説明

モニタ装置、モニタシステム及びモニタ方法

【課題】携帯センサを用いて、動いている人の身体/精神の状態をモニタリングする装置、システム及び方法を提供する。
【解決手段】動いている間の身体/精神の状態を、身体状態/精神状態に関連する特徴ベクトルに変換し、これを用いて、各個人用の身体情報/精神情報データベースを構築する。データベースは自己学習型アルゴリズムを実装したもので、身体状態/精神状態に係る重み係数のセットを出力する。身体状態/精神状態に係る重み係数及び身体状態/精神状態に係る特徴ベクトル用いた計算の実行後、異常な状況が検出された場合には、携帯センサ12に内蔵された計算器22が警告信号を発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタ装置、モニタシステム及びモニタ方法に関し、より具体的には、遠隔のコンピュータ上に自己学習型データベースを設定し、基本的な計算機能を有する簡単な携帯装置のみを用いて被験者の身体状態/精神状態を予測する、モニタ装置、モニタシステム及びモニタ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1及び特許文献2等のような、従来の患者用モニタは、ユーザの身体状態のみに焦点を当てたものであり、精神状態は除外されていた。今日では、コンピュータを用いて、血圧、脈拍、血流、血糖値、体温、呼吸数又は脳波等により、人々の身体状態/精神状態を感知するための様々な方法がある。特許文献3には、ユーザの心拍数を検出することにより、ユーザのストレスレベルを表示する方法が開示されている。しかし、この方法は単純すぎ、人の感情を有効に反映できない。精神状態の検出に関しては、脳の活動に直接関係することが一般的に認められている。このことを前提として、特許文献4には、脳波の変化によって反映される精神状態を検出する方法が開示されている。しかし、脳波は弱く、外部環境によって容易に乱されるので、このような方法は、日常的な運用ではなく実験的な研究の用途のみに適している。特許文献5には、身体パラメータを測定することによって人の感情の状態を推定する方法が開示されている。しかし、この方法は、複数の異なる閾値を用いて分類を行うので、このような方法を複数の異なるユーザに対して適用するのは困難である。特許文献6には、身体状態/精神状態を評価するための個人化された閾値を用いて分類を行う方法が開示されている。しかし、このような方法は、その複雑な構造により、多くの計算リソースを必要とする。特許文献7には、主にニューラルネットワーク評価法による、身体状態/精神状態を評価するための個人化された閾値を用いて分類を行う別の方法が開示されている。このような方法も、同様に多くの計算リソースを必要とする。更に、解析のために顔の表情及び声の調子の認識を用いる別の方法がある。しかし、これらの方法は十分に成熟していない。例えば、特許文献8は、声の調子を用いて被験者の状態を判定する。しかし、この方法は多くの複雑な計算を必要とするので処理が遅く、実用に供するのは困難である。
【特許文献1】米国特許第6,322,515号明細書
【特許文献2】米国特許第6,338,713号明細書
【特許文献3】米国特許第4,100,536号明細書
【特許文献4】米国特許第6,129,681号明細書
【特許文献5】米国特許第6,656,116号明細書
【特許文献6】米国特許第6,520,905号明細書
【特許文献7】米国特許第6,904,408号明細書
【特許文献8】米国特許第5,647,834号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
日常生活において、我々の周囲では多くの出来事が生じる。心不整脈や高血圧等といった幾つかの身体的異常は、24時間ホルター心電図や連続血圧計のような何らかの装着型の身体モニタ装置によってモニタリングされ得る。その後、結果が専門家によって解釈され、診断及び治療に用いられる。しかし、いつ生じているかの区別が困難な異常もあり、それらは、精神的な要因が組み込まれていない従来の患者用モニタを用いると、検出が困難な場合もある。緊張、幸福、怒り、恐怖、恥かしさ等といった感情は、血圧及び血糖値、脈拍、血流、体温等といった人の身体的な反応を生じる。従って、上記の身体的な要因を観察することにより、人の精神状況を推測できる。しかし、身体的/精神的な反応の変化は、個人的な経験等といった様々な要因に依存する。従って、従来の分類では、個人毎の様々な要求を満たせない可能性が高い。更に、良好な分類アルゴリズムは、異なる人々に適合するための自己学習能力を有するものでなければならない。また、動いているユーザの不自由さを低減し、センサを長時間着用する必要があるユーザの不快感を回避するために、センサを注意深く選択しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、携帯センサを用いて、動いているユーザの身体的/精神的状態をモニタリングする装置、システム及び方法を提案する。処理の大半は容易であるため、この装置は強力な計算機能を必要としない。一般的に、処理の大半は内蔵型処理装置によって行われ、処理装置は異常が生じているか否かを検出する。異常が生じている場合には、アラームが起動する。遠隔のコンピュータにおいて、個人化された身体情報/精神情報データベースが構築される。処理装置との同期後、データベースは、内蔵型処理装置から、更新後の身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルを受信する。統計的分類に基づき身体状態/精神状態に係る重み係数が計算され、或る時間の経過後に処理装置に返される。オンラインで用いられるかオフラインで用いられるかに関わらず、同期後に、処理装置は更新されたパラメータを用いて、より正確な身体状態/精神状態の予測を行う。個人化された身体情報/精神情報データベースを継続的に更新できるので、自己学習及び長期記録の効果が達成される。
【0005】
本発明の一実施形態によるモニタ装置は、携帯装置及び処理装置を含む。携帯装置は、ユーザから身体状態/精神状態を示す信号をサンプリングするよう構成される。処理装置は、サンプリングされた信号を用いて身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルを計算し、身体状態/精神状態に係る重み係数及び特徴ベクトルに従って、ユーザが正常な身体状態/精神状態であるか否かを判定する。
【0006】
本発明の一実施形態によるモニタ装置は、携帯装置と、トランシーバと、重み係数レジスタと、ベクトル計算器と、身体状態/精神状態計算器とを含む。携帯装置は、ユーザから身体状態/精神状態を示す信号をサンプリングするよう構成される。トランシーバは、遠隔のデータベースの身体状態/精神状態に係る重み係数を受信及び更新するよう構成される。重み係数レジスタは、トランシーバから受信した身体状態/精神状態に係る重み係数を格納するために用いられる。ベクトル計算器は、サンプリングされた信号を用いて身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルを計算するために用いられる。身体状態/精神状態計算器は、身体状態/精神状態に係る重み係数及び特徴ベクトルに従って身体状態/精神状態を分類するための計算を行うよう構成される。
【0007】
本発明の一実施形態によるモニタシステムは、遠隔のコンピュータ及びモニタ装置を含む。遠隔のコンピュータは、身体状態/精神状態に係る重み係数を生成するために身体情報/精神情報データベースを有する。モニタ装置は、身体状態/精神状態をサンプリングし、身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルを計算するよう構成され、身体状態/精神状態に係る重み係数及び特徴ベクトルを用いた計算を行うことにより身体状態/精神状態を分類し、身体状態/精神状態が異常と分類された場合には警告する。モニタ装置は、身体情報/精神情報データベースを特定の期間の異常データで更新する。
【0008】
本発明の一実施形態によるモニタ方法は、遠隔の身体情報/精神情報データベースから特定のユーザの身体状態/精神状態に係る重み係数を取得する工程を含む。その後、ユーザから身体状態/精神状態を示すサンプルが取得され、身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルが計算される。更に、身体状態/精神状態に係る重み係数及び特徴ベクトルを用いた計算により身体状態/精神状態の分類が決定される。次に、身体状態/精神状態が異常と分類された場合には、アラームが起動する。
【0009】
本発明の一実施形態によるモニタ方法は、遠隔のコンピュータの身体情報/精神情報データベースから特定のユーザの身体状態/精神状態に係る重み係数を生成する工程を含む。その後、携帯装置を介して身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルが取得される。身体状態/精神状態に係る重み係数及び特徴ベクトルを用いて身体状態/精神状態の分類が行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1には、本発明の一実施形態による身体状態/精神状態モニタシステム10が示されている。システム10は、身体状態/精神状態モニタ装置12と遠隔のコンピュータ13とを含む。遠隔のコンピュータ13には、ユーザ11の身体情報/精神情報データベースが予め格納されている。身体情報/精神情報データベースは自己学習機能を有し、身体状態/精神状態モニタ装置12から送信される異常のデータを用いてその内容を更新することができる。身体状態/精神状態モニタ装置12は、ユーザ11から身体状態/精神状態を示すサンプル信号を取得し、異常な状況が生じているか否かを判定する。サンプル信号の取得は、反射された高周波パルスシーケンスと基準高周波パルスシーケンスとの間の位相シフトを測定する、非接触超広帯域動作モードで行うことができる。位相シフト信号は身体状態/精神状態に比例するので、位相シフト信号は、身体状態/精神状態に係るサンプル信号として使用することができる。
【0011】
図2には、本発明による身体状態/精神状態モニタシステムの構成が示されている。身体状態/精神状態モニタシステム10は、サイズが小さく基本的な計算機能を有する携帯装置21及び処理装置22等からなるモニタ装置12を用いて、ユーザ11の呼吸数や脈拍又は血圧に反映される心臓状態等、身体状態/精神状態サンプルを取得する。身体状態/精神状態モニタ装置12は、取得された身体状態/精神状態サンプルを用いて、身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルを計算する。その後、身体状態/精神状態モニタ装置12は、遠隔のコンピュータ13から転送された身体状態/精神状態に係る重み係数と特徴ベクトルとを用いた計算により、ユーザ11の身体状態/精神状態の分類を判定する。ユーザの身体状態/精神状態が異常と判定された場合には、身体状態/精神状態モニタ装置12のアラームが起動し、データが収集される。身体状態/精神状態モニタ装置12が取得したデータは、所与の時間枠内に遠隔のコンピュータ13に転送され、身体情報/精神情報データベースが更新される。身体状態/精神状態装置12の電力消費及び不必要な信号の送信を低減するために、身体状態/精神状態に係る重み係数及び特徴ベクトルはオフラインで更新することもできる。また、身体情報/精神情報データベースのスペースを節約するために、身体状態/精神状態特徴ベクトルは、異常状態時のデータが取得された場合にのみ更新されるようにしてもよい。
【0012】
図3には、本発明による身体状態/精神状態装置12の詳細構成が示されている。身体状態/精神状態モニタ装置12は、携帯装置21と処理装置22とを含む。処理装置22は、トランシーバ31と、重み係数レジスタ32と、ベクトル計算器33と、身体状態/精神状態計算器34と、アラーム35とを含む。トランシーバ31は、遠隔のデータベースの身体状態/精神状態に係る重み係数を受信し、更新するために用いられる。重み係数レジスタ32は、トランシーバ31から受信した身体状態/精神状態に係る重み係数を格納するために用いられる。ベクトル計算器33は、動いているユーザ11から、心臓状態に関する身体的信号等、身体状態/精神状態サンプルを取得し、そのようなサンプルを用いて、ユーザの身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルを計算する。身体状態/精神状態計算器34は、身体状態/精神状態に係る重み係数及び特徴ベクトルに基づき、身体状態/精神状態の分類を行う。そのような計算に必要なのは、身体状態/精神状態の分類を行うための基本的な計算装置のみであるので、基本的な計算機能を有する処理装置22で十分である。ユーザの検出された身体状態/精神状態がベースラインから明らかに逸脱する場合には、その身体状態/精神状態は異常と分類され、アラーム35が起動する。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、遠隔のコンピュータ13は、ユーザの身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルとして30項目の特徴ベクトルが予め格納された、ユーザ11の身体情報/精神情報データベースを有し、以下に示す方法により身体状態/精神状態に係る重み係数を解析する。
【0014】
身体状態/精神状態に係る重み係数はW、W及びWを含む。Wは{ω0,1,ω0,2,…,ω0,18}を含み、Wは{ω1,1,ω1,2,…,ω1,18}を含み、Wは{ω2,1,ω2,2,…,ω2,18}を含む。ω0,1からω2,18までの全てのデータは、30項目の身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルに従って計算される。身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルT31は{t31,1,t31,2,…,t31,18}を含み、各要素は1つの異なる特徴を表す。例えば、t31,1は取得されたサンプルの平均値を表し、t31,2は取得されたサンプルの標準偏差を表し、t31,8は低周波パワースペクトルを表し、t31,10は高周波パワースペクトルを表す。身体状態/精神状態の分類ω、ω、ωは、身体状態/精神状態モニタ装置12によって、それぞれ次式のように計算される。
【0015】
ω=W×T31+ω0,19
ω=W×T31+ω1,19
ω=W×T31+ω2,19
式中、ω0,19、ω1,19及びω2,19は、身体情報/精神情報データベースから計算される定数である。遠隔のコンピュータ13の身体情報/精神情報データベースは、個々人のそれぞれ異なる適応的分類に従って設定される。例えば、表1は、6つのデータベースを含む統計的分類を適用した実験結果である。この結果は、身体状態/精神状態データに適用される分類モデルがかなり正確(≧75%)であることを示すものである。
【表1】

【0016】
まず、最良の身体状態変化予測モデルを決定するように最初の段階で身体情報/精神情報データベースをセットアップすることにより、最良の予測モデルを選択する。分類は、外部の臨床データを参照するのではなく、特定のユーザに対して設定される。外部の臨床データは、異なる性別、年齢及び身体的特徴を有する人々から取得されたものであるので、そのようなデータベースは不正確で不都合である。更に、特定の個人の身体的信号は、外部の臨床データの相違によって容易に乱される。従来技術とは対照的に、本発明は、個人に対して特別に設計されるものであり、個人毎のパラメータ推定及び個人化された予測を含む最良の正確な予測モデルを選択する。、この際、所与の時間枠内に幾つかの異常のデータを蓄積してデータベースにフィードバックしてモデルを修正し、身体状態/精神状態に係る重み係数を推定してもよい。すなわち、本発明で使用する統計モデルは、時間及び身体パラメータの変化を用いてそれ自体を調節するという特徴を有する。
【0017】
図4は、サポートベクタマシン(SVM)の分類を例示するものであり、ユーザの身体からサンプリングされた信号の処理及び身体状態/精神状態の予測にSVM分類をどのように適用するかを示す。SVM分類の式は式(1)に示されている。
【数1】

【0018】
式(1)のパラメータβは定数であり、αは重み係数であり、yはi番目の実数値である。この例では、実数値はR-R間隔(RRI)であり、Vはi番目のサポートベクトルであり、xはi番目のサポートベクトルの要素であり、この例では身体状態を表す。この例の訓練SVMモデルとしては、線形関数を用いることができる。
【0019】
更に、図5にはSVMの分類が示されている。線L1は「高」領域と「低」領域との間にあり、線L2は「高」領域と「中」領域との間にあり、線L3は「中」領域と「低」領域との間にある。線L1、L2及びL3と、「高」領域、「中」領域又は「低」領域とを用いることにより、ユーザの身体状態/精神状態を容易に識別できる。
【0020】
図6は、本発明の身体状態/精神状態モニタ方法のフローチャートである。まず、不必要なノイズを除去するために、バンドパスフィルタによってデジタル信号をフィルタリングする。その後、フィルタリングされたデジタル信号を用いて、脈拍の上下の閾値を調節する。脈拍のピークが検出されたら、システムは、このピークとその前のピークとの時間差、即ち、脈拍のRRI周期を計算し、これは最終的にメモリバッファ領域に格納される。メモリバッファが512個の脈拍周期データを格納したら、システムは、これらの平均値、標準偏差、RRIパワースペクトル等を計算する。本実施形態では、計算されたパワースペクトルを用いて、更にSVMの低周波、中周波及び高周波パワースペクトルを計算する。この計算されたパラメータを用いて、身体状態/精神状態に係る18個の特徴ベクトルT31={t31,1,t31,2,…,t31,18}を解析することができる。18個の特徴ベクトルは、対応する重み係数W={ω1,1,ω1,2,…,ω1,18}、W={ω1,1,ω1,2,…,ω1,18}及びW={ω2,1,ω2,2,…,ω2,18}を有する。行列乗算及び調節により、3つの身体状態/精神状態の分類ω、ω、ωが取得される。ここで、ω=W×T31+ω0,19であり、ω=W×T31+ω1,19であり、ω=W×T31+ω2,19である。ωが0以下である場合には、「中」及び「低」の身体状態/精神状態ポインタ(精神状態指数)に1が加算される。ωが0以下である場合には、「中」及び「高」の身体状態/精神状態ポインタに1が加算される。ωが0以下である場合には、「高」及び「低」の身体状態/精神状態ポインタに1が加算される。身体状態/精神状態ポインタを計算したら、システムは、各身体状態/精神状態ポインタの値を比較する。最大値を有する身体状態/精神状態ポインタは、「中」、「高」又は「低」として記述され得るユーザの身体状態/精神状態を示す。
【0021】
携帯センサに関しては、本実施形態は、ユーザの脈拍に反映される心臓状態を検出するためのセンサとして、装着型のセンサとして製造され得る非接触超広帯域センサを採用する。このような種類のセンサは、衣服によって人体と隔てられていても、動脈の脈拍が反映される位置であれば人体のどの位置にも配置できる。従って、ユーザの不都合を最小限にすることができる。
【0022】
本発明の上述の実施形態は、説明のみを意図するものである。添付の特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者によって多くの別の実施形態が考案され得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態による身体的/精神的モニタシステムを示す図。
【図2】本発明による身体的/精神的モニタシステムの構成を示す図。
【図3】本発明による身体的/精神的装置の構成を示す図。
【図4】サポートベクタマシンの分類を例示する図。
【図5】SVMの分類を示す図。
【図6】本発明の身体的/精神的モニタ方法のフローチャート。
【符号の説明】
【0024】
10 身体状態/精神状態モニタシステム
11 ユーザ
12 身体状態/精神状態モニタ装置(モニタ装置)
13 遠隔のコンピュータ
21 携帯装置
22 処理装置
31 トランシーバ
32 重み係数レジスタ
33 ベクトル計算器
34 身体状態/精神状態計算器
35 アラーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔のコンピュータの身体情報/精神情報データベースからユーザの身体状態/精神状態に係る重み係数を取得するモニタ装置であって、
前記ユーザから身体状態/精神状態を示す信号をサンプリングするよう構成された携帯装置と、
前記サンプリングされた信号を用いて身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルを計算し、前記重み係数及び前記特徴ベクトルに従って前記ユーザが正常な身体状態/精神状態であるか否かを判定する処理装置と
を備えることを特徴とするモニタ装置。
【請求項2】
前記携帯装置が非接触超広帯域モードで動作することを特徴とする請求項1記載のモニタ装置。
【請求項3】
前記携帯装置が前記ユーザの呼吸数をサンプリングすることを特徴とする請求項1記載のモニタ装置。
【請求項4】
前記携帯装置が前記ユーザの脈拍に反映される心臓状態をサンプリングすることを特徴とする請求項1記載のモニタ装置。
【請求項5】
前記携帯装置が前記ユーザの血圧をサンプリングすることを特徴とする請求項1記載のモニタ装置。
【請求項6】
前記処理装置が、取得された異常データを用いて前記身体情報/精神情報データベースを更新することを特徴とする請求項1記載のモニタ装置。
【請求項7】
前記更新がオフラインで行われることを特徴とする請求項6記載のモニタ装置。
【請求項8】
ユーザから該ユーザの身体状態/精神状態を示す信号をサンプリングするよう構成された携帯装置と、
遠隔のデータベースに記憶されている身体状態/精神状態に係る重み係数を受信及び更新するよう構成されたトランシーバと、
前記トランシーバから受信した前記身体状態/精神状態に係る重み係数を格納するための重み係数レジスタと、
前記サンプリングされた身体状態/精神状態を示す信号を用いて身体状態/精神状態を表わす特徴ベクトルを計算するベクトル計算器と、
前記身体状態/精神状態に係る重み係数及び前記特徴ベクトルに従って身体状態/精神状態の分類を行うよう構成された身体状態/精神状態計算器と
を備えることを特徴とするモニタ装置。
【請求項9】
前記携帯装置が非接触超広帯域モードで動作することを特徴とする請求項8記載のモニタ装置。
【請求項10】
前記身体状態/精神状態の分類が異常である場合には警告を発するアラームを更に備えることを特徴とする請求項8記載のモニタ装置。
【請求項11】
前記携帯装置が前記ユーザの呼吸数をサンプリングすることを特徴とする請求項8記載のモニタ装置。
【請求項12】
前記携帯装置が前記ユーザの脈拍に反映される心臓状態をサンプリングすることを特徴とする請求項8記載のモニタ装置。
【請求項13】
前記携帯装置が前記ユーザの血圧をサンプリングすることを特徴とする請求項8記載のモニタ装置。
【請求項14】
前記遠隔のデータベースが、分類が異常である場合に、オフラインで更新されることを特徴とする請求項10記載のモニタ装置。
【請求項15】
前記身体状態/精神状態計算器が、
身体状態/精神状態の3つの分類ω、ω及びωを取得するために前記身体状態/精神状態に係る重み係数と特徴ベクトルとの間の行列乗算及び定数の加算を行う手段と、
ωが0以下である場合に、中及び低の身体状態/精神状態指数に1を加算する手段と、
ωが0以下である場合に、中及び高の身体状態/精神状態指数に1を加算する手段と、
ωが0以下である場合に、高及び低の身体状態/精神状態指数に1を加算する手段と、
最大値を有する前記身体状態/精神状態指数を身体状態/精神状態として判定する手段と
を備えることを特徴とする請求項8記載のモニタ装置。
【請求項16】
身体状態/精神状態に係る重み係数を生成するために身体情報/精神情報データベースを有する遠隔のコンピュータと、
身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルをサンプリング及び計算するよう構成され、前記身体状態/精神状態に係る重み係数及び前記特徴ベクトルを用いて身体状態/精神状態を計算し、該身体状態/精神状態が異常として分類された場合には警告するモニタ装置と
を備え、
前記モニタ装置が、特定の期間に異常として分類されたデータを用いて前記身体情報/精神情報データベースを更新する
ことを特徴とするモニタシステム。
【請求項17】
前記モニタ装置が非接触超広帯域モードで動作することを特徴とする請求項16記載のモニタシステム。
【請求項18】
前記モニタ装置がユーザの呼吸数をサンプリングすることを特徴とする請求項16記載のモニタシステム。
【請求項19】
前記モニタ装置がユーザの脈拍の心臓状態をサンプリングすることを特徴とする請求項16記載のモニタシステム。
【請求項20】
前記モニタ装置がユーザの血圧をサンプリングすることを特徴とする請求項16記載のモニタシステム。
【請求項21】
前記身体情報/精神情報データベースが、前記モニタ装置が動作する前に前記身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルを格納していることを特徴とする請求項16記載のモニタシステム。
【請求項22】
前記遠隔のコンピュータの前記身体情報/精神情報データベースが前記身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルのみを格納することを特徴とする請求項21記載のモニタシステム。
【請求項23】
遠隔の身体情報/精神情報データベースから特定のユーザの身体状態/精神状態に係る重み係数を取得する工程と、
前記ユーザから該ユーザの身体状態/精神状態のサンプルを取得し、身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルを計算する工程と、
前記身体状態/精神状態に係る重み係数及び前記特徴ベクトルを用いて身体状態/精神状態の分類を計算する工程と、
前記身体状態/精神状態の分類が異常とみなされた場合には警告する工程と
を備えることを特徴とするモニタ方法。
【請求項24】
前記遠隔の身体情報/精神情報データベースを特定の期間に異常に分類されたデータに基づき更新する工程を更に備えることを特徴とする請求項23記載のモニタ方法。
【請求項25】
前記更新がオフラインで行われることを特徴とする請求項24記載のモニタ方法。
【請求項26】
前記身体状態/精神状態の分類を計算する工程が、
身体状態/精神状態の3つの分類ω、ω及びωを取得するために、前記身体状態/精神状態に係る重み係数と前記特徴ベクトルとの間の行列乗算及び定数の加算を行う工程
を含むことを特徴とする請求項23記載のモニタ方法。
【請求項27】
ωが0以下である場合に、中及び低の身体状態/精神状態指数に1を加算する工程と、
ωが0以下である場合に、中及び高の身体状態/精神状態指数に1を加算する工程と、
ωが0以下である場合に、高及び低の身体状態/精神状態指数に1を加算する工程と、
最大値を有する前記身体状態/精神状態指数を身体状態/精神状態として判定する工程と
を更に備えることを特徴とする請求項26記載のモニタ方法。
【請求項28】
遠隔のコンピュータの身体情報/精神情報データベースから特定のユーザの身体状態/精神状態に係る重み係数を生成する工程と、
携帯装置を用いて身体状態/精神状態に係る特徴ベクトルを取得する工程と、
前記身体状態/精神状態に係る重み係数及び前記特徴ベクトルを用いて身体状態/精神状態の分類を行う工程と
を備えることを特徴とするモニタ方法。
【請求項29】
前記特定のユーザの前記身体状態/精神状態の分類を行う前記工程が、
身体状態/精神状態の3つの分類ω、ω及びωを取得するために、前記身体状態/精神状態に係る重み係数と前記特徴ベクトルとの間の行列乗算及び定数の加算を行う工程
を含むことを特徴とする請求項28記載のモニタ方法。
【請求項30】
ωが0以下である場合に、中及び低の身体状態/精神状態指数に1を加算する工程と、
ωが0以下である場合に、中及び高の身体状態/精神状態指数に1を加算する工程と、
ωが0以下である場合に、高及び低の身体状態/精神状態指数に1を加算する工程と、
最大値を有する前記身体状態/精神状態指数を身体状態/精神状態として判定する工程と
を更に備えることを特徴とする請求項29記載のモニタ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−253727(P2008−253727A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282956(P2007−282956)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(507084073)インダストリアル テクノロジー リサーチ インスティテュート (22)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】