説明

モノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビター及びアセチルコリンエステラーゼインヒビターを含む医薬組成物

本発明は、2,3-二置換トロパン成分を含むモノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビター、又は互変異性体、医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物、又は生理学的に機能するそれらの誘導体(1)、及び少なくとも一つのアセチルコリンエステラーゼインヒビター又は医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物、又は生理学的に機能するそれらの誘導体(2)、及び医薬的に許容され得るキャリヤー又は賦形剤、及び所望により一つ以上の他の治療成分を含む医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
1.技術分野
本発明は、モノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビター及びアセチルコリンエステラーゼのコンビネーション、及び神経変性状態、例えばアルツハイマー病の治療におけるそのコンビネーションの使用に関する。
【0002】
2.背景情報
アルツハイマー病は、高齢者のみならず、それに対して主に遺伝的素因のある若年者にも主に影響する、十分に理解されていない神経変性状態である。
一つの仮定上の治療方法には、コリン系に作用するアセチルコリンエステラーゼインヒビターの投与が含まれる。
しかし、この方法には、これらの化合物が、ある範囲の副作用、具体的には消化管の不快感、例えば悪心、下痢及び唾液分泌を引き起こすという不都合がある。
本発明による使用に関して、ドパミン再取り込みインヒビター活性を有するトロパン誘導体は、具体的には、特許出願EP 604355、EP 604352、US 5444070、EP 604354、WO 95/28401及びWO 97/30997により開示されているようなトロパン誘導体であってもよい。
しかし、そこにはこれらの化合物をアセチルコリンエステラーゼインヒビターと組み合わせるという提案はなされていない。
【0003】
本発明は、アセチルコリンエステラーゼと、いずれかのモノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビターの、別々、逐次又は同時投与用の新規かつ驚くべき有効性を示すコンビネーションを提供する。
驚くべきことに、そのコンビネーションは、以下のことを提供する:
i) 単一の薬剤に期待されるものに比べて低い使用量、及び
ii) 両方の物質の一般的な耐容性及びコンプライアンスを上昇させるそれぞれの単一の薬剤の有害事象プロフィールの低減又は最小化、及び異なる作用メカニズムにより各物質のプロフィールが全体的に異なる場合のいずれかの有害な副作用の低減。
【0004】
発明の概要
従って、本発明は、2,3-二置換トロパン成分を含むモノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビター、又は互変異性体、医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物、又は生理学的に機能するそれらの誘導体(1)、及び少なくとも一つのアセチルコリンエステラーゼインヒビター又は医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物、又は生理学的に機能するそれらの誘導体(2)、及び医薬的に許容され得るキャリヤー又は賦形剤、及び所望により一つ以上の他の治療成分を含む医薬組成物に関する。
【0005】
本発明は、認知欠乏に関連した神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病、ルイスボディ病(Lewis body disease)、フロントテンポラーレ痴呆、又は通常の過程、例えば、加齢、例えば脳血管性痴呆、及び加齢による記憶障害(AAMI)又は軽度認知障害(MCI)のような軽度な状態、又は異常な過程、例えば、傷害から生じる可能性のある認知欠乏を患う患者の状態において、活性成分単独の投与に予期されるよりも高い改善を提供する。さらに、コンビネーションは、投与されるべき各活性成分の全投与量の低減を可能にし、従って副作用を低減し、また、時間の経過に伴う各活性成分の有効性のいずれかの低下を減少させる。
また、少なくとも二つの別々の単位投与形態(A)及び(B)を含む部分のキットを、同時、逐次又は別々の投与のために提供する:
(A) 2,3-二置換トロパン成分を含むモノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビター、又は互変異性体、医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物、又は生理学的に機能するそれらの誘導体(1)、及び所望により医薬的に許容され得るキャリヤーの組成物を含むもの;
(B) 一つ以上のアセチルコリンエステラーゼインヒビター又は医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物、又は生理学的に機能するそれらの誘導体(2)、及び所望により医薬的に許容され得るキャリヤーを含む組成物を含むもの。
【0006】
また、2,3-二置換トロパン成分を含むモノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビター、又は互変異性体、医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物、又は生理学的に機能するそれらの誘導体(1)、及び少なくとも一つのアセチルコリンエステラーゼインヒビター又は医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物、又は生理学的に機能するそれらの誘導体(2)のコンビネーションの、組み合わせの形態、又は、別々又は別々及び逐次における(逐次投与は時間的に近いか又は離れている)、疾患又は症候の予防又は治療用薬剤製造のための使用であって、その疾患又は症候がモノアミン神経伝達物質再取り込み阻害及び又はAChE阻害に応答する前記使用を提供する。
【0007】
また、疾患又は症候の予防又は治療の方法であって、その疾患又は症候がモノアミン神経伝達物質再取り込み阻害に応答し、方法が、2,3-二置換トロパン成分を含むモノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビター又は互変異性体、医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物又は生理学的に機能するそれらの誘導体(1)及び少なくとも一つのアセチルコリンエステラーゼインヒビター又は医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物又は生理学的に機能するそれらの誘導体(2)の有効量の、それらを必要とする患者への、組み合わせの形態、又は、別々又は別々及び逐次における投与を含み、その逐次投与が時間的に近いか又は離れている、前記方法を開示する。
【0008】
発明の詳細な説明
一般的に、2,3-二置換トロパン成分を含むモノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビターは、以下の一般式(I)の化合物又は医薬的に許容され得るそれらの付加塩又はそれらのN-オキシドである;
【化1】

[式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル又は2-ヒドロキシエチルであり;
R3 は、CH2-X-R'{式中、XはO、S又はNR"であり;R"は水素又はアルキルであり;
R'はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル又は-CO-アルキル;
ヘテロアリール(アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルで一つ以上置換されていてもよい);
フェニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);
フェニルフェニル;
【0009】
ピリジル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);
チエニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);又は
ベンジル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい)};又は
【0010】
(CH2)nCO2R11、COR11、又はCH2R12{式中、R11はアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキル;フェニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);フェニルフェニル;ピリジル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);o チエニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);又はベンジルであり;
nは、0又は1であり;また
R12は、O-フェニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);又は
【0011】
O-CO-フェニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);又は
CH=NOR';式中、R'は、o 水素;o アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり;それらの全てが-COOH;-COO-アルキル;-COO-シクロアルキル;又はフェニル(ハロゲン、CF3、CN、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アミノ及びニトロからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい)で置換されていてもよい};
R4は、フェニル、3,4-メチレンジオキシフェニル、ベンジル、ナフチル又はヘテロアリールである(それらは全て、ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい)]。
【0012】
一般式Iの化合物の特別な態様において、R3 は、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル(アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルで5位が置換されていてもよい);フェニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);フェニルフェニル;又はベンジル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);又は1,2,4-オキサジアゾール-5-イル(アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルで3位が置換されていてもよい);フェニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);フェニルフェニル;ベンジル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい;ピリジル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);又はチエニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい)である。
【0013】
一般式(I)の化合物のさらに具体的な態様において、R3 は、CH2-X-R'であり、式中、Xは、O、S又はNR"であり;式中、R"は水素又はアルキルであり;R'は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル又は-CO-アルキルである。
一般式(I)の化合物のさらなる態様において、R3 はCH=NOR'(式中、R'は、水素;アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり;それらの全ては、-COOH;-COO-アルキル;-COO-シクロアルキルで置換されていてもよい);又はフェニル(ハロゲン、CF3、CN、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アミノ及びニトロからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい)である。
【0014】
一般式(I)の化合物のさらに具体的な態様において、R4は、フェニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一置換又は二置換されていてもよい)である。
さらに具体的な態様において、R4は、塩素で一置換又は二置換されているフェニルである。
さらに具体的な態様において、ドパミン再取り込みインヒビター活性を有するトロパン誘導体は、一般式Iの(1R,2R,3S)-2,3-二置換トロパン誘導体である。
さらなる態様において、ドパミン再取り込み阻害活性を有するトロパン誘導体は、式中R3 が-CH2-X-R'(式中、XはO又はS、R'はメチル、エチル、プロピル又はシクロプロピルメチルである);-CH=NOR'(式中、R'は水素又はアルキルである)、又は1,2,4-オキサジアゾール-5-イル(3位がアルキルにより置換されていてもよい)である、一般式Iの化合物である。
【0015】
さらなる態様において、ドパミン再取り込み阻害活性を有するトロパン誘導体は、式中Rが水素、メチル、エチル又はプロピルである、一般式Iの化合物である。
さらなる態様において、ドパミン再取り込み阻害活性を有するトロパン誘導体は、R4が3,4-ジクロロフェニルである、一般式Iの化合物である。
好ましくは、2,3-二置換トロパン成分を含むそれらのモノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビターは、一般式(I1)の化合物、又は互変異性体、医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物又は生理学的に機能するそれらの誘導体(1)である;
【化2】

(式中、Rは、水素原子又はC1-6 アルキル基、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基を表す;
R5は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はCF3又はシアノ基、好ましくはフッ素、塩素又は臭素原子を表す;
R'は、水素原子又はC1-6 アルキル又はC3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル基、好ましくはメチル、エチル又はn-プロピル基を表す;及び
mは0又は整数の1〜3、好ましくは1又は2である)。
【0016】
ここに使用する場合、表現「Cl-6 アルキル」としては、メチル基及びエチル基、及び直鎖及び分岐のプロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル基が挙げられる。具体的なアルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル及びt-ブチルである。
ここに使用する表現「C3-6 シクロアルキル」としては、環状プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル基、例えばシクロプロピル及びシクロヘキシルが挙げられる。
ここに使用する用語「ハロゲン」としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられ、そのうちフッ素及び塩素が好ましい。
【0017】
ここに使用する用語「生理学的に機能する誘導体」としては、生理学的条件下で一般式(I)の化合物から得られる誘導体が挙げられ、それらは、例えば、酸化条件下で形成されるN-オキシドである。
ここに使用する用語「医薬的に許容され得る酸付加塩」としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸及びマレイン酸で形成された酸付加塩から選択される塩が挙げられ、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸及び酢酸から得られる塩が特に好ましい。クエン酸の塩が特に重要である。
【0018】
具体的な態様において、ドパミン再取り込みインヒビター活性を有するトロパン誘導体は、以下のものから選ばれる一般式(I)の化合物である:
(1R,2R,3S)-2-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3- (4-フルオロフェニル)トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-メチルフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-ベニル(Benyl)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(4-フェニル-フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)トロパン;
【0019】
(1R,2R,3S)-2-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(2-ナフチル)トロパン;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン-2-O-メチル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-ベンジル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-エトキシカルボニルメチル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-メトキシカルボニルメチル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-(1-エトキシカルボニル-1,1-ジメチル-メチル)-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-カルボキシメチル-2-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-メチル-アルドキシム;
【0020】
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-ベンジル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(4-メチルフェニル)トロパン-2-O-メチル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-(1,1-ジメチルエチル)-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(4-クロロフェニル)トロパン-2-O-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(4-クロロフェニル)トロパン-2-O-メチルアルドキシム塩酸塩;
(1R,2R,3S)-3-(4-クロロフェニル)トロパン-2-O-メトキシカルボニルメチル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-(2-プロピニル)-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-(2-メチルプロピル)-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-シクロプロピルメチル-アルドキシム;
【0021】
(1R,2R,3S)-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン-2-O-エチル-アルドキシム;
(1R,2R,3S)-2-メトキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-イソプロポキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-エトキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-エトキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-ノルトロパン;
(1R,2R,3S)-2-シクロプロピルメチルオキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-メトキシメチル-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
【0022】
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-2-メトキシメチル-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-エトキシメチル-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-2-メトキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-2-エトキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-2-エトキシメチル-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-2-シクロプロピルメチルオキシメチル-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
【0023】
(1R,2R,3S)-2-シクロプロピルメチルオキシメチル-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-エチルチオメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-ヒドロキシメチル-3-(4-フルオロフェニル)トロパン;
(1R,2R,3S)-2-ヒドロキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-N-(tert-ブトキシカルボニル)-2-ヒドロキシメチル-3-(3,4-ジクロロフェニル)トロパン;
(1R,2R,3S)-2-ヒドロキシメチル-3-(4-クロロフェニル)トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(2-フラニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(3-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
【0024】
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-N-アリル-2-(3-(4-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-N-エチル-2-(3-(4-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-(3-(4-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-2-(3-(4-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
【0025】
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-N-アリル-2-(3-(3-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-N-ノルメチル-N-アリル-2-(3-(2-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(2-チエニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(2-チエニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(4-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(2-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
【0026】
(1R,2R,3S)-2-(3-(4-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(3-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-2-ピリジル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)-トロパン;
【0027】
(1R,2R,3S)-2-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-メチルフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-ベンジル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-(4-フェニルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-3-(2-ナフチル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(4-クロロフェノキシ-メチル)-3-(4-フルオロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(4-クロロフェノキシ-メチル)-3-(4-フルオロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(4-クロロフェノキシ-メチル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(4-クロロフェノキシ-メチル)-3-(4-メチルフェニル)-トロパン;
【0028】
(1R,2R,3S)-2-(4-ベンゾイルオキシ-メチル)-3-(4-フルオロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-(2-ナフチル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-(3,4-ジクロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-ベンジル-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-(4-クロロフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-(4-メチルフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-(1-ナフチル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-(4-フェニルフェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-カルボメトキシ-3-(4-t-ブチル-フェニル)-トロパン;
(1R,2R,3S)-2-(4-フルオロ-ベンゾイル)-3-(4-フルオロフェニル)-トロパン;
又は医薬的に許容され得るそれらの付加塩。
【0029】
最も好ましくは、一般式(IA)の化合物又は医薬的に許容され得るそれらの塩であり、具体的には、それらのクエン酸塩である。
【化3】

【0030】
使用してもよいアセチルコリンエステラーゼインヒビターとしては、当業者に公知のもの及び今後入手可能になると考えられるもののいずれかが挙げられる。例としては、ドネペジル及びその塩酸塩、リバスチグミン、タクリン及びその塩酸塩、ガランタミン及びその塩酸塩及び臭化水素酸塩、フェンセリン、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、エドロフォニウム及びその塩化物、ピリドスチグミン及びその臭化物、エプタスチグミン(eptastigmine)及びその酒石酸塩、メトリホネート、エセリジン及びそのサリチル酸塩、スロナクリン(suronacrine)及びそのマレイン酸塩、ベルナクリン及びそのマレイン酸塩、アミリジン及びその塩酸塩、7-メトキシタクリン、SM-10888及びそのクエン酸塩、フェンセリン及びその酒石酸塩、ENA-713、TAK-147、CP-118954、ヒューペリジンA及びジフロシロンが挙げられる。
【0031】
最も好ましくは、一般式(IA)の化合物と、ドネペジル及びその塩酸塩、リバスチグミン、タクリン及びその塩酸塩、ガランタミン及びその塩酸塩又は臭化水素酸塩、フェンセリン及びフィゾスチグミンからなる群より選ばれるアセチルコリンエステラーゼインヒビターとのコンビネーションである。
本発明の医薬組成物は、経口、血管内、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、吸入、局所、パッチ又は坐剤投与が適している。
【0032】
本発明の医薬組成物は、単位投与形態、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、粉末、顆粒、滅菌非経口液又は懸濁液、定量エアロゾル又は液体スプレー、液滴、アンプル、経皮パッチ、自己注射装置又は坐剤において;経口、非経口、鼻腔内、舌下又は直腸投与、又は吸入(inhalation)又は吸入(insufflation)による投与に関して好ましい。固形組成物の製造、例えば錠剤に関して、主要な活性成分を、医薬キャリヤー、例えば、従来の錠剤用の成分、例えば、コーンスターチ、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、乳糖、ショ糖、ソルビトール、タルク、二酸化シリコン、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム及びリン酸二カルシウム又はガム又は界面活性剤、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール、及び他の医薬希釈剤、例えば、水と混合し、本発明の化合物又は医薬的に許容され得るそれらの塩の均一な混合物を含有する固形のプレ配合組成物(pre-formulation)を形成する。均一なものとしてこれらのプレ配合組成物を称する場合、組成物が、同等に有効な単位投与形態、例えば錠剤、丸剤及びカプセル剤に容易に細分化されてもよいように、活性成分が組成物中均一に分散されることを意味する。
【0033】
その後、この固形のプレ配合組成物は、本発明の各活性成分0.05〜10,000mg、具体的には0.1〜約500mg、最も好ましくは0.1〜250mgを含む前記タイプの単位投与形態に細分化される。一般的な単位投与形態は、各活性成分0.1〜100mg、例えば0.1、0.5、1、2、5、10、25、50又は100mgを含む。新規組成物の錠剤又は丸剤は、被覆又は配合され、作用が延長される利点を与える投与形態を提供することができる。例えば、錠剤又は丸剤は、内部の投与成分及び外部の投与成分を含むことが可能であり、後者は、前者を覆うエンベロープの形態にある。その二つの成分は腸溶層により分離され、それは、胃内の崩壊に抵抗するのに役立ち、十二指腸に内部成分が無傷で通過するか又は放出が遅延されることを可能にする。様々な材料は、そのような腸溶層又はコーティングに使用することが可能であり、そのような材料としては、多くのポリマー酸、及びポリマー酸とそのような材料、例えばセラック、セチルアルコール及びセルロースアセテートとの混合物が挙げられる。
【0034】
同様に、カシェ及びトローチ剤が含まれる。錠剤、粉末、カプセル、丸剤、カシェ及びトローチ剤を、経口投与に適した固形の形態として使用することができる。
本発明の新規組成物を経口的又は注入により投与するために導入してもよい液体の形態としては、水溶液、好適にはフレーバーシロップ、水性又は油性懸濁液、食用油、例えば綿実油、ゴマ油、ココナツ油又はピーナッツ油とのフレーバー乳濁液、及びエリキシル及び同様の医薬溶媒が挙げられる。水性懸濁液用の好適な分散剤又は懸濁化剤としては、合成及び天然のガム、例えばトラガント、アカシア、アルギナート、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はゼラチンが挙げられる。
【0035】
坐剤を製造するために、低溶融物、例えば、脂肪酸グリセリド又はココアバターの混合物を、最初に溶融し、攪拌により活性成分をそこに均一に分散する。その後、溶融した均一混合物を、好都合な大きさの型に注入し、冷却し、凝固する。
膣投与に好適な配合物は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、泡又はスプレーとして存在してもよく、それらは活性成分の他に、好適な当技術分野に公知のキャリヤーを含んでいる。
気道への投与は、エアロゾル配合物により達成してもよく、活性成分は、好適な噴霧剤、例えばクロロフルオロカーボン(CFC)又はフルオロヒドロカーボン(HFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134(a)、又は1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、二酸化炭素又は他の好適なガスで加圧パックして提供される。また、エアロゾルは、都合よくは、界面活性剤、例えばレシチン及び/又は補助溶剤、例えばエタノールを含んでいてもよい。薬剤の量は、計量バルブの提供によりコントロールされてもよい。
【0036】
代わりに、活性成分を、乾燥粉末、例えば、好適な粉末ベース、例えば、ラクトース、デンプン、デンプン誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドン(PVP)中に化合物の粉末混合物の形態において提供してもよい。好都合には、粉末キャリヤーは、鼻腔中にゲルを形成すると考えられる。粉末組成物は、単位投与量の形態において、例えば、ゼラチンのカプセル又はカートリッジ、又は、粉末がインヘラーにより投与されてもよいブリスターパックにおいて存在してもよい。
【0037】
気道への投与を目的とした配合物(鼻腔内用配合物を含む)において、化合物は、例えば5ミクロン以下のオーダーの小さな粒度を一般的に有する。そのような粒度は、例えば微小化により、当技術分野に公知の手段により得てもよい。
神経変性状態の治療に関して、好適な投与量は、各活性成分一日当たり約0.01〜250mg/kg体重、好ましくは一日当たり約0.01〜100mg/kg体重、及び具体的には一日当たり約0.01〜5mg/kg体重である。化合物を、一日当たり1〜4回の療法において投与してもよい。しかし、ある場合には、これら限界値以外の投与量を使用してもよい。
【0038】
最も好ましくは、本発明の組成物は、以下の神経変性状態の一つ以上の治療又は予防に関して使用されると考えられる:
偽痴呆、痴呆(アルツハイマー型痴呆を含む)、アルツハイマー病、初老期痴呆、老人性痴呆、レビー体痴呆(Lewy-Body-dementia)、ダウン症候群、フロントテンポラル痴呆(fronto temporal dementia)、HIV関連性痴呆、ピック病、多発脳梗塞性痴呆、記憶障害、注意欠陥多動障害、認知機能障害、記憶機能障害、緩和な認知障害、加齢に伴う記憶障害、加齢に関連する認知障害、加齢関連性認知障害及び多臓器系アトロフィ(multiple system atrophy)。
好ましくは、(1)(2)の質量比は、50:1〜1:300、具体的には1:1〜1:200、最も好ましくは1:2〜1:100である。
【0039】
最も好ましくは、以下の1日投与量割合である:
・ドネペジル0.5〜20mg、好ましくは1.0〜10mg及び一般式(IA)の化合物0.01〜2.0mg;
・リバスチグミン1.0〜15mg、好ましくは3.0〜12mg及び一般式(IA)の化合物0.01〜2.0mg;
・ガランタミン5.0〜32mg、好ましくは8mg〜24mg及び一般式(IA)の化合物0.01〜2.0mg;
・タクリン20〜200mg、好ましくは40〜160mg及び一般式(IA)の化合物0.01〜2.0mg。
以下の実施例は、本発明による幾つかの配合を説明するために使用する。それらは、本発明の内容に本発明を制限することなく、例により記載された可能な方法を単に意図するものである。
【0040】
実施例1
(IA)の組成物/ドネペジル
フィルムコート錠0.5mg/5mg

【0041】

*最終製品には現れない。

【0042】
実施例2
(IA)の組成物/リバスチグミン
カプセル1mg/6mg


* 最終製品には現れない。
【0043】



【0044】
実施例3
(IA)の組成物/ガランタミン
二層錠剤0.25mg/4mg










【0045】

* 最終製品には現れない。


【0046】
本発明のコンビネーションの好都合な効果は、例えば、Folstein and Folstein J. Psychiat. Res., 1975年、12、189〜198頁に記載される簡易精神機能検査(MMSE)又はTombaugh and McIntyre、JAGS, 1992年、40、922〜935頁に論じられるそれらの変法を使用して、コンビネーションの組み合わせの投与を、各活性成分の同量の被験者への別々の投与と比較することにより示すことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2,3-二置換トロパン成分を含むモノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビター、又は互変異性体、医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物、又は生理学的に機能するそれらの誘導体(1)、及び少なくとも一つのアセチルコリンエステラーゼインヒビター又は医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物、又は生理学的に機能するそれらの誘導体(2)、及び医薬的に許容され得るキャリヤー又は賦形剤、及び所望により一つ以上の他の治療成分を含む医薬組成物。
【請求項2】
2,3-二置換トロパン成分を含む前記モノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビターが、以下の一般式(I)の化合物又は医薬的に許容され得るそれらの付加塩又はそれらのN-オキシドである、請求項1に記載の医薬組成物;
【化1】

[式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル又は2-ヒドロキシエチルであり;
R3 は、CH2-X-R'{式中、XはO、S又はNR"であり;R"は水素又はアルキルであり;
R'はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル又は-CO-アルキル;
ヘテロアリール(アルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルで一つ以上置換されていてもよい);
フェニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);
フェニルフェニル;
ピリジル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);
チエニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);又は
ベンジル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい};又は
(CH2)nCO2R11、COR11、又はCH2R12{式中、R11はアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキル;フェニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);フェニルフェニル;ピリジル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);チエニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);又はベンジルであり;
nは、0又は1であり;また
R12は、O-フェニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);又は
O-CO-フェニル(ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい);又は
CH=NOR';式中、R'は、o 水素;o アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり;それらの全てが-COOH;-COO-アルキル;-COO-シクロアルキル;又はフェニル(ハロゲン、CF3、CN、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アミノ及びニトロからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい)で置換されていてもよい};
R4は、3,4-メチレンジオキシフェニル、又はフェニル、ベンジル、ナフチル又はヘテロアリールである(それらは全て、ハロゲン、CF3、CN、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ニトロ及びヘテロアリールからなる群より選ばれる置換基で一つ以上置換されていてもよい)]。
【請求項3】
2,3-二置換トロパン成分を含む前記モノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビターが、一般式(I1)の化合物、又は互変異性体、医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物又は生理学的に機能するそれらの誘導体(1)である、請求項1又は2に記載の医薬組成物;
【化2】

(式中、Rは、水素原子又はC1-6 アルキル基を表し;
R5は、ハロゲン原子又はCF3又はシアノ基を表し;
R'は、水素原子又はC1-6 アルキル又はC3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル基を表し;また
mは0又は整数の1〜3である)。
【請求項4】
一般式(IA)の化合物又は医薬的に許容され得るそれらの塩、(1)及びドネペジル、リバスチグミン、タクリン、ガランタミン、フェンセリン及びフィゾスチグミンからなる群より選ばれる一つのアセチルコリンエステラーゼインヒビター又は医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物又は生理学的に機能するそれらの誘導体(2)、及び医薬的に許容され得るキャリヤー又は賦形剤から本質的になる、請求項1、2又は3に記載の医薬組成物。
【化3】

【請求項5】
経口、血管内、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内又は局所、又はパッチ又は坐剤投与が適している、請求項1〜4のずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
(1)(2)の質量比が、50:1〜1:300である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
単回適用量が、組み合わせの活性成分(1)及び(2)を0.05〜10,000ミリグラム含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
医薬的に許容され得るキャリヤー又は賦形剤が、コーンスターチ、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、乳糖、ショ糖、ソルビトール、タルク、二酸化シリコン、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム及びリン酸二カルシウムからなる群より選ばれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
疾患又は症候の予防又は治療の方法であって、その疾患又は症候がモノアミン神経伝達物質再取り込み阻害に応答し、方法が、2,3-二置換トロパン成分を含むモノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビター又は互変異性体、医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物又は生理学的に機能するそれらの誘導体(1)及び少なくとも一つのアセチルコリンエステラーゼインヒビター又は医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物又は生理学的に機能するそれらの誘導体(2)の有効量の、それらを必要とする患者への、組み合わせの形態、又は、別々又は別々及び逐次における投与を含み、その逐次投与が時間的に近いか又は離れている、前記方法。
【請求項10】
前記疾患又は症候が、以下に示すいずれかの痴呆、偽痴呆、痴呆、例えばアルツハイマー型痴呆、アルツハイマー病、初老期痴呆、老人性痴呆、レビー体痴呆、ダウン症候群、フロントテンポラル痴呆、HIV関連性痴呆、ピック病、多発脳梗塞性痴呆、記憶障害、注意欠陥多動障害、認知機能障害、記憶機能障害、緩和な認知障害、加齢に伴う記憶障害、加齢に関連する認知障害、加齢関連性認知障害及び多臓器系アトロフィからなる群より選ばれる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
疾患又は症候が、アルツハイマー型痴呆である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
2,3-二置換トロパン成分を含むモノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビター、又は互変異性体、医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物、又は生理学的に機能するそれらの誘導体(1)、及び少なくとも一つのアセチルコリンエステラーゼインヒビター又は医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物、又は生理学的に機能するそれらの誘導体(2)の、組み合わせの形態、又は、別々又は別々及び逐次における(逐次投与は時間的に近いか又は離れている)、疾患又は症候の予防又は治療用薬剤製造のための使用であって、その疾患又は症候がモノアミン神経伝達物質再取り込み阻害及び又はAChE阻害に応答する前記使用。
【請求項13】
疾患又は症候が、偽痴呆、痴呆、例えばアルツハイマー型痴呆、アルツハイマー病、初老期痴呆、老人性痴呆、レビー体痴呆、ダウン症候群、フロントテンポラル痴呆、HIV関連性痴呆、ピック病、多発脳梗塞性痴呆、記憶障害、注意欠陥多動障害、認知機能障害、記憶機能障害、緩和な認知障害、加齢に伴う記憶障害、加齢に関連する認知障害、加齢関連性認知障害及び多臓器系アトロフィからなる群より選ばれる、疾患又は症候の予防又は治療用薬剤製造のための、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
少なくとも二つの別々の単位投与形態(A)及び(B)を含む医薬のキット:
(A) 2,3-二置換トロパン成分を含むモノアミン神経伝達物質再取り込みインヒビター、又は互変異性体、医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物、又は生理学的に機能するそれらの誘導体(1)の組成物、及び所望により医薬的に許容され得るキャリヤーを含むもの;
(B) 一つ以上のアセチルコリンエステラーゼインヒビター又は医薬的に許容され得る塩、溶媒和化合物、又は生理学的に機能するそれらの誘導体(2)、及び所望により医薬的に許容され得るキャリヤーを含む組成物を含むもの。

【公表番号】特表2007−508336(P2007−508336A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534638(P2006−534638)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011093
【国際公開番号】WO2005/039580
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(591019645)ニューロサーチ、アクティーゼルスカブ (16)
【氏名又は名称原語表記】NEUROSEARCH A/S
【Fターム(参考)】