ユーザ認証方法、コンピュータソフトウェア及びユーザ認証機能を備えた装置
【課題】ログイン時の入力が簡単になるとともに、他人が本人のログインＩＤ及びパスワードでログインしてしまうという危険性のないユーザ認証方法を提供すること。
【解決手段】ユーザによる生体情報の入力を受け付ける第１ステップと、前記生体情報に対応するユーザ名と当該ユーザ名に対応するパスワードの一部とが自動入力されたユーザ認証画面を表示する第２ステップと、前記ユーザに、前記一部が自動入力されたパスワードの補完のための入力を受け付ける第３ステップと、を有する。
【解決手段】ユーザによる生体情報の入力を受け付ける第１ステップと、前記生体情報に対応するユーザ名と当該ユーザ名に対応するパスワードの一部とが自動入力されたユーザ認証画面を表示する第２ステップと、前記ユーザに、前記一部が自動入力されたパスワードの補完のための入力を受け付ける第３ステップと、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ユーザ認証方法、コンピュータソフトウェア及びユーザ認証機能を備えた装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
パーソナルコンピュータや文書蓄積可能なハードディスクが設けられた画像形成装置等にログインを行う際には、セキュリティ上、ログインＩＤ及びパスワードの入力が要求される。
【０００３】
ログイン毎にログインＩＤ及びパスワードを入力することは煩雑であり、この煩雑さを解消するために、予めログインＩＤ及びパスワードと対応付けて指紋認証データを記憶し、指紋認証が成功すれば対応付けられたログインＩＤ及びパスワードをログイン入力画面のログインＩＤ欄及びパスワード欄に自動的に入力させる技術が知られている（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】特開２００３−３６２４７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、指紋認証等の生体認証は完全ではなく、他人を本人と誤認識する可能性があり、他人が本人のログインＩＤ及びパスワードでログインしてしまうという危険性がある。
【０００５】
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであり、ログイン時の入力が簡単になるとともに、他人が本人のログインＩＤ及びパスワードでログインしてしまうことが抑制されるユーザ認証方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明のユーザ認証方法は、ユーザによる生体情報の入力を受け付ける第１ステップと、前記生体情報に対応するユーザ名と当該ユーザ名に対応するパスワードの一部とが自動入力されたユーザ認証画面を表示する第２ステップと、前記ユーザに、前記一部が自動入力されたパスワードの補完のための入力を受け付ける第３ステップと、を有することを特徴とする。
【０００７】
本発明のコンピュータソフトウェアは、ユーザから受け付けた生体情報に対応するユーザ名と当該ユーザ名に対応するパスワードの一部とが自動入力されたユーザ認証画面を表示する第１工程と、前記ユーザに、前記一部が自動入力されたパスワードの補完のための入力を受け付ける第２工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【０００８】
本発明のユーザ認証機能を備えた装置は、ユーザ認証画面を表示する表示部と、前記ユーザ認証画面への入力を行う操作部と、前記表示部に表示されている認証画面に、生体情報に対応するユーザ名と当該ユーザ名に対応するパスワードの一部とを自動入力し、前記一部が自動入力されたパスワードの補完のための入力を前記操作部から受け付ける制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、生体認証の成功に伴いログインＩＤ及びパスワードをログイン入力画面のログインＩＤ欄及びパスワード欄に自動的に入力させる際に、パスワードについては全てを自動入力せず、一部をユーザ入力としたので、ログイン時の入力が簡単になるとともに、他人が本人のログインＩＤ及びパスワードでログインしてしまうことが抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
（装置構成）
図１は、本発明のユーザ認証方法を適用した画像形成装置１の構成を示すブロック図である。画像形成装置１は、装置本体１０と指紋認証モジュール３０とから構成されている。
【００１１】
装置本体１０は、プログラムに従って装置本体１０の制御を実行するＣＰＵ１１を中心として、バス１２により、ＲＯＭ１３、ＲＡＭ１４、原稿読取部１５、画像形成部１６、ハードディスク１７、不揮発性メモリ１８、操作部１９、表示部２０、及び通信部２１が相互に接続されている。
【００１２】
ＲＯＭ１３は、各種プログラムやデータを記憶しており、ＣＰＵ１１がこれらプログラムやデータを利用して画像形成装置１の制御を実行する。
【００１３】
ＲＡＭ１４は、ＣＰＵ１１によってワークエリアとして利用され、ＣＰＵ１１が制御を実行する際に必要なプログラムやデータを一時的に記憶する。
【００１４】
原稿読取部１５は、原稿を読み取って画像データを生成する。生成された画像データは、画像形成部１６又はハードディスク１７等に出力される。
【００１５】
画像形成部１６は、原稿読取部１５又はハードディスク１７等から入力される画像データや文書データに基づいて記録媒体上に画像形成を行う。
【００１６】
ハードディスク１７は、原稿読取部１５等から入力される画像データを記憶し保存する。
【００１７】
不揮発性メモリ１８は、ユーザ毎のログインＩＤ及びパスワードを登録番号に対応付けて記憶する。
【００１８】
操作部１９は、ユーザにより操作され、当該操作部１９からログインＩＤ及びパスワードの入力、画像形成の指示、ハードディスクへの保存指示等が行われる。
【００１９】
表示部２０は、ログインＩＤ及びパスワードの入力をユーザから受け付けるユーザログイン画面等を表示する。表示部２０がタッチパネルで構成され、操作部１９を兼ねていてもよい。
【００２０】
通信部２１は、後述の指紋認証モジュール３０に接続され、指紋認証の指示を指紋認証モジュール３０に送信する。
【００２１】
指紋認証モジュール３０は、プログラムに従って指紋認証モジュール３０の制御を実行するＣＰＵ３１を中心として、バス３２により、ＲＯＭ３３、ＲＡＭ３４、指紋入力部３５、不揮発性メモリ３６、及び通信部３７が相互に接続されている。
【００２２】
ＲＯＭ３３は、各種プログラムやデータを記憶しており、ＣＰＵ３１がこれらプログラムやデータを利用して指紋認証モジュール３０の制御を実行する。
【００２３】
ＲＡＭ３４は、ＣＰＵ３１によってワークエリアとして利用され、ＣＰＵ３１が制御を実行する際に必要なプログラムやデータを一時的に記憶する。
【００２４】
指紋入力部３５は、ユーザの指紋を読み取って指紋データを生成する。
【００２５】
不揮発性メモリ３６は、生成された指紋データが記憶されるメモリであり、登録番号に対応付けて指紋データを記憶する。
【００２６】
通信部３７は、装置本体１０に接続され、指紋認証が成功すると不揮発性メモリ３６に記憶される登録番号を装置本体１０に送信する。
【００２７】
（装置制御）
図２は、図１の画像形成装置のログイン処理に係る制御フロー図である。この制御は、ＲＯＭ１３及びＲＯＭ３３に記憶されるプログラムに基づいて、ＣＰＵ１１及びＣＰＵ３１が協働して処理を実行することにより行われる。
【００２８】
まず、ＣＰＵ１１は、表示部２０に、例えば、「指紋を入力して下さい。」と表示させる（ステップＳ１）。また、ＣＰＵ１１は、ＣＰＵ３１に対して指紋認証を行うよう指示する（ステップＳ２）。この指示に従い、ユーザは、指紋入力部３５に指を置く。
【００２９】
次に、ＣＰＵ３１は、指紋入力部３５にユーザの指紋を読み取らせ指紋データを入力させる（ステップＳ３）。
【００３０】
次に、ＣＰＵ３１は、不揮発性メモリ３６に記憶された指紋データの中に入力された指紋データと一致する指紋データが存在するか否かを判断し指紋認証を行う（ステップＳ４）。
【００３１】
次に、ＣＰＵ３１は、認証結果（認証成功又は認証失敗）を通信部３７を介して装置本体１０に送信する（ステップＳ５）。認証成功時には、一致した指紋データに対応する登録番号を付加して送信する。
【００３２】
次に、ＣＰＵ１１は、指紋認証モジュール３０から送信されてきた認証結果が成功か否かを判断する（ステップＳ６）。認証成功であれば（ステップＳ６；Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１１は、付加されてきた登録番号に対応するログインＩＤ及びパスワードを不揮発性メモリ１８からＲＡＭ１４に読み出す（ステップＳ７）。
【００３３】
次に、ＣＰＵ１１は、表示部２０に、ステップＳ７で読み出したログインＩＤ及びパスワードの一部を入力表示したログイン画面を表示し、ユーザにパスワードの補完入力を促す（ステップＳ８）。例えば、図３に示すように、パスワードが８文字であれば、先頭から６文字分のパスワード入力を自動的に行い６個の＊を表示するとともに、末尾の＊の後に２文字分のアンダーバーを表示する。この表示に従い、ユーザは、操作部１９によりパスワードの補完入力を行う。図３の例の場合、ユーザはアンダーバーの表示されている部分に残りの２文字の補完入力を行う。入力されるべき文字数をアンダーバー等で表示することにより、例えば長い文字数のパスワードが表示されている場合であっても、ユーザは何文字の入力をしたらよいのかがすぐに認識できる。
【００３４】
これにより、ＣＰＵ１１に、パスワードの補完入力がなされる（ステップＳ９）。図３の例の場合、ログイン画面には、表示されている６個の＊の末尾に２個の＊が追加されて表示される。
【００３５】
このようにユーザに補完入力を行わせることで、他人を本人と誤認識して照合が成功したとしても、それだけでは当該他人はログインすることができず、パスワードを補完しなければならないので、他人が本人のログインＩＤ及びパスワードでログインしてしまうということが抑制される。
【００３６】
ステップＳ６において、認証失敗であれば（ステップＳ６；Ｎｏ）、ステップＳ１０に進み、ＣＰＵ１１は、表示部２０に、ログインＩＤ及びパスワードが空欄のログイン画面を表示し、ユーザにログインＩＤ及びパスワードの入力を促す。この指示に従い、ユーザは、ログインＩＤ及びパスワードの全ての文字を操作部１９により入力する。
【００３７】
例えば、指紋登録の状態が悪く、本人であるにもかかわらず指紋認証失敗となってしまった場合にも、ログインＩＤ及びパスワードの全ての文字を入力することにより、ログインすることができる。
【００３８】
ステップＳ１１では、ログインＩＤ及びパスワードの全ての文字がＣＰＵ１１に入力される。
【００３９】
ステップＳ９又はステップＳ１１において、ログインＩＤ及びパスワードが入力されログインが実行されると、ＣＰＵ１１は、不揮発性メモリ１８に記憶されているログインＩＤ及びパスワードを参照し、入力されたログインＩＤ及びパスワードの認証を行う（ステップＳ１２）。認証成功であれば（ステップＳ１２；Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１１は、画像形成装置の使用許可信号を出力する（ステップＳ１３）。認証失敗であれば（ステップＳ１２；Ｎｏ）、ＣＰＵ１１は、画像形成装置の使用禁止信号を出力する（ステップＳ１４）。
【００４０】
以上のように、本実施形態によれば、生体認証の成功に伴いログインＩＤ及びパスワードをログイン入力画面のログインＩＤ欄及びパスワード欄に自動的に入力させる際に、パスワードについては全てを自動入力せず、一部をユーザ入力としたので、ログイン時の入力が簡単になるとともに、他人が本人のログインＩＤ及びパスワードでログインしてしまうことが抑制される。
【００４１】
本実施形態では、パスワードの末尾部位を補完入力させたが、先頭部位であっても中間部位であっても構わない。先頭部位又は末尾部位の補完入力の場合は、ユーザが記憶しておき易いので好ましい。
【００４２】
また、本実施形態では、ユーザによる補完入力を促してこの入力を受け付けるための表示例として、補完入力の文字数（桁数）分のアンダーバーを用いた例を説明したが、本発明はこの表示形態に限られるものではく、例えば、図４に示すような表示形態でもよい。この図の例の場合、先の図３の場合と同様にパスワードが８文字として説明するに、例えば先頭から６文字分のパスワード入力を自動的に行い６個の＊を表示するとともに、末尾の＊の後にプロンプト（例えば、点滅カーソル）を表示する。本図の例の場合、ユーザはプロンプトに従い、残りの２文字の補完入力を行うこととなる。ここで、パスワードの桁数自体もユーザごとに異なる場合、プロンプトに従ってあと何文字入力すべきであるかは真正なユーザでなければ知り得ない。このように、本実施形態の場合、補完入力すべき文字数自体にもパスワードの如き意味合いを持たせることができ、セキュリティを確保する上でより好適である。
【００４３】
本実施形態では、指紋認証モジュール３０の不揮発性メモリ３６に登録番号に対応付けて指紋データを記憶し、装置本体１０の不揮発性メモリ１８に登録番号に対応付けてログインＩＤ及びパスワードを記憶し、指紋認証モジュール３０により認証が成功した場合に指紋認証モジュール３０から装置本体１０に登録番号を送信することにより、指紋に対応するログインＩＤ及びパスワードを特定したが、指紋認証モジュール３０の不揮発性メモリ３６にログインＩＤ及びパスワードを記憶させ、指紋認証モジュール３０により認証が成功した場合に指紋認証モジュール３０から装置本体１０に不揮発性メモリ３６に記憶されているログインＩＤ及びパスワードを送信させるようにしてもよい。
【００４４】
本実施形態では、指紋認証モジュール３０は、装置本体１０のＣＰＵ１１とは異なるＣＰＵ３１により制御される構成としたが、装置本体１０のＣＰＵ１１により制御される構成としてもよい。
【００４５】
本実施形態では、画像形成装置の装置の使用許可に本発明のユーザ認証方法を用いたが、ハードディスク１７に記憶されている画像データ、文書データ、Ｓｃａｎ ｔｏ Ｅ−ｍａｉｌに用いられる個人アドレス帳等にアクセスする際に本発明のユーザ認証方法を用いることもできる。
【００４６】
本実施形態では、本発明のユーザ認証方法を画像形成装置に適用したが、他の認証機能を備えた装置、例えば、また、パーソナルコンピュータ、ＡＴＭ（Ａｕｔｏ Ｔｅｌｌｅｒ Ｍａｃｈｉｎｅ）、入出管理装置等にも適用できることは言うまでもない。
【００４７】
本実施形態では、認証モジュールとして指紋を用いたが、本発明は、例えば、静脈、顔、虹彩、網膜、声紋、筆跡等の他の生体情報を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【００４８】
【図１】本実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図２】本実施形態の画像形成装置のログイン処理に係る制御フロー図である。
【図３】本実施形態のログイン画面の一例である。
【図４】本実施形態の別のログイン画面の一例である。
【符号の説明】
【００４９】
１ 画像形成装置
１０ 装置本体
１１ ＣＰＵ
１３ ＲＯＭ
１８ 不揮発性メモリ
１９ 操作部
２０ 表示部
３０ 指紋認証モジュール
３１ ＣＰＵ
３５ 指紋入力部
３６ 不揮発性メモリ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ユーザ認証方法、コンピュータソフトウェア及びユーザ認証機能を備えた装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
パーソナルコンピュータや文書蓄積可能なハードディスクが設けられた画像形成装置等にログインを行う際には、セキュリティ上、ログインＩＤ及びパスワードの入力が要求される。
【０００３】
ログイン毎にログインＩＤ及びパスワードを入力することは煩雑であり、この煩雑さを解消するために、予めログインＩＤ及びパスワードと対応付けて指紋認証データを記憶し、指紋認証が成功すれば対応付けられたログインＩＤ及びパスワードをログイン入力画面のログインＩＤ欄及びパスワード欄に自動的に入力させる技術が知られている（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】特開２００３−３６２４７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、指紋認証等の生体認証は完全ではなく、他人を本人と誤認識する可能性があり、他人が本人のログインＩＤ及びパスワードでログインしてしまうという危険性がある。
【０００５】
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであり、ログイン時の入力が簡単になるとともに、他人が本人のログインＩＤ及びパスワードでログインしてしまうことが抑制されるユーザ認証方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明のユーザ認証方法は、ユーザによる生体情報の入力を受け付ける第１ステップと、前記生体情報に対応するユーザ名と当該ユーザ名に対応するパスワードの一部とが自動入力されたユーザ認証画面を表示する第２ステップと、前記ユーザに、前記一部が自動入力されたパスワードの補完のための入力を受け付ける第３ステップと、を有することを特徴とする。
【０００７】
本発明のコンピュータソフトウェアは、ユーザから受け付けた生体情報に対応するユーザ名と当該ユーザ名に対応するパスワードの一部とが自動入力されたユーザ認証画面を表示する第１工程と、前記ユーザに、前記一部が自動入力されたパスワードの補完のための入力を受け付ける第２工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【０００８】
本発明のユーザ認証機能を備えた装置は、ユーザ認証画面を表示する表示部と、前記ユーザ認証画面への入力を行う操作部と、前記表示部に表示されている認証画面に、生体情報に対応するユーザ名と当該ユーザ名に対応するパスワードの一部とを自動入力し、前記一部が自動入力されたパスワードの補完のための入力を前記操作部から受け付ける制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、生体認証の成功に伴いログインＩＤ及びパスワードをログイン入力画面のログインＩＤ欄及びパスワード欄に自動的に入力させる際に、パスワードについては全てを自動入力せず、一部をユーザ入力としたので、ログイン時の入力が簡単になるとともに、他人が本人のログインＩＤ及びパスワードでログインしてしまうことが抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
（装置構成）
図１は、本発明のユーザ認証方法を適用した画像形成装置１の構成を示すブロック図である。画像形成装置１は、装置本体１０と指紋認証モジュール３０とから構成されている。
【００１１】
装置本体１０は、プログラムに従って装置本体１０の制御を実行するＣＰＵ１１を中心として、バス１２により、ＲＯＭ１３、ＲＡＭ１４、原稿読取部１５、画像形成部１６、ハードディスク１７、不揮発性メモリ１８、操作部１９、表示部２０、及び通信部２１が相互に接続されている。
【００１２】
ＲＯＭ１３は、各種プログラムやデータを記憶しており、ＣＰＵ１１がこれらプログラムやデータを利用して画像形成装置１の制御を実行する。
【００１３】
ＲＡＭ１４は、ＣＰＵ１１によってワークエリアとして利用され、ＣＰＵ１１が制御を実行する際に必要なプログラムやデータを一時的に記憶する。
【００１４】
原稿読取部１５は、原稿を読み取って画像データを生成する。生成された画像データは、画像形成部１６又はハードディスク１７等に出力される。
【００１５】
画像形成部１６は、原稿読取部１５又はハードディスク１７等から入力される画像データや文書データに基づいて記録媒体上に画像形成を行う。
【００１６】
ハードディスク１７は、原稿読取部１５等から入力される画像データを記憶し保存する。
【００１７】
不揮発性メモリ１８は、ユーザ毎のログインＩＤ及びパスワードを登録番号に対応付けて記憶する。
【００１８】
操作部１９は、ユーザにより操作され、当該操作部１９からログインＩＤ及びパスワードの入力、画像形成の指示、ハードディスクへの保存指示等が行われる。
【００１９】
表示部２０は、ログインＩＤ及びパスワードの入力をユーザから受け付けるユーザログイン画面等を表示する。表示部２０がタッチパネルで構成され、操作部１９を兼ねていてもよい。
【００２０】
通信部２１は、後述の指紋認証モジュール３０に接続され、指紋認証の指示を指紋認証モジュール３０に送信する。
【００２１】
指紋認証モジュール３０は、プログラムに従って指紋認証モジュール３０の制御を実行するＣＰＵ３１を中心として、バス３２により、ＲＯＭ３３、ＲＡＭ３４、指紋入力部３５、不揮発性メモリ３６、及び通信部３７が相互に接続されている。
【００２２】
ＲＯＭ３３は、各種プログラムやデータを記憶しており、ＣＰＵ３１がこれらプログラムやデータを利用して指紋認証モジュール３０の制御を実行する。
【００２３】
ＲＡＭ３４は、ＣＰＵ３１によってワークエリアとして利用され、ＣＰＵ３１が制御を実行する際に必要なプログラムやデータを一時的に記憶する。
【００２４】
指紋入力部３５は、ユーザの指紋を読み取って指紋データを生成する。
【００２５】
不揮発性メモリ３６は、生成された指紋データが記憶されるメモリであり、登録番号に対応付けて指紋データを記憶する。
【００２６】
通信部３７は、装置本体１０に接続され、指紋認証が成功すると不揮発性メモリ３６に記憶される登録番号を装置本体１０に送信する。
【００２７】
（装置制御）
図２は、図１の画像形成装置のログイン処理に係る制御フロー図である。この制御は、ＲＯＭ１３及びＲＯＭ３３に記憶されるプログラムに基づいて、ＣＰＵ１１及びＣＰＵ３１が協働して処理を実行することにより行われる。
【００２８】
まず、ＣＰＵ１１は、表示部２０に、例えば、「指紋を入力して下さい。」と表示させる（ステップＳ１）。また、ＣＰＵ１１は、ＣＰＵ３１に対して指紋認証を行うよう指示する（ステップＳ２）。この指示に従い、ユーザは、指紋入力部３５に指を置く。
【００２９】
次に、ＣＰＵ３１は、指紋入力部３５にユーザの指紋を読み取らせ指紋データを入力させる（ステップＳ３）。
【００３０】
次に、ＣＰＵ３１は、不揮発性メモリ３６に記憶された指紋データの中に入力された指紋データと一致する指紋データが存在するか否かを判断し指紋認証を行う（ステップＳ４）。
【００３１】
次に、ＣＰＵ３１は、認証結果（認証成功又は認証失敗）を通信部３７を介して装置本体１０に送信する（ステップＳ５）。認証成功時には、一致した指紋データに対応する登録番号を付加して送信する。
【００３２】
次に、ＣＰＵ１１は、指紋認証モジュール３０から送信されてきた認証結果が成功か否かを判断する（ステップＳ６）。認証成功であれば（ステップＳ６；Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１１は、付加されてきた登録番号に対応するログインＩＤ及びパスワードを不揮発性メモリ１８からＲＡＭ１４に読み出す（ステップＳ７）。
【００３３】
次に、ＣＰＵ１１は、表示部２０に、ステップＳ７で読み出したログインＩＤ及びパスワードの一部を入力表示したログイン画面を表示し、ユーザにパスワードの補完入力を促す（ステップＳ８）。例えば、図３に示すように、パスワードが８文字であれば、先頭から６文字分のパスワード入力を自動的に行い６個の＊を表示するとともに、末尾の＊の後に２文字分のアンダーバーを表示する。この表示に従い、ユーザは、操作部１９によりパスワードの補完入力を行う。図３の例の場合、ユーザはアンダーバーの表示されている部分に残りの２文字の補完入力を行う。入力されるべき文字数をアンダーバー等で表示することにより、例えば長い文字数のパスワードが表示されている場合であっても、ユーザは何文字の入力をしたらよいのかがすぐに認識できる。
【００３４】
これにより、ＣＰＵ１１に、パスワードの補完入力がなされる（ステップＳ９）。図３の例の場合、ログイン画面には、表示されている６個の＊の末尾に２個の＊が追加されて表示される。
【００３５】
このようにユーザに補完入力を行わせることで、他人を本人と誤認識して照合が成功したとしても、それだけでは当該他人はログインすることができず、パスワードを補完しなければならないので、他人が本人のログインＩＤ及びパスワードでログインしてしまうということが抑制される。
【００３６】
ステップＳ６において、認証失敗であれば（ステップＳ６；Ｎｏ）、ステップＳ１０に進み、ＣＰＵ１１は、表示部２０に、ログインＩＤ及びパスワードが空欄のログイン画面を表示し、ユーザにログインＩＤ及びパスワードの入力を促す。この指示に従い、ユーザは、ログインＩＤ及びパスワードの全ての文字を操作部１９により入力する。
【００３７】
例えば、指紋登録の状態が悪く、本人であるにもかかわらず指紋認証失敗となってしまった場合にも、ログインＩＤ及びパスワードの全ての文字を入力することにより、ログインすることができる。
【００３８】
ステップＳ１１では、ログインＩＤ及びパスワードの全ての文字がＣＰＵ１１に入力される。
【００３９】
ステップＳ９又はステップＳ１１において、ログインＩＤ及びパスワードが入力されログインが実行されると、ＣＰＵ１１は、不揮発性メモリ１８に記憶されているログインＩＤ及びパスワードを参照し、入力されたログインＩＤ及びパスワードの認証を行う（ステップＳ１２）。認証成功であれば（ステップＳ１２；Ｙｅｓ）、ＣＰＵ１１は、画像形成装置の使用許可信号を出力する（ステップＳ１３）。認証失敗であれば（ステップＳ１２；Ｎｏ）、ＣＰＵ１１は、画像形成装置の使用禁止信号を出力する（ステップＳ１４）。
【００４０】
以上のように、本実施形態によれば、生体認証の成功に伴いログインＩＤ及びパスワードをログイン入力画面のログインＩＤ欄及びパスワード欄に自動的に入力させる際に、パスワードについては全てを自動入力せず、一部をユーザ入力としたので、ログイン時の入力が簡単になるとともに、他人が本人のログインＩＤ及びパスワードでログインしてしまうことが抑制される。
【００４１】
本実施形態では、パスワードの末尾部位を補完入力させたが、先頭部位であっても中間部位であっても構わない。先頭部位又は末尾部位の補完入力の場合は、ユーザが記憶しておき易いので好ましい。
【００４２】
また、本実施形態では、ユーザによる補完入力を促してこの入力を受け付けるための表示例として、補完入力の文字数（桁数）分のアンダーバーを用いた例を説明したが、本発明はこの表示形態に限られるものではく、例えば、図４に示すような表示形態でもよい。この図の例の場合、先の図３の場合と同様にパスワードが８文字として説明するに、例えば先頭から６文字分のパスワード入力を自動的に行い６個の＊を表示するとともに、末尾の＊の後にプロンプト（例えば、点滅カーソル）を表示する。本図の例の場合、ユーザはプロンプトに従い、残りの２文字の補完入力を行うこととなる。ここで、パスワードの桁数自体もユーザごとに異なる場合、プロンプトに従ってあと何文字入力すべきであるかは真正なユーザでなければ知り得ない。このように、本実施形態の場合、補完入力すべき文字数自体にもパスワードの如き意味合いを持たせることができ、セキュリティを確保する上でより好適である。
【００４３】
本実施形態では、指紋認証モジュール３０の不揮発性メモリ３６に登録番号に対応付けて指紋データを記憶し、装置本体１０の不揮発性メモリ１８に登録番号に対応付けてログインＩＤ及びパスワードを記憶し、指紋認証モジュール３０により認証が成功した場合に指紋認証モジュール３０から装置本体１０に登録番号を送信することにより、指紋に対応するログインＩＤ及びパスワードを特定したが、指紋認証モジュール３０の不揮発性メモリ３６にログインＩＤ及びパスワードを記憶させ、指紋認証モジュール３０により認証が成功した場合に指紋認証モジュール３０から装置本体１０に不揮発性メモリ３６に記憶されているログインＩＤ及びパスワードを送信させるようにしてもよい。
【００４４】
本実施形態では、指紋認証モジュール３０は、装置本体１０のＣＰＵ１１とは異なるＣＰＵ３１により制御される構成としたが、装置本体１０のＣＰＵ１１により制御される構成としてもよい。
【００４５】
本実施形態では、画像形成装置の装置の使用許可に本発明のユーザ認証方法を用いたが、ハードディスク１７に記憶されている画像データ、文書データ、Ｓｃａｎ ｔｏ Ｅ−ｍａｉｌに用いられる個人アドレス帳等にアクセスする際に本発明のユーザ認証方法を用いることもできる。
【００４６】
本実施形態では、本発明のユーザ認証方法を画像形成装置に適用したが、他の認証機能を備えた装置、例えば、また、パーソナルコンピュータ、ＡＴＭ（Ａｕｔｏ Ｔｅｌｌｅｒ Ｍａｃｈｉｎｅ）、入出管理装置等にも適用できることは言うまでもない。
【００４７】
本実施形態では、認証モジュールとして指紋を用いたが、本発明は、例えば、静脈、顔、虹彩、網膜、声紋、筆跡等の他の生体情報を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【００４８】
【図１】本実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図２】本実施形態の画像形成装置のログイン処理に係る制御フロー図である。
【図３】本実施形態のログイン画面の一例である。
【図４】本実施形態の別のログイン画面の一例である。
【符号の説明】
【００４９】
１ 画像形成装置
１０ 装置本体
１１ ＣＰＵ
１３ ＲＯＭ
１８ 不揮発性メモリ
１９ 操作部
２０ 表示部
３０ 指紋認証モジュール
３１ ＣＰＵ
３５ 指紋入力部
３６ 不揮発性メモリ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ユーザによる生体情報の入力を受け付ける第１ステップと、
前記生体情報に対応するユーザ名と当該ユーザ名に対応するパスワードの一部とが自動入力されたユーザ認証画面を表示する第２ステップと、
前記ユーザに、前記一部が自動入力されたパスワードの補完のための入力を受け付ける第３ステップと、
を有することを特徴とするユーザ認証方法。
【請求項２】
前記第２ステップにおいて、一部が自動入力されたパスワードとして、前記ユーザ名に対応するパスワードの先頭部位、或いは末尾部位の所定文字数が省かれた文字列を自動入力することを特徴とする請求項１に記載のユーザ認証方法。
【請求項３】
前記第２ステップにおいて、前記第３ステップで入力されるべき文字数が判別可能にユーザ認証画面を表示することを特徴とする請求項１又は２に記載のユーザ認証方法。
【請求項４】
前記自動入力されたユーザ名と前記自動入力され補完入力されたパスワードとを認証する第４ステップを有することを特徴とする請求項１〜３の何れか１項に記載のユーザ認証方法。
【請求項５】
前記第４ステップにおける照合結果に基づいて、前記ユーザによる機器の利用を制限する第５ステップを有することを特徴とする請求項１〜４の何れか１項に記載のユーザ認証方法。
【請求項６】
ユーザから受け付けた生体情報に対応するユーザ名と当該ユーザ名に対応するパスワードの一部とが自動入力されたユーザ認証画面を表示する第１工程と、
前記ユーザに、前記一部が自動入力されたパスワードの補完のための入力を受け付ける第２工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータソフトウェア。
【請求項７】
前記第１工程において、一部が自動入力されたパスワードとして、前記ユーザ名に対応するパスワードの先頭部位、或いは末尾部位の所定文字数が省かれた文字列を自動入力することを特徴とする請求項６に記載のコンピュータソフトウェア。
【請求項８】
前記第１工程において、前記第２工程で入力されるべき文字数が判別可能にユーザ認証画面を表示することを特徴とする請求項６又は７に記載のコンピュータソフトウェア。
【請求項９】
前記自動入力されたユーザ名と前記自動入力され補完入力されたパスワードとを照合する第３工程を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項６〜８の何れか１項に記載のコンピュータソフトウェア。
【請求項１０】
前記第３工程における照合結果に基づいて、前記ユーザによる機器の利用を制限する第４工程を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項６〜９の何れか１項に記載のコンピュータソフトウェア。
【請求項１１】
ユーザ認証画面を表示する表示部と、
前記ユーザ認証画面への入力を行う操作部と、
前記表示部に表示されている認証画面に、生体情報に対応するユーザ名と当該ユーザ名に対応するパスワードの一部とを自動入力し、前記一部が自動入力されたパスワードの補完のための入力を前記操作部から受け付ける制御部と、
を有することを特徴とするユーザ認証機能を備えた装置。
【請求項１】
ユーザによる生体情報の入力を受け付ける第１ステップと、
前記生体情報に対応するユーザ名と当該ユーザ名に対応するパスワードの一部とが自動入力されたユーザ認証画面を表示する第２ステップと、
前記ユーザに、前記一部が自動入力されたパスワードの補完のための入力を受け付ける第３ステップと、
を有することを特徴とするユーザ認証方法。
【請求項２】
前記第２ステップにおいて、一部が自動入力されたパスワードとして、前記ユーザ名に対応するパスワードの先頭部位、或いは末尾部位の所定文字数が省かれた文字列を自動入力することを特徴とする請求項１に記載のユーザ認証方法。
【請求項３】
前記第２ステップにおいて、前記第３ステップで入力されるべき文字数が判別可能にユーザ認証画面を表示することを特徴とする請求項１又は２に記載のユーザ認証方法。
【請求項４】
前記自動入力されたユーザ名と前記自動入力され補完入力されたパスワードとを認証する第４ステップを有することを特徴とする請求項１〜３の何れか１項に記載のユーザ認証方法。
【請求項５】
前記第４ステップにおける照合結果に基づいて、前記ユーザによる機器の利用を制限する第５ステップを有することを特徴とする請求項１〜４の何れか１項に記載のユーザ認証方法。
【請求項６】
ユーザから受け付けた生体情報に対応するユーザ名と当該ユーザ名に対応するパスワードの一部とが自動入力されたユーザ認証画面を表示する第１工程と、
前記ユーザに、前記一部が自動入力されたパスワードの補完のための入力を受け付ける第２工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータソフトウェア。
【請求項７】
前記第１工程において、一部が自動入力されたパスワードとして、前記ユーザ名に対応するパスワードの先頭部位、或いは末尾部位の所定文字数が省かれた文字列を自動入力することを特徴とする請求項６に記載のコンピュータソフトウェア。
【請求項８】
前記第１工程において、前記第２工程で入力されるべき文字数が判別可能にユーザ認証画面を表示することを特徴とする請求項６又は７に記載のコンピュータソフトウェア。
【請求項９】
前記自動入力されたユーザ名と前記自動入力され補完入力されたパスワードとを照合する第３工程を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項６〜８の何れか１項に記載のコンピュータソフトウェア。
【請求項１０】
前記第３工程における照合結果に基づいて、前記ユーザによる機器の利用を制限する第４工程を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項６〜９の何れか１項に記載のコンピュータソフトウェア。
【請求項１１】
ユーザ認証画面を表示する表示部と、
前記ユーザ認証画面への入力を行う操作部と、
前記表示部に表示されている認証画面に、生体情報に対応するユーザ名と当該ユーザ名に対応するパスワードの一部とを自動入力し、前記一部が自動入力されたパスワードの補完のための入力を前記操作部から受け付ける制御部と、
を有することを特徴とするユーザ認証機能を備えた装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００７−１７２１１９（Ｐ２００７−１７２１１９Ａ）
【公開日】平成１９年７月５日（２００７．７．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−３６６１７６（Ｐ２００５−３６６１７６）
【出願日】平成１７年１２月２０日（２００５．１２．２０）
【出願人】（３０３０００３７２）コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年７月５日（２００７．７．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１２月２０日（２００５．１２．２０）
【出願人】（３０３０００３７２）コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Ｆターム（参考）】
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