説明

メディア再生装置

【課題】携帯性と設置の自由度の高さを維持しつつ、長時間の運用が可能なメディア再生装置を提供する。
【解決手段】本体100にファーストバッテリ150を備えるとともに、着脱自在なスタンド部200にセカンドバッテリ210を搭載し、本体100は、スタンド部200から離脱している場合には、電源管理部170の電源管理によりファーストバッテリ150の電力で駆動し、一方、スタンド部200と接続している場合には、電源管理部170の電源管理によりセカンドバッテリ210の電力で駆動するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば映像を表示可能なメディア再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、PDA(Personal Digital Assistance)や電子写真立て、携帯型音楽再生装置などは、二次電池を駆動電力として備えることで、AC電源などを用いることなく運用を可能としている。また特に、電子写真立てのようなメディア再生装置にあっては、机上に立てて運用するのが一般的である。このため、二次電池をスタンド内に搭載するようにしたものが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、メディア再生装置は、二次電池を駆動電力とすることで携帯性に優れ、またAC電源を取る必要がないので利用場所の自由度が高いが、長時間駆動させるためには、大容量の二次電池が必要となり、大容量化すると携帯性を損ねることになる。すなわち、携帯性と設置の自由度の高さを維持しつつ、運用時間の長期化を図ることが難しいという問題があった。
【特許文献1】特開2004−220440公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のメディア再生装置では、携帯性と設置の自由度の高さを維持しつつ、運用時間の長期化を図ることが難しいという問題があった。
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、携帯性と設置の自由度の高さを維持しつつ、長時間の運用が可能なメディア再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、この発明は、本体とスタンド部とを備え、これらが互いに着脱自在な機構を有するメディア再生装置であって、本体は、画像データを記憶する記憶手段と、この記憶手段が記憶する画像データに基づく画像を表示する表示手段と、この表示手段の駆動電力を蓄える第1バッテリとを備え、スタンド部は、本体の駆動電力を供給する第2バッテリと、本体に接続した場合に、第2バッテリが蓄える駆動電力を本体に供給する供給手段とを備え、さらに本体は、供給手段を通じて第2バッテリから供給される駆動電力と、第1バッテリが蓄える駆動電力を表示手段に供給する電源管理手段とを具備して構成するようにした。
【発明の効果】
【0006】
以上述べたように、この発明では、本体の内部に備えた第1バッテリが蓄える電力と、スタンド部が備える第2バッテリが蓄える電力を駆動電力として、画像を表示するようにしている。
したがって、この発明によれば、本体の内部に備えた第1バッテリからも駆動電力が得られるだけでなく、着脱自在なスタンド部が備える第2バッテリからも駆動電力が得られるので、携帯性と設置の自由度の高さを維持しつつ、長時間の運用が可能なメディア再生装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態について説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係わるメディア再生装置の構成を示すものである。このメディア再生装置は、本体100と、スタンド部200からなり、図2に示すように分離することができる。
【0008】
また図3に示すように、本体100とスタンド部200は構成される。
本体100は、表示部110と、カードI/F121と、PCI/F122と、操作部130と、ACアダプタI/F140と、ファーストバッテリ150と、本体側電極160と、電源管理部170と、記憶部180と、制御部190とを備える。またスタンド部200は、セカンドバッテリ210と、スタンド側電極220とを備える。
【0009】
表示部110は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示デバイスを用いたものであり、後述する制御部190の制御にしたがって、静止画像や動画像を表示してユーザに映示する。
【0010】
カードI/F121は、種々のカード型のフラッシュメモリを接続するためのインタフェースであって、制御部190の制御にしたがい、接続されたフラッシュメモリからデータを読み出したり、あるいは上記フラッシュメモリにデータを記録する。
【0011】
PCI/F122は、例えばUSB(Universal Serial Bus)やIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)1394などのパーソナルコンピュータと接続するためのインタフェースであって、制御部190の制御にしたがい、接続されたパーソナルコンピュータからデータの入力を受け付けたり、あるいはパーソナルコンピュータにデータを出力する。
【0012】
操作部130は、複数のキースイッチなどを用いたユーザインタフェースであって、ユーザからの指示を受ける。
ACアダプタI/F140は、図示しないACアダプタからDC電力の供給を受けるものであり、供給された電力を後述する電源管理部170に出力する。
【0013】
ファーストバッテリ150は、リチウムイオン型やニッケル水素型などの二次電池であって、当該メディア再生装置の駆動電力を蓄積する。なお、セカンドバッテリ210も同様の二次電池であるが、ファーストバッテリ150よりも蓄えられる電力容量が大きい。 本体側電極160は、スタンド部200のスタンド側電極220と電気的に接続され、セカンドバッテリ210から電力の供給を受けるものであり、供給された電力を電源管理部170に出力する。
【0014】
電源管理部170は、制御部190に制御にしたがい、ファーストバッテリ150、本体側電極160あるいはACアダプタI/F140から供給される電力を当該メディア再生装置の各部に供給するものである。また電源管理部170は、ACアダプタI/F140から電力が供給される場合には、この電力を駆動電力として用いるとともに、ファーストバッテリ150やセカンドバッテリ210の充電を行う。なお、この充電に関わる制御は周知の技術を適用できる。
【0015】
そしてまた電源管理部170は、本体側電極160を通じてセカンドバッテリ210から電力の供給を受ける場合には、ファーストバッテリ150の電力よりも、セカンドバッテリ210から電力を優先的に駆動電力として利用する。その後、セカンドバッテリ210から電力の供給が途絶える(スタンド部200の離脱やセカンドバッテリ210の電力枯渇)と、ファーストバッテリ150の電力を駆動電力として利用する。
【0016】
つまり、本体100にスタンド部200が装着される場合には、セカンドバッテリ210の電力を駆動電力として利用し、一方、セカンドバッテリ210に蓄積される電力量が低下したり、本体100からスタンド部200が離脱した場合には、、ファーストバッテリ150の電力を駆動電力として利用するように、電源管理部170は電力供給の制御を行う。
【0017】
記憶部180は、制御部190の制御プログラムや制御データを記憶するとともに、カードI/F121やPCI/F122を通じて外部から取り込まれた画像データを記憶するものである。
【0018】
制御部190は、当該メディア再生装置の各部を統括して制御するものであって、記憶部180に記憶される制御プログラムや制御データに基づく制御を各部に対して行う。例えば、カードI/F121やPCI/F122を通じて外部から画像データなどを読み込み、記憶部180に記録する。また記憶部180から読み出した画像データに基づいて表示部110を駆動制御し、上記画像データに基づく映像を表示部110に表示させる。その他、操作部130を通じたユーザからの要求に応じて、表示させる画像データを切り替えたり、外部からのデータの読み込みや出力を行う。
【0019】
次に、本体100とスタンド部200の接続構造について説明する。
図4および図5に示すように、スタンド部200は、本体100の背面と接続するためのホールド部230と、セカンドバッテリ210を収納するセカンドバッテリ収納部240とを備え、これらがホールド部230側に設けられた回転ヒンジ部201により回動自在に接続されている。
【0020】
ホールド部230は、本体100と接続するために面状の形状を有しており、図6に示すような本体側に設けられた本体側レール溝101に嵌合するスタンド側レール部203を備える。またホールド部230は、本体100と接続した場合に、本体100の背面に設けられた本体側電極160と接触する位置にスタンド側電極220を備える(図7参照)。
【0021】
またホールド部230は、図5および図9に示すように、ロック部202を備える。このロック部202は、ホールド部230を切り欠くことにより形成された板バネ部2021と、その端部に隆起したロック凸部2022を備える。一方、本体100の背面には、図10に示すように、ロック凸部2022に嵌合するロック凹部102を備える。
【0022】
本体100とスタンド部200は、本体側レール溝101とスタンド側レール部203とが嵌合するようにスライドさせると、本体側電極160とスタンド側電極220とが電気的に接続される位置で、ロック凸部2022とロック凹部102が嵌合して、接続が完了する。またこの接続は、板バネ部2021の応力により固定されているので、再びスライドさせ、板バネ部2021を撓ませる程度の力を加えることで、ロック凸部2022とロック凹部102の嵌合が解除される。
【0023】
本体100とスタンド部200が接続された状態で、回転ヒンジ部201による回動でセカンドバッテリ収納部240の面と本体100の面にある程度の角度を持たせると、セカンドバッテリ収納部240および本体100の各底面がそれぞれ脚となり、本体100を起立させた状態で使用することができる。
【0024】
以上のように、上記構成のメディア再生装置では、本体100にファーストバッテリ150を備えるとともに、着脱自在なスタンド部200にセカンドバッテリ210を搭載し、本体100は、スタンド部200から離脱している場合には、電源管理部170の電源管理によりファーストバッテリ150の電力で駆動し、一方、スタンド部200と接続している場合には、電源管理部170の電源管理によりセカンドバッテリ210の電力で駆動するようにしている。
【0025】
したがって、上記構成のメディア再生装置によれば、スタンド部200から本体100を取り外すことで携帯性に優れた運用が行え、またスタンド部200に本体100を接続することで、長時間の運用が可能となる。またACアダプタは必ずしも必要としないので、設置の自由度も高い。
【0026】
すなわち、携帯したり手に持って利用する場合には、スタンド部200から本体100を取り外して運用し、手に持たずにおいて利用する場合には、スタンド部200に本体100を接続して運用することができる。
【0027】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0028】
その一例として例えば、上記実施の形態では、メディア再生装置の一例として、電子写真立てに相当する電子機器を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、種々の携帯型電子機器に適用可能であり、例えばPDAや携帯型音楽再生装置などにも適用可能である。
【0029】
また上記実施の形態では、本体100を起立した状態にするために、本体100をスタンド部200が支持するように、本体100とスタンド部200とが接続される構成を例に示したが、このような接続構造に限定されるものではない。例えばスタンド200をクレードル形状とし、スタンド200上に本体100を載置して、本体100とスタンド部200とが接続されるようにしてもよい。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明に係わるメディア再生装置の一実施の形態の構成を示す外観図。
【図2】図1に示したメディア再生装置の分離した状態を示す図。
【図3】図1に示したメディア再生装置の機能ブロックを示す図。
【図4】図1に示したメディア再生装置を背面斜め方向から見た外観図。
【図5】図1に示したメディア再生装置のスタンド部を正面斜め方向から見た外観図。
【図6】図1に示したメディア再生装置の本体とスタンド部の接続部分を拡大した図。
【図7】図1に示したメディア再生装置の本体とスタンド部の接続部分を拡大した図。
【図8】図1に示したメディア再生装置の本体とスタンド部との接続時の接続部分を拡大した図。
【図9】図1に示したメディア再生装置のスタンド部のロック部を拡大した図。
【図10】図1に示したメディア再生装置の本体のロック凹部を拡大した図。
【図11】図1に示したメディア再生装置の本体とスタンド部との接続時の接続部分を拡大した図。
【符号の説明】
【0031】
100…本体、101…本体側レール溝、102…ロック凹部、110…表示部、121…カードI/F、122…PCI/F、130…操作部、140…ACアダプタI/F、150…ファーストバッテリ、160…本体側電極、170…電源管理部、180…記憶部、190…制御部、200…スタンド部、201…回転ヒンジ部、202…ロック部、203…スタンド側レール部、210…セカンドバッテリ、220…スタンド側電極、230…ホールド部、240…セカンドバッテリ収納部、2021…板バネ部、2022…ロック凸部、170…アダプタI/F。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体とスタンド部とを備え、これらが互いに着脱自在な機構を有するメディア再生装置であって、
前記本体は、
画像データを記憶する記憶手段と、
この記憶手段が記憶する画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
この表示手段の駆動電力を蓄える第1バッテリとを備え、
前記スタンド部は、
前記本体の駆動電力を供給する第2バッテリと、
前記本体に接続した場合に、前記第2バッテリが蓄える駆動電力を前記本体に供給する供給手段とを備え、
さらに前記本体は、
前記供給手段を通じて前記第2バッテリから供給される駆動電力と、前記第1バッテリが蓄える駆動電力を前記表示手段に供給する電源管理手段を備えることを特徴とするメディア再生装置。
【請求項2】
前記電源管理手段は、前記供給手段を通じて前記第2バッテリから駆動電力が供給される場合には、この駆動電力を前記表示手段に供給し、一方、前記第2バッテリから駆動電力が供給されるない場合には、前記第1バッテリが蓄える駆動電力を前記表示手段に供給することを特徴とする請求項1に記載のメディア再生装置。
【請求項3】
外部バッテリを内蔵したスタンド部と、着脱自在な機構を備えたメディア再生装置であって、
画像データを記憶する記憶手段と、
この記憶手段が記憶する画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
この表示手段の駆動電力を蓄える内部バッテリと、
前記外部バッテリから供給される駆動電力と、前記内部バッテリが蓄える駆動電力を前記表示手段に供給する電源管理手段とを具備することを特徴とするメディア再生装置。
【請求項4】
前記電源管理手段は、前記外部バッテリから駆動電力が供給される場合には、この駆動電力を前記表示手段に供給し、一方、前記外部バッテリから駆動電力が供給されるない場合には、前記内部バッテリが蓄える駆動電力を前記表示手段に供給することを特徴とする請求項3に記載のメディア再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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