説明

メンテナンス方法、メンテナンス機器、露光装置、及びデバイス製造方法

【課題】液体の汚染を防止できる露光装置のメンテナンス方法を提供する。
【解決手段】露光装置は、液体を供給する供給口(12)及び液体を回収する回収口(22)のうち少なくとも一方を有するノズル部材(70)を有している。容器(31)に収容された洗浄用液LKにノズル部材(70)を浸漬することによって、ノズル部材(70)を洗浄する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置のメンテナンス方法、メンテナンス機器、露光装置、及びデバイス製造方法に関するものである。
本願は、2004年12月6日に出願された特願2004−353093号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス、液晶表示デバイス等のマイクロデバイスの製造工程の一つであるフォトリソグラフィ工程では、マスク上に形成されたパターンを感光性の基板上に投影露光する露光装置が用いられる。この露光装置は、マスクを支持するマスクステージと基板を支持する基板ステージとを有し、マスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながらマスクのパターンを投影光学系を介して基板に投影露光するものである。マイクロデバイスの製造においては、デバイスの高密度化のために、基板上に形成されるパターンの微細化が要求されている。この要求に応えるために露光装置の更なる高解像度化が望まれている。その高解像度化を実現するための手段の一つとして、下記特許文献1に開示されているような、投影光学系と基板との間の露光光の光路空間を液体で満たし、液体を介して露光処理を行う液浸法が案出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第99/49504号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液浸法に基づいて露光処理を行う場合、液浸用のノズル部材など、液体と接触している部材に異物が付着するなどして汚染されると、その部材が所望の性能を維持できなくなる可能性がある。また、液体に接触する部材が汚染されると、その部材に接触することによって液体が汚染される可能性がある。汚染された液体が露光光の光路空間を満たす場合、液体を介した露光精度及び計測精度の劣化を招く。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、液体と接触する部材の所望の性能を維持できる露光装置のメンテナンス方法及びメンテナンス機器を提供することを目的とする。また、液体を介して精度良く露光処理及び計測処理を行うことができる露光装置、及びその露光装置を用いるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
【0007】
本発明の第1の態様に従えば、基板(P)上に液浸領域(LR)を形成し、該液浸領域(LR)の第1液体(LQ)を介して基板(P)上に露光光(EL)を照射することにより基板(P)を露光する露光装置(EX)のメンテナンス方法において、露光装置(EX)は、第1液体(LQ)を供給する供給口(12)及び第1液体(LQ)を回収する回収口(22)のうち少なくとも一方を有するノズル部材(70)を有し、ノズル部材(70)を洗浄するために、所定の容器(31)に収容された第2液体(LK)にノズル部材(70)を浸漬するメンテナンス方法が提供される。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、所定の容器に収容された第2液体にノズル部材を浸漬することで、ノズル部材を洗浄することができる。したがって、ノズル部材の性能劣化を防止することができる。
【0009】
本発明の第2の態様に従えば、基板(P)上に液浸領域(LR)を形成し、該液浸領域(LR)の第1液体(LQ)を介して、基板(P)上に露光光(EL)を照射することにより基板(P)を露光する露光装置(EX)のメンテナンス機器において、露光装置(EX)は、第1液体(LQ)を供給する供給口(12)及び第1液体(LQ)を回収する回収口(22)のうち少なくとも一方を有するノズル部材(70)を有し、ノズル部材(70)を洗浄するために、第2液体(LK)にノズル部材(70)を浸漬する浸漬部(31)を備えたメンテナンス機器(30A〜30E)が提供される。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、浸漬部によってノズル部材を第2液体に浸漬することで、ノズル部材を洗浄することができる。したがって、ノズル部材の性能劣化を防止することができる。
【0011】
本発明の第3の態様に従えば、光学部材(LS1)の光射出側の光路空間(K1)を第1液体(LQ)で満たして、光学部材(LS1)と第1液体(LQ)とを介して基板(P)上に露光光(EL)を照射して基板(P)を露光する露光装置において、露光装置(EX)内で第1液体(LQ)に接触する所定部材(70、LS1など)を洗浄するために、第2液体(LK)に所定部材(70、LS1など)を浸漬する浸漬部(31)を備えた露光装置(EX)が提供される。
【0012】
本発明の第3の態様によれば、浸漬部によって所定部材を第2液体に浸漬することで、所定部材を洗浄することができる。したがって、所定部材の性能劣化を防止することができる。
【0013】
本発明の第4の態様に従えば、上記態様の露光装置(EX)を用いるデバイス製造方法が提供される。
【0014】
本発明の第4の態様によれば、第1液体の汚染が防止された露光装置を使ってデバイスを製造できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、液体を介した露光処理及び計測処理を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】メンテナンス機器及び方法の第1実施形態を説明するための図である。
【図4】第1実施形態に係るメンテナンス方法の一例を説明するためのフローチャート図である。
【図5】メンテナンス機器及び方法の第2実施形態を説明するための図である。
【図6】メンテナンス機器及び方法の第3実施形態を説明するための図である。
【図7】メンテナンス機器及び方法の第4実施形態を説明するための図である。
【図8】メンテナンス機器及び方法の第5実施形態を説明するための図である。
【図9】メンテナンス機器及び方法の第6実施形態を説明するための図である。
【図10】メンテナンス機器及び方法の第7実施形態を説明するための図である。
【図11】マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0018】
<露光装置>
露光装置の一実施形態について図1及び図2を参照しながら説明する。図1は露光装置EXの一実施形態を示す概略構成図、図2は投影光学系PLの像面側先端近傍を示す拡大図である。図1及び図2において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージMSTと、基板Pを保持して移動可能な基板ステージPSTと、マスクステージMSTに保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板ステージPSTに保持されている基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。
【0019】
本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、投影光学系PLの像面側における露光光ELの光路空間K1を液体LQで満たすための液浸機構1を備えている。液浸機構1は、投影光学系PLの像面近傍に設けられ、液体LQを供給する供給口12及び液体LQを回収する回収口22を有するノズル部材70と、ノズル部材70に設けられた供給口12を介して投影光学系PLの像面側に液体LQを供給する液体供給機構10と、ノズル部材70に設けられた回収口22を介して投影光学系PLの像面側の液体LQを回収する液体回収機構20とを備えている。ノズル部材70は、投影光学系PLを構成する複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い第1光学素子LS1の近傍に配置されており、その第1光学素子LS1を囲むように環状に形成されている。
【0020】
露光装置EXは、少なくともマスクMのパターンの像を基板P上に投影している間、液体供給機構10から供給した液体LQにより投影光学系PLの投影領域ARを含む基板P上の一部に、投影領域ARよりも大きく且つ基板Pよりも小さい液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する局所液浸方式を採用している。具体的には、露光装置EXは、投影光学系PLの像面に最も近い第1光学素子LS1の下面LSAと、投影光学系PLの像面側に配置された基板P上面との間の光路空間K1を液体LQで満たし、この投影光学系PLと基板Pとの間の液体LQ及び投影光学系PLを介してマスクMを通過した露光光ELを基板Pに照射することによってマスクMのパターンの像を基板Pに投影する。制御装置CONTは、液体供給機構10を使って基板P上に液体LQを所定量供給するとともに、液体回収機構20を使って基板P上の液体LQを所定量回収することで、基板P上に液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する。
【0021】
本実施形態では、露光装置EXとしてマスクMと基板Pとをそれぞれの走査方向に同期移動しつつマスクMに形成されたパターンを基板Pに露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)を使用する場合を例にして説明する。以下の説明において、水平面内においてマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向(非走査方向)、X軸及びY軸方向に垂直で投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。なお、ここでいう「基板」は半導体ウエハ等の基材上に感光材(レジスト)を塗布したものを含み、「マスク」は基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。
【0022】
照明光学系ILは、露光用光源、露光用光源から射出された光束の照度を均一化するオプティカルインテグレータ、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光するコンデンサレンズ、リレーレンズ系、及び露光光ELによるマスクM上の照明領域を設定する視野絞り等を有している。マスクM上の所定の照明領域は照明光学系ILにより均一な照度分布の露光光ELで照明される。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においてはArFエキシマレーザ光が用いられる。
【0023】
本実施形態においては、液浸領域LRを形成する液体LQとして純水が用いられている。純水は、ArFエキシマレーザ光のみならず、例えば、水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)も透過可能である。
【0024】
マスクステージMSTは、マスクMを保持して移動可能である。マスクステージMSTは、マスクMを真空吸着(又は静電吸着)により保持する。マスクステージMSTは、制御装置CONTにより制御されるリニアモータ等を含むマスクステージ駆動装置の駆動により、マスクMを保持した状態で、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微少回転可能である。マスクステージMST上には移動鏡91が設けられている。また、移動鏡91に対向する位置にはレーザ干渉計92が設けられている。マスクステージMST上のマスクMの2次元方向の位置、及びθZ方向の回転角(場合によってはθX、θY方向の回転角も含む)はレーザ干渉計92によりリアルタイムで計測される。レーザ干渉計92の計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、レーザ干渉計92の計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置を駆動し、マスクステージMSTに保持されているマスクMの位置制御を行う。
【0025】
投影光学系PLは、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率βで基板Pに投影するものであって、複数の光学素子で構成されており、それら光学素子は鏡筒PKで保持されている。本実施形態において、投影光学系PLは、投影倍率βが例えば1/4、1/5、あるいは1/8の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。投影光学系PLを構成する複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い第1光学素子LS1は、鏡筒PKより露出している。
【0026】
第1光学素子LS1は螢石で形成されている。なお、第1光学素子LS1は石英であってもよい。第1光学素子LS1は、光路空間K1に満たされる液体LQと接触する。螢石は、液体(水)LQとの親和性が高いため(親液性であるため)、第1光学素子LS1の下面(液体接触面)LSAと液体LQとを良好に密着させることができ、第1光学素子LS1と基板Pとの間の光路空間K1を液体LQで確実に満たすことができる。なお、第1光学素子LSを石英で形成してもよい。また、第1光学素子LS1の下面LSAに、MgF、Al、SiO等を被覆する等、第1光学素子LS1の下面LSAを親液性(親水性)にする親液化処理を施してもよい。
【0027】
基板ステージPSTは、基板Pを保持する基板ホルダPHを有しており、基板ホルダPHを介して基板Pを保持する。基板ステージPSTは、投影光学系PLの像面側に配置されており、その投影光学系PLの像面側において移動可能である。基板ホルダPHは、例えば真空吸着等により基板Pを保持する。基板ステージPST上には凹部96が設けられており、基板Pを保持するための基板ホルダPHは凹部96に配置されている。そして、基板ステージPSTの凹部96以外の上面95は、基板ホルダPHに保持された基板Pの上面とほぼ同じ高さ(面一)になるような平坦面(平坦部)となっている。
【0028】
基板ステージPSTは、制御装置CONTにより制御されるリニアモータ等を含む基板ステージ駆動装置の駆動により、基板Pを基板ホルダPHに保持した状態でXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。更に基板ステージPSTは、Z軸方向、θX方向、及びθY方向にも移動可能である。したがって、基板ステージPSTに支持された基板Pの上面は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。基板ステージPSTの側面には移動鏡93が設けられている。また、移動鏡93に対向する位置にはレーザ干渉計94が設けられている。基板ステージPST上の基板Pの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計94によりリアルタイムで計測される。また、露光装置EXは、例えば特開平8−37149号公報に開示されているような、基板ステージPSTに支持されている基板Pの上面の面位置情報を検出する斜入射方式のフォーカス・レベリング検出系(不図示)を備えている。フォーカス・レベリング検出系は、基板Pの上面の面位置情報(Z軸方向の位置情報、及び基板PのθX及びθY方向の傾斜情報)を検出する。なお、フォーカス・レベリング検出系は、液浸領域LRの液体LQを介して基板Pの面位置情報を検出するものであってもよいし、液浸領域LRの外側で液体LQを介さずに基板Pの面位置情報を検出ものであってもよいし、液体LQを介して基板Pの面位置情報を検出するものと液体LQを介さずに基板Pの面位置情報を検出するものとを併用したものであってもよい。また、フォーカス・レベリング検出系は、静電容量型センサを使った方式のものを採用してもよい。レーザ干渉計94の計測結果は制御装置CONTに出力される。フォーカス・レベリング検出系の検出結果も制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、フォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいて、基板ステージ駆動装置を駆動し、基板Pのフォーカス位置(Z位置)及び傾斜角(θX、θY)を制御して基板Pの上面を投影光学系PLの像面に合わせ込むとともに、レーザ干渉計94の計測結果に基づいて、基板PのX軸方向、Y軸方向、及びθZ方向における位置制御を行う。
【0029】
露光装置EXは、マスクステージMST、基板ステージPST、及び投影光学系PLを、第1定盤101、第2定盤102、及び鏡筒定盤103のそれぞれを介して支持するメインコラム100を備えている。メインコラム100は、床面FD上に設けられたベース110上に設置されている。メインコラム100には、内側に向けて突出する上側段部100A及び下側段部100Bが形成されている。照明光学系ILは、メインコラム100の上部に固定された支持フレーム120により支持されている。
【0030】
メインコラム100の上側段部100Aには、エアマウント等を含む防振装置105を介して第1定盤101が支持されている。マスクステージMSTの下面には非接触軸受である気体軸受(エアベアリング)125が複数設けられている。マスクステージMSTはエアベアリング125により第1定盤101の上面(ガイド面)に対して非接触支持されており、マスクステージ駆動装置の駆動により、第1定盤101上で、XY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。また、マスクステージMST及び第1定盤101の中央部にはマスクMのパターン像を通過させる開口部が形成されている。防振装置105によって、ベース110(床面FD)および、メインコラム100の振動が、マスクステージMSTを非接触支持する第1定盤101に伝わらないように、第1定盤101とメインコラム100及びベース110(床面FD)とが振動的に分離されている。
【0031】
投影光学系PLを保持する鏡筒PKの外周にはフランジ104が設けられており、投影光学系PLはこのフランジ104を介して鏡筒定盤103に支持されている。鏡筒定盤103とメインコラム100の下側段部100Bとの間にはエアマウント等を含む防振装置107が配置されており、投影光学系PLを支持する鏡筒定盤103はメインコラム100の下側段部100Bに防振装置107を介して支持されている。防振装置107によって、ベース110(床面FD)及びメインコラム100の振動が、投影光学系PLを支持する鏡筒定盤103に伝わらないように、鏡筒定盤103とメインコラム100及びベース110(床面FD)とが振動的に分離されている。
【0032】
基板ステージPSTの下面には複数の非接触軸受である気体軸受(エアベアリング)126が設けられている。また、ベース110上には、エアマウント等を含む防振装置106を介して第2定盤102が支持されている。基板ステージPSTはエアベアリング126により第2定盤102の上面(ガイド面)に対して非接触支持されており、基板ステージ駆動装置の駆動により、第2定盤102上で、XY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。防振装置106によって、ベース110(床面FD)およびメインコラム100の振動が、基板ステージPSTを非接触支持する第2定盤102に伝わらないように、第2定盤102とメインコラム100及びベース110(床面FD)とが振動的に分離されている。
【0033】
液浸機構1のノズル部材70は、メインコラム100の下側段部100Bに支持機構140を介して支持されている。支持機構140は、ノズル部材70を投影光学系PLに対して所定の位置関係で支持するものである。支持機構140に支持されたノズル部材70は、上述のように、投影光学系PLのうち第1光学素子LS1近傍に配置されており、その第1光学素子LS1を囲むように環状に形成されている。また、支持機構140は、第1光学素子LS1とノズル部材70との間に所定の隙間(ギャップ)が形成されるように、ノズル部材70を支持している。
【0034】
ノズル部材70を支持機構140を介して支持しているメインコラム100と、投影光学系PLを支持している鏡筒定盤103とは、防振装置107を介して振動的に分離されている。したがって、ノズル部材70の振動が投影光学系PLに伝達されることは防止されている。また、メインコラム100と、マスクステージMSTを支持している第1定盤101とは、防振装置105を介して振動的に分離されている。したがって、ノズル部材70の振動がマスクステージMSTに伝達されることが防止されている。また、メインコラム100と、基板ステージPSTを支持している第2定盤102とは、防振装置106を介して振動的に分離している。したがって、ノズル部材70の振動が基板ステージPSTに伝達されることが防止されている。
【0035】
また、鏡筒定盤103には、上述のフォーカス・レベリング検出系、基板P上のアライメントマークを検出するオフ・アクシス方式のアライメント系など不図示の計測系も支持されており、これらの計測系も、メインコラム100およびノズル部材70と振動的に分離されることになる。
【0036】
次に、液浸機構1について説明する。ノズル部材70は、液体LQを供給する供給口12及び液体LQを回収する回収口22を有している。供給口12及び回収口22はノズル部材70の下面70Aに形成されている。ノズル部材70の下面70Aは、基板Pの上面及び基板ステージPSTの上面95と対向可能な位置に設けられている。ノズル部材70は、第1光学素子LS1の側面を囲むように設けられた環状部材であって、供給口12は、ノズル部材70の下面70Aにおいて、投影光学系PLの第1光学素子LS1(投影光学系PLの光軸AX)を囲むように複数設けられている。また、回収口22は、ノズル部材70の下面70Aにおいて、第1光学素子LS1に対して供給口12よりも外側に離れて設けられており、第1光学素子LS1及び供給口12を囲むように環状に設けられている。
【0037】
なお、本実施形態においては、ノズル部材70は、供給口12と回収口22とを備えているが、供給口と回収口とをそれぞれ別のノズル部材に設けてもよい。また、投影光学系PLの第1光学素子の近傍に配置されたノズル部材で液体LQの回収を行う必要がない場合には、ノズル部材70に供給口だけを設ければよい。
【0038】
ノズル部材70は、ステンレス鋼、あるいはチタンなどによって形成されている。ノズル部材70も、第1光学素子LS1と同様、光路空間K1に満たされる液体LQと接触するが、これら材料を用いることにより、ノズル部材70の下面(液体接触面)70Aと液体LQとを良好に密着させることができ、基板Pとの間で、液浸領域LRを良好に形成することができる。また、第1光学素子LS1と基板Pとの間の光路空間K1を液体LQで確実に満たすことができる。また、第1光学素子LS1と同様、ノズル部材70の下面70Aに親液化処理を施してもよい。
【0039】
液体供給機構10は、液体LQをノズル部材70の供給口12を介して投影光学系PLの像面側に供給するためのものであって、液体LQを送出可能な液体供給部11と、液体供給部11にその一端を接続する供給管13とを備えている。供給管13の他端はノズル部材70に接続されている。ノズル部材70の内部には、供給管13の他端と供給口12とを接続する内部流路(供給流路)14が形成されている。供給流路14の一端はノズル部材70の側面に設けられており、供給管13の他端と接続している。一方、供給流路14の他端は、ノズル部材70の下面70Aに形成された供給口12に接続されている。ここで、ノズル部材70の内部に形成された供給流路14は、複数の供給口12のそれぞれにその他端を接続可能なように途中から分岐している。
【0040】
液体供給部11は、純水製造装置、供給する液体(純水)LQの温度を調整する温調装置、液体LQを収容するタンク、加圧ポンプ、及び液体LQ中の異物を取り除くフィルタユニット等を備えている。図には、一例として温調装置17が示されている。液体供給部11の液体供給動作は制御装置CONTにより制御される。なお純水製造装置として、露光装置EXに純水製造装置を設けずに、露光装置EXが配置される工場の純水製造装置を用いるようにしてもよい。また、液体供給機構10のタンク、加圧ポンプ、フィルタユニット等は、その全てを露光装置EXが備えている必要はなく、露光装置本体EXが設置される工場等の設備を代用してもよい。
【0041】
液体回収機構20は、投影光学系PLの像面側の液体LQをノズル部材70の回収口22を介して回収するためのものであって、液体LQを回収可能な液体回収部21と、液体回収部21にその一端を接続する回収管23とを備えている。回収管23の他端はノズル部材70に接続されている。ノズル部材70の内部には、回収管23の他端と回収口22とを接続する内部流路(回収流路)24が形成されている。回収流路24の一端はノズル部材70の側面に設けられており、回収管23の他端と接続している。一方、回収流路24の他端は、ノズル部材70の下面70Aに形成された回収口22に接続されている。ここで、ノズル部材70の内部に形成された回収流路24は、回収口22に対応するように平面視環状に形成された環状流路と、その環状流路の一部と回収管23の他端とを接続するマニホールド流路とを備えている。
【0042】
液体回収部21は、例えば真空ポンプ等の真空系(吸引装置)、回収された液体LQと気体とを分離する気液分離器、及び回収した液体LQを収容するタンク等を備えている。なお、液体回収機構20の真空系、気液分離器、タンク等は、その全てを露光装置EXが備えている必要はなく、露光装置本体EXが設置される工場等の設備を代用してもよい。
【0043】
なお図1では、ノズル部材70のみが支持機構140によって支持されているように図示されているが、そのノズル部材70に接続する供給管13及び回収管23も支持機構140によって支持されてもよい。
【0044】
また、液体回収機構20は、回収した液体LQに対して所定の処理を施す処理装置26を備えている。処理装置26は、回収した液体LQを清浄にするものであって、例えばフィルタユニット、蒸留装置等を備えている。液体回収機構20は、処理装置26で処理した後の液体LQを戻し管27を介して液体供給機構10に戻す。本実施形態における露光装置EXは、液体供給機構10と液体回収機構20との間で液体LQを循環する循環系を備えており、液体回収機構20で回収された液体LQは、液体供給機構10の液体供給部11に戻される。
【0045】
ここで、図2を参照しながら基板Pについて説明する。基板Pは、基材2と、その基材2の上面の一部に被覆された感光材3とを有している。基材2は、例えばシリコンウエハ(半導体ウエハ)を含むものである。感光材3は、基材2の上面の中央部の殆どを占める領域に、所定の厚み(例えば200nm程度)で被覆されている。
【0046】
基板Pと液浸領域LRの液体LQとが接触すると、基板Pの一部の成分が液体LQへ溶出する。例えば、感光材3として化学増幅型レジストが使われている場合、その化学増幅型レジストは、ベース樹脂、ベース樹脂中に含まれる光酸発生剤(PAG:Photo Acid Generator)、及びクエンチャーと呼ばれるアミン系物質を含む。そのような感光材3が液体LQに接触すると、感光材3の一部の成分、具体的にはPAG、アミン系物質等が液体LQ中に溶出する。また、基材2と液体LQとが接触した場合にも、基材2を構成する物質によっては、基材2の一部の成分(シリコン)が液体LQ中に溶出する可能性がある。
【0047】
このように、基板Pに接触した液体LQは、基板Pより発生した不純物を含んでいる可能性がある。また液体LQは、大気中の不純物(ガスを含む)を含んでいる可能性もある。したがって、液体回収機構20により回収される液体LQは、種々の不純物を含んでいる可能性がある。そこで、液体回収機構20は、回収した液体LQの一部を処理装置26で清浄にした後、その清浄化された液体LQを液体供給機構10に戻す。なお、本実施形態の液体回収機構20は、回収した液体LQの残りの一部を液体供給機構10に戻さずに、排出管28を介して露光装置EXの外部に排出(廃棄)する。液体供給機構10の液体供給部11に戻された液体LQは、純水製造装置で精製された後、再び投影光学系PLの像面側の光路空間K1に供給される。液体供給機構10は、液体回収機構20より戻された液体LQを投影光学系PLの像面側に再び供給し、液浸露光のために再利用する。なお、液体回収機構20は、回収した液体LQの全部を液体供給機構10に戻してもよい。
【0048】
なお、露光装置EXは、液体回収機構20で回収した液体LQを液体供給機構10に戻さずに、別の供給源より供給された液体LQ、あるいは水道水を純水製造装置で精製した後、投影光学系PLの像面側に供給するようにしてもよい。
【0049】
そして、制御装置CONTは、液体供給機構10を使って基板P上に液体LQを所定量供給するとともに、液体回収機構20を使って基板P上の液体LQを所定量回収することで、基板P上に液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する。液体LQの液浸領域LRを形成する際、制御装置CONTは、液体供給部11及び液体回収部21のそれぞれを駆動する。制御装置CONTの制御のもとで液体供給部11から液体LQが送出されると、その液体供給部11から送出された液体LQは、供給管13を流れた後、ノズル部材70の供給流路14を介して、供給口12より投影光学系PLの像面側に供給される。また、制御装置CONTのもとで液体回収部21が駆動されると、投影光学系PLの像面側の液体LQは回収口22を介してノズル部材70の回収流路24に流入し、回収管23を流れた後、液体回収部21に回収される。
【0050】
<露光方法>
次に、上述した露光装置EXを使って基板Pを露光する方法に着いて説明する。基板Pの液浸露光を行うとき、制御装置CONTは、液浸機構1によって投影光学系PLと基板Pとの間の露光光ELの光路空間K1を液体LQで満たして基板P上に液体LQの液浸領域LRを形成する。制御装置CONTは、投影光学系PLと基板Pとの間の液体LQ及び投影光学系PLを介してマスクMを通過した露光光ELを基板Pに照射することによってマスクMのパターンの像を基板Pに投影する。露光装置EXは、基板ステージPSTに保持されている基板Pに対するステップ・アンド・スキャン方式の液浸露光を行う。
【0051】
図2などに示すように、液体LQは、第1光学素子LS1の下面(液体接触面)LSA及びノズル部材70の下面(液体接触面)70Aと基板Pとの間の露光光ELの光路空間K1を含む空間を満たす。すなわち、液体LQは、基板Pに接触するとともに、第1光学素子LS1の下面LSA、ノズル部材70の下面70Aなどにも接触する。
【0052】
上述のように、基板Pに接触した液体LQは、基板Pなどから発生した不純物を含んでいる。したがって、その不純物を含んだ液体LQがノズル部材70に接触すると、液体LQ中の不純物がノズル部材70に付着して、ノズル部材70が汚染される可能性がある。特に、ノズル部材70の回収口22近傍および回収流路24においては不純物が付着しやすい。また、回収口22に多孔体が設けられている場合、その多孔体にも不純物が付着することとなる。そして、その不純物が付着した状態を放置しておくと、液体LQの回収動作が不安定になるばかりでなく、光路空間K1に清浄な液体LQが供給されたとしても、汚染しているノズル部材70等に接触することで、供給された液体LQが汚染されてしまう。
【0053】
そこで、メンテナンス機器を使って、ノズル部材70のメンテナンス(洗浄)が行われる。以下、メンテナンス機器を使ってノズル部材70をメンテナンスする方法について説明する。
【0054】
<メンテナンス機器及び方法の第1実施形態>
図3は、ノズル部材70をメンテナンスするメンテナンス機器の第1実施形態を示す図である。ノズル部材70は、メンテナンス機器30Aによってメンテナンス(洗浄)される。図3において、メンテナンス機器30Aは、洗浄用液LKを収容可能な容器31を備えている。メンテナンス機器30Aは、ノズル部材70を洗浄するために、容器31に収容された洗浄用液LKにノズル部材70を浸漬する。メンテナンス機器30Aは、容器31に収容されている洗浄用液LKにノズル部材70を浸漬し、ノズル部材70に付着している不純物を除去あるいは溶解することによって、ノズル部材70を洗浄する。
【0055】
容器31内の洗浄用液LKにノズル部材70を浸漬することにより、ノズル部材70の下面(液体接触面)70Aおよび側面(あるいは上面)を洗浄することができる。また、容器31内の洗浄用液LKにノズル部材70を浸漬することにより、供給口12及び回収口22のそれぞれを介して供給流路14及び回収流路24に洗浄用液LKが流入するので、供給流路14及び回収流路24の内側も洗浄することができる。また、容器31に収容された洗浄用液LKにノズル部材70を浸漬する場合、ノズル部材70と回収管23との接続を解除しておくことにより、ノズル部材70の回収流路24には、その一端側(回収管23側)と他端側(回収口22側)との双方から洗浄用液LKが流入するため、回収流路24全体を円滑に洗浄することができる。同様に、ノズル部材70と供給管13との接続を解除しておくことにより、ノズル部材70の供給流路14の一端側及び他端側の双方から洗浄用液LKを流入させることができる。このように、容器31を備えたメンテナンス機器30Aを使って洗浄用液LKにノズル部材70を浸漬することにより、ノズル部材70を良好に洗浄することができる。
【0056】
本実施形態においては、ノズル部材70は支持機構140で支持された状態で、容器31に収容された洗浄用液LKに浸漬される(なお図3には支持機構140は示されていない)。これにより、ノズル部材70を支持機構140(露光装置EX)から取り外すことなく洗浄用液LKに浸漬することができる。すなわち、ノズル部材70の取り外し作業を行うことなくノズル部材70を洗浄することができ、洗浄後(メンテナンス後)の取り付け作業を行う必要もないため、メンテナンス作業(洗浄作業)の作業性を向上することができ、作業時間を短縮することができる。
【0057】
また、支持機構140に支持されているノズル部材70は、第1光学素子LS1の近傍に配置されているため、メンテナンス機器30Aは、第1光学素子LS1をノズル部材70と一緒に浸漬することができる。したがって、第1光学素子LS1に付着している不純物を、ノズル部材70に付着している不純物と一緒に除去することができ、ノズル部材70と第1光学素子LS1とを効率良く一緒に洗浄することができる。
【0058】
洗浄用液LKは、液浸露光用の液体LQとは異なるものであり、本実施形態においては洗浄用液LKとして、イソプロピルアルコール(IPA)が使用されている。IPAを用いることにより、ノズル部材70及び第1光学素子LS1に及ぼす影響を抑えつつ、ノズル部材70及び第1光学素子LS1に付着している不純物を除去し、ノズル部材70及び第1光学素子LS1を良好に洗浄することができる。
【0059】
なお、ノズル部材70及び第1光学素子LS1に及ぼす影響が少なく、且つノズル部材70及び第1光学素子LS1に付着している不純物を除去(溶解)して洗浄可能であれば、洗浄用液LKは適宜選択することができる。すなわち、洗浄用液LKは、ノズル部材70の材質、第1光学素子LS1の材質、及び付着している不純物の物性などに応じて適宜選択することができる。
【0060】
また、容器31は、洗浄用液LKを汚染しない材料によって形成されている。ここで、「洗浄用液LKを汚染しない」とは、洗浄用液LKに対して容器31の一部の成分が溶出することが抑制されている状態である。本実施形態において、容器31を形成する材料としては、ステンレス鋼あるいはポリ四フッ化エチレン(テフロン(登録商標))などが挙げられる。これにより、容器31に洗浄用液LKを収容した場合、容器31から洗浄用液LKに対する物質の溶出を防止することができ、洗浄用液LKの汚染を防止することができる。
【0061】
本実施形態においては、メンテナンス機器30Aの容器31は、ノズル部材70と接続可能な接続部32を有している。また、ノズル部材70の上面には、容器31の接続部32と接続する被接続部70Sが設けられている。接続部32と被接続部70Sとが接続することで、容器31とノズル部材70とが接続される。そして、ノズル部材70と容器31とを接続部32、被接続部70Sを介して接続することにより、ノズル部材70及び第1光学素子LS1が容器31の内側に配置される。
【0062】
以上説明したように、容器31に収容された洗浄用液LKにノズル部材70を浸漬することで、ノズル部材70を洗浄することができる。したがって、ノズル部材70に接触する液浸露光用の液体LQの汚染を防止することができる。
【0063】
本実施形態の露光装置EXは、液体回収機構20で回収した液体LQを戻し管27を介して液体供給機構10に戻す構成であって、液体供給機構10と液体回収機構20との間で液体LQを循環する循環系を備えている。そのため、その循環系に洗浄用液LKを流すことによって、供給管13、温調装置17、純水製造装置などを含む液体供給機構10の流路の全体、及び回収管23、処理装置26などを含む液体回収機構20の流路の全体を洗浄することも考えられる。この場合、液体供給機構10及び液体回収機構20の流路の全体に洗浄用液LKを流した後、液浸露光処理を行う前に、液体供給機構10及び液体回収機構20の流路の全体を液体LQで完全に置換し、光路空間K1に洗浄用液LKが供給されることを防止する必要がある。ところが、液体供給機構10及び液体回収機構20の流路の全体に洗浄用液LKを流した場合、その流路を液体LQで完全に置換するためには、液浸機構1による液体LQの供給及び回収動作を長時間行う必要があり、露光装置EXの稼動率の低下を招くといった不都合が生じる。また、液体供給機構10に洗浄用液LKが流入すると、例えば液体供給機構10の純水製造装置などに影響を及ぼす可能性がある。また、多量の洗浄用液LKを要するといった不都合も生じる。液体供給機構10及び液体回収機構20の流路のうち、基板Pから発生した不純物に起因する汚染は、主にノズル部材70の回収口22近傍、回収流路24、ノズル部材70の下面70A、第1光学素子LS1の下面等に発生すると考えられるため、液体供給機構10及び液体回収機構20の流路の全体に洗浄用液LKを流すことは非効率である。
【0064】
本実施形態においては、最も汚染しやすいと考えられるノズル部材70および第1光学素子LS1を洗浄しているため、効率良く洗浄処理を行うことができ、光路空間K1に満たされる液体LQの汚染を防止することができる。そして、汚染されていない所望状態の液体LQを介して露光処理及び計測処理を良好に行うことができる。
【0065】
次に、メンテナンス手順の一例について図4のフローチャート図を参照しながら説明する。
メンテナンス機器30Aを使った洗浄処理の開始が指令されると(ステップSA1)、例えば作業者によって、洗浄用液LKを収容した容器31とノズル部材70とが接続部32を介して接続される。これにより、ノズル部材70及び第1光学素子LS1が洗浄用液LKに浸漬される(ステップSA2)。このとき、図3に示すように、基板ステージPSTは投影光学系PLの下方の位置以外の所定の退避位置に退避している。
【0066】
ノズル部材70及び第1光学素子LS1を所定時間だけ洗浄用液LKに浸漬した後、接続部32と被接続部70Sとの接続が解除される。これにより、洗浄用液LKによるノズル部材70及び第1光学素子LS1に対する浸漬処理が終了する。なお、上述の所定時間とは、ノズル部材70及び第1光学素子LS1に付着している不純物を十分に除去(溶解)することができる時間であって、例えば予め実験などによって求めておくことができる。
【0067】
ノズル部材70及び第1光学素子LS1を洗浄用液LKに浸漬した後、例えば作業者によって、液浸露光用の液体(純水)LQを収容した容器31とノズル部材70とが接続部32を介して接続される。これにより、ノズル部材70及び第1光学素子LS1が液体LQに浸漬される(ステップSA3)。こうすることにより、例えばノズル部材70の下面70A、第1光学素子LS1の下面LSAなどに残留している洗浄用液LK、あるいはノズル部材70の供給流路14、回収流路24などに残留している洗浄用液LKを除去することができる。
【0068】
次に、容器31をノズル部材70より取り外した後、第1光学素子LS1及びノズル部材70と基板ステージPSTの上面95(又は基板ホルダPHに保持されたダミー基板)とを対向した状態で、制御装置CONTが液浸機構1による液体LQの供給及び回収動作を行う(ステップSA4)。このとき、上面95(又はダミー基板)は、液体LQを汚染しない材料によって形成されていることが好ましい。「液体LQを汚染しない」とは、液体LQに対して上面95(又はダミー基板)を形成する材料の一部の成分が溶出することが抑制されている状態である。本実施形態においては、上面95(又はダミー基板)を形成する基材にはセラミックスが用いられ、その上面95の一部の領域にPFA(四フッ化エチレン(C)とパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体)を被覆する処理(表面処理)が施されている。
【0069】
液浸機構1による液体LQの供給及び回収動作を所定時間だけ行うことにより、ノズル部材70の下面70A、第1光学素子LS1の下面LSAなどに残留している洗浄用液LKをより確実に除去できるとともに、ノズル部材70の供給流路14、回収流路24などに残留している洗浄用液LKもより確実に除去できる。こうして、液浸機構1による液体LQの供給及び回収動作を所定時間だけ行った後、メンテナンスが終了する(ステップSA5)。
【0070】
なお、ステップSA4において、液浸機構1のノズル部材70の回収口22から回収された液体LQは、排出管28を介して露光装置EXの外部に全て排出(廃棄)される。こうすることにより、回収口22から回収された液体LQ中に洗浄用液LKが混在していても、洗浄用液LKが液体供給機構10に戻されることを防止できる。すなわち、上述のように、液体供給機構10に洗浄用液LKが流入すると、例えば液体供給機構10の純水製造装置などに影響を及ぼしたり、メンテナンス処理後に行われる液浸露光時に供給口12から供給される液体LQ中に洗浄用液LKが混在したりするなどの不都合が生じる。そこで、ノズル部材70の供給流路14及び回収流路24が液体LQで十分に置換されるまで、ステップSA4の処理、すなわち液浸機構1による液体LQの供給及び回収を行うことにより、上述の不都合を防止することができる。
【0071】
なお、ノズル部材70が良好に洗浄できたか否かの判断は、洗浄後、液浸機構1による液体LQの供給及び回収を行い、例えば回収口22から回収された液体LQの性質及び成分のうち少なくとも一方(液体の状態)を計測器で計測し、その計測結果に基づいて行うことができる。ここで、計測器としては、例えば全有機体炭素(TOC:total organic carbon)を計測可能なTOC計、パーティクル・バブルを計測可能なパーティクルカウンタ、溶存酸素を計測可能な溶存酸素計(DO計)等が挙げられる。もちろん、計測器としては、上述のものに限られず、液体LQの状態を表す種々の項目を計測可能なものを使用することができる。また、ノズル部材70の洗浄前における計測器の計測結果(計測値)に対してノズル部材70を洗浄後の計測器の計測結果(計測値)が改善されている場合には、ノズル部材70が良好に洗浄できたと判断することができる。一方、計測結果が改善されていない場合には、再度メンテナンス機器30Aを使った洗浄処理を行えばよい。
【0072】
<メンテナンス機器及び方法の第2実施形態>
次に、メンテナンス機器及び方法の第2実施形態について図5を参照しながら説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0073】
図5において、メンテナンス機器30Bは、洗浄用液LKを、容器31を含む循環系33で循環しつつ、ノズル部材70及び第1光学素子LS1を浸漬する。循環系33は、ポンプ等を含み、供給管35を介して容器31に洗浄用液LKを供給する循環装置34を備えており、容器31内の洗浄用液LKは回収管36を介して循環装置34に戻される。また循環装置34は、新たな(清浄な)洗浄用液LKを補給して容器31に供給する機能を有している。
【0074】
ノズル部材70及び第1光学素子LS1を洗浄する場合には、第1実施形態同様、洗浄用液LKを収容した容器31とノズル部材70とが接続部32を介して接続される。これにより、ノズル部材70及び第1光学素子LS1が洗浄用液LKに浸漬される。次いで、メンテナンス機器30Bは循環装置34を駆動する。これにより、洗浄用液LKは容器31を含む循環系33で循環される。循環装置34は新たな(清浄な)洗浄用液LKを補給する機能を有しているため、メンテナンス機器30Bは、回収管36を介して戻された洗浄用液LKの一部をメンテナンス機器30Bの外部に排出(廃棄)するとともに、新たな(清浄な)洗浄用液LKを補給しつつ循環することにより、常に清浄な洗浄用液LKでノズル部材70及び第1光学素子LS1を洗浄(浸漬)することができる。なお、循環装置34に回収管36を介して戻された洗浄用液LKを清浄にする機能を設け、回収管36を介して戻された洗浄用液LKの一部を廃棄せずに、再利用するようにしてもよい。
【0075】
また、メンテナンス機器30Bを使ってノズル部材70及び第1光学素子LS1の浸漬処理(洗浄処理)を行っているとき、液浸機構1の液体回収機構20(液体回収部21)のみを駆動し、容器31内の洗浄用液LKを、ノズル部材70の回収口22を介して回収するようにしてもよい。回収口22から回収(吸引)された洗浄用液LKは、ノズル部材70の回収流路24を流れた後、回収管23を流れ、液体回収部21に回収される。このとき、液体回収部21は、回収した洗浄用液LKの全てを排出管28を介して廃棄する。こうすることにより、液体回収機構20の流路(回収流路24、回収管23など)が洗浄用液LKで洗浄され、液体供給機構10には洗浄用液LKが供給されない(戻されない)。したがって、基板Pに接触した不純物を含む液体LQが流れることによって汚染されている可能性の高いノズル部材70の回収流路24および回収管23を良好に洗浄することができるとともに、液体供給機構10に洗浄用液LKの影響が及ぶことを防止することができる。
【0076】
ノズル部材70及び第1光学素子LS1を所定時間だけ洗浄用液LKに浸漬し、洗浄用液LKを収容した容器31をノズル部材70より取り外した後、第1実施形態同様、液浸露光用の液体(純水)LQを収容した容器31とノズル部材70とが接続部32を介して接続される。これにより、ノズル部材70及び第1光学素子LS1が液体LQに浸漬される。次いで、メンテナンス機器30Bは循環装置34を駆動する。この場合の循環装置34は、新たな(清浄な)液体(純水)LQを補給して容器31に供給する機能を有しており、容器31を含む循環系33は液体LQを循環する。循環装置34は、新たな(清浄な)液体(純水)LQを補給する機能を有しているため、回収管36を介して戻された液体(水)LQの一部をメンテナンス機器30Bの外部に排出(廃棄)するとともに、新たな(清浄な)液体(純水)LQを補給しつつ循環することにより、常に清浄な液体LQでノズル部材70及び第1光学素子LS1を洗浄(浸漬)することができる。なお、循環装置34に回収管36を介して戻された液体LQを清浄にする機能を設け、回収管36を介して戻された液体LQの一部を廃棄せずに、再利用するようにしてもよい。
【0077】
こうすることにより、例えばノズル部材70の下面70A、第1光学素子LS1の下面LSAなどに残留している洗浄用液LK、あるいはノズル部材70の供給流路14、回収流路24などに残留している洗浄用液LKを除去することができる。
【0078】
また、洗浄用液LKを用いた浸漬処理(洗浄処理)時において、洗浄用液LKを用いた浸漬処理(洗浄処理)と容器31内の洗浄用液LKを回収口22から回収する動作とを並行して行い、回収した洗浄用液LKを排出管28を介して全て排出した場合には、その後に実行される液体LQを用いた浸漬処理(洗浄処理)時においても、同様の動作を行うことが望ましい。すなわち、洗浄用液LKを用いた浸漬処理(洗浄処理)の後に、液体LQを用いた浸漬処理(洗浄処理)と容器31内の液体LQを回収口22から回収する動作とを並行して行い、回収した液体LQを排出管28を介して全て排出する。こうすることにより、回収管23などに残留していた洗浄用液LKを除去することができるとともに、液体供給機構10へ洗浄用液LKが供給される不都合を防止できる。
【0079】
次に、容器31をノズル部材70より取り外した後、上述の第1実施形態同様、投影光学系PL及びノズル部材70と基板ステージPSTの上面95(又はダミー基板)とを対向した状態で、制御装置CONTが液浸機構1による液体LQの供給及び回収動作を行う。こうすることにより、ノズル部材70の下面70A、第1光学素子LS1の下面LSA、ノズル部材70の供給流路14、回収流路24などに残留している洗浄用液LKをより確実に除去することができる。この場合においても、液浸機構1のノズル部材70の回収口22から回収された液体LQを排出管28を介して露光装置EXの外部に全て排出(廃棄)する動作を所定時間だけ行うことにより、回収口22から回収された液体LQ中に洗浄用液LKが混在していても、洗浄用液LKが液体供給機構10に戻されることを防止できる。
【0080】
<メンテナンス機器及び方法の第3実施形態>
次に、メンテナンス機器及び方法の第3実施形態について図6を参照しながら説明する。図6に示すメンテナンス機器30Cは、容器31内の洗浄用液LKに超音波を印加する超音波振動子(超音波発生装置)37を備えている。超音波振動子37は、容器31の所定位置に取り付けられている。図6に示す例では、超音波振動子37は、容器31の外側面に取り付けられている。超音波振動子37としては、ピエゾ素子、電磁式などの振動子が挙げられる。超音波振動子37は、容器31を振動(超音波加振)することで、容器31内の洗浄用液LKに超音波を印加し、ノズル部材70、第1光学素子LS1などに付着している不純物の除去(溶解)を促進する。洗浄用液LKによる浸漬処理が終了した後は、上述の実施形態同様、液体LQによる浸漬処理、及びノズル部材70及び第1光学素子LS1と基板ステージPSTの上面95(又はダミー基板)とを対向させた状態での液浸機構1による液体LQの供給及び回収などが行われる。
【0081】
なお、容器31内の洗浄用液LKに超音波を印加する動作と、第2実施形態のような循環系33を使って洗浄用液LKを循環する動作とを並行して行ってもよい。こうすることにより、より一層、ノズル部材70、第1光学素子LS1などに付着している不純物の除去(溶解)を促進することができる。
【0082】
<メンテナンス機器及び方法の第4実施形態>
次に、メンテナンス機器及び方法の第4実施形態について図7を参照しながら説明する。図7に示すメンテナンス機器30Dは、容器31を移動可能に支持する支持装置40を備えている。支持装置40は、露光装置EX内部と外部との間で容器31を移動可能であって、容器31を支持する支持台41と、支持台41と台車42とを連結する連結部材43とを備えている。支持台41は連結部材43の先端で支持され、連結部材43の他端部は台車42に接続されている。なお、支持台41と連結部材43の先端との間にアクチュエータ等を含む駆動機構を設け、連結部材43に対して支持台41をX軸、Y軸、及びZ軸方向に移動可能にしてもよい。
【0083】
メンテナンス機器30Dを使って洗浄処理を行う場合には、例えば作業者が、メンテナンス機器30Dを露光装置EX近傍に搬送する。メンテナンス機器30Dは台車42を有しているので、作業者はメンテナンス機器30Dを容易に搬送可能である。そして、連結部材43の先端部に支持されている支持台41及びその支持台41上の容器31が、ノズル部材70及び第1光学素子LS1の下方の位置に配置される。このとき、基板ステージPSTは、投影光学系PLの下方の位置以外の所定の退避位置に退避している。そして、メンテナンス機器30Dは、支持台41に支持されている容器31内に収容された洗浄用液LKに、ノズル部材70及び第1光学素子LS1を浸漬する。本実施形態においては、容器31とノズル部材70とは接続されず、支持装置40によって容器31とノズル部材70及び第1光学素子LS1とが所定の位置関係で位置決めされ、その状態で浸漬処理が行われる。洗浄用液LKによる浸漬処理が終了した後は、上述の実施形態同様、液体LQによる浸漬処理、ノズル部材70及び第1光学素子LS1と基板ステージPSTの上面95(又はダミー基板)とを対向させた状態での液浸機構1による液体LQの供給及び回収などが行われる。
【0084】
なお、支持装置40に支持されている容器31に対して、第2実施形態のような循環系33を設けてもよいし、第3実施形態のような超音波振動子37を取り付けるようにしてもよい。
【0085】
<メンテナンス機器及び方法の第5実施形態>
次に、メンテナンス機器及び方法の第5実施形態について図8を参照しながら説明する。上述の第1〜第4の実施形態においては、ノズル部材70を支持機構140で支持した状態で、洗浄用液LKに浸漬しているが、本実施形態の特徴的な部分は、ノズル部材70を支持機構140(露光装置EX)から外して、容器31内の洗浄用液LKに浸漬する点にある。すなわち、本実施形態のメンテナンス機器30Eは、露光装置EXの外部において、ノズル部材70の浸漬処理を行う。洗浄用液LKによる浸漬処理が終了した後は、ノズル部材70を支持機構140に接続する前に、液体LQを収容した容器31内にノズル部材70が配置され、液体LQにノズル部材70が浸漬される。これにより、ノズル部材70に残留している洗浄用液LKが除去される。そして、ノズル部材70に残留している洗浄用液LKが十分に除去された後、そのノズル部材と支持機構140との接続作業が行われる。
【0086】
ノズル部材70の浸漬処理を、支持機構140(露光装置EX)からノズル部材70を取り外して行うことにより、ノズル部材70の回収流路24には、一端側(回収管23側)と他端側(回収口22側)との双方から洗浄用液LKが流入するため、回収流路24全体を円滑に洗浄することができる。同様に、ノズル部材70の供給流路14の一端側及び他端側の双方から洗浄用液LKを流入させることができる。したがって、ノズル部材70を良好に洗浄することができる。
【0087】
また、ノズル部材70の浸漬処理を、支持機構140(露光装置EX)からノズル部材70を取り外して行うことにより、第1光学素子LS1は洗浄用液LKからの影響を受けない。したがって、第1光学素子LS1の材質などを考慮することなく、ノズル部材70の材質、ノズル部材70などに付着している不純物に応じた最適な洗浄用液LKを選択できるため、洗浄を良好に行うことができる。
【0088】
なお、ノズル部材70の浸漬処理を、支持機構140(露光装置EX)からノズル部材70を取り外して行った場合において、ノズル部材70が良好に洗浄されたか否かを判断する場合には、ノズル部材70の液体LQに対する接触角の測定が有効である。例えばノズル部材70の下面70A等の洗浄が良好にできたか否かを判断するとき、ノズル部材70の洗浄後、ノズル部材70を支持機構140に接続する前に、ノズル部材70表面における液体LQの接触角を測定する。洗浄が良好に行われ、不純物が十分に除去された場合には、接触角が小さくなり、すなわちノズル部材70の液体LQに対する親和性(親液性)が増す。
【0089】
<メンテナンス機器及び方法の第6実施形態>
次に、メンテナンス機器及び方法の第6実施形態について図9を参照しながら説明する。本実施形態においては、上述の第5の実施形態のようにノズル部材70を支持機構140(露光装置EX)から外した後、回収管23をメンテナンス(洗浄)する場合について説明する。
【0090】
図9に示すように、支持機構140(露光装置EX)からノズル部材70を外した場合、回収管23のノズル部材70との接続部23Sが露出する。本実施形態においては、ノズル部材70を支持機構140から外した後に、回収管23の接続部23Sと、メンテナンス機器30Fとを接続することで、回収管23を洗浄する。
【0091】
本実施形態に係るメンテナンス機器30Fは、回収管23の接続部23Sに接続可能な接続部44と、洗浄用液LKを供給可能な洗浄用液供給部45と、接続部44と洗浄用液供給部45とを接続する接続管46とを備えている。回収管23を洗浄するとき、メンテナンス機器30Fは、洗浄用液供給部45より洗浄用液LKを送出する。洗浄用液供給部45より送出された洗浄用液LKは、接続管46及び接続部44を介して、回収管23に流入する。洗浄用液供給部45が洗浄用液LKを送出するときには、液体回収部21も駆動している。したがって、回収管23の接続部23Sから流入した洗浄用液LKは、回収管23を円滑に流れる。洗浄用液LKが回収管23を流れることにより、回収管23は洗浄される。回収管23の接続部23Sより流入し、液体回収部21まで流れた洗浄用液LKは、排出管28より排出される。回収管23が洗浄用液LKによって洗浄された後、メンテナンス機器30Fは、回収管23に液体LQを供給する。このときも、液体回収部21は駆動している。これにより、回収管23に残留している洗浄用液LKを液体LQによって除去することができる。
【0092】
回収管23には基板Pなどから発生した不純物を含む液体LQが流れるため、ノズル部材70同様、回収管23も汚染しやすい。本実施形態のように、ノズル部材70を支持機構140(露光装置EX)から外した後、回収管23に洗浄用液LKを流すことで、回収管23を良好に洗浄することができる。
【0093】
<メンテナンス機器及び方法の第7実施形態>
次に、メンテナンス機器及び方法の第7実施形態について図10を参照しながら説明する。図10に示すように、支持機構140(露光装置EX)からノズル部材70を外した場合、回収管23のノズル部材70との接続部23S、及び供給管13のノズル部材70との接続部13Sが露出する。そこで、本実施形態においては、ノズル部材70を支持機構140から外した後に、供給管13の接続部13Sと回収管23の接続部23Sとを、メンテナンス機器30Gを使って接続することで、回収管23を洗浄する。
【0094】
本実施形態に係るメンテナンス機器30Gは、供給管13の接続部13Sと回収管23の接続部23Sとを接続する接続管を含む。ここで、本実施形態における液体供給部11は洗浄用液LKを供給する機能を有しており、回収管23を洗浄する場合には、液体供給部11より洗浄用液LKが送出される。液体供給部11より送出された洗浄用液LKは、供給管13を流れ、接続管(メンテナンス機器)30Gを介して、回収管23に流入する。液体供給部11が洗浄用液LKを送出するときには、液体回収部21も駆動している。したがって、供給管13及び接続管30Gを流れ、回収管23の接続部23Sから流入した洗浄用液LKは、回収管23を円滑に流れる。洗浄用液LKが回収管23を流れることにより、回収管23は洗浄される。回収管23の接続部23Sより流入し、液体回収部21まで流れた洗浄用液LKは、排出管28より排出される。回収管23が洗浄用液LKによって洗浄された後、液体供給部11は、液体LQを送出する。このときも、液体回収部21は駆動している。これにより、供給管13、回収管23などに残留している洗浄用液LKを液体LQによって除去することができる。
【0095】
<その他の実施形態>
なお、上述の第1〜第3実施形態においては、容器31は、ノズル部材70に対して接続する接続部32を有しているが、例えば容器31に、基板ステージPSTに対して接続可能な接続部を設けておき、容器31を基板ステージPSTに接続した状態で、その容器31内の洗浄用液LK(又は液体LQ)にノズル部材70及び第1光学素子LS1を浸漬するようにしてもよい。また、基板ステージPST以外の、露光装置EX内の所定の機器又は部材と容器31とを接続し、その容器31内の洗浄用液LK(又は液体LQ)にノズル部材70及び第1光学素子LS1を浸漬するようにしてもよい。
【0096】
なお、上述の第1〜第4実施形態においては、1種類の洗浄用液LKを使って浸漬処理しているが、複数種類の洗浄用液を使って浸漬処理を行ってもよい。例えば、容器に収容された第1の洗浄用液にノズル部材70及び第1光学素子LS1を浸漬し、その後、容器に収容された第2の洗浄用液にノズル部材70及び第1光学素子LS1を浸漬するようにしてもよい。この場合、例えば第1の洗浄用液として、ノズル部材70の材質に応じたものを使用し、第2の洗浄用液として、第1光学素子LS1の材質に応じたものを使用することができる。すなわち、所定の(1種類の)洗浄用液を使用した場合、ノズル部材70及び第1光学素子LS1の材質によっては、ノズル部材70に付着している不純物は除去できるが、第1光学素子LS1に付着している不純物は良好に除去できないといった状況が生じる可能性がある。そのような場合には、ノズル部材70及び第1光学素子LS1のそれぞれの材質に応じて、洗浄用液を使い分けることにより、ノズル部材70及び第1光学素子LS1のそれぞれを良好に洗浄することができる。そしてその後、上述のように、液浸露光用の液体(純水)LQで浸漬するようにすればよい。
【0097】
また、第5実施形態においても、複数種類の洗浄用液のそれぞれを使って順次浸漬処理を行ってもよい。また、本実施形態においても、容器31に循環系33を設けてもよいし、超音波振動子37を取り付けてもよい。また、第6、第7実施形態においても、複数種類の洗浄用液を回収管23に流すようにしてもよい。
【0098】
なお、上述の第1〜第7実施形態においては、感光材3に起因する不純物を主に除去するために、洗浄用液LKとしてIPAを用いているが、過酸化水素水を用いてもよいし、不純物によっては、液体LQ(純水)に所定時間浸漬することで、ノズル部材70、第1光学素子LS1などから不純物を除去する可能性もある。そのような場合には、洗浄用液LKとして、液浸露光用の液体LQと同じものを用いてもよい。洗浄用液LKとして液体(水)LQを用いた場合であっても、上述のように、例えば容器31内の超音波振動子37を取り付け、液体LQに超音波を印加することにより、ノズル部材70、第1光学素子LS1などから不純物を除去することができる。
【0099】
なお、上述の第1〜第5の実施形態において、ノズル部材70、第1光学素子LS1などの温度調整を行いながら、洗浄用液LKによる浸漬処理を行ってもよい。本実施形態における洗浄用液LKはIPAであり、洗浄用液LKに接触したノズル部材70、第1光学素子LS1などが、洗浄用液LKの気化熱などによって温度変化する可能性がある。その温度変化が著しい場合、ノズル部材70、第1光学素子LS1などが熱変形し、露光精度および計測精度に影響を及ぼす可能性がある。したがって、洗浄用液LKの気化熱によるノズル部材70、第1光学素子LS1などの温度変化をキャンセルするように、所定の温度調整装置で、ノズル部材70、第1光学素子LS1などの温度調整を行いつつ、浸漬処理することが望ましい。また、洗浄用液LK及び/または液体LQの温度を調整しつつ、浸漬処理するようにしてもよい。同様に、第6、第7実施形態においても、回収管23及び/又は供給管13の温度調整を行いつつ、洗浄用液LKを流すようにしてもよい。
【0100】
なお、上述の第1〜第5実施形態においては、ノズル部材70、第1光学素子LS1などを洗浄用液LK(又は液体LQ)で浸漬する浸漬部(容器)31は、露光装置EXとは別のメンテナンス機器に設けられているものとして述べたが、容器31を、露光装置EXの一部としてもよい。例えば、基板ステージPSTの側面に容器31を設けたり、あるいは投影光学系PLの像面側で移動可能な基板ステージPST以外の所定の可動部材に容器31を設けたりして、ノズル部材70、第1光学素子LS1などを浸漬処理(洗浄処理)するようにしてもよい。
【0101】
また、上述の第1〜第5実施形態においては、ノズル部材70、第1光学素子LS1などを洗浄する場合について述べたが、露光装置EX内で液体LQに接触し、不純物によって汚染されている種々の部材を洗浄するときに、上述の各実施形態の洗浄方法(メンテナンス方法)を行うことができる。例えば、基板P上の液体LQが飛散して、投影光学系PLに並んで配置されるオフ・アクシス方式のアライメント系、あるいはフォーカス・レベリング検出系などに付着し、そのアライメント系、フォーカス・レベリング検出系などが汚染した場合には、アライメント系、フォーカス・レベリング検出系などを洗浄用液LKで浸漬することができる。
【0102】
上述の第1〜第7実施形態において、ノズル部材70などを洗浄(メンテナンス)するタイミングとしては、定期的に行ってもよいし、ノズル部材70などを通過した液体LQの水質を上述の計測器で計測し、その計測結果に基づいて、ノズル部材70などが汚染していると判断したときに行うようにしてもよい。
【0103】
なお、上述の実施形態においては、露光装置EXに取り付けられた第1光学素子、ノズル部材などの洗浄、あるいは露光装置EXから取り外したノズル部材の洗浄について説明しているが、上述の洗浄処理は、露光装置に搭載する前の製造工程でノズル部材などに適用することもできる。
【0104】
また、上述の実施形態におけるIPAなどの洗浄用液LKを用いた洗浄に限らず、UV洗浄(光洗浄)、各種ケミカル洗浄などと組み合わせてもよい。
【0105】
上述したように、本実施形態における液体LQは純水である。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板P上のフォトレジスト、光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板Pの表面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。なお工場等から供給される純水の純度が低い場合には、露光装置が超純水製造器を持つようにしてもよい。
【0106】
そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44程度と言われており、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
【0107】
本実施形態では、投影光学系PLの先端に光学素子LS1が取り付けられており、このレンズにより投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整を行うことができる。なお、投影光学系PLの先端に取り付ける光学素子としては、投影光学系PLの光学特性の調整に用いる光学プレートであってもよい。あるいは露光光ELを透過可能な平行平面板であってもよい。
【0108】
なお、液体LQの流れによって生じる投影光学系PLの先端の光学素子と基板Pとの間の圧力が大きい場合には、その光学素子を交換可能とするのではなく、その圧力によって光学素子が動かないように堅固に固定してもよい。
【0109】
なお、本実施形態では、投影光学系PLと基板P表面との間は液体LQで満たされている構成であるが、例えば基板Pの表面に平行平面板からなるカバーガラスを取り付けた状態で液体LQを満たす構成であってもよい。
【0110】
また、上述の実施形態の投影光学系は、先端の光学素子の像面側の光路空間を液体で満たしているが、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、先端の光学素子のマスク側の光路空間も液体で満たす投影光学系を採用することもできる。
【0111】
なお、本実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい、例えば、露光光ELの光源がFレーザである場合、このFレーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはFレーザ光を透過可能な例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。この場合、液体LQと接触する部分には、例えばフッ素を含む極性の小さい分子構造の物質で薄膜を形成することで親液化処理する。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLおよび基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。この場合も表面処理は用いる液体LQの極性に応じて行われる。
【0112】
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0113】
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
【0114】
また、露光装置EXとしては、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第1パターンの縮小像を投影光学系(例えば1/8縮小倍率で反射素子を含まない屈折型投影光学系)を用いて基板P上に一括露光する方式の露光装置にも適用できる。この場合、更にその後に、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第2パターンの縮小像をその投影光学系を用いて、第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光するスティッチ方式の一括露光装置にも適用できる。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
【0115】
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報などに開示されているツインステージ型の露光装置にも適用できる。ツインステージ型の露光装置においては、基板を保持する2つのステージのうち少なくとも一方のステージの上面に、液体LQを汚染しないように形成された所定領域を形成しておけばよい。
【0116】
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLと基板Pとの間に局所的に液体を満たす露光装置を採用しているが、本発明は、特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに開示されているような露光対象の基板の表面全体が液体中に浸かっている状態で露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。
【0117】
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0118】
基板ステージPST及び/又はマスクステージMSTにリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、基板ステージPSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0119】
基板ステージPST及び/又はマスクステージMSTの駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニットと、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージPST、MSTを駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージPST、MSTに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージPST、MSTの移動面側に設ければよい。
【0120】
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0121】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図11に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する処理を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【符号の説明】
【0122】
1…液浸機構、10…液体供給機構、12…供給口、20…液体回収機構、22…回収口、 30A〜30E…メンテナンス機器、31…容器、32…接続部、33…循環系、37…超音波振動子、40…支持装置、70…ノズル部材、140…支持機構、EL…露光光、EX…露光装置、K1…光路空間、LK…洗浄用液、LQ…液体、LS1…第1光学素子、P…基板、PL…投影光学系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に液浸領域を形成し、該液浸領域を形成する第1液体を介して基板上に露光光を照射することにより前記基板を露光する露光装置のメンテナンス方法において、
前記露光装置は、第1液体を供給する供給口及び第1液体を回収する回収口のうち少なくとも一方を有するノズル部材を有し、
前記ノズル部材を洗浄するために、所定の容器に収容された第2液体に浸漬するメンテナンス方法。
【請求項2】
前記露光装置は投影光学系を有し、
前記露光光は、前記投影光学系と前記第1液体を介して前記基板に照射される請求項1記載の露光装置。
【請求項3】
前記ノズル部材は、前記投影光学系を構成する複数の光学素子のうち該投影光学系の像面に最も近い第1光学素子近傍に配置されており、前記第1光学素子を前記ノズル部材と一緒に浸漬する請求項2記載のメンテナンス方法。
【請求項4】
前記露光装置は、前記ノズル部材を前記投影光学系に対して所定の位置関係で支持する支持機構を有し、
前記ノズル部材を前記支持機構で支持した状態で前記ノズル部材を浸漬する請求項2又は3記載のメンテナンス方法。
【請求項5】
前記露光装置は、前記ノズル部材を前記投影光学系に対して所定の位置関係で支持する支持機構を有し、
前記ノズル部材を前記支持機構から外して浸漬する請求項2記載のメンテナンス方法。
【請求項6】
前記容器を前記ノズル部材に接続した状態で前記ノズル部材を浸漬する請求項1〜5のいずれか一項記載のメンテナンス方法。
【請求項7】
前記第2液体を前記容器を含む循環系で循環しつつ前記ノズル部材を浸漬する請求項1〜6のいずれか一項記載のメンテナンス方法。
【請求項8】
前記容器内の前記第2液体に超音波を印加する請求項1〜7のいずれか一項記載のメンテナンス方法。
【請求項9】
前記第1液体と前記第2液体とは異なる請求項1〜8のいずれか一項記載のメンテナンス方法。
【請求項10】
前記ノズル部材を前記第2液体に浸漬した後、前記第1液体に前記ノズル部材を浸漬する請求項9記載のメンテナンス方法。
【請求項11】
前記露光装置は、前記投影光学系と前記基板との間の光路空間を前記第1液体で満たした状態で前記基板上に前記露光光を照射し、
前記ノズル部材は、前記基板に接触した第1液体と接触する請求項2記載のメンテナンス方法。
【請求項12】
基板上に液浸領域を形成し、該液浸領域の第1液体を介して基板上に露光光を照射することにより前記基板を露光する露光装置のメンテナンス機器において、
前記露光装置は、第1液体を供給する供給口及び第1液体を回収する回収口のうち少なくとも一方を有するノズル部材を有し、
前記ノズル部材を洗浄するために、前記ノズル部材を第2液体に浸漬する浸漬部を備えたメンテナンス機器。
【請求項13】
前記露光装置は投影光学系を有し、
前記露光光は、前記投影光学系と前記第1液体を介して前記基板に照射される請求項11記載の露光装置。
【請求項14】
前記露光装置内の物体と接続可能な接続部を備えた請求項12又は13記載のメンテナンス機器。
【請求項15】
前記接続部と前記物体とを接続した状態で、前記ノズル部材を浸漬する請求項14記載のメンテナンス機器。
【請求項16】
前記接続部は、前記ノズル部材と接続可能である請求項14又は15記載のメンテナンス機器。
【請求項17】
前記浸漬部を移動可能に支持する支持装置を有する請求項12〜16のいずれか一項記載のメンテナンス機器。
【請求項18】
前記浸漬部は、前記第2液体を収容可能な容器を含む請求項12〜17のいずれか一項記載のメンテナンス機器。
【請求項19】
前記容器内の第2液体を循環する循環系を備えた請求項18記載のメンテナンス機器。
【請求項20】
前記容器内の第2液体に超音波を印加する超音波発生装置を備えた請求項18又は19記載のメンテナンス機器。
【請求項21】
前記第1液体と前記第2液体とは異なる請求項12〜20のいずれか一項記載のメンテナンス機器。
【請求項22】
前記露光装置は、前記投影光学系と前記基板との間の光路空間を前記第1液体で満たした状態で前記基板上に前記露光光を照射し、
前記ノズル部材は、前記基板に接触した第1液体と接触する請求項2記載のメンテナンス機器。
【請求項23】
光学部材の光射出側の光路空間を第1液体で満たして、前記光学部材と前記第1液体とを介して基板上に露光光を照射して前記基板を露光する露光装置において、
前記露光装置内で前記第1液体に接触する所定部材を洗浄するために、前記所定部材を第2液体に浸漬する浸漬部を備えた露光装置。
【請求項24】
第1液体を供給する供給口及び第1液体を回収する回収口のうち少なくとも一方を有するノズル部材を備え、
前記所定部材は前記ノズル部材を含む請求項23記載の露光装置。
【請求項25】
前記光学部材は投影光学系の一部である請求項23又は24記載の露光装置。
【請求項26】
請求項23〜25のいずれか一項記載の露光装置を用いるデバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−171453(P2010−171453A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92301(P2010−92301)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【分割の表示】特願2006−546680(P2006−546680)の分割
【原出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】