説明

ユニバーサル記憶装置のためのフレキシブルなフォーマット設定

本発明は、記録担体上で用いられる論理フォーマットとアプリケーションフォーマットとの少なくとも一方を指定する、少なくとも1つの予め決められたパラメータを記憶する予め決められたナビゲーション領域(DN)が、記録担体上に設けられているような、記録担体、ドライブ装置、および記録担体からの読出しまたは記録担体への書込みを行う方法に関するものである。これにより、単一の記録担体が、多くの異なる装置からの多くのフォーマットのコンテンツを含むことができ、それらすべてのコンテンツタイプが同時に存在できるような、ユニバーサルなポータブルディスクフォーマットを提供することができる。したがって、ドライブ装置が物理レベル構造、論理レベル構造およびアプリケーションレベル構造を維持しようとする機能と、自由度とを何ら失うことなく、物理レベル構造と論理レベル構造とアプリケーションレベル構造との明確な区別が可能とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録担体、ドライブ装置、および光ディスク等の記録担体からの読出しまたは同記録担体への書込みを行う方法に関するものである。本発明は特に、光ディスク用の標準的な論理フォーマットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、最近、高精細ディスクベースの次世代ビデオレコーダ用に開発されているのと同じ精度を有する青色レーザーを用いて、データを記録、再生および消去する、小型光ディスクを開発した。この小型光ディスクのシステムは、SFFO(Small Form Factor Optical)またはPB(Portable Blue)として知られており、3cmのディスク上に4ギガバイトのデータの記憶が可能であること、およびそのディスクを高い信頼性で読み出せるディスクドライブを、メモリカード程度の小ささにすることが可能であることが示されている。このPBディスクは、たとえばOptical Storage Technology Association(OSTA)によるUDF規格書の、改訂バージョン2.01(1998年4月3日)またはそれより新しいバージョンに規定されたUDF(ユニバーサル・ディスク・フォーマット)のような、標準的なファイルシステムを含む論理フォーマットを有することとなるであろう。
【0003】
現行の光ディスクのフォーマットは、正式には、物理層と論理層とアプリケーション層との間に、厳格な境界がある。しかしながら、いままで新たな光ディスクフォーマットの規格化は、アプリケーション側から始まっていた。そのため、フォーマットの最初のいくつかのバージョンは、物理レベルにおいても、特定のアプリケーション用(たとえば、CDにおけるオーディオ再生用、DVDにおけるビデオ再生用、およびBDにおけるビデオ記録用)に最適化された。その結果、各層の正式な境界設定は果たされず、規格の複雑な追加や変更が行われてきた。
【0004】
1つの例は、パーティショニング(partitioning)である。物理層は、セッションの形態の大きなサブ区画、またはパケットの形態の小さなサブ区画を提供し得るが、論理レベルでは、現行の光ディスクのフォーマットは、統合されたアドレススペースを提供している。このことは、一般には問題ないが、1つより多くの論理パーティションを有する可能性を排除することは必要ないことであった。
【0005】
別の1つの例は、物理的なハードリンクの存在である。特に、民生電子機器(consumer electronics;CE)の場合は、物理的なハードリンクの利用は、機器を単純化するので有用であり得る。しかしながら、かかるハードリンクの物理アドレスを規格に組み込むと、発表後の読出専用フォーマットを、追加書込用フォーマットに発展させることが、不必要に困難とされてしまう。
【0006】
加えて、割当方式(allocation strategy)のサポートは、物理レベルからはサポートされていない。そのため、ドライブは、特定のドライブのタイプに最適な割当方式を、直接的なやり方で実装することができない。
【0007】
これらの事情から、CDやDVDのフォーマットは、当初オーディオ/ビジュアルのアプリケーション用の読出専用フォーマットとして始まったため、CDやDVDへのデータ記憶および記録を可能とするのには、かなりの努力を要した。新たな特徴が追加されるたびに、当初のフォーマットへのこじつけがなされ、このことが準最適な解決をもたらしてきた。最初にただちに1つのアプリケーションに特化することによって、多くの自由度が不必要に失われてきた。
【0008】
現在は、たとえばフラッシュやマイクロドライブ等、多くの記憶装置が解決法として存在し、それらはすべて標準的なインターフェースを用いている。そのため、各記憶装置の特性は本質的に異なるが、同一の機器において各記憶装置が交換可能に用いられ得る。標準的なインターフェースは、アプリケーションへのブロックインターフェースを提供し、アプリケーションは、ディスク上への記録用のフォーマットを選択する。このやり方は、同一の記憶装置を複数のホスト装置で用いることを可能とするので、極めて有利である。問題は、何らかの特別な措置を講じない限り、着脱可能なドライブに関しては、異なるホスト装置で作成されたディスク同士は交換可能でない点である。
【0009】
PDについては、たとえばコンパクトフラッシュといった、既存のドライブインターフェースに準拠するドライブを提供することが考慮され得る。これにより、たとえばスチルカメラといったような多くの既存の製品で、PBを用いることが可能となるであろう。かかる既にインストールされている既存の顧客の基盤にアクセスすることは、PDの当初の受入れに弾みをつけると予想される。しかしながら、このやり方の欠点は、ディスク上に何が書き込まれるかについて、何ら制御の手段が与えられていない点である。特に、アプリケーションは任意のファイルシステムを用いることができるので、一般的には、装置間でのディスク交換はサポートされない。
【0010】
ここで、このことがユーザーにとって何を意味するのかを認識しておくことが重要である。PDドライブが、スチルカメラに取り付けられ、たとえばJPEGフォーマットを用いて、何枚かの画像が記録される。その後、そのPDディスクが、JPEGフォーマットを理解する別の装置に挿入されるが、この装置は、そのディスクからファイルシステムをマウントすることができない。専門家でない一般ユーザーにとっては、このことはコンテンツが失われたかに見えるので、非常に混乱を生じさせる。ある規格を利用する他の機器においても、それが広く使われている機器であれば、同様の問題が起こり得る。
【0011】
このことに鑑み、ドライブのインターフェースがエラーのないブロック装置を提供することができるようなやり方で、ディスクフォーマットの規格化を可能とするための施策が必要である。このことは特に、欠陥管理(defect management)の規格化と、可能性のあるホットスポット(アプリケーションが同一の個所をあまりに何度も上書きした個所)の問題の処理とを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の1つの目的は、アプリケーションファイルのフォーマットに依存しないレベルに規格化され得る、ユニバーサルなディスクフォーマットを与える記録担体、方法およびドライブ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的は、請求項1記載のドライブ装置、請求項21記載の記録担体、および請求項26記載の読出または書込方法により達成される。これらによれば、ドライブにより読出可能な領域が設けられ、この領域が、論理レベル構造とアプリケーションレベル構造との少なくとも一方のためのスペースを提供する。このスペースは、論理フォーマットおよびアプリケーションフォーマットの具体的な定義を記憶するための、汎用的な手法を提供するのに利用することができる。
【0014】
このやり方によれば、アプリケーションファイルのフォーマットによらないレベルまで、ディスクフォーマットを標準化することができる。ここでの最終目的は、記録担体がドライブ装置内に入れられた際に、システムが、ファイルの実際の内容までは理解しないかもしれないにしても、ディスク上のファイルを認識することができるように保障することである。このことは、複数のフォーマット(たとえば、複数の装置内で記録されたMP3オーディオやJPEG画像)で記録担体にファイルを書き込むことができ、かつ各々すべてのアプリケーションがすべてのファイルを認識することができることを意味する。そのため、オーディオプレーヤーは、JPEGファイルを認識した上で無視することができる一方、不慮の削除は防止することができる。したがって、単一の記録担体が、多くの異なる装置からの多くのフォーマットのコンテンツを含むことができ、それらすべてのコンテンツが同時に存在できる一方、特定のアプリケーションのための特定の下層レベルの最適化が依然として可能であるような、ユニバーサルなポータブルディスクフォーマットを実装することができる。
【0015】
しかしながら、選択されたフォーマットでディスクへの書込みを行うアプリケーションを接続装置が含んでいる限り、あるいはドライブ装置自体がその機能を提供している限り、標準的なインターフェース(たとえばコンパクトフラッシュ)を有するドライブ装置を実現することも依然として可能である。
【0016】
少なくとも1つの予め決められたパラメータは、記録担体の識別子と、記録担体のタイプと、記録担体全体に適用されるパラメータとのうちの少なくとも1つを指定する、ディスク記述子情報を含んでいてもよい。
【0017】
さらに、少なくとも1つの予め決められたパラメータは、記録担体上の各パーティションの特性と、記録担体上の各パーティションのタイプと、記録担体上の各パーティションに関連付けられたスペースと、記録担体上の各パーティションに対するフラグメントの割当てと、記録担体上の各パーティションに記録を行う際の具体的な規則とのうちの少なくとも1つを指定する、パーティション記述子情報を含んでいてもよい。
【0018】
上記に加え、ドライブ装置の物理層と論理層とアプリケーション層とのうちの少なくとも1つに対して利用可能とされるアプリケーション固有の情報を記憶するために、ナビゲーション領域内にアプリケーション使用領域が設けられてもよい。
【0019】
すなわち、上記のような領域を設けることにより、以前の規格からは知られていなかった高い自由度で記録担体上への記憶を設計するための、無比の機会が与えられる。このことは、論理レベルの追加、および規格内の最下層レベルへのアプリケーション固有の構造の追加のための、簡単な手法を提供する。このことは、たとえば、論理層のドライブレベルの最適化、論理層内における一般的なアプリケーションの最適化、および物理層内におけるアプリケーション固有の最適化を可能とする。その結果、ディスクフォーマットおよび任意の将来の拡張を採用するに際して、前例のない自由度が実現され、論理的なパーティション、インターリービング、フラグメンテーション、埋込みならびに動的なサイズ設定をされたパーティション、プログラミング可能な物理ハードリンク、割当方式のサポート、アプリケーションのコンフィグレーションならびに最適化、論理層内における一般的なアプリケーションのサポート、たとえば電力最適化のために利用のトラッキングを記録する、ドライブ用スクラッチ領域、およびたとえばディスクのマウントをより速くするためのポインタまたはアンカーのプールが提供される。
【0020】
上記のナビゲーション領域の少なくとも1つのパラメータは、予め決められたアクセスコマンドを用いることによって、ドライブ装置の論理層とアプリケーション層との少なくとも一方によりアクセス可能とされてもよい。
【0021】
さらに、アクセス手段は、ナビゲーション領域上に付与されている情報の少なくとも一部をキャッシュする、キャッシュ機能を提供するように、かつ/または記録担体を複数の別個の領域にパーティショニングするため、ナビゲーション領域内に記憶されたポインタを使用するように、かつ/または記録担体全体のためもしくは特定のアプリケーションのための論理アドレススペース内の、開始アドレス番号の位置を特定するために、ナビゲーション領域を用いるように、かつ/または特定のファイルシステム用、割当クラス用もしくはアプリケーション用に記録担体のプログラム領域内のスペース(特性または属性の割当てが可能なスペース)を確保するために、ナビゲーション領域を用いるように、かつ/またはアプリケーション固有のデータ用の場所ならびに確保されたスペースへのポインタを付与するために、ナビゲーション領域を用いるように構成されてもよい。
【0022】
加えて、アクセス手段は、予め決められた数よりも高いレートでアクセスされるデータの位置情報、または連続データ取出しのためのアクセスパターン情報を、ナビゲーション領域に書き込むように構成されてもよい。ナビゲーション領域内の複数の領域を規定するために、動的なパーティショニングが用いられてもよい。
【0023】
また、アクセス手段は、記録担体の情報領域のセッションに対し、ボリュームベースの著作権管理を適用するように構成されてもよい。さらに、記録担体の情報領域のセッションに対し、ボリュームベース、パーティションベース、またはフラグメントベースの欠陥管理が適用されてもよい。
【0024】
また、ナビゲーション領域内に記憶されたポインタが、探索機能を適用するために用いられてもよい。このことは、電力消費量を制限するような探索の最適化の機会を提供する。
【0025】
さらに、ナビゲーション領域は、アプリケーション用のアプリケーションクラスを選択するために用いられてもよい。
【0026】
とりわけ、上記のナビゲーション領域は、記録担体の情報領域のリードイン領域内に配されてもよい。その場合、情報領域内に付与されたセッションは、別個のリードイン領域とリードアウト領域とを伴わずに書き込まれてもよい。さらに、それらのセッションは、1フラグメント分の粒度を有していてもよく、かつ/または可変のサイズと可変の物理的位置との少なくとも一方を有していてもよい。
【0027】
本発明のドライブ装置は、光ディスク用の着脱可能なドライブ装置であってもよい。さらに、本発明のドライブ装置は、記憶装置用の標準的なインターフェースを備えていてもよく、たとえば、PCMCIA用、コンパクトフラッシュ用、ニューカード(Newcard)用、またはMMCA用のインターフェースを備えていてもよい。
【0028】
本発明のさらなる有利な変更形態は、各従属請求項で規定されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら、好ましい実施形態に基づいて本発明を説明する。
【0030】
ここでは、デジタルカメラやPDA等といった従来型(legacy)ホストに対するFATベースのCF−IIインターフェースを呈する、着脱可能なPBドライブ装置に関連して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0031】
本発明に関しては、「従来型(legacy)」との用語は、現行の技術よりも初期の言語、プラットホームおよび技術から引き継がれた、フォーマット、アプリケーション、データまたは装置であることを示すために用いられるものとする。典型的には、新たな技術を利用したより新しく効率のよい特徴または装置へと移行しながら、同時に従来型の特徴もしくはアプリケーションを有効なものとして維持する努力、または従来型の装置のサポートを維持する努力がなされる。
【0032】
データをファイルの形態で記憶し取り出すことができるよう、記憶装置は、ファイルシステムを必要とする。CD−ROM用の最も一般的なファイルシステムは、ISO9660である。このISO9660は、パソコン用に設計されたハイシエラグループ(High Sierra Group)ファイルシステムの国際標準版である。
【0033】
デジタルバーサタイルディスク(DVD)の登場により、UDFファイルシステムがリストに追加された。このファイルシステムは、読出専用ディスク、書換可能型(RW)ディスク、および記録可能すなわち追記型(R)ディスクに適しており、たとえばISO9660のジュリエット拡張のような、長いファイル名を許容する。CD媒体は、その特性のため、特別な配慮を必要とする。CDは元来、読出専用のアプリケーション用に設計されており、そのことが、CDへの書込手法に影響を与えている。RWのフォーマットは、リードイン領域、ユーザーデータ領域、およびリードアウト領域の書込みからなる。これらの領域には、いかなる順序で書込みがなされてもよい。
【0034】
最近まで、光ディスクは、真のランダムアクセス装置としては徹底して利用されていなかった。透明性のある欠陥管理の導入、および光ディスクの読出ならびに書込サイクルの加速に伴い、この種の利用の強化が予想される。多くのタイプのポータブル機器(たとえばビデオカメラや携帯電話)が、主要記憶媒体としてPBドライブ装置を有するようになることが予想される。
【0035】
以下の好ましい実施形態では、PBファイルシステムとしてUDFが使用される。
【0036】
図1は、たとえばコンパクトフラッシュの形態の要素に合うように適合化された、着脱可能なドライブ装置30を示している。したがって、ドライブ装置30は、固体メモリを代替するものとして用いることができる。この使用形態を実現するために、対応の接続端子32を伴う、標準的なCF−IIインターフェースユニット20が設けられている。CFインターフェースユニット20はFATファイルシステムと共に一般的に用いられることから、CFインターフェースユニット20は、着脱可能なドライブ装置30のディスク10に書込みを行う際にはFATからUDFへとマッピングを行い、ディスク10から読出しを行う際にはUDFからFATへとマッピングを行うように設計されているはずである。
【0037】
FATは、今日のほとんどのオペレーティングシステムによりサポートされている、MS−DOSファイルシステムである。FATとしては、3つの異なるタイプ、すなわちFAT12、FAT16およびFAT32が流通している。これらのタイプ名は、ファイルシステムにその名を与えたファイル割当表内の項目により使用される、ビット数を示している。実際には、ファイル割当表は、ディスク上で見ると、FATファイルシステム内の構造の1つである。この表の目的は、ディスク上のどの領域が使用可能であり、どの領域が使用中の状態にあるかをトラッキングすることである。ファイル割当表は、単独リンクされたリストと捉えることができる。ファイル割当表内の各チェーンは、ディスクのどの部分が所与のファイルまたはディレクトリに属しているかを規定する。ユーザーデータ領域は、ファイルおよびディレクトリのコンテンツが記憶される領域である。
【0038】
本発明の好ましい実施形態によれば、リードイン領域内に、論理レベル構造およびアプリケーションレベル構造のためのスペースを提供する、ドライブによる読出しが可能な領域を設けることが提案される。この領域は、ドライブナビゲーション領域(DN)と呼ばれる。このスペースは、論理フォーマットおよびアプリケーションフォーマットの具体的な定義を記憶するための、汎用的な手法を提供するために用いられる。このディスクナビゲーション領域DNは、アプリケーションファイルのフォーマットに依存しないレベルまで規格化された、ディスクフォーマットを提供するのに用いることができる。それにより、ファイルの実際の内容は理解しないにしても、システムがディスク10上のファイルを認識できるよう保障することができる。このことは、様々な装置で記録される多様なフォーマット(たとえばMP3オーディオまたはJPEG画像)で、ディスク10上にファイルを書き込むことができ、すべてのアプリケーションがすべてのファイルを認識できることを意味する。
【0039】
アプリケーションにより使用されるファイルシステムは、インターフェースユニット20により、ディスク10上で用いられるファイルシステムにマッピングされ得る。この場合、ドライブ装置30はブロックインターフェースを提供し、従来型のアプリケーションはこの装置を通常どおりに使用することができる。しかしながら、ドライブ装置30内のソフトウェアは、アプリケーションが使用しようとしているファイルシステム(たとえばFAT)を検出し、そのファイルシステムとPBファイルシステム(UDF)との間でマッピングを行う。この処理は、ドライブ装置30内に、このマッピングを行うための多くの知能とメモリとを必要とする。基本的に、ドライブ装置30のインターフェースユニット20は、求められているファイルシステムをアプリケーションに提供し、そのアプリケーションが元々のファイルシステムに書き込んだあらゆる変更を、マッピングする。この手法は、最高レベルの互換性を保障するが、最も複雑な手法である。
【0040】
上記に代えて、ファイルシステムは、ベーシックフォーマットのファイルシステム内に埋め込まれていてもよい。この場合、アプリケーションにより使用されるファイルシステムは、ベーシックファイルシステム内に埋め込まれ得る。アプリケーションファイルシステムは、ベーシックファイルフォーマットを有する1つのファイルとしての形式を呈する。この手法は、最初の提案手法よりも複雑さは低いが、互換性を低下させる。ベーシックファイルシステム内に記憶されたファイルは、埋め込まれたファイルシステムのうちの1つを用いる装置によっては認識することができず、その逆もいえる。複数の異なるアプリケーションファイルシステムがサポートされて、ベーシックファイルシステム内に別個に埋め込まれ得る。例として、従来型のファイルシステムが、PBファイルシステム(UDF)内に埋め込まれ得る。その場合、従来型のファイルシステムは、UDF内の個々のファイルとしての形式を呈する。
【0041】
さらなる代替形態として、アプリケーションは、論理アドレススペースを提供され、主ファイルシステム内に埋め込まれてもよい。この場合、ちょうどブロック装置と同じように、アプリケーションに論理アドレススペースが提供され、アプリケーションは、このアドレススペース内に任意のデータを書き込むことができる。ドライブ装置30は、この論理アドレススペースに書き込まれたデータの解読を何ら試みない。ベーシックファイルシステムをマウントしていない装置は、この論理アドレススペースを提供され、その論理アドレススペースに書き込みを行うことができる。このことは、異なる種々の装置が、他のアプリケーションにより記憶されたコンテンツを上書きできることを意味する(たとえばそれらが異なるファイルシステムを用いるものであっても)。論理アドレススペースのサイズは、主ファイルシステム内のフリースペースにより制限される。一例として、PBファイルシステム内にパーティションが埋め込まれてもよい。このパーティションは従来型の装置に与えられ、それら従来型の装置は、そのパーティション内に任意のデータを書き込むことができる。
【0042】
ベーシックディスクフォーマットは、1つのパーティションをベーシックファイルシステムに割り当てることが可能であるが、第2のパーティションを従来型装置に提供することも可能であるようにする、パーティショニングを許容する。フリースペースは、ディスクのパーティショニングのため、2つのパーティションの間において動的に動かされ得る。1つのパーティションがPBフォーマット(UDF)用に使用され、別の1つのパーティションが、従来型装置にブロック装置を提供するために使用されてもよい。フリースペースは、2つのパーティションの間において、動的に動かすことが可能である。
【0043】
ディスクナビゲーション領域DN内で定義されたフレキシブルな論理フォーマットPBは、複数のコンテンツタイプが単一のディスク上に共存することを可能とし、かつ複数の装置のすべてが同一のディスクの読出しを行うことを可能とする。加えて、PBフォーマットを知らないような従来型の装置も、PBディスクを使用することができる。
【0044】
図2から6は、本発明の好ましい実施形態に従う、光ディスク10の螺旋状トラック上に配された情報領域IAの、論理フォーマットの種々のボリューム構造すなわちレイアウトを示している。光ディスク10上に付与された情報領域IAは、リードイン領域LI、プログラム領域PA、およびリードアウト領域LOからなる。
【0045】
図2によれば、リードイン領域LIは、ディスクナビゲーション領域DNと、著作権管理領域RMとを含んでいる。リードイン領域LIはさらに、欠陥管理領域(図2には図示せず)を含んでいてもよい。ディスクナビゲーション領域DN内には、数タイプの一般的な構造があり、それらのタイプには、ディスク記述子(DD)、パーティション記述子(PD)、およびアプリケーション使用領域(AUA)等が含まれる。ディスク記述子は、ディスク10を識別する記述子であり、ディスクのタイプに関するデータと、そのディスク全体に適用される指定パラメータ(たとえばサイズ、フラグメントサイズ等)とを含んでいる。パーティション記述子は、ディスク10上にある各パーティションのタイプならびに特性、およびそのパーティションに関連付けられたスペースを記述する。ディスク10は、フラグメントにサブ分割される。どのフラグメントが(属するとすれば)どのパーティションに属するか、およびあるパーティションに特別な規則が当てはまるかは、パーティション記述子内に記録される。パーティションは、アプリケーションによって所有されてもよい。アプリケーション使用領域は、物理層、論理層またはアプリケーション層に対して利用可能とされている、そのアプリケーションに固有のデータ(たとえば物理ハードリンク)を記憶するために用いられる。
【0046】
表1は、本発明の好ましい実施形態に従う、全体サイズ2048バイトのディスク記述子の構造例を示した表である。表中で、アステリスク(*)はデフォルト値であることを示しており、それらのデフォルト値は、規格によって与えられた値であってもよい。
【表1】

【0047】
フラグメントサイズは、仮想的な格子の粒度を特定し、したがってパーティショニングの最小範囲サイズ(minimmum extent size)を特定する。
【0048】
表2は、本発明の好ましい実施形態に従う、全体サイズ2048バイトのパーティション記述子の構造例を示した表である。表3および4は、パーティション記述子内で用いられる割当クラスIDと欠陥管理タイプとのそれぞれについて、値の例を示した表である。
【表2】

【表3】

【表4】

【0049】
表5は、本発明の好ましい実施形態に従う、全体サイズ512バイトのアプリケーション使用記述子の構造例を示した表である。
【表5】

【0050】
一例として、Application_ID=0というパラメータ値が、ドライブ装置30用に確保されてもよい。読出専用フラグは、権限のないアプリケーションのみに関連する。さらに、アプリケーションまたはドライブ装置30によって、暗号化が行われてもよい。アプリケーションにより暗号化が行われる場合には、パラメータAUF_encryptedは、ゼロに設定される。
【0051】
ディスクナビゲーション領域DN内の全記述子は、原則として、ドライブ装置30により保持され、対応のアクセスコマンド(たとえばget...()やwrite_...()コマンド)を用いて論理層によりアクセス可能である。ただし、必ずしもすべてのフィールドがアクセス可能でなくてもよい。アプリケーション使用領域は、対応のアクセスコマンド(たとえばget...()やwrite_...()コマンド)を有するアプリケーションによりアクセス可能である。アクセス管理は、論理層により行われる。
【0052】
PBの論理フォーマットは、物理層により与えられる、少なくとも1GBの一続きの物理アドレススペースで開始してもよい。それにより、広範なアプリケーションの同時記憶が可能となり、かつ消費電力が最適化されるかもしれない。領域はフラグメントの集合であり、フラグメントは一続きのECC(エラー訂正コード)ブロックの集合である。したがって、仮想的な格子が構築される。フラグメントサイズは、バッファからのおよび/またはバッファへの1回分の転送量(たとえば2−4MB)に対して最適化されてもよい。アプリケーションは、自身の割当規則に基づいて、フラグメントの部分または集合にデータを割り当てることができる。ECCブロックは、セクタの集合である。出発点として、PB ECCブロックとセクタとは、ブルーレイディスク規格に準拠していてもよい。しかしながら、ECCブロックのサイズは、32KBであってもよい。
【0053】
論理フォーマットは、光ディスクの特性をホストから抽出することができよう。このことは、欠陥管理だけでなく、(もしあれば)電力効率に関する対策も、ドライブ装置30内に実装することができることを意味する。
【0054】
従来型(CD)のセッションと比較して、PBのセッションは、別個のリードイン領域およびリードアウト領域を伴わないものであってもよい。また、PBのセッションは、1フラグメント分の粒度を有していてもよく、必ずしも一続きのものでなくてもよい。さらに、セッションのサイズおよび初期化後の物理的な位置は、たとえば動的なパーティショニングの場合等、必ずしも固定されていなくてもよい。セッションは、ボリュームベースの著作権管理、および/または、ボリュームベース、パーティションベースもしくはフラグメントベースの欠陥管理を有していてもよい。
【0055】
ディスクナビゲーション領域DNは、拡張PMA(オレンジブックで規定されたプログラムメモリ領域)であると捉えてもよく、セッションの識別子、コンテンツの特性、アプリケーション固有の再マッピングポインタ、およびコンフィグレーションデータの場所を記述するための、フック(hook)を提供することができる。
【0056】
たとえば図2に示したような情報領域IAは、リードイン領域LI、リードアウト領域LO、ディスクナビゲーション領域DN、デジタル著作権管理領域RM、およびプログラム領域PAからなっている。プログラム領域PAは、たとえば32KBのECCブロック64個分(=2MB)の、フラグメントにサブ分割される。1GBのディスク上では、ディスクナビゲーション領域DNおよび著作権管理領域RMは、1つのフラグメントからなるものであってもよい。
【0057】
アドレススペースの始点への物理的なナビゲーションを助けるため、論理アドレススペースの外にリードイン領域LIがあってもよい。リードイン領域は、媒体上の最後の物理ブロックのアドレスを含んでいてもよい。この情報は、ディスクナビゲーション領域DN内に記憶されてもよい。ディスクナビゲーション領域DNおよび著作権管理領域RMは、リードイン領域LIの一部である。加えて、アドレススペースの終点への物理的なナビゲーションを助けるため、論理アドレススペース外に、(小さな)リードアウト領域LOが設けられる。
【0058】
ディスクナビゲーション領域DNは、たとえばディスク10内の44個のECCブロックからなる領域であってもよい。既に述べたように、ディスクナビゲーション領域DNは、ディスク10にアクセスするために図1のインターフェースユニット20が用いることのできる、ポインタおよびアプリケーションに固有のデータのために確保されたスペースである。ディスクナビゲーション領域DN内のポインタは、PBディスクを複数の別個の領域に有効にパーティショニングするため、インターフェースユニット20によって使用され得る。ディスクナビゲーション領域DNはまた、ディスク10全体のためまたは特定のアプリケーションのための論理アドレス内の、開始アドレス番号0の位置を特定するために、インターフェースユニット20によって使用され得る。さらには、ディスクナビゲーション領域DN内は、特定のファイルシステム用、割当クラス用またはアプリケーション用に、プログラム領域内のスペースを確保するためにも用いることができる。スペース確保は、包含的(すなわち他による使用を許容する)であってもよいし、排他的(すなわち1つの用途のみの専用とする)であってもよい。さらには、ディスクナビゲーション領域DNは、確保されたスペースに特性もしくは属性を割り当てるため、および/またはアプリケーション固有のデータ用の場所ならびに確保されたスペースへのポインタを付与するために、インターフェースユニット20によって使用され得る。
【0059】
ディスクナビゲーション領域DN内で定義された領域は、フラグメントを単位とする領域であるが、必ずしもフラグメントの一続きの組からなる領域でなくてもよい。また、ディスクナビゲーション領域内で定義された領域へのフラグメントの割当ても、固定されたものでなくてもよい。ディスクナビゲーション領域DNの有用な部分は、ドライブ装置30により、たとえばNVRAM/CID(不揮発性RAM/チップインディスク)内へとキャッシュ可能とされているべきである。以下、ディスクナビゲーション領域DNのいくつかの使用例を説明する。
【0060】
図3は、欠陥管理領域(DM)と、スペアリング領域(SP)と、ユーザーデータ用の領域と、ファイルシステム用に確保された領域FSとからなる、デフォルトのプログラム領域の論理フォーマットを示した模式図である。これらの各領域自体およびそれらの領域の場所は、選択可能なもの(オプション)である点に留意されたい。これらの領域の始点は、オプションとしてそれらの領域のサイズと共に、ディスクナビゲーション領域DN内に記録される。
【0061】
図4は、本発明の好ましい実施形態に従う、例示的なプログラム領域を伴う情報領域IAの、論理フォーマットを示した模式図である。
【0062】
認証された割当クラスに対しては、プログラム領域内に固有の領域が確保され得る。スペースまたは領域の確保と、割当クラスの割当てとは、別個の処理動作である。割当クラスは、その領域の1つの特性と捉えられるべきである。1つの領域に対して、複数の割当クラスが適用可能とされてもよい。そのようにして規定された各領域に対して、別個の割当方式が適用されてもよい。各領域に対する割当クラスは、ディスクナビゲーション領域DN内に記録される。異なる割当クラスには、異なる割当方式が適用される。
【0063】
一般的に、電力消費量を抑制するという観点からは、頻繁に読み出されるファイルをディスク10の外側に割り当て、頻繁に書き込まれるファイルをそれより少し内側に割り当てることが、最適であり得る。ファイルシステムデータは、両方の側面を併せ持ち、最も外側に割り当てられるべきデータである。
【0064】
デフォルトの割当クラスは、ベストエフォート・データである。これは、たとえば、デフォルトのプログラム領域内のフリースペースに該当する。確保されていないすべてのスペースは、このクラスに対し利用可能であると捉えられる。デフォルトでは、このクラスは、再マッピングによる欠陥管理を有している。欠陥管理領域DMとスペアリング領域SPとは、上記のとおり、領域の最初において規定される。このクラスに対し利用可能な領域BEのデフォルトの開始位置は、ディスクの内側にある。
【0065】
ここで、すべての領域は、汎用オペレーティングシステム(OS)により読出可能である点に留意されたい。標準的なOS機能によれば、ベストエフォート割当クラスに対して利用可能な領域BEへの書込みも行うことができる。他の領域に書込みを行うには、認可されたアプリケーションが必要であり、かかるアプリケーションもOSの一部として存在し得る。
【0066】
ここで、特にドライブが角速度一定(CAV)で動作する場合には、以下の割当クラスが有意義である点に留意されたい。角速度一定であることは、ディスクの外側における読出/書込速度が、ディスクの内側における読出/書込速度の2倍を超えることを意味する。
【0067】
起動ファイルは、アプリケーションがその動作を開始するために用いるファイルであって、アプリケーションが起動されるたびに読み出される必要のあるファイルである。1つの割当クラスが、起動ファイルであってもよい。このクラスのための領域SFは、読出速度のため、典型的にはディスクの外側近くに配される。マウントの最適化または防止のため、アブストラクトがNVRAM/CID内にキャッシュされてもよい。また、起動ファイルへの別個のポインタが、ディスクナビゲーション領域内に記録されてもよい。
【0068】
揮発性ファイルは、あるサイズのファイルであって、頻繁に(すなわち予め決められた回数より多く)書込みされるファイルである。このクラスのための領域VFは、書込み速度のため、典型的にはディスク10の外側近くに配される。揮発性ファイルは、再配置される必要があるかもしれない。1つのやり方としては、揮発性ファイルが書き込まれるたびにそのファイルを再配置するやり方があり得る。その場合、揮発性ファイル用に確保される領域は、揮発性ファイルの予想される全体サイズの、少なくとも2倍とされるべきである。
【0069】
別の1つの選択肢としては、揮発性ファイルの割当履歴をディスクナビゲーション領域DN内に記録し、予想される媒体の再利用可能回数の半分に相当する回数の書込みがなされたら、再割当てを行うことが挙げられる。
【0070】
ロバストファイルは、物理的な損傷の影響を受けにくいやり方で記憶されるべきファイルである。このような記憶は、ディスクの内側の位置に1つと、それと正反対の外側の位置に1つとの比較領域を設け、各比較領域にファイルを書き込むこと(すなわち物理的に離れたミラーリング)により実現され得る。
【0071】
低ビットレート・ストリーミングファイルは、定義に応じて、ベストエフォートの割当クラスに対して利用可能とされた領域LBR内に書き込まれてもよい。これらのファイル用の領域LBRは、リアルタイムのファイル割当てに伴いディスク10の内側に割り当てられてもよいし、再マッピングベースの欠陥管理に伴いアドレススペースの中間位置に割り当てられてもよい。あるいは別の言い方をすれば、内側において一続きの領域とされても、中間位置において限られたフラグメンテーションを有する領域とされてもよい。
【0072】
定義によっては、たとえばフラグメントサイズの2倍の割当単位を有する、中間ビットレート・ストリーミングクラスのための領域を確保することが要求されるかもしれない。
【0073】
これらのファイルのための領域MBRは、リアルタイムのファイル割当てに伴いディスク10の中間位置に割り当てられてもよいし、再マッピングベースの欠陥管理に伴いディスクの外側近くに割り当てられてもよい。外側近くにおいては、より多くのフラグメンテーションが許容され得る。
【0074】
定義によっては、フラグメントサイズの数倍サイズの内部割当単位を有する、高ビットレート・ストリーミングクラスのための領域を確保することが要求されるかもしれない。
【0075】
これらのファイルのための領域HBRは、リアルタイムのファイル割当てに伴いディスク10の中間位置に割り当てられてもよいし、再マッピングベースの欠陥管理に伴いディスクの外側近くに割り当てられてもよい。
【0076】
加えて、拡張マルチメディアファイルのための領域(図示せず)が設けられてもよい。
【0077】
図5は、本発明の好ましい実施形態に従う、アプリケーション用確保領域を伴う情報領域の、論理フォーマットを示した模式図である。
【0078】
すべてのアプリケーションは、特定のディスク用に定義された割当クラスを用いることができる。認可されたすなわち準拠性を有するアプリケーションは、既存の割当クラスのうちの1つを適用して、自己のための領域APPを確保することができる。この領域APPも、欠陥管理のような特定の特性を有し得る。
【0079】
アプリケーション固有のデータを、ディスク管理領域DN内で定義することもできる。たとえば、特定のアプリケーション用に記録されたデータへの複数のエントリ点が定義され得る。このことは、電力消費量を制限するために、探索の最適化(たとえば特別なアクセスパターン)を適用する機会を与える。ドライブ装置30は、いくつかのアプリケーションについて、そのアプリケーションの助けを要さずにその目的に最適のアプリケーションクラスを選択することができるかもしれない。
【0080】
ここで、ホスト、ドライブ装置またはアプリケーションは、頻繁にアクセスされるデータの位置を、ディスクナビゲーション領域DN内に記録すること、または、頻繁にアクセスされるデータのシーケンスでの取出し(すなわちプリエンプティブ・キャッシュ)を最適化するため、もしくは観測された取出パターンに合わせて最適化されたデータを再割当てするため、アクセスパターンを記録することを選択し得る点に留意されたい。
【0081】
図6aから6dは、パーティショニングの種々の様相の、例示的な論理フォーマットを示した模式図である。特に図6aは、UDFファイルシステムのための第1のパーティション(たとえばE:\)と、FATファイルシステムのための第2のパーティション(たとえばF:\)とを規定するため、特定のポインタまたはエントリ点がパーティション記述子内に記憶された、2つの単純明快な論理パーティションの例を示している。さらに、図6bは、第1および第2のファイルシステムにそれぞれ複数のパーティションが割り当てられた、インターリーブされたパーティショニングの例を示している。図6cは、FATファイルシステムがUDFファイルシステム内の個々のファイルとしての様相を呈する、埋め込まれたパーティショニングの例を示している。最後に、図6dは、FATおよびUDFファイルシステムの2つのパーティション間においてフリースペースが動的に移動させられる、動的にサイズ設定されるパーティションの例を示している。
【0082】
パーティショニングは、仮想パーティショニングに基づくものであってもよい。仮想パーティショニングとは、明示的に定義されていない暗示的なパーティションのことを指すものである。すなわち、それらのデータサブ領域の形状、境界およびサイズは、規定されておらず、動的に変化し得るものとされ、それにより、意図した目的に合うような実装形態を選択する余地が残される。仮想すなわち暗示的パーティショニングについてのさらなる詳細は、たとえば国際公開公報WO01/95331A2号等から収集することができる。欠陥管理は、各パーティションについて個別に行われてもよい。
【0083】
本願は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではなく、ホスト装置の接続を仲介し得るインターフェースユニットを有するドライブ装置の、あらゆるファイルシステムおよびディスクフォーマットに利用可能である点に留意されたい。さらに、ディスク上の予め決められた任意の領域が、フレキシブルなディスクフォーマットを与えるように論理レベルおよび/またはアプリケーションレベルのデータを記憶するための、ナビゲーション領域として使用可能である。したがって、上記の好ましい実施形態は、特許請求の範囲による本発明の範囲内で変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】標準的なインターフェースと、本発明の好ましい実施形態に従う入力機能とを有する、着脱可能なディスクドライブの概略ブロック図
【図2】本発明の好ましい実施形態に従うディスクナビゲーション領域を有する光ディスクの、情報領域の論理フォーマットを示した模式図
【図3】本発明の好ましい実施形態に従うディスクナビゲーション領域により参照されるデフォルトプログラム領域の、論理フォーマットを示した模式図
【図4】本発明の好ましい実施形態に従う例示的なプログラム領域を有する、情報領域の論理フォーマットを示した模式図
【図5】本発明の好ましい実施形態に従うアプリケーション用確保領域を有する、情報領域の論理フォーマットを示した模式図
【図6a】本発明の好ましい実施形態に従うパーティショニングの1つの様相の、例示的な論理フォーマットの模式図
【図6b】本発明の好ましい実施形態に従うパーティショニングの別の1つの様相の、例示的な論理フォーマットの模式図
【図6c】本発明の好ましい実施形態に従うパーティショニングの別の1つの様相の、例示的な論理フォーマットの模式図
【図6d】本発明の好ましい実施形態に従うパーティショニングの別の1つの様相の、例示的な論理フォーマットの模式図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録担体へのアクセスを提供するドライブ装置であって、
前記記録担体上の予め決められたナビゲーション領域に書き込まれたまたは書き込まれる少なくとも1つの予め決められたパラメータへの、読出アクセスと書込アクセスとの少なくとも一方を提供するアクセス手段を備え、
前記少なくとも1つの予め決められたパラメータが、前記記録担体上で用いられる論理フォーマットとアプリケーションフォーマットとの少なくとも一方を指定するものであることを特徴とするドライブ装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの予め決められたパラメータが、前記記録担体の識別子と、前記記録担体のタイプと、前記記録担体全体に適用されるパラメータとのうちの少なくとも1つを指定する、ディスク記述子情報を含んでいることを特徴とする請求項1記載のドライブ装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの予め決められたパラメータが、前記記録担体上の各パーティションの特性と、前記記録担体上の各パーティションのタイプと、前記記録担体上の各パーティションに関連付けられたスペースと、前記記録担体上の各パーティションに対するフラグメントの割当てと、前記記録担体上の各パーティションに記録を行う際の具体的な規則とのうちの少なくとも1つを指定する、パーティション記述子情報を含んでいることを特徴とする請求項1または2記載のドライブ装置。
【請求項4】
前記アクセス手段が、当該ドライブ装置の物理層と論理層とアプリケーション層とのうちの少なくとも1つに対して利用可能とされるアプリケーション固有の情報を記憶するために、前記ナビゲーション領域内に付与されたまたは付与されるアプリケーション使用領域への、読出アクセスと書込アクセスとの少なくとも一方を提供するように構成されていることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のドライブ装置。
【請求項5】
前記ナビゲーション領域の前記少なくとも1つのパラメータが、予め決められたアクセスコマンドを用いることによって、当該ドライブ装置の論理層とアプリケーション層との少なくとも一方によりアクセス可能とされていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載のドライブ装置。
【請求項6】
前記アクセス手段が、前記ナビゲーション領域上に付与されている情報の少なくとも一部をキャッシュする、キャッシュ機能を提供するように構成されていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載のドライブ装置。
【請求項7】
前記アクセス手段が、前記記録担体を複数の別個の領域にパーティショニングするため、前記ナビゲーション領域内に記憶されたポインタを使用するように構成されていることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載のドライブ装置。
【請求項8】
前記アクセス手段が、前記記録担体全体のためまたは特定のアプリケーションのための論理アドレススペース内の、開始アドレス番号の位置を特定するために、前記ナビゲーション領域を用いるように構成されていることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載のドライブ装置。
【請求項9】
前記アクセス手段が、特定のファイルシステム用、割当クラス用またはアプリケーション用に前記記録担体のプログラム領域内のスペースを確保するために、前記ナビゲーション領域を用いるように構成されていることを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載のドライブ装置。
【請求項10】
前記アクセス手段が、確保された前記スペースに特性または属性を割り当てるために、前記ナビゲーション領域を用いるように構成されていることを特徴とする請求項9記載のドライブ装置。
【請求項11】
前記アクセス手段が、アプリケーション固有のデータ用の場所および確保された前記スペースへのポインタを付与するために、前記ナビゲーション領域を用いるように構成されていることを特徴とする請求項9または10記載のドライブ装置。
【請求項12】
前記アクセス手段が、探索機能を適用するために、前記ナビゲーション領域内に記憶されたポインタを用いるように構成されていることを特徴とする請求項1から11いずれか1項記載のドライブ装置。
【請求項13】
前記アクセス手段が、アプリケーション用のアプリケーションクラスを選択するために、前記ナビゲーション領域を用いるように構成されていることを特徴とする請求項1から12いずれか1項記載のドライブ装置。
【請求項14】
前記アクセス手段が、予め決められた数よりも高いレートでアクセスされるデータの位置情報、または連続データ取出しのためのアクセスパターン情報を、前記ナビゲーション領域に書き込むように構成されていることを特徴とする請求項1から13いずれか1項記載のドライブ装置。
【請求項15】
前記アクセス手段が、前記ナビゲーション領域内の複数の領域を規定するために動的なパーティショニングを用いるように構成されていることを特徴とする請求項1から14いずれか1項記載のドライブ装置。
【請求項16】
前記アクセス手段が、前記記録担体の情報領域のセッションに対し、ボリュームベースの著作権管理を適用するように構成されていることを特徴とする請求項1から15いずれか1項記載のドライブ装置。
【請求項17】
前記アクセス手段が、前記記録担体の情報領域のセッションに対し、ボリュームベース、パーティションベース、またはフラグメントベースの欠陥管理を適用するように構成されていることを特徴とする請求項1から16いずれか1項記載のドライブ装置。
【請求項18】
光ディスク用の着脱可能なドライブ装置であることを特徴とする請求項1から17いずれか1項記載のドライブ装置。
【請求項19】
記憶装置用の標準的なインターフェースを備えていることを特徴とする請求項1から18いずれか1項記載のドライブ装置。
【請求項20】
前記標準的なインターフェースが、PCMCIA用、コンパクトフラッシュ用、ニューカード(Newcard)用、またはMMCA用のインターフェースであることを特徴とする請求項19記載のドライブ装置。
【請求項21】
自己の情報領域上にデータを記憶する記録担体であって、
前記情報領域が、当該記録担体上で用いられる論理フォーマットとアプリケーションフォーマットとの少なくとも一方を指定する、少なくとも1つの予め決められたパラメータを記憶するナビゲーション領域を含んでいることを特徴とする記録担体。
【請求項22】
前記ナビゲーション領域が、前記情報領域のリードイン領域内に配されていることを特徴とする請求項21記載の記録担体。
【請求項23】
前記情報領域内に付与されたセッションが、別個のリードイン領域とリードアウト領域とを伴わずに書き込まれていることを特徴とする請求項21または22記載の記録担体。
【請求項24】
前記情報領域内に付与されたセッションが、1フラグメント分の粒度を有していることを特徴とする請求項21から23いずれか1項記載の記録担体。
【請求項25】
前記情報領域内に付与されたセッションが、可変のサイズと可変の物理的位置との少なくとも一方を有していることを特徴とする請求項21から24いずれか1項記載の記録担体。
【請求項26】
記録担体からの読出しまたは記録担体への書込みを行う方法であって、
a)前記記録担体上に予め決められたナビゲーション領域を設ける工程と、
b)前記ナビゲーション領域上に、前記記録担体上で用いられる論理フォーマットとアプリケーションフォーマットとの少なくとも一方を指定する、少なくとも1つの予め決められたパラメータを書き込む工程と、
c)前記少なくとも1つの予め決められたパラメータを用いて、前記記録担体への読出アクセスと書込アクセスとの少なくとも一方を行う工程とを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−528086(P2007−528086A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516693(P2006−516693)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050908
【国際公開番号】WO2004/112037
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】