと考えられたインヒビターの部分を意味し、ここで、S1は切断部位に隣接し、S4は切断部位から遠く離れている。
【0011】
メタロプロテイナーゼまたは類似酵素のヒドロキサム酸塩ベースのインヒビターを開示するいくつかの特許がある。
【0012】
WO02/028829は、たとえば、新規な抗菌薬の開発に有用なペプチド脱ホルミル酵素(PDF)のインヒビターを記載している。PDFは、亜鉛メタロプロテイナーゼと共通した構造的特徴を有する細菌酵素である。PDFは、ペプチド結合を開裂するよりも、新生細菌ポリペプチド鎖を特徴付ける末端N-ホルミルメチオニンからN-ホルミル基を切断する。WO02/028829の化合物が、ヒドロキサム酸基を含むという事実にもかかわらず、これらのインヒビターが示すSAR(構造活性相関)は、エンドペプチダーゼMMP-12の特異的インヒビターの設計に役立たない。エンドペプチダーゼは、ペプチド鎖内を開裂し、したがって、プロテアーゼは、典型的に、意図する開裂部位の周囲の多くのアミノ酸残基を認識する。対照的に、PDFは、非常に相異する配列の細菌タンパク質の最初のアミノ酸上の末端基を開裂することを目的とする。したがって、PDFの選択性は、隣接するアミノ酸の同一性よりもむしろN-ホルミルメチオニン末端基の認識に基礎を置いている。
【0013】
US 3003/0134827は、MMPs、特にMMP-3、アグレカナーゼおよびTNF-α-変換酵素(TACE)のインヒビターとして広範囲の環式アミドに結合したヒドロキシアセトアミド部分を有する化合物を開示している。ヒダントインは、多くのこのような環式アミドの1つとして想定されているが、US 2003/0134827は、この発明の範囲に入る化合物の具体例がないことを開示している。以下の生物学的実施例で実証するように、本発明化合物は、潜在的MMP-12阻害と同時にUS 2003/0134827が取り組んでいる酵素に対して高度に選択的であることを達成する。
【0014】
US 6,462,063は、C-プロテイナーゼを阻害する能力がある置換ヒダントインヒドロキサメートを開示している。下記に定義された本発明化合物とは対照的に、US 6,462,063の化合物は、酸官能基とは別に、少なくとも3個の原子を含む鎖を介してヒダントイン環の炭素原子に結合したヒドロキサム酸を有する。ヒドロキサム酸を有する鎖の長さおよびヒダントイン環の置換パターンを変化させることによって、酵素に対する結合特性、したがってインヒビターの特異性が、変更される。このように、US 6,462,063のヒドロキサメート官能基は、下記に定義された本発明化合物と比較して、ヒダントイン環の反対側に設定されており、またさらにヒダントインから出て配置される。US 6,462,063に開示されたクラスの化合物と、ヒドロキサム酸が1原子鎖を介してヒダントイン基の窒素原子に結合しているヒダントインヒドロキサメートに基づくインヒビターとの間のこれらの種類の構造的変動は、MMP-12の特異的インヒビターの設計に関連性がないUS 6,462,063の化合物が示すSARを提供するだろう。
【0015】
WO02/074750は、インヒビターの亜鉛結合基が、ヒダントイン基などの5員環構造からなるMMPインヒビターとして作用する新規なクラスの化合物を開示している。亜鉛結合環構造は、適当なMMP-12開裂部位の周囲の特徴的配列を認識するために適当な角度および距離で配置される1つ以上の官能基または側鎖に結合する。したがって、このクラスの亜鉛結合インヒビターの酵素への結合のモードは、ヒドロキサメート亜鉛結合基の配位が、構造的亜鉛から離れてヒダントインを置き換えるという点において、ヒドロキサム酸隣接ヒダントインコアなどの他の亜鉛結合基を有する化合物のモードとは実質的に相異する。ヒドロキサメートとは対抗するいずれかのさらなる置換もまた、構造的亜鉛とは離れて置き換えられ、酵素の他の部分と相互作用するだろう。ヒダントインヒドロキサメートと比較して、WO02/074750に開示された化合物のこの異なる結合モードにより、WO02/074750の化合物のP1、P2、P3およびP4ユニットのために見出されたSARは、ヒダントインヒドロキサメート骨格に基づく新規なMMPインヒビターの設計には関連性がない。
【0016】
同様に、US 2005/0171096は、インヒビターの特異性に関するガイダンスは示されていないが、マトリックスメタロプロテイナーゼおよびTACEのインヒビターであると言われているヒダントイン誘導体を開示している。US 2005/0171096の化合物は、ヒドロキサム酸または慣例の亜鉛結合基をもたない。これは、ヒダントインが、亜鉛結合基であることにより、これらの化合物のP1、P2およびP3ユニットが示すSARが、ヒドロキサム酸含有側鎖で置換されたヒダントインに基づくインヒビターのSARとは異なることを示唆する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記に予示したように、我々は、メタロプロテイナーゼのインヒビターであり、MMP-12などのMMPsを選択的に阻害することが特に注目され、望ましい活性プロフィールを有するヒドロキサム酸ヒダントインの特定の立体配置を見出している。本発明化合物は、遊離な有効性、選択性および/または薬物動態特性を有している。
【課題を解決するための手段】
【0018】
(発明の開示)
本発明にしたがって、式(I):

[式中、
R1は、C1-C6アルキル、C0-C3アルカンジイルカルボシクリル、C0-C3アルカンジイルヘテロシクリルである;
R2は、カルボシクリルまたはヘテロシクリルである;
R3は、HまたはC1-C4アルキルである;
R4は、HまたはC1-C4アルキルである;
各R5およびR5'は、独立して、H、C1-C4アルキルまたはハロである;または
R4および隣接するR5'は、一緒になって、二重結合を規定する;
各R6およびR6'は、独立して、H、C1-C4アルキルまたはハロである;または
R5および隣接するR6は、一緒になって、二重結合を規定する;または
R5、R5'および隣接するR6およびR6'は、一緒になって、三重結合を規定する;
nは、1-3、mは、0-3である;
Dは、存在しないか、またはDは、エーテル、チオエーテル、アミン、アミド、カルバメート、ウレアまたはスルホンアミド連鎖である;それによって、(CR5R5')n-D-(CR6R6')m基は、少なくとも2つの鎖原子を有する;
XおよびYは、独立して、OまたはSである;
ここで、
各C1-C4アルキルは、任意に、1〜3個のハロまたはヒドロキシルで置換される;
各C1-C6アルキル、カルボシクリルまたはヘテロシクリル(いずれかのC0-C3アルカンジイルカルボシクリルまたはC0-C3アルカンジイルヘテロシクリル基を包含する)は、独立して、任意に、ハロ、オキソ、シアノ、アジド、ニトロ、C1-C6アルキル、C0-C3アルクジイル(Alkdiyl)カルボシクリル、C0-C3アルクジイルヘテロシクリル、Z-NRaRb、Z-O-Rb、Z-S-Rb、Z-C(=NOH)Rb、Z-C(=O)Rb、Z-(C=O)NRaRb、Z-NRaC(=O)Rb、Z-NRaSOpRb、Z-S(=O)pRb、Z-S(=O)pNRaRb、Z-C(=O)ORb、Z-OC(=O)Rb、Z-NRaC(=O)ORbまたはZ-OC(=O)NRaRbから選ばれる1〜3個の置換基で置換される;ここで、
各C0-C3アルクジイルは、独立して、結合、C1-C3直線または分枝、飽和炭素鎖またはC2-C3直線または分枝不飽和炭素鎖である;
いずれかのC0-C3アルクジイルカルボシクリル、C0-C3アルクジイルヘテロシクリルのカルボシクリルまたはヘテロシクリル部分は、任意に、ハロ、オキソ、シアノ、アジド、ニトロ、C1-C4アルキル、Z-NRaRc、Z-O-Rc、Z-S-Rc、Z-C(=O)Rc、Z-(C=O)NRaRc、Z-NRaC(=O)Rc、Z-NRaSOpRc、Z-S(=O)pRc、Z-S(=O)pNRaRc、Z-C(=O)ORc、Z-OC(=O)Rc、Z-NRaC(=O)ORcまたはZ-OC(=O)NRaRcから選ばれる置換基で1〜3回置換される;
各Zは、独立して、結合またはC1-C3アルカンジイルである;
各Raは、独立して、HまたはC1-C4アルキルである;
各Rbは、独立して、HまたはC1-C6アルキル、C0-C3アルクジイルカルボシクリル、C0-C3アルクジイルヘテロシクリルである;
またはRaおよびRbは、隣接する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンまたはN-メチルピペラジンを規定する;
Rcは、HまたはC1-C4アルキルである;
またはRcおよびRaは、隣接する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンまたはN-メチルピペラジンを規定する;
各pは、独立して、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0019】
本発明の1つの実施態様において、R1基は、置換されたアルキル鎖、特に分枝C2-C6アルキル鎖を含む。部分構造式:

[式中、
R1'は、CH3、CH2CH3、C1ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシである;
R1”は、H、CH3、CH2CH3、C1ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシルである;
R1*は、C1-C5の任意に置換される、たとえば、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ZNRaRb、ニトロ、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシ、オキソ、ハロ、C1-ハロアルキル、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、C1-C4アルカノイルまたはカルバモイル基から独立して選ばれる1〜3個の置換基で置換されたアルキルである]
に示すように、分枝が、インヒビターの骨格に隣接する1位に生じるのが好ましい。
【0020】
したがって、代表的なR1として、1-メチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,1-ジエチルプロピル、1-エチルプロピル、1-メチルブチル、1,2-ジメチルプロピルが挙げられる。好ましいR1として、i-プロピル、sec-ブチルおよびtert-ブチルが挙げられる。
【0021】
R1の位置におけるインヒビターの骨格から1-5原子離れた、任意に置換されるカルボシクリルまたは任意に置換されるヘテロシクリルなどの部分は、本発明化合物の親油性を変更するのに用いることができる。この部分の適切な選択が、イ特定の特性を改善することが求められているンヒビターに何らかの親油性/親水性特性、とりわけそのDMPK(Drug Metabolism and Pharmacokinetics)特性を与えると思われる。
【0022】
したがって、適当なR1*は、カルボシクリルで置換されたC1-C5アルキルまたはヘテロシクリルで置換されたC1-C5アルキルである(ここで、該カルボシクリルおよびヘテロシクリルは、任意に、C1-C3アルキル、オキソおよびハロから選ばれる置換基で1〜4回置換される)。したがって、好ましいR1として、

および

[式中、nは、0、2、3または4である]
が挙げられる。
【0023】
本発明の別の実施態様において、R1としてのC0-C3アルカンジイルカルボシクリルは、C0-C3アルカンジイル成分としてメチレン、ならびにカルボシクリル成分としてC5またはC6単環式環を有する。したがって、この実施態様における代表的なR1として、(任意に置換される)以下のものが挙げられる:ベンジル、シクロヘキシルメチル-、1-メチルシクロヘキシルメチル-、シクロペンチルメチル-、1-メチルシクロペンチルメチル(ここで、任意の置換基は、上述の通りである)。
【0024】
本発明の好ましい実施態様において、R1としてのC0-C3アルカンジイルカルボシクリルは、C0-C3アルカンジイル成分として結合、ならびにカルボシクリル成分としてC6単環式環を有する。したがって、この実施態様における代表的なR1として、(任意に置換される)以下のものが挙げられる:フェニル、または好ましくはシクロヘキシルまたはシクロペンチル(ここで、任意の置換基は、上述の通りである)。
【0025】
本発明の別の実施態様において、R1としてのC0-C3アルカンジイルヘテロシクリルは、C0-C3アルカンジイル成分としてメチレン、ならびにヘテロシクリル成分として5または6員の芳香族、部分飽和または不飽和単環式環を有する。したがって、この実施態様における代表的なR1として、(任意に置換される)以下のものが挙げられる:ピロリルメチル-、ピロリニルメチル-、ピロリジニルメチル-、チアゾリルメチル、ピリジルメチル-、ピリミジニルメチル-、ピペリジルメチル-、ピペラジニルメチル-またはモルホリニルメチル(ここで、任意の置換基は、上述の通りである)。
【0026】
本発明の別の実施態様において、R1としてのC0-C3アルカンジイルヘテロシクリルは、C0-C3アルカンジイル成分として結合、ならびにヘテロシクリル成分として5または6員の芳香族、部分飽和または不飽和単環式環を有する。したがって、この実施態様における代表的なR1として、(任意に置換される)以下のものが挙げられる:ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピペリジル-、ピペラジニルまたはモルホリニル(ここで、任意の置換基は、上述の通りである)。
【0027】
本発明の典型的な実施態様において、R1基が結合する不斉中心は、部分構造式:

に示すようにR立体化学を有する。
この立体化学は、プロテアーゼなどの酵素のインヒビターとの関連において予期せぬD-アミノ酸に対応する。このような酵素は、一般にL-アミノ酸からなるタンパク質を切断する。したがって、大部分のプロテアーゼの認識部位は、L-立体配置を好む。本発明化合物は、R1におけるラセミ体として投与することができるが、純粋またはR1において少なくとも90% ee、好ましくは>97% eeなどの少なくとも95%などの実質的にエナンチオマー的に純粋な調製物として投与するのが好ましい。
【0028】
本発明のいくつかの実施態様において、XおよびYの両方が=S、またはXおよびYの一方が=Sで他方が=O、特にXが=Oである。XおよびYの両方が=Oであるのが一般に好ましい。
【0029】
本発明の典型的な実施態様において、-(CR5R5')n-D-(CR6R6')m-R2基が結合するイミダゾリン環の立体中心は、部分構造式:

に示すように、S立体化学を有する:
【0030】
本発明化合物は、この位置におけるラセミ体として投与することができるが、純粋またはこの位置において少なくとも90% ee、好ましくは>97% eeなどの少なくとも95%などの実質的にエナンチオマー的に純粋な調製物として投与するのが好ましい。
【0031】
本発明の別の実施態様において、R4および隣接するR5は、一緒になって、R2への連鎖のオレフィン結合形成部分:

を規定する。
【0032】
この実施態様において、Dは、典型的に、存在せず、mは、1または2であり、R6/R6'は、それぞれ、Hである。
R1が結合する不斉中心および-(CR5R5')n-D-(CR6R6')m-R2基が結合する不斉中心における立体化学が、それぞれ、RおよびS立体化学であるのが一般に好ましい。
代表的なDとして、S、NH、NMe、NH(C=O) C(=O)NH、NH(=O)NH、NH(C=O)OおよびOC(=O)NHが挙げられる。
Dが、O、すなわちエーテル連鎖であるか、またはDが不在(すなわち(CR5R5')n-D-(CR6R6')m官能基がC1-C6アルカンジイル鎖)であるのが一般に好ましい。
【0033】
-(CR5R5')n-D-(CR6R6')m-基が、総数2または3個の鎖原子を有するのが都合がよく、特に:
-CH2CH2- (2)、-CH2CH2CH2- (3)、
-CH2O- (2)、-CH2OCH2-(3)。-CH2CH2O- (3),
-CH2-NH- (2)、-CH2CH2NH- (2),
-CH2OC(=O)NH- (4)、-CH2NH(C=O)O- (4)。
である。
-(CR5R5')n-D-(CR6R6')m基の後の括弧内の数字は、鎖原子の数を示す。
nおよびmがそれぞれ1であり、Dが存在しない、すなわち、-(CR5R5')n-D-(CR6R6')m-基が、-CH2CH2-であるのが一般に好ましい。
【0034】
本発明のいくつかの実施態様において、各R5、R5'および各R6、R6'(存在すれば)はHであるが、本発明は、いずれかの1つの炭素原子上のR5および/またはR5'が、たとえば、メチル、i-プロピル、t-ブチルまたはフルオロなどである構造などの分枝または置換構造にまで及ぶ。不斉中心を回避するために、いずれか1つの炭素原子上のR5およびR5'および/またはR6およびR6'の両方が、同じ、典型的にはH、FまたはMeであるのが、有利でありうる。
【0035】
本発明のいくつかの実施態様において、Dは存在せず、隣接するR5およびR6は、一緒になって、シスまたはトランス結合:
【化1】

を規定する。
この実施態様において、nおよびmは典型的に1であり、隣接するR5'およびR6'はHである。nまたはmが、>1である場合、このようなさらなる鎖原子のいずれかのR5、R5'、R6およびR6'は、一般にHである。
【0036】
本発明の別の実施態様において、Dは存在せず、隣接するR5、R5'、R6およびR6'は、一緒になって、三重結合:

を規定する。
【0037】
本発明の1つの実施態様において、カルボシクリルとしてのR2は、任意に置換される、ナフチルまたはインダニル、特に、フェニルなどの芳香環構造である。
【0038】
もう1つの実施態様において、ヘテロシクリルとしてのR2は、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、フラザン、チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、チアジン、トリアジンから選ばれる単環式環;またはチエノビフラン、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、インドリン、イソインドリン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、クロマン、イソクロマン、シノレン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジンまたはプテリジンから選ばれる二環式環などの任意に置換される芳香族環構造である。
【0039】
R2が、任意に置換される芳香族単環式環、特に、任意に置換されるピロリル、チアゾリル、ピリジルまたはピリミジニル、また特に、任意に置換されるフェニルであるのが一般に好ましい。
【0040】
いくつかの実施態様において、R2への任意の置換基は、-(CR5R5')n-D-(CR6R6')m-連鎖に対して、パラ、オルトまたはメタ位に位置する。典型的なこのような置換基として、メチルなどのC1-C4アルキル、フルオロメチルおよびトリフルオロメチルなどのハロC1-C2アルキル、メトキシなどの-OC1-C4アルキル、アセチルなどの-C(=O)C1-C4アルキルまたはフルオロなどのハロが挙げられる。R2についての好ましい構造は、オルト位にてフルオロで置換されたフェニルであるり、メタ位または好ましくはパラ位にてフェニルはさらに任意に置換される。
【0041】
いくつかの実施態様において、R2への任意の置換基は、-(CR5R5'n-D-(CR6R6')m-連鎖に対してパラ位であり、R2について上記で定義したような芳香族単環式環、特に、任意に置換されるフェニル、ピロリル、チアゾリル、ピリジルまたはピリミジニルを含む。この任意の置換基は、典型的に、下記に示すように、R2環に直接またはメチレン、エチレンまたはエーテル連鎖を介して結合する。

【0042】
構造式(II)において、R2環は、フェニルとしてのみの説明の目的のために描いたものであるが、他の環系も同様に適用可能である。環R2は1つの置換基を有するが、直前の段落で記載したでオルトまたはメタ置換基である2つのさらなる置換基R2'を有してもよい。
【0043】
R2が5員環である場合、本発明のこの態様の環置換基は、もちろん、パラ位ではなく、-(CR5R5')n-D-(CR6R6'H2)m-連鎖から遠位に配置された対応する位置にある。
【0044】
構造式(II)において、本発明のこの態様の環置換基は、R7として示され、フェニルとしてのみの説明の目的のために描いたものであるが、他の複素環式芳香族単環式環系も適用可能である。典型的なR7環として、フェニル、ピロリル、チアゾリル、ピリジルまたはピリミジニルが挙げられる。下記に詳述するように、環R7およびその連鎖D'は、C0-C3アルクジイルカルボシクリル、C0-C3アルクジイルヘテロシクリルまたは-Z-ORb(ここで、Rbは、C0-C3アルクジイルカルボシクリル、C0-C3アルクジイルヘテロシクリルである)を構成する。したがって、環R7は、ハロ、オキソ、シアノ、アジド、ニトロ、C1-C4アルキル、Z-NRaRc、Z-O-Rc、Z-S-Rc、Z-C(=O)Rc、Z-(C=O)NRaRc、Z-NRaC(=O)Rc、Z-NRaSOpRc、Z-S(=O)pRc、Z-S(=O)pNRaRc、Z-C(=O)ORc、Z-OC(=O)Rc、Z-NRaC(=O)ORcまたはZ-OC(=O)NRaRcから選ばれる1〜3個の置換基で任意に置換される。
【0045】
環R7のための代表的な置換基として、たとえば、メチルなどのC1-C4アルキル、フルオロメチルおよびトリフルオロメチルなどのハロC1-C2アルキル、メトキシなどの-OC1-C3アルキル、アセチルなどの-C(=O)C1-C3アルキルまたはフルオロなどのハロから選ばれる1または2個の置換基が挙げられる。
【0046】
環R7に対する連鎖は、構造式(II)においてD'で表され、典型的に、結合、メチレンまたはエチレン連鎖(すなわち、R2への置換基として、R7は、C0-C3アルクジイルカルボシクリルまたはC0-C3アルクジイルヘテロシクリルである)またはエーテル連鎖(すなわち、R7は、Z-O-Rb(ここで、Zは、結合またはメチレン、Oは、エーテル連鎖およびRbは、C0-C3アルクジイルカルボシクリルまたはC0-C3アルクジイルヘテロシクリルである)を含む。
連鎖D'のためのさらに好ましい構造として、C(=O)CH2およびCH2C(=O)が挙げられる。
【0047】
他に特記しない限り、上記および下記で使用する科学的および技術的用語および命名法は、本発明が関連する当業者によって通例理解されているものと同じ意味を有し、他に特記しない限り、さらに以下の定義が適用される。
【0048】
本明細書で適用される'C1-C6アルキル'(C1-C6アルクと略記することもあり、C1-C6アルキルオキシなどの複合表現で用いることもある)は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルおよびそのいずれかの単純な異性体などの1〜6個の炭素原子を含む直線および分枝脂肪族炭素鎖置換基を包含することを意味する。Meは、メチル基を意味する。
【0049】
本明細書で適用される'C1-C4アルキル'(とC1-C4アルクと略記することもあり、複合表現で用いることもある)は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、1-メチル-シクロプロピルを包含することを意味する。
【0050】
本明細書で適用される'C0-C3アルカンジイル'は、結合(C0)、メチレン、エタンジイル、1,3-プロパンジイルおよび1,2-プロパンジイルなどの二価の直線および分枝飽和炭素鎖を包含することを意味する。
【0051】
本明細書で適用される'C0-C3アルクジイル'は、結合(C0)、メチレン、エタンジイル、1,3-プロパンジイルおよび1,2-プロパンジイルなどの二価のC1-C3直線および分枝飽和炭素鎖またはエテンジイル、エチンジイル、1,3-プロペンジイルおよび1,2-プロペンジイルおよびプロピンジイルなどのC2-C3直線および分枝不飽和炭素鎖を包含することを意味する。
【0052】
本明細書で適用される'C0-C3アルカンジイル-O-C1-C4アルキル'(C0-C3アルク-O-C1-C4アルクと略記することもある)は、直接結合する(すなわち、C0)か、または中間のメチレン、エタンジイル、1,3-プロパンジイルまたは1,2-プロパンジイル鎖を介して結合する、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシどのC1-C4アルコキシ基を包含することを意味する。
【0053】
'本明細書で適用されるアミド結合'は、-NRfC(=O)-および-C(=O)NRf-(ここで、Rfは、MeなどのC1-C4アルキル、または好ましくはHである)を包含することを意味する。
【0054】
本明細書で適用される'アミン結合'は、-NH-または-NRe-(ここで、Reは、C1-C4アルキルまたはC(=O)C1-C4アルキルである)を包含することを意味する。
【0055】
本明細書で適用される'カルバメート結合'は、-OC(C=O)NRf-および-NRfC(=O)O(ここで、Rfは、MeなどのC1-C4アルキル、または好ましくはHである)を包含することを意味する。
【0056】
本明細書で適用される'スルホンアミド結合'は、-NRfS(=O)2-および-S(=O)2NRf-(ここで、Rfは、MeなどのC1-C4アルキル、または好ましくはHである)を包含することを意味する。
【0057】
'アミノ'は、NH2、およびNHC1-C6アルキルおよびN(C1-C6アルキル)2基、特に、NHC1-C3アルキルおよびN(C1-C3アルキル)2などのモノ-およびジアルキルアミノ、またはジアルキルアミノの2つのアルキル基が一緒になってピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、N-メチルピペラジニルおよびモルホリニルなどの飽和環式アミンを形成することを包含することを意味する。
【0058】
'アミド'は、NHC(=O)C1-C6アルキル、NC1-C6アルキルC(=O)C1-C6アルキルを包含することを意味する。
【0059】
'カルバモイル'は、C(=O)NH2、およびC(=O)NHC1-C6アルキルおよびC(=O)N(C1-C6アルキル)2、特に、C(=O)NHC1-C3アルキルおよびC(=O)N(C1-C3アルキル)2などのモノ-およびジアルキルカルバモイルまたはジアルキルカルバモイルの2つのC1-C6アルキル基が一緒になってピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルなどの飽和環式アミンを形成することを包含することを意味する。
【0060】
本明細書で適用される'ハロ'またはハロゲンは、F、Cl、Br、I、特に、クロロおよび好ましくはフルオロを包含することを意味する。
【0061】
本明細書で適用されるハロアルキルは、炭素当たり1〜3個の水素原子がハロ、好ましくはフルオロで置換されているアルキルを意味する。代表的な例として、ジフルオロメチルおよび2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチルおよび2-フルオロエチルが挙げられる。好ましい例として、トリフルオロメチルおよびフルオロメチルが挙げられる。
【0062】
本明細書で適用される'C0-C3アルカンジイルアリール'は、上記C0-C3アルカンジイルで定義したように、アリールが、直接結合する(すなわち、C0)か、または中間のメチレン、エタンジイル、1,3-プロパンジイルまたは1,2-プロパンジイル基を介して結合する、インダニルなどのC3-C7シクロアルキルに融合したフェニル、ナフチルまたはフェニルを包含することを意味する。他に特記しない限り、アリールおよび/またはその融合シクロアルキル部分は、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1-C6アルキル、C1-C4アルコキシ、C0-C3アルカンジイルC1-C4アルコキシ、C1-C4アルカノイル、アミノ、アミド、カルバモイル、アジド、オキソ、メルカプト、C0-C3アルカンジイルカルボシクリル、C0-C3アルカンジイルヘテロシクリルから選ばれる1〜3個の置換基で任意に置換され、置換基が、C0-C3アルカンジイルカルボシクリルまたはC0-C3アルカンジイルヘテロシクリルである場合、該カルボシクリルまたはヘテロシクリルは、典型的に、C0-C3アルカンジイルカルボシクリルまたはC0-C3アルカンジイルヘテロシクリルでさらに置換されないと理解される。「アリール」は、対応する意味を有し、すなわち、C0-C3アルカンジイル結合が、存在しない場合である。
【0063】
本明細書で適用される'C0-C3アルカンジイルカルボシクリル'は、C0-C3アルカンジイルアリールおよびC0-C3アルカンジイルC3-C7シクロアルキルを包含することを意味し、C0-C3アルカンジイルC3-C7シクロアルキルは、さらなる融合C3-C7シクロアルキル環をさらに含む。他に特記しない限り、アリールまたはシクロアルキル基は、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1-C6アルキル、C1-C4アルコキシ、C0-C3アルカンジイルC1-C4アルコキシ、C1-C4アルカノイル、アミノ、アミド、カルバモイル、アジド、オキソ、メルカプト、C0-C3アルカンジイルカルボシクリルおよびC0-C3アルカンジイルヘテロシクリルから選ばれる1〜3個の置換基で任意に置換され、置換基が、C0-C3アルカンジイルカルボシクリルまたはC0-C3アルカンジイルヘテロシクリルである場合、該カルボシクリルまたはヘテロシクリルは、典型的に、C0-C3アルカンジイルカルボシクリルまたはC0-C3アルカンジイルヘテロシクリルでさらに置換されないと理解される。「カルボシクリル」は、対応する意味を有し、すなわち、C0-C3アルカンジイル結合が、存在しない場合である。
【0064】
本明細書で適用される'C0-C3アルカンジイルヘテロシクリル'は、上記C0-C3アルカンジイルで定義したように、単環式、飽和または不飽和、ヘテロ原子含有環系、または直接結合する、すなわち(C0)か、または中間のメチレン、エタンジイル、1,3-プロパンジイルまたは1,2-プロパンジイル基を介して結合する、二環式、飽和または不飽和、ヘテロ原子含有環系を包含することを意味する。環系は、ピロール、フラン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ジオキソラン、チアゾール、イソチアゾール、チアゾリジン、イソキサゾリジン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、フラザン、チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピラン、ジヒドロピラン、ピペリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、モルホリン、ジオキサン、チアジン、チオモルホリンなどの単環式ヘテロ原子含有環;またはピロリジン、チエノフラン、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、インドリン、イソインドリン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、4H-キノリジン、クロメン、クロマン、イソクロマン、シンノリン、キナゾリン、キノキサゾリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジンなどの飽和または不飽和、ヘテロ原子含有二環式環系から水素を抜き取ることによって誘導される。芳香族性を有するこのような不飽和環系を、本明細書においてヘテロアリールと称する。他に特記しない限り、複素環系は、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1-C6アルキル、C1-C4アルコキシ、C0-C3アルカンジイルC1-C4アルコキシ、C1-C4アルカノイル、アミノ、アミド、カルバモイル、アジド、オキソ、メルカプト、C0-C3アルカンジイルカルボシクリルおよびC0-C3アルカンジイルヘテロシクリルから選ばれる1〜3個の置換基で任意に置換され、置換基が、C0-C3アルカンジイルカルボシクリルまたはC0-C3アルカンジイルヘテロシクリルである場合、該カルボシクリルまたはヘテロシクリルは、典型的に、C0-C3アルカンジイルカルボシクリルまたはC0-C3アルカンジイルヘテロシクリルでさらに置換されないと理解される。「ヘテロシクリル」および「ヘテロアリール」は、対応する意味を有し、すなわち、C0-C3アルカンジイル結合が、存在しない場合である。
【0065】
典型的に、好ましくは、用語'任意に置換されるC0-C3アルカンジイルカルボシクリル'および'任意に置換されるC0-C3アルカンジイルヘテロシクリル'は、炭素環式または複素環式環の置換を示す。
【0066】
したがって、典型的に、ヘテロシクリルおよびカルボシクリル基は、5個または特に6個の環原子を有する単環式環であるか、または4、5もしくは6員環に融合した6員環を含む二環式環構造である。
【0067】
典型的なこのような基として、C3-C8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、テトラヒドロナフチル、インデニル、インダニル;アゼパニル、アゾカニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、インドリニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオピラニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、テトラゾリル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キナゾリニル、テトラヒドロキナゾリニルおよびキノキサリニルなどのヘテロシクリルが挙げられ、それらのいずれもが、本明細書で定義するように任意に置換されてもよい。
【0068】
したがって、飽和複素環として、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラニル、チオピラニル、ピペラジニル、インドリニル、アゼチジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニルアミン、ジヒドロ-オキサゾリル、1,2-チアジナニル-1,1-ジオキシド、1,2,6-チアジアジナニル-1,1-ジオキシド、イソチアゾリジニル-1,1-ジオキシドおよびイミダゾリジニル-2,4-ジオンなどの基が挙げられ、一方不飽和複素環として、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリルなどの芳香族性を有する基が挙げられる。いずれの場合にも複素環は、フェニルまたはカルボシクリル環と縮合して、二環式環系を形成する。
【0069】
定義に用いた、分子的部分上の基の位置はいずれも、それが化学的に安定である限り、このような部分上のいずれであってもよいもことに留意すべきである。
【0070】
可変部分の定義に用いた基は、他に特記しない限り、すべての可能な異性体を包含する。たとえば、ピリジルは、2-ピリジル、3-ピリジルおよび4-ピリジルを包含し、ペンチルは、1-ペンチル、2-ペンチルおよび3-ペンチルを包含する。
【0071】
いずれかの可変部分がいずれかの構成要素中に1回以上生じる場合、各定義は、独立する。
【0072】
本明細書は、式(I)で示される化合物それ自体、そのプロドラッグ、N-オキシド、付加塩、第四級アミン、金属錯体および立体化学的異性体に関する。
【0073】
本発明は、式(I)で示される化合物、そのプロドラッグ、N-オキシド、付加塩、第4級アミン、金属錯体および立体化学的異性体の製造方法、その中間体、および式(I)で示される化合物の製造における中間体の使用に関する。
【0074】
当然のことながら、本発明化合物は、1つ以上の非対称に置換された炭素原子を含むことができる。本発明化合物中にこれらの非対称中心(キラル中心)が1つ以上存在すると、立体異性体を生じさせることができ、いずれの場合も、本発明は、エナンチオマーおよびジアステレオマーおよびそのラセミ混合物を含む混合物などのすべてのこのような立体異性体にまで拡張されると理解されるべきである。ラセミ体は、たとえば、簡便な光学活性補助種(auxiliary species)を有するジアステレオマー誘導体を形成し、次いで、補助種を切断するなどの公知の手順を用いて個々の光学活性体に分離することができる(Advanced Organic Chemistry:3rd Edition:author J March、pp 104-107を参照)。
【0075】
本発明化合物において光学活性中心が存在する場合、我々は、本発明の個々の特定の具体例として、すべての個々の光学活性体およびこれらの組み合わせならびにそれらの対応するラセミ体を開示する。
【0076】
本発明化合物において互変異性体が存在する場合、我々は、本発明の個々の特定の具体例として、すべての個々の互変異性体およびこれらの組み合わせを快充する。本発明化合物は、医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、N-オキシド、第四級アミン、金属錯体または立体化学的異性体として提供されてもよい。これらは、塩酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、トシレートおよびマレイン酸塩ならびにリン酸および硫酸により形成される塩などの酸付加塩を包含する。もう1つの態様において、適当な塩は、たとえば、ナトリウムまたはカリウムなどのアルカリ金属塩、たとえば、カルシウムまたはマグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、またはたとえば、トリエチルアミンなどの有機アミンといったような塩基性塩である。溶媒和物の例として、水和物が挙げられる。
【0077】
式(I)で示される化合物は、医薬としての活性を有する。先に概略したように、本発明化合物は、メタロプロテイナーゼインヒビターであり、さらに詳しくは、MMP-12ののインヒビターであり、喘息、鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節炎(関節リウマチおよび変形性関節症など)、アテローム性動脈硬化症および再狭窄、がん、浸潤および転移、組織破壊を伴う疾患、股関節置換の弛緩、歯周病、線維症、梗塞および心疾患、肝線維症および腎線維症、子宮内膜症、細胞外マトリックスの衰弱に関連する疾患、心不全、大動脈瘤、アルツハイマー病および多発性硬化症(MS)などのCNS関連疾患、乾癬および血液疾患などのMMP-12によって媒介される疾患または健康状態の治療に用いることができる。
【0078】
本発明化合物は、典型的に、有利な選択性プロフィールを示す。我々は、理論的考察にしばられることを望まないが、本発明化合物は、いずれかのMMP-1阻害活性に関連する上記適応症のいずれか1つに対して選択的阻害を示すと考えら、非限定的例としてであるが、それらは、いずれかのMMP-1阻害活性の100倍以上の選択性を示す。
【0079】
したがって、本発明は、療法において用いるための、前記にて定義した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、N-オキシド、第四級アミン、金属錯体または立体化学的異性体を提供する。もう1つの態様において、本発明は、治療において用いるための医薬の製造における、前記にて定義した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、N-オキシド、第四級アミン、金属錯体または立体化学的異性体の使用を提供する。
【0080】
本発明との関連において、用語「治療」は、反対する特定の指示がない限り、「予防」も包含する。用語「治療的」および「治療的に」は、そのように解釈されるべきである。
【0081】
本発明はさらに、前記において定義した治療有効量の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、N-オキシド、第四級アミン、金属錯体または立体化学的異性体を患者に投与することを含む、MMP-12によって媒介される疾患または健康状態の治療方法を提供する。
【0082】
本発明は、前記において定義した治療有効量の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩または溶媒和物を患者に投与することを含む、閉塞性気道疾患(たとえば、喘息またはCOPD)の治療方法を提供する。
【0083】
上記治療的使用のために、投与される用量は、もちろん、使用される化合物、投与の様式、望まれる治療および適用される障害に応じて変わる。式(I)で示される化合物/塩/溶媒和物(活性成分)の一日用量は、0.001 mg/kg〜75 mg/kg、特に、0.5 mg/kg〜30 mg/kgの範囲であってよい。この一日用量は、必要に応じて分割して投与されてもよい。典型的には、単位投与剤形は、本発明化合物約1 mg〜500 mgを含む。
【0084】
式(I)で示される化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、N-オキシド、第四級アミン、金属錯体または立体化学的異性体は、それら自体で用いることができるが、一般に、式(I)で示される化合物/塩/溶媒和物(活性成分)を、医薬的に許容しうる補助剤、希釈剤または担体と合わせた医薬組成物の形態で投与される。投与の様式に応じて、医薬組成物が、0.05〜99重量%、より好ましくは0.10〜70重量%の活性成分、および1〜99.95重量%、より好ましくは30〜99.90重量%の医薬的に許容しうる補助剤、希釈剤または担体を含むのが好ましい(すべての重量%は全組成物に基づく)。本発明の医薬組成物の範囲内にある代表的錠剤は、重量が500〜1500 mgであり、活性成分と結合剤、崩壊剤、抗酸化剤などの賦形剤との割合が35〜75%である。
【0085】
したがって、本発明はまた、医薬的に許容しうる補助剤、希釈剤または担体と合わせた、前記において定義した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩または溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに、前記において定義した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩、または溶媒和物、プロドラッグ、N-オキシド、第四級アミン、金属錯体または立体化学的異性体と医薬的に許容しうる補助剤、希釈剤または担体とを混合すること含む、本発明医薬組成物の製造方法を提供する。
【0086】
本発明医薬組成物は、たとえば、経口、局所、非経口、バッカル、経鼻、膣内または直腸投与もしくは吸入によって治療することが望ましい疾患または健康状態に対して標準的な様式で投与されてもよい。これらの目的のために、本発明化合物を、たとえば、錠剤、カプセル剤、水性または油性溶液、懸濁液、乳液、クリーム、軟膏、ゲル、スプレー式点鼻薬、座剤、微粉末などの剤形に、当業者に周知の手段によって製剤することができ、あるいは、吸入のためのエアロゾルおよび非経口使用(静脈内、筋肉内または輸液)のための滅菌水性または油性溶液または懸濁液または滅菌乳液である。
【0087】
吸入(エアロゾルおよび噴霧など)経路は、急速な代謝をともなって、特に、式(I)で示される化合物にとって簡便である。呼吸能力の低下したCOPD患者についてでさえも、医薬的活性成分を投与し、取り込ませ、患者の肺にデリバリーすることができる多数の適当なデバイスが現在入手可能である。たとえば、Byron's review in Proc.Am.Thorac.Soc.2004:1(4) 321-328またはCaprioti's review in Medsurg.Nurs.2005:14(3) 185-194を参照。経口デリバリー経路、特に、カプセル剤または錠剤は、とりわけ、重篤な呼吸容量障害のある進行性COPD患者にとって好ましい。本発明化合物に加えて、本発明医薬組成物もまた、前述の1種以上の疾患または健康状態を治療するという点において価値がある1種以上の医薬的作用剤を含むか、または共投与(同時または別々に)されうる。代表的な例は、たとえば、ブデソニドおよび「シンビコート(Symbicort)」(商標)などの喘息において通例用いられる吸入ステロイドである。
【0088】
XおよびYの両方がOである本発明化合物への一般的経路を反応工程式1に示す。
【化2】

反応工程式1
【0089】
DMFなどの溶媒中、DIEA、NaHCO3などの塩基の存在下でHOBtおよびEDCIといったようなカップリング剤を用いるなどの標準的ペプチドカップリング条件による、適当な側鎖R1および(CR5R5')nD(CR6R6')mR2を有する2つのアミノ酸(1a)および(1b)のカップリングが、ジペプチド(1c)を提供する。次いで、ジクロロメタンなどの溶媒中、たとえば、TFAまたはギ酸などの酸での処置などの慣例の手順にしたがうBoc基の除去に続いて、DIEAまたはNaHCO3などの塩基の存在下、クロロギ酸フェニルまたはホスゲンなどのホルミル化剤で形成された第一級アミンのホルミル化を行い、最後に、たとえば、DIEAなどの塩基での得られたホルミル誘導体(1d)の処置によって、得られたジペプチドを閉環し、次いで、HClなどの酸での処置によってメチルエステルを加水分解することよって、ヒダントイン誘導体(1e)を達成することができる。もし、ヒダントイン環の第二窒素上のアルキル置換基R3が望ましいならば、このアルキル化は、通例、化合物1dの閉環の後、およびエステル加水分解の前に、任意に、t-BuOKなどの塩基の存在下、R3-Lg(ここで、Lgは塩化物、臭化物またはヨウ化物といったようなハロゲン化物などの脱離基であるか、またはLgはトリフレート、トシレート、メシレートなどのスルホン酸の誘導体である)などの所望のアルキル化剤との反応によって行われる。DMFまたは上述のものなどの溶媒中、BOPおよびNMMなどのカップリング剤を用いるなどの標準的カップリング条件を用いる、あるいはいずれかの他の簡便な試薬を用いることによる、ヒドロキシルアミン塩酸塩またはたとえば、O-トリチルヒドロキシルアミンまたはO-ベンジルヒドロキシルアミンなどの適当に保護されたヒドロキシルアミンのカップリングが、ヒドロキサム酸誘導体(1f)を提供する。次いで、トリチル保護基の場合、酸処置によるなどの保護基にしたがう適当な条件を用いることによって行われる任意のヒドロキシ保護基の除去後に、遊離酸(1g)が得られる。
【0090】
反応工程式1で用いるための適当な側鎖を有するアミノ酸は、市販品を入手することができるか、または文献の手順にしたがって当業者が製造することができる。反応工程式2に示すように、たとえば、Dがそれぞれチオエーテル、アミン、エーテルまたはアミド結合である一般式(I)で示される化合物の製造に適したチオエーテル、アミン、エーテルまたはカルバメート基を含む側鎖を有するアミノ酸は、適当に保護された市販のα-ヒドロキシアルキルアミノ酸から製造することができる。
【化3】

反応工程式2
【0091】
アミノ酸(2a)のヒドロキシ基を、たとえば、ミツノブ反応、すなわち、トリフェニルホスフィンなどの存在下でのアルコール(2a)のヒドロキシ基とDIADなどのアゾジカルボキシレートとの反応を行い、次いで、所望のチオール、アミンまたはアルコールで置換して、チオエーテル、アミンまたはエーテル官能基に変換することによって、チオエーテル(2b)、アミン(2c)またはエーテル(2d)誘導体を得ることできる。数多くのチオール、アミンおよびアルコールが市販品を入手可能であり、あるいは文献に記載されている。アミン誘導体(2c)を得るための別法は、たとえば、デス−マーチンペルヨージナンで処理するか、またはいずれかの他の適当な酸化試薬によって、アルコール(2a)のヒドロキシ基を酸化し、次いで、所望のアミノ誘導体 R2(CH2)mNH2で還元的アミノ化を行って対応するアルデヒドを得ることである。別法として、DMFまたはTHFなどの溶媒中、水素化ナトリウム、Ag2O、t-BuOKなどの塩基の存在下、適当なアルキル化剤R2-Lg(ここで、Lgは塩化物、臭化物またはヨウ化物といったようなハロゲン化物などの脱離基であるか、またはトリフレート、トシレート、メシレートなどのスルホン酸の誘導体である)との置換反応によるアルコール(2a)のヒドロキシ基のアルキル化によって、エーテル誘導体(2d)を得ることができる。カルバメート含有側鎖を有するアミノ酸を、DMFまたはTHFなどの溶媒中、t-BuOKなどの塩基の存在下、アミノ酸(2a)と適当なイソシアネートR2N=C=Oとの反応によって製造することができる。別法として、カルバメート含有側鎖を有するアミノ酸を、ジクロロメタンまたはトルエンなどの溶媒中、炭酸水素ナトリウムなどの塩基の存在下、アミノ酸(2a)のヒドロキシ基とホスゲンまたは適当なクロロカルバメートなどのホルミル化剤とを反応させ、次いで所望のアミンR2-(CH2)mNH2と反応させることによって製造することができる。R4、R5、R5'、R6および/またはR6'基で置換された誘導体を、適当に置換されたアミノ酸およびアルキル化剤を用いる上記方法にしたがって製造することができる。
【0092】
アミド、カルバメート、ウレアまたはスルホンアミド含有側鎖を有する、すなわち、化合物(1b)においてDがそれぞれアミド、カルバメート、ウレアまたはスルホンアミド結合であるアミノ酸を、反応工程式3で示すように、α-アミノアルキルアミノ酸から製造することができる。α-アミノアルキルアミノ酸は、市販品を入手するか、または文献の手順にしたがって対応するα-ヒドロキシアルキルアミノ酸から製造することができる。
【化4】

反応工程式3
【0093】
任意に4-ジメチルアミノピリジンなどの塩基の存在下、ピリジンまたはジクロロメタンなどの溶媒中、α-アミノアルキルアミノ酸(3a)と適当な酸塩化物 R2(CH2)m(C=O)Clとの反応が、アミド(3b)を提供し、アミン(3a)と所望のクロロホルメート R2(CH2)mO(C=O)Clとの反応が、カルバメート(3c)を提供する一方で、任意に炭酸水素ナトリウムなどの塩基の存在下、たとえば、ホスゲン、p-ニトロクロロホルメート、CDIなどの都合のよいホルミル化剤を用いるアミン(3a)のホルミル化に次いで、所望のアミノ誘導体 NH2(CH2)mR2との反応が、ウレア(3d)を提供し、最後に、任意に4-ジメチルアミノピリジンなどの塩基の存在下、ピリジンまたはジクロロメタンなどの溶媒中、アミン(3a)と適当な塩化スルホニル R2(CH2)m(S=O)2Clとの反応によって、スルホンアミド(3e)が得られる。前述のハロゲン化アルキルまたはスルホン酸のアルキル誘導体などの適当なアルキル化剤を用いる窒素のアルキル化によって、第二級アミンもまた、第一級アミン(3a)から得ることができる。R4、R5、R5'、R6および/またはR6'基で置換された誘導体を、適当に置換されたアミノ酸およびアルキル化、アシル化、スルホニル化またはアミノ化剤を用いる上記方法にしたがって製造することができる。
【0094】
Dが不在であり、R2が炭素環式または複素環式芳香族系である一般式(I)で示される化合物の製造に適した、反応工程式1で用いた不飽和全炭素側鎖を有するアミノ酸(1b)は、市販品を入手可能であるか、または適当に保護されたα-アミノ-ω-ヒドロキシ酸または対応するα-アミノ-ω-カルボキシ酸から製造することができる。例を反応工程式3Aに示す。
【化5】

反応工程式3A
【0095】
合成有機化学の分野で公知のいずれかの適当な方法によって、市販品を入手可能であるか、または文献に記載されている酸(3Aa)を還元して、対応するアルコール(3Ab)にすることができ、たとえば、酸を、N-ヒドロキシスクシンイミドなどの適当なハロゲン化エステルまたはハロゲン化酸に変換し、次いで、LiBH4などの還元剤で処理することができる。次いで、得られるアルコール(3Ab)を、トリフェニルホスフィンおよびイミダゾールの存在下、ヨウ素と反応させて、ヨウ素誘導体(3Ac)を得る。1,2-ジブロモエタンおよびクロロトリメチルシランで活性化された亜鉛との反応による対応する亜鉛誘導体へのヨウ素誘導体の変換を行い、次いで、トリ(o-トリル)ホスフィンなどのホスフィンリガンドの存在下、触媒として、たとえば、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を用いる所望のアリールヨウ素誘導体とのパラジウム触媒置換反応を行って、アリール化アミノ酸(3Ad)を得る。反応工程式1に記載のように、Boc基の除去、アミノ酸のカップリング、閉環、ベンジルエステルの加水分解およびヒドロキシルアミン部分の導入を行って、ヒダントイン誘導体(3Ae)を得る。
【0096】
R4およびR5が一緒になって、オレフィン結合を形成する一般式(I)で示される化合物の製造に有用なα,β-不飽和全炭素側鎖を有するアミノ酸は、たとえば、反応工程式3Bに示すように製造することができる。
【化6】

反応工程式3B
【0097】
デスマーチンペルヨージナンなどの酸化剤を用いる、対応するアルデヒドへのアルコール(3Ab)の酸化、次いで、所望のグリニャール試薬 R2(CH2)mMgBrでのグリニャール反応などが、ヒドロキシ誘導体(3Ba)を提供する。たとえば、酸処理によって得られた脱水により、不飽和化合物(3Bb)を得、次いで、反応工程式1に示すように処理して、所望のヒダントイン誘導体(3Bc)を得る。オレフィン結合の位置が異なるものやヘテロ原子を含む側鎖などの他の側鎖を有する化合物を得るためにも、適当なヒドロキシアルキル置換アミノ酸およびグリニャール試薬を選択することによって、同じ方策を適用することができる。
【0098】
置換R2部分を含む化合物は、反応工程式1における所望のR2-置換基を有するアミノ酸(1b)を用いることによって得ることができ、あるいは、合成の後の段階で該置換基を導入することができる。置換基が炭素-炭素結合によってR2に結合する場合、パラジウム触媒カップリング反応によって置換基を導入するのが好都合である。反応工程式3Cは、スズキカップリングを用いる方法を示す。
【化7】

反応工程式3C
【0099】
Pd(PPh3)2Cl2などのパラジウム触媒および炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下、ジペプチド(3Ca)と所望の置換基のボロン酸誘導体 R7B(OH)2とのカップリングが、R7-置換ジペプチド(3Cb)を提供する。反応工程式1に記載のように、Boc基の除去、アミノ酸のカップリング、閉環、ベンジルエステルの加水分解およびヒドロキシルアミン部分の導入を行って、ヒダントイン誘導体(3Cc)を得る。R2へ炭素結合置換基を導入するために、文献から公知の他のパラジウム触媒カップリング反応を別法として用いてもよい。たとえば、トリエチルアミンまたは炭酸カリウムなどの塩基の存在下、Pd(OAc)2などの触媒を用いる、所望の活性化アルケンが芳香族またはビニルR2部分にカップリングするヘックカップリング反応が、アルケン置換化合物を提供する。
【0100】
反応工程式3Cに記載の方法には、R2基としてブロモベンゼン環が示されるが、同じ方策が、置換または非置換炭素環および複素環などの他のR2基に適用可能であることを理解すべきである。
【0101】
本発明化合物の製造のための別の方策は、最初に適当なヒダントイン誘導体を製造し、次いで、側鎖を伸長し、所望の結合Dを導入することである。種々の官能基が結合することができる側鎖を有するヒダントイン誘導体が、この方策のための適当な中間体である。それらの製造の例を反応工程式4に示す。
【化8】

反応工程式4
【0102】
反応工程式1に記載のとおり、2つのアミノ酸s(4a)および(4b)からヒダントイン誘導体(4c)を製造することができる。たとえば、任意に炭酸水素ナトリウムなどの塩基の存在下、パラジウム/炭素などの触媒を用いる触媒水素化によるベンジル基の除去およびR3が水素である場合、当業界で公知の標準的方法を用いるboc基などのいずれかの適当なアミノ保護基による環窒素の保護により、ヒドロキシアルキル誘導体(4d)が得られる。次いで、たとえば、任意にトリエチルアミンなどの塩基の存在下、ピリジンなどの溶媒中、塩化メシルで処理することによってヒドロキシ基をメシレートなどの脱離基に換え、次いで脱離基をアジドで置換し、最後に、Ph3Pでの処理などのいずれかの適当な還元方法によってアジドを還元してアミンにすることによるヒドロキシ基のアミノ基への変換によって、対応するアミノアルキル誘導体(4e)を製造することができる。非置換アミノ酸(4b)の代わりに適当に置換されたアミノ酸を用いることによる上記方法にしたがって、R4、R5および/またはR5'基で置換された誘導体を製造することができる。
【0103】
チオエーテル、アミン、エーテルまたはカルバメート含有側鎖を得るための続いてのヒドロキシアルキル側鎖の伸長は、反応工程式5に示すように行うことができる。
【化9】

反応工程式5
【0104】
ヒダントイン(4d)のヒドロキシ基を、たとえば、ミツノブ反応、すなわち、トリフェニルホスフィンなどの存在下でのアルコール(4d)のヒドロキシ基とDIADなどのアゾジカルボキシレートとの反応を行い、次いで、所望のチオール、アミンまたはアルコールで置換して、チオエーテル、アミンまたはエーテル官能基に変換することによって、それぞれチオエーテル、アミンまたはエーテル誘導体を得ることできる。数多くのチオール、アミンおよびアルコールが市販品を入手可能であり、あるいは文献に記載されている。アミン誘導体を得るための別法(すなわち、D'がNHである)は、たとえば、デス−マーチンペルヨージナンで処理するか、またはいずれかの他の適当な酸化試薬によって得られる対応するアルデヒドへアルコール(4d)のヒドロキシ基を酸化し、次いで、所望のアミノ誘導体R2(CH2)mNH2誘導体で還元的アミノ化を行うことである。別法として、DMFまたはTHFなどの溶媒中、水素化ナトリウム、Ag2O、t-BuOKなどの塩基の存在下、適当なアルキル化剤R2-Lg(ここで、Lgは塩化物、臭化物またはヨウ化物といったようなハロゲン化物などの脱離基であるか、またはメシレート、トリフレート、トシレートなどのスルホン酸の誘導体である)との置換反応によるアルコール(4d)のヒドロキシ基のアルキル化によって、エーテル誘導体(D'がOである)を得ることができる。カルバメート含有側鎖を有するアミノ酸を、DMFまたはTHFなどの溶媒中、t-BuOKなどの塩基の存在下、ヒダントイン(4d)と適当なイソシアネート R2(CH2)mN=C=Oとの反応によって製造することができる。別法として、カルバメート含有側鎖を有する化合物を、ジクロロメタンまたはトルエンなどの溶媒中、炭酸水素ナトリウムなどの塩基の存在下、ヒダントイン(4d)のヒドロキシ基とホスゲンなどのホルミル化剤とを反応させ、次いで所望のアミノR2(CH2)mNH2と反応させることによって製造することができる。
【0105】
アミド、カルバメート、ウレアまたはスルホンアミド含有側鎖を有する、すなわち、一般式(I)で示される化合物においてDがそれぞれアミド、カルバメート、ウレアまたはスルホンアミド結合であるヒダントインを、反応工程式6で示すように、α-アミノアルキルアミノ酸(4e)から製造することができる。
【化10】

反応工程式6
【0106】
任意に4-ジメチルアミノピリジンなどの塩基の存在下、ピリジンまたはジクロロメタンなどの溶媒中、α-アミノアルキルヒダントイン(4e)と適当な酸塩化物 R2(CH2)m(C=O)Clとの反応が、アミド(6a)を提供し、所望のクロロホルメート R2(CH2)mO(C=O)Clとの反応が、カルバメート(6b)を提供する一方で、任意に炭酸水素ナトリウムなどの塩基の存在下、たとえば、ホスゲン、p-ニトロクロロホルメート、CDIなどの都合のよいホルミル化剤を用いるアミン(4e)のホルミル化に次いで、所望のアミノ誘導体 NH2(CH2)mR2との反応が、ウレア(6c)を提供し、最後に、任意に4-ジメチルアミノピリジンなどの塩基の存在下、ピリジンまたはジクロロメタンなどの溶媒中、アミン(4e)と適当な塩化スルホニル R2(CH2)m(S=O)2Clとの反応によって、スルホンアミド(6d)が得られる。第二級アミン、すなわち、一般式(I)においてDがアミノ結合である化合物もまた、ハロゲン化アルキルまたは前述のスルホン酸のアルキル誘導体などのいずれかの適当なアルキル化剤を用いる窒素のアルキル化によって、第一級アミン(4e)から製造することができる。次いで、酸処理などの標準的方法による保護基、bocおよびトリチルの除去により、ヒドロキサム酸が得られる。R4、R5、R5'、R6および/またはR6'基で置換された誘導体を、適当に置換されたアミノ酸およびアシル化、スルホニル化またはアミノ化剤を用いる上記方法にしたがって製造することができる。
【0107】
ヒダントイン部分の一方または両方のカルボニル基がチオカルボニルで置換される本発明化合物は、チオペプチドから好都合に製造される。チオペプチドの製造のための種々の方法が文献に記載されており、R.MichelotらのBioorganic & Medicinal Chemistry Vol.4、No 12 1996 p.2201-2209に記載の1つの例を反応工程式7に示す。

反応工程式7
【0108】
THFなどの溶媒中、クロロギ酸イソブチルおよびN-メチルモルホリンでのアミノ酸の活性化、次いで、H2Sによる処理を行い、次いで、たとえば、HClでの酸性化によって、アミノチオ酸(7a)をアミノ酸(2b、2c、2dまたは2e)対応するから得ることができる。THFなどの溶媒中、DIEAなどの塩基の存在下、BOP-ClまたはPyBOPなどのカップリング試薬を用いるといったような標準的ペプチドカップリング条件下における、得られるアミノチオ酸と天然または非天然アミノ酸(7b)とのカップリングにより、チオジペプチド(7c)が得られる。
【0109】
別法として、BF3-OEt2などのルイス酸の存在下、たとえば、トリメチルシラン、カルボニトリルなどの試薬を用いることにより酸官能基をニトリルに変換し、次いで、C.H.WilliamsらのJ.Chem.Soc.Perkin Trans.I、1988、p.1051-1055に記載の処理を行い、最後に、前述のとおり第二のアミノ酸(7b)のカップリングを行うことによって、アミノ酸(2b、2c、2dまたは2e)からチオジペプチド(7c)を得ることができる。
【0110】
チオジペプチド(7c)へのさらなる別法は、K.ClausenらのTetrahedron、Vol.37、1981、p.3635-3639に記載の2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,2,3,4-ジチアジホスフェタン 2,4-ジスルフィドチオネーション試薬を用いることによるジペプチド(1c)の変換によるものである。
【0111】
R4、R5、R5'、R6および/またはR6'基で置換されたアミノチオ酸は、所望の置換基を有するアミノ酸(2b-2e)に対応する適当に置換された化合物から出発して、上述の方法にしたがって製造することができる。
【0112】
次いで、反応工程式1においてジペプチド(1c)のために記載したステップを介してチオジペプチド(7c)を処理することによって、チオヒダントイン誘導体を形成することができる。
【化11】

反応工程式8
【0113】
ジクロロメタンなどの溶媒中、たとえば、TFAまたはギ酸などの酸での処理によるチオジペプチド(8a)からのBocの除去、次いで、DIEAまたはNaHCO3などの塩基の存在下、クロロギ酸フェニルまたはホスゲンなどのホルミル化剤による第一級アミンのホルミル化を行って、カルバメート(8b)を得る。たとえば、DIEAなどの塩基での処理によって得られたチオジペプチドの閉環、次いで、HClなどの酸での処理によるメチルエステルの加水分解を行って、カルボン酸(8c)を得る。DMFまたは前述のものなどの溶媒中、BOPおよびNMMなどのカップリング試薬、またはいずれかの他の好都合な試薬を用いるヒドロキシルアミン塩酸塩、またはたとえば、O-トリチルヒドロキシルアミンまたはO-ベンジルヒドロキシルアミンなどの適当に保護されたヒドロキシルアミンのカップリングにより、ヒドロキサム酸(8c)を得る。次いで、遊離酸(8e)を、トリチル保護基の場合、酸性処理によるなどの保護基に応じた適当な条件を用いることによって行う任意のヒドロキシ保護基の除去後に得る。
【0114】
反応工程式9は、YがSであり、XがOまたはSである一般式(I)で示される化合物の製造方法を示す。
【化12】

反応工程式9
【0115】
ジクロロメタンなどの溶媒中、TFAまたはギ酸などの酸での処理による反応工程式1または7で記載したとおり製造したチオジペプチド(9a)からのBoc基の除去、次いで、たとえば、チオカルボニルジイミダゾールなどとの反応によって得られる閉環を行って、ヒダントイン誘導体(9b)を得る。次いで、HClなどの酸での処理によるメチルエステルの加水分解を行ってカルボン酸(9c)を得る。DMFまたは前述のものなどの溶媒中、BOPおよびNMMなどのカップリング試薬、またはいずれかの他の好都合な試薬を用いるなどの標準的ペプチドカップリング条件を用いる、ヒドロキシルアミン塩酸塩、またはたとえば、O-トリチルヒドロキシルアミンまたはO-ベンジルヒドロキシルアミンなどの適当に保護されたヒドロキシルアミンのカップリングにより、ヒドロキサム酸(9d)を得る。次いで、遊離酸(9e)を、トリチル保護基の場合、酸性処理によるなどの保護基に応じた適当な条件を用いることによって行う任意のヒドロキシ保護基の除去後に得る。
【0116】
上述した方法は、示された立体化学に限定されないことは、容易に理解されよう。同じ方法は、他の立体化学を有する反応物およびラセミ体にも適用可能であり、得られる生成物は、反応物の1つに対応する立体配置を有する。
【0117】
本発明化合物の製造に用いた構成要素である化合物のいずれかの上のいずれかの官能基は、必要に応じて適当に保護される。たとえば、天然または非天然アミノ酸上の官能基は、ペプチド合成において適切なように典型的に保護される。当業者は、適切な保護基の選択および使用が、反応条件に従属することを理解するであろう。適当な本発明が置きは、Greene、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、New York(1981)および「The Peptides:Analysis、Synthesis、Biology」、Vol.3、Academic Press、New York(1981)に記載されており、その開示は、参照することにより本発明に援用される
【0118】
(詳細な説明)
本発明化合物の種々の実施態様およびこのような化合物への重要な中間体を、添付の非限定的な化学的および生物学的実施例に関して、説明の手段としてのみ記載する。
【化13】

【実施例】
【0119】
実施例1
ステップa

2-(2-Tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-フェニル-ブチリルアミノ)-3-メチル酪酸メチルエステル(1a)
DMF(14 mL)中のD-バリンメチルエステル塩酸塩(1000 mg、3.58 mmol)およびHOBtの氷冷溶液に、EDCI(755 mg、3.94 mmol)を加える。混合物を30分間撹拌した後、N-boc-L-ホモフェニルアラニン(600 mg、3.58 mmol)およびN-メチルモルホリン(1 mL、8.95 mmol)を加える。混合物を室温に温め、一夜攪拌する。溶媒を除去し、残渣を水およびEtOAcに分配する。水性層をEtOAcで抽出し、合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧濃縮した後、粗標記化合物(2000 mg)を得、さらに精製することなく次のステップに用いる。
【0120】
ステップb

2-(2-アミノ-4-フェニル-ブチリルアミノ)-3-メチル酪酸メチルエステル(1b)
CH2Cl2(10 mL)中の上記ステップaで得られた粗化合物(2000 mg)の溶液に、TFA(10 mL)を加える。室温にて1.5時間撹拌した後、混合物を濃縮する。残渣をEtOAcで希釈した後、pH14に調節するために10% NaOHを加える。水性層をEtOAcで抽出し、合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧濃縮した後、さらに精製することなく次のステップに用いる粗標記生成物(1400 mg)を得る。
【0121】
ステップc

3-メチル-2-(2-フェノキシカルボニルアミノ-4-フェニル-ブチリルアミノ)-酪酸メチルエステル(1c)
ジオキサン(18 mL)および水(2 mL)中の上記ステップbで得られた粗化合物(1400 mg)の混合物に、クロロギ酸フェニル(0.9 mL、7.16 mmol)およびDIEA(1.6 mL、8.95 mmol)を加える。混合物を室温にて3時間撹拌し、減圧濃縮する。残渣を水およびEtOAcに分配する。水性層をEtOAcで抽出し、合わせた有機相を乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を白色固体で得る(1165 mg、79% 収率、3ステップ)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 0.89(d、J=6.6 Hz、3H);0.94(d、J=6.6 Hz、3H);2.00-2.35(m、3H);2.70-2.80(m、2H);3.73(s、3H);4.30-4.45(m、1H);4.30-4.45(m、1H);4.57(dd、J=8.1、9.0 Hz、1H);5.84(d、J=8.1 Hz、1H);5.84(d、J=8.1 Hz、1H);6.65(d、J=9.0 Hz、1H);7.10-7.40(m、10H)。
【0122】
ステップd

2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチル-イミダゾリジン-1-イル-3-メチル-酪酸メチルエステル(1d)
DMF(14 mL)中の上記ステップcで得られた化合物(1140 mg)の溶液に、DIEA(0.6 mL、3.30 mmol)を加える。室温にて一夜撹拌した後、溶媒を除去する。残渣をEtOAcで希釈し、水で洗浄する。有機層を乾燥し、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(672 mg,77%)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 0.92(d、J=6.9 Hz、3H);1.12(d、J=6.9 Hz、3H);1.95-2.35(m、2H);2.60-2.85(m、3H);3.71(s、3H);4.00-4.10(m、1H);4.35(d、J=8.4 Hz、1H);7.00(s、1H);7.10-7.35(m、5H)。
【0123】
ステップe

2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチル-イミダゾリジン-1-イル-3-メチル-酪酸(1e)
上記ステップdで得られた化合物(482 mg、1.52 mmol)および6 N HCl(20 mL)の混合物を70 ℃にて3時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、CH2Cl2で抽出する。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(210 mg、46% 収率)および回収出発物質(200 mg)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.86(d、J=6.8 Hz、3H);1.01(d、J=6.8 Hz、3H);1.94-2.20(m、2H);2.50-2.80(m、3H);4.10-4.15(m、1H);4.27(d、J=8.4Hz、1H);7.10-7.30(m、5H)。
【0124】
ステップf

2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチル-イミダゾリジン-1-イル-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(1f)
DMF(1.8 mL)中の上記ステップeで得られた化合物(109 mg、0.36 mmol)の溶液に、BOP(190 mg、0.43 mmol)を0 ℃にて加える。30分間撹拌した後、HONH2xHCl(50mg、11.38 mmol)およびN-メチルモルホリン(0.16 mL、1.44 mmol)を加える。混合物を室温に温め、一夜攪拌する。溶媒を除去し、残渣をEtOAcおよびNH4Clの飽和溶液に分配する。水性層をEtOAcで抽出し、乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を白色固体で得る(63 mg、55% 収率)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ0.89(d、J=6.8 Hz、3H);1.01(d、J=6.8 Hz、3H);1.94-2.20(m、2H);2.60-2.80(m、2H);2.80-3.00(s、1H);4.00-4.10(m、2H);7.10-7.30(m、5H)。
【0125】
実施例2

2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチル-イミダゾリジン-1-イル-N-ヒドロキシ-プロピオンアミド(2)
D-バリンメチルエステル塩酸塩の代わりにD-アラニンメチルエステル塩酸塩を用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(8mg)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 1.56(dd、J=2.7、7.2 Hz、3H)、1.90-2.20(m、2H)、2.72(dd、J=7.8、7.8 Hz、2H)、4.00-4.15(m、1H)、4.60-4.15(m、1H)、7.10-7.35(m、5H)。
【0126】
実施例4

3-シクロヘキシル-2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチル-イミダゾリジン-1-イル-N-ヒドロキシ-プロピオンアミド(4)
D-バリンメチルエステル塩酸塩の代わりにD-シクロヘキシル-アラニンメチルエステル塩酸塩を用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(3 mg)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 0.80-2.10(m、16H)、2.72(s、2H)、4.09(s、1H)、4.70-4.75(m、1H)、6.98(s、1H)、7.10-7.35(m、5H)、10.06(s、1H)。
【0127】
実施例5

2-[4-(2-ビフェニル-4-イル-エチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(5)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに4-ビフェニル-4-イル-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-酪酸を用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(6 mg)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ0.84(d、J=6.0 Hz、3H)、1.03(d、J=6.0 Hz、3H)、1.94-2.30(m、2H)、2.50-2.80(m、3H)、4.10-4.15(m、1H)、4.25(d、J=11.4Hz、1H)、6.30-6.50(m、1H)、7.10-7.60(m、9H)、10.10(s、1H)。
【0128】
実施例6

2-[2,5-ジオキソ-4-(3-フェニルプロピル)-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(6)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-5-フェニル-ペンタン酸を用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(8 mg)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 0.93(d、J=6.6 Hz、3H)、1.03(d、J=6.6 Hz、3H)、1.90-2.10(m、4H)、2.55-2.85(m、3H)、4.00-4.15(m、1H)、4.27(d、J=11.4 Hz、1H)、6.30(s、1H)、7.15-7.35(m、5H)、8.12(s、1H)。
【0129】
実施例7

2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチル-イミダゾリジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(7)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりにN-boc-D-ホモフェニルアラニンを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(10 mg)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 0.83(d、J=6.6 Hz、3H)、1.03(d、J=6.6 Hz、3H)、1.90-2.10(m、1H)、2.20-2.30(m、1H)、2.60-2.80(m、3H)、4.00-4.20(m、1H)、4.27(d、J=11.4 Hz、1H)、6.30(s、1H)、7.15-7.40(m、5H)、8.12(s、1H)。
【0130】
実施例8

N-ヒドロキシ-3-メチル-2-[4-(2-ナフタレン-1-イル-エチル)-(2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル)-ブチルアミド(8)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-ナフタレン-1-イル-酪酸を用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(20 mg)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 0.85(d、J=6.6 Hz、3H)、1.04(d、J=6.6 Hz、3H)、2.00-2.30(m、2H)、2.50-2.70(m、1H)、3.10-3.30(m、2H)、4.10-4.25(m、1H)、4.29(d、J=11.1 Hz、1H)、6.03(s、1H)、7.10-8.00(m、9H)、10.10(s、1H)。
【0131】
実施例9

2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチル-イミダゾリジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(9)
D-バリンメチルエステル塩酸塩の代わりにL-バリンメチルエステル塩酸塩を用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(15 mg)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.88(d、J=6.4Hz、3H)、1.02(d、J=6.5Hz、3H)、1.97-1.92(m、1H)、2.11-2.06(m、1H)、2.72-2.67(m、2H)、2.92-2.86(m、1H)、4.10-4.03(m、2H)、7.30-7.18(m、5H)。
【0132】
実施例10

2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチル-イミダゾリジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-フェネチル-プロピオンアミド(10)
D-バリンメチルエステル塩酸塩の代わりにD-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩を用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(3 mg)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 1.64-1.61(m、1H)、1.95-1.91(m、1H)、2.49-2.45(m、2H)、3.42-3.39(m、2H)、3.93-3.85(m、1H)、4.97-4.90(m、1H)、6.90-6.75(m、1H)、7.26-7.00(m、10H)。
【0133】
実施例11

2-シクロヘキシル-2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチル-イミダゾリジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-アセトアミド(11)
D-バリンメチルエステル塩酸塩の代わりD-シクロヘキシルグリシンメチルエステル塩酸塩にを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(4 mg)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 1.49-0.84(m、6H)、1.81-1.66(m、4H)、2.06-1.96(m、1H)、2.38-2.23(m、2H)、2.80-2.76(m、2H)、4.11-3.99(m、1H)、4.32-4.28(m、1H)、6.79(s、1H)、7.34-7.20(m、5H)。
【0134】
実施例12

2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチル-イミダゾリジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-ブチルアミド(12)
D-バリンメチルエステル塩酸塩の代わりにD-tert.ブチルグリシンメチルエステル塩酸塩を用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(2 mg)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 1.11(s、9H)、2.01-1.89(m、1H)、2.18-2.07(m、1H)、2.75-2.70(m、2H)、4.05(dd、J1=6.9 Hz、J2=2.1 Hz、1H)、4.41(s、1H)、7.30-7.15(m、5H)。
【0135】
【化14】

【0136】
実施例13
ステップa

2-Tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-ヒドロキシ-プロピオン酸メチルエステル(13a)
THF(258 mL)中のL-セリンメチルエステル塩酸塩(10.00 g、64.5 mmol)およびBoc2O(28.12 g、129 mmol)の溶液に、Et3N(27 mL、194 mmol)を室温にてゆっくりと加える。反応物を一夜撹拌し、次いで、飽和NaHCO3および食塩水を加えて反応を停止し、減圧濃縮し、CH2Cl2および食塩水で希釈する。混合物を分離し、水性層をCH2Cl2で3回抽出し、合わせた有機相を食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(14.147 g、86 % 収率)。
【0137】
ステップb

O-(4-ブロモ)-ベンジル-boc-L-セリンメチルエステル(13b)
Et2O(60 ml)中の1-ブロモ-4-(ブロモメチル)ベンゼン(7.5g、30.24 mmol)の溶液を、Et2O(400 ml)中の上記ステップaで得られた化合物(2.27 g、10.30 mmol)およびAg2O(7.007 g、30.24 mmol)の混合物に室温にて加える。4日間撹拌した後、反応混合物をセライトで濾過し、CH2Cl2で洗浄し、減圧濃縮して、粗生成物を得る。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(2.567 g、64 %)。
【0138】
ステップc

O-(4-ブロモ)-ベンジル-boc-L-セリン(13c)
THF(40 mL)中のO-(4-ブロモ)-ベンジル-boc-L-セリン(13b)(2567 mg、6.633 mmoL)の溶液に、水(10 mL)中のLiOH(238 mg、9.95 mmol)の溶液を0 ℃にて加え、反応物を5時間撹拌する。0.5 N HClを加えて中和し、次いで、混合物を減圧濃縮する。残渣をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を乾燥し、減圧濃縮する。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(2330 mg、91 %)。
【0139】
ステップd

2-[3-(4-ブロモベンジルオキシ)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ]-3-メチル酪酸メチルエステル(13d)
DMF(15 mL)中の上記ステップcで得られた化合物(2.330 g、6.25 mmol)、NMM(1.5 mL、13.4 mmol)およびHOBt(1.433 g、10.62 mmol)の混合物に、EDCI(1.017 g、6.87 mmol)を-15 ℃にて加える。反応物を30分間撹拌した後、室温に温め、次いで、(R)-メチル 2-アミノ-3-メチルブタノエート塩酸塩(1.147 g、6.87 mmolを加え、反応物を一夜撹拌する。溶媒を減圧除去し、残渣をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(2.246 g、74 %)。
【0140】
ステップe

2-[4-(4-ブロモベンジルオキシメチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-3-メチル-酪酸メチルエステル(13e)
上記ステップdで得られた化合物(1246 mg、2.56 mmol)をTFA(5 mL)中、0 ℃ にて5時間撹拌し、次いで、減圧濃縮する。残渣をCH2Cl2で希釈し、飽和NaHCO3および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗生成物を得る。得られる粗生成物をジオキサン(9 mL)および水(1 mL)中で0 ℃にて撹拌し、DIEA(990 mg、7.68 mmol)およびクロロギ酸フェニル(479 mg、3.07 mmol)を加え、混合物を2時間撹拌する。溶媒を減圧除去し、残渣をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮して黄油状物を得る。次いで、得られる油状物をDMF(10 mL)中のDIEA(990 mg、7.68 mmol)とともに24時間撹拌する。一般的ワークアップ後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(623 mg、59%)。
【0141】
ステップf

2-[4-(4-ブロモベンジルオキシメチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-3-メチル-酪酸(13f)
上記ステップeで得られた化合物(623 mg、1.512 mmol)および2 N HCl(20 mL)の混合物を2時間還流する。反応混合物を冷却し、次いで、EtOAcで抽出する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(409 mg、68 %)。
【0142】
ステップg

N-ベンジルオキシ-2-[4-(4-ブロモベンジルオキシメチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-3-メチル-ブチルアミド(13g)
DMF(10 mL)中の上記ステップfで得られた化合物(409 mg、1.020 mmol)、NMM(0.4 mL、3.58 mmol)およびHOBt(234 mg、1.734 mmol)の混合物に、EDCI(214 mg、1.123 mmol)を-15 ℃にて加える。反応物を30分間撹拌した後、室温に温め、次いで、BnONH2HCl(179 mg、1.123 mmol)を加え、反応物を一夜撹拌する。溶媒を減圧除去し、残渣をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を油状物で得る(426 mg、83% 収率)。
【0143】
ステップh

2-[4-(4-ブロモベンジルオキシメチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(13h)
上記ステップgで得られた油状物および10 % Pd / C(42 mg)を、MeOH(15 mL)中、H2雰囲気下、室温にて2時間撹拌し、混合物をセライトで濾過し、MeOHで数回洗浄し、次いで、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、標記化合物を油状物で得る(217 mg、62 % 収率)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.79(d、J=6.6 Hz、3H)、0.97(d、J=6.6 Hz、3H)、2.79-2.95(m、1H)、3.71-3.78(m、1H)、3.84-3.92(m、1H)、4.02(d、J=10.8 Hz、1H)、4.18-4.22(m、1H)、4.61(s、2H)、7.48(d、J=8.4 Hz、2H)、7.62(d、J=8.4 Hz、2H)。
【0144】
実施例14

2-[2,5-ジオキソ-4-(4-トリフルオロメチル-ベンジルオキシメチル)-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(14)
4-ブロモベンジルブロミドの代わりに4-(トリフルオロメチル)ベンジルブロミドを用いる以外は、方法Bに記載の手順により、標記化合物を得る(10 mg)。
1H-NMR(300Hz、CD3OD):δ 0.80(m、3H)、0.98(m、3H)、2.87(m、1H)、3.74(m、1H)、3.88(m、1H)、4.00(m、1H)、4.21、(m、1H)、4.61、(m、2H)、7.64-7.47(m、5H)。
【0145】
実施例15

2-[4-(3-フルオロベンジルオキシメチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(15)
4-ブロモベンジルブロミドの代わりに3-フルオロベンジルブロミドを用いる以外は、方法Bに記載の手順により、標記化合物を得る(16 mg)。
1H-NMR(300Hz、CD3OD):δ 0.80(m、3H)、0.98(m、3H)、2.87(m、1H)、3.72(m、1H)、3.85(m、1H)、4.01(m、1H)、4.19、(m、1H)、4.55、(m、2H)、7.40-6.96(m、4H)。
【0146】
実施例16

2-[4-(2-フルオロベンジルオキシメチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(16)
4-ブロモベンジルブロミドの代わりに2-フルオロベンジルブロミドを用いる以外は、方法Bに記載の手順により、標記化合物を得る(21 mg)。
1H-NMR(300Hz、CD3OD):δ 0.77(m、3H)、0.96(m、3H)、3.30(m、1H)、3.75(m、1H)、3.84(m、1H)、4.18(m、1H)、4.60、(m、2H)、7.37-7.05(m、4H)。
【0147】
実施例17

2-[4-(4-フルオロベンジルオキシメチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(15)
4-ブロモベンジルブロミドの代わりに4-フルオロベンジルブロミドを用いる以外は、方法Bに記載の手順により、標記化合物を得る(9 mg)。
1H-NMR(300 Hz、CD3OD):δ 0.78(m、3H)、0.93(m、3H)、2.82(m、1H)、3.72(m、1H)、3.84(m、1H)、4.06(m、1H)、4.18、(m、1H)、4.52、(m、2H)、7.12-7.03(m、2H)、7.38-7.29(m、2H)。
【0148】
実施例18

2-[2,5-ジオキソ-4-(3-トリフルオロメチル-ベンジルオキシメチル)-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(18)
4-ブロモベンジルブロミドの代わりに3-(トリフルオロメチル)ベンジルブロミドを用いる以外は、方法Bに記載の手順により、標記化合物を得る(14 mg)。
1H-NMR(300Hz、CD3OD):δ 0.76(m、3H)、0.96(m、3H)、2.84(m、1H)、3.77(m、1H)、3.87(m、1H)、4.00(m、1H)、4.21、(m、1H)、4.60、(m、2H)、7.60-7.54(m、4H)。
【0149】
実施例19

2-(4-ベンジルオキシメチル-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(19)
4-ブロモベンジルブロミドの代わりにベンジルブロミドを用いる以外は、方法Bに記載の手順により、標記化合物を得る(11 mg)。
1H-NMR(300Hz、CDCl3):δ 0.83(d、J=6.6 Hz、3H)、1.04(d、J=6.6 Hz、3H)、2.61(m、1H)、3.75(m、2H)、4.22(m、1H)、4.32(d、J=11.4 Hz、1H)、4.54(m、2H)、7.34(m、5H)。
【0150】
【化15】

実施例20
ステップa

2-[2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(3'-フルオロビフェニル-4-イルメトキシ)-プロピオニルアミノ]-3-メチル酪酸メチルエステル(20a)
トルエン(10 mL)中の実施例13、ステップdで得られた化合物(948 mg、1.951 mmol)、Pd(PPh3)2Cl2(136 mg、0.1951mmol)および3-フルオロフェニルボロン酸(328 mg、2.341 mmol)の混合物をアルゴン雰囲気下、室温にて撹拌する。2 M Na2CO3の水性溶液(4 mL)を加え反応物を5時間加熱還流する。冷却後、反応物をEtOAcおよび食塩水で希釈し、水性層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を白色個体で得る(813 mg、83 %)。
【0151】
ステップb

2-[4-(3'-フルオロビフェニル-4-イルメトキシメチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル-3-メチル-酪酸メチルエステル(20b)
上記ステップaで得られた化合物(20a)(813 mg、1.619 mmol)をTFA(4 mL)中で、0 ℃にて5時間撹拌し、次いで、減圧濃縮する。残渣をCH2Cl2で希釈し、飽和NaHCO3および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、粗生成物を得る。得られた粗生成物をジオキサン(9 mL)および水(1 mL)中、0 ℃にて撹拌する。DIEA(610 mg、4.86 mmol)およびクロロギ酸フェニル(379 mg、2.429 mmol)を加え、混合物を2時間撹拌する。溶媒を減圧除去し、残渣をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮して黄色油状物を得る。次いで、得られた油状物をDMF(10 mL)中、DIEA(610 mg、4.86 mmol)とともに24時間撹拌する。一般的ワークアップ後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を白色個体で得る(374 mg、54% 収率)。
【0152】
ステップc

2-[4-(3'-フルオロビフェニル-4-イルメトキシメチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル-3-メチル-酪酸(20c)
上記ステップbで得られた(20b)化合物(374 mg、0.874 mmol)および2 N HCl(15 mL)の混合物を2時間還流する。反応混合物を冷却し、次いで、EtOAcで抽出する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮し、粗生成物シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(166 mg、46 %)。
【0153】
ステップd

2-[4-(3'-フルオロビフェニル-4-イルメトキシメチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(20d)
DMF(5 mL)中の上記ステップcで得られた化合物(20c)(166 mg、0.401 mmol)の溶液に、℃ にてBOP試薬(213 mg、0.481 mmol)を加える。30分間撹拌した後、HONH2xHCl(50 mg、11.38 mmol)およびN-メチルモルホリン(0.15 mL、1.34 mmol)を加える。混合物を室温に温め、一夜攪拌する。溶媒を除去し、残渣をEtOAcおよび飽和NH4Cl溶液に分配する。水性層をEtOAcで抽出し、有機層を乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を白色固体で得る(60 mg、35%)。
1H-NMR(300Hz、CD3OD):0.82(d、J=6.6 Hz、3H)、0.97(d、J=6.3 Hz、3H)、2.82(m、1H)、3.76(m、1H)、3.84(m、1H)、4.03(m、1H)、4.20、(m、1H)、4.58、(m、2H)、7.61-7.58(m、3H)、7.45-7.37(m、5H)。
【0154】
実施例21

2-[2,5-ジオキソ-4-(4'-トリフルオロメチルビフェニル-4-イルメトキシメチル)-イミダゾリジン-1-イル-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(21)
3-フルオロフェニルボロン酸の代わりに4-(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸を用いる以外は、方法Cに記載の手順により、標記化合物を得る(6 mg)。
1H-NMR(300Hz、CD3OD):0.82(m、3H)、0.96(m、3H)、2.82(m、1H)、3.72(m、1H)、3.76(m、1H)、4.01(m、1H)、4.21、(m、1H)、4.59、(m、2H)、7.43-7.40(m、2H)、7.82-7.64(m、4H)。
【0155】
【化16】

【0156】
実施例22
ステップa

3-ヒドロキシ-2-(トリチルアミノ)-プロピオン酸メチルエステル(22a)
CH2Cl2(40 mL)中のEt3N(13.4 mL、96.78 mmol)の溶液を、CH2Cl2(129 mL)中のL-セリンメチルエステル塩酸塩(5.0 g、32.26 mmol)およびPh3CCl(13.5 g、48.39 mmol)の溶液にN2雰囲気下、0 ℃にて加える。次いで、反応物を室温まで温め、一夜撹拌する。飽和NaHCO3を加えて反応を停止し、水性層をCH2Cl2で抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物無色固体で得る(11.41 g、98 %)。
【0157】
ステップb

3-(4-ブロモフェノキシ)-2-(トリチルアミノ)-プロピオン酸メチルエステル(22b)
窒素雰囲気下、トルエン(25 mL)中の上記ステップaで得られた個体(4.17 g、11.55 mmol)、PPh3(3.72 g、12.71 mmol)および4-ブロモフェノール(2.20 g、12.71 mmol)の溶液に、トルエン(20 %)中のDEAD(2.21 g、12.71 mmol)の溶液をゆっくりと加える。反応混合物を80 ℃に加熱する。3日間撹拌した後、反応物をEtOAcで希釈し、有機層を0.3 N HCl、飽和NaHCO3および食塩水で洗浄する。溶媒を減圧除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得る(4.41 g、74 %)。
【0158】
ステップc

2-アミノ-3-(4-ブロモフェノキシ)-プロピオン酸メチルエステル(22c)
上記ステップbで得られた化合物(22b)(2.21 g、4.10 mmol)を、TFA(8 mL)およびCH2Cl2(10 mL)中、0 ℃〜室温にて1時間撹拌し、溶媒を減圧除去する。MeOH(10 mL)、次いで、NaHCO3(344 mg、4.10)を加え、混合物を室温にて4時間撹拌し、次いで、濃縮する。残渣をCH2Cl2に溶解し、食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮して粗標記化合物を得る(1.07 g、91%)。
【0159】
ステップd

3-(4-ブロモフェノキシ)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロピオン酸メチルエステル(22d)
上記ステップcで得られた粗生成物(22c)をCH2Cl2(30 mL)に溶解し、CH2Cl2(10 mL)およびEt3N(1.15 mL、8.20 mmol)中のBoc2O(1.34 g、6.15 mmol)の溶液をゆっくりと加える。撹拌した後for 20 h、the reaction wasを加えて反応を停止し、飽和NaHCO3である;the aqueous phase wasで抽出するCH2Cl2。合わせた有機層を乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得る(1.32 g、86 % 収率)。
【0160】
ステップe

3-(4-ブロモフェノキシ)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロピオン酸(22e)
THF(40 mL)中の上記ステップdで得られた化合物(22d)(1.087 g、2.91 mmoL)の溶液に、水(10 mL)中のLiOH H2O(244 mg、5.82 mmol)の溶液を0 ℃にて加える。6時間撹拌した後、0.5 N HCl(5 mL)を加え、反応物を減圧濃縮する。残渣をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を乾燥(硫酸ナトリウム)し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物無色油状物で得る(816 mg、78 % 収率)。
【0161】
ステップf

2-[3-(4-ブロモフェノキシ)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロピオニルアミノ]-3-メチル-酪酸メチルエステル(22f)
DMF(10 mL)中の上記ステップeで得られた化合物(22e)(816 mg、2.27 mmol)、NMM(0.55 mL、4.922 mmol)およびHOBt(521 mg、3.864 mmol)の溶液を0 ℃にて10分間撹拌し、次いで、反応物を-15 ℃に冷却し、 EDCI(478 mg、2.497 mmol)を加える。反応物を-15 ℃にて30分間撹拌し、次いで、室温に温め、(R)-メチル 2-アミノ-3-メチルブタノエート塩酸塩(417 mg、2.497 mmol)を加える。一夜撹拌した後、反応混合物を減圧濃縮し、残渣をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮し、残渣シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(900 mg、84 %)。
【0162】
ステップg

2-[4-(4-ブロモフェノキシメチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-3-メチル-酪酸メチルエステル(22g)
上記ステップfで得られた化合物(22f)(900 mg、1.907 mmol)を、TFA(8 mL)中、0 ℃にて5時間撹拌し、次いで、減圧濃縮する。残渣をCH2Cl2で希釈し、飽和NaHCO3および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、粗生成物を得る。得られた粗生成物をジオキサン(9 mL)および水(1 mL)中、0 ℃にて撹拌し、DIEA(737 mg、5.72 mmol)およびクロロギ酸フェニル(446 mg、2.861 mmol)を加え、混合物を1.5時間撹拌する。溶媒を減圧除去し、残渣をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮して黄色油状物を得る。次いで、得られる油状物を、DMF(10 mL)中、DIEA(737 mg、5.72 mmol)とともに24時間撹拌する。一般的ワークアップの後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(245 mg、ステップfから32%)。
【0163】
ステップh

2-[4-(4-ブロモフェノキシメチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-3-メチル-酪酸(22h)
上記ステップgで得られた化合物(22g)(759 mg、1.907 mmol)および3 N HCl(20 mL)の混合物を80 ℃にて2時間撹拌する。反応混合物を冷却し、次いで、EtOAcで抽出する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(300 mg、41 %)。
【0164】
ステップi

N-ベンジルオキシ-2-[4-(4-ブロモフェノキシメチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-3-メチルブチルアミド(22i)
DMF(11 mL)中の上記ステップhで得られた化合物(22h)(300 mg、0.782 mmol)、NMM(0.19 mL、1.72 mmol)およびHOBt(179 mg、1.329 mmol)の溶液を0 ℃にて10分間撹拌し、次いで、反応物を-15 ℃に冷却し、EDCI(165 mg、0.860 mmol)を加える。反応物を-15 ℃にて30分間撹拌し、次いで、室温に温め、BnONH2HCl(137 mg、0.860 mmol)を加える。一夜撹拌した後、反応混合物を減圧濃縮し、残渣をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(426 mg、83 % 収率)。
【0165】
ステップj

2-[4-(4-ブロモフェノキシメチル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド(22j)
上記ステップiで得られた油状物(22i)(271 mg、0.571 mmol)および10 % Pd / C(31 mg)を、水素雰囲気下、MeOH(25 mL)中、室温にて3時間撹拌し、混合物をセライトで濾過し、MeOHで数回洗浄し、次いで、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、標記化合物を油状物で得る(118 mg、52 % 収率)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.95(d、J=6.6 Hz、3H)、1.02(d、J=6.6 Hz、3H)、2.83-3.01(m、1H)、4.07(d、J=10.8 Hz、1H)、4.23-4.29(dd、J1=2.7 Hz、J2=13.5 Hz、2H)、4.40(s、1H)、6.84(d、J=9.3 Hz、2H)、7.38(d、J=9.3 Hz、2H)。
【0166】
実施例23

2-(2,5-ジオキソ-4-フェノキシメチル-イミダゾリジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(23)
4-ブロモフェノールの代わりにフェノールを用いる以外は、方法Dに記載の手順により、標記化合物を得る(7 mg)。
1H-NMR(300Hz、CD3OD):1.04-0.96(m、6H)、2.95(m、1H)、4.10(m、1H)、4.29-4.24(m、21H)、4.40(m、1H)、7.28-6.87(m、5H)。
【0167】
【化17】

【0168】
実施例24
ステップa

2-[2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-フェニル-シクロヘキサ-1,5-ジエニルオキシ)-プロピオニルアミノ]-3-メチル酪酸メチルエステル(24a)
2 M Na2CO3(4 mL)の溶液を、トルエン(10 mL)中の実施例22、ステップfで得られた化合物(401 mg、0.848 mmol)、Pd(PPh3)2Cl2(154 mg、0.22 mmol)およびフェニルボロン酸(145 mg、1.1872 mmol)の混合物に、アルゴン雰囲気下、室温にて加え、反応物を加熱還流する。5時間後、反応物を室温に冷却する。混合物をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、標記化合物を白色個体で得る(255 mg、64 %)。
【0169】
ステップb

2-[4-(ビフェニル-4-イルオキシメチル)-(2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-3-メチル-酪酸メチルエステル(24b)
上記ステップa(24a)で得られた化合物(764 mg、1.626 mmol)を、TFA(10 mL)中、0 ℃にて5時間撹拌し、次いで、減圧濃縮する。残渣をCH2Cl2で希釈し、飽和NaHCO3および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、粗生成物を得る。得られた粗生成物をジオキサン(9 mL)および水(1 mL)中、0 ℃にて撹拌し、DIEA(629 mg、4.878 mmol)およびクロロギ酸フェニル(382 mg、2.43 mmol)を加え、混合物を2時間撹拌する。溶媒を減圧除去し、残渣をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮して黄色油状物を得る。次いで、得られた油状物を、DMF(10 mL)中、DIEA(629 mg、4.878 mmol)とともに30時間撹拌する。一般的ワークアップの後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(328 mg、51%)。
【0170】
ステップc

2-[4-(ビフェニル-4-イルオキシメチル)-(2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-3-メチル-酪酸(24c)
上記ステップbで得られた化合物(24b)(320 mg、0.808 mmol)および3 N HCl(15 mL)の混合物を80 ℃にて4時間撹拌する。反応混合物を冷却し、次いで、EtOAcで抽出する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(96 mg、31 %)。
【0171】
ステップd

N-ベンジルオキシ-2-[4-(ビフェニル-4-イルオキシメチル)-(2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-3-メチルブチルアミド(24d)
DMF(6 mL)中の上記ステップcで得られた化合物(96 mg、0.250 mmol)、NMM(0.05 mL、0.448 mmol)およびHOBt(58 mg、0.426 mmol)の溶液を℃にて10分間撹拌し、次いで、反応物を-15 ℃に冷却し、EDCI(53 mg、0.275 mmol)を加える。反応物を-15 ℃にて30分間撹拌し、次いで、室温に温め、BnONH2HCl(44 mg、0.275 mmol)を加える。一夜撹拌した後、反応混合物を減圧濃縮し、残渣をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(92 mg、76 %)。
【0172】
ステップe

2-[4-(ビフェニル-4-イルオキシメチル)-(2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド(24e)
上記ステップdで得られた油状物(24d)(90 mg、0.185 mmol)および10 % Pd / C(12 mg)を水素雰囲気下、MeOH(15 mL)中、室温にて3時間撹拌する。混合物をセライトで濾過し、MeOHで数回洗浄し、次いで、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、標記化合物を油状物で得る(32 mg、44%)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.99(d、J=6.6 Hz、3H)、1.04(d、J=6.6 Hz、3H)、2.82-2.98(m、1H)、4.11(d、J=10.8 Hz、1H)、4.25-4.40(m、2H)、4.43(s、1H)、6.98(d、 2H)、7.22-7.42(m、3H)、7.50-7.58(m、4H)。
【0173】
【化18】

【0174】
実施例25
ステップa

2-アミノ-6-ベンゾイルアミノ-ヘキサン酸(25a)
水(50 mL)中のL-リシン(1)(3.65 g、0.02 mol)の溶液に、CuCO3(2.5 g)を90 ℃にて少しずつ加える。40分間還流した後、混合物を冷却し、濾過する。濾液をさらに0 ℃に冷却し、水(20 mL)中のBzCl(3.5 mL、0.03mol)およびNaOH(2.7 g、0.0685mol)の溶液を加える。反応物を0 ℃にて1時間撹拌し、次いで、室温に温める。2日後、反応混合物を濾過し、固体を水およびEt2Oで洗浄する。次いで、この得られた固体を水(350 mL)中のEDTA(7.0 g)の溶液に加え、反応溶液が澄んだ青色になるまで、混合物を加熱還流する。反応物を冷却し、白色沈澱を得る。この沈澱を集め、水およびEt2Oで洗浄し、乾燥して、標記化合物を白色固体で得る(1.8 g、36%)。
【0175】
ステップb

6-ベンゾイルアミノ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-ヘキサン酸(25b)
化合物上記ステップaで得られた(1.0 g、4.0 mmol)、Et3N(0.92 mL、6.6 mmol)およびジオキサン/H2O(1:1、v/v)(40 mL)の溶液に、Boc2O(0.96 g,4.4 mmol)を0 ℃にて加える。反応物を室温に温め、一夜攪拌する。溶媒を除去し、残渣を水およびEtOAcに分配する。水性層を酸性化し、EtOAcで抽出し、合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧濃縮した後、粗標記化合物(1.4 g)を得、さらに精製することなく次反応に用いる。
【0176】
ステップc

6-ベンゾイルアミノ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-ヘキサノイルアミノ)-3-メチル-酪酸メチルエステル(25c)
DMF(30 mL)中の上記ステップbで得られた化合物(25b)(1.0 g、3.0 mmol)、NaHCO3(0.83 g、9.8 mmol)およびHOBt(1.15 g、7.5 mmol)の混合物に、EDCI(1.26 g、6.6 mmol)を-15 ℃にて加える。反応物を30分間撹拌し、次いで、室温に温める。次いで、(R)-メチル 2-アミノ-3-メチルブタノエート塩酸塩(0.58 g、3.3 mmol)を加え、反応物を一夜撹拌する。溶媒を減圧除去し、残渣をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を白色個体で得る(1.1 g、79 %)。
【0177】
ステップd

2-(2-アミノ-6-ベンゾイルアミノ-ヘキサノイルアミノ)-3-メチル-酪酸メチルエステル(25d)
CHCl3(15 mL)中の上記ステップcで得られた化合物(1.0 g、2.1 mmol)およびHCO2H(20 mL)の混合物を室温にて一夜撹拌する。反応物をCH2Cl2で希釈し、NaHCO3を加えてpHを8に調節する。有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮して粗標記化合物を無色油状物で得る(0.6 g、78% 収率)。
【0178】
ステップe

2-[4-(ベンゾイルアミノ-ブチル)-(2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-3-メチル-酪酸メチルエステル(25e)
ジオキサン(18 mL)および水(2 mL)中の上記ステップdで得られた粗化合物(25d)(0.6 g、1.65 mmol)の混合物に、クロロギ酸フェニル(0.21 mL、1.65 mmol)およびDIEA(0.6 mL、3.3 mmol)を加える。混合物を室温にて3時間撹拌し、減圧濃縮する。残渣を水およびEtOAcに分配する。水性層をEtOAcで抽出し、合わせた有機相を乾燥し、濃縮して白色固体を得る(0.79 g)。この白色固体をDMF(20 mL)に溶解し、DIEA(0.28 mL、1.6 mmol)を加える。室温にて一夜撹拌した後、溶媒を除去する。残渣をEtOAcで希釈し、水で洗浄する。有機層を乾燥し、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を無色油状物で得る(0.43 g、69%)。
【0179】
ステップf

2-[4-(ベンゾイルアミノ-ブチル)-(2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル]-3-メチル-酪酸(25f)
上記ステップeで得られた化合物(25f)(0.21 g、0.54 mmol)および6 N HCl(5 mL)の混合物を70 ℃にて6時間加熱する。反応物を水で希釈し、CH2Cl2で抽出する。有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮して、標記化合物を粗油状物で得る(0.2 g、98%)。
【0180】
ステップg

N-{4-[1-(1-ベンジルオキシカルバモイル-2-メチル-プロピル)-(2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-4-イル]-ブチル}-ベンズアミド(25g)
DMF(5 mL)中の上記ステップfで得られた化合物(25f)(200 mg、0.53 mmol)、NMM(0.15 mL、1.3 mmol)およびHOBt(98 mg、0.64 mmol)の溶液を0 ℃にて15分間撹拌し、次いで、反応物を-15 ℃に冷却し、EDCI(123 mg、0.64 mmol)を加える。反応物を-15 ℃にて30分間撹拌し、次いで、室温に温め、BnONH2HCl(102 mg、0.64 mmol)を加える。一夜撹拌した後、反応混合物を減圧濃縮し、残渣をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を白色個体で得る(150 mg、59 %)。
【0181】
ステップh

N-{4-[1-(1-ヒドロキシカルバモイル-2-メチル-プロピル)-(2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-4-イル]-ブチル}-ベンズアミド(25h)
上記ステップgで得られた化合物(25g)(150 mg、0.312 mmol)および10 % Pd / C(20 mg)を、水素雰囲気下、MeOH(10 mL)中、室温にて15時間撹拌し、混合物をセライトで濾過し、MeOHで数回洗浄し、次いで、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、標記化合物を白色個体で得る(50 mg、41 %)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD + CDCl3):δ 0.86(d、3時間、J=6.9 Hz,)、1.02(d、2時間、J=6.9 Hz)、1.46-1.91(m、6 H)、2.83-2.86(m、1 H)、3.34-3.42(m、2 H)、4.04-4.08(m、2 H)、7.41-7.82(m、5 H)。
【0182】
実施例26

2-{2,5-ジオキソ-4-[2-(4-フェノキシフェニル)-エチル]-イミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(26)
N-boc-ホモフェニルアラニンの代わりに2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-(4-フェノキシフェニル)-酪酸を用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(8 mg)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 0.82-1.02(dd、J1=6.3 Hz、J2=53.4 Hz、6 H),1.90-2.30(m、2 H)、2.60-2.80(m、3 H)、4.00-4.08(m、1 H)、4.19-4.24(d、J=10.8 Hz、1 H)、6.59(s、1 H)、6.91-6.99(m、4 H)、7.05-7.4-0(m、5H)。
【0183】
実施例27
置換N-boc-L-ホモフェニルアラニン誘導体の製造
【化19】

【0184】
ステップa
J.Org.Chem.1998、63、7875に記載の手順にしたがって、2-tert-ブトキシ-カルボニルアミノ-4-ヨード酪酸へ対応する置換ヨウ化アリールをカップリングすることによって、一連の置換ホモフェニルアラニン誘導体を合成する。
【0185】
ステップb
1,4-ジオキサン中の上記ステップaで得られた化合物の溶液に、2N NaOHを加える。室温にて3時間撹拌した後、反応物をEtOAcで希釈する。1N HClをゆっくりと添加することによってPH 6まで混合物を酸性化し、次いで、EtOAcで抽出する。有機相を食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、酸誘導体27a-27mを得る。









【0186】
実施例28

2-[2,5-ジオキソ-4-(2-o-トルイルエチル)-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(28)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに27aを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(8 mg)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 0.90(d、J=6.6 Hz、3H)、1.12(d、J=6.6 Hz、3H)、1.91-2.03(m、1H)、2.07-2.23(m、1H)、2.29(s、3H)、2.60-2.80(m、3H)、4.09-4.16(m、1H)、4.37(d、J=8.7 Hz、1H)、6.78(s、1H)、7.13(m、4H)。
【0187】
実施例29

2-[2,5-ジオキソ-4-(2-m-トルイルエチル)-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(29)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに27bを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(13 mg)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 0.83(d、J=6.6 Hz、3H)、1.01(d、J=6.6 Hz、3H)、1.90-2.01(m、1H)、2.21-2.29(m、1H)、2.32(s、3H)、2.62-2.76(m、3H)、4.02-4.04(m、1H)、4.21(d、J=11.4 Hz、1H)、6.52(s、1H)、6.98-7.05(m,3H)、7.17-7.27(m、1H)、8.32(s、br、1H)、10.11(s、1H)。
【0188】
実施例30

2-[2,5-ジオキソ-4-(2-p-トルイルエチル)-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(30)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに27cを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(12 mg)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.88(d、J=6.6 Hz、3H)、1.01(d、J=6.6 Hz、3H)、1.86-1.93(m、1 H)、2.04-2.09(m、1H)、2.28(s、3H)、2.66(t、J=7.8 Hz、2H)、2.86-2.92(m、1H)、4.01-4.06(m、2H)、7.08(s、4H)。
【0189】
実施例31

N-ヒドロキシ-2-{4-[2-(2-メトキシフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル}-3-メチル-ブチルアミド(31)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに27dを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(11 mg)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.89(d、J=6.6 Hz、3H)、1.04(d、J=6.6 Hz、3H)、1.84-1.97(m、1H)、2.09-2.21(m、1H)、2.72-2.91(m、3H)、3.84(s、3H)、3.97-4.01(m、1H)、4.08(d、J=10.8 Hz、1H)、6.87-6.91(m、2H)、7.14-7.23(m、2H)、7.58(s、1H)。
【0190】
実施例32

N-ヒドロキシ-2-{4-[2-(3-メトキシフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-3-メチルブチルアミド(32)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに27eを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(8 mg)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.91(d、J=6.6 Hz、3H)、1.04(d、J=6.6 Hz、3H)、 1.91-1.98(m、1H)、2.09-2.14(m、1 H)、2.71(t、J=8.1 Hz、2H)、2.91-2.95(m、1H)、3.79(s、3H)、4.05-4.09(m、2 H)、6.76-6.82(m、3 H)、7.18-7.23(m、1H)。
【0191】
実施例33

N-ヒドロキシ-2-{4-[2-(4-メトキシフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-3-メチルブチルアミド(33)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに27fを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(11 mg)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.91(d、J=6.6 Hz、3H)、1.04(d、J=6.6 Hz、3H)、 1.88-1.95(m、1H)、2.04-2.11(m、1 H)、2.68(t、J=8.1 Hz、2H)、2.90-2.98(m、1H)、3.78(s、3H)、4.06-4.09(m、2 H)、6.86(d、J=8.1 Hz、2H)、7.15(d、J=8.1 Hz、2H)。
【0192】
実施例34

2-{4-[2-(4-Ethylフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド(34)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに27gを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(14 mg)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 0.82(d、J=6.6 Hz、3H)、1.00(d、J=6.6 Hz、3H)、1.21(t、J=7.5 Hz、3H)、1.90-2.03(m、1H)、2.21-2.27(m、1H)、2.61(q、J=7.5 Hz、2H)、2.68-2.76(m、3H)、4.03(s、br、1H)、4.22(d、J=11.4 Hz、1H)、6.42(s、1H)、7.10-7.26(m、4H)、8.24(s、br、1H)、10.09(s、br、1H)。
【0193】
実施例35

2-{4-[2-(4-tert-ブチルフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド(35)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに27hを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(13 mg)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 0.82(d、J=6.3 Hz、3H)、1.00(d、J=6.3 Hz、3H)、1.29(s、9H)、1.90-2.04(m、1H)、2.20(m、1H)、2.62-2.73(m、3H)、4.05-4.10(m、1H)、4.18-4.28(m、1H)、6.64(s、1H)、7.12(d、J=8.1 Hz、2H)、7.31(d、J=8.1 Hz、2H)、8.35(s、br、1H)、10.12(s、br、1H)。
【0194】
実施例36

2-{4-[2-(2-フルオロフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド(36)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに27iを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(7 mg)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.91(d、J=6.6 Hz、3H)、1.04(d、J=6.6 Hz、3H)、1.91-2.02(m、1 H)、2.05-2.13(m、1H)、2.75-2.81(m、2H)、2.90-2.98(m、1H)、4.06-4.13(m、2H)、7.03-7.14(m、2H)、7.21-7.29(m、2H)。
【0195】
実施例37

2-{4-[2-(3-フルオロ-フェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド(37)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに27jを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(15 mg)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.87(d、J=6.9 Hz、3H)、1.00(d、J=6.9 Hz、3H)、1.88-1.96(m、1 H)、2.06-2.10(m、1H)、2.71(t、J=8.1 Hz、2H)、2.86-2.92(m、1H)、4.01-4.06(m、2H)、6.87-7.03(m、3H)、7.24-7.29(m、1H)。
【0196】
実施例38

2-{4-[2-(4-フルオロ-フェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド(38)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに27kを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(11 mg)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.88(d、J=6.9 Hz、3H)、1.01(d、J=6.9 Hz、3H)、1.91-1.95(m、1 H)、2.05-2.10(m、1H)、2.70(t、J=7.8 Hz、2H)、2.89-2.93(m、1H)、4.03-4.06(m、2H)、6.97-7.03(m、2H)、7.20-7.24(m、2H)。
【0197】
実施例39

2-{4-[2-(4-Benzylフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド(39)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに27lを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(12 mg)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 0.82(d、J=6.6 Hz、3H)、1.01(d、J=6.6 Hz、3H)、1.88-2.00(m、1H)、2.15-2.28(m、1H)、2.60-2.76(m、3H)、3.95(s、2H)、4.00-4.04(m、1H)、4.22(d、J=11.7 Hz、1H)、6.23(s、1H)、7.12-7.31(m、9H)、8.12 s、br、1H)、10.10(s、1H)。
【0198】
実施例40

2-{2,5-ジオキソ-4-[2-(4-フェニルアセチル-フェニル)-エチル]-イミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド(40)
N-boc-L-ホモフェニルアラニンの代わりに27mを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(7 mg)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.91(d、J=6.6 Hz、3H)、1.04(d、J=6.6 Hz、3H)、1.98-2.03(m、1H)、2.12-2.16(m、1H)、2.78-2.83(m、2H)、2.91-2.95(m、1H)、4.05-4.11(m、2H)、4.33(s、2H)、7.23-7.38(m、7H)、8.01(d、J=7.8 Hz、2H)。
【0199】
実施例41

N-ヒドロキシ-2-(4-{2-[4-(1-ヒドロキシイミノ-2-フェニル-エチル)-フェニル]-エチル}-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル)-3-メチルブチルアミド(41)
CHCl3/CH3OH(10 mL)中の化合物40(140 mg、0.32 mmol)の溶液に、HONH2×HCl(44 mg、0.64 mmol)およびN-メチルモルホリン(0.071 mL、0.64 mmol)を加える。5分間撹拌した後、一滴のCH3COOHを加え、反応物を室温にて一夜撹拌する。溶媒を除去し、残渣を薄層クロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を白色固体で得る(20 mg)。
1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.89(d、J=6.6 Hz、3H)、1.03(d、J=6.6 Hz、3H)、1.89-1.96(m、1H)、2.08-2.11(m、1H)、2.68-2.73(m、2H)、2.91-2.94(m、1H)、4.04-4.07(m、2H)、4.19(s、2H)、7.17-7.24(m、7H)、7.57(d、J=7.5 Hz、2H)。
【0200】
実施例42

2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチル-イミダゾリジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-メトキシブチルアミド(42)
D-バリンメチルエステル塩酸塩の代わりに(R)-メチル 2-アミノ-3-メトキシブタノエートを用いる以外は、方法Aに記載の手順により、標記化合物を得る(6 mg)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 1.13(d、J=6.3 Hz、3H)、2.01-1.91(m、1H)、2.19-2.10(m、1H)、2.74-2.69(m、2H)、3.40(s、3H)、4.11-4.04(m、1H)、4.33-4.26(m、1H)、4.51-4.46(m、1H)、6.83(s、1H)、7.30-7.16(m、5H)、8.46-8.24(m、1H)、9.77(s,1H)。
【0201】
実施例43

N-ヒドロキシ-3-メチル-2-ヒドロキシ-(5-オキソ-4-フェネチル-2-チオキソ-イミダゾリジン-1-イル)-ブチルアミド
【0202】
方法H
【化20】

【0203】
ステップa

窒素下、CH2Cl2(15 mL)中の上記方法Aにしたがって製造した1b(440 mg、1.50 mmol)の溶液に、1,1'-チオカルボニルジイミダゾール(1.34 g、7.52 mmol)を加える。混合物を室温にて3時間撹拌し、減圧濃縮する。残渣をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄する。バリンアルファ炭素における推定のジアステレオマーは、TLC下で共移動し、以下のNMRによって確認される。有機層を乾燥し、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を淡黄色油状物で得る(200 mg、40%)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 0.87、0.88(2つのエピマーについて、d、J=6.6 Hz、3H)、1.20、1.21(2つのエピマーについて、d、J=6.6 Hz、3H)、2.01-2.12(m、1H)、2.21-2.33(m、1H)、2.72-2.85(m、3H)、3.71(s、3H)、4.08-4.16(m、1H)、4.92、4.94(2つのエピマーについて、d、J=9.0 Hz、1H)、7.19-7.36(m、5H)。
【0204】
ステップb

ジオキサン(2.5 mL)中の上記で得られた化合物(200 mg、0.6 mmol)の溶液に、10 mLの6N HClを加える。混合物を90℃にて2日間撹拌する。反応溶媒を減圧除去する。残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を淡黄色油状物で得る(160 mg、83%)。
1H NMR(300 MHz、CDCl3):δ 0.88(d、J=6.6 Hz、3H)、1.21(d、J=6.6 Hz、3H)、1.94-2.06(m、1H)、2.16-2.30(m、1H)、2.57-2.88(m、3H)、4.04-4.14(m、1H)、4.99、5.01(2つのエピマーについて、d、J=9.3 Hz、1H)、7.16-7.32(m、5H)、8.57(d、J=10.8 Hz、1H)、9.84(s、br、1H)。
【0205】
ステップc

DMF(5 mL)中の上記で得られた化合物(160 mg、0.50 mmol)の溶液に、N-メチルモルホリン(0.23 mL、2.09 mmol)を加える。混合物を0 ℃に冷却し、BOP(250 mg、0.57 mmol)を加える。30分間撹拌した後、HONH2×HCl(73mg、1.04 mmol)を加える。次いで、反応物を室温に温め、一夜攪拌する。反応溶媒を減圧除去する。残渣をEtOAcで希釈し、1N HCl、飽和NaHCO3および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮する。得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより注意深く精製して、標記化合物の2つのエピマーの両方を淡黄色油状物で得る(60+60 mg、72%)。通例のプレパラティブHPLCによりジアステレオマーを精製する。
極性の小さいエピマー:1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.88(d、J=6.6 Hz、3H)、1.07(d、J=6.6 Hz、3H)、1.95-2.17(m、2H)、2.61-2.76(m、2H)、3.06-3.14(m、1H)、4.16(t、J=5.1 Hz、1H)、4.79(d、J=11.1 Hz、1H)、7.15-7.30(m、5H)。
極性の大きいエピマー:1H NMR(300 MHz、CD3OD):δ 0.88(d、J=6.6 Hz、3H)、1.07(d、J=6.6 Hz、3H)、1.91-2.18(m、2H)、2.65-2.77(m、2H)、3.01-3.11(m、1H)、4.10(dd、J=5.1 Hz、7.2 Hz、1H)、4.89(d、J=11.1 Hz、1H)、7.16-7.32(m、5H)。
【0206】
生物学的実施例
典型的なMMP-12酵素アッセイは、Parkar A.A.ら、(2000)、Protein Expression and Purification、20:152に記載のように発現され、精製された組換えヒトMMP-12触媒ドメインを用いる。精製酵素を用いてインヒビターの活性を以下のとおりモニターすることができる:MMP-12(50 ng/ml 最終濃度)を、インヒビターの存在(5種類の濃度)または不在下で、アッセイ緩衝液(0.1M「Tris-HCl」(商標)緩衝液、pH 7.3、O.1M NaCl、20mM CaCl2、0.020 mM ZnClおよび0.05%(w/v)「Brij 35」(商標)界面活性剤を含む)中、合成基質Mac-Pro-Cha-Gly-Nva-His-Ala-Dpa-NH2 とともに60分間室温にてインキュベートする。λex 320nmおよびλem 405nmにおける蛍光を測定することによって活性を決定する。以下のとおり、阻害パーセントを計算する:
阻害パーセント=(蛍光プラス インヒビター−蛍光バックグラウンド)÷(蛍光マイナス インヒビター−蛍光バックグラウンド)である;
【0207】
好まれるアッセイは、マウス骨髄腫細胞株NS-40に発現した全長組換えヒトMMP-12、アミノ酸残基1〜470(Shapiroら、1993、J Biol Chem 268:23824-23829)を用いる。精製したrhMMP-12は、典型的に、N末端配列L17PLNSSTSLEおよび約56 kDaのSDS-PAGE見かけの分子量を有する。このようなタンパク質は、25mM MES、0.15M NaCl、10 mMCaCl2、0.15% Brij 35、pH 5.5の凍結乾燥した0.2 μm濾過溶液として、R&D Systems、USAから市販されている。rhMMP-12の自己活性化は、TCNB緩衝液(50 mMTris、10mM CaCl2、0.15M NaCl、0.05% Brij 35、pH 7)で0.05 mg/mlに希釈し、37℃にてこ30時間インキュベートすることによって達成することができる。MMPを用いる実験のための好ましい緩衝液は、50 mM Tris.HCl、pH 7.5、200 mM酢酸カルシウムである。
【0208】
適当なFRET基質として、R&D Systems、USAから市販されている(7-メトキシクマリン-4-イル)アセチル-Pro-Leu-Gly-Leu-(3-(2,4-ジニトロフェノイル)-L-2,3-ジアミノプロピオニル)-Ala-Arg-NH2が挙げられる。典型的な特異的活性は、室温にて、100 μlのTCNB緩衝液中の20 ngの活性化酵素、10μMのこの基質で測定したrhMMP-12において、>500 ピコモル/分/μgである。もう1つの一般的MMP基質は、Dnp-PLGLWAD-R-NH2である。
【0209】
MMP-1、2 & 9(MMP-12と同じ基質)または3 & 10(基質:Mca-RPKPVE-Nva-WRK(Dnp)-AR-NH2)などの市販の組換え酵素(R& D Systems USA)を用い、上記と同様にして、選択性についてのカウンタースクリーニングを行う。
【0210】
たとえば、表1は、上述のアッセイなどのMMP-12酵素アッセイで試験した場合の本発明化合物の代表的な選択について、nMで表すKi-値を示す。カテゴリーAは、≦50 nM阻害を示し、カテゴリーBは、51−200 nM阻害を示し、カテゴリーCは、>200 nMを示す。

【0211】
選択性プロフィール
化合物によって示される腫瘍壊死因子-α変換酵素(TACE)の酵素阻害を評価するために、ペプチダーゼ切断に対する分光学的応答を生成するためにFRET基質を用いるアッセイを行う。12分間の蛍光強度の増加を継続的に検出することによって活性を測定する。基質は、蛍光ドナーである7-メトキシクマリン(Mca)およびクエンチングアクセプターである2,4-ジニトロフェニル基(Dpa)をもつペプチドからなり、典型的には、Mca-P-L-A-Q-A-V-Dpa-R-S-S-S-R-NH2(R&D Systems、ES003)である。TACEによる切断部位は、AlaおよびValの間のペプチド結合である。酵素および基質濃度を固定して、様々な濃度にて化合物を試験する。典型的なTACEアッセイは、アッセイ緩衝液(25 mM Tris-HCl、pH=9.0、2.5 μM ZnCl2、0.005% Brij 35)中で組換えヒトTACE(R&D Systemsにより提供)を用いる。用いる酵素濃度(TACE)は、100 ng/mlであり、DMSO中、100 μM原液にて基質を調製し、反応混合物のために96ウエルポリプロピレンプレートを用いる。プレートの各ウエルに、アッセイ緩衝液90.0 μl、酵素(TACE) 0.09 μlおよびインヒビター1 μl加える。基質10 μl/ウエルを加え、基質濃度10 μMおよび総量100 μl/ウエルにすることによって反応を開始する。DMSOの総濃度は、1 %を越えない。周囲温度でアッセイを行う。Thermo Labsystems Fluouro skan Ascentプレートリーダーで、生成蛍光(発光フィルター320 nM、励起フィルター405 nM)をモニターする。Prism SoftwareによりKiを決定する。
【0212】
化合物によって示されるヒトマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP-3)の酵素阻害を評価するために、ペプチダーゼ切断に対する分光学的応答を生成するためにFRET基質を用いるアッセイを使用する。12分間の蛍光強度の増加を継続的に検出することによって活性を測定する。基質は、蛍光ドナーである7-メトキシクマリン(Mca)およびクエンチングアクセプターである2,4-ジニトロフェニル基(Dpa)をもつペプチドからなり、典型的には、Mca-Arg-Pro-Lys-Pro-Val-Glu-Nval-Trp-Arg-Lys(Dnp)-NH2 (R&D Systems、ES002)である。MMP-3による切断部位は、GluおよびNvalの間のペプチド結合である。酵素濃度(MMP-3)を400 ng/mlに固定し、基質濃度を10 μMにして、様々な濃度にて化合物を試験する。MMP-3アッセイは、アッセイ緩衝液(50 mM Tris-HCl、200 mM 酢酸カルシウム、pH=7.5)中で組換えヒトMMP-3(R&D Systemsにより提供)を用いる。1 mM APMA(p-アミノフェニル酢酸第二水銀)で0.119 mg/mlに希釈し、37℃にて24時間インキュベートすることによって、MMP-3酵素をプレ活性化する。DMSO中、100 μM原液にて基質を調製し、反応混合物のために96ウエルポリプロピレンプレートを用いる。プレートの各ウエルに、アッセイ緩衝液90,0 μl、酵素(MMP-3) 0.3 μlおよびインヒビター1 μl加える。基質10 μl/ウエルを加え、総量100 μl/ウエルにすることによって反応を開始する。DMSOの総濃度は、1 %を越えない。周囲温度でアッセイを行う。周囲温度でアッセイを行う。Thermo Labsystems Fluouro skan Ascentプレートリーダーで、生成蛍光(発光フィルター320 nM、励起フィルター405 nM)をモニターする。Prism SoftwareによりKiを決定する。
【0213】
上述したような対応する酵素アッセイにおいて試験する場合に得られるKiを比較することによって、本発明化合物の代表的選択について、MMP-3およびTACEを越えるMMP-12に対する選択性を評価する。選択性は、MMP-12と比べてのTACEおよびMMP-3に対するKiにおける倍数の差異として表し、それぞれ、比:Ki(TACE)/KiMMP-12およびKi(MMP-3)/KiMMP-12として計算する。結果を表2にまとめる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):

[式中、
R1は、C1-C6アルキル、C0-C3アルカンジイルカルボシクリル、C0-C3アルカンジイルヘテロシクリルである;
R2は、カルボシクリルまたはヘテロシクリルである;
R3は、HまたはC1-C4アルキルである;
R4は、HまたはC1-C4アルキルである;
各R5およびR5'は、独立して、H、C1-C4アルキルまたはハロである;または
R4および隣接するR5'は、一緒になって、二重結合を規定する;
各R6およびR6'は、独立して、H、C1-C4アルキルまたはハロである;または
R5および隣接するR6は、一緒になって、二重結合を規定する;または
R5、R5'および隣接するR6およびR6'は、一緒になって、三重結合を規定する;
nは、1-3、mは、0-3である;
Dは、存在しないか、またはDは、エーテル、チオエーテル、アミン、アミド、カルバメート、ウレアまたはスルホンアミド連鎖である;それによって、(CR5R5')n-D-(CR6R6')m基は、少なくとも2つの鎖原子を有する;
XおよびYは、独立して、OまたはSである;
ここで、
各C1-C4アルキルは、任意に、1〜3個のハロまたはヒドロキシルで置換される;
各C1-C6アルキル、カルボシクリルまたはヘテロシクリル(いずれかのC0-C3アルカンジイルカルボシクリルまたはC0-C3アルカンジイルヘテロシクリル基を包含する)は、独立して、任意に、ハロ、オキソ、シアノ、アジド、ニトロ、C1-C6アルキル、C0-C3アルクジイル(Alkdiyl)カルボシクリル、C0-C3アルクジイルヘテロシクリル、Z-NRaRb、Z-O-Rb、Z-S-Rb、Z-C(=NOH)Rb、Z-C(=O)Rb、Z-(C=O)NRaRb、Z-NRaC(=O)Rb、Z-NRaSOpRb、Z-S(=O)pRb、Z-S(=O)pNRaRb、Z-C(=O)ORb、Z-OC(=O)Rb、Z-NRaC(=O)ORbまたはZ-OC(=O)NRaRbから選ばれる1〜3個の置換基で置換される;ここで、
各C0-C3アルクジイルは、独立して、結合、C1-C3直線または分枝、飽和炭素鎖またはC2-C3直線または分枝不飽和炭素鎖である;
いずれかのC0-C3アルクジイルカルボシクリル、C0-C3アルクジイルヘテロシクリルのカルボシクリルまたはヘテロシクリル部分は、任意に、ハロ、オキソ、シアノ、アジド、ニトロ、C1-C4アルキル、Z-NRaRc、Z-O-Rc、Z-S-Rc、Z-C(=O)Rc、Z-(C=O)NRaRc、Z-NRaC(=O)Rc、Z-NRaSOpRc、Z-S(=O)pRc、Z-S(=O)pNRaRc、Z-C(=O)ORc、Z-OC(=O)Rc、Z-NRaC(=O)ORcまたはZ-OC(=O)NRaRcから選ばれる置換基で1〜3回置換される;
各Zは、独立して、結合またはC1-C3アルカンジイルである;
各Raは、独立して、HまたはC1-C4アルキルである;
各Rbは、独立して、HまたはC1-C6アルキル、C0-C3アルクジイルカルボシクリル、C0-C3アルクジイルヘテロシクリルである;
またはRaおよびRbは、隣接する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンまたはN-メチルピペラジンを規定する;
Rcは、HまたはC1-C4アルキルである;
またはRcおよびRaは、隣接する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンまたはN-メチルピペラジンを規定する;
各pは、独立して、1または2である]
で示される化合物およびその医薬的に許容しうる塩および溶媒和物。
【請求項2】
R1が、任意に置換される分枝C2-C6アルキルである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
アルキルが、1位において分枝し、特に、R1が、-CH(CH3)2、-C(CH3)3または-CH(CH3)(CH2CH3)である請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R1としてのC0-C3アルカンジイルカルボシクリルが、カルボシクリルメチル-または好ましくはカルボシクリルであり;またはR1としてのC0-C3アルカンジイルヘテロシクリルが、ヘテロシクリルメチル-または好ましくはヘテロシクリルである請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
各カルボシクリルが、(任意に置換される)フェニル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであるか;または各ヘテロシクリルが、(任意に置換される)ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピペリジル ピペラジニル、チアゾリルまたはモルホリニルである請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R1が、シクロヘキシルまたはシクロペンチルである請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
R1が結合する不斉中心が、R立体化学を有する請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Xおよび/またはYがO、好ましくは、XおよびYの両方がOである請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
-(CR5R5')n-D-(C CR6R6')m-R2基が結合するイミダゾリン環の不斉中心が、S立体化学を有する請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Dがエーテル結合であるか、またはDが存在しない請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
-(CR5R5')n-D-(CR6R6')m-基が、総数2または3個の鎖原子を有する請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
nおよびmが1であり、Dが存在しない請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
R5、R5'、R6およびR6'がHである請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
R2が、任意に置換される芳香族単環式環、特に、フェニル、ピロリル、チアゾリル、ピリジルまたはピリミジニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
R2への任意の置換基が、(オルトまたはメタ)位のC1-C4アルキル、ハロC1-C2アルキル、-C(=O)C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシまたはハロである請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
R2が、任意に置換されるフェニルである請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
R2への任意の置換基が、オルト位のフルオロである請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
R2への任意の置換基が芳香族単環式環であり、該環がパラ位にあり、C1-C4アルキル、ハロC1-C2アルキル、C(=O)C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシまたはハロで任意に置換される請求項14に記載の化合物。
【請求項19】
芳香族単環式環が、メチレン、エチレンまたは-O-結合を介してR2に結合する請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
芳香族単環式環が、-C(=O)CH2-またはCH2C(=O)-結合を介してR2に結合する請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
化合物がさらに、オルト位にフルオロ置換基を含む請求項18に記載の化合物。
【請求項22】
R3および/またはR4がHである請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
化合物が、
2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチルイミダゾリジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド;
2-{4-[2-(2-フルオロフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド;
2-[2,5-ジオキソ-4-(2-p-トルイルエチル)-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド;
2-{4-[2-(2-フルオロ-4-メチルフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド;
2-{4-[2-(4-ベンジルフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルアミド;
2-{4-[2-(4-ベンジル-2-フルオロフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド;
2-{2,5-ジオキソ-4-[2-(4-フェノキシフェニル)-エチル]-イミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド;
2-{4-[2-(2-フルオロ-4-フェノキシフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド;
2-{2,5-ジオキソ-4-[2-(4-フェニルアセチルフェニル)-エチル]-イミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド;
2-{4-[2-(2-フルオロ-4-フェニルアセチル-フェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3-メチルブチルアミド;
2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチルイミダゾリジン-1-イル)-3-メチルペンタン酸ヒドロキシアミド;
2-{4-[2-(2-フルオロフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-3-メチルペンタン酸ヒドロキシアミド;
2-[2,5-ジオキソ-4-(2-p-トルイルエチル)-イミダゾリジン-1-イル]-3-メチル-ペンタン酸ヒドロキシアミド;
2-{4-[2-(2-フルオロ-4-メチルフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-3-メチル-ペンタン酸ヒドロキシアミド;
2-{4-[2-(4-ベンジルフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-3-メチル-ペンタン酸ヒドロキシアミド;
2-{4-[2-(4-ベンジル-2-フルオロフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-3-メチル-ペンタン酸ヒドロキシアミド;
2-{2,5-ジオキソ-4-[2-(4-フェノキシフェニル)-エチル]-イミダゾリジン-1-イル}-3-メチル-ペンタン酸ヒドロキシアミド;
2-{4-[2-(2-フルオロ-4-フェノキシフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-3-メチル-ペンタン酸ヒドロキシアミド;
2-{2,5-ジオキソ-4-[2-(4-フェニルアセチル-フェニル)-エチル]-イミダゾリジン-1-イル}-3-メチル-ペンタン酸ヒドロキシアミド;
2-{4-[2-(2-フルオロ-4-フェニルアセチル-フェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-3-メチル-ペンタン酸ヒドロキシアミド;
2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチル-イミダゾリジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルアミド;
2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチル-イミダゾリジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルアミド;
2-[2,5-ジオキソ-4-(2-p-トルイルエチル)-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルアミド;
2-{4-[2-(2-フルオロ-4-メチルフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルアミド;
2-{4-[2-(4-ベンジルフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-ブチルアミド;
2-{4-[2-(4-ベンジル-2-フルオロフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルアミド;
2-{2,5-ジオキソ-4-[2-(4-フェノキシフェニル)-エチル]-イミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-ブチルアミド;
2-{4-[2-(2-フルオロ-4-フェノキシフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルアミド;
2-{2,5-ジオキソ-4-[2-(4-フェニルアセチルフェニル)-エチル]-イミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルアミド;
2-{4-[2-(2-フルオロ-4-フェニルアセチルフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルアミド;
である請求項3に記載の化合物。
【請求項24】
化合物が、
2-シクロヘキシル-2-(2,5-ジオキソ-4-フェネチル-イミダゾリジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-アセトアミド;
2-シクロヘキシル-2-{4-[2-(2-フルオロフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-アセトアミド;
2-シクロヘキシル-2-[2,5-ジオキソ-4-(2-p-トルイルエチル)-イミダゾリジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-アセトアミド;
2-シクロヘキシル-2-{4-[2-(2-フルオロ-4-メチルフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-アセトアミド;
2-{4-[2-(4-ベンジルフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-2-シクロヘキシル-N-ヒドロキシ-アセトアミド;
2-{4-[2-(4-ベンジル-2-フルオロフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-2-シクロヘキシル-N-ヒドロキシ-アセトアミド;
2-シクロヘキシル-2-{2,5-ジオキソ-4-[2-(4-フェノキシフェニル)-エチル]-イミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-アセトアミド;
2-シクロヘキシル-2-{4-[2-(2-フルオロ-4-フェノキシフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-アセトアミド;
2-シクロヘキシル-2-{2,5-ジオキソ-4-[2-(4-フェニルアセチルフェニル)-エチル]-イミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-アセトアミド;
2-シクロヘキシル-2-{4-[2-(2-フルオロ-4-フェニルアセチルフェニル)-エチル]-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}-N-ヒドロキシ-アセトアミド;
である請求項5に記載の化合物。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか1つに記載の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくは溶媒和物ならびに医薬的に許容しうる補助剤、希釈剤または担体を含む医薬組成物。
【請求項26】
請求項1〜24のいずれか1つに記載の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくは溶媒和物ならびに医薬的に許容しうる補助剤、希釈剤または担体を含む請求項25に記載の医薬組成物の製造方法。
【請求項27】
療法に用いるための請求項1〜24のいずれか1つに記載の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくは溶媒和物。
【請求項28】
閉塞性気道疾患の治療に用いるための薬剤の製造における請求項1〜24のいずれか1つに記載の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくは溶媒和物の使用。
【請求項29】
閉塞性気道疾患が、喘息または慢性閉塞性肺疾患である請求項28に記載の使用。
【請求項30】
有効量の請求項1〜24のいずれか1つに記載の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくは溶媒和物を患者に投与することを含む、MMP-12によって媒介される疾患または健康状態の治療方法。
【請求項31】
有効量の請求項1〜24のいずれか1つに記載の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくは溶媒和物を患者に投与することを含む、閉塞性気道疾患の治療方法。
【請求項32】
閉塞性気道疾患が、喘息または慢性閉塞性肺疾患である請求項31に記載の方法。

【公表番号】特表2009−519281(P2009−519281A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544873(P2008−544873)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/012019
【国際公開番号】WO2007/068474
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(592182539)メディヴィル・アクチボラグ (13)
【氏名又は名称原語表記】MEDIVIR AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】