説明

モリンを含有する口腔用組成物

本発明は、炎症プロセスを軽減するのに有用な口腔用組成物に関する。より具体的には本発明は、本質的に抗酸化有効量のモリンおよび水-保湿剤相からなる組成物、抗酸化有効量のモリン、1種類以上の抗菌薬、および水-保湿剤相を含む組成物に関する。ある態様において、本発明組成物は炎症性歯科疾患、たとえば歯肉炎および歯周炎を予防または治療する方法に使用される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の引照
[0001] 本出願は米国特許出願No. 11/256,784(2005年10月24日出願)に基づく優先権を主張し、これを本明細書に援用する。
【0002】
発明の背景
[0002] 歯周疾患は歯の支持構造、たとえば歯肉、セメント質、歯周靭帯および歯槽骨の一部または全部の炎症である。一般に細菌感染により起きる炎症が口内の歯を保持する付着繊維および支持骨を破壊し、歯牙欠損を生じる。歯肉炎および歯周炎は最も一般的な歯周疾患である。
【0003】
[0003] 歯周疾患を引き起こす多様な要因のうち酸化による細胞損傷がホストにおいて組織損傷の原因であって炎症をもたらすことが、次第に認識されるようになった。酸化性フリーラジカルは身体により抗原攻撃に対する防御システムとして使われている。しかし、ホストによる応答が制御されない場合、口腔歯肉炎にみられるように、それはホストの組織に損傷を生じる。したがって、酸化性フリーラジカルを抑制することができる抗酸化剤は、歯科関連疾患の炎症プロセスの緩和に有益な効果をもたらす可能性がある。
【0004】
[0004] 水と一緒になるとにスズ(II)イオンを生成しうる有効量のスズ(II)化合物、および歯みがき剤組成物中のスズ(II)イオンがスズ(IV)イオンに変換されるのを抑制または阻止しうるラジカル阻害剤である有効量の化合物を含み、抗酸化剤がモリンである歯みがき剤。しかし、この刊行物には、炎症プロセスを予防または軽減するために歯みがき剤中に抗菌効力増強薬を使用することは開示されていない。
【0005】
発明の概要
[0005] 本発明によれば、本質的に抗有効作用量のモリン(morin)および水-保湿剤相からなる、口腔用組成物が提供される。
【0006】
[0006] 安定性および抗酸化効力を備えた口腔用組成物であって、モリン、フッ化物イオン源、抗菌効力増強薬、および可溶化剤を含有する水-保湿剤相を含む組成物も提供される。
【0007】
[0007] さらに、安定性および抗酸化効力を備えた口腔用組成物であって、モリン、1種類以上の抗菌薬、抗菌効力増強薬、および可溶化剤を含有する水-保湿剤相を含む組成物が提供される。
【0008】
[0008] 本発明の他の観点によれば、炎症プロセスを予防または軽減する方法であって、ヒトまたは動物対象の口腔に、本質的にモリンおよび水-保湿剤相からなる有効量の組成物を投与することを含む方法が提供される。
【0009】
[0009] さらに、炎症プロセスを予防または軽減する方法であって、ヒトまたは動物対象の口腔に、モリン、水-保湿剤相、1種類以上の抗菌薬、抗菌効力増強薬、およびフッ化物イオン源を含む有効量の組成物を投与することを含む方法が提供される。
【0010】
[0010] 1態様においては、炎症プロセスを予防または軽減する方法であって、ヒトまたは動物対象の口腔に、モリン、水-保湿剤相、1種類以上の抗菌薬、フッ化物イオン源、および抗菌効力増強薬を含む有効量の組成物を投与することを含む方法がさらに提供される。
【0011】
発明の詳細な記述
[0013] 本発明は、モリンを含有する口腔ケアビヒクルの組成物が安定性および抗酸化効力を示すという所見に由来する。モリンはトリクロサン(triclosan)などの広域スペクトル抗菌薬と組み合わせた場合に相加作用を示すことも見いだされた。
【0012】
[0014] 本発明による口腔用組成物は、抗酸化剤としてモリンを含む。モリン(2',3,4',5,7-ペンタヒドロキシフラボン)は、フラボノイド系植物色素グループに属するフェノール化合物であり、下記の構造をもつ:
【0013】
【化1】

【0014】
[0015] 1態様において、口腔用組成物は本質的にモリンおよび水-保湿剤相からなる。モリンを含有する口腔用組成物は、酸化性フリーラジカルにより起きる組織損傷を軽減するのに有用である。他の態様において、口腔用組成物はモリン、水-保湿剤相、および殺菌または炎症プロセス軽減に有効な他の成分を含む。口腔用組成物の口腔衛生効力を拡張または強化するために、モリンを他の治療薬と組み合わせることができる。たとえば抗齲歯薬と組み合わせると、モリンおよび抗齲歯薬を含有する口腔用組成物は二重の目的、すなわち齲食および歯周疾患の処置に使用できる。
【0015】
[0016] 他の治療薬には抗齲歯薬および抗菌薬および抗菌効力増強薬が含まれるが、これらに限定されない。既知のいかなる治療薬もモリンと併用できるが、フッ化物源および/またはトリクロサンをモリンと組み合わせるのが好ましいであろう。
【0016】
[0017] モリンは、口内の炎症性疾患を予防または治療するのに有効な量で口腔用組成物に添加される。モリンは、口腔用組成物の約0.1〜約30重量%、好ましくは約0.5〜約10重量%の量で存在することができる。
【0017】
[0018] 本発明による口腔用組成物は、モリンのほかに1種類以上の抗菌薬を含有することができる。抗菌薬の添加により、歯みがき剤組成物の抗菌効力を増強または拡張することができる。そのような抗菌薬には、フェノール系またはビスフェノール系の化合物を基礎とする非カチオン性抗菌薬、たとえばハロゲン化ジフェニルエーテル、たとえばトリクロサン(2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル)が含まれる。他の有用な抗菌薬は、たとえばアルギン酸エステルまたは塩類、セチルピリジニウム塩類、フェノール系抗菌化合物(メントール、マゴノール(magonol)、ホオノキオール(honokiol))である。
【0018】
[0019] 好ましくは、口腔用製剤の抗酸化効力を増強し、抗菌活性を拡張するために、トリクロサンをモリンと併用することができる。モリンおよびトリクロサンを含む口腔用組成物は、組成物の抗酸化活性により炎症プロセスを抑制するだけでなく、歯科関連疾患を引き起こす病原体を死滅させることもできる。
【0019】
[0020] これらの抗菌薬は、口腔用組成物の約0.1〜約30重量%の濃度で歯みがき剤組成物中に含有される。
[0021] 本発明の口腔用組成物は、抗齲歯薬としてフッ化物イオン源またはフッ素供給成分を、約25〜5,000 ppmのフッ化物イオンの供給に十分な量で含有することもでき、これには無機フッ化物塩、たとえば可溶性アルカリ金属塩も含まれる。1態様において、口腔用組成物はモリン、水-保湿剤相、およびフッ化物源を含む。この製剤は、多様な歯科関連疾患、たとえば齲食、歯肉炎および歯周炎の予防または治療に使用できる。
【0020】
[0022] 他の態様においては、組成物の口腔ケア効力スペクトルを拡張するためにモリンおよび1種類以上の抗菌薬を含む口腔用組成物に、フッ化物源を添加する。たとえば、好ましい抗菌薬はトリクロサンであってよく、好ましいフッ化物イオン源にはフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)、およびフルオロケイ酸アンモニウムを含めることができる。
【0021】
[0023] フッ化物化合物のほかに、本発明の口腔用組成物には抗歯石薬、たとえばピロリン酸塩も含有させることができ、これには、ピロリン酸二アルカリ金属塩または四アルカリ金属塩、たとえばNa4P2O7、K4P2O7、Na2K2P2O7、Na2H2P2O7およびK2H2P2O7、ポリホスフェート、たとえばトリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、および環状ホスフェート、たとえばトリポリリン酸ナトリウムトリメタリン酸ナトリウムが含まれる。
【0022】
[0024] 合成アニオン性ポリカルボキシラートを、歯みがき剤組成物中のモリン、いずれかの抗菌薬、抗歯石薬または他の有効薬剤に対する効力増強薬として、本発明の口腔用組成物中に使用することもできる。そのようなアニオン性ポリカルボキシラートは、一般にそれらの遊離酸、または好ましくは部分的もしくはより好ましくは完全に中和した水溶性アルカリ金属(たとえばカリウム、および好ましくはナトリウム)塩もしくはアンモニウム塩の形で用いられる。好ましいものは、無水マレイン酸またはマレイン酸と他の重合性エチレン性不飽和モノマーとの1:4〜4:1コポリマー、好ましくは分子量(M.W.)約30,000〜約1,800,000、最も好ましくは約30,000〜約700,000をもつメチルビニルエーテル/無水マレイン酸である。これらのコポリマーの例は、GAF Corporationから商品名GANTREZ(登録商標)、たとえばAN 139 (M.W. 500,000)、AN 119 (M.W. 250,000);S-97医薬用(M.W. 700,000)、AN 169 (M.W. 1,200,000〜1,800,000)、およびAN 179 (M.W. 1,800,000より高い)で入手できる。
【0023】
[0025] アニオン性ポリカルボキシラートが存在する場合、それらは口腔用組成物中のいずれかの抗菌薬、抗歯石薬または他の有効薬剤の効力増強という目的を達成するのに有効な量で用いられる。
【0024】
[0026] 本発明の歯みがき剤組成物を調製するために用いる、口腔用として許容できるビヒクルには、保湿剤を含有する水相が含まれる。保湿剤は、好ましくはグリセリン、ソルビトール、キシリトール、ジプロピレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、オリーブ油、ヒマシ油、酢酸アミル、酢酸エチル、トリステアリン酸グリセリルおよび安息香酸ベンジルおよび/またはプロピレングリコールであるが、他の保湿剤およびその混合物も使用できる。
【0025】
[0027] 歯みがき剤組成物を調製する際、本発明の実施に使用できる研摩剤にはシリカ系研摩剤、たとえば最高約20ミクロンの平均粒径をもつ沈降シリカ、たとえばZEODENT(登録商標)115(J. M. Huberが販売)が含まれる。他の有用な歯みがき剤用研摩剤には、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム2水和物、ケイ酸アルミニウム、焼成アルミナ、ベントナイトおよび他のケイ質材料、ならびにその組合わせが含まれる。
【0026】
[0028] 本発明の歯みがき剤組成物中に用いられる増粘剤には、天然および合成のガムおよびコロイドが含まれる。本発明組成物に適合する増粘剤には、セルロース系増粘剤、たとえばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、たとえばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ガム、たとえばキサンタンガム、商品名Polyoxで販売されている種々の分子量のポリグリコール、ならびにポリエチレングリコールが含まれる。本発明の実施に使用できる無機増粘剤には、無定形シリカ化合物、たとえば下記の商品名で入手できるコロイドシリカ化合物が含まれる:CAB-O-SIL(登録商標)、Cabot Corporationが製造し、Lenape Chemical(ニュージャージー州バウンド・ブルック)が販売;ZEODENT(登録商標) 165、J. M. Huber Chemicals Division(21078 メリーランド州アーブル・デ・グレース)から;およびSYLODENT(登録商標) 15、W. R. Grace Corporation、Davison Chemical Division(21203 メリーランド州ボルチモア)から入手。他の無機増粘剤には、天然および合成のクレー、ケイ酸マグネシウムリチウムおよびケイ酸アルミニウムマグネシウムが含まれる。
【0027】
[0029] 予防作用の増強を達成し、組成物を審美的にさらに許容できるものにするために、本発明の口腔用組成物中に界面活性剤を使用する。界面活性剤は、好ましくは組成物に洗浄性および起泡性を付与する洗浄剤である。
【0028】
[0030] 本発明の口腔用組成物は、着香剤および/または呼気清浄作用性の抗歯垢薬を含有することもできる。本発明の実施に用いられる着香剤には、精油および多様な芳香性アルデヒド類、エステル類、アルコール類、ならびにこれらに類する物質が含まれる。精油の例には、スペアミント、ペパーミント、ウインターグリーン、サッサフラス、チョウジ、セージ、ユーカリ、マヨラマ、シナモン、レモン、ライム、グレープフルーツおよびオレンジの油が含まれる。メントール、カルボンおよびアネトールなどの化学物質も用いられる。これらのうち最も一般的に用いられるものは、ペパーミントおよびスペアミントの油である。
【0029】
[0031] 甘味剤の含量は、普通は人工または合成の甘味剤の含量である(無糖)。
[0032] 多様な他の物質を本発明の口腔用組成物に含有させることができ、これには知覚鈍麻剤、たとえば硝酸カリウム;増白剤、たとえば過酸化水素、過酸化カルシウムおよび過酸化尿素;保存剤;シリコーン;ならびにクロロフィル化合物が含まれる。これらの添加剤が存在する場合、目的とする性質または特性に実質的に有害な影響を及ぼさない量で本発明の口腔用組成物中に含有される。
【0030】
[0033] 1態様において、モリンを含有する口腔用組成物は、ヒトまたは動物の口腔に組成物を投与することにより歯科関連疾患、特に歯肉炎および/または歯周炎を予防または治療する方法に使用できる。本発明の歯みがき剤組成物は卓越した抗酸化効力をもつので、モリン組成物を使用する方法は歯肉炎および歯周炎などの歯科炎症性疾患の予防または治療に特に有用である。処置される標的疾患の範囲を拡張するために、1種類以上の他の治療薬をモリン組成物に添加することができる。たとえば、モリンおよび抗齲歯薬を含む組成物は、齲食、歯肉炎および歯周炎を予防または治療するための方法に使用できる。好ましくは、投与される歯みがき剤組成物は1種類以上の一般的な抗菌薬、たとえばトリクロサン、フッ化物、アルギン酸エステル、ソルブロール(solbrol)、およびセチルピリジニウム塩類を含有することができる。この方法に用いられる、モリンを含有する口腔用組成物は、前記に述べた他の成分を適宜混合することにより調製できる。
【0031】
[0034] 歯科関連疾患を効果的に処置するために、ヒトまたは動物の口腔にモリンを約10〜約10,000 ppm、好ましくは約100〜約5,000 ppmの量で投与することができる。そして、モリンと併用される治療薬を、ヒトまたは動物に約10〜約10,000 ppm、好ましくは約100〜約5,000 ppmの量で投与することができる。
【0032】
[0035] 消費者の要望を満たすために、本発明方法に用いられる口腔用組成物をさらに加工して種々のタイプの最終製品にすることができる。たとえば、ヒトまたは動物に投与する組成物は、ペット用のおやつ、玩具、ブレスストリップ(breath strip)、口腔洗浄剤、練り歯みがき、液体増白剤、チューインガム、ビーズ、咀しゃく剤およびトローチ剤から選択される形態であってもよい。
【0033】
[0036] 本発明は以下の実施例によってさらに説明されるが、これらによって限定されない。本発明の範囲から逸脱することなく以下の実施例を変更することができる。
実施例
実施例1
[0037] LPO-CC Kamiya Bioscienceキットを用いて、単純溶液中のモリンの抗酸化効果を調べた。これは、メチレンブルーの生成量を測定する分光法に基づくアッセイである。使用したキットの反応プロセスを以下のようにまとめることができる。クメンヒドロペルオキシド(CHO)を、アスコルビン酸オキシダーゼおよびリポタンパク質リパーゼの酵素混合物と混和して脂質ペルオキシドを調製する。次いで試料および標準品を、カルバミン酸メチル(MCDP)およびヘモグロビンを含有する第2試薬と混和する。ヘモグロビンの存在下で脂質ペルオキシドは脂質アルコールに変換され、次いでこれがMCDPをメチレンブルーに変換し、これを674nmで読みとることができる。これを674nmで分光法により測定した色濃度低下に換算する。有効成分が抗酸化剤である場合、それは光学濃度の読みを標準曲線から求めたものから低下させるはずである。すなわち、光学濃度の読みが低いほど、抗酸化効力はより良好である。
【0034】
[0038] 1.0重量%のモリンを含有する単純組成物を前記のキットで試験し、1.0重量%のビタミンEを含有する単純組成物と比較した。図1は、この実施例の結果を示す。図1に示すように、モリンは陽性対照ビタミンEと同様に良好な抗酸化効果を示した。
【0035】
実施例2
[0039] LPO-CC Kamiya Bioscienceキットを用いて、モリンを含有する口腔用組成物の抗酸化効力を調べた。下記の表1に挙げる成分を用いて歯みがき剤基剤を調製した。
【0036】
【表1】

【0037】
[0040] 3タイプの口腔用組成物、組成物A、BおよびCを、前記で調製した共通の歯みがき剤基剤に基づいて配合した。組成物Aは、0.3%のモリン、1.0%の着香剤、1.5%のラウリル硫酸ナトリウム粉末、1.5%のZeodent 165、20.0%のZeodent 115、および75.4%の歯みがき剤基剤を含有するように配合された。組成物Bは、組成物Aの成分のほかに0.3%のトリクロサンを含有するように配合された。組成物Cは組成物Aと同様であり、ただしモリンの代わりに0.3%のビタミンEを抗酸化剤として用いた。比較実験に用いた組成物の成分を次表にまとめる。
【0038】
【表2】

【0039】
[0041] 各組成物の抗酸化効力を、実施例1で用いたものと同じプロトコルにより評価した。図2は、これらの組成物の抗酸化効果を示す。抗酸化剤としてモリンのみを含有する組成物Aは、対照ペースト(プラセボ)より十分に高い抗酸化効果を示した。さらに組成物Aは、抗酸化効果に関してビタミンEを含有する組成物Cより優れていることが示された。さらに、モリンおよびトリクロサンを含有する組成物Bは、組成物Aよりわずかに強い抗酸化効果をもつことが認められた。
【0040】
[0042] 本発明を特定の例に関して記載したが、本発明の範囲に含まれる多様な変更をこれらに対してなしうることは当業者に自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】モリンを含有する単純溶液の抗酸化活性を示すグラフである。
【図2】対照、プラセボ、モリン含有組成物、およびビタミンE含有組成物の抗酸化活性に関する比較データを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本質的に、抗酸化有効量のモリン、および可溶化剤を含有する水-保湿剤相からなる、口腔用組成物。
【請求項2】
モリンが約0.001〜約30重量%の量で存在する、請求項1の口腔用組成物。
【請求項3】
可溶化剤が、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、オリーブ油、ヒマシ油、酢酸アミル、酢酸エチル、トリステアリン酸グリセリルおよび安息香酸ベンジルよりなる群から選択される、請求項1の口腔用組成物。
【請求項4】
抗酸化有効量のモリン、フッ化物イオン源、抗菌効力増強薬、および可溶化剤を含有する水-保湿剤相を含む、口腔用組成物。
【請求項5】
モリンが約.01〜約30重量%の量で存在する、請求項4の口腔用組成物。
【請求項6】
可溶化剤が、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、オリーブ油、ヒマシ油、酢酸アミル、酢酸エチル、トリステアリン酸グリセリルおよび安息香酸ベンジルよりなる群から選択される、請求項4の口腔用組成物。
【請求項7】
フッ化物イオン源が、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化カルシウム、フッ化銅(I)、フッ化亜鉛、フッ化スズ(II)、およびフッ化バリウムよりなる群から選択される、請求項4の口腔用組成物。
【請求項8】
口腔用組成物がさらに、研摩剤、界面活性剤、着香剤、および甘味剤よりなる群から選択される成分を含む、請求項4の口腔用組成物。
【請求項9】
安定性および抗酸化効力を備えた口腔用組成物であって、モリン、1種類以上の抗菌薬、抗菌効力増強薬、および可溶化剤を含有する水-保湿剤相を含む口腔用組成物。
【請求項10】
可溶化剤が、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、オリーブ油、ヒマシ油、酢酸アミル、酢酸エチル、トリステアリン酸グリセリルおよび安息香酸ベンジルよりなる群から選択される、請求項9の口腔用組成物。
【請求項11】
治療薬が、薬草、湿潤剤、増白剤、付着防止剤、トリクロサン、アルギン酸エステル、ソルブロール、およびセチルピリジニウム塩類よりなる群から選択される、請求項9の口腔用組成物。
【請求項12】
口腔用組成物がさらにフッ化物イオン源を含む、請求項9の口腔用組成物。
【請求項13】
フッ化物イオン源が、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化カルシウム、フッ化銅(I)、フッ化亜鉛、フッ化スズ(II)、およびフッ化バリウムよりなる群から選択される、請求項12の口腔用組成物。
【請求項14】
口腔用組成物がさらに、研摩剤、界面活性剤、着香剤、および甘味剤よりなる群から選択される成分を含む、請求項1の口腔用組成物。
【請求項15】
本質的に抗酸化有効量のモリンおよび水-保湿剤相からなる口腔ケア製品であって、口腔洗浄剤、口腔用ストリップ、練り歯みがき、液体増白剤、チューインガム、ビーズ、咀しゃく剤、トローチ剤、およびスプレー剤よりなる群から選択される形態のものである口腔ケア製品。
【請求項16】
口腔ケア製品がさらに、1種類以上の抗菌薬、フッ化物イオン源、および抗菌効力増強薬を含む、請求項15の口腔ケア製品。
【請求項17】
炎症プロセスを予防または軽減する方法であって、ヒトまたは動物対象の口腔に、本質的にモリンおよび水-保湿剤相からなる抗酸化有効量の組成物を投与することを含む方法。
【請求項18】
モリンが約10〜約10,000 ppmの量で付与される、請求項17の方法。
【請求項19】
歯科関連疾患を予防または治療する方法であって、ヒトまたは動物対象の口腔に、モリン、水-保湿剤相、抗菌薬、抗菌効力増強薬およびフッ化物イオン源を含む抗酸化有効量の組成物を投与することを含む方法。
【請求項20】
モリンが約100〜約5,000 ppmの量で付与される、請求項19の方法。
【請求項21】
該方法が歯肉炎または歯周炎の予防または治療に使用される、請求項17または19の方法。
【請求項22】
組成物が、口腔洗浄剤、口腔用ストリップ、練り歯みがき、液体増白剤、チューインガム、ビーズ、咀しゃく剤、トローチ剤、ペット用のおやつおよび玩具、ならびにスプレー剤よりなる群から選択される形態で付与される、請求項17または19の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−512734(P2009−512734A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538144(P2008−538144)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/060175
【国際公開番号】WO2007/051098
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】