説明

メークアップ化粧料

【課題】 保乳化系に於ける加法混色を実現すべく、干渉光パール粉体を含有する乳化剤形に於いて、前記干渉光パール粉体の分散時に於ける配向性を均一ならしめる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】 コルターカウンターにて測定した粒径が50μm乃至200μmである、干渉光パール光沢粉体を1−20質量%含有する乳化化粧料において、コア・シェル型のアクリル系ポリマーエマルションを1種乃至は2種以上含有するメークアップ化粧料を提供する。このようなメークアップ化粧料としては、水中油乳化化粧料であって、界面活性剤としてアミノメチルプロパノール脂肪酸石鹸を含有し、干渉光パール光沢粉体が、金属酸化物被覆ホウケイ酸ガラスであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメークアップ化粧料に関し、更に詳細には、パール光沢粉体の光学的効果を持続させるメークアップ化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料に於いて、メークアップ化粧料は、その光学的効果によって、皮膚のシミ、そばかすなどの好ましくない色素をカバーし、目立たなくさせる効果を有する。この様な効果は含有されている色材の光学的効果に依存するが、それが故に色材の光学的効果が変化すれば、当然そのメークアップ機能も変化し、使用開始した状況と大きく異なるため、メークアップ機能そのものが損なわれる場合が少なくなく、この様な現象も化粧崩れの質であると認識されている。この様な色材の光学的効果が経時変化する原因としては、色材の物理的存在状況の変化が主として考えられ、物理的存在状況の変化としては、皮膚より脱落すること、色材が皮脂などの濡れにより分光値が変化すること、扁平粉体などの配列性が変わり、光学効果の協調性が損なわれること等が例示できる。皮膚からの脱落に関しては、シリコーンエラストマー、アクリル系ポリマーエマルションなどの粘着性素材の含有により、脱落を防ぎ、化粧持ちを向上することが出来(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)、色材の濡れによる光学効果の変化に対しては、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼付処理やパーフルオロアルキルシラン処理などの疎水化処理などを行うことにより化粧持ちを向上せしめることが出来ることが知られている(例えば、特許文献3、特許文献4を参照)。又、加法混色を応用して、干渉色色材の組合せのみにメークアップ化粧料の光学効果を依存する方法でも、皮脂濡れによって色材がくすむことを大幅に抑制することが出来る(例えば、特許文献5を参照)。
【0003】
しかしながら、これらの方法は何れも化粧料の剤形と深く結びついた方法であり、乳化系に於いては、アクリル系ポリマーエマルションを利用した付着性の向上しか、化粧持ちについては対策の打ちようがない現状が存した。これは表面処理を行えば、乳化系に於ける分散性が損なわれる場合が存するし、加法混色は、加法混色色材である、干渉光パールの分散配向性が乳化系では得られない場合が少なくないからである。即ち、ここに、乳化系に於ける加法混色を実現すべく、干渉光パール粉体を含有する乳化剤形に於いて、前記干渉光パール粉体の分散時に於ける配向性を均一ならしめる技術の開発が望まれていたと言える。
【0004】
一方、粒径が50μm乃至200μmである、干渉光パール光沢粉体を1−20質量%含有する乳化化粧料であって、コア・シェル型のアクリル系ポリマーエマルションを1種乃至は2種以上含有するメークアップ化粧料は全く知られていないし、この様な構成を採用したメークアップ化粧料が、当初の光学効果を長時間維持し、優れた化粧持ち効果を発揮することも全く知られていない。
【0005】
【特許文献1】特開2007−22951号公報
【特許文献2】特開平6−239718号公報
【特許文献3】特開2002−363445号公報
【特許文献4】特開平11−199440号公報
【特許文献5】特開2002−114638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、乳化系に於ける加法混色を実現すべく、干渉光パール粉体を含有する乳化剤形に於いて、前記干渉光パール粉体の分散時に於ける配向性を均一ならしめる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、この様な状況に鑑みて、乳化系に於ける加法混色を実現すべく、干渉光パール粉体を含有する乳化剤形に於いて、前記干渉光パール粉体の分散時に於ける配向性を均一ならしめる技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、コア・シェル型のアクリル系ポリマーエマルションを利用した乳化に於いて、この様な加法混色が可能であることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示すとおりである。
<1> コルターカウンターで測定した粒径が50μm乃至200μmである、干渉光パール光沢粉体を1−20質量%含有する乳化化粧料であって、コア・シェル型のアクリル系ポリマーエマルションを1種乃至は2種以上含有することを特徴とする、メークアップ化粧料。
<2> 前記メークアップ化粧料は水中油乳化化粧料であって、界面活性剤としてアミノメチルプロパノール脂肪酸石鹸を含有することを特徴とする、<1>に記載のメークアップ化粧料。
<3> 前記干渉光パール光沢粉体が、金属酸化物被覆ホウケイ酸ガラスであることを特徴とする、<1>又は<2>に記載のメークアップ化粧料。
<4> 前記コア・シェル型ポリマーエマルションはアクリル酸エステル及び/又はメタアクリル酸エステルを主成分モノマーとする共重合体からなるコア部と、このコア部を被覆し、スチレン及び/又はα−メチルスチレンと、アクリル酸、メタアクリル酸及びこれらのエステルから選ばれる1種又は2種以上とを主成分モノマーとする共重合体からなり、且つコア部よりガラス転移点が高いシェル部とを有する樹脂のポリマーエマルジョンであることを特徴とする、<1>〜<3>何れか1項に記載のメークアップ化粧料。
<5> 加法混色を利用したメークアップ化粧料であることを特徴とする、<1>〜<4>何れか1項に記載のメークアップ化粧料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、干渉光パール粉体を含有する乳化剤形に於いて、前記干渉光パール粉体の分散時に於ける配向性を均一ならしめる技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)本発明のメークアップ化粧料の必須成分である干渉光パール光沢粉体
本発明のメークアップ化粧料は、必須成分として、干渉光パール光沢粉体を1質量%〜20質量%、より好ましくは、3質量%〜10質量%含有することを特徴とする。又、かかる干渉光パール光沢剤の好ましい粒径は、コルターカウンターで測定された粒径で、50μm乃至200μmであることが好ましい。これは小さすぎた場合には、干渉光の効果が充分ではない場合が存し、その様な場合には加法混色による調色が困難になる場合が存し、大きすぎると乳化系での分散安定性が損なわれる場合が存し、沈降など起こす場合が存するからである。ここで、干渉光パール光沢剤とは、薄片粉体上に金属酸化物の被覆を行い、金属酸化物の作る回折格子で干渉色を発する粉体の総称を意味し、前記基体となる薄片状粉体としては、例えば、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、ホウケイ酸ガラス等が存し、これらの表面に被覆されるべき金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛二酸化チタンなどが好ましく例示できる。所望により、金属酸化物には酸化ジルコニウム、アルミナ、無水珪酸などのスペーサーを介在させることも出来る。この様な干渉光パール光沢剤としては、例えば、チタンマイカ、チタンセリサイト、オキシ塩化ビスマス、ガラスフレーク、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラスの二酸化チタン、酸化亜鉛被覆物等が好適に例示できる。これらの中で特に好ましいものとしては、ホウケイ酸ガラスの酸化亜鉛及び/又は二酸化チタン被覆物であり、中でも、ガラスフレークに酸化亜鉛及び/又はに酸化チタンを被覆したもの、ホウケイ酸(Ca/Na)・二酸化チタン・酸化亜鉛被覆物が特に好ましく例示できる。かかるものは、市販品も存し、それを購入して用いることが出来る。ホウケイ酸(Ca/Na)・二酸化チタン・酸化亜鉛被覆物の好ましい市販物としては、例えば、エンゲルハード社製の「リフレクスピンポインツオブパール」、「リフレクスレイズオブレッド」、「リフレクスギルディッドゴールド」等が好ましく例示できる。ガラスフレークに酸化金属を被覆したものとしては「メタシャイン」シリーズ(日本硝子株式会社)が好適に例示できる。「メタシャイン」シリーズには、メタシャインMC1080RS、メタシャインMC1080RYS1、メタシャインMC1040TP、メタシャインMC1040TZ、メタシャインMC1080RB、SAメタシャインMC1040RR、メタシャインMC1040RS、メタシャインMC1040RY、メタシャインMC1040RB、メタシャインMC1040RG、メタシャインMC1080KY、メタシャインMC1120RS、メタシャインMC1120RY、メタシャインMC2080PS等が存する。これ以外にも、干渉光を発現するチタンマイカも使用可能であり、かかるチタンマイカとしてはBASF社の「フラメンコシリーズ」が好適に例示でき、具体的には、フラメンコSP100、フラメンコサティナ100、フラメンコレッド100、フラメンコゴールド、フラメンコTX−EYF、フラメンコグリーン等が好適に例示できる。これらは唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明のメークアップ化粧料では、加法混色の色材として用いることから、少なくとも2色の有色干渉光パール光沢剤を含有することが好ましく、有色干渉光パール光沢剤に加えて、明度調整用の、白色の干渉光パール光沢剤も併せて含有することが好ましい。この様な場合、白色の干渉光パール光沢剤の、干渉光パール光沢剤全量に対する割合は10〜30質量%が好ましく、15〜25質量%が好ましい。これは含有量が少なすぎると明度の幅が調節しにくくなり、多すぎると調色が困難になるためである。
【0010】
(2)本発明のメークアップ化粧料の必須成分であるコア・シェル型ポリマーエマルション
本発明のメークアップ化粧料は、コア・シェル型ポリマーエマルションを必須成分として含有することが出来る。コア・シェル型ポリマーエマルションとは、コア(核)の部分と、シェル(外殻)の部分で異なった化学組成のポリマーである、アクリル樹脂粒子が水性担体に分散したポリマーエマルションを意味する。かかるコア・シェル型ポリマーエマルションに於いては、コア部とシェル部を合わせた樹脂全体の平均分子量は、1万〜100万であることが好ましく、またシェル部のガラス転移点がコア部より高く、且つ樹脂全体のガラス転移点は−10〜100℃であることが好ましく、更に好ましくは−10〜50℃でありことが好ましい。この様な条件を満たすポリマー構成としては、シェル部にスチレン系モノマーとアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキルなどの(メタ)アクリル酸モノマーの共重合体が好ましく例示でき、シェル部のスチレン、αーメチルスチレンなどのスチレン系モノマーの重量と、アクリル系モノマー及び/又はメタアクリル系モノマーの重量の比は、30:70〜80:20の範囲にあることが好ましい。コア部はアクリル系モノマー及び/又はメタアクリル系モノマーを共重合させたものが好ましく例示できる。シェル部の樹脂とコア部の樹脂との重量比は、好ましくは99:1〜1:99、さらに好ましくは10:90〜50:50である。また、シェル部の樹脂の酸価は60〜350であることが好ましく、且つコア部とシェル部を合わせた樹脂の総酸価は、好ましくは10〜350、さらに好ましくは10〜150である。この様なポリマーは上記の手段に従って製造して用いても良いし、既に市販されているものを用いてもかまわない。好ましい市販品としては、大成化工株式会社製のポリジョイントJN(コアシェル型アクリル酸アルキル共重合体エマルション;樹脂分50重量%)、日光ケミカルズ株式会社より販売されているエマポリーCN(コアシェル型アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・メチルスチレン共重合体エマルション;樹脂分59重量%)、エマポリーCE−119N(コアシェル型メタクリル酸アルキル・メチルスチレン・アクリル酸共重合体エマルション;樹脂分54重量%)が挙げられる。これらは唯一種を含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることもできる。かかる水不溶性ポリマーを本発明のメークアップ化粧料に用いる場合には、その含有量としては、総量で化粧料全量に対して、樹脂分に換算して1〜30重量%が好ましく、更に好ましくは、5〜20重量%である。この様な含有量に於いて、かかる成分は前記の干渉光パール光沢粉体を、方向性を整えて、干渉色が発色しやすい配向で分散せしめる作用を有する。加えて、副次的効果として、皮膚上に形成した化粧膜の付着性向上効果も有する。このようなポリジョイントJNとエマポリーCNといったコア・シェル型ポリマーエマルションのモノマー組成としては、コア:シェルの組成比は10:90から90:10であることが好ましい。
【0011】
(3)本発明のメークアップ化粧料
本発明のメークアップ化粧料は前記必須成分を含有し、乳化剤形であること特徴とする。乳化剤形のタイプとしては、前記ポリマーエマルションを含む水性担体が最外相に位置できるような乳化系、例えば、水中油乳化剤形、水中油中水(W/O/W)等の剤形が特に好適に例示できる。又、前記の干渉光パール光沢剤もこの最外相に分散させることが、各粉体の配向性を整える意味で好ましい。又、乳化剤形であることから乳化のための界面活性剤を含有するが、かかる界面活性剤としては、干渉光パールの分散配向性を妨げないものが好ましく、この様な性質を有するものとしては脂肪酸の分岐アルキルアミン塩が好ましく、中でもアミノプロパノール塩が特に好ましい。脂肪酸残基としては、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、ベヘン酸残基、オレイン酸残基、イソステアリン酸残基等が好ましく例示でき、ベヘン酸残基が特に好ましい。かかる脂肪酸のアミノメチルプロパノール塩の好ましい含有量は、0.5〜5質量%であり、より好ましくは1〜3質量%である。
【0012】
前記脂肪酸石鹸に加えて、本発明のメークアップ化粧料では、補助的な界面活性剤として非イオン界面活性剤を含有することが出来る。非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等が好ましく例示でき、特に好ましいものは、ポリオキシエチレンの付加モル数が1〜40のPOEベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンの付加モル数が1〜40のPOEソルビタンミツロウ脂肪酸エステルである。これらの含有量は、0.1〜1質量%が好ましく、0.2〜0.8質量%がより好ましい。これはかかる量範囲に於いて前記干渉光パール光沢剤の配向性を維持する作用に優れるからである。
【0013】
本発明のメークアップ化粧料には、前記成分以外に、通常化粧料で使用される任意成分を、本願発明の効果を損なわない範囲に於いて含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。かかる任意成分と前記の必須成分等を常法に従って処理することにより、本発明のメークアップ化粧料は製造できる。本発明のメークアップ化粧料としては、例えば、アンダーメークアップ、ファンデーション、アイカラー、アイライナー、チークカラー、ハイライトなどが好適に例示できるが、アイカラー、アイライナー、チークカラー、ハイライトなどのポイントメークアップ化粧料に適用することが特に好ましい。
【0014】
以下に、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明を加える。
【実施例1】
【0015】
ア、イ、エをそれぞれ80℃に加温し、アにウを加え分散せしめ、攪拌下徐々にイを加え乳化し、これにエを加え、攪拌冷却し、メークアップ化粧料1(アイカラー)を得た。比較例1として、エマポリ−CE−119Nを水に置換したもの、比較例2としてエマポリ−CE−119Nをコア・シェル型ではないメタクリル酸アルキルコポリマーエマルションに置換したものを作成した。
【0016】
【表1】

【0017】
<試験例1>
サンプルを測色用のセルに充填し、色彩色差計(コニカミノルタCR400)で5回測色し、標準白色板に対するΔE値を求め、その5回に於ける分散を算出した。結果を表2に示す。これより、本発明の化粧料は分散値が高く、パール光沢の程度が著しいことが判った。これはパール粉体が一定方向に配向している証拠である。
【0018】
【表2】

【0019】
<試験例2>
シリコーンラバー上にドクターブレードで30ミルの厚さにサンプルの薄膜を引き、この薄膜に90度の方向から光を照射し、20度、75度のグロス値を測定しこの差を算出した。結果を表3に示す。これより、本発明のメークアップ化粧料の化粧膜のグロス値には確度依存性が存し、パール粉体が一定方向に配向していることが判る。
【0020】
【表3】

【実施例2】
【0021】
実施例1と同様に本発明のメークアップ化粧料2を作成した。メークアップ化粧料2の試験例1におけるΔEの分散値は1.37であり、試験例2のΔグロス値は1.0であった。
【0022】
【表4】

【実施例3】
【0023】
実施例1と同様に本発明のメークアップ化粧料3を作成した。メークアップ化粧料3の試験例1におけるΔEの分散値は1.61であり、試験例2のΔグロス値は0.8であった。
【0024】
【表5】

【実施例4】
【0025】
実施例1と同様に本発明のメークアップ化粧料4を作成した。メークアップ化粧料4の試験例1におけるΔEの分散値は1.78であり、試験例2のΔグロス値は0.7であった。
【0026】
【表6】

【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明はポイントメークアップ化粧料などメークアップ化粧料に応用できる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コルターカウンターで測定した粒径が50μm乃至200μmである、干渉光パール光沢粉体を1−20質量%含有する乳化化粧料であって、コア・シェル型のアクリル系ポリマーエマルションを1種乃至は2種以上含有することを特徴とする、メークアップ化粧料。
【請求項2】
前記メークアップ化粧料は水中油乳化化粧料であって、界面活性剤としてアミノメチルプロパノール脂肪酸石鹸を含有することを特徴とする、請求項1に記載のメークアップ化粧料。
【請求項3】
前記干渉光パール光沢粉体が、金属酸化物被覆ホウケイ酸ガラスであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のメークアップ化粧料。
【請求項4】
前記コア・シェル型ポリマーエマルションはアクリル酸エステル及び/又はメタアクリル酸エステルを主成分モノマーとする共重合体からなるコア部と、このコア部を被覆し、スチレン及び/又はα−メチルスチレンと、アクリル酸、メタアクリル酸及びこれらのエステルから選ばれる1種又は2種以上とを主成分モノマーとする共重合体からなり、且つコア部よりガラス転移点が高いシェル部とを有する樹脂のポリマーエマルジョンであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載のメークアップ化粧料。
【請求項5】
加法混色を利用したメークアップ化粧料であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載のメークアップ化粧料。


【公開番号】特開2010−105936(P2010−105936A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277738(P2008−277738)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】