説明

メモリカード記録装置、映像記録装置及び抜去禁止通知方法

【課題】簡易な構成で、記録処理中におけるメモリカードの抜去を抑制することができる。
【解決手段】メモリカード100を収納するカード収納部と、メモリカード100に撮像データを記録する記録処理部28と、開閉可能であり、開状態においてカード収納部を露出させてメモリカード100をカード収納部から抜き差し可能な状態にする一方、閉状態においてカード収納部を覆いメモリカード100の抜き差し不可能な状態にするカード保護蓋と、当該カード保護蓋の開閉状態を検出する開閉検出部34と、撮像データをメモリカード100に記録している際に、開閉検出部34によってカード保護蓋が開状態になったことを検出すると、抜去警告画像を表示することにより、メモリカード100を抜き去らないようにユーザに対して通知するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカード記録装置、映像記録装置及び抜去禁止通知方法に関し、例えばカムコーダに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カムコーダは、例えばビデオテープや、DVD(Digital Versatile Disc)、ハードディスクドライブなど、撮像した撮像データを様々な記録媒体に記録するようになされたものが広く普及している。
【0003】
このカムコーダでは、記録処理中に記録媒体が取り出されると、記録媒体上に記録された撮像データが破損し、当該撮像データを正常に読み出せなくなるばかりか、記録媒体自体が破損し、当該記録媒体自体が使用不可能となるおそれがある。そこでカムコーダは、一般的に撮像データの記録処理中に記録媒体を取り出せないようロックすることにより、記録処理中における当該記録媒体の取出を禁止するようになされている。
【0004】
またカムコーダの中には、近年、メモリースティック(ソニー株式会社の登録商標)などのメモリカードが大容量化するのに伴い、記録媒体として当該メモリカードを使用するようになされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−175844公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、メモリカードは主に携帯電話やデジタルスチルカメラなどの電子機器に先行して使用されており、この電子機器において上述したロック機能を採用していないものが多く、メモリカードはいつでも抜き差しできるというのがユーザの一般的な認識である。従って仮にカムコーダのメモリカード収納部にロック機構を設けると、ユーザに違和感を与えてしまう上、機械的にロック機構を設ける必要が生じるためメモリカード収納部の構成が複雑になってしまう。
【0006】
しかしながらカムコーダにかかるロック機構を設けない場合には、記録処理中にユーザによってメモリカードが抜き去られる危険性が生じ、このカードの抜去によって記録中のデータが損失し、最悪の場合にはメモリカードの全記録領域が使用不可能になるという問題があった。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成で、記録処理中におけるメモリカードの抜去を抑制し得るメモリカード記録装置、映像記録装置及び抜去禁止通知方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明においては、メモリカードを収納するカード収納部と、メモリカードにデータを記録する記録処理部と、カード収納部に対して開閉可能であり、開状態においてカード収納部を露出させてメモリカードをカード収納部から抜き差し可能な状態にする一方、閉状態においてカード収納部を覆いメモリカードを抜き差し不可能な状態にするカード保護蓋と、カード保護蓋の開閉状態を検出する開閉検出部と、データをメモリカードに記録している際に、開閉検出部によってカード保護蓋が開状態になったことを検出すると、メモリカードを抜き去らないようにユーザに対して通知する通知部とを設けるようにした。
【0009】
これにより、記録処理中にメモリカードを抜き去らないようにユーザを促すことができる。
【0010】
レンズを介して受光した撮像光に基づく動画像データを表示する表示部と、メモリカードを収納するカード収納部と、メモリカードに動画像データを記録する記録処理部と、カード収納部に対して開閉可能であり、開状態においてカード収納部を露出させてメモリカードをカード収納部から抜き差し可能な状態にする一方、閉状態においてカード収納部を覆いメモリカードを抜き差し不可能な状態にするカード保護蓋と、カード保護蓋の開閉状態を検出する開閉検出部と、データをメモリカードに記録している際に、開閉検出部によってカード保護蓋が開状態になったことを検出すると、所定の通知画像を表示装置に表示することにより、メモリカードを抜き去らないようにユーザに対して通知する通知部とを設けるようにした。
【0011】
これにより、記録処理中にメモリカードを抜き去らないようにユーザを促すことができる。
【0012】
メモリカードを収納するメモリカード収納部に対して開閉可能であり、開状態においてカード収納部を露出させてメモリカードをカード収納部から抜き差し可能な状態にする一方、閉状態においてカード収納部を覆いメモリカードを抜き差し不可能な状態にするカード保護蓋の開閉状態を検出する開閉検出ステップと、データをメモリカードに記録している際に、カード保護蓋が開状態になったことを検出すると、メモリカードを抜き去らないようにユーザに対して通知する通知ステップとを設けるようにした。
【0013】
これにより、記録処理中にメモリカードを抜き去らないようにユーザを促すことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、記録処理中にメモリカードを抜き去らないようにユーザを促すことができるため、簡易な構成で、記録処理中におけるメモリカードの抜去を抑制し得るメモリカード記録装置、映像記録装置及び抜去禁止通知方法を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0016】
(1)カムコーダの全体構成
図1において1は、カムコーダの外観構成を示し、主に光学系などを有する本体部2と例えばLCD(Liquid Crystal Display)などでなる表示部3とから構成されている。この本体部2及び表示部3は、回転接続部4を介して水平方向及び鉛直方向の2方向に回転自在に連結されており、ユーザの好みに応じた角度に表示部3を配置させ得るようになされている。
【0017】
このカムコーダ1は、レンズ群6を介して取り込んだ撮像光に基づく映像データを撮像画像として表示部3に表示することにより、当該撮像画像をユーザに視認させながら、映像データ及び音声データでなる撮像データをカード保護蓋7の内部に収納されたメモリカード100に記録撮像データとして記録するようになされている。
【0018】
図2に示すように、カムコーダ1は、図示しないマイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)から構成される制御部10がカムコーダ1の全体を統括的に制御するようになされている。制御部10は、ROMに格納されている基本プログラムや抜去禁止通知プログラム等をRAMに展開することによって、これらのプログラムに基づいて各種処理や後述する抜去禁止通知処理等を実行するようになされている。
【0019】
制御部10は、電源回路12を介してバッテリ13又は商用電源に接続されたAC電源プラグ14から電源の供給を受けて稼動する。制御部10は、ユーザの操作部5への操作入力に応じて電源をONに入力する旨の操作入力信号が供給されると、電源スイッチ15をONに切り替えて各部に電源を供給し、ユーザによる録画開始指示を待ち受ける待機モードに移行する。
【0020】
すなわち制御部10は、レンズ群6から撮像光を取り込むと共に、当該レンズ群6を通過してCCD(Charge-Coupled device)などでなる受光部21上に結像させる。受光部21は、この結像した撮像光を光電変換し、撮像信号として映像信号処理部20へ供給する。
【0021】
映像信号処理部20は、撮像信号に対してガンマ補正処理やAGC(Auto Gain Control)処理、及びアナログデジタル変換処理を施すことにより、映像データを生成し、重畳部24に送出する。
【0022】
また制御部10は、現在のバッテリ13の残量、現在のモード(すなわち待機モード)などに基づいてカムコーダ1の現在の状況を表す状況情報を表示する旨の要求信号を画面情報処理部23に送出する。画面情報処理部23は図示しないROMから対応する画像データを読み出し、これを状況情報として重畳部24に送出する。
【0023】
重畳部24は、映像データに状況情報を重畳して表示用映像データを生成し、表示部3に送出する。この結果図3に示すように、表示部3に当該表示用映像データに基づく待機中画面50が表示される。
【0024】
この待機画面50には、カムコーダ1が現在取り込んでいる(すなわち撮像している)撮像光に基づく撮像画像が表示されると共に、画面最上部の帯状でなる状況情報表示領域DSに状況情報が表示される。状況情報表示領域DSでは、現在のバッテリ残量を表す残量アイコンBIを「白色」で表示されていると共に、現在のモードが待機モード(すなわち「スタンバイ」状態)であることを表す待機文字列STが、現在待機モードであることを表す「緑色」で表示されている。
【0025】
一方制御部10(図2)は、メモリカード100が装填された状態で、ユーザの操作部5を介した操作入力により、撮像中の映像データを記録する旨の操作入力信号が当該操作部5から供給されると、記録モードに移行し、記録処理を開始する。
【0026】
すなわち制御部10は、マイク部26によって集音されたカムコーダ1周辺の音声を音声信号として音声信号処理部27へ供給する。音声信号処理部27は、制御部10からの制御信号に基づいて、音声信号に対して各種補正処理、AGC処理及びアナログデジタル変換処理を施して音声データを生成し、当該音声データを記録処理部28へ送出する。
【0027】
また制御部10は、待機モードのときと同様にして映像信号処理部20によって映像データを生成すると、これを重畳部24及び記録処理部28へ送出する。
【0028】
記録処理部28は、音声信号処理部26から供給される音声データ及び映像信号処理部から供給される映像データを基に記録撮像データを生成し、これをタイムコードTTと対応付けてメモリカード100に記録する。
【0029】
また制御部10は、録画開始から現在までの録画時間及び現在のバッテリ13の残量、現在のモード(すなわち記録モード)などに基づく状況情報の表示を要求する要求信号を画面情報処理部23に送出する。画面情報処理部23は図示しないROMから対応する画像データを読み出し、これを状況情報として重畳部24に送出する。
【0030】
重畳部24は、映像データに状況情報を重畳して表示用映像データを生成し、表示部3に送出する。この結果図4に示すように、表示部3に当該表示用映像データに基づく録画中画面51が表示される。
【0031】
この録画中画面51には、撮像中の撮像画像が表示されると共に、状況情報表示領域DSに状況情報が表示される。状況情報表示領域DSでは、残量アイコンBIと映像フレームごとに与えられる録画開始時刻からの経過時間又は総録画時間の情報であるタイムコードTTが「白色」で表示されていると共に、現在のモードが記録処理中であることを表す記録文字列RT及び記録中アイコンRIが、現在記録処理中であることを表す「赤色」でそれぞれ表示されている。
【0032】
他方制御部10(図2)は、メモリカード100が装填された状態で、ユーザの操作部5を介した操作入力により、メモリカード100に記録されている記録撮像データを再生する旨の操作入力信号が当該操作部5から供給されると、再生モードに移行し、再生処理を開始する。
【0033】
すなわち制御部10は、記録処理部28を介してメモリカード100から記録撮像データ及びタイムコードTTを読み出すと、当該記録撮像データから映像データ及びタイムコードTTを抽出し、画面情報処理部23を介して重畳部24へ送出する。重畳部24は、記録撮像データ及びタイムコードTTなどを重畳して再生撮像データを生成し、これを表示部3に送出する。この結果、表示部3には図示しない再生画面が表示される。
【0034】
また制御部10は、記録撮像データから音声データを抽出し、音声出力部34によって当該音声データに基づく出力音声信号を生成し、スピーカ35に送出する。この結果、当該スピーカ35から記録撮像データに基づく音声が出力される。
【0035】
なお表示部3は、タッチパネル機能を有しており、接触認識部3Aによってユーザの表示部3への接触を検出することができる。
【0036】
このようにしてカムコーダ1は、記録開始の指示を待ち受ける待機モード、撮像データをメモリカード100に記録する記録モード、メモリカード100から記録データを読み出して再生する再生モードを切り替え得るようになされている。
【0037】
(2)メモリカードの収納
図1に示したように、カムコーダ1の底部分にはカード保護蓋7が設けられており、当該カード保護蓋7の内部にメモリカード100を収納するようになされている。次に、このメモリカード100の収納について図5を用いて説明する。なお図5では、図1における水平方向を紙面上下方向として示している。
【0038】
カムコーダ1では、回転部7Aを支点とした回転動作により、カード収納部30に対して取り付けられたカード保護蓋7を開閉させる。
【0039】
カムコーダ1では、図5(A)に示すように、当該カード保護蓋7が開状態のときにカード収納部30を露出させて当該メモリカード100を抜き差し可能な状態にする。
【0040】
一方、図5(B)に示すようにカムコーダ1は、カード保護蓋7が閉状態のときにカード収納部30を覆って密閉し、カード収納部30に収納されるメモリカード100を抜き差し不可能な状態にすると共に、当該メモリカード100を衝撃などから保護するようになされている。
【0041】
このカード収納部30(図5(A))の内部にはカード挿入口31が設けられており、このカード挿入口31にメモリカード100が挿入されることにより、カムコーダ1にメモリカード100が装填される。このカード挿入口31にはメモリカード100の抜き差しを物理的に禁止するロック機構は設けられておらず、カード保護蓋7が開状態であれば任意のタイミングでユーザにメモリカード100を抜き差しさせることができる。
【0042】
またカード収納部30の側壁30Aには、蓋保持爪32が設けられている。この蓋保持爪32は、全体として弾性を有する板ばねでなり、開状態においてその先端部分の突起部32Aが側壁30Aから一部突出している。
【0043】
側壁30Aの内部には、蓋保持爪32が押し下げられたか否かを検出する開閉スイッチでなる開閉検出部34(図2)が設置されている。
【0044】
すなわち蓋保持爪32は、開状態(図5(A))において、外部から力が加わらないため押し下げられることがなく、このとき開閉検出部34は、現在カード保護蓋7が開状態であることを検出することができる。
【0045】
そしてカード保護蓋7の蓋側部7Bがカード挿入口31と側壁30Aとの間に嵌入され、カード保護蓋7が閉状態(図5(B))に移行する際、蓋保持爪32は側壁30Aの内部に押し下げられ、このとき開閉検出部34は、カード保護蓋7が閉状態であることを検出することができる。
【0046】
また閉状態において蓋保持爪32は、その弾性によってカード保護蓋7を保持する。この蓋保持爪32は、振動や軽い衝撃などによってカード保護蓋7が開動作することを防止できる一方、例えばユーザが指をカード保護蓋7に置いた状態で図中の矢印方向に力を加えることにより、カード保護蓋7が簡単に開動作し得る程度にその弾性が選定されている。
【0047】
これによりカムコーダ1は、ユーザの意図したときだけ、かつ簡単にカード保護蓋7をユーザに開閉動作させて、ユーザにメモリカード100を自由に挿入させ又は抜き去らせることができるため、メモリカード100を自由に抜き差しできるという一般的な認識を有するユーザに対して違和感を与えないようになされている。
【0048】
(3)抜去禁止通知処理
上述したようにカムコーダ1では、メモリカード100に記録撮像データを記録処理している最中にメモリカード100がカード挿入口31から抜き去られてしまうと、記録処理中の記録撮像データ全てが損失してしまったり、最悪の場合にはメモリカードのファイルフォーマットを破壊して全記録データが消失してしまったりする場合もあり得る。
【0049】
そこで本実施の形態では、記録撮像データの記録処理中にカード保護蓋7が閉状態から開状態にされると、メモリカード100が抜き去られて記録撮像データが損失する危険性があると判断し、メモリカード100を抜き去らないようにユーザに通知する抜去禁止通知処理を実行する。
【0050】
(3−1)記録処理中における抜去禁止通知処理
すなわちカムコーダ1の制御部10は、記録撮像データの記録処理中にカード保護蓋7が閉状態から開状態へ移行したことにより、開閉検出部34から蓋開きイベントトリガが供給されると、抜去警告画像データを表示する旨の要求信号を画面情報処理部23に送出する。
【0051】
画面情報処理部23は、図示しないROMから抜去警告画像データを読み出し、これを状況情報と共に重畳部24に送出する。重畳部24は、映像信号処理部20から供給される映像データに対して状況情報及び抜去警告画像データを重畳して表示用映像データを生成し、表示部3に供給する。
【0052】
この結果図6に示すように、表示部3には、録画中画面51(図4)の中央部分に、抜去警告画像データに基づく抜去警告画像ECが重畳された抜去警告画面55が表示される。この抜去警告画像ECは、枠内が「青色」で表示されると共に、その中央部分に「書き込み中です メモリカードを抜かないでください」という警告文が「白抜き」で表示されており、さらにこの当該警告文の右下に「OK」と記載されたOKボタンBOが表示されている。
【0053】
画面情報処理部23は、映像データの中央部分を隠し、当該映像データよりも抜去警告画像ECを優先して表示することにより、ユーザに対して警告文を確実に視認させることができ、ユーザによるメモリカード100の抜去を効果的に抑制することができる。
【0054】
また画面情報処理部23は、記録中アイコンRI及び録画文字列RTを「赤色」で表示しているのに対し、抜去警告画像ECを対称的な「青色」で表示することにより、ユーザに対して通常の録画中画面51から大きく変化したという強い印象を与えることができ、ユーザに対して一層効果的に警告することができる。
【0055】
さらに画面情報処理部23は、抜去警告画面55の中央部分にのみ抜去警告画像ECを表示することにより、抜去警告画像ECと共に現在記録中の映像データの外周部分をユーザに視認させることができるため、ユーザに記録撮像データの撮像範囲を確認させながら警告文を視認させることができる。
【0056】
また画面情報処理部23は、メモリカード100の抜去によって記録撮像データが損失する危険性を通知するのではなく、メモリカード100の抜去をしないようにユーザに対して直接的に促すことにより、記録撮像データが失われるという恐怖感をユーザに感じさせることなく、効果的にユーザの行動を制することができる。
【0057】
そして画面情報処理部23は、図示しないカウンタによって抜去警告画像ECの表示を開始してからの表示時間をカウントし、当該表示時間が5秒に到達すると、5秒経過イベントトリガを生成し、制御部10に送出する。
【0058】
制御部10は、5秒経過イベントトリガが供給されると、抜去警告画像ECを消去して縮小警告画像データを表示する旨の要求信号を画面情報処理部23に送出する。このとき画面情報処理部23は、図示しないROMから縮小警告画像データ及び当該縮小警告画像データを読み出し、これらを状況情報と共に重畳部24に送出する。重畳部24は、映像データに対して状況情報及び縮小警告画像データを重畳して表示用映像データを生成し、表示部3に供給する。
【0059】
この結果図7に示すように、表示部3には、録画中画面51に対して縮小警告画像データに基づく蓋開きアイコンCIが重畳された縮小警告画面56が表示される。この縮小警告画面56では、状況情報表示領域DSの中央部分にカード保護蓋7が開状態であることを示す蓋開き警告アイコンCIが「オレンジ色」で表示される。
【0060】
画面情報処理部23は、状況情報表示領域DS内に色の異なる蓋開き警告アイコンCIを表示することにより、周囲に表示された状況情報から蓋開き警告アイコンCIを浮き立たせ、カード保護蓋7が開状態であることをユーザに強く認識させ得るようになされている。
【0061】
また画面情報処理部23は、状況情報表示領域DSに蓋開きアイコンCIを表示することにより、ユーザが状況情報を確認する際に当該蓋開きアイコンCIを視認させて効果的にカード保護蓋7が開状態であることをユーザに認識させ得ると共に、バッテリ残量アイコンBIなど他のアイコン類から分散させずに近傍の場所に集めて表示することにより、撮像画像を隠す場所を限定して当該撮像画像を極力視認させやすい状態に保つことができる。
【0062】
さらに画面情報処理部23は、メモリカード100を抜き去らないよう促すアイコンではなく、カード保護蓋7が開状態であることを表す蓋開き警告アイコンCIを表示することにより、メモリカード100を主体的に抜き去る気のないユーザに対してカード保護蓋7を閉めるように促すことができ、何らかの事故によって誤ってメモリカード100がカード挿入口31から抜き去られてしまうことを効果的に防止することができる。
【0063】
ところで、表示部3に抜去警告画面55(図6)が表示された状態で、ユーザによってOKボタンBOが押下されると、表示部3の接触認識部3Aは、抜去表示縮小イベントトリガを生成し、制御部10に送出する。
【0064】
制御部10は、抜去警告画像ECを消去して縮小警告画像データを表示する旨の要求信号を画面情報処理部23に送出することにより、5秒経過イベントトリガが供給されたときと同様に、表示部3に縮小警告画面56(図7)を表示させる。
【0065】
これにより画面情報処理部23は、ユーザの好みに応じた任意のタイミングで抜去警告画像ECを蓋開き警告アイコンCIに切り替えて表示することができるため、抜去警告画像ECの存在が煩わしいとユーザに極力感じさせないようになされている。
【0066】
また表示部3に縮小警告画面56が表示された状態で、ユーザによって蓋開き警告アイコンCIが押下されると、表示部3の接触認識部3Aは、抜去警告拡大イベントトリガを生成し、制御部10に送出する。
【0067】
制御部10は、蓋開き警告アイコンCIを消去して抜去警告画像データを表示する旨の要求信号を画面情報処理部23に送出することにより、蓋開きイベントトリガが供給されたときと同様に、表示部3に抜去警告画面55を表示させる。
【0068】
これにより画面情報処理部23は、ユーザの好みに応じた任意のタイミングで蓋開き警告アイコンCIを抜去警告画像ECに切り替えて表示することができるため、ユーザが蓋開き警告アイコンCIの意味合いを忘れてしまった場合であっても、ユーザに蓋開き警告アイコンCIを押下させるだけでいつでも抜去警告画面55を表示させることができ、ユーザにカード保護蓋7が開状態であることを一段と確実に認識させ得るようになされている。
【0069】
(3−2)記録開始時における抜去禁止通知処理
カムコーダ1の制御部10は、待機モードにおいて、カード保護蓋7が閉状態であるか否かを常に監視する。そして制御部10は、ユーザの操作部5を介した操作に応じて記録処理を開始する旨の記録開始イベントトリガが操作部5から供給されると、記録開始時における抜去禁止通知処理を実行する。
【0070】
制御部10は、カード保護蓋7が開状態であると認識した場合、抜去警告画像データを表示する旨の要求信号を画面情報処理部23に送出することにより、上述した蓋開きイベントトリガのときと同様に、表示部3に抜去警告画面55(図6)を表示させ、記録処理を開始する。
【0071】
これによりカムコーダ1は、カード保護蓋7が開状態であれば、記録処理を開始する直前においても、抜去警告画面55を表示することができ、ユーザにメモリカード100を抜き去らないでほしい旨を通知し得るようになされている。
【0072】
また制御部10は、カード保護蓋7が閉状態にあるものの、メモリカード100が装填されていないと認識した場合、未挿入警告画像データを表示する旨の要求信号を画面情報処理部23に送出する。このとき画面情報処理部23は、図示しないROMから未挿入警告画像データを読み出し、これを状況情報と共に重畳部24に送出する。重畳部24は、映像データに対して状況情報及び未挿入警告画像データを重畳して表示用映像データを生成し、表示部3に供給する。
【0073】
この結果図8に示すように、表示部3には未挿入警告画面57が表示される。未挿入警告画面55は、待機中画面50(図3)の中央部分に、未挿入警告画像データに基づく未挿入警告画像NCが重畳されてなる。この未挿入警告画像NCは、抜去警告画像ECと同様に枠内が「青色」で表示されると共に、その中央部分に「メモリカードを入れてください」という警告文を「白抜き」で表示している。
【0074】
これによりカムコーダ1は、メモリカード100が装填されていないことをユーザに認識させることができる。また状況情報表示領域DSに待機文字列ST「スタンバイ」と表示された待機中画面50に未挿入警告画像NCを重畳するため、ユーザに録画処理が開始されていないことをも確認させ得るようになされている。
【0075】
(4)抜去禁止通知処理手順
次に、抜去禁止通知プログラムに従って実行される記録開始時及び記録処理中における抜去禁止通知処理手順RT1及びRT2について、図9及び図10に示すフローチャートを用いて説明する。
【0076】
(4−1)記録開始時における抜去禁止通知処理手順
ユーザの操作部5に対する操作入力に応じて待機モードに移行する旨の要求がなされると、カムコーダ1の制御部10は、記録開始時における抜去禁止通知処理手順RT1(図9)を開始し、次のステップSP1へ移る。
【0077】
ステップSP1において、制御部10は、イベントトリガの供給を待ち受け、イベントトリガの供給を受けると次のステップSP2へ移る。
【0078】
ステップSP2において、制御部10は、カード保護蓋7が開状態にあるか否かを判別する。ここでカムコーダ1は、肯定結果が得られた場合にはステップSP3へ、否定結果が得られた場合にはステップSP8へそれぞれ移る。
【0079】
ステップSP3及びステップSP8において、制御部10は、ステップSP1において得られたイベントトリガの中に記録開始イベントが含まれているか否かについて判別する。ここで否定結果が得られた場合、このことはメモリカード100の抜去によるデータ損失の危険性が存在しないことを表しており、このとき制御部10は、ステップSP1へ戻り、処理を継続する。
【0080】
これに対してステップSP3において肯定結果が得られた場合、このことは記録処理を開始するにも拘らずカード保護蓋7が開状態であるため、メモリカード100の抜去によるデータ損失の危険性が存在することを意味しており、このとき制御部10は、次のステップSP4へ移る。
【0081】
ステップSP4において、制御部10は、画像情報処理部23に抜去警告画像データを表示する旨の要求信号を送出することにより、表示部3に抜去警告画像EC(図6)を表示させると、次のステップSP5へ移り、画像情報処理部23に抜去警告画像ECの表示を開始してからの表示時間のカウントを開始させ、次のステップSP9へ移る。
【0082】
これに対してステップSP8において肯定結果が得られた場合、このことは記録処理の開始に際してカード保護蓋7が閉状態であり、メモリカード100が抜き去られる可能性自体が存在しないことを表しており、このとき制御部10は、次のステップSP9へ移る。
【0083】
ステップSP9において、制御部10は、記録処理を開始すると、記録処理中における抜去禁止通知処理手順RT2の開始ステップへ移る。
【0084】
(4−2)記録処理中における抜去禁止通知処理手順
記録処理を開始したカムコーダ1の制御部10は、記録処理中における抜去禁止通知処理手順RT2(図10)のステップSP20へ移って、イベントトリガの供給を待ち受け、当該イベントトリガが供給されると、次のステップSP21へ移る。
【0085】
ステップSP21において、制御部10は、ステップSP20において発生したイベントトリガに5秒経過イベントトリガが含まれているか否かについて判別し、否定結果が得られた場合には、次のステップSP24へ移る。
【0086】
これに対してステップ21において肯定結果が得られた場合、このことは抜去警告画像ECを表示してから5秒間経過したことを表しており、このとき制御部10は、次のステップSP22へ移り、表示部3に表示されている抜去警告画像ECを消去して蓋開き警告アイコンCIを表示すると、ステップSP23へ移って画像情報処理部23による表示時間のカウントを停止させ、次のステップSP24へ移る。
【0087】
ステップSP24において、制御部10は、ステップSP20において発生したイベントトリガに記録停止イベントが含まれているか否かについて判別し、否定結果が得られた場合には、次のステップSP25へ移る。
【0088】
ステップSP25において、制御部10は、カード保護蓋7が開状態であるか否かについて判別し、否定結果が得られた場合には、次のステップSP26へ移る。
【0089】
ステップSP26において、制御部10は、ステップSP20において発生したイベントトリガに蓋開きイベントトリガが含まれているか否かについて判別する。
【0090】
ここで否定結果が得られた場合、このことはカード保護蓋7が閉状態であるためメモリカード100の抜去の可能性がないことを表しており、このとき制御部10は、ステップSP20へ戻り、処理を継続する。
【0091】
これに対してステップSP26において肯定結果が得られた場合、このことはカード保護蓋7が閉状態から開状態に移行したため、メモリカード100の抜去による記録撮像データの損失の危険性があることを表しており、このとき制御部10は、次のステップSP27へ移る。
【0092】
ステップSP27において、制御部10は、画像情報処理部23に抜去警告画像データを表示する旨の要求信号を送出することにより、抜去警告画像ECを表示部3に表示させると、次のステップSP28に移り、画像情報処理部23に当該抜去警告画像ECの表示時間のカウントを開始させると、ステップSP20に戻って処理を継続する。
【0093】
これに対してステップSP25において肯定結果が得られた場合、このことは現在カード保護蓋7が開状態にあることを表しており、次のステップSP29へ移る。
【0094】
ステップSP29において、制御部10は、ステップSP20において発生したイベントトリガに蓋閉じイベントトリガが含まれているか否かについて判別し、否定結果が得られた場合には、次のステップSP30へ移る。
【0095】
ステップSP30において、制御部10は、現在表示部3に抜去警告画像ECが表示されているか否かについて判別し、肯定結果が得られた場合にはステップSP31へ移る。
【0096】
ステップSP31において、制御部10は、ステップSP20において発生したイベントトリガに抜去警告縮小イベントが含まれているか否かについて判別し、肯定結果が得られた場合、このことは抜去警告画像ECにおけるOKボタンBO(図6)をユーザが押下したことを表しており、このとき制御部10は、次のステップSP32へ移る。
【0097】
これに対してステップSP31において否定結果が得られた場合、このことはステップSP20において発生したイベントトリガにカード保護蓋7に関するイベントトリガが含まれていないことを表しており、このとき制御部10は、ステップSP20に戻って処理を継続する。
【0098】
ステップSP32において、制御部10は、画像情報処理部23に抜去警告画像データを消去して縮小警告画像データを表示する旨の要求信号を送出することにより、抜去警告画像ECを消去して蓋開き警告アイコンCIを表示部3に表示させると、ステップSP33へ移って画像情報処理部23に表示時間のカウントを停止させ、ステップSP20へ戻って処理を継続する。
【0099】
これに対してステップSP30において否定結果が得られた場合、制御部10はステップSP34へ移り、ステップSP20において発生したイベントトリガに抜去警告拡大イベントトリガが含まれているか否かについて判別する。
【0100】
ここで肯定結果が得られた場合、このことは縮小警告画面56(図7)における蓋開き警告アイコンCIをユーザが押下したことを表しており、このとき制御部10は、次のステップSP35へ移る。
【0101】
ステップSP35において、制御部10は、縮小警告画像データを消去して抜去警告画像データを表示する旨の要求信号を画像処理部23に送出することにより、蓋開き警告アイコンCIを消去して抜去警告画像ECを表示部3に表示させると、ステップSP20に戻って処理を継続する。
【0102】
これに対してステップSP34において否定結果が得られた場合、このことはステップSP20において発生したイベントトリガにカード保護蓋7に関するイベントトリガが含まれていないことを表しており、このとき制御部10は、ステップSP20に戻って処理を継続する。
【0103】
またステップSP29において肯定結果が得られた場合、このことはカード保護蓋7が閉状態に移行したことを表しており、このとき制御部10は、次のステップSP37へ移り、画像情報処理部23に抜去警告画像データ又は縮小警告画像データを消去する旨の要求信号を送出することにより、表示部3に表示されていた抜去警告画像EC又は蓋開き警告アイコンICを消去すると、次のステップSP38へ移る。
【0104】
ステップSP38において、制御部10は、画像情報処理部23に表示時間のカウントを停止させると、ステップSP20へ戻って処理を継続する。
【0105】
そしてステップSP24において肯定結果が得られた場合、このことは記録停止イベントトリガが供給されたため記録処理を停止する必要があることを表しており、このとき制御部10は、次のステップSP41へ移り、現在表示部3に抜去警告画像ECを表示中であるか否かについて判別する。
【0106】
ここで肯定結果が得られた場合、このことは記録処理を停止するためもはや抜去警告画像ECを表示する必要がないことを表しており、このとき制御部10は、次のステップSP42へ移り、画像情報処理部23に抜去警告画像データを消去する旨の要求信号を溶出することにより、表示部3から抜去警告画像ECを消去して次のステップSP43へ移る。
【0107】
ステップSP43において、制御部10は、画像情報処理部23に抜去警告画像ECの表示時間のカウントを停止させると、終了ステップに移って記録処理を終了する。
【0108】
またステップSP41において否定結果が得られた場合、このことは表示部3に抜去警告画像ECが表示されていないことを表しており、このとき制御部10は、終了ステップに移って記録処理を終了する。
【0109】
(5)動作及び効果
以上の構成において、カムコーダ1は、メモリカード100を収納するカード収納部30と、メモリカード100にデータとしての撮像データを記録する記録処理部28と、開閉可能であり、開状態においてカード収納部30を露出させてメモリカード100をカード収納部30から抜き差し可能な状態にする一方、閉状態においてカード収納部30を覆いメモリカード100の抜き差し不可能な状態にするカード保護蓋7と、当該カード保護蓋7の開閉状態を検出する開閉検出部34と、撮像データをメモリカード100に記録している際に、開閉検出部34によってカード保護蓋7が開状態になったことを検出すると、抜去警告画像ECを表示することにより、メモリカード100を抜き去らないようにユーザに対して通知するようにした。
【0110】
これによりカムコーダ1は、撮像データを記録している際、カード保護蓋7が開いてユーザがメモリカード100を抜き去る可能性がある場合にのみユーザに対して所定の警告画像である抜去警告画像ECを表示するため、カード保護蓋7が開く度に抜去警告画像ECを表示する場合と比較して、抜去警告画像ECの表示回数を必要最小限に抑制することができ、抜去警告画像ECをユーザに対して強く印象付けることができる。
【0111】
またカムコーダ1は、抜去警告画像ECを表示してユーザにメモリカード100を抜き去らないように通知するだけに留めるため、従来のカード保護蓋が開状態であることを検出するとユーザの意思に拘らず一切の記録処理を禁止する方法とは異なり、何らかの事故によってカード保護蓋が開状態となっただけで自動的に記録処理を中断してしまい、ユーザの撮像機会を逸しさせたり、カード保護蓋が破損するだけで撮像における記録処理を禁止してしまい、一切の記録処理ができなくなってしまうことがない。
【0112】
さらにカムコーダ1は、レンズ群6を介して受光した撮像光に基づく映像データを撮像画像として表示部3に表示してユーザに常時視認させながら、この表示中の映像データをメモリカード100に記録する映像記録装置でなるため、撮像の際にユーザが常時視認する表示部3に所定の通知画像である抜去警告画像ECを表示することにより、メモリカード100を抜き去らないでほしい旨をユーザに対して確実に通知することができる。
【0113】
またカムコーダ1は、文字によってメモリカード100の抜き去りを禁止する旨を直接的に表現した警告文を有する抜去警告画像ECを表示装置である表示部3に表示することにより、ユーザに抜去警告画像ECの通知内容を明確に伝えることができる。
【0114】
さらにカムコーダ1は、表示部3に表示されるべき表示画像である撮像画像よりも優先して抜去警告画像ECを表示し、当該抜去警告画像ECを表示してから所定の表示時間である5秒間が経過すると、当該抜去警告画像ECよりも撮像画像を優先し、抜去警告画像ECよりも小さい縮小警告画像である蓋開きアイコンCIを表示することにより、ユーザによる被写体の撮像に支障をきたさせることなくカード保護蓋7が閉状態にされるまで、ユーザに対して常に通知し続けることができる。
【0115】
またカムコーダ1は、メモリカード100を抜き去らないでほしい旨をユーザに対して確実に通知した後、メモリカード100を抜き去らなかったユーザに対してカード保護蓋7が未だ開状態であることを通知することができ、メモリカード100の抜去を抑制するのに加えて、カード保護蓋7を閉状態にするようにユーザを促すことができる。
【0116】
さらに静止画像データを断続的に記録するデジタルスチルカメラとは異なり、記録処理中の動画像データが連続的に記録され、メモリカード100の抜去による撮像データの損失が甚大になり易いカムコーダ1に対して抜去禁止通知処理を実行させるため、抜去禁止通知処理による効果(メモリカード100の抜去によるデータ損失の抑制)を最大限に発揮させることができる。
【0117】
またカムコーダ1は、表示部3に警告画像を表示することにより、音声を出力したりカムコーダ1を振動させたりする場合とは異なり、記録撮像データに影響を与えることがない。
【0118】
以上の構成によれば、カムコーダ1は、メモリカード100に対する撮像データの記録中に、カード保護蓋7が開状態になることによりメモリカード100が抜き差し可能な状態になったことを検出すると、ユーザに対してメモリカード100を抜き去らないように通知することにより、簡易な構成で、記録処理中におけるメモリカードの抜去を抑制し得るメモリカード記録装置、映像記録装置及び抜去禁止通知方法を実現できる。
【0119】
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、青地に白抜きの文字でなる警告文を有する抜去警告画像EC(図6)を表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図11に示すように、「白地」でなる枠内に「黒」文字でなる警告文を有し、外周部分を蓋開き警告アイコンCIと同じ「オレンジ」色でなる外枠ERで囲んだ抜去警告画像ECzを表示するようにしても良い。カムコーダ1は、外枠ERを蓋開き警告アイコンCIと同一の色で表示することにより、縮小警告画面56における蓋開き警告アイコンCIと抜去警告画像ECzとの関連性をユーザに認識させることができる。またカムコーダ1は、抜去警告画像ECの内部に蓋開き警告アイコンCIを表示することによっても、縮小警告画面56における蓋開き警告アイコンCIと抜去警告画像ECzとの関連性をユーザに一段と強く認識させることができる。
【0120】
また上述の実施の形態においては、中心部分に抜去警告画像ECを重畳した抜去警告画面55を表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図12に示すように、抜去警告画面62を表示するようにしても良い。この抜去警告画面62では、撮像画像の右下部分に抜去警告画像ECyが重畳されており、記録している映像データにおける中心部分のほとんどをユーザに視認させることができ、ユーザの望む撮像データを撮像させ易くできる。また抜去警告画像ECy内に例えばイエローカードや工事現場など、警告の際に使用されることが多い黄色地に黒字でなる警告マークCMを点滅表示させることにより、ユーザに抜去警告画像ECyを注視させて警告の効果をより一層高めることができる。
【0121】
またカムコーダ1は、図13に示す抜去警告画面63を表示するようにして良い。この抜去警告画面63では、ほぼ全面に抜去警告画像ECxが表示され、当該抜去警告画像ECxの手前に撮像画像が縮小して表示されている。これによりカムコーダ1は、現在撮像中の映像データの全体を視認させながらユーザにデータ損失の危険性を認識させ得る。また、カムコーダ1は、例えばエクスクラメーションマークのように、注意を呼びかける意味を有するシンボルマークCSを抜去警告画像ECx内に表示することにより、ユーザに対して直感的に注意を呼びかけることができる。さらにカムコーダ1は、抜去警告画像ECxと同時に蓋開き警告アイコンCIを表示するようにしても良い。
【0122】
さらに上述の実施の形態においては、状況情報表示領域DSに蓋開き警告アイコンCIを有する縮小警告画面56を表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図14に示すように、「メモリカードの蓋が開いています」という警告文が記載された帯状でなる縮小警告画像CCを有する縮小警告画面64を表示するようにしても良い。これによりカード保護蓋7が開状態であることを一層強くユーザに通知し続けることができる。
【0123】
また図15に示すように、状況情報表示領域DS以外の領域に蓋開きアイコンCIを表示しても良く、さらに蓋開きアイコンCIを点滅表示しても良い。これにより、周囲に他のアイコン類がない状態で蓋開きアイコンCIを表示するため、当該蓋開きアイコンCIの存在をユーザに強く認識させることができる。
【0124】
さらに上述の実施の形態においては、抜去警告画像ECを表示してから5秒間経過すると蓋開きアイコンCIの表示に切り替えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば1分毎に抜去警告画像ECと蓋開きアイコンCIとを定期的に切り替えて表示するようにしても良い。
【0125】
さらに上述の実施の形態においては、図5に示したように回転部7Aの回転動作によってカード保護蓋7が開閉動作するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばカード保護蓋7をスライドさせるスライド機能を有し、カード保護蓋7をスライドさせてから回転部を回転動作させるようにしても良く、ユーザによる簡易な操作によって開閉動作できれば、その構成に制限はない。
【0126】
さらに上述の実施の形態においては、抜去警告画像ECを表示することによりユーザに対してメモリカード100を抜き去らないように通知するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば表示部3の近傍に設けられたLED(Light Emitting Diode)を点灯させるようにしても良い。
【0127】
さらに上述の実施の形態においては、映像記録装置でなるカムコーダ1に本発明を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばデータストレージとしての携帯電話やメモリカードリードライタなど、メモリカード100にデータを記録する各種メモリカード記録装置に適用するようにしても良い。この場合、例えばメモリカード記録装置を振動させることにより、ユーザに対してメモリカード100を抜き去らないように通知するようにすることができる。
【0128】
さらに上述の実施の形態においては、動画像データでなる映像データ及び音声データを記録するカムコーダ1に本発明を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば音声データを記録する音声記録装置や、静止画像データを記録するデジタルスチルカメラに本発明を適用するようにしても良く、この場合であっても上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0129】
さらに上述の実施の形態においては、抜去禁止通知処理プログラム等をROMに予め格納するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、メモリースティック(ソニー株式会社の登録商標)などの外部記憶媒体からROMなどにインストールするようにしても良い。また、抜去禁止通知処理プログラム等をUSB(Universal Serial Bus)やEthernet(登録商標)、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/gなどの無線LAN(Local Area Network)を介して外部から取得するようにしても良い。
【0130】
さらに上述の実施の形態においては、カード収納部としてのカード収納部30と、記録処理部としての記録処理部28と、カード保護蓋としてのカード保護蓋7と、開閉検出部としての開閉検出部34と、通知部としての制御部10及び画像情報処理部23とによってメモリカード記録装置としてのカムコーダ1を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなるカード収納部と、記録処理部と、カード保護蓋と、開閉検出部と、通知部とによって本発明のメモリカード記録装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、各種メモリカード記録装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】カムコーダの外観構成を示す略線図である。
【図2】カムコーダの回路構成を示す略線的ブロック図である。
【図3】待機中画面を示す略線図である。
【図4】録画中画面を示す略線図である。
【図5】カード保護蓋の開閉を示す略線図である。
【図6】抜去警告画像の表示の説明に供する略線図である。
【図7】抜去警告アイコンの表示の説明に供するである。
【図8】未挿入警告画像の表示の説明に供する略線図である。
【図9】記録開始時における抜去禁止通知処理手順の説明に供するフローチャートである。
【図10】記録処理時における抜去禁止通知処理手順の説明に供するフローチャートである。
【図11】他の実施の形態による抜去警告画像の表示(1)の説明に供する略線図である。
【図12】他の実施の形態による抜去警告画像の表示(2)の説明に供する略線図である。
【図13】他の実施の形態による抜去警告画像の表示(3)の説明に供する略線図である。
【図14】他の実施の形態による縮小警告画像の表示(1)の説明に供する略線図である。
【図15】他の実施の形態による縮小警告画像の表示(2)の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
【0133】
1……カムコーダ、2……本体部、3……表示部、5……操作部、7……カード保護蓋、10……制御部、20……映像信号処理部、23……画面情報処理部、24……重畳部、28……記録処理部、30……カード収納部、31……カード挿入口、32……蓋保持爪、55……抜去警告画面、56……縮小警告画面、100……メモリカード、DS……状況情報表示領域、EC……抜去警告画像、BO……OKボタン、CI……蓋開きアイコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリカードを収納するカード収納部と、
上記メモリカードにデータを記録する記録処理部と、
上記カード収納部に対して開閉可能であり、開状態において上記カード収納部を露出させて上記メモリカードを上記カード収納部から抜き差し可能な状態にする一方、閉状態において上記カード収納部を覆い上記メモリカードを抜き差し不可能な状態にするカード保護蓋と、
上記カード保護蓋の開閉状態を検出する開閉検出部と、
上記データを上記メモリカードに記録している際に、上記開閉検出部によって上記カード保護蓋が上記開状態になったことを検出すると、上記メモリカードを抜き去らないようにユーザに対して通知する通知部と
を具えることを特徴とするメモリカード記録装置。
【請求項2】
上記通知部は、
所定の警告画像を表示装置に表示することにより、上記メモリカードを抜き去らないようにユーザに対して通知する
ことを特徴とする請求項1に記載のメモリカード記録装置。
【請求項3】
上記通知部は、
上記表示装置に表示されるべき表示画像よりも優先して上記警告画像を表示し、上記警告画像を表示してから所定の表示時間が経過すると、上記警告画像よりも上記表示画像を優先して当該警告画像よりも小さい所定の縮小警告画像を表示する
ことを特徴とする請求項2に記載のメモリカード記録装置。
【請求項4】
上記通知部は、
ユーザの操作に応じて上記警告画像又は上記縮小警告画像を切り替えて表示する
ことを特徴とする請求項3に記載のメモリカード記録装置。
【請求項5】
上記通知部は、
上記警告画像又は上記縮小警告画像を定期的に切り替えて表示する
ことを特徴とする請求項3に記載のメモリカード記録装置。
【請求項6】
上記通知部は、
上記メモリカードに上記データの記録を開始する際に、上記開閉検出部によって上記カード保護蓋が上記開状態であることを検出すると、上記メモリカードを抜き去らないようにユーザに対して通知する
ことを特徴とする請求項1に記載のメモリカード記録装置。
【請求項7】
レンズを介して受光した撮像光に基づく動画像データを表示する表示部と、
メモリカードを収納するカード収納部と、
上記メモリカードに上記動画像データを記録する記録処理部と、
上記カード収納部に対して開閉可能であり、開状態において上記カード収納部を露出させて上記メモリカードを上記カード収納部から抜き差し可能な状態にする一方、閉状態において上記カード収納部を覆い上記メモリカードを抜き差し不可能な状態にするカード保護蓋と、
上記カード保護蓋の開閉状態を検出する開閉検出部と、
上記データを上記メモリカードに記録している際に、上記開閉検出部によって上記カード保護蓋が上記開状態になったことを検出すると、所定の通知画像を表示装置に表示することにより、上記メモリカードを抜き去らないようにユーザに対して通知する通知部と
を具えることを特徴とする映像記録装置。
【請求項8】
メモリカードを収納するメモリカード収納部に対して開閉可能であり、開状態において上記カード収納部を露出させてメモリカードを上記カード収納部から抜き差し可能な状態にする一方、閉状態において上記カード収納部を覆い上記メモリカードを抜き差し不可能な状態にするカード保護蓋の開閉状態を検出する開閉検出ステップと、
データを上記メモリカードに記録している際に、上記カード保護蓋が上記開状態になったことを検出すると、上記メモリカードを抜き去らないようにユーザに対して通知する通知ステップと
を具えることを特徴とする抜去禁止通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−226045(P2008−226045A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65654(P2007−65654)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】