モジュールケースの組立て構造
【課題】汎用性が高いモジュールケースの組立て構造を提供する。
【解決手段】モジュールケース1は、第1主側板部21および第2主側板部22と、第1端部側板部23および第2端部側板部24と、底板部25とパネル26とを備え、奥行き方向の寸法Lを寸法LAとLBとに2分する位置においてレール部材30が延在する方向と直交する方向にモジュールケース1を切断した態様の2つの分割体1aと分割体1bとを組合わせることによって構成される。その2つの分割体1a,1bのうちの一つの分割体は、奥行き寸法の異なるモジュールケースにも適用されることになる。
【解決手段】モジュールケース1は、第1主側板部21および第2主側板部22と、第1端部側板部23および第2端部側板部24と、底板部25とパネル26とを備え、奥行き方向の寸法Lを寸法LAとLBとに2分する位置においてレール部材30が延在する方向と直交する方向にモジュールケース1を切断した態様の2つの分割体1aと分割体1bとを組合わせることによって構成される。その2つの分割体1a,1bのうちの一つの分割体は、奥行き寸法の異なるモジュールケースにも適用されることになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュールケースの組立て構造に関し、特に、電子機器を収容するモジュールケースの組立て構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種のコントローラや変換器等の電子機器を収容して、たとえばドイツ規格協会の規格に基づくDIN(Deutsches Institut fur Normung)レール部材(以下、単に「レール部材」と記す。)に取付けるモジュールケースが従来使用されている。図39に示すように、そのようなモジュールケース101は、レール部材130に複数並設されることから、外観形状としては主に略直方体の形状が採用されている。
【0003】
このため、モジュールケース101は、レール部材130が延在する方向に間隔を隔てて互いに対向する第1主側板部121および第2主側板部122と、レール部材130が延在する方向と直交する方向に間隔を隔てて互いに対向する第1端部側板部123および第2端部側板部124と、下端に位置する底板部125と、上端に位置するパネル126とを備えて構成される。
【0004】
そのようなモジュールケース101をレール部材130に固定する手法を開示した文献として、たとえば特許文献1がある。特許文献1では、第1端部側板部123および第2端部側板部124のいずれか一方の側に、レール部材130を係止する爪部とこれを操作するレバー(いずれも図示せず)とを設けて、そのレバーを押えることによって爪部を開放させ、モジュールケース101をレール部材130に対して傾けながら着脱動作が行なわれる。従来のモジュールケースは上記のように構成される。
【特許文献1】実開平5−46079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のモジュールケースでは次のような問題点があった。モジュールケース101は、第1主側板部121、第2主側板部122、第1端部側板部123、第2端部側板部124、底板部125およびパネル126となる所定の部材を組立てることによって、略直方体形状とされる(図39参照)。
【0006】
そのモジュールケースの組立て構造にはいくつかの手法がある。たとえば、図40に示すように、コントローラ等のプリント基板127を配設した底板部125に対して、これを覆うように、第1主側板部121、第2主側板部122、第1端部側板部123、第2端部側板部124およびパネル126を一体的に成型した部材を取り付ける組立て構造がある。
【0007】
また、図41に示すように、第1主側板部121、第1端部側板部123および第2端部側板部124を一体的に成型した部材に対してプリント基板127を収容し、これに底板部125、第2主側板部122およびパネル126を取り付ける組立て構造がある。
【0008】
さらに、図42に示すように、第1主側板部121、第1端部側板部123、第2端部側板部124および底板部125を一体的に成型した部材に対してプリント基板127を収容し、これに第2主側板部122およびパネル126を取り付ける組立て構造がある。
【0009】
あるいは、図43に示すように、第1主側板部121、第1端部側板部123、第2端
部側板部124、底板部125およびパネル126を一体的に成型した部材に対してプリント基板127を収容し、これに第2主側板部122を取り付ける組立て構造がある。
【0010】
そのモジュールケース101には、収容される電子機器の大きさに応じて複数のサイズが用意される。このため、従来のモジュールケースの組立て構造では、そのサイズごとに第1主側板部や第1端部側板部等となる部材を用意する必要があり、生産コストの削減を阻害する要因の一つとなっていた。
【0011】
また、たとえば既設のモジュールケースに収容される電子機器等をよりサイズの大きい電子機器に置き換えようとする場合等には、モジュールケースもその大きさに対応したサイズのモジュールケースに交換しなければならないなど、既存のモジュールケースを活かすことができないという問題があった。
【0012】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は汎用性が高いモジュールケースの組立て構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るモジュールケースの組立て構造は、一方向に延在するレール部材に着脱可能に取付けられ、その一方向と直交する幅方向、高さ方向および一方向に沿う奥行き方向にそれぞれ所定の寸法を有して電子機器を収容するモジュールケースの組立て構造であって、奥行き方向に異なる寸法を有する複数のモジュールケースのそれぞれを、奥行き方向の寸法を2分する位置において一方向と直交する方向にモジュールケースを切断した態様の2つの分割体を組合わせることによって構成する。複数のモジュールケースのうち、奥行き方向に第1寸法を有する第1モジュールケースでは、分割体として、第1寸法を2等分する位置において一方向と直交する方向に第1モジュールケースを切断した態様のそれぞれ第1寸法の半分の第1分割寸法を有する第1分割体と第2分割体とが組合わせられる。そして、奥行き方向に第1寸法よりも長い第2寸法を有する第2モジュールケースでは、分割体として、第2分割体と、第2寸法から第1分割寸法を差し引いた第2分割寸法を有する第3分割体とが組合わせられる。
【0014】
このモジュールケースの組立て構造によれば、第1モジュールケースを構成する第1分割体と第2分割体のうちの一方の第2分割体が、第1モジュールケースと奥行き寸法の異なる第2モジュールケースの組立てに適用される。これにより、サイズごとにモジュールケースを作成する必要がなく、一つの分割体をサイズの異なる複数のモジュールケースにも適用することができて、分割体による汎用性の高いモジュールケースの組立て構造を得ることができる。
【0015】
また、複数のモジュールケースのうち、奥行き方向に第2寸法よりも長い第3寸法を有する第3モジュールケースに対しては、分割体として、第2モジュールケースを構成する第3分割体と、第3寸法から第2分割寸法を差し引いた第3分割寸法を有する第4分割体とが組合わせられていてもよい。
【0016】
さらに、複数のモジュールケースのそれぞれでは、2つの分割体のうち一方の分割体の上端部と他方の分割体の上端部には、奥行き方向に沿って延在する嵌合部がそれぞれ形成され、一方の分割体の嵌合部と他方の分割体の嵌合部とに所定の部材を嵌合した態様とすることが好ましい。
【0017】
具体的には、所定の部材として、モジュールケースの上端を塞ぐ板状のパネルを備え、そのパネルを一方の分割体の第1嵌合部の溝部分と他方の分割体の第2嵌合部の溝部分に嵌め込んでいることが好ましい。
【0018】
これにより、パネルを単体として扱うことができ、モジュールケースを構成する部品の汎用性を高めることができる。
【0019】
また、所定の部材として、モジュールケースの高さ方向を延長するための延長部材を備え、その延長部材は、2つの分割体の一方の分割体に対応する一方の分割延長体と、他方の分割体に対応する他方の分割延長体とを含み、一方の分割延長体の下端部には、奥行き方向に沿って延在する第3嵌合部が形成され、一方の分割延長体の上端部には、奥行き方向に沿って延在する第4嵌合部が形成され、他方の分割延長体の下端部には、奥行き方向に沿って延在する第5嵌合部が形成され、他方の分割延長体の上端部には、奥行き方向に沿って延在する第6嵌合部が形成され、一方の分割体の第1嵌合部に一方の分割延長体の第3嵌合部を嵌合させるとともに、他方の分割体の第2嵌合部に他方の分割延長体の第5嵌合部を嵌合させていることが好ましい。
【0020】
これにより、新たなモジュールケースを用意することなくモジュールケースの高さ方向の寸法を収容する電子機器の大きさに応じて容易に変更することができる。
【0021】
そして、この場合にも、所定の部材として、モジュールケースの上端を塞ぐ板状のパネルをさらに備え、そのパネルを一方の分割延長体の第4嵌合部の溝部分と他方の分割延長体の第6嵌合部の溝部分に嵌め込むようにしてもよい。
【0022】
さらに、複数のモジュールケースのそれぞれでは、奥行き方向と直交する幅方向に間隔を隔てて互いに対向する端部側部には、レール部材を幅方向の一方の側と他方の側とから挟み込むための1対の挟み込み部材が設けられ、複数のモジュールケースのそれぞれは、1対の挟み込み部材によりレール部材を挟み込むことによってレール部材に固定されることが好ましい。
【0023】
これにより、1対の挟み込み部をモジュールケースを挟み込むように掴むことによって、モジュールケースをレール部材に対して傾けることなく上下方向から取付け取外しが可能になる。
【0024】
また、複数のモジュールケースのそれぞれでは、2つの分割体のうちの一方の分割体の外側表面には、高さ方向に延在する1対の突条部が形成され、他方の分割体の外側表面には、高さ方向に延在する1対の嵌合溝が形成され、複数のモジュールケースのそれぞれは、一のモジュールケースに形成された一対の突条部を他のモジュールケースに形成された1対の嵌合溝に嵌合させた状態でレール部材に固定され、レール部材に固定された複数のモジュールケースでは、1対の挟み込み部材を操作することにより、複数のモジュールケースのうちの任意の一つのモジュールケースのレール部材からの取り外しと取り付けが可能とされることが好ましい。
【0025】
さらに、複数のモジュールケースのそれぞれでは、一方の分割体および他方の分割体のそれぞれに、一のモジュールケースに収容された電子機器と、他のモジュールケースに収容された電子機器との信号のやり取りを行なうためのコネクタ部が設けられ、複数のモジュールケースがレール部材に固定された状態で、一のモジュールケースのコネクタ部と他のモジュールに形成されたコネクタ部とが接触することが好ましい。
【0026】
これにより、付加的なケーブルを用いることなくモジュールケース間の電気的な導通を図ることができる。
【0027】
そして、さらに、モジュールケースに設けられたコネクタ部を覆って保護する保護部材
を備え、複数のモジュールケースがレール部材に固定された状態で、一番端に位置するモジュールケースに設けられたコネクタ部が保護部材に覆われていることが好ましい。
【0028】
これにより、互いに連結された複数のモジュールケースのうち一番端に位置するモジュールケースのコネクタ部を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の実施の形態に係るモジュールケースとその組立て構造について説明する。図1に示すように、本モジュールケース1は、レール部材30に着脱可能に取り付けられ、レール部材30が延在する方向と直交する方向に幅Wおよび高さHを有し、レール部材30が延在する方向に奥行きLを有し、モジュールケース1の内部には、各種のコントローラや変換器等の電子機器(図示せず)が収容される。
【0030】
そのモジュールケース1は、第1主側板部21および第2主側板部22と、第1端部側板部23および第2端部側板部24と、底板部25とパネル26とを備えている。そして、本モジュールケース1では、特に、奥行き方向の寸法Lを寸法LAとLBとに2分する位置においてレール部材30が延在する方向と直交する方向にモジュールケース1を切断した態様の2つの分割体1aと分割体1bとを組合わせることによって構成される。後述するように、その2つの分割体1a,1bのうちの一つの分割体は、奥行き寸法の異なるモジュールケースにも適用されることになる。また、第1端部側板部23および第2端部側板部24には、モジュールケース1をレール部材に固定するための1対の挟み込み部材15が設けられている。
【0031】
(モジュールケースの奥行き寸法)
そのモジュールケース1における分割体の組合わせの態様についてさらに詳しく説明する。モジュールケース1には、一般的に、モジュールケース1に収容される電子機器の大きさに応じて寸法が互いに異なるモジュールケースが用意される。そのようなモジュールケースとして、たとえば図2に示すように、奥行き方向の寸法L1〜L3(L1=22.5mm、L2=35mm、L3=45mm)が互いに異なる3つのモジュールケース1を例に挙げる。
【0032】
まず、最も短い奥行き寸法L1を有するモジュールケース1(紙面に向って左端)では、分割体として、奥行き寸法L1を2等分する位置においてレール部材が延在する方向と直交する方向にモジュールケース1を切断した態様の、それぞれ奥行き寸法L1の半分の第1分割寸法(D1=D2=11.25mm)を有する第1分割体2と第2分割体3とが組合わせられている。
【0033】
また、奥行き寸法L1よりも長い奥行き寸法L2を有するモジュールケース1(紙面中央)では、分割体として、第2分割体3と、奥行き寸法L2から第1分割寸法(D1=D2)を差し引いた第2分割寸法(D3=23.75mm)を有する第3分割体4とが組合わせられている。
【0034】
そして、奥行き寸法L2よりも長い奥行き寸法L3を有するモジュールケース1(紙面に向って右端)では、分割体として、第3分割体4と、奥行き寸法L3から第2分割寸法(D3)を差し引いた第3分割寸法(D4=21.25mm)を有する第4分割体5とが組合わせられている。
【0035】
次に、各分割体2〜5の構造について説明する。図3に示すように、第1分割体2の外側表面には、高さ方向に延在する1対の突条部50が形成されている。この場合、突条部50は、第1主側板部21に対応する部分から第1端部側板部となる部分にかけての角部
と、第1主側板部21に対応する部分から第2端部側板部となる部分にかけての角部とにそれぞれ形成されている。また、第1分割体2において第1主側板部21に対応する部分には、コネクター部を露出させるための開口部52が形成されている。
【0036】
一方、第1分割体2の内側には、図4に示すように、第1端部側板部となる部分および第2端部側板部となる部分のそれぞれの上端部において、奥行き方向に延在する嵌合部51がそれぞれ形成されている。
【0037】
次に、図5に示すように、第2分割体3の外側表面には、高さ方向に延在する1対の嵌合溝53が形成されている。この場合、嵌合溝53は、第2主側板部22に対応する部分から第1端部側板部となる部分にかけての角部と、第2主側板部22に対応する部分から第2端部側板部となる部分にかけての角部とにそれぞれ形成されている。また、第2分割体3において第2主側板部22に対応する部分には、コネクター部を露出させるための開口部52が形成されている。
【0038】
一方、第2分割体3の内側には、図6に示すように、第1端部側板部となる部分および第2端部側板部となる部分のそれぞれの上端部において、奥行き方向に延在する嵌合部51がそれぞれ形成されている。第1分割体2の嵌合部51と第2分割体3の嵌合部51とは同じ高さに形成されている。
【0039】
次に、図7に示すように、第3分割体4の外側表面には、高さ方向に延在する1対の突条部50が形成されている。この場合、突条部50は、第1主側板部21に対応する部分から第1端部側板部となる部分にかけての角部と、第1主側板部21に対応する部分から第2端部側板部となる部分にかけての角部とにそれぞれ形成されている。また、第3分割体4において第1主側板部21に対応する部分には、コネクター部を露出させるための開口部52が形成されている。
【0040】
一方、第3分割体4の内側には、図8に示すように、第1端部側板部となる部分および第2端部側板部となる部分のそれぞれの上端部において、奥行き方向に延在する嵌合部51がそれぞれ形成されている。
【0041】
次に、図9に示すように、第4分割体5の外側表面には、高さ方向に延在する1対の嵌合溝53が形成されている。この場合、嵌合溝53は、第2主側板部22に対応する部分から第1端部側板部となる部分にかけての角部と、第2主側板部22に対応する部分から第2端部側板部となる部分にかけての角部とにそれぞれ形成されている。また、第4分割体5において第2主側板部22に対応する部分には、コネクター部を露出させるための開口部52が形成されている。
【0042】
一方、第4分割体5の内側には、図10に示すように、第1端部側板部となる部分および第2端部側板部となる部分のそれぞれの上端部において、奥行き方向に延在する嵌合部51がそれぞれ形成されている。第3分割体4の嵌合部51と第4分割体5の嵌合部51とは同じ高さに形成されている。
【0043】
また、対応する分割体を組合わせる際に各モジュールケースの上側開口端を塞ぐためのパネル6には、図11に示すように、各分割体の嵌合部51の溝部分に嵌る端部6aと、電子機器のソケット等を露出させる開口部6bが形成されている。
【0044】
次に、上述した第1分割体2〜第4分割体5によるモジュールケースの組立て手順について説明する。たとえば、図12に示すように、第1分割体2の内側部分と第2分割体3の内側部分とを対向させ、矢印に示すように、第1分割体2を第2分割体3に接近させな
がら第1分割体2の嵌合部51の溝部分と第2分割体3の嵌合部51の溝部分にパネル6の端部6aを嵌め込むことによって、図13に示すように、奥行き寸法L1を有するモジュールケース1が組立てられる。第1分割体2と第2分割体3とは、たとえば、ねじ(図示せず)等によって固定される。
【0045】
同様にして、第2分割体3と第3分割体4とを対向させてそれぞれの嵌合部51の溝部分にパネル6の端部6aを嵌め込むことにより、奥行き寸法L2を有するモジュールケース1が組立てられる。そして、第3分割体4と第4分割体5とを対向させてそれぞれの嵌合部51の溝部分にパネル6の端部6aを嵌め込むことにより、奥行き寸法L3を有するモジュールケース1が組立てられる。このようにして、奥行き寸法の異なるモジュールケース1が組立てられることになる。
【0046】
(モジュールケースの高さ寸法)
次に、第1分割体2〜第4分割体5にそれぞれ対応して、モジュールケース1の高さをより高くするための分割延長体について説明する。まず、図14に示すように、第1分割体2あるいは第3分割体4に対応する分割延長体11では、分割延長体11の内側の下端部分に、奥行き方向に延在して第1分割体2または第3分割体4に形成された嵌合部51に嵌合する嵌合部60が形成されている。また、分割延長体11の上端部分には、その嵌合部51と同様の奥行き方向に沿って延在する嵌合部61が形成されている。
【0047】
一方、図15に示すように、第2分割体3または第4分割体5に対応する分割延長体12では、分割延長体12の下端部分に奥行き方向に延在して第2分割体3または第4分割体5に形成された嵌合部51に嵌合する嵌合部60が形成されている。分割延長体12の上端部には、その嵌合部51と同様の奥行き方向に沿って延在する嵌合部61が形成されている。
【0048】
次に、上述した分割延長体11,12を備えたモジュールケースの組立て手順について説明する。
【0049】
まず、図16に示すように、第1分割体2または第3分割体4の内側に形成された嵌合部51に対して、分割延長体11の下端部に形成された嵌合部60を嵌合させることによって、図17に示すように、第1分割体2または第3分割体4に分割延長体11が装着される。
【0050】
一方、図18に示すように、第2分割体3または第4分割体5の内側に形成された嵌合部51に対して、分割延長体12の下端部に形成された嵌合部60を嵌合させることによって、図19に示すように、第2分割体3または第4分割体5に分割延長体12が装着される。
【0051】
次に、図20に示すように、分割延長体11が装着された第1分割体2等の内側部分と分割延長体12が装着された第2分割体3等の内側部分とを対向させ、矢印に示すように、第2分割体3等を第1分割体2等へ接近させながら分割延長体11の嵌合部61の溝部分と分割延長体12の嵌合部61の溝部分にパネル6の端部6aを嵌め込むことによって、図21に示すように、高さ方向に延長されたモジュールケース1が組立てられる。
【0052】
なお、上述したモジュールケース1では、分割延長体を1段設けた場合を例に挙げて説明したが、同様の分割延長体11,12をさらに装着することによって、図22に示すように、さらに、高さの高いモジュールケース1を容易に組立てることができる。
【0053】
(レール部材への取付け態様)
本モジュールケース1では、図23に示すように、第1端部側板部23と第2端部側板部24には、レール部材を幅方向Wの一方の側と他方の側とから挟み込むための1対の挟み込み部材15が設けられている。その挟み込み部15は、レール部材を掴む爪部16と、その爪部16を互いに内側に向って付勢するスプリング18と、そのスプリング18の付勢力に抗して爪部16を互いに引離すためのレバー17とを備えている。そのレバー17は、第1端部側板部23と第2端部側板部24にそれぞれ設けられた1対の軸受部19a,19bに軸支されている。
【0054】
図24に示すように、レバー17の上側部分を矢印に示すように挟むことで、スプリング18の付勢力に抗して爪部16が互いに引離される。その状態でモジュールケースをレール部材30の上に載置する。そして、図25に示すように、レバー17を離すとスプリング18の付勢力によって爪部16がレール部材30を挟み込んで、モジュールケース1がレール部材30に固定される。
【0055】
なお、図3〜図22では、特に、挟み込み部15は図示されていないが、たとえば図1に示すように、モジュールケースを構成する2つの分割体の一方の分割体には、1対の軸受部19a,19bの一方の軸受部19aが形成され、他方の分割体には、他方の軸受部19bが形成されている。これにより、2つの分割体を対向させてモジュールケースを組立てる際に、レバー17の軸部の一端側を一方の分割体の軸受部19aに装着するとともに、他端側を他方の分割体の軸受部19bに容易に装着することができる。
【0056】
本モジュールケース1では、互いに対向する第1端部側板部と第2端部側板部に形成される1対の挟み込み部材15のレバー17を操作することによって、モジュールケース1をレール部材30に対して傾けることなく、レール部材30に対して上下方向から取付け取外しが可能になる。
【0057】
そこで、このように上下方向に取付け取外しができることと、突条部と嵌合溝との関係を踏まえてモジュールケース1のレール部材30への取付け態様について具体的に説明する。
【0058】
上述したように、モジュールケース1を構成する2つの分割体のうち、一方の分割体2,4の外側表面には、高さ方向に延在する1対の突条部50が形成され、他方の分割体3,5の外側表面には、高さ方向に延在する1対の嵌合溝53が形成されている(図3〜図10を参照)。
【0059】
この突条体50と嵌合溝53は、一つのモジュールケースと他のモジュールケースを連結するためのものである。たとえば図26に示すように、一つのモジュールケース1に設けられた1対の突条体50を、他のモジュールケース1に設けられた1対の嵌合溝53に嵌合させることによって、図27に示すように、複数のモジュールケース1が順次連結される。こうして、図28に示すように、互いに連結された複数のモジュールケース1がレール部材30に固定されることになる。
【0060】
この状態から、一つのモジュールケース1(たとえば中央に位置するモジュールケース)を交換する場合には、その一つのモジュールケース1を挟み込むように1対のレバー17を掴んで1対の爪部16を開くことで、モジュールケース1がレール部材30に固定された状態から開放される。次に、レバー17を掴んだ状態でモジュールケース1を持ち上げると、図29に示すように、突条体50が嵌合溝53に案内されてモジュールケース1は上方に向かって引き抜かれることになる。
【0061】
このようにして引き抜かれたモジュールケースのスペース(隙間)に対して、新しいモ
ジュールケースを取り付ける場合には、その新しいモジュールケース(図示せず)の突条部を隣接する一方のモジュールケースの嵌合溝に嵌め入れるとともに、嵌合溝に隣接する他のモジュールケースの突条部を嵌め入れて、下方に押し込み、上述した動作と逆の動作を行なうことによって、その新しいモジュールケースをレール部材30に固定することができる。
【0062】
なお、上述したモジュールケースの取り付け態様としては、奥行き寸法の同じモジュールケース同士をレール部材に取り付ける場合を図示して説明したが、隣接するモジュールケース同士の嵌合溝に突条部を嵌め入れることによって、図30に示すように、奥行き寸法の異なるモジュールケース1を混在させてレール部材30に取り付けることができる。
【0063】
このような奥行き寸法の異なるモジュールケース1同士を取り付けた場合にも、図31に示すように、そのモジュールケース1のうちの一つのモジュールケース1のレバー17を操作することによって、レール部材30への取り付けあるいは取り外しが可能である。
【0064】
上記のように、隣り合うモジュールケース同士は嵌合溝に突条部を嵌め入れた状態でレール部材に固定されるため、一方のモジュールケースの第1主側板部と他方のモジュールケースの第2主側板部とが互いに接触する。これを利用して、モジュールケース間の電気的な接続(導通)を行なうことができる。そこで、次に、モジュールケース間の電気的導通の態様について説明する。
【0065】
(モジュールケース間の電気的導通の態様)
レール部材30に取り付けられる各モジュールケース1には、図32に示すように、第1主側板部と第2主側板部に開口部52がそれぞれ形成されている。図33および図34に示すように、この開口部52には、電気的な導通を図るためのコネクター部40a,40bが露出する。一方のコネクター部40aは外方に向って突出するように形成され、他方のコネクター部40bは平面状に形成されている。
【0066】
図35に示すように、複数のモジュールケース1同士を連結してレール部材30に取り付けた状態においては、互いに隣接する一のモジュールケース1と他のモジュールケース1との間では、一のモジュールケース1の開口部に露出したコネクター部40aが他のモジュール1の開口部に露出したコネクター部40bに接触することになる。
【0067】
これにより、モジュールケース1内に収容された電子機器に電力を供給したり、あるいは、電子機器間の信号のやり取り等を、渡り線のような付加的なケーブルを用いることなく行なうことができる。なお、図35では、コネクター部40aとコネクター部40bとの接触の様子を示すために、モジュールケース1とモジュールケース1との間に隙間をもたせた状態が示されている。
【0068】
また、互いに連結された複数のモジュールケースのそれぞれ端に位置するモジュールケースでは、図35に示すように、コネクター部40a,40bが露出した状態になるため、これを覆う保護部45が装着される。図36に示すように、保護具45にはコネクター部40a,40bに接触する端子部47が設けられている。なお、図36では、平板状のコネクター部40bに接触する突出した端子部47を示す。突出した態様のコネクター部40aに対する保護具45では、平板状の端子部47が形成されている(図38参照)。
【0069】
また、保護具45には1対の嵌合溝46が形成されて、図37に示すように、モジュールケースの突条部に嵌合溝46を嵌合することによってモジュールケース1に保護具45が取り付けられることになる。一方、突出した態様のコネクター部40aに対する保護具では、モジュールケースの1対の嵌合溝に嵌合する突条部が形成されている。こうして、
図38に示すように、それぞれ端に位置するモジュールケース1に対してコネクター部を覆う保護具45がそれぞれ装着される。
【0070】
上述したモジュールケースの組立て構造では、奥行き方向の寸法を2分する位置においてレール部材が延在する方向と直交する方向にモジュールケースを切断した態様の2つの分割体を組合わせることによってモジュールケースが構成され、そして、その奥行き寸法よりも長いモジュールケースが、その2つの分割体のうちの一方の分割体を適用して組合わせられることになる。
【0071】
つまり、ある奥行き寸法を有するモジュールケースを構成する2つの分割体のうちの一つの分割体を、その奥行き寸法よりも長い奥行き寸法を有するモジュールケースにも適用することができる。また、分割延長体により、モジュールケースの高さも容易に変えることができる。これにより、サイズごとにモジュールケースを作成する必要がなく、一つの分割体をサイズの異なる複数のモジュールケースにも適用することができて、分割体および分割延長体による汎用性の高いモジュールケースの組立て構造を得ることができる。
【0072】
また、本モジュールケース1では、互いに対向する第1端部側板部と第2端部側板部に1対の挟み込み部材15が形成されて、その挟み込み部の15の1対のレバー17をモジュールケース1を挟み込むように掴むことによって、モジュールケース1をレール部材30に対して傾けることなく上下方向から取付け取外しが可能になる。
【0073】
しかも、各モジュールケースに高さ方向にそれぞれ延在する突条部と嵌合溝とが形成されていることと相まって、一つのモジュールケース1に設けられた1対の突条体50を、他のモジュールケース1に設けられた1対の嵌合溝53に嵌合させることによって、複数のモジュールケース1を順次連結させることができ、また、連結された複数のモジュールケースのうちから特定のモジュールケースだけを取外すこともできる。
【0074】
さらに、互いに連結された状態でレール部材に固定された複数のモジュールケースでは、隣り合うモジュールケースの第1主側板部および第2主側板部のそれぞれの部分に露出するように形成されたコネクター部同士を接触させることによって、付加的なケーブルを用いることなくモジュールケース間の電気的な導通を図ることができる。
【0075】
そして、さらに、モジュールケースの嵌合溝に嵌合する突条部、あるいは、モジュールケースの突条部と嵌合する嵌合溝を備えた保護具を備えて、これをそれぞれ端に位置するモジュールケース1に装着することによってコネクター部を覆ってコネクター部を保護することができる。
【0076】
なお、上述したモジュールケースの組立て構造において挙げられた寸法(L1,L2,L3)は一例であって、モジュールケースのサイズとしては電子機器の大きさ等に応じた種々のサイズを採用することができる。
【0077】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示にすぎず、これに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態に係るモジュールケースの構造を示す斜視図である。
【図2】同実施の形態において、奥行き寸法のそれぞれ異なるモジュールケースを示す斜視図である。
【図3】同実施の形態において、一のモジュールケースを構成する2つの分割体のうちの第1分割体を示す第1の斜視図である。
【図4】同実施の形態において、図3に示される第1分割体を示す第2の斜視図である。
【図5】同実施の形態において、一のモジュールケースを構成する2つの分割体のうちの第2分割体を示す第1の斜視図である。
【図6】同実施の形態において、図5に示される第2分割体を示す第2の斜視図である。
【図7】同実施の形態において、他のモジュールケースを構成する2つの分割体のうちの第3分割体を示す第1の斜視図である。
【図8】同実施の形態において、図7に示される第3分割体を示す第2の斜視図である。
【図9】同実施の形態において、さらに他のモジュールケースを構成する2つの分割体のうちの第4分割体を示す第1の斜視図である。
【図10】同実施の形態において、図9に示される第4分割体を示す第2の斜視図である。
【図11】同実施の形態において、モジュールケースの上端を覆うパネルを示す斜視図である。
【図12】同実施の形態において、モジュールケースの組立て手順の一工程を示す分解斜視図である。
【図13】同実施の形態において、組立てられたモジュールケースを示す部分破断斜視図である。
【図14】同実施の形態において、一の分割延長体を示す斜視図である。
【図15】同実施の形態において、他の分割延長体を示す斜視図である。
【図16】同実施の形態において、一の分割延長体の分割体への取り付け手順の一工程を示す斜視図である。
【図17】同実施の形態において、一の分割延長体を分割体に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図18】同実施の形態において、他の分割延長体の分割体への取り付け手順の一工程を示す斜視図である。
【図19】同実施の形態において、他の分割延長体を分割体に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図20】同実施の形態において、分割延長体を取り付けた分割体によるモジュールケースの組立て手順の一工程を示す分解斜視図である。
【図21】同実施の形態において、組立てられたモジュールケースを示す部分破断斜視図である。
【図22】同実施の形態において、さらに分割延長を備えて組立てられたモジュールケースを示す部分破断斜視図である。
【図23】同実施の形態において、モジュールケースを示す側面図である。
【図24】同実施の形態において、挟み込み部材によるモジュールケースのレール部材への取付け手順の一工程を示す部分破断側面図である。
【図25】同実施の形態において、挟み込み部材によってモジュールケースがレール部材に固定された状態を示す部分破断側面図である。
【図26】同実施の形態において、突条部と嵌合溝によって複数のモジュールケースを連結させながらレール部材へ取付ける取付け手順を説明するための一斜視図である。
【図27】同実施の形態において、突条部と嵌合溝によって複数のモジュールケースが連結された状態を示す上面図である。
【図28】同実施の形態において、突条部と嵌合溝によって複数のモジュールケースが連結された状態を示す斜視図である。
【図29】同実施の形態において、複数のモジュールケースが連結された状態から一のモジュールケースを取外す様子あるいは取付ける様子を示す斜視図である。
【図30】同実施の形態において、奥行き方向の寸法の異なる複数のモジュールケースが連結された状態を示す斜視図である。
【図31】同実施の形態において、奥行き方向の寸法の異なる複数のモジュールケースが連結された状態から一のモジュールケースを取外す様子あるいは取付ける様子を示す斜視図である。
【図32】同実施の形態において、モジュールケース間の電気的な導通を説明するためのモジュールケースを示す一斜視図である。
【図33】同実施の形態において、モジュールケースの開口部に露出するコネクター部を示す部分側面図である。
【図34】同実施の形態において、モジュールケースの開口部に露出するコネクター部を示す部分断面図である。
【図35】同実施の形態において、複数のモジュールケースが連結された状態におけるコネクター部同士の接触する様子を示す側面図である。
【図36】同実施の形態において、コネクター部を覆って保護する保護部を示す斜視図である。
【図37】同実施の形態において、モジュールケースにコネクター部を装着した状態を示す斜視図である。
【図38】同実施の形態において、互いに連結された複数のモジュールケースに対して端に位置するモジュールケースに保護部を装着した状態を示す部分側面図である。
【図39】レール部材に取付けられた従来のモジュールケースを示す斜視図である。
【図40】従来のモジュールケースにおける組立て構造の第1の例を示す斜視図である。
【図41】従来のモジュールケースにおける組立て構造の第2の例を示す斜視図である。
【図42】従来のモジュールケースにおける組立て構造の第3の例を示す斜視図である。
【図43】従来のモジュールケースにおける組立て構造の第4の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
1a,1b 分割体、2 第1分割体、3 第2分割体、4 第3分割体、5 第4分割体、6 パネル、6a 端部、6b 開口部、11,12 分割延長体、15 挟み込み部材、16 爪部、17 レバー、18 スプリング、19a,19b 軸受部、21
第1主側板部、22 第2主側板部、23 第1端部側板部、24 第2端部側板部、25 底板部、26 パネル、40a,40b コネクター部、45 保護部、46 嵌合溝、47 端子部、50 突条部、51,60,61 嵌合部、52 開口部、53 嵌合溝。
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュールケースの組立て構造に関し、特に、電子機器を収容するモジュールケースの組立て構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種のコントローラや変換器等の電子機器を収容して、たとえばドイツ規格協会の規格に基づくDIN(Deutsches Institut fur Normung)レール部材(以下、単に「レール部材」と記す。)に取付けるモジュールケースが従来使用されている。図39に示すように、そのようなモジュールケース101は、レール部材130に複数並設されることから、外観形状としては主に略直方体の形状が採用されている。
【0003】
このため、モジュールケース101は、レール部材130が延在する方向に間隔を隔てて互いに対向する第1主側板部121および第2主側板部122と、レール部材130が延在する方向と直交する方向に間隔を隔てて互いに対向する第1端部側板部123および第2端部側板部124と、下端に位置する底板部125と、上端に位置するパネル126とを備えて構成される。
【0004】
そのようなモジュールケース101をレール部材130に固定する手法を開示した文献として、たとえば特許文献1がある。特許文献1では、第1端部側板部123および第2端部側板部124のいずれか一方の側に、レール部材130を係止する爪部とこれを操作するレバー(いずれも図示せず)とを設けて、そのレバーを押えることによって爪部を開放させ、モジュールケース101をレール部材130に対して傾けながら着脱動作が行なわれる。従来のモジュールケースは上記のように構成される。
【特許文献1】実開平5−46079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のモジュールケースでは次のような問題点があった。モジュールケース101は、第1主側板部121、第2主側板部122、第1端部側板部123、第2端部側板部124、底板部125およびパネル126となる所定の部材を組立てることによって、略直方体形状とされる(図39参照)。
【0006】
そのモジュールケースの組立て構造にはいくつかの手法がある。たとえば、図40に示すように、コントローラ等のプリント基板127を配設した底板部125に対して、これを覆うように、第1主側板部121、第2主側板部122、第1端部側板部123、第2端部側板部124およびパネル126を一体的に成型した部材を取り付ける組立て構造がある。
【0007】
また、図41に示すように、第1主側板部121、第1端部側板部123および第2端部側板部124を一体的に成型した部材に対してプリント基板127を収容し、これに底板部125、第2主側板部122およびパネル126を取り付ける組立て構造がある。
【0008】
さらに、図42に示すように、第1主側板部121、第1端部側板部123、第2端部側板部124および底板部125を一体的に成型した部材に対してプリント基板127を収容し、これに第2主側板部122およびパネル126を取り付ける組立て構造がある。
【0009】
あるいは、図43に示すように、第1主側板部121、第1端部側板部123、第2端
部側板部124、底板部125およびパネル126を一体的に成型した部材に対してプリント基板127を収容し、これに第2主側板部122を取り付ける組立て構造がある。
【0010】
そのモジュールケース101には、収容される電子機器の大きさに応じて複数のサイズが用意される。このため、従来のモジュールケースの組立て構造では、そのサイズごとに第1主側板部や第1端部側板部等となる部材を用意する必要があり、生産コストの削減を阻害する要因の一つとなっていた。
【0011】
また、たとえば既設のモジュールケースに収容される電子機器等をよりサイズの大きい電子機器に置き換えようとする場合等には、モジュールケースもその大きさに対応したサイズのモジュールケースに交換しなければならないなど、既存のモジュールケースを活かすことができないという問題があった。
【0012】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は汎用性が高いモジュールケースの組立て構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るモジュールケースの組立て構造は、一方向に延在するレール部材に着脱可能に取付けられ、その一方向と直交する幅方向、高さ方向および一方向に沿う奥行き方向にそれぞれ所定の寸法を有して電子機器を収容するモジュールケースの組立て構造であって、奥行き方向に異なる寸法を有する複数のモジュールケースのそれぞれを、奥行き方向の寸法を2分する位置において一方向と直交する方向にモジュールケースを切断した態様の2つの分割体を組合わせることによって構成する。複数のモジュールケースのうち、奥行き方向に第1寸法を有する第1モジュールケースでは、分割体として、第1寸法を2等分する位置において一方向と直交する方向に第1モジュールケースを切断した態様のそれぞれ第1寸法の半分の第1分割寸法を有する第1分割体と第2分割体とが組合わせられる。そして、奥行き方向に第1寸法よりも長い第2寸法を有する第2モジュールケースでは、分割体として、第2分割体と、第2寸法から第1分割寸法を差し引いた第2分割寸法を有する第3分割体とが組合わせられる。
【0014】
このモジュールケースの組立て構造によれば、第1モジュールケースを構成する第1分割体と第2分割体のうちの一方の第2分割体が、第1モジュールケースと奥行き寸法の異なる第2モジュールケースの組立てに適用される。これにより、サイズごとにモジュールケースを作成する必要がなく、一つの分割体をサイズの異なる複数のモジュールケースにも適用することができて、分割体による汎用性の高いモジュールケースの組立て構造を得ることができる。
【0015】
また、複数のモジュールケースのうち、奥行き方向に第2寸法よりも長い第3寸法を有する第3モジュールケースに対しては、分割体として、第2モジュールケースを構成する第3分割体と、第3寸法から第2分割寸法を差し引いた第3分割寸法を有する第4分割体とが組合わせられていてもよい。
【0016】
さらに、複数のモジュールケースのそれぞれでは、2つの分割体のうち一方の分割体の上端部と他方の分割体の上端部には、奥行き方向に沿って延在する嵌合部がそれぞれ形成され、一方の分割体の嵌合部と他方の分割体の嵌合部とに所定の部材を嵌合した態様とすることが好ましい。
【0017】
具体的には、所定の部材として、モジュールケースの上端を塞ぐ板状のパネルを備え、そのパネルを一方の分割体の第1嵌合部の溝部分と他方の分割体の第2嵌合部の溝部分に嵌め込んでいることが好ましい。
【0018】
これにより、パネルを単体として扱うことができ、モジュールケースを構成する部品の汎用性を高めることができる。
【0019】
また、所定の部材として、モジュールケースの高さ方向を延長するための延長部材を備え、その延長部材は、2つの分割体の一方の分割体に対応する一方の分割延長体と、他方の分割体に対応する他方の分割延長体とを含み、一方の分割延長体の下端部には、奥行き方向に沿って延在する第3嵌合部が形成され、一方の分割延長体の上端部には、奥行き方向に沿って延在する第4嵌合部が形成され、他方の分割延長体の下端部には、奥行き方向に沿って延在する第5嵌合部が形成され、他方の分割延長体の上端部には、奥行き方向に沿って延在する第6嵌合部が形成され、一方の分割体の第1嵌合部に一方の分割延長体の第3嵌合部を嵌合させるとともに、他方の分割体の第2嵌合部に他方の分割延長体の第5嵌合部を嵌合させていることが好ましい。
【0020】
これにより、新たなモジュールケースを用意することなくモジュールケースの高さ方向の寸法を収容する電子機器の大きさに応じて容易に変更することができる。
【0021】
そして、この場合にも、所定の部材として、モジュールケースの上端を塞ぐ板状のパネルをさらに備え、そのパネルを一方の分割延長体の第4嵌合部の溝部分と他方の分割延長体の第6嵌合部の溝部分に嵌め込むようにしてもよい。
【0022】
さらに、複数のモジュールケースのそれぞれでは、奥行き方向と直交する幅方向に間隔を隔てて互いに対向する端部側部には、レール部材を幅方向の一方の側と他方の側とから挟み込むための1対の挟み込み部材が設けられ、複数のモジュールケースのそれぞれは、1対の挟み込み部材によりレール部材を挟み込むことによってレール部材に固定されることが好ましい。
【0023】
これにより、1対の挟み込み部をモジュールケースを挟み込むように掴むことによって、モジュールケースをレール部材に対して傾けることなく上下方向から取付け取外しが可能になる。
【0024】
また、複数のモジュールケースのそれぞれでは、2つの分割体のうちの一方の分割体の外側表面には、高さ方向に延在する1対の突条部が形成され、他方の分割体の外側表面には、高さ方向に延在する1対の嵌合溝が形成され、複数のモジュールケースのそれぞれは、一のモジュールケースに形成された一対の突条部を他のモジュールケースに形成された1対の嵌合溝に嵌合させた状態でレール部材に固定され、レール部材に固定された複数のモジュールケースでは、1対の挟み込み部材を操作することにより、複数のモジュールケースのうちの任意の一つのモジュールケースのレール部材からの取り外しと取り付けが可能とされることが好ましい。
【0025】
さらに、複数のモジュールケースのそれぞれでは、一方の分割体および他方の分割体のそれぞれに、一のモジュールケースに収容された電子機器と、他のモジュールケースに収容された電子機器との信号のやり取りを行なうためのコネクタ部が設けられ、複数のモジュールケースがレール部材に固定された状態で、一のモジュールケースのコネクタ部と他のモジュールに形成されたコネクタ部とが接触することが好ましい。
【0026】
これにより、付加的なケーブルを用いることなくモジュールケース間の電気的な導通を図ることができる。
【0027】
そして、さらに、モジュールケースに設けられたコネクタ部を覆って保護する保護部材
を備え、複数のモジュールケースがレール部材に固定された状態で、一番端に位置するモジュールケースに設けられたコネクタ部が保護部材に覆われていることが好ましい。
【0028】
これにより、互いに連結された複数のモジュールケースのうち一番端に位置するモジュールケースのコネクタ部を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の実施の形態に係るモジュールケースとその組立て構造について説明する。図1に示すように、本モジュールケース1は、レール部材30に着脱可能に取り付けられ、レール部材30が延在する方向と直交する方向に幅Wおよび高さHを有し、レール部材30が延在する方向に奥行きLを有し、モジュールケース1の内部には、各種のコントローラや変換器等の電子機器(図示せず)が収容される。
【0030】
そのモジュールケース1は、第1主側板部21および第2主側板部22と、第1端部側板部23および第2端部側板部24と、底板部25とパネル26とを備えている。そして、本モジュールケース1では、特に、奥行き方向の寸法Lを寸法LAとLBとに2分する位置においてレール部材30が延在する方向と直交する方向にモジュールケース1を切断した態様の2つの分割体1aと分割体1bとを組合わせることによって構成される。後述するように、その2つの分割体1a,1bのうちの一つの分割体は、奥行き寸法の異なるモジュールケースにも適用されることになる。また、第1端部側板部23および第2端部側板部24には、モジュールケース1をレール部材に固定するための1対の挟み込み部材15が設けられている。
【0031】
(モジュールケースの奥行き寸法)
そのモジュールケース1における分割体の組合わせの態様についてさらに詳しく説明する。モジュールケース1には、一般的に、モジュールケース1に収容される電子機器の大きさに応じて寸法が互いに異なるモジュールケースが用意される。そのようなモジュールケースとして、たとえば図2に示すように、奥行き方向の寸法L1〜L3(L1=22.5mm、L2=35mm、L3=45mm)が互いに異なる3つのモジュールケース1を例に挙げる。
【0032】
まず、最も短い奥行き寸法L1を有するモジュールケース1(紙面に向って左端)では、分割体として、奥行き寸法L1を2等分する位置においてレール部材が延在する方向と直交する方向にモジュールケース1を切断した態様の、それぞれ奥行き寸法L1の半分の第1分割寸法(D1=D2=11.25mm)を有する第1分割体2と第2分割体3とが組合わせられている。
【0033】
また、奥行き寸法L1よりも長い奥行き寸法L2を有するモジュールケース1(紙面中央)では、分割体として、第2分割体3と、奥行き寸法L2から第1分割寸法(D1=D2)を差し引いた第2分割寸法(D3=23.75mm)を有する第3分割体4とが組合わせられている。
【0034】
そして、奥行き寸法L2よりも長い奥行き寸法L3を有するモジュールケース1(紙面に向って右端)では、分割体として、第3分割体4と、奥行き寸法L3から第2分割寸法(D3)を差し引いた第3分割寸法(D4=21.25mm)を有する第4分割体5とが組合わせられている。
【0035】
次に、各分割体2〜5の構造について説明する。図3に示すように、第1分割体2の外側表面には、高さ方向に延在する1対の突条部50が形成されている。この場合、突条部50は、第1主側板部21に対応する部分から第1端部側板部となる部分にかけての角部
と、第1主側板部21に対応する部分から第2端部側板部となる部分にかけての角部とにそれぞれ形成されている。また、第1分割体2において第1主側板部21に対応する部分には、コネクター部を露出させるための開口部52が形成されている。
【0036】
一方、第1分割体2の内側には、図4に示すように、第1端部側板部となる部分および第2端部側板部となる部分のそれぞれの上端部において、奥行き方向に延在する嵌合部51がそれぞれ形成されている。
【0037】
次に、図5に示すように、第2分割体3の外側表面には、高さ方向に延在する1対の嵌合溝53が形成されている。この場合、嵌合溝53は、第2主側板部22に対応する部分から第1端部側板部となる部分にかけての角部と、第2主側板部22に対応する部分から第2端部側板部となる部分にかけての角部とにそれぞれ形成されている。また、第2分割体3において第2主側板部22に対応する部分には、コネクター部を露出させるための開口部52が形成されている。
【0038】
一方、第2分割体3の内側には、図6に示すように、第1端部側板部となる部分および第2端部側板部となる部分のそれぞれの上端部において、奥行き方向に延在する嵌合部51がそれぞれ形成されている。第1分割体2の嵌合部51と第2分割体3の嵌合部51とは同じ高さに形成されている。
【0039】
次に、図7に示すように、第3分割体4の外側表面には、高さ方向に延在する1対の突条部50が形成されている。この場合、突条部50は、第1主側板部21に対応する部分から第1端部側板部となる部分にかけての角部と、第1主側板部21に対応する部分から第2端部側板部となる部分にかけての角部とにそれぞれ形成されている。また、第3分割体4において第1主側板部21に対応する部分には、コネクター部を露出させるための開口部52が形成されている。
【0040】
一方、第3分割体4の内側には、図8に示すように、第1端部側板部となる部分および第2端部側板部となる部分のそれぞれの上端部において、奥行き方向に延在する嵌合部51がそれぞれ形成されている。
【0041】
次に、図9に示すように、第4分割体5の外側表面には、高さ方向に延在する1対の嵌合溝53が形成されている。この場合、嵌合溝53は、第2主側板部22に対応する部分から第1端部側板部となる部分にかけての角部と、第2主側板部22に対応する部分から第2端部側板部となる部分にかけての角部とにそれぞれ形成されている。また、第4分割体5において第2主側板部22に対応する部分には、コネクター部を露出させるための開口部52が形成されている。
【0042】
一方、第4分割体5の内側には、図10に示すように、第1端部側板部となる部分および第2端部側板部となる部分のそれぞれの上端部において、奥行き方向に延在する嵌合部51がそれぞれ形成されている。第3分割体4の嵌合部51と第4分割体5の嵌合部51とは同じ高さに形成されている。
【0043】
また、対応する分割体を組合わせる際に各モジュールケースの上側開口端を塞ぐためのパネル6には、図11に示すように、各分割体の嵌合部51の溝部分に嵌る端部6aと、電子機器のソケット等を露出させる開口部6bが形成されている。
【0044】
次に、上述した第1分割体2〜第4分割体5によるモジュールケースの組立て手順について説明する。たとえば、図12に示すように、第1分割体2の内側部分と第2分割体3の内側部分とを対向させ、矢印に示すように、第1分割体2を第2分割体3に接近させな
がら第1分割体2の嵌合部51の溝部分と第2分割体3の嵌合部51の溝部分にパネル6の端部6aを嵌め込むことによって、図13に示すように、奥行き寸法L1を有するモジュールケース1が組立てられる。第1分割体2と第2分割体3とは、たとえば、ねじ(図示せず)等によって固定される。
【0045】
同様にして、第2分割体3と第3分割体4とを対向させてそれぞれの嵌合部51の溝部分にパネル6の端部6aを嵌め込むことにより、奥行き寸法L2を有するモジュールケース1が組立てられる。そして、第3分割体4と第4分割体5とを対向させてそれぞれの嵌合部51の溝部分にパネル6の端部6aを嵌め込むことにより、奥行き寸法L3を有するモジュールケース1が組立てられる。このようにして、奥行き寸法の異なるモジュールケース1が組立てられることになる。
【0046】
(モジュールケースの高さ寸法)
次に、第1分割体2〜第4分割体5にそれぞれ対応して、モジュールケース1の高さをより高くするための分割延長体について説明する。まず、図14に示すように、第1分割体2あるいは第3分割体4に対応する分割延長体11では、分割延長体11の内側の下端部分に、奥行き方向に延在して第1分割体2または第3分割体4に形成された嵌合部51に嵌合する嵌合部60が形成されている。また、分割延長体11の上端部分には、その嵌合部51と同様の奥行き方向に沿って延在する嵌合部61が形成されている。
【0047】
一方、図15に示すように、第2分割体3または第4分割体5に対応する分割延長体12では、分割延長体12の下端部分に奥行き方向に延在して第2分割体3または第4分割体5に形成された嵌合部51に嵌合する嵌合部60が形成されている。分割延長体12の上端部には、その嵌合部51と同様の奥行き方向に沿って延在する嵌合部61が形成されている。
【0048】
次に、上述した分割延長体11,12を備えたモジュールケースの組立て手順について説明する。
【0049】
まず、図16に示すように、第1分割体2または第3分割体4の内側に形成された嵌合部51に対して、分割延長体11の下端部に形成された嵌合部60を嵌合させることによって、図17に示すように、第1分割体2または第3分割体4に分割延長体11が装着される。
【0050】
一方、図18に示すように、第2分割体3または第4分割体5の内側に形成された嵌合部51に対して、分割延長体12の下端部に形成された嵌合部60を嵌合させることによって、図19に示すように、第2分割体3または第4分割体5に分割延長体12が装着される。
【0051】
次に、図20に示すように、分割延長体11が装着された第1分割体2等の内側部分と分割延長体12が装着された第2分割体3等の内側部分とを対向させ、矢印に示すように、第2分割体3等を第1分割体2等へ接近させながら分割延長体11の嵌合部61の溝部分と分割延長体12の嵌合部61の溝部分にパネル6の端部6aを嵌め込むことによって、図21に示すように、高さ方向に延長されたモジュールケース1が組立てられる。
【0052】
なお、上述したモジュールケース1では、分割延長体を1段設けた場合を例に挙げて説明したが、同様の分割延長体11,12をさらに装着することによって、図22に示すように、さらに、高さの高いモジュールケース1を容易に組立てることができる。
【0053】
(レール部材への取付け態様)
本モジュールケース1では、図23に示すように、第1端部側板部23と第2端部側板部24には、レール部材を幅方向Wの一方の側と他方の側とから挟み込むための1対の挟み込み部材15が設けられている。その挟み込み部15は、レール部材を掴む爪部16と、その爪部16を互いに内側に向って付勢するスプリング18と、そのスプリング18の付勢力に抗して爪部16を互いに引離すためのレバー17とを備えている。そのレバー17は、第1端部側板部23と第2端部側板部24にそれぞれ設けられた1対の軸受部19a,19bに軸支されている。
【0054】
図24に示すように、レバー17の上側部分を矢印に示すように挟むことで、スプリング18の付勢力に抗して爪部16が互いに引離される。その状態でモジュールケースをレール部材30の上に載置する。そして、図25に示すように、レバー17を離すとスプリング18の付勢力によって爪部16がレール部材30を挟み込んで、モジュールケース1がレール部材30に固定される。
【0055】
なお、図3〜図22では、特に、挟み込み部15は図示されていないが、たとえば図1に示すように、モジュールケースを構成する2つの分割体の一方の分割体には、1対の軸受部19a,19bの一方の軸受部19aが形成され、他方の分割体には、他方の軸受部19bが形成されている。これにより、2つの分割体を対向させてモジュールケースを組立てる際に、レバー17の軸部の一端側を一方の分割体の軸受部19aに装着するとともに、他端側を他方の分割体の軸受部19bに容易に装着することができる。
【0056】
本モジュールケース1では、互いに対向する第1端部側板部と第2端部側板部に形成される1対の挟み込み部材15のレバー17を操作することによって、モジュールケース1をレール部材30に対して傾けることなく、レール部材30に対して上下方向から取付け取外しが可能になる。
【0057】
そこで、このように上下方向に取付け取外しができることと、突条部と嵌合溝との関係を踏まえてモジュールケース1のレール部材30への取付け態様について具体的に説明する。
【0058】
上述したように、モジュールケース1を構成する2つの分割体のうち、一方の分割体2,4の外側表面には、高さ方向に延在する1対の突条部50が形成され、他方の分割体3,5の外側表面には、高さ方向に延在する1対の嵌合溝53が形成されている(図3〜図10を参照)。
【0059】
この突条体50と嵌合溝53は、一つのモジュールケースと他のモジュールケースを連結するためのものである。たとえば図26に示すように、一つのモジュールケース1に設けられた1対の突条体50を、他のモジュールケース1に設けられた1対の嵌合溝53に嵌合させることによって、図27に示すように、複数のモジュールケース1が順次連結される。こうして、図28に示すように、互いに連結された複数のモジュールケース1がレール部材30に固定されることになる。
【0060】
この状態から、一つのモジュールケース1(たとえば中央に位置するモジュールケース)を交換する場合には、その一つのモジュールケース1を挟み込むように1対のレバー17を掴んで1対の爪部16を開くことで、モジュールケース1がレール部材30に固定された状態から開放される。次に、レバー17を掴んだ状態でモジュールケース1を持ち上げると、図29に示すように、突条体50が嵌合溝53に案内されてモジュールケース1は上方に向かって引き抜かれることになる。
【0061】
このようにして引き抜かれたモジュールケースのスペース(隙間)に対して、新しいモ
ジュールケースを取り付ける場合には、その新しいモジュールケース(図示せず)の突条部を隣接する一方のモジュールケースの嵌合溝に嵌め入れるとともに、嵌合溝に隣接する他のモジュールケースの突条部を嵌め入れて、下方に押し込み、上述した動作と逆の動作を行なうことによって、その新しいモジュールケースをレール部材30に固定することができる。
【0062】
なお、上述したモジュールケースの取り付け態様としては、奥行き寸法の同じモジュールケース同士をレール部材に取り付ける場合を図示して説明したが、隣接するモジュールケース同士の嵌合溝に突条部を嵌め入れることによって、図30に示すように、奥行き寸法の異なるモジュールケース1を混在させてレール部材30に取り付けることができる。
【0063】
このような奥行き寸法の異なるモジュールケース1同士を取り付けた場合にも、図31に示すように、そのモジュールケース1のうちの一つのモジュールケース1のレバー17を操作することによって、レール部材30への取り付けあるいは取り外しが可能である。
【0064】
上記のように、隣り合うモジュールケース同士は嵌合溝に突条部を嵌め入れた状態でレール部材に固定されるため、一方のモジュールケースの第1主側板部と他方のモジュールケースの第2主側板部とが互いに接触する。これを利用して、モジュールケース間の電気的な接続(導通)を行なうことができる。そこで、次に、モジュールケース間の電気的導通の態様について説明する。
【0065】
(モジュールケース間の電気的導通の態様)
レール部材30に取り付けられる各モジュールケース1には、図32に示すように、第1主側板部と第2主側板部に開口部52がそれぞれ形成されている。図33および図34に示すように、この開口部52には、電気的な導通を図るためのコネクター部40a,40bが露出する。一方のコネクター部40aは外方に向って突出するように形成され、他方のコネクター部40bは平面状に形成されている。
【0066】
図35に示すように、複数のモジュールケース1同士を連結してレール部材30に取り付けた状態においては、互いに隣接する一のモジュールケース1と他のモジュールケース1との間では、一のモジュールケース1の開口部に露出したコネクター部40aが他のモジュール1の開口部に露出したコネクター部40bに接触することになる。
【0067】
これにより、モジュールケース1内に収容された電子機器に電力を供給したり、あるいは、電子機器間の信号のやり取り等を、渡り線のような付加的なケーブルを用いることなく行なうことができる。なお、図35では、コネクター部40aとコネクター部40bとの接触の様子を示すために、モジュールケース1とモジュールケース1との間に隙間をもたせた状態が示されている。
【0068】
また、互いに連結された複数のモジュールケースのそれぞれ端に位置するモジュールケースでは、図35に示すように、コネクター部40a,40bが露出した状態になるため、これを覆う保護部45が装着される。図36に示すように、保護具45にはコネクター部40a,40bに接触する端子部47が設けられている。なお、図36では、平板状のコネクター部40bに接触する突出した端子部47を示す。突出した態様のコネクター部40aに対する保護具45では、平板状の端子部47が形成されている(図38参照)。
【0069】
また、保護具45には1対の嵌合溝46が形成されて、図37に示すように、モジュールケースの突条部に嵌合溝46を嵌合することによってモジュールケース1に保護具45が取り付けられることになる。一方、突出した態様のコネクター部40aに対する保護具では、モジュールケースの1対の嵌合溝に嵌合する突条部が形成されている。こうして、
図38に示すように、それぞれ端に位置するモジュールケース1に対してコネクター部を覆う保護具45がそれぞれ装着される。
【0070】
上述したモジュールケースの組立て構造では、奥行き方向の寸法を2分する位置においてレール部材が延在する方向と直交する方向にモジュールケースを切断した態様の2つの分割体を組合わせることによってモジュールケースが構成され、そして、その奥行き寸法よりも長いモジュールケースが、その2つの分割体のうちの一方の分割体を適用して組合わせられることになる。
【0071】
つまり、ある奥行き寸法を有するモジュールケースを構成する2つの分割体のうちの一つの分割体を、その奥行き寸法よりも長い奥行き寸法を有するモジュールケースにも適用することができる。また、分割延長体により、モジュールケースの高さも容易に変えることができる。これにより、サイズごとにモジュールケースを作成する必要がなく、一つの分割体をサイズの異なる複数のモジュールケースにも適用することができて、分割体および分割延長体による汎用性の高いモジュールケースの組立て構造を得ることができる。
【0072】
また、本モジュールケース1では、互いに対向する第1端部側板部と第2端部側板部に1対の挟み込み部材15が形成されて、その挟み込み部の15の1対のレバー17をモジュールケース1を挟み込むように掴むことによって、モジュールケース1をレール部材30に対して傾けることなく上下方向から取付け取外しが可能になる。
【0073】
しかも、各モジュールケースに高さ方向にそれぞれ延在する突条部と嵌合溝とが形成されていることと相まって、一つのモジュールケース1に設けられた1対の突条体50を、他のモジュールケース1に設けられた1対の嵌合溝53に嵌合させることによって、複数のモジュールケース1を順次連結させることができ、また、連結された複数のモジュールケースのうちから特定のモジュールケースだけを取外すこともできる。
【0074】
さらに、互いに連結された状態でレール部材に固定された複数のモジュールケースでは、隣り合うモジュールケースの第1主側板部および第2主側板部のそれぞれの部分に露出するように形成されたコネクター部同士を接触させることによって、付加的なケーブルを用いることなくモジュールケース間の電気的な導通を図ることができる。
【0075】
そして、さらに、モジュールケースの嵌合溝に嵌合する突条部、あるいは、モジュールケースの突条部と嵌合する嵌合溝を備えた保護具を備えて、これをそれぞれ端に位置するモジュールケース1に装着することによってコネクター部を覆ってコネクター部を保護することができる。
【0076】
なお、上述したモジュールケースの組立て構造において挙げられた寸法(L1,L2,L3)は一例であって、モジュールケースのサイズとしては電子機器の大きさ等に応じた種々のサイズを採用することができる。
【0077】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示にすぎず、これに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態に係るモジュールケースの構造を示す斜視図である。
【図2】同実施の形態において、奥行き寸法のそれぞれ異なるモジュールケースを示す斜視図である。
【図3】同実施の形態において、一のモジュールケースを構成する2つの分割体のうちの第1分割体を示す第1の斜視図である。
【図4】同実施の形態において、図3に示される第1分割体を示す第2の斜視図である。
【図5】同実施の形態において、一のモジュールケースを構成する2つの分割体のうちの第2分割体を示す第1の斜視図である。
【図6】同実施の形態において、図5に示される第2分割体を示す第2の斜視図である。
【図7】同実施の形態において、他のモジュールケースを構成する2つの分割体のうちの第3分割体を示す第1の斜視図である。
【図8】同実施の形態において、図7に示される第3分割体を示す第2の斜視図である。
【図9】同実施の形態において、さらに他のモジュールケースを構成する2つの分割体のうちの第4分割体を示す第1の斜視図である。
【図10】同実施の形態において、図9に示される第4分割体を示す第2の斜視図である。
【図11】同実施の形態において、モジュールケースの上端を覆うパネルを示す斜視図である。
【図12】同実施の形態において、モジュールケースの組立て手順の一工程を示す分解斜視図である。
【図13】同実施の形態において、組立てられたモジュールケースを示す部分破断斜視図である。
【図14】同実施の形態において、一の分割延長体を示す斜視図である。
【図15】同実施の形態において、他の分割延長体を示す斜視図である。
【図16】同実施の形態において、一の分割延長体の分割体への取り付け手順の一工程を示す斜視図である。
【図17】同実施の形態において、一の分割延長体を分割体に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図18】同実施の形態において、他の分割延長体の分割体への取り付け手順の一工程を示す斜視図である。
【図19】同実施の形態において、他の分割延長体を分割体に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図20】同実施の形態において、分割延長体を取り付けた分割体によるモジュールケースの組立て手順の一工程を示す分解斜視図である。
【図21】同実施の形態において、組立てられたモジュールケースを示す部分破断斜視図である。
【図22】同実施の形態において、さらに分割延長を備えて組立てられたモジュールケースを示す部分破断斜視図である。
【図23】同実施の形態において、モジュールケースを示す側面図である。
【図24】同実施の形態において、挟み込み部材によるモジュールケースのレール部材への取付け手順の一工程を示す部分破断側面図である。
【図25】同実施の形態において、挟み込み部材によってモジュールケースがレール部材に固定された状態を示す部分破断側面図である。
【図26】同実施の形態において、突条部と嵌合溝によって複数のモジュールケースを連結させながらレール部材へ取付ける取付け手順を説明するための一斜視図である。
【図27】同実施の形態において、突条部と嵌合溝によって複数のモジュールケースが連結された状態を示す上面図である。
【図28】同実施の形態において、突条部と嵌合溝によって複数のモジュールケースが連結された状態を示す斜視図である。
【図29】同実施の形態において、複数のモジュールケースが連結された状態から一のモジュールケースを取外す様子あるいは取付ける様子を示す斜視図である。
【図30】同実施の形態において、奥行き方向の寸法の異なる複数のモジュールケースが連結された状態を示す斜視図である。
【図31】同実施の形態において、奥行き方向の寸法の異なる複数のモジュールケースが連結された状態から一のモジュールケースを取外す様子あるいは取付ける様子を示す斜視図である。
【図32】同実施の形態において、モジュールケース間の電気的な導通を説明するためのモジュールケースを示す一斜視図である。
【図33】同実施の形態において、モジュールケースの開口部に露出するコネクター部を示す部分側面図である。
【図34】同実施の形態において、モジュールケースの開口部に露出するコネクター部を示す部分断面図である。
【図35】同実施の形態において、複数のモジュールケースが連結された状態におけるコネクター部同士の接触する様子を示す側面図である。
【図36】同実施の形態において、コネクター部を覆って保護する保護部を示す斜視図である。
【図37】同実施の形態において、モジュールケースにコネクター部を装着した状態を示す斜視図である。
【図38】同実施の形態において、互いに連結された複数のモジュールケースに対して端に位置するモジュールケースに保護部を装着した状態を示す部分側面図である。
【図39】レール部材に取付けられた従来のモジュールケースを示す斜視図である。
【図40】従来のモジュールケースにおける組立て構造の第1の例を示す斜視図である。
【図41】従来のモジュールケースにおける組立て構造の第2の例を示す斜視図である。
【図42】従来のモジュールケースにおける組立て構造の第3の例を示す斜視図である。
【図43】従来のモジュールケースにおける組立て構造の第4の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
1a,1b 分割体、2 第1分割体、3 第2分割体、4 第3分割体、5 第4分割体、6 パネル、6a 端部、6b 開口部、11,12 分割延長体、15 挟み込み部材、16 爪部、17 レバー、18 スプリング、19a,19b 軸受部、21
第1主側板部、22 第2主側板部、23 第1端部側板部、24 第2端部側板部、25 底板部、26 パネル、40a,40b コネクター部、45 保護部、46 嵌合溝、47 端子部、50 突条部、51,60,61 嵌合部、52 開口部、53 嵌合溝。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延在するレール部材に着脱可能に取付けられ、前記一方向と直交する幅方向、高さ方向および前記一方向に沿う奥行き方向にそれぞれ所定の寸法を有して電子機器を収容するモジュールケースの組立て構造であって、
前記奥行き方向に異なる寸法を有する複数のモジュールケースのそれぞれを、前記奥行き方向の寸法を2分する位置において前記一方向と直交する方向に前記モジュールケースを切断した態様の2つの分割体を組合わせることによって構成し、
複数の前記モジュールケースのうち、前記奥行き方向に第1寸法を有する第1モジュールケースでは、前記分割体として、前記第1寸法を2等分する位置において前記一方向と直交する方向に前記第1モジュールケースを切断した態様のそれぞれ前記第1寸法の半分の第1分割寸法を有する第1分割体と第2分割体とが組合わせられ、
前記奥行き方向に前記第1寸法よりも長い第2寸法を有する第2モジュールケースでは、前記分割体として、前記第2分割体と、前記第2寸法から前記第1分割寸法を差し引いた第2分割寸法を有する第3分割体とが組合わせられた、モジュールケースの組立て構造。
【請求項2】
複数の前記モジュールケースのうち、前記奥行き方向に前記第2寸法よりも長い第3寸法を有する第3モジュールケースでは、前記分割体として、前記第3分割体と、前記第3寸法から前記第2分割寸法を差し引いた第3分割寸法を有する第4分割体とが組合わせられた、請求項1記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項3】
複数の前記モジュールケースのそれぞれでは、前記2つの分割体のうち一方の分割体の上端部には、前記奥行き方向に沿って延在する第1嵌合部が形成され、
前記2つの分割体のうち他方の分割体の上端部には、前記奥行き方向に沿って延在する第2嵌合部が形成され、
前記一方の分割体の前記第1嵌合部と前記他方の分割体の前記第2嵌合部とに所定の部材を嵌合した、請求項1または2に記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項4】
前記所定の部材として、前記モジュールケースの上端を塞ぐ板状のパネルを備え、
前記パネルを前記一方の分割体の前記第1嵌合部の溝部分と前記他方の分割体の前記第2嵌合部の溝部分に嵌め込んだ、請求項3記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項5】
前記所定の部材として、前記モジュールケースの高さ方向を延長するための延長部材を備え、
前記延長部材は、
前記2つの分割体の前記一方の分割体に対応する一方の分割延長体と、
前記他方の分割体に対応する他方の分割延長体と
を含み、
前記一方の分割延長体の下端部には、前記奥行き方向に沿って延在する第3嵌合部が形成され、
前記一方の分割延長体の上端部には、前記奥行き方向に沿って延在する第4嵌合部が形成され、
前記他方の分割延長体の下端部には、前記奥行き方向に沿って延在する第5嵌合部が形成され、
前記他方の分割延長体の上端部には、前記奥行き方向に沿って延在する第6嵌合部が形成され、
前記一方の分割体の前記第1嵌合部に前記一方の分割延長体の前記第3嵌合部を嵌合させるとともに、前記他方の分割体の前記第2嵌合部に前記他方の分割延長体の前記第5嵌合部を嵌合させた、請求項3記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項6】
前記所定の部材として、前記モジュールケースの上端を塞ぐ板状のパネルをさらに備え、
前記パネルを前記一方の分割延長体の前記第4嵌合部の溝部分と前記他方の分割延長体の前記第6嵌合部の溝部分に嵌め込んだ、請求項5記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項7】
複数の前記モジュールケースのそれぞれでは、前記奥行き方向と直交する幅方向に間隔を隔てて互いに対向する端部側部には、前記レール部材を前記幅方向の一方の側と他方の側とから挟み込むための1対の挟み込み部材が設けられ、
複数の前記モジュールケースのそれぞれは、前記1対の挟み込み部材によって前記レール部材を挟み込むことによって前記レール部材に固定された、請求項1〜6のいずれかに記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項8】
複数の前記モジュールケースのそれぞれでは、前記2つの分割体のうちの前記一方の分割体の外側表面には、高さ方向に延在する1対の突条部が形成され、前記他方の分割体の外側表面には、高さ方向に延在する1対の嵌合溝が形成され、
複数の前記モジュールケースのそれぞれは、一のモジュールケースに形成された前記一対の突条部を他のモジュールケースに形成された前記1対の嵌合溝に嵌合させた状態で前記レール部材に固定され、
前記レール部材に固定された複数の前記モジュールケースでは、前記1対の挟み込み部材を操作することにより、複数の前記モジュールケースのうちの任意のモジュールケースの前記レール部材からの取り外しが可能とされた、請求項7記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項9】
複数の前記モジュールケースのそれぞれでは、前記一方の分割体および前記他方の分割体のそれぞれに、一のモジュールケースに収容された電子機器と、他のモジュールケースに収容された電子機器との信号のやり取りを行なうためのコネクタ部が設けられ、
複数の前記モジュールケースが前記レール部材に固定された状態で、一のモジュールケースの前記コネクタ部と他のモジュールに形成された前記コネクタ部とが接触する、請求項1〜8のいずれかに記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項10】
前記モジュールケースに設けられた前記コネクタ部を覆って保護する保護部材を備え、
複数の前記モジュールケースが前記レール部材に固定された状態で、一番端に位置するモジュールケースに設けられた前記コネクタ部が前記保護部材に覆われた、請求項9記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項1】
一方向に延在するレール部材に着脱可能に取付けられ、前記一方向と直交する幅方向、高さ方向および前記一方向に沿う奥行き方向にそれぞれ所定の寸法を有して電子機器を収容するモジュールケースの組立て構造であって、
前記奥行き方向に異なる寸法を有する複数のモジュールケースのそれぞれを、前記奥行き方向の寸法を2分する位置において前記一方向と直交する方向に前記モジュールケースを切断した態様の2つの分割体を組合わせることによって構成し、
複数の前記モジュールケースのうち、前記奥行き方向に第1寸法を有する第1モジュールケースでは、前記分割体として、前記第1寸法を2等分する位置において前記一方向と直交する方向に前記第1モジュールケースを切断した態様のそれぞれ前記第1寸法の半分の第1分割寸法を有する第1分割体と第2分割体とが組合わせられ、
前記奥行き方向に前記第1寸法よりも長い第2寸法を有する第2モジュールケースでは、前記分割体として、前記第2分割体と、前記第2寸法から前記第1分割寸法を差し引いた第2分割寸法を有する第3分割体とが組合わせられた、モジュールケースの組立て構造。
【請求項2】
複数の前記モジュールケースのうち、前記奥行き方向に前記第2寸法よりも長い第3寸法を有する第3モジュールケースでは、前記分割体として、前記第3分割体と、前記第3寸法から前記第2分割寸法を差し引いた第3分割寸法を有する第4分割体とが組合わせられた、請求項1記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項3】
複数の前記モジュールケースのそれぞれでは、前記2つの分割体のうち一方の分割体の上端部には、前記奥行き方向に沿って延在する第1嵌合部が形成され、
前記2つの分割体のうち他方の分割体の上端部には、前記奥行き方向に沿って延在する第2嵌合部が形成され、
前記一方の分割体の前記第1嵌合部と前記他方の分割体の前記第2嵌合部とに所定の部材を嵌合した、請求項1または2に記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項4】
前記所定の部材として、前記モジュールケースの上端を塞ぐ板状のパネルを備え、
前記パネルを前記一方の分割体の前記第1嵌合部の溝部分と前記他方の分割体の前記第2嵌合部の溝部分に嵌め込んだ、請求項3記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項5】
前記所定の部材として、前記モジュールケースの高さ方向を延長するための延長部材を備え、
前記延長部材は、
前記2つの分割体の前記一方の分割体に対応する一方の分割延長体と、
前記他方の分割体に対応する他方の分割延長体と
を含み、
前記一方の分割延長体の下端部には、前記奥行き方向に沿って延在する第3嵌合部が形成され、
前記一方の分割延長体の上端部には、前記奥行き方向に沿って延在する第4嵌合部が形成され、
前記他方の分割延長体の下端部には、前記奥行き方向に沿って延在する第5嵌合部が形成され、
前記他方の分割延長体の上端部には、前記奥行き方向に沿って延在する第6嵌合部が形成され、
前記一方の分割体の前記第1嵌合部に前記一方の分割延長体の前記第3嵌合部を嵌合させるとともに、前記他方の分割体の前記第2嵌合部に前記他方の分割延長体の前記第5嵌合部を嵌合させた、請求項3記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項6】
前記所定の部材として、前記モジュールケースの上端を塞ぐ板状のパネルをさらに備え、
前記パネルを前記一方の分割延長体の前記第4嵌合部の溝部分と前記他方の分割延長体の前記第6嵌合部の溝部分に嵌め込んだ、請求項5記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項7】
複数の前記モジュールケースのそれぞれでは、前記奥行き方向と直交する幅方向に間隔を隔てて互いに対向する端部側部には、前記レール部材を前記幅方向の一方の側と他方の側とから挟み込むための1対の挟み込み部材が設けられ、
複数の前記モジュールケースのそれぞれは、前記1対の挟み込み部材によって前記レール部材を挟み込むことによって前記レール部材に固定された、請求項1〜6のいずれかに記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項8】
複数の前記モジュールケースのそれぞれでは、前記2つの分割体のうちの前記一方の分割体の外側表面には、高さ方向に延在する1対の突条部が形成され、前記他方の分割体の外側表面には、高さ方向に延在する1対の嵌合溝が形成され、
複数の前記モジュールケースのそれぞれは、一のモジュールケースに形成された前記一対の突条部を他のモジュールケースに形成された前記1対の嵌合溝に嵌合させた状態で前記レール部材に固定され、
前記レール部材に固定された複数の前記モジュールケースでは、前記1対の挟み込み部材を操作することにより、複数の前記モジュールケースのうちの任意のモジュールケースの前記レール部材からの取り外しが可能とされた、請求項7記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項9】
複数の前記モジュールケースのそれぞれでは、前記一方の分割体および前記他方の分割体のそれぞれに、一のモジュールケースに収容された電子機器と、他のモジュールケースに収容された電子機器との信号のやり取りを行なうためのコネクタ部が設けられ、
複数の前記モジュールケースが前記レール部材に固定された状態で、一のモジュールケースの前記コネクタ部と他のモジュールに形成された前記コネクタ部とが接触する、請求項1〜8のいずれかに記載のモジュールケースの組立て構造。
【請求項10】
前記モジュールケースに設けられた前記コネクタ部を覆って保護する保護部材を備え、
複数の前記モジュールケースが前記レール部材に固定された状態で、一番端に位置するモジュールケースに設けられた前記コネクタ部が前記保護部材に覆われた、請求項9記載のモジュールケースの組立て構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
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【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【公開番号】特開2007−103421(P2007−103421A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−287748(P2005−287748)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(592220060)日本制禦機器株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(592220060)日本制禦機器株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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