説明

モバイル機器用動き検出器

携帯電子機器(10)は、動きを検出し、動きデータを生成するモーションセンサ(40)と、前記動きデータに基づいてユーザの行動を検出する行動モニタ(16)とを備える。電源検出回路(56)は、前記携帯電子機器(10)の外部電源への接続を検出する。制御回路(12)は、前記検出回路(56)からの出力信号を監視し、前記携帯電子機器(10)が前記電源に接続されている間、前記行動モニタ(16)による行動検出を行わせないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、歩数計や加速度計といった内蔵モーションセンサを有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
歩数計は、人が歩いた歩数を計数する比較的簡単な装置である。歩数計は通常、人が歩いている間、腰に装着される。一部の歩数計は、人が歩いている最中に、歩いた距離及び/又は消費カロリーを計算することができる。歩数計は、消費者が運動量を追跡することを可能にすることで、健康的な生活を促進する。
【0003】
歩数計を用いる、健康に気を遣う消費者が、歩数計の他に携帯電話、携帯情報端末及び/又はオーディオプレーヤといった他の携帯電子機器を1つ以上持っていることは珍しくない。そのような機器もまた、人が歩いている間持ち運ばれている。従って、ユーザが通常携行する携帯電話機器に歩数計や他の行動検出器を組み合わせることは、消費者にとって便利であろう。例えば、携帯電話を通常携行する消費者は、携帯電話が歩数計を有していれば便利に思うであろう。
【0004】
歩数計を内蔵する携帯電子機器が、乗り物に乗っている人に持ち運ばれる場合、問題が起こりうる。ユーザが乗り物に乗っている際、乗り物の動き及び/又は加速度が、歩数計に誤った歩数を計数させうることである。
【発明の概要】
【0005】
本発明はモーションセンサ又は他の行動検出器を有する携帯電子機器に関する。モーションセンサ又は行動検出器は、例えば、ユーザが歩いている間、歩いた歩数を計数する歩数計を含む。携帯電子機器が電源に接続されている場合、誤った歩数を検出しないよう、モーションセンサは無効化されて良い。モーションセンサはモーションセンサへの電源をオフすることによって無効化することができる。あるいは、携帯電子機器が電源に接続されている間、動き検出アルゴリズムにモーションセンサの出力を無視するように命令することによっても、事実上モーションセンサを無効化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】1つの例示的な実施形態に係る携帯電子機器の機能ブロック図である。
【図2】外部電源への接続を検出するための例示的な携帯電子機器を示す図である。
【図3A】、
【図3B】外部電源への接続を検出するための例示的な電源検出回路を示す図である。
【図4】行動モニタを制御するための例示的なロジックを示すフローチャートである。
【図5】行動モニタによって実施される例示的な処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、1つの例示的な実施形態にかかる携帯電子機器10を示している。例示的な実施形態はセルラ電話機又は携帯情報端末(PDA)機器を含む。本発明は、オーディオプレーヤ、ビデオプレーヤ、ポケットベル、デジタルカメラ、オーディオビデオレコーダなどを被限定的に含む、他のタイプの携帯電子機器において実施されても良い。例示的実施形態における携帯電子機器10は、機器10の動作を制御するためのコントローラ12と、動作に必要なデータ及びプログラムを格納するためのメモリ14と、外部機器と通信するための通信回路20と、ユーザインタフェース30と、ユーザの行動を検出するためのモーションセンサ40又は他の行動検出器と、電源制御回路50とを備える。
【0008】
コントローラ12は1つ以上のプロセッサ、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。コントローラ12はメモリ14に格納されたプログラムに従って、携帯電子機器10の動作全体を制御する。メモリ14は読み出し専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含んでいる。動作に必要なプログラムは、消去可能かつプログラマブルな読み出し専用メモリ(EPROM)又はフラッシュメモリのような固定記憶装置に格納される。ランダムアクセスメモリは一時的なデータの格納に用いることができる。コントローラ12は、本明細書で行動モニタ16と呼ぶ、ユーザの身体的行動(physical activity)を監視するプログラムを実行する。行動モニタ16は、モーションセンサ40からの動きデータを以下に説明するように解析して身体的行動を検出し、出力をユーザに提供する。例えば、行動モニタ16は歩行中又は走行中、ユーザが歩いた歩数を計数する歩数計として機能することができる。行動モニタ16はさらに、歩行中もしくは走行中に、歩数に基づいて移動距離を計算することや、歩行中又は走行中に消費したカロリー数を計算することができる。
【0009】
通信回路20は複数の外部機器と通信するための任意のタイプの通信インタフェースを備えることができる。例示的な本実施形態において通信回路20は、セルラネットワークと通信するためのセルラ送受信機22、短距離無線インタフェース24及び有線インタフェース26を含んでいる。セルラ送受信機22はGSM (Global System for Mobile Communications)、cdma2000、WCDMA又はOFDMのような任意の通信規格を用いることができる。短距離無線インタフェース24は、WIFI又はBluetooth(登録商標)インタフェースのような短距離無線インタフェース、又は赤外線インタフェースを備えることができる。有線インタフェース26は、例えば、USB (Universal Serial Bus)インタフェースのようなシリアルインタフェースを備えることができる。
【0010】
ユーザインタフェース30は、ユーザが携帯電子機器10と相互作用することを可能にする。ユーザインタフェース30はディスプレイ32、1つ以上の入力デバイス34、マイク36及びスピーカ38を備える(図2)。ディスプレイ32は例えば液晶ディスプレイを備えることができる。ディスプレイ32は、ユーザが見るための情報を出力するために用いられる。ディスプレイ32は、入力デバイスとしても機能するタッチスクリーンディスプレイであってもよい。本発明において、行動モニタ16は、ユーザの行動を示す情報をディスプレイ32に出力する。入力デバイス34はユーザがデータ及びコマンドを入力すること及び、機器10の動作を制御することを可能にする。図示した実施形態において、入力デバイス34は数字キーパッド、ナビゲーションコントロール及びいくつかのファンクションキーを含んでいる。利用可能な他のタイプの入力デバイスは、タッチパッド、スクロールデバイス及びポインティングデバイスを含んでよい。
【0011】
モーションセンサ40は例えば加速時計を備えることができる。モーションセンサ40が生成する動きデータは、行動モニタ16に供給される。行動モニタ16はモーションセンサ40が出力する動きデータを解析し、歩行又は走行といったユーザの身体的行動を検出する。行動モニタ16は、心拍数モニタ又は血圧モニタのような、他の検出装置(図示せず)からの入力を受信しても良い。
【0012】
電源制御回路50は、携帯電子機器10内の他の部品への電源供給を制御する。電源制御回路50は電池52のような内部電源に接続する。電源制御回路50はまた、コネクタ(図示せず)を介して外部電源54にも接続することができる。電源制御回路50は、外部電源54の存在を検出し、ステータス信号をコントローラ12へ供給するための検出回路56を含む。
【0013】
検出回路56からのステータス信号に応答して、コントローラ12はモーションセンサ40及び/又は行動モニタ16を無効化することができる。携帯電子機器10が電源に接続されている際にはユーザが歩いたり走ったりしないものと仮定することができる。従って、モーションセンサ40及び/又は行動計算機16は、携帯電子機器10が電源に接続されている間、誤った行動、すなわち誤った歩数を検出しないように無効化されることができる。例えば、携帯電子機器10が乗り物内の電源に接続されている場合、その乗り物の動きが行動として誤検出されうる。そのため、モーションセンサ40又は行動計算機16を無効化することで、乗り物の動きが身体的な行動として見なされることを防止する。
【0014】
図3Aは、外部電源54の存在を検出するための例示的な検出回路56を示す図である。図3Aに示す実施形態において、検出回路56はトランジスタ回路を備えている。外部電源54が存在する場合、トランジスタT1のベースは抵抗R1を通じて外部電源54に接続されるとともに、抵抗R3を通じてグラウンドに接続される。トランジスタT1のコレクタは抵抗R2を通じて電源制御回路50が供給する安定化電圧Voutに接続されるとともに、検出器出力Soutに接続される。外部電源54が存在しない場合、トランジスタはオフであり、検出器出力はハイである。外部電源54が存在する場合、トランジスタはオンし、検出器出力はローとなる。検出器出力信号はコントローラ12へ供給され、コントローラ12はモーションセンサ40及び/又は行動モニタ16を無効化することができる。本技術分野の当業者は、検出器出力がモーションセンサ40への電源を直接制御するために用いられても良いことを理解するであろう。
【0015】
図3Bは別の例示的な検出回路56を示す。本実施形態の検出回路56は比較器64に接続された一対の電圧分割器60,62を含んでいる。第1の電圧分割器60は、安定化電圧Voutから得られる第1の入力信号を提供する。第2の電圧分割器はVextから得られる第2の入力信号を提供する。第1及び第2の入力信号は比較器64の各入力に供給される。比較器64の電源もまたVoutに接続されている。外部電源54の存在に応じて、比較器64の出力はハイ又はローとなる。
【0016】
図4は、外部電源54に接続された際、コントローラ12がモーションセンサ40及び/又は行動モニタ16を無効化するために実行する例示的なロジックを示す。コントローラ12は、検出回路56が生成するステータス信号を連続的に、又は周期的に監視する(ブロック100)。外部電源54が存在する場合、コントローラ12は、制御信号を生成してモーションセンサ40を無効化するか、あるいは電子機器10が外部電源54に接続されている間は監視処理を停止するように行動モニタ16に命令することができる(ブロック102)。外部電源が存在しない場合、コントローラ12はモーションセンサ40を有効化するか、行動モニタ16に監視処理を再開するように命令する(ブロック104)。
【0017】
図5は、行動モニタ16が実行する機能を示す。行動モニタ16はモーションセンサ40から動きデータを受信する(ブロック150)。有効化されている際、行動モニタ16はモーションセンサ40から与えられるデータを処理及び解析し、歩行又は走行といったユーザの身体的な行動を検出する(ブロック152)。例えば、行動モニタ16は、ユーザが歩いた歩数や、ユーザの歩みの頻度を計数することができる。行動モニタ16は、歩数や頻度の情報を用いて、ユーザが移動した距離、ユーザのスピード及び消費カロリー数を求めることができる。行動モニタは行動レポートを生成する(ブロック154)。行動レポートはメモリ14に格納しても良いし、ユーザに提示するためにディスプレイ32に出力しても良い(ブロック156)。行動レポートはリムーバブルメモリデバイスに格納しても良いし、及び/又はデスクトップコンピュータシステムに転送されてもよい。
【0018】
外部電源54の存在に基づいてモーションセンサ40及び/又は行動モニタ16を無効化するための、上述した方法は、他のタイプのセンサに適用することができる。例えば、携帯電子機器10は心拍数モニタ、血圧モニタ、温度センサ、又は任意のタイプの行動センサを含むことができる。これらの検出デバイスもまた、携帯電子機器10が外部電源54に接続された際に無効化されてよい。
【0019】
本発明は、本発明の範囲及び基本的な特性の範囲内で、上述した特定の方法とは異なる方法によって実行されても良いことは言うまでもない。従って、上述した実施形態はあらゆる面で例示的かつ非限定的なものと見なされるべきであり、添付した請求項の意味及び等価的な範囲内に含まれる全ての変更は、請求項に含まれることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電子機器(10)であって、
動きを検出し、動きデータを生成するモーションセンサ(40)と、
前記動きデータに基づいてユーザの行動を検出する行動モニタ(16)と、
前記携帯電子機器(10)の外部電源への接続を検出する電源検出回路(56)と、
前記電源検出回路(56)からの信号に応答して、前記携帯電子機器(10)が前記電源に接続されている間、前記行動モニタ(16)による行動の検出を行わせないようにする制御回路(12)とを有することを特徴とする携帯電子機器(10)。
【請求項2】
前記行動モニタ(16)が前記ユーザが歩いた歩数を計数することを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器(10)。
【請求項3】
前記行動モニタ(16)が、前記歩数に基づいて、歩いた距離を算出することを特徴とする請求項2記載の携帯電子機器(10)。
【請求項4】
前記行動モニタ(16)が、前記歩数に基づいて、消費したカロリーを算出することを特徴とする請求項2記載の携帯電子機器(10)。
【請求項5】
前記行動モニタ(16)が、前記モーションセンサ(40)から受信したデータに少なくとも部分的に基づいて、行動レポートを生成することを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器(10)。
【請求項6】
前記行動レポートを格納するメモリ(14)をさらに備えることを特徴とする請求項5記載の携帯電子機器(10)。
【請求項7】
前記行動レポートを表示するディスプレイ(32)をさらに備えることを特徴とする請求項5記載の携帯電子機器(10)。
【請求項8】
前記行動モニタ(40)が、加速度計を備えることを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器(10)。
【請求項9】
前記制御回路(12)が、前記携帯電子機器(10)が前記外部電源に接続されている間、前記モーションセンサ(40)を無効化することによって行動検出を行わせないようにすることを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器(10)。
【請求項10】
前記制御回路(16)が、前記携帯電子機器(10)が前記外部電源に接続されている間、前記行動モニタ(16)を停止させることによって行動検出を行わせないようにすることを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器(10)。
【請求項11】
内蔵動き検出器(40)を有する携帯電子機器(10)における方法であって、
モーションセンサ(40)からの動きデータに基づいて、ユーザの行動を検出するステップと、
前記携帯電子機器(10)の外部電源への接続を検出するステップと、
前記携帯電子機器(10)が前記外部電源に接続されている間、行動検出を一時停止するステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項12】
ユーザの行動を検出するステップが、前記ユーザが歩いた歩数を検出するステップを有することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記歩いた歩数に基づいて、歩いた距離を算出するステップをさらに有することを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記歩いた歩数に基づいて、消費したカロリーを算出するステップをさらに有することを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項15】
行動レポートを生成するステップをさらに有することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項16】
前記行動レポートをメモリ(14)に格納するステップをさらに有することを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記行動レポートをディスプレイ(32)に表示するステップをさらに有することを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記モーションセンサ(40)が、加速度計を備えることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項19】
行動検出を一時停止させるステップが、前記携帯電子機器(10)が前記外部電源に接続されている間、前記モーションセンサ(40)を無効化するステップを有することを特徴とする請求項11記載の携帯電子機器(10)。
【請求項20】
行動検出を一時停止させるステップが、前記携帯電子機器(10)が前記外部電源に接続されている間、前記モーションセンサ(40)によって生成されるデータを無視するステップを有することを特徴とする請求項11記載の携帯電子機器(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−538479(P2009−538479A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512188(P2009−512188)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/060977
【国際公開番号】WO2007/140027
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】