説明

ユビキタスセンサとインテリジェントテーブルタップによる省エネシステム

【課題】本発明は,電気機器への制御に連動して,人の手を煩わすことなく,効率よく待機電力を削減することができる電源制御システムを提供することを目的とする。
【解決手段】上記の課題は,電気機器(50A,50B)と,電気機器(50A,50B)に電力を供給する電源供給器具(10)と, 電気機器(50A,50B)及び前記電源供給器具(10)に制御信号を送信する制御部(21)とを備えた電源制御システムであって,電源供給器具(10)は,制御信号に基づいて,電気機器(50A,50B)への電力供給を停止する電源制御システムにより解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,電気機器に電力を供給する電源供給器具を有する電源制御システムであって,例えば,ユビキタスセンサとインテリジェントテーブルタップによる省エネシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年,省エネルギーを目的として,家庭用電化製品(家電)等の電気機器における待機時消費電力(待機電力)の削減が望まれている。待機電力とは,電気機器がその本来の効用を発揮していないときに消費する電力のことをいい,例えばテレビ,ビデオデッキ,エアコン等がリモコンによる操作を待ち受けているときに消費する電力等がそれに該当する。家庭の消費エネルギーの約1割を待機電力が占めていることが知られている。
【0003】
従来,電気機器の電源コードのプラグを人の手によってコンセントから抜くことで,待機電力を削減していた。また,電気機器への電力供給を制限するためのスイッチをテーブルタップに設け,このスイッチを人の手によって切り替えることで,待機電力を削減していた。
【0004】
なお,特許文献1には,省エネルギーを目的として,電力等のエネルギーの消費量の実績値を計測し,これを目標値と比較した情報等をエネルギー消費者に提供するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−77345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら,待機電力を削減するために,コンセントに対するプラグの抜き差しや,テーブルタップのスイッチの切り替えを行うのでは,人の手間がかかってしまい,効率がよくない。
【0007】
そこで,本発明は,人の手を煩わすことなく,電気機器への制御に連動して,効率よく待機電力を削減することができる電源制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における電源制御システムは,電気機器50A,50Bと,前記電気機器50A,50Bに電力を供給する電源供給器具10と,前記電気機器50A,50B及び前記電源供給器具10に制御信号を送信する制御部21とを備えている。また,前記電源供給器具10は,前記制御信号に基づいて,前記電気機器50A,50Bへの電力供給を停止する。
【0009】
この構成により,電源供給器具10が,制御部21から電気機器50A,50Bへ送信される制御信号に連動して,電気機器50A,50Bへの電力供給を停止する。これにより,人の手を煩わすことなく,効率よく待機電力を削減することができる。
【0010】
本発明における電源制御システムにおいて,前記制御部21は,少なくとも前記電気機器50A,50Bの電源をオン又はオフにする信号を前記制御信号として,前記電気機器50A,50B及び前記電源供給器具10に送信する。また,前記電源供給器具10は,前記制御信号が前記電気機器50A,50Bの電源をオフにする信号である場合に,前記電気機器50A,50Bへの電力供給を停止する。
【0011】
この構成により,電源供給器具10が,電気機器50A,50Bの電源をオフする制御信号に連動して,電気機器50A,50Bへの電力供給を停止する。これにより,人の手を煩わすことなく,電気機器への制御に連動して,効率よく待機電力を削減することができる。
【0012】
本発明における電源制御システムにおいて,前記電源供給器具10は,前記電気機器50A,50Bに供給した電力を計測する。これにより,電気機器50A,50Bの電力使用量を取得することができる。
【0013】
本発明における電源制御システムは,複数の前記電気機器50A,50Bを備えている。また,前記電源供給器具10は,前記電気機器50A,50B毎に,前記電器機器50A,50Bに供給した電力をそれぞれ計測する。これにより,電気機器50A,50B毎に電力使用量を取得することができる。
【0014】
本発明における電源制御システムは,前記制御部21からの指令を受け,前記指令に基づいた情報を出力するための出力部23を備えている。また,前記制御部21は,前記電源供給器具10により計測された前記電力情報を取得し,取得した前記電力情報に基づいた指令を前記出力部23へ出力する。これにより,電気機器50A,50Bの電力使用量が出力部23に出力される。この結果,エネルギー消費者が,出力部23の出力を確認することで,電気機器50A,50Bの電力使用量を確認することができる。
【0015】
本発明における電源制御システムは,前記電気機器50A,50Bが配置された部屋,家屋又は建物の屋内に設置され,前記屋内の状態に関する屋内情報を検出する環境センサを備えている。また,前記制御部21は,前記環境センサにより検出された前記屋内情報と,前記電源供給器具10により計測された前記電力情報とに基づいた指令を前記出力部23へ出力する。これにより,電力情報が屋内情報と共に出力部23に出力される。この結果,エネルギー消費者が,出力部23の出力を確認することで,電気機器50A,50Bの電力情報を屋内情報と合わせて得ることができる。
【0016】
本発明における電源制御システムは,前記制御部21と情報の授受を行うことができる記憶部22を備えている。また,前記記憶部22には,前記電力情報と前記屋内情報とが互いに対応して記憶されている。前記制御部21は,前記記憶部22に記憶された前記電力情報及び前記屋内情報に基づいた指令を前記出力部23に出力する。これにより,例えば,数時間前,数日前等,過去の電力情報が屋内情報と共に出力部23に出力される。この結果,エネルギー消費者が,出力部23の出力を確認することで,電気機器50A,50Bの過去の電力情報を屋内情報と合わせて得ることができる。
【0017】
本発明における電源制御システムは,前記制御部21と情報の授受を行うことができる記憶部22を備えている。また,前記記憶部22には,前記制御部21が送信した前記制御信号が記憶されており,制御部21は,前記記憶部22に記憶された制御信号を用いて,前記電気機器50A,50Bへの電力供給を停止する。このように,制御部21は,前記記憶部22に記憶された制御信号を用いることで,過去に電源機器に対して送信した制御信号を取得し,これに基づいた制御を電源供給機器に対して行うことが行える。
【0018】
本発明における電源制御システムは,前記電気機器50A,50Bが配置された部屋,家屋又は建物の屋内に設置され,前記屋内の状態に関する屋内情報を検出する環境センサを備え,制御部21は,前記環境センサにより検出された前記屋内情報を取得し,前記屋内情報に基づいた制御信号を新たに生成し,前記屋内情報に基づいた制御信号を前記電気機器50A,50B及び前記電源供給器具10に送信し,前記電源供給器具10は,前記屋内情報に基づいた制御信号を用いて,前記電気機器50A,50Bへの電力供給を停止する。これにより,屋内に状態に応じた制御信号が生成され,屋内情報に合わせた制御を電気機器に対して行うことができる。この結果,人の行動等の屋内情報に対応して,電気機器への電力供給を簡単に停止することができる。
【0019】
本発明における電源制御システムにおいて,好ましくは,前記環境センサは,前記屋内の人の移動,前記屋内の温度又は前記屋内の照度のうち,少なくとも1つを検出する。環境センサにより屋内の人の移動を検出し,これを屋内情報とすることで,屋内情報と電力情報とに基づいて,エネルギー消費者の行動に対応した電力情報を出力部23に出力することができる。また,環境センサにより屋内の温度や照度を検出し,これを屋内情報とすることで,屋内情報と電力情報とに基づいて,電気機器50A,50Bの設置環境を含めた電力情報を出力部23に出力することができる。この結果,エネルギー消費者は,出力部23の出力を確認することで,エネルギー消費者の行動に対応した電力情報や,電気機器の設置環境を含めた電力情報等,省エネのために有益な情報を取得することができる。
【0020】
本発明における電源制御システムにおいて,前記電源供給器具10と前記制御部21との間の信号又は情報の送受は,電力線を通信媒体に用いた電力線搬送方式を用いて,行われる。既存の電力線を通信媒体に用いているので,新たに信号又は情報の送受信用の器具を設ける必要がなく,コストを低減できる。
【0021】
本発明における電源制御システムにおいて,前記電気機器50A,50Bは,プラグを先端に設けた電源コードを有している。また,前記電源供給器具10は,コンセントを有している。そして,前記プラグが前記コンセントに挿入されることにより,前記電源供給器具10が前記電源コードを介して,前記電気機器50A,50Bに電力を供給する。これにより,電源供給器具10と電気機器50A,50Bとを容易に接続することができ,電力供給器具10から電気機器50A,50Bへ容易に電力を供給できる。なお,前記電源供給器具10は,外部電源に接続されるテーブルタップ,コーナタップ又はトリプルタップのいずれかである。
【0022】
本発明における電源制御システムは,ビデオ機器50と,前記ビデオ機器50に電力を供給する電源供給器具10と,前記ビデオ機器50及び前記電源供給器具10に録画予約に関する制御信号を送信する制御部21と,前記制御部21と情報の授受を行うことができる記憶部22を備えている。また,前記記憶部22には,前記制御部21が送信した前記録画予約に関する制御信号が記憶されており,制御部21は,前記記憶部22に記憶された前記録画予約に関する制御信号を用いて,前記ビデオ50への電力供給を停止する。これにより,記憶部22には,ビデオ機器50の録画予約命令等の制御信号が記憶される。従って,人の操作による制御信号の入力がなくても,記憶部22に記憶されている制御信号を用いて,ビデオ機器50の電力供給を制御することができる。例えば,毎週月曜の午後9時〜10時に特定の番組を録画するという録画予約命令が,制御信号として,記憶部22に記憶されているとする。そして,ユーザが録画予約した時間以外にビデオ機器50の電源を入れて,電源を点けっぱなしにしたとする。このような場合においても,制御部21が,記憶部22に記憶された録画予約命令の御信号を用いて,前記ビデオ50への電力供給を停止することができる。この結果,録画予約時間である月曜の午後9時〜10時の間のみ通電し,必要最低限の電力使用によって,予約録画を行うことができる。
【0023】
本発明における電源制御システムは,ネットワークに接続してもよい。これにより,各家屋や各建物での消費電力に関する情報等,様々な情報を複数のユーザによって共有することができる。この結果,社会全体の省エネ意識を高めることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は,電源供給器具が,電気機器への制御信号に基づいて,電気機器への電力供給を停止するので,電気機器への制御に連動して,人の手を煩わすことなく,効率よく待機電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は,本発明の電源制御システムの例を示す図である。
【図2】図2は,本発明の電源制御システムの適用例を概念的に示す図である。
【図3】図3は,本発明の電源制御システムの使用例を示す図である。
【図4】図4は,インテリジェントテーブルタップの例を示す構成図である。
【図5】図5は,赤外線学習リモコンの例と,その操作画面を示す図である。
【図6】図6は,出力部の表示例を示す図である。
【図7】図7は,出力部の表示例を示す図である。
【図8】図8は,出力部の表示例を示す図である。
【図9】図9は,出力部の表示例を示す図である。
【図10】図10は,出力部の表示例を示す図である。
【図11】図11は,省エネのための出力情報の処理手順の例を示すフロー図である。
【図12】図12は,省エネのための出力情報の処理手順の例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下,本発明の実施の形態について,図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は,本発明の電源制御システムの例を示す図である。
【0028】
図1に示されるように,電源制御システム100は,インテリジェントテーブルタップ10と,サーバ20と,屋内電力ライン30と,赤外線学習リモコン40と,電気機器50A,50Bとを有する。インテリジェントテーブルタップ10は,屋内電力ライン30及び電気機器50A,50Bに接続されている。また,サーバ20には,屋内電力ライン30及び赤外線学習リモコン40に接続されている。屋内電力ライン30には,例えば発電所から電力が供給されている。屋内電力ライン30の電力は,これに接続されたサーバ20やインテリジェントテーブルタップ10に供給される。なお,本発明の電源供給器具はインテリジェントテーブルタップ10であり,本発明のリモコン部は赤外線学習リモコン40である。また,電気機器50A,50Bを総称して,単に電気機器50とする。
【0029】
インテリジェントテーブルタップ10は,電力制御部11と,電流センサ12と,スイッチ部13とを備えている。電流センサ12及びスイッチ部13は,接続可能な電気機器50の数によって異なる。インテリジェントテーブルタップ10は,屋内電力ライン30に供給される電力を電気機器50に供給する。なお,電力制御部11は,電流センサ12及びスイッチ部13を制御する。
【0030】
電流センサ12及びスイッチ部13は電気的に接続されている。各電流センサ12は,電気機器50A,50Bにそれぞれ接続されている。電流センサ12は,電気機器50A,50Bに出力される電流を計測する。電力制御部11は,電流センサ12で計測された電流に基づいて,電気機器50A,50Bに供給した電力を電気機器50A,50B毎に計測する。
【0031】
スイッチ部13は,例えばリレー回路により構成されており,電力制御部11により制御される。電力制御部11は,後述の赤外線学習リモコン40から送信される制御信号に基づいて,スイッチ部13を切り換える。スイッチ部13がオンに切り換えられると,屋内電力ライン30に供給される電力が電気機器50に供給される。一方,スイッチ部13がオフに切り換えられると,屋内電力ライン30の電力の供給が停止される。
【0032】
サーバ20は,制御部21と,記憶部22と,出力部23とを備えている。サーバ20は,屋内電力ライン30及び赤外線学習リモコン40に接続されている。サーバ20には,屋内電力ライン30から電力が供給される。制御部21は,赤外線学習リモコン40を介して,電気機器50A又は電気機器50Bにそれぞれ別々に制御信号を送信する。また,制御部21は,屋内電力ライン30を介して,インテリジェントテーブルタップ10へも制御信号を送信する。
【0033】
制御部21は,インテリジェントテーブルタップ10の電力制御部11により計測された電力情報を,屋内電力ライン30を介して取得する。インテリジェントテーブルタップ10とサーバ20との間の信号又は情報の送受は,電力線を通信媒体に用いた電力線配送(PLC:Power Line Communication)方式により実現されている。
【0034】
制御信号には,少なくとも電気機器50の電源をオン又はオフする信号が含まれる。電気機器50の電源をオンする制御信号がインテリジェントテーブルタップ10に入力されると,電力制御部11がスイッチ部13をオンにし,屋内電力ライン30からの電力が電気機器50に供給される。一方,電気機器50の電源をオフにする制御信号がインテリジェントテーブルタップ10に入力されると,電力制御部11がスイッチ部13をオフにし,屋内電力ライン30から電気機器50への電力供給が停止される。
【0035】
記憶部22は,制御部21と情報の授受を行うことができる。記憶部22には,電源供給器具10により各電気機器50A,50Bに供給された電力情報等の各種情報が記憶される。また,記憶部22には,制御部21から送信された制御信号が,記憶されている。制御部21は,記憶部22に記憶されている制御信号を用いて,インテリジェントテーブルタップ10及び電気機器50に,指令を出力することもできる。
【0036】
出力部23は,制御部21からの指令を受け,この指令に基づいた情報を出力する。制御部21は,記憶部22に記憶されている上記電力情報等に基づいた指令を出力部23へ出力する。なお,制御部21は,記憶部22に記憶された情報を用いずに,インテリジェントテーブルタップ10から取得した電力情報を直接用いた指令を出力部23へ出力してもよい。
【0037】
屋内電力ライン30は,部屋,家屋又は建物の屋内に配線された電力線である。屋内電力ライン30は,発電所からの電力供給を中継する。すなわち,インテリジェントテーブルタップ10,サーバ20及び電気機器50への電力供給は,全て屋内電力ライン30を介して行われる。
【0038】
赤外線学習リモコン40は,赤外線通信機能を有する。赤外線学習リモコン40は,サーバ20に接続されている。赤外線学習リモコン40は,制御部21の制御によって,電気機器50に対して,制御信号を赤外線により送信する。
【0039】
電気機器50A,50Bは,電源供給器具10にそれぞれ接続されている。電気機器50は,リモコン部40から制御信号を受信し,制御信号に従って稼動する。
【0040】
図2は,本発明の電源制御システム100の適用例を概念的に示す図である。図2に示されるように,電源制御システム100は,概念的には,モニタリングシステムと提示システムとから構成される。
【0041】
モニタリングシステムでは,インテリジェントテーブルタップ10に接続された各種電気機器50の電力を,電流センサ12を用いてそれぞれ計測し,計測された電力情報をサーバ20の記憶部22に記憶する。なお,図2のデータベースは,図1の記憶部22に対応する。
【0042】
また,電気機器50が配置された部屋,家屋又は建物の屋内には,屋内の状態に関する屋内情報を検出するための各種センサが設けられている。これらのセンサを総称して,環境センサとする。環境センサで取得される各種情報は,無線通信によりサーバ20に送信され,データベースとしての記憶部22に記憶される。
【0043】
温度センサは,屋内の温度を計測する。照度センサは,屋内の照度を計測する。人感センサは,屋内での人の移動を検出する。例えば,屋内に複数の人感センサを配置して,人の居場所の変化を検知することで,屋内での人の移動を検出する。開閉センサは,扉の開閉を検知することで,屋内への人の出入りを検出する。
【0044】
提示システムでは,データベースとしての記憶部22に記憶された各種情報を用いて,各電気機器50の消費電力や,行動検出に基づいた省エネアドバイスや,省エネ効果等の情報提示が行われる。
【0045】
次に,本発明の電源制御システム100の使用例として,モニタリングシステムとして用いた場合について,図に基づいて説明する。図3は,本発明の電源制御システムの使用例を示す図である。
【0046】
図3に示されるように,インテリジェントテーブルタップ10が,屋内電力ライン30に接続されている。図4は,インテリジェントテーブルタップ10の例を示す構成図である。図4に示されるように,リモートIOボード111,複数の電流センサ12,複数のスイッチ部13及びPLCアダプタ14が,ケース内に設けられている。
【0047】
リモートIOボード111上には,電力制御部11が回路として形成されている。また,インテリジェントテーブルタップ10の外面には,例えば2つの電源用の凹型接触端子からなるコンセント15が複数設けられている。電流センサ12及びスイッチ部13は,コンセント14の数に対応した数だけ設けられる。1つのコンセント15に対して,電流センサ12及びスイッチ部13が少なくとも1つずつ必要となる。なお,こられの数は,各国のコンセント規格によって異なってくる。なお,図3では,便宜上,1つのコンセント15の分しか,電流センサ12及びスイッチ部13を表示していない。
【0048】
上述したように,電流センサ12及びスイッチ部13は,電力制御部11により制御されるが,図3に示されるように,電力制御部11から電流センサへ12の制御は,リモートIOボード111の入力ポートを用いて行われ, 電力制御部11からスイッチ部13への制御は,リモートIOボード111の出力ポートを用いて行われる。PLCアダプタ14は,サーバ20とのPLC方式による通信に用いられる。
【0049】
各スイッチ部13及びPLCアダプタ14に接続された電源コード16の先端には,プラグ17が設けられている。このプラグ17は,例えば2つの電源用の凸型接触端子から構成されている。このプラグ17が屋内電力ライン30に接続されることにより,屋内電力ライン30からの電力がインテリジェントテーブルタップ10に供給される。
【0050】
図3に戻って,サーバ20は,PLCアダプタ60を介して,屋内電力ライン30に接続される。これにより,サーバ20は,屋内電力ライン30から電力供給を受けられる。PLCアダプタ60は,インテリジェントテーブルタップ10とサーバ20との間のPLC方式による通信に用いられる。サーバ20とPLCアダプタ60との間は,イーサネット(登録商標)規格に従って接続されている。
【0051】
また,サーバ20には,赤外線学習リモコン40がUSB(Universal Serial Bus)により接続されている。図5は,赤外線学習リモコン40の例と,その操作画面を示す図である。図5(a)は,赤外線学習リモコン40の外形を撮影した写真代用図である。図5(a)に示されるように,赤外線学習リモコン40の前面(図5内の手前側)に,複数の赤外線LED(Light Emitting Diode)が配置されている。制御部21による制御信号は,この赤外線LEDから,電気機器50に向けて送信される。図5(b)は,赤外線学習リモコン40の操作画面を示す図である。図5(b)では,エアコンを電気機器50とした際の操作画面を示している。
【0052】
電気機器50は,2つの電源用の凸型接触端子からなるプラグ51を先端に設けた電源コード52を有している。プラグ51は,コンセント15に対応して形状等が決まる。プラグ51は,インテリジェントテーブルタップ10のコンセント15に挿入される。これにより,電源コード52を介して,屋内電力ライン30からの電力が電気機器50に供給される。
【0053】
次に,図1〜図3に基づいて,本発明の電源制御システム100をモニタリングシステムとして動作させた際の処理の流れを説明する。
まず,電気機器50に対してブラウザからの操作がユーザにより行われると,サーバ20の制御部21は,操作内容に対応した制御信号を生成する。ブラウザからの操作は,例えば,サーバ20のキーボード入力やサーバ30とは別のモバイル端末からの信号入力等により行われる。次に,サーバ20の制御部21は,赤外線学習リモコン40を介して,制御信号を電気機器50へ送信する。電気機器50は,制御信号を受信すると,受信した制御信号に応じた動作をする。
【0054】
例えば,制御信号が電気機器50の電源をオンにする信号である場合,電気機器50は制御信号に従って電気機器50の電源をオンにする。このとき,インテリジェントテーブルタップ10にも,PLCアダプタ60及び屋内電力ライン30を介して,電気機器50の電源をオンにする制御信号が入力される。そして,インテリジェントテーブルタップ10の電力制御部11は,制御信号に従って,スイッチ部13をオンにする。これにより,屋内電力ライン30からの電力が電気機器50に供給され,電気機器50が稼働状態となる。
【0055】
一方,制御信号が電気機器50の電源をオフにする信号である場合,電気機器50は制御信号に従って電気機器50の電源をオフにする。上記同様,インテリジェントテーブルタップ10にも,PLCアダプタ60及び屋内電力ライン30を介して,電気機器50の電源をオフにする制御信号が入力される。そして,インテリジェントテーブルタップ10の電力制御部11は,制御信号に従って,スイッチ部13をオフにする。これにより,屋内電力ライン30からの電力供給が停止され,電気機器50が非稼働状態となる。
【0056】
また,インテリジェントテーブルタップ10の電力制御部11は,電流センサ12で計測される電流量に基づいて,電気機器50へ供給した電力を計測する。なお,複数の電気機器50がインテリジェントテーブルタップ10に接続されている場合には,電力制御部11は電気機器50毎に電力を計測する。インテリジェントテーブルタップ10は,計測された電力情報を,屋内電力ライン30を介してサーバ20へ送信する。電力情報を受信したサーバ20の制御部21は,受信した電力情報を記憶部22に記憶する。これにより,電気機器50毎の消費電力が記憶部22に記憶される。
【0057】
また,電気機器50が配置された各環境センサは,屋内の温度や屋内の照度や屋内での人の移動等を検出する。そして,各環境センサは,取得される各種情報を無線通信によりサーバ20へ送信する。これらの環境センサで取得される各種情報は,屋内の状態に関する屋内情報として,制御部21により記憶部22に記憶される。
【0058】
ユーザは,サーバ20やモバイル端末等にて操作することにより,電気機器50の電力情報や,環境センサにより検出された屋内情報を,出力部23に出力することができる。このとき,制御部21は,記憶部22に記憶されている電力情報や屋内情報に基づいた指令を,例えば表示部等の出力部23に出力する。これにより,ユーザは,各電気機器50に関する電力情報や,屋内の状態に関する情報を,リアルタイムに確認することができる。
【0059】
また,制御部21は,環境センサにより検出された屋内情報を取得し,屋内情報に基づいた制御信号を新たに生成してもよい。これにより,屋内の状況に応じた制御信号が生成される。そして,この制御信号が制御部21によってインテリジェントテーブルタップ10及び電気機器50に送信されると,屋内の状況に応じた制御がインテリジェントテーブルタップ10及び電気機器50に対して行われる。
【0060】
例えば,部屋の中のテレビに対して,制御を行う場合について説明する。制御部21は,人感センサや開閉センサによって,部屋に人がいるか否かを検知できる。制御部21は,これらのセンサで検知された環境情報に基づいた制御信号を生成する。例えば,人が部屋に居ないと認識した場合,制御部21はテレビの電源をオフにする制御信号を新たに生成する。そして,制御部21は,この新たな制御信号をインテリジェントテーブルタップ10及びテレビに送信する。テレビは,制御信号に従って当該テレビの電源をオフにする。また,インテリジェントテーブルタップ10は,制御信号に従って,テレビへの電力供給を停止する。このように,人の行動等の屋内情報に対応して,電気機器への電力供給を簡単に停止することができる。この結果,人が意識することなく,効果的に待機電力の消費を抑制でき,省エネ活動が有効に促進される。
【0061】
また,記憶部22には,制御部21が送信した制御信号を記憶してもよい。このとき,制御部21は,記憶部22に記憶された制御信号を用いて,電気機器50への電力供給を停止する。すなわち,制御部21は,電気機器50に対して既に過去に送信した制御信号を記憶部22から取得する。そして,制御部21は,取得した制御信号を用いて,インテリジェントテーブルタップ10及び電気機器50に電源をオン又はオフにする信号等を出力する。
【0062】
例えば,記憶部22に,ビデオ機器に対する制御信号が記憶されている場合について,説明する。記憶部22には,例えば毎週月曜の午後9時〜10時に特定の番組を録画するという録画予約命令が,制御信号として記憶されているとする。そして,ユーザが録画予約した時間以外にビデオ機器50の電源を入れて,電源を点けっぱなしにしたとする。このとき,制御部21は,記憶部22から録画予約命令の制御信号を取得し,これを再度,インテリジェントテーブルタップ10及びビデオ機器に送信する。インテリジェントテーブルタップ10は,制御信号を受信すると,この制御信号に基づいて,ビデオ機器への電力供給を停止する。このようにして,制御部21が,記憶部22に記憶された録画予約命令の制御信号を用いて,ビデオ機器50への電力供給を停止することができる。これにより,録画予約時間である月曜の午後9時〜10時の間のみ通電し,必要最低限の電力使用によって,予約録画を行うことができる。この結果,効果的に待機電力を抑制でき,省エネ活動が有効に促進される。
【0063】
次に,本発明の電源制御システム100の使用例として,提示システムとして用いた場合について説明する。
【0064】
上述の通り,提示システムでは,データベースとしての記憶部22に記憶された各種情報を用いて,各電気機器50の消費電力や,行動検出に基づいた省エネアドバイスや,省エネ効果等の情報提示が行われる。
【0065】
これらの情報提示を行うために,制御部21は,記憶部22に記憶されている電気機器50毎の電力情報や,屋内の温度や屋内の照度や屋内での人の移動等の屋内情報に基づいた指令を,出力部23に出力する。出力部23を表示部としたときの各種情報の表示例を以下に説明する。図6〜図10は,各種情報の表示例を示す図である。
【0066】
図6は,ブラウザを用いた場合の表示画面の例を示す図である。画面中央には,日毎の総消費電力が示されている。また,画面左には,「機器別消費電力」,「貯金箱」等の複数のメニューが表示される。画面下には,目標設定に関する情報が表示される。
【0067】
図7(a)は,日毎の総消費電力の表示例を示す図である。横軸には日付,縦軸には消費電力が設定されている。図7(a)において,総消費電力が棒グラフで示されている。また,目標値(図7(a)では4000以下)の範囲に対して,塗りつぶしが行われている。このような表示が提供されることで,ユーザは,各電気機器50の日毎の総消費電力を目標値と共に,確認することができる。ここで,総消費電力は,記憶部22に記憶されている各電気機器50の日毎の電力を合計して,制御部21により算出される。目標値は,ユーザによる操作入力によって入力され,予め記憶部22に記憶されている。
【0068】
図7(b)は,機器別消費電力の表示例を示す図である。横軸には時間,縦軸には消費電力が設定されている。図7(b)において,電気機器50毎の消費電力の時間的変化が折れ線グラフで表示されている。このような表示が提供されることで,ユーザは,どの時間にどの電気機器50でどのくらいの電力を消費したいたかについて,確認することができる。
【0069】
図8(a)は昼光照度の表示例を示す図,図8(b)は照明照度の表示例を示す図である。横軸には時間,縦軸には照度が設定されている。図8(a)及び図8(b)において,照度の時間的変化が折れ線グラフで表示されている。図8(c)は温度の表示例を示す図である。横軸には時間,縦軸には温度が設定されている。図8(c)において,屋内の温度の時間的変化が折れ線グラフで表示されている。これらの表示が提供されることで,ユーザがどのような屋内環境下で生活しているのかを確認することができる。例えば,エアコンの消費電力は,温度との相関性が高いことが知られている。従って,エアコンが設置されている環境が実際にどのようになっているのかの知識を得ることで,エアコンの効率的な制御に役立てることができる。
【0070】
図9は,行動履歴の表示例を示す図である。この表示は,省エネに関して,相応しくない行動をいつしていたかを確認するために提供される。ここで表示される情報は,記憶部22に記憶される電気機器50毎の電力情報及び屋内の状態に関する屋内情報や,予めユーザにより記憶部22に記憶された目標値等の複数の情報を組み合わせることで,生成される。
【0071】
図9(a)において,1番上の表示欄には,省エネアドバイスが表示される。ここでは,省エネのためのアドバイスと,その説明が表示される。すなわち,省エネのためには,どんなときにどんな行動を取ればよいのかを説明している。
【0072】
2番目の表示欄には,貯金機能の目標設定を行うためのアイコンが示される。ユーザは,これらのアイコンを用いて,目標値を入力する。入力された目標値は,記憶部22に記憶される。
【0073】
3番目の表示欄には,月額損失が表示される。ここでは,現在,提示している日の電力消費を1ヶ月続けた場合における月額の損失が表示される。すなわち,省エネによって期待できる節約料金が示される。この節約料金は,記憶部22に記憶されている各電気機器50の電力情報や目標値等から制御部21によって算出される。
【0074】
4番目の表示欄では,行動履歴ガントチャートが示される。ここでは,例えば,「Loss Time」では,省エネに相応しくない行動を取っていた時間を赤く表示する。また,「aircon」では,電気機器50(ここではエアコン)の使用時間が表示される。例えば,使用時は黄色,不使用時は斜線で示される。「Place」では,ユーザの所在位置が示される。例えば,外出は緑,研究室がピンク,台所が黄色で示される。これら表示は,人感センサや開閉センサ等の環境センサで検出された情報に基づいて,制御部21によって生成される。「Sunshine」では,例えば,屋内への昼光入射が過度なときにクリーム色で表示される。「light」では,例えば,照明使用時間がクリーム色で示される。この表示情報は,照度センサで検出された情報に基づいて,制御部21によって生成される。「Use machine」では,例えば,電気機器50(ここでは炊飯器)の使用時間がクリーム色で示される。この表示情報は,電気機器50の消費電力の時間的変化に基づいて,制御部21によって生成される。
【0075】
5番目の表示欄では,温度/照度グラフが示される。この表示欄では,このページで示される省エネ方法に関係のある場合のみグラフが示される。例えば,グラフ中で塗りつぶしが施されている領域が省エネの目安となる。この目安以上となったグラフの領域に対応する時間帯について,エネルギーロスを算出する。
【0076】
図9(b)には,ドア又は窓の開閉時間が表示される。図9(a)の4番目の表示欄に示した内容に代えて,図9(b)に示される内容をしてもよい。表示例では,右に目標時間,左に実際の開閉時間が表示されている。この表示情報は,開閉センサで検出された情報に基づいて,制御部21によって生成される。
【0077】
図10は,貯金額確認画面の表示例を示す図である。図10中のグラフにおいて,横軸には日にち,縦軸には金額が設定されている。この画面表示では,ユーザにより予め設定された消費電力の目標値に対して,削減された消費電力量を金銭に変換し,これを貯金額として表示している。また,その貯金額の累積額を生じしている。この表示情報は,各電気機器50の電力情報や,記憶部22に予め設定された電力目標値等の情報に基づいて,制御部21によって生成される。このような表示を提供することで,ユーザは消費電力の節約実績を視覚的に確認することができる。
【0078】
図11は,図10で示した貯金額確認画面を使用するためのフロー図である。図中のSは,ステップ(Step)を意味する。図11に示されるように,ユーザは,各電気機器50の電力情報や,環境センサで検出された屋内情報等を,モニタリングする(ステップ1101)。次に,ユーザは,省エネ度を評価する(ステップ1102)。ここでは,損失見積額を算出することで,省エネ度を評価する。ここで,損失見積額とは,エネルギー消費者であるユーザが無駄な電力を浪費した時間と,当該ユーザによる行動の種類によって算出される削減可能な電力量に対応する金額である。次に,ユーザは,省エネ度の評価結果に基づいて,消費電力の目標値を設定して(ステップ1103),再度,上述した各種情報をモニタリングする(ステップ1104)。再度,ユーザは,省エネ度を評価する(ステップ1105)。ここでは,損失見積額又は貯金額を算出する。そして,新たな目標値を設定して,上述した各種情報をモニタリングする(ステップ1107)。以下,このステップを繰り返し行うことで,ユーザの省エネ活動が促進される。なお,上記損出見積額,貯金額及び目標設定は,省エネアドバイス毎に算出される。
【0079】
図12は,環境センサにより検出された各種情報に基づいて,損失見積額及び貯金額を算出するための処理を示すフロー図である。まず,行動検出を行う(ステップ1201)。ここでは,データベースとしての記憶部22に記憶されている各種屋内情報に基づいて,ユーザの行動パターンを検出する。すなわち,例えば,ユーザがどんな時間にどこに居ることが多いのか等,ユーザの行動に関する情報を取得する。次に,消費電力の目標値が設定されている場合には(ステップ1202,Yes),消費電力の節約量を改善率で算出する(ステップ1203)。そして,改善率に基づいて,具体的に削減可能な消費電力を算出して(ステップ1204),これを貯金額とする(ステップ1205)。一方,消費電力の目標値が設定されていない場合には(ステップ1202,No),実行時間を算出する(ステップ1206)。この実行時間とは,省エネ活動できなかった時間,つまり,エネルギー消費者であるユーザが無駄な電力を浪費した時間である。そして,実行時間に基づいて,具体的に削減可能な消費電力を算出して(ステップ1207),これを損失見積金額とする(ステップ1208)。
【0080】
以上のように,本発明における電源制御システム100では,インテリジェントテーブルタップ10は,制御部21からの制御信号に基づいて,電気機器50A,50Bへの電力供給を停止する。この構成により,インテリジェントテーブルタップ10が,制御部21から電気機器50A,50Bへ送信される制御信号に連動して,電気機器50A,50Bへの電力供給を停止する。この結果,人の手を煩わすことなく,効率よく待機電力を削減することができる。
【0081】
本発明における電源制御システム100において,インテリジェントテーブルタップ10は,制御信号が電気機器50A,50Bの電源をオフにする信号である場合に,電気機器50A,50Bへの電力供給を停止する。この構成により,インテリジェントテーブルタップ10が,電気機器50A,50Bの電源をオフする制御信号に連動して,電気機器50A,50Bへの電力供給を停止する。この結果,人の手を煩わすことなく,電気機器への制御に連動して,効率よく待機電力を削減することができる。
【0082】
本発明における電源制御システム100において,インテリジェントテーブルタップ10は,電気機器50A,50Bに供給した電力を計測する。これにより,電気機器50A,50Bの電力使用量を簡単に取得することができる。
【0083】
本発明における電源制御システム100において,インテリジェントテーブルタップ10は,電気機器50A,50B毎に,電器機器50A,50Bに供給した電力をそれぞれ計測する。これにより,電気機器50A,50B毎に電力使用量を取得することができる。
【0084】
本発明における電源制御システム100では,制御部21は,インテリジェントテーブルタップ10により計測された電力情報を取得し,取得した電力情報に基づいた指令を出力部23へ出力する。これにより,電気機器50A,50Bの電力使用量が出力部23に出力される。この結果,エネルギー消費者が,出力部23の出力を確認することで,電気機器50A,50Bの電力使用量を確認することができる。
【0085】
本発明における電源制御システム100では,制御部21は,環境センサにより検出された屋内情報と,インテリジェントテーブルタップ10により計測された電力情報とに基づいた指令を出力部23へ出力する。これにより,電力情報が屋内情報と共に出力部23に出力される。この結果,エネルギー消費者が,出力部23の出力を確認することで,電気機器50A,50Bの電力情報を屋内情報と合わせて得ることができる。
【0086】
本発明における電源制御システム100では,記憶部22には,電力情報と屋内情報とが互いに対応して記憶されている。制御部21は,記憶部22に記憶された電力情報及び屋内情報に基づいた指令を出力部23に出力する。これにより,例えば,数時間前,数日前等,過去の電力情報が屋内情報と共に出力部23に出力される。この結果,エネルギー消費者が,出力部23の出力を確認することで,電気機器50A,50Bの過去の電力情報を屋内情報と合わせて得ることができる。
【0087】
本発明における電源制御システム100では,記憶部22には,制御部21が送信した制御信号が記憶されており,制御部21は,記憶部22に記憶された制御信号を用いて,電気機器50A,50Bへの電力供給を停止する。このように,制御部21は,記憶部22に記憶された制御信号を用いることで,過去に電源機器に対して送信した制御信号を取得し,これに基づいた制御を電源供給機器に対して行うことが行える。
【0088】
本発明における電源制御システム100では,制御部21は,環境センサにより検出された屋内情報を取得し,屋内情報に基づいた制御信号を新たに生成し,屋内情報に基づいた制御信号を電気機器50A,50B及び電源供給器具10に送信し,電源供給器具10は,屋内情報に基づいた制御信号を用いて,電気機器50A,50Bへの電力供給を停止する。これにより,屋内に状態に応じた制御信号が生成され,屋内情報に合わせた制御を電気機器に対して行うことができる。この結果,人の行動等の屋内情報に対応して,電気機器への電力供給を簡単に停止することができる。
【0089】
本発明における電源制御システム100において,好ましくは,前記環境センサは,前記屋内の人の移動,前記屋内の温度又は前記屋内の照度のうち,少なくとも1つを検出する。環境センサにより屋内の人の移動を検出し,これを屋内情報とすることで,屋内情報と電力情報とに基づいて,エネルギー消費者の行動に対応した電力情報を出力部23に出力することができる。また,環境センサにより屋内の温度や照度を検出し,これを屋内情報とすることで,屋内情報と電力情報とに基づいて,電気機器50A,50Bの設置環境を含めた電力情報を出力部23に出力することができる。この結果,エネルギー消費者は,出力部23の出力を確認することで,エネルギー消費者の行動に対応した電力情報や,電気機器の設置環境を含めた電力情報等,省エネのために有益な情報を取得することができる。これらの情報により,エネルギー消費者は,自らの行動を見つめ直す機会が与えられる。そして,エネルギー消費者は,省エネのための目標設定を自己の行動に従って設定することができる。設定された目標に対する省エネ効果の実績を累積して,これを出力部23に出力することで,エネルギー消費者は省エネ効果を随時確認することができる。このようにして,省エネ行動の楽しみをエネルギー消費者に提供することができる。
【0090】
本発明における電源制御システム100において,インテリジェントテーブルタップ10と制御部21との間の信号又は情報の送受は,電力線を通信媒体に用いた電力線搬送方式を用いて行われる。このように,既存の電力線を通信媒体に用いているので,新たに信号又は情報の送受信用の器具を設ける必要がなく,コストを低減できる。
【0091】
本発明における電源制御システム100において,電気機器50A,50Bは,二つの電源用の凸型接触端子からなるプラグを先端に設けた電源コードを有している。また,インテリジェントテーブルタップ10は,二つの電源用の凹型接触端子からなるコンセントを有している。そして,プラグがコンセントに挿入されることにより,インテリジェントテーブルタップ10が電源コードを介して,電気機器50A,50Bに電力を供給する。これにより,インテリジェントテーブルタップ10と電気機器50A,50Bとを容易に接続することができ,インテリジェントテーブルタップ10から電気機器50A,50Bへ容易に電力を供給できる。
【0092】
本発明における電源制御システム100では,本発明の電気機器50にビデオ機器を用い,制御信号には録画予約に関する制御信号を用いた。記憶部22には,制御部21が送信した録画予約に関する制御信号が記憶されており,制御部21は,記憶部22に記憶された録画予約に関する制御信号を用いて,ビデオ機器50への電力供給を停止する。これにより,記憶部22には,ビデオ機器50の録画予約命令等の制御信号が記憶される。従って,人の操作による制御信号の入力がなくても,記憶部22に記憶されている制御信号を用いて,ビデオ機器50の電力供給を制御することができる。例えば,毎週月曜の午後9時〜10時に特定の番組を録画するという録画予約命令が,制御信号として,記憶部22に記憶されているとする。そして,ユーザが録画予約した時間以外にビデオ機器50の電源を入れて,電源を点けっぱなしにしたとする。このような場合においても,制御部21が,記憶部22に記憶された録画予約命令の御信号を用いて,前記ビデオ50への電力供給を停止することができる。この結果,録画予約時間である月曜の午後9時〜10時の間のみ通電し,必要最低限の電力使用によって,予約録画を行うことができる。
【0093】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更又は変形することが可能である。
【0094】
上記実施の形態の説明では,インテリジェントテーブルタップ10を本発明の電源供給器具として説明したが,コーナータップやトリプルタップを本発明に用いてもよい。コーナータップやトリプルタップは,テーブルタップのように電源コードがなく,その場でコンセントが複数に分岐する構造となっている。
【0095】
上記実施の形態の説明では,赤外線学習リモコンを本発明のリモコン部として説明したが,ブルートゥース(Bluetooth)等の無線通信型のリモコンを本発明に用いてもよい。また,サーバ20及び電気機器50の間の通信は,USB(Universal Serial Bus)配線による接続等の有線を媒体とした通信によっても実現できる。
【0096】
なお,本発明の実施の形態に係る電源制御システム100を,ネットワークに接続してもよい。これにより,各家屋や各建物での消費電力に関する情報等,様々な情報を複数のユーザによって共有することができる。この結果,社会全体の省エネ意識を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は,電気機器に電力を供給するテーブルタップ等の電源供給器具を有する電源制御システムに関する技術分野において利用されうる。例えば,ユビキタスセンサとインテリジェントテーブルタップによる省エネシステムに適用することができる。ユビキタスセンサとは、近年普及しつつあるユビキタス−コンピューティングシステムを利用したセンサであり遍在性を特徴としている。ユビキタスとは人間が介在せずコンピュータ同士が連携して動作する環境をいう。本発明ではインテリジェントテーブルタップを用いて,例えば屋内の状態に関する情報を用いて,電気機器への電力供給を停止することを可能としている。
【符号の説明】
【0098】
10 インテリジェントテーブルタップ
11 電力制御部
12 電流センサ
13 スイッチ部
20 サーバ
21 制御部
22 記憶部
23 出力部
30 屋内電力ライン
40 赤外線学習リモコン
50A,50B 電気機器
100 電源制御システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器(50A,50B)と,
前記電気機器(50A,50B)に電力を供給する電源供給器具(10)と,
前記電気機器(50A,50B)及び前記電源供給器具(10)に制御信号を送信する制御部(21)とを備えた電源制御システムであって,
前記電源供給器具(10)は,前記制御信号に基づいて,前記電気機器(50A,50B)への電力供給を停止することを特徴とする電源制御システム。
【請求項2】
前記制御部(21)は,少なくとも前記電気機器(50A,50B)の電源をオン又はオフにする信号を前記制御信号として,前記電気機器(50A,50B)及び前記電源供給器具(10)に送信し,
前記電源供給器具(10)は,前記制御信号が前記電気機器(50A,50B)の電源をオフにする信号である場合に,前記電気機器(50A,50B)への電力供給を停止する請求項1に記載の電源制御システム。
【請求項3】
前記電源供給器具(10)は,前記電気機器(50A,50B)に供給した電力を計測する請求項1又は請求項2に記載の電源制御システム。
【請求項4】
複数の前記電気機器(50A,50B)を備え,
前記電源供給器具(10)は,前記電気機器(50A,50B)毎に,前記電器機器(50A,50B)に供給した電力をそれぞれ計測する請求項1又は請求項2に記載の電源制御システム。
【請求項5】
前記制御部(21)からの指令を受け,前記指令に基づいた情報を出力するための出力部(23)を備え,
前記制御部(21)は,前記電源供給器具(50A,50B)により計測された前記電力情報を取得し,取得した前記電力情報に基づいた指令を前記出力部(23)へ出力する請求項1〜4のいずれかに記載の電源制御システム。
【請求項6】
前記電気機器(50A,50B)が配置された部屋,家屋又は建物の屋内に設置され,前記屋内の状態に関する屋内情報を検出する環境センサを備え,
前記制御部(21)は,前記環境センサにより検出された前記屋内情報と,前記電源供給器具(10)により計測された前記電力情報とに基づいた指令を前記出力部(23)へ出力する請求項1〜5のいずれかに記載の電源制御システム。
【請求項7】
前記制御部(21)と情報の授受を行うことができる記憶部(22)を備え,
前記記憶部(22)には,前記電力情報と前記屋内情報とが互いに対応して記憶され,
前記制御部(21)は,前記記憶部(22)に記憶された前記電力情報及び前記屋内情報に基づいた指令を前記出力部(23)に出力する請求項6に記載の電源制御システム。
【請求項8】
前記制御部(21)と情報の授受を行うことができる記憶部(22)を備え,
前記記憶部(22)には,前記制御部が送信した前記制御信号が記憶されており,
制御部(21)は,前記記憶部(22)に記憶された制御信号を用いて,前記電気機器(50A,50B)への電力供給を停止する請求項1〜5のいずれかに記載の電源制御システム。
【請求項9】
前記電気機器(50A,50B)が配置された部屋,家屋又は建物の屋内に設置され,前記屋内の状態に関する屋内情報を検出する環境センサを備え,
制御部(21)は,前記環境センサにより検出された前記屋内情報を取得し,前記屋内情報に基づいた制御信号を新たに生成し,前記屋内情報に基づいた制御信号を前記電気機器(50A,50B)及び前記電源供給器具(10)に送信し,
前記電源供給器具(10)は,前記屋内情報に基づいた制御信号を用いて,前記電気機器(50A,50B)への電力供給を停止する請求項1〜5のいずれかに記載の電源制御システム。
【請求項10】
前記環境センサは,前記屋内の人の移動,前記屋内の温度又は前記屋内の照度のうち,少なくとも1つを検出する請求項6又は請求項7に記載の電源制御システム。
【請求項11】
前記電源供給器具(10)と前記制御部(21)との間の信号又は情報の送受は,電力線を通信媒体に用いた電力線搬送方式を用いて,行われる請求項1〜10のいずれかに記載の電源制御システム。
【請求項12】
前記電気機器(50A,50B)は,プラグを先端に設けた電源コードを有し,
前記電源供給器具(10)は,コンセントを有し,前記プラグが前記コンセントに挿入されることにより,前記電源コードを介して,前記電気機器(50A,50B)に電力を供給する請求項1〜11のいずれかに記載の電源制御システム。
【請求項13】
前記電源供給器具(10)は,外部電源に接続されるテーブルタップ,コーナタップ又はトリプルタップのいずれかである請求項1〜12のいずれかに記載の電源制御システム。
【請求項14】
ビデオ機器(50A,50B)と,
前記ビデオ機器(50A,50B)に電力を供給する電源供給器具(10)と,
前記ビデオ機器(50A,50B)及び前記電源供給器具(10)に録画予約に関する制御信号を送信する制御部(21)と,
前記制御部(21)と情報の授受を行うことができる記憶部(22)を備えた電源制御システムであって,
前記記憶部(22)には,前記制御部が送信した前記録画予約に関する制御信号が記憶されており,
制御部(21)は,前記記憶部(22)に記憶された前記録画予約に関する制御信号を用いて,前記電気機器(50A,50B)への電力供給を停止する電源制御システム。
【請求項15】
ネットワークに接続されて使用される請求項1〜14のいずれかに記載の電源制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−213367(P2010−213367A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53284(P2009−53284)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年度知能機能システム専攻修士論文発表会,国立大学法人筑波大学,平成21年2月4日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(504171134)国立大学法人 筑波大学 (510)
【Fターム(参考)】