説明

モバイルノードによって、選択された通信サービスを実施するために通信するネットワーク部分の選択を容易にする装置および関連方法

ローミングモバイルノードが、選択された通信サービスに従う通信を実施しようと試みるのに、無線アクセスネットワークのどのネットワーク部分を選択するかを容易にする装置および関連方法。項目が、モバイルノードで維持され、その各項目は、ネットワークのエントリと、その通信サービス能力とを含む。異なる項目が、異なる優先度レベルのネットワークを識別する。検出は、利用可能なネットワークでなされ、セレクタは、どのネットワークと通信しようと試みるかを、ネットワーク利用可能性、ネットワーク能力、および優先度に基づいて選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、モバイルノードで、複数のネットワーク部分を有するネットワークから、選択された通信サービスを実施する一つのネットワーク部分の選択を容易にする方法に関する。より具体的には、本発明は、該一つのネットワーク部分が、該選択された通信サービスを実施して動作可能であるかどうかと、ならびに該モバイルノードで定義され、該複数のネットワーク部分の異なる部分と関連する優先レベルとに基づいて、該一つのネットワーク部分を選択する装置および関連方法に関する。
【0002】
データベースは、上記モバイルノードで維持される。該データベースは、複数のリストを定義し、そのそれぞれは、共通の優先レベルのネットワーク部分を、上記複数のネットワークの通信サービス能力とともに識別するエントリを含む。該データベースは、通信サービスが実施されるべきときに、アクセスされる。そして、該複数のリストのうちの1つ以上のリストにアクセスして、どのネットワーク部分を用いて通信を実施するかの選択は、必要に応じて、上記選択された通信サービスを実施可能な上記一つのネットワーク部分を識別して、選択することによって、該モバイルノードでなされる。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
多数の異なるタイプの通信サービスを実施して使用するために利用可能である多数の異なるタイプの通信システムが、開発され、展開さてきた。多数のバライエティに富んだ通信サービスは、通信システムの異なるものを使用して実施される。このような通信サービスの多くは、多数にとって、実用的に必要なものである。また、適切な通信システムによって、通信にすぐアクセスできることも、それに対応して必要である。
【0004】
改善された通信サービス、および追加の通信サービスは、技術進歩の保証があると、利用できるようになる可能性が高い。通信システムにおいて、技術の進歩がもたらされると、通信システムは、一般に、より効率的なデータ通信、より高速な通信速度でのデータ通信、あるいは不利な通信条件下で通信されるときも成功裏に通信を良好に提供する方法でのデータ通信を提供する。現在の通信システムの多くは、デジタル通信技術を利用している。デジタル通信技術を使用すると、様々な利点が提供され、通信システムの通信局間でのデータを成功裏に通信することを容易になる。通信効率の改善は、その通信に先立って、データから通信冗長性が除去されることができると、可能である。データに冗長性がないとき、データの情報的なコンテンツは、帯域幅の割り当てを狭めて、あるいは時間量を短縮して、通信されることが可能である。さらに、通信されるべきデータは、コード化などによって、より簡単に操作され、データの情報的なコンテンツが通信の劣化を受けやすい通信チャネル上でも、成功裏に通信される可能性を増加する。
【0005】
無線通信システムは、通信システムの例示的なタイプであり、デジタル通信技術を利用する通信システムの例示的なものである。無線通信システムにおいて、データは、無線チャネルによって、通信局間で通信される。無線チャネルは、電磁スペクトルの部分上に定義される。無線通信システムが、調整機関によって調整されるとき、その無線チャネルが定義される電磁スペクトルの部分が、その通信システムに割り当てられる。無線通信システムで動作可能な通信局は、少なくとも送信局および受信局を含む。送信局は、通信されるべきデータを、無線通信チャネル上でその通信が可能となる形式に変換するように動作する。そして、受信局は、通信チャネル上に通信されたデータを検出して、その検出されたデータの情報的なコンテンツを復元する(recover)ように動作する。
【0006】
無線通信システムにおいて、チャネルは、電磁スペクトル上で定義されるので、その対応する有線通信システムに勝る様々な利点が、無線通信システムによって提供される。無線通信システムの通信局を相互接続する有線接続に対する必要性が除去されるので、データの通信は、有線接続が容易に形成されることのできないロケーション間に置かれた通信局間で実施可能となる。そして、固定有線接続によって、通信局を相互接続する必要性から解放されるので、無線通信システムは、モバイル通信システムとしてインプリメントするのに適している。モバイル通信システムにおいて、データが通信される1つ以上の通信局は、移動性が提供される。
【0007】
セルラ通信システムは、モバイル通信システムである。典型的なセルラ通信システムにおいて、通信ネットワークは、複数の固定サイトベースのトランシーバ局から形成される。ベーストランジスタ局は、その通信システムによって包囲されるべきエリア全体に、間隔を空けたロケーションで配置される。ベーストランジスタ局の個々の局に関連するカバーエリアであるセルが、定義される。無線通信は、モバイルノードと、そのモバイルノードが位置されるセルのあるベーストランジスタ局との間で実施される。従来のセルラ通信システムは、そのモバイルノードのユーザによる電話通信を提供する。ベーストランジスタ局の適切な配置によって、モバイルノードがそのセルラ通信システムによって包囲されるエリア内に位置されるとき、そのモバイルノードは、複数のベーストランジスタ局のうちの少なくとも一つの局に比較的近く接近した範囲内に、いつも位置される。その近さのために、比較的低パワーの信号のみが、通信を実施するために、モバイルノードによって通信されるのに必要とされる。
【0008】
一般的に、セルラ通信システムは、規格設定団体によって推奨された動作仕様に準拠して動作される。動作仕様の世代が次々と、推奨されてきたし、また、セルラ通信システムの世代も次々と、そのような動作仕様に準拠するように展開されてきた。
【0009】
セルラ通信システムの2世代以上のネットワークは、例えば、共通のエリア、あるいは重なり合うエリアにわたって展開され得、それぞれの通信システムで動作可能なモバイルノードを用いて、無線通信を提供するように、同時に動作可能であり得る。そして、同じ世代の別々のネットワークで、別々のネットワークオペレーションによって動作されるネットワークも、共通のエリア、あるいは重なり合うエリアにわたって展開されて、また同時に動作可能であり得る。
【0010】
一般的に、サービス加入は、モバイルノードのユーザによって購入され、そのモバイルノードは、サービス加入に従う通信システムによって通信することを認可される。モバイルノードは、典型的には、ホームネットワーク部分と関連する。ホームネットワーク部分は、典型的には、そのモバイルノードのユーザが最も普通に位置するエリアを包囲するように設置されるネットワーク部分である。しかしながら、モバイルノードは、元々モバイルであるために、モバイルノードのユーザは、そのモバイルノードを持ち運び、そのモバイルノードと関連するホームネットワーク部分のカバーエリア外で、よくローミングし得る。モバイルノードが、そのホームネットワーク外でローミングするとき、そのモバイルノードは、別のネットワーク部分である訪問先ネットワークによって包囲されるロケーションに位置し得る。
【0011】
モバイルノードが、そのホームネットワーク外でローミングするとき、モバイルノードは、そのモバイルノードがローミングするカバーエリア内にある訪問先ネットワークのうちの1つまたは複数の訪問先ネットワークによって通信することを、選択的に許可される。訪問先ネットワークによって通信することの許可は、そのモバイルノードと訪問先ネットワークが、互換性ある動作仕様に従って動作するかどうかに、とりわけ依存する。また、訪問先ネットワークのオペレータとホームネットワークのオペレータとの同意が、そのモバイルノードが特定の訪問先ネットワークによって通信することを許可されるかどうかの追加的な決定要因になる。
【0012】
さらに、モバイルノードは、2つ以上のネットワークによって包囲されるエリア内をローミングし得、それらの各ネットワークは、そのモバイルノードがその各ネットワークを介して通信するのに利用可能である。利用可能なネットワークの中で、そのモバイルノードが通信するのは、どのネットワークにするかの決定がなされる。従来のメカニズムが、典型的には、定義されたセットの優先ローミングパートナーの使用を含む決定プロセスにおいて使用される。モバイルノードと関連するホームネットワークのオペレータは、優先ネットワークのリストを維持する。モバイルノードが、訪問先ネットワークの中でローミングするとき、そのモバイルノードは、優先リストに列挙されたネットワークによって通信する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
歴史的に、セルラ通信システムは、単に電話音声通信のみを提供してきたが、ますます、セルラ通信システムは、パケットデータ通信サービスを提供するようになっている。音声または限られたデータのサービスのみを提供する従来のネットワークは、複数のエリアで展開されているが、これらのエリアにおいて、ますます多くのデータ通信サービスを提供する新たな世代のセルラ通信システムも、また展開される。新たな世代のデータ通信サービスに従って通信可能なモバイルノードは、このようなサービスを実施するために、このような新たな世代のパケット通信サービスを提供するネットワークによって通信しなくてはならない。したがって、モバイルノードがどの訪問先ネットワークを用いて通信すべきかという選択がなされるとき、訪問先ネットワークの能力が考慮に入れられなくてはならない。このような選択を容易にする方法が必要とされている。
【0014】
本発明の著しい改善が進化をもたらしたのは、無線通信システムにおける通信に関するこの背景情報の観点からである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の概要)
したがって、本発明は、モバイルノードで、複数のネットワーク部分を有するネットワークの中から一つのネットワーク部分を選択することを容易にして、この選択されたネットワーク部分を用いて、選択された通信サービスを実施する装置および関連方法を、有利に提供する。
【0016】
本発明の実施形態の動作によると、どのネットワーク部分を用いて通信するかの選択を、そのネットワーク部分が選択された通信サービスを実施して動作可能なことと、モバイルノードで定義され、複数のネットワーク部分の異なるネットワーク部分と関連する優先度レベルとに基づいて行う方法が提供される。
【0017】
モバイルノードは、リストが定義されたデータベースを維持する。これらのリストのそれぞれは、識別されたネットワークの通信サービス能力とともに、ネットワーク部分を識別するエントリを含む。そして、各リストは、優先度レベルを定義し、この優先度レベルは、その個々のリストのそれぞれにおけるエントリを形成する識別されたネットワークのそれぞれと関連する。
【0018】
通信サービスがモバイルノードによって開始されることになるとき、そのモバイルノードは、そのモバイルノードが選択された通信サービスを実施するために、どのネットワーク部分によって通信しようと試みるかを決定する。選択は、その一部において、そのモバイルノードで維持されるデータベースによって定義される複数のリストのうちの1つ以上のリストへのアクセスに応答してなされる。リストは、そのリストのエントリを形成するネットワーク部分の通信サービス能力のIDを含むので、ネットワーク部分が実施される通信サービスをサポートするかどうかに、一部は基づいて、モバイルノードは、どのネットワーク部分と通信するかを選択できる。実施されるべき通信サービスをサポートしないネットワーク部分、およびこのようなネットワーク部分との通信を試みることは、考慮されない。
【0019】
本発明の一局面において、第一および少なくとも第二のデータベースの項目(listing)が、モバイルノードで形成される。データベースの項目のそれぞれは、ネットワーク部分におけるセットのエントリから形成される。第一のデータベースの項目を形成するセットのエントリにおけるエントリは、モバイルノードがそれを用いて通信する第一の優先レベルと、それぞれ関連する。そして、第二のデータベースの項目は、ネットワーク部分の第二のセットのエントリから形成される。第二のセットのエントリを形成するネットワーク部分は、モバイルノードがそれを用いて通信する第二の優先レベルと、いずれも関連する。第一および少なくとも第二のデータベースの項目のエントリを形成するネットワーク部分のそれぞれは、ネットワーク部分の通信サービス能力の指摘と、さらに関連する。すなわち、ネットワーク部分のアイデンティティと一緒に、インデックスされているのは、どの通信サービスが、そのネットワーク部分によって提供されることが可能であるかの指摘である。
【0020】
本発明の別の局面において、検出器は、複数のネットワーク部分のうちのどのネットワーク部分がモバイルノードの通信範囲内にあるかを検出する。すなわち、そのモバイルノードが、どのネットワーク部分のカバーエリア内に、位置するかの検出がなされる。検出は、例えば、その複数のネットワーク部分の個々のネットワーク部分によって放送される放送信号を検出することによってなされる。放送は、例えば、異なるチャネル上のネットワーク部分の異なるネットワーク部分によってなされる。モバイルノードは、ネットワーク部分が信号を放送しているチャネル上の異なるチャネルにチューニングして、その放送信号が、そのチャネル上で放送されているかどうかを検出する。このような検出によって、モバイルノードは、そのモバイルノードが通信するのに潜在的に利用可能なネットワーク部分に気付く。利用可能なネットワーク部分のリストが、放送信号の検出に基づいて、さもなくば検出器によってなされた他の検出に基づいて、形成される。利用可能なネットワーク部分のリストは、選択された通信サービスが開始されるべきとき、複数のデータベースの項目のうちの一つ以上の項目に含まれるエントリと比較される。
【0021】
セレクタは、利用可能なネットワーク部分のリストとデータベースの項目との間での比較に従うか、あるいは応答して、どのネットワーク部分を用いて、そのモバイルノードが通信しようと試みるかを選択し、これによって、選択された通信サービスを実施する。セレクタによってなされた選択は、利用可能であり、選択されたサービスも提供することが可能であるネットワーク部分を選択する。
【0022】
一つのインプリメンテーションにおいて、第一のデータベースの項目は、可能であれば、どのネットワーク部分を用いて通信することが最優先であるかを識別するエントリを列挙する。そして、第二のデータベースの項目のエントリは、第一のデータベースの項目で識別されるネットワーク部分より低い優先度のネットワーク部分を識別する。第一のデータベースの項目に列挙されたネットワーク部分が、いずれも利用可能でなく、また選択された通信サービスを提供できない場合、第二のデータベースの項目がアクセスされ、セレクタは、第二のデータベースの項目に含まれるネットワーク部分で、通信して、それによって、選択された通信サービスを実施できるネットワーク部分を、可能であれば、選択する。
【0023】
本発明のさらなる局面において、禁止ネットワークデータベースの項目が、モバイルノードで、さらに維持される。禁止ネットワークデータベースの項目は、モバイルノードが通信を実施するのに使用することが禁止されるネットワーク部分を識別するエントリのセットを含む。モバイルノードが、禁止データベースの項目に列挙されたネットワーク部分のうちの一つのネットワーク部分のカバーエリアによって包囲されたロケーションに位置するとき、そのモバイルノードは、そのネットワーク部分と通信を実施しようと試みない。本発明のこのさらなる局面において、セレクタは、モバイルノードが禁止ネットワークのデータベースの項目に列挙されたネットワーク部分と通信して、選択された通信サービスを実施しようと試みるのを妨げるようにも、また動作する。
【0024】
本発明の別の局面において、複数のデータベースの項目のうちの異なる項目の中から識別されたネットワーク部分の通信サービス能力は、関連ネットワーク部分が提供可能な通信サービスを識別する。代替のインプリメンテーションにおいて、サービスの列(tier)が定義される。サービスの列は、ネットワーク部分が可能である通信サービスに関して定義される。選択されたサービスの列を提供することの可能なネットワーク部分に対して、そのネットワーク部分は、その選択されたサービスの列を定義する通信サービスの全てを提供することが可能なはずである。分離したサービスの列が定義され、その各列は、分離したセットの通信サービスを定義する。そのモバイルノードが、どのネットワークを用いて、通信して、選択された通信サービスを実施しようと試みるかの選択がなされるとき、選択は、分離したデータベースの項目に含まれ、それらの項目を形成するネットワーク部分と関連するサービスの列に基づいてなされる。
【0025】
モバイルノードがどのネットワーク部分を用いて、通信して、選択された通信サービスを実施しようと試みるかの選択は、それゆえ、ネットワーク部分の利用可能性、選択された通信サービスを提供するネットワーク部分の能力、およびネットワーク部分と関連する優先度レベルに依存する。最も優先度の高いリストに記されたネットワーク部分が、選択された通信サービスを提供可能な場合、そのネットワーク部分は、モバイルノードで選択され、そのモバイルノードは、その選択されたネットワーク部分を用いて通信しようと試みる。通信が実施され得ない場合、あるいは第一のデータベースの項目に列挙されたネットワークのいずれもが、利用可能でなく、かつ選択された通信サービスを実施するのに必要な通信サービス能力を提供しない場合、ネットワーク部分と通信する優先度の低いネットワーク部分と関連するデータベースの項目が、アクセスされ、この項目から選択がなされる。それによって、選択された通信サービスを提供可能でないネットワーク部分と通信する試みは、選択されず、どのネットワーク部分と通信するかの選択は、優先度の低いデータベースの項目からなされる。
【0026】
これらおよび他の局面において、それゆえ、選択された利用可能なネットワーク部分を用いて、少なくとも第一の選択された通信サービスを実施するように動作可能なモバイルノードを有する無線通信システムのための装置、および関連方法が提供される。この選択された利用可能なネットワーク部分は、第一のネットワーク部分および少なくとも第二のネットワーク部分から形成されるネットワークの部分を形成する。この第一のネットワーク部分は、第一のセットの通信サービスを実行可能であり、この少なくとも第二のネットワーク部分は、第二のセットの通信サービスを実行可能である。この第一および少なくとも第二のネットワーク部分のいずれかの中に、この第一の選択された通信サービスを実施するものがあるなら、このモバイルノードでの選択が、容易にされる。第一のデータベースの項目は、ネットワーク部分の第一のセットのエントリを列挙する。この第一のセットのエントリの各エントリは、このモバイルノードによって、どのネットワーク部分を用いて通信するかの優先度の第一のレベルと関連付けられている。少なくとも第二のデータベースの項目は、ネットワーク部分の第二のセットのエントリを列挙する。この第二のセットのエントリの各エントリは、このモバイルノードによって、どのネットワーク部分を用いて通信するかの優先度の第二のレベルと関連付けられたネットワーク部分を識別する。セレクタは、このモバイルノードが第一および少なくとも第二のネットワーク部分のカバーエリア内にあるときの指示を受けるように構成されており、それぞれこの第一および少なくとも第二のデータベースにアクセスするように構成されている。このセレクタは、この第一および少なくとも第二のネットワーク部分のいずれかの中に、第一の選択された通信サービスを実施するものがあるなら、それを選択する。選択は、第一の選択された通信サービスがメンバであるこの第一および少なくとも第二のセットの通信サービスのいずれかの中にあるなら、それに応答して、この第一および少なくとも第二のネットワーク部分のうちの関連する一つのネットワーク部分が関連する第一および少なくとも第二のデータベースの項目の中のいずれかを用いることに応答して、このセレクタによってなされる。
【0027】
本発明およびその範囲のより完全な理解は、以下に簡単に概略を述べられる添付の図面と、以下の本発明の現時点における好ましい実施形態の詳細な説明、および添付の請求の範囲から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(詳細な説明)
最初に、図1を参照すると、全体的に10で示されるモバイル無線通信システムは、マルチユーザ通信システムを形成する。この通信システムにおいて、この通信システムのネットワーク部のカバーエリア内に位置されたモバイルノードは、選択された通信サービスを実施するために、このシステムを介して通信することが、選択的に許可されている。代表的なモバイルノード12が、図に示される。他のモバイルノードも、同様に示され得る。
【0029】
モバイルノードは、ここでは、少なくとも、この無線通信システムのネットワークによって包囲される地理的エリア全体を移動することを許可される。モバイルノードに許可される移動は、通信サービス実施中の移動も含む。そして、モバイルノードは、異なるロケーションに位置するとき、異なる通信サービスを、異なる時間に実施するようにも、また動作可能である。
【0030】
モバイル無線通信システムは、任意の様々なタイプのセルラまたは他の無線通信システムの代表である。例示的なインプリメンテーションにおいて、この通信システムのネットワークの少なくとも一部は、データサービス、例えば、GSM/GPRS/EDGE(Global System for Mobile communications/General Packet Radio Service/Enhanced Data for GSM Evolution)に準拠する通信システムによって提供されるデータサービスを提供するように動作可能である。通信システムの他の部分は、他の動作仕様に準拠して動作可能であり、異なる通信サービス(例えば、IEEE 802.11コンポーネントのネットワークによって提供されるデータ通信サービス)を提供することが可能である。ここで、説明の目的のために、モバイルノードは、また、GSM/GPRS/EDGE動作仕様にも、IEEE 802.11動作仕様にも、一般的に準拠して動作可能である。そして、それゆえ、モバイルノードは、高速、可変レート、パケット通信サービスの実施に従うデータを通信することが可能である。
【0031】
以下の記載は、モバイルノードが、GSM/GPRS/EDGE可能なデバイスであり、無線通信システムの選択された部分も、またGSM/GPRS/EDGE可能であるインプリメンテーションに関して、モバイル無線通信システムの例示的な動作を説明する。このインプリメンテーションは、単に例示的なものである。他のインプリメンテーションにおいて、例えば、モバイルノードが、別の動作仕様に従って動作可能であり、そのようなインプリメンテーションにおいて、他の通信サービス能力を有することがある。通信システムの動作、およびそのシステムで動作可能なモバイルノードの記載は、このような他のインプリメンテーションの観点で、同様に説明される。
【0032】
無線通信システムのネットワークは、第一の複数のネットワーク部分、すなわち、無線アクセスネットワーク14を含む。ここでは、その複数のネットワークのうちの5つの無線アクセスネットワーク、ネットワーク14−1、14−2、14−3、14−4、および14−5が示される。追加のネットワークも、また同様に表わされ得る。無線アクセスネットワーク14−1は、モバイルノードと関連するホームネットワークを形成する。ホームネットワークは、機能的なエンティティ(図示せず)を含む。この機能的なエンティティは、例えば、モバイルノードの恒久的レジストリ情報と、モバイルノードと関連する他の情報とを維持する。典型的には、モバイルノードが、ホームネットワークのカバーエリア内のロケーションに位置するとき、モバイルノードは、そのホームネットワークによって通信する。
【0033】
モバイルノードは、移動性を許可されているので、モバイルノードは、そのホームネットワークのカバーエリアを越えて、別のネットワークのカバーエリアへと移動し得る。例えば、モバイルノードは、ネットワーク14−2、14−3、14−4、または14−5によって包囲されるエリアの中に再配置可能である。無線アクセスネットワーク14−2、14−3、および14−4は、少なくとも部分的に重なり合うエリアにわたって展開され、少なくとも部分的に重なるカバーエリアを提示する。無線アクセスネットワーク14−2、14−3、および14−4は、異なるタイプの無線アクセスネットワークの代表で、すなわち、異なる動作仕様(あるいは、例えば、動作技術の世代バリエーション)に従って構築されるネットワークであり、ここでは、GSM仕様の変種である。無線アクセスネットワーク14−5は、モバイルノードがローミングし得る別のカバーエリアを定義する別のネットワークの代表である。
【0034】
無線アクセスネットワーク14−1から14−5は、例えば、コアネットワーク16、または通信経路が形成可能である任意の他の適切な通信媒体または組織(fabric)によって、適切に相互接続される。
【0035】
ネットワークは、第二の複数のネットワーク部分、すなわち、無線アクセスネットワーク18をさらに含む。ここでは、第二の複数の無線アクセスネットワークのうちの2つの無線アクセスネットワーク18−1および18−2が示される。追加のネットワーク18も、また同様に表わされ得る。
【0036】
ネットワーク18は、例えば、IEEE 802.11の動作仕様セットの変種に従って、動作可能なネットワークの代表である。ネットワーク18は、コアネットワーク20に接続され、コアネットワーク20によって相互接続される。
【0037】
コアネットワーク16および20は、様々な通信機能を提供し、例えば、移動性追跡、パケットルーティング、サービス放送情報を実行する。追加的に、コアネットワークは、PSTN(公衆交換電話網(public−switched telephonic network))のような陸上広域ネットワークおよびインターネットに接続性を提供する。
【0038】
無線アクセスネットワーク14の異なるネットワークは、異なる動作仕様に準拠して構築されるので、その無線アクセスネットワークの異なるネットワークの通信サービス能力は、異なる。例えば、モバイルノードが、無線アクセスネットワーク14−2、14−3、および14−4によって包囲されるロケーションに位置するとき、そのモバイルノードによって実施されるべき通信サービスのタイプは、それらの無線アクセスネットワークの一つによってサポートされ得るが、それらの無線アクセスネットワークの他のアクセスネットワークによってサポートされ得ない。
【0039】
モバイルノード12は、無線トランシーバ回路網を含み、ここでは、受信部22および送信部24を含むように示される。無線トランシーバ回路網の受信部は、無線通信システムのネットワークによって、モバイルノードに通信されるデータを受信するように動作する。モバイルノードに通信されたデータは、無線エアインターフェース上に定義される無線ダウンリンクチャネル上に通信される。そして、無線トランシーバ回路網の送信部は、無線インターフェース上に定義される無線アップリンクチャネル上のモバイルノードで、ソースとされるデータを送信するように動作する。
【0040】
無線アクセスネットワークの個々の無線アクセスネットワークの通信サービス能力に加え、無線アクセスネットワークの異なる無線アクセスネットワークのオペレータ間での取り決め(arrangement)の結果として、一つの無線アクセスネットワークが他の無線アクセスネットワークの使用に対して、優先度が与えられることがある。異なるネットワークのオペレータ間でのローミングおよびその他の取り決めは、優先されるネットワークを定義し、そのネットワークを介して、ローミングモバイルノードが、そのホームネットワークのオペレータによって、通信するのに優先される。無線アクセスが選択された通信サービスに従って通信するために、本発明の実施形態の動作に従うモバイルノードによってなされる選択は、無線アクセスで、一つの無線アクセスネットワークが他の無線アクセスネットワークより高い優先度を与えられていることに、選択的に、さらに依存する。
【0041】
モバイルノードは、本発明の実施形態の装置28をさらに含む。この装置は、無線アクセスネットワークを選択して動作し、あるいは、その選択を容易にして動作し、モバイルノードは、例えば、そのモバイルノードが自身のホームネットワークを越えてローミングするとき、あるいは、そうでなくとも自身のホームネットワーク以外のネットワークによって通信するようなとき、この選択されたネットワークを介して通信する。装置28は、その選択において、無線アクセスネットワークの利用可能性、無線アクセスネットワークの通信サービス能力、および無線アクセスネットワークと関連する優先度のレベルを考慮に入れる。この基準に基づく選択によって、モバイルノードは、選択された通信サービスに従う無線アクセスネットワークで、その選択された通信サービスを実施できない無線アクセスネットワークと通信しようと試みる可能性は少なくなる。
【0042】
装置28は、ストレージエレメント32を含む。このストレージエレメントは、例示的なインプリメンテーションにおいて、SIM(加入者識別モジュール)カードで具現化される。そのカードの特徴は、その他の点では、GSM無線通信システムにおいて従来利用されている。モバイルノードが、別の動作仕様に従って動作可能なとき、ストレージエレメントは、別の方法で、具現化される。例えば、別のインプリメンテーションにおいて、ストレージエレメントは、モバイルノードの回路網に固定接続され、その回路網の一部分を形成するストレージデバイスである。
【0043】
ストレージエレメントに格納された値は、データベースの項目、すなわち、ここでは、データベースの項目34、36、および38を定義する。項目のそれぞれは、無線アクセスネットワークを識別するエントリから形成される。通信サービス能力は、リストのそれぞれに、また列挙され、各エントリの無線アクセスネットワークのアイデンティティと一緒に、インデックス付けされる。
【0044】
この装置は、受信部22とストレージエレメント32とに結合されたセレクタ42をさらに含む。この接続は、それぞれライン44および46によって機能的に示される。セレクタは、モバイルノードと、起動されるべき通信サービスのタイプとによって、選択された通信サービスが、起動されるべきときの指示を受けるように、さらに結合される。このような指示は、ライン48によって、セレクタに提供されるように、ここでは表わされている。セレクタは、選択された無線アクセスネットワークを選択して動作する。この選択された無線アクセスネットワークを用いて、モバイルノードは、選択された通信サービスの実施に従って、通信しようと試みる。選択の指示が、ここではライン52によって、モバイルノードの送信部24に提供されると、その結果、この送信部24は、選択された無線アクセスネットワークと通信しようと試みる。一度、通信接続が形成されると、通信サービスが実施される。
【0045】
モバイルノードの動作中、モバイルノードは、チャネルをモニタする。そのチャネル上で、無線アクセスネットワークは、信号の放送元であるネットワークを識別する制御信号を放送する。モバイルノードが、ネットワークによって放送された信号を検出するとき、指示は、ライン44によって、セレクタ42に提供され、識別されたネットワークは、ここでは、セレクタで維持されている利用可能なネットワークリスト56に追加される。利用可能なネットワークリストは、例示的なインプリメンテーションにおいて、リスト上のエントリを蓄積する集められたリスト(aggregated list)であり、検出されたネットワークを、その通信サービス能力と、そのネットワークが現在利用可能でありそうかどうかの指示とともに、識別する。ネットワークの通信サービス能力は、例えば、ネットワークを識別する放送信号とともに、また放送される。信号の検出は、ネットワークが利用可能であることを示す。信号が、引き続いて、もはや検出されなくなった場合、利用可能なネットワークリストは、現在利用可能でないネットワークを示す。
【0046】
選択された通信サービスが、起動されるべきとき、セレクタは、利用可能なネットワークリストと、またデータベースの項目34、36などのうちの1つ以上とにアクセスする。最初にアクセスされた項目のエントリが、利用可能なネットワークリストによって指示されるように、選択された通信サービスが実行され、また利用可能であることを許可する通信サービス能力を示す無線アクセスネットワークを識別する場合、セレクタは、そのような無線アクセスネットワークを選択し、通信は、その無線アクセスネットワークを用いて実施されるように試みられる。最初にアクセスした項目に、選択された通信サービスの利用可能で、かつ提供可能であるエントリが、一つも含まれていない場合、次のデータベースの項目にアクセスされる。そして、セレクタは、次にアクセスされた項目から無線アクセスネットワークを選択するように試みる。
【0047】
例示的なインプリメンテーションにおいて、第一の項目34は、最も優先度の高い無線アクセスネットワークを識別し、第二のデータベースの項目36は、次に優先度の高い無線アクセスネットワークを識別する。引き続く項目は、これらが使用される場合、連続的に順次、優先度の低い無線アクセスネットワークを識別する。そして、また、例示的なインプリメンテーションにおいて、データベースの項目(ここでは、データベースの項目38)は、禁止ネットワークリストを形成する。禁止ネットワークリストに含まれるエントリは、そのモバイルノードが通信することを禁止されているネットワークである。たとえ、利用可能であっても、モバイルノードは、その禁止ネットワークリストに列挙されたネットワークリストによって、通信しようと試みない。
【0048】
図2は、図1に示される装置28の一部分を形成する項目34の図を示す。この項目は、このモバイルノードが、可能であれば、通信するのに最も優先度の高いネットワークであるところの最も優先度の高いネットワークからなる。この項目は、無線アクセスネットワークのID62を含み、ID62は、ここでは、モバイル地域コード(MCC)64およびモバイルネットワークコード(MNC)66によって定義される。通信サービス能力68は、識別された無線アクセスネットワークとともに、インデックス付けされる。ここでは、アルファベットの識別子が、通信サービス能力を識別する。識別子は、例えば、緊急コール、回路交換能力、音声回路交換能力、データサービス能力、インターネットメッセージング能力、ウェブブラウジング、天候能力、株価能力などを識別する。
【0049】
図3は、項目36を示し、この項目36も、また(図1に示される)ストレージエレメント32で定義される。ここでも、この項目は、ネットワークのMCC64およびMNC66を識別する識別子62から形成されるエントリを含む。そして、再び、識別されたネットワークと関連する通信サービス能力68は、そのネットワークとともにインデックス付けされる。
【0050】
図4は、本発明の実施形態の項目38を示す。この項目38は、ここで、また、無線アクセスネットワークのMCC64およびMNC66を識別する識別子62によって識別されるエントリを列挙する。このリスト38は、モバイルノードが通信するために使用することを禁止されている無線アクセスネットワークを列挙する禁止リストを形成する。他の項目34および36とは対照的に、項目38は、その項目のエントリを形成する無線アクセスネットワークを識別する識別子とともにインデックス付けされた通信サービス能力を含む必要がない。
【0051】
図5Aおよび図5Bは、全体的に72で示され、モバイルノードで具現化される装置28の動作のように、本発明の実施形態の動作の代表的な流れ図を示す。動作は、開始ブロック74から始まる。
【0052】
最初に、ブロック76で示されるように、無線アクセスネットワークが制御情報を放送するチャネルが、スキャンされ、そのチャネル上で放送された放送信号を検出する。スキャン動作中に検出された放送信号に含まれるネットワーク情報は、抽出され、モバイルノードテーブルに格納される。次いで、ブロック78で示されるように、ネットワーク情報は、格納される。
【0053】
次いで、決定ブロック82で示されるように、別のネットワークによって放送される信号を検出するために、別の追加スキャンが実行されるべきかどうかの決定がなされる。実行されるべきである場合、YESのブランチが採択され、ブロック76に戻る。実行されるべきでない場合、NOのブランチが採択され、ブロック84に進む。ブロック84で、使用されることが望まれるサービスが、記憶される(remembered)。次いで、決定ブロック86に進む経路が採択される。
【0054】
決定ブロック86で、ネットワークが、最も優先度の高いネットワークの項目の中で識別されるネットワークであるかどうかの決定がなされる。その項目の中で識別されるネットワークである場合は、YESのブランチが採択され、ブロック88に進み、ネットワークは、通信するネットワークとして選択される。そして、終了ブロック92への経路が採択される。逆に、ネットワークが、最も優先度の高い項目の中に列挙されていない場合、NOのブランチが採択され、ブロック94に進み、優先度の最も高いネットワーク、または優先度が最も高くなくても利用可能なネットワークの項目における位置の指示が、格納されるか、あるいは、ネットワークのアイデンティティが、このような項目の一つに格納されない場合、このような情報も、また同様に格納される。
【0055】
ブロック96に進むブランチが採択され、選択する追加のネットワークがあるかどうかの決定がなされる。追加のネットワークがある場合は、YESブランチが採択され、ブロック98へ進み、リスト上の引き続くネットワークが選択され、決定ブロック86に戻る経路が採択される。
【0056】
逆に、選択する追加のネットワークが利用可能でないとの決定が、決定ブロック96でなされる場合、NOブランチが採択され、決定ブロック102に進む。決定ブロック102で、図1に示されるネットワークのようなネットワークのいずれかが、利用可能であるかどうかの決定がなされる。利用可能な場合、YESブランチが採択され、ブロック104に進み、図に列挙された最も高いネットワークから選択がなされる。利用可能でない場合、NOブランチが採択され、決定ブロック106に進む。決定ブロック106で、ネットワークのいずれかが、図2に示された項目に列挙されているかどうかの決定がなされる。列挙されている場合、YESブランチが採択され、ブロック108に進み、選択は、最も優先度の高いネットワークを識別する項目34からなされる。選択は、項目の中で、最も上にリストされたネットワーク(highest−listed network)の中でなされる。逆に、決定ブロック106で、識別されたネットワークのいずれもが、最も優先度の高い項目に列挙されていないとの決定がなされたとき、NOのブランチが選択され、ブロック112に進む。ブロック112で、ネットワークは、ランダムに、あるいはランダムでなければ、最も好都合な列挙によるなど別の方法で選択される。ブロック104、108、または112のいずれかでネットワークが選択されると、経路は、終了ブロック114に進む。
【0057】
これによって、選択は、選択された通信サービスを提供する利用可能なネットワークでなされる。そして、優先度レベルを定義するリストを利用することによって、また必要なら、これらの連続的なリストに連続的にアクセスすることによって、選択された通信サービスを提供する最も優先度の高い利用可能なネットワークの選択がなされる。
【0058】
図6は、本発明の実施形態のさらなる動作の代表的な流れ図122を示す。ここでは、選択された通信サービスは、ブロック124によって示されるように、進行中である。モバイルノードは、モバイルであるので、モバイルノードは、一つのカバーエリアを出て、別のカバーエリアへの中へと移動し得る。そして、第二の通信サービスも、また開始され得る。第一の通信サービスが進行中に、第二の通信サービスが開始される場合、動作の好ましいモードは、第一の通信サービスの継続も、また第二の通信サービスの提供も可能である無線アクセスネットワークに通信を委ねることである。
【0059】
それゆえ、本発明の実施形態に従って、決定ブロック126によって示されるように、第二の通信サービスを実行する必要があるかどうかという決定がなされる。必要がない場合、NOのブランチが採択され、ブロック124に戻る。必要がある場合、YESのブランチが採択され、決定ブロック128に進む。
【0060】
決定ブロック128で、別のネットワークが、進行中の通信サービスと第二の選択された通信サービスとの双方を提供して、利用可能であるかどうかの決定がなされる。72に示された処理と類似した処理が、例えば、決定ブロック128で、そのような決定を下して実行される。別のネットワークが利用可能な場合、YESのブランチが採択され、ブロック132に進み、第一の通信サービスに従う通信を継続し、かつ第二の通信サービスの実施に従うネットワークが選択され、実行される。別のネットワークが利用可能でない場合、NOのブランチが採択され、ブロック134に進む。ブロック134で、引き渡し(handover)は、第一の通信サービスの完了まで、遅延され、次いで、決定ブロック136によって示されるように、第二の通信サービスを実行するのに、ネットワークが利用可能であるかどうかの決定がなされる。利用可能なネットワークがある場合、YESのブランチが採択され、ブロック132に進み、選択されたネットワークとの通信が試みられる。利用可能なネットワークがない場合、サービスは、利用不可能であり、サービスがないことを示すブロック138に進むブランチが採択される。
【0061】
図7は、全体的に152で示され、本発明の実施形態の動作の方法の方法流れ図を示す。この方法は、モバイルノードで、第一の選択された通信サービスを実施するネットワークのうち、第一および少なくとも第二のネットワーク部分のいずれかの中に、第一の選択された通信サービスを実施するネットワーク部分があれば、そのネットワーク部分の選択を容易にする。
【0062】
最初に、ブロック154に示されるように、ネットワーク部分の第一のセットのエントリが列挙される。第一のセットのエントリの各エントリは、モバイルノードによって、それを用いて通信するかの優先度の第一のレベルと関連する。そして、ブロック158に示されるように、ネットワーク部分の少なくとも第二のセットが列挙される。第二のセットのエントリの各エントリは、モバイルノードによって、どのネットワーク部分と通信するかの優先度の第二のレベルと関連するネットワーク部分を識別する。
【0063】
次いで、ブロック162で示されるように、第一および少なくとも第二のネットワーク部分のいずれかの中に、第一の選択された通信サービスを実施するものがあるなら、それを用いて選択がなされる。第一の選択された通信サービスがメンバであるものが、第一および少なくとも第二のセットの通信サービスのいずれかの中にあるなら、それに応答して、第一および少なくとも第二のネットワーク部分のうちの関連する一つのネットワーク部分が、関連する第一および少なくとも第二のセットのエントリの中のいずれかを用いることに応答して、選択はなされる。
【0064】
これによって、モバイルノードは、利用可能であり、選択された通信サービスを提供可能であり、少なくとも選択されたサービスの列で優先される無線アクセスネットワークと通信しようと試みる。
【0065】
以上の記述は、本発明をインプリメントするための好ましい実施例によるものであリ。本発明の範囲は、この記述によって、必ずしも限定されるべきではない。本発明の範囲は、請求項によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、本発明の実施形態が動作可能である無線通信システムの機能的なブロック図を示す。
【図2】図2は、本発明の実施形態に従って、図1に示される無線通信システムの一部分を形成するモバイルノードでの例示的なデータベースの項目を示す。
【図3】図3も、また本発明の実施形態に従って、図1に示される無線通信システムの一部分を形成するモバイルノードで具現化される別の例示的なデータベースの項目を示す。
【図4】図4も、また本発明の実施形態に従って、図1に示される無線通信システムの一部分を形成するモバイルノードで、また具現化される別の例示的なデータベースの項目を示す。
【図5A】図5Aは、図1に示される通信システムの動作中における本発明の実施形態の動作の代表的な流れ図を示す。
【図5B】図5Bは、図1に示される通信システムの動作中における本発明の実施形態の動作の代表的な流れ図を示す。
【図6】図6も、また本発明の実施形態に従う無線通信システムの動作の代表的な別の流れ図を示す。
【図7】図7は、本発明の実施形態の動作の方法の方法ステップを列挙する方法流れ図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のネットワーク部分および少なくとも第二のネットワーク部分から形成されたネットワークの選択された利用可能なネットワーク部分を用いて、少なくとも第一の選択された通信サービスを実施するように動作可能なモバイルノードを有する無線通信システムであって、該第一のネットワーク部分は、第一のセットの通信サービスを実行可能であり、該少なくとも該第二のネットワーク部分は、第二のセットの通信サービスを実行可能である、無線通信システムにおいて、該第一および少なくとも第二のネットワーク部分のいずれかの中に、該第一の選択された通信サービスを実施するものがあるなら、該モバイルノードにおいて、それを用いて選択を容易にする装置の改善であり、該装置は、
ネットワーク部分の第一のセットのエントリを列挙した第一のデータベースであって、該第一のセットのエントリの各エントリは、該モバイルノードがそれを用いて通信する優先度の第一のレベルと関連する、第一のデータベースと、
ネットワーク部分の少なくとも第二のセットのエントリを列挙した少なくとも第二のデータベースであって、該第二のセットのエントリの各エントリは、該モバイルノードがそれを用いて通信する優先度の第二のレベルと関連するネットワーク部分を識別する、少なくとも第二のデータベースと、
該モバイルノードが、該第一および少なくともネットワーク部分のカバーエリア内にあるときの指示を受けるように構成され、それぞれ該第一および少なくとも第二のデータベースにアクセスするように構成されたセレクタであって、該セレクタは、該第一および少なくとも第二のネットワーク部分のいずれかの中に、該第一の選択された通信サービスを実施するものがあるなら、それを用いて選択し、選択は、該第一の選択された通信サービスがメンバであるものが、該第一および少なくとも第二のセットの通信サービスのいずれかの中にあるなら、それに応答して、該第一および少なくとも第二のネットワーク部分のうちの関連する一つのネットワーク部分が関連する、該第一および少なくとも第二のデータベースの項目の中のいずれかを用いることに応答して、該セレクタによってなされる、セレクタと
を備える、装置。
【請求項2】
前記少なくとも第二のデータベースは、該第二のデータベースおよび少なくとも第三のデータベースを備え、該第三のデータベースは、ネットワーク部分の第三のリストのエントリを列挙し、該第三のセットのエントリの各エントリは、前記モバイルノードが、それを用いて、通信する優先度の第三のレベルと関連するネットワーク部分を識別する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第一および少なくとも第二のネットワーク部分のいずれかの中に、前記第一の選択された通信サービスを実施するものがあるなら、それを用いて、前記セレクタによってなされる選択は、該第一および少なくとも第二のネットワーク部分のうちの関連する一つのネットワーク部分がそれぞれ関連する該第一、第二、および第三のデータベースの項目のうちのいずれかを用いることに、さらに応答する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
ネットワーク部分の禁止リストのエントリを列挙した禁止リストデータベースをさらに備え、
前記モバイルノードが、該禁止リストのエントリにエンターされた任意のネットワーク部分と通信することを禁止することを、該モバイルノードに指示することによって、該禁止リストのエントリの各エントリは、優先度のない禁止レベルと関連するネットワーク部分を識別する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第一および少なくとも第二のネットワーク部分のいずれかの中に、前記第一の選択された通信サービスを実施するものがあるなら、それを用いて、前記セレクタによってなされる選択は、該第一および少なくとも第二のネットワーク部分のうちのいずれかが、前記禁止リストデータベースに、エンターされているかどうかに、さらに応答する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第一のデータベースに列挙された各エントリは、それぞれ前記第一のセットおよび少なくとも第二のセットの通信サービスの指示であって、該データベースと関連し、該データベースを用いて、該エントリが提供可能な指示を適切にさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第一のセットおよび少なくとも第二のセットの通信サービスの前記指示は、それぞれ該第一のセットおよび該少なくとも第二のセットを形成する各通信サービスを識別する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記セレクタによってなされる選択は、前記第一の選択された通信サービスが、少なくとも前記第一のデータベースに含まれるエントリと関連する前記第一のセットおよび少なくとも第二のセットの通信サービスのいずれかで、識別されるかどうかの決定に応答する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記セレクタは、前記第一の選択された通信サービスが、少なくとも前記第一のデータベースに含まれるエントリと関連する前記第一および少なくとも第二のセットの通信サービスのいずれかの中で識別されるかどうかを決定するための決定器を備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記セレクタを備える前記決定器は、前記第一の選択された通信サービスが、前記第一のデータベースを形成するエントリと関連する前記第一および少なくとも第二のセットの通信サービスのいずれかの部分を形成しないと決定すると、該第一の選択された通信サービスが、少なくとも前記第二のデータベースに含まれるエントリと関連する該第一および少なくとも第二のセットの通信サービスのいずれかの中で識別されるかどうかを選択的にさらに決定する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
グループの通信サービスは、ネットワーク部分の能力の列を定義し、
前記第一のデータベースの各エントリと関連する該通信サービスの前記指示は、ネットワーク部分の能力のどの列が該通信サービスと関連しているかのIDを備える、請求項6に記載の装置。
【請求項12】
前記セレクタによってなされる選択は、前記第一のデータベースのいずれかのエントリと関連するサービスの前記列が、前記第一の選択された通信サービスを含む列を備えるかどうかの決定に応答する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記セレクタは、前記第一の選択された通信サービスが、少なくとも前記第一のデータベースに含まれるエントリと関連する前記第一および少なくとも第二のセットの通信サービスのいずれかを定義する前記列のいずれかに識別されるかどうかを決定する決定器を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記セレクタ備える前記決定器は、前記第一の選択された通信サービスが、少なくとも前記第二のデータベースに含まれるエントリと関連する前記第一および少なくとも第二のセットの通信サービスのいずれかを定義する前記列のいずれかで識別されるかどうかを選択的にさらに決定する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記モバイルノードが、前記第一のネットワーク部分のカバーエリア内に位置するときと、前記少なくとも前記第二のネットワーク部分のカバーエリア内に位置するときとを検出する検出器をさらに備え、
前記セレクタは、該検出器によってなされた検出を受信するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
第一のネットワーク部分および少なくとも第二のネットワーク部分から形成されたネットワークの選択された利用可能なネットワーク部分を用いて、少なくとも第一の選択された通信サービスを実施するように動作可能なモバイルノードを有する無線通信システムであって、該第一のネットワーク部分は、第一のセットの通信サービスを実行可能であり、該少なくとも該第二のネットワーク部分は、第二のセットの通信サービスを実行可能である、無線通信システムにおいて通信する方法であって、該モバイルノードにおいて、該第一および少なくとも第二のネットワーク部分のいずれかの中に、該第一の選択された通信サービスを実施するものがあるなら、それを用いて選択を容易にする方法の改善であり、該方法は、
ネットワーク部分におけるエントリを列挙する動作であって、該第一のセットのエントリの各エントリは、該モバイルノードが、それを用いて通信する優先度の第一のレベルと関連する、動作と、
ネットワーク部分における少なくとも第二のセットのエントリを列挙する動作であって、該第二のセットのエントリの各エントリは、該モバイルノードが、それを用いて通信する優先度の第二のレベルと関連するネットワーク部分を識別する、動作と、
該第一および少なくとも第二のネットワーク部分のいずれかの中に、該第一の選択された通信サービスを実施するものがあるとなら、それを用いて選択する動作であって、選択は、該第一の選択された通信サービスがメンバであるものが、該第一および少なくとも第二のセットの通信サービスのいずれかの中にあるなら、それに応答して、該第一および少なくとも第二のネットワーク部分のうちの関連する一つのネットワーク部分が関連する、該第一および少なくとも第二のセットのエントリのいずれかを用いることに応答してなされる、動作と
を包含する、方法。
【請求項17】
前記選択する動作の前に、前記モバイルノードが、前記第一のネットワーク部分のカバーエリア内に位置するときと、前記少なくとも前記第二のネットワーク部分のカバーエリア内に位置するときとを検出する動作をさらに包含し、
該選択する動作の間になされる選択は、該検出する動作の間になされる検出にさらに応答する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
任意のエントリが、前記第一の選択された通信サービスが一部分を形成するセットの通信サービスと関連する場合、前記第一のセットのエントリに列挙されたエントリを選択する前記動作の間に、選択がなされる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第一のセットのエントリのいずれのエントリも、前記第一の選択された通信サービスが一部分を形成するセットの通信サービスと関連しない場合、前記少なくとも第二のセットのエントリに列挙されたエントリを選択する前記動作の間に、選択がなされる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記選択の動作は、第二の選択された通信サービスを実施するために、別のネットワーク部分を引き続き選択する動作をさらに包含する、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−529365(P2008−529365A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552476(P2007−552476)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【国際出願番号】PCT/CA2006/000112
【国際公開番号】WO2006/079214
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】