説明

ラジオ放送受信機

【課題】安価で、デジタルラジオ放送波信号の復調を極力長く維持することができるラジオ放送受信機を提供する。
【解決手段】ローIFチューナ100は、IBOC方式のラジオ放送波信号における受信チャンネルの搬送波信号をローIFのIF信号に変換する。HDラジオデコーダ300はIF信号に含まれるデジタルラジオ放送の搬送波信号を復調して第1のオーディオデータを出力する。アナログ放送復調部7はIF信号に含まれるアナログラジオ放送の搬送波信号を復調して第2のオーディオデータを出力する。制御部13は受信状態検出データに基づいてデジタルラジオ放送の受信状態を判定し、ローIFチューナ100における発振のモードを切り換えるよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IBOC(In Band On Channel)方式のラジオ放送を受信するラジオ放送受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
米国では、FMまたはAMのアナログラジオ放送波信号の上側波帯及び下側波帯にデジタル放送波信号を付加したIBOC方式のラジオ放送が普及している。このアナログラジオ放送とデジタルラジオ放送とが混在したラジオ放送は、HD(High Definition)ラジオと称されている。HDラジオを受信するラジオ放送受信機(以下、HDラジオ放送受信機と称することがある)においては、デジタルラジオ放送を受信可能なエリアではデジタルラジオ放送波信号を復調した信号を出力し、デジタルラジオ放送を受信できないエリアではアナログラジオ放送波信号を復調した信号を出力するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−349805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
HDラジオ放送受信機はアナログラジオ放送のみを受信するラジオ放送受信機と比較して高価になってしまうので、回路構成を極力簡略化することによってHDラジオ放送受信機を安価にすることが望まれる。また、デジタルラジオ放送波信号を復調した信号の方がアナログラジオ放送波信号を復調した信号よりも高音質であるので、例えばHDラジオ放送受信機を搭載した自動車がデジタルラジオ放送を受信可能なエリアから受信できないエリアへと移動する際には、できるだけ長くデジタルラジオ放送波信号を復調して音声信号を出力する状態を維持することが望まれる。
【0005】
本発明はこのような要望に対応するためになされたものであり、安価で、デジタルラジオ放送波信号の復調を極力長く維持することができるラジオ放送受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、IBOC方式のラジオ放送波信号における受信チャンネルの同調周波数に対して所定の値を加算した第1の局部発振周波数の信号と前記同調周波数に対して前記所定の値を減算した第2の局部発振周波数の信号とのいずれかを選択的に出力するローIF方式の発振器(4)を有し、前記発振器を前記第1の局部発振周波数の信号を出力する第1のモードと前記第2の局部発振周波数の信号を出力する第2のモードとの内の一方のモードで動作させて、前記受信チャンネルの搬送波信号をローIFのIF信号に変換して出力するローIFチューナ(100)と、前記IF信号に含まれるデジタルラジオ放送の搬送波信号をデコードして第1のオーディオデータを出力するHDラジオデコーダ(300)と、前記IF信号に含まれるアナログラジオ放送の搬送波信号を復調して第2のオーディオデータを出力するアナログ放送復調部(7)と、前記第1のオーディオデータと前記第2のオーディオデータとを切り換えて出力するスイッチ部(9)と、前記デジタルラジオ放送の受信状態を直接的または間接的に示す受信状態検出データに基づいて前記デジタルラジオ放送の受信状態を判定し、前記受信状態の判定結果に基づいて、前記ローIFチューナにおける前記モードを、前記第1のモードと前記第2のモードとの内の他方のモードに切り換えるよう制御する制御部(13)とを備えることを特徴とするラジオ放送受信機を提供する。
【0007】
前記受信状態検出データとして、前記HDラジオデコーダから得られるオーディオ・アクワイア,DAAI,プログラムタイプ,SIS_CRC,S/N,C/Nの内の少なくとも1つを用いることが好ましい。また、前記受信状態検出データとして、前記アナログ放送復調部から得られる電界強度,マルチパスノイズレベル,隣接妨害レベル,IFカウント値の内の少なくとも1つを用いることもできる。
【0008】
前記制御部が前記ローIFチューナにおける前記モードを切り換える際に、前記第1のオーディオデータを一時的に減衰させる減衰器(91)を備えることが好ましい。
【0009】
また、前記スイッチ部はミキサ(93)を有し、前記HDラジオデコーダと前記ミキサとの間に設けられ、前記第1のオーディオデータが入力される第1の減衰器(91)と、アナログ放送復調部と前記ミキサとの間に設けられ、前記第2のオーディオデータが入力される第2の減衰器(92)とをさらに備え、前記スイッチ部が前記第1のオーディオデータから前記第2のオーディオデータへと切り換える際に、前記ミキサは前記第1及び第2の減衰器によって前記第1及び第2のオーディオデータをクロスフェード処理したデータを出力し、前記第1の減衰器は、前記制御部が前記ローIFチューナにおける前記モードを切り換える際に、前記第1のオーディオデータを一時的に減衰させることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のラジオ放送受信機によれば、安価とすることができ、デジタルラジオ放送波信号の復調を極力長く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】IBOC方式のラジオ放送波信号の搬送波の概略を示す図である。
【図3】デジタルラジオ放送の音声信号からアナログラジオ放送の音声信号への切り換わりを説明するための図である。
【図4】ローIFチューナの発振器のモード切り換えの具体的動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のラジオ放送受信機について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明のラジオ放送受信機の一実施形態を示すブロック図である。図1において、アンテナ1はIBOC方式のラジオ放送波信号の電波を受信する。アンテナ1によって取り込まれたラジオ放送波信号はローノイズ・アンプ2によって増幅され、ミキサ3へと供給される。
【0013】
ここで、図2を用いて、IBOC方式のラジオ放送波信号の搬送波の概略について説明する。ここでは、FM放送の搬送波を例とする。図2(A)は、アナログラジオ放送波信号の上側波帯及び下側波帯にデジタル放送波信号を付加した、いわゆるハイブリッド方式の周波数スペクトラムを示している。FM放送のHDラジオ放送においては、200kHz毎に放送局の搬送波信号が存在している。図2(A)に示すように、1つの放送局(チャンネル)の搬送波信号は、アナログラジオ放送の搬送波信号Sca(以下、アナログ搬送波Sca)の上側波帯及び下側波帯にデジタルラジオ放送の搬送波信号Scd(以下、デジタル搬送波Scd)が付加された状態となっている。図2(A)及び後述する図2(B)において、横軸は周波数、縦軸は電力である。
【0014】
アナログ搬送波Scaの中心周波数を0kHzとすると、上側波帯のデジタル搬送波Scdは129kHz〜199kHzの範囲に位置し、下側波帯のデジタル搬送波Scdは−129kHz〜−199kHzの範囲に位置している。デジタル搬送波Scdは直交周波数分割変調(OFDM)を用いた搬送波信号となっている。
【0015】
図2(B)は、1つの放送局(チャンネル)の搬送波信号を全てデジタルラジオ放送に割り当てた、いわゆる全デジタル方式の周波数スペクトラムを示している。全デジタル方式においては、副デジタル(Secondary Digital)搬送波Ssdの上側波帯及び下側波帯に主デジタル(Primary Digital)搬送波Spdが付加された状態となっている。副デジタル搬送波Ssdの中心周波数を0kHzとすると、上側波帯の主デジタル搬送波Spdは101kHz〜199kHzの範囲に位置し、下側波帯の主デジタル搬送波Spdは−101kHz〜−199kHzの範囲に位置している。
【0016】
本実施形態おいては、図2(A)に示すハイブリッド方式の搬送波信号を受信して復調する場合について説明するが、図2(B)に示す全デジタル方式の搬送波信号を受信して復調してもよい。但し、全デジタル方式の搬送波信号を受信して復調する場合には、アナログラジオ放送の音声信号は出力されないことは当然である。
【0017】
図1に戻り、発振器4はローIF方式の発振器であり、受信しようとするFM放送のチャンネルの周波数(同調周波数)に対応させて発振した局部発振信号を発生する。例えば受信しようとするチャンネルの周波数が97.9MHzであるとすると、発振器4はPLL回路を用いて、例えば97.9MHz+300kHzまたは97.9MHz−300kHzのいずれかの局部発振周波数の信号を発生する。ここでは発振器4は、初期状態(通常状態)では受信しようとするチャンネルの周波数に対して300kHzを加算した局部発振周波数の信号を発生することとする。受信しようとするチャンネルの周波数に対して300kHzを減算した局部発振周波数の信号を発生させる状態を初期状態(通常状態)としてもよい。
【0018】
通常のIF方式では受信しようとするチャンネルの周波数に対して例えば10.7MHzのようなMHzオーダーの値を加算または減算した局部発振周波数の信号を発生させるのに対し、ローIF方式では受信しようとするチャンネルの周波数に対してkHzオーダーの数百kHzを加算または減算した局部発振周波数の信号を発生させる。ローIF方式の発振器4を用いることにより回路構成を簡略化することができるので、本実施形態のラジオ放送受信機は、ローIFではない通常のラジオ放送受信機と比較して安価とすることができる。
【0019】
発振器4より出力された局部発振周波数の信号はミキサ3に入力される。ミキサ3は、受信しようとするチャンネルの周波数の信号と局部発振周波数の信号とを混合することによって、受信しようとするチャンネルの搬送波信号を、300kHzを中心周波数とするローIFのIF信号に変換して出力する。発振器4が97.9MHz+300kHzを発振する場合には、ミキサ3は、(97.9MHz+300kHz)−97.9MHzを計算することによって300kHzのIF信号を発生することができ、発振器4が97.9MHz−300kHzを発振する場合には、ミキサ3は、97.9MHz−(97.9MHz−300kHz)を計算することによって300kHzのIF信号を発生することができる。
【0020】
ミキサ3より出力されたIF信号はバンドバスフィルタ(BPF)5に入力され、バンドバスフィルタ5によって図2(A)で説明したアナログ搬送波Sca及びデジタル搬送波Scdを含む信号が抽出される。本実施形態においては、ローノイズ・アンプ2,ミキサ3,発振器4,バンドバスフィルタ5の部分は、フロントエンド集積回路100として構成されている。フロントエンド集積回路100はローIFチューナであり、本実施形態のラジオ放送受信機はローIFチューナを用いたラジオ放送受信機である。
【0021】
操作部14に設けられている図示していないチャンネル切り換えボタンを操作すると、チャンネル切り換え信号は制御部13に入力される。制御部13はマイクロコンピュータによって構成することができる。制御部13は、受信しようとするチャンネルの周波数に対応した局部発振信号を発生するよう発振器4を制御する。これによって、フロントエンド集積回路(ローIFチューナ)100は、複数のチャンネルの内、受信しようとするいずれかのチャンネルのアナログ搬送波Sca及びデジタル搬送波Scdを含む搬送波信号を出力することができる。
【0022】
バンドバスフィルタ5より出力されたアナログ搬送波Sca及びデジタル搬送波Scdを含む搬送波信号は、バックエンド集積回路200に入力される。バックエンド集積回路200内の入力処理部6はI/Q訂正を行って、上側波帯と下側波帯の少なくとも一方のデジタル搬送波Scdより抽出したOFDMのI/Q信号SI/Qを抽出する。信号SI/QはHDラジオデコーダ300に入力される。また、入力処理部6は入力された搬送波信号に対してAGC(自動ゲイン制御)を施してアナログ放送復調部7に供給する。アナログ放送復調部7はアナログ搬送波Scaの信号を復調して、アナログラジオ放送の左右(L,R)の音声信号の元となるオーディオデータを出力する。アナログ放送復調部7は、アナログラジオ放送の受信状態を検出するアナログ放送受信状態検出部71を備える。
【0023】
アナログ放送復調部7より出力されたオーディオデータはA/D変換器8に入力されてA/D変換され、デジタル信号のオーディオデータSad1として出力される。オーディオデータSad1はスイッチ部9内の減衰器(ATT)92に入力される。
【0024】
HDラジオデコーダ300は、OFDM復調部301と各種の信号処理を施す信号処理部302とを備えている。OFDM復調部301は、入力された信号SI/QをOFDM復調する。信号処理部302は、OFDM復調した信号に基づいて各種の信号処理を施し、デジタルラジオ放送の左右の音声信号の元となるオーディオデータSdd1を出力する。オーディオデータSdd1はI2Sと称される形式のデジタルオーディオデータである。信号処理部302はメモリ3021を有しており、所定期間のオーディオデータSdd1を保持して出力するようになっている。
【0025】
HDラジオデコーダ300より出力されたオーディオデータSdd1はスイッチ部9内の減衰器(ATT)91に入力される。デジタルラジオ放送を受信可能なエリアでは、スイッチ部9は、減衰器92の減衰度を最大にしてアナログラジオ放送のオーディオデータSad1を0に減衰させると共に、減衰器91の減衰度を最小(0)にしてデジタルラジオ放送のオーディオデータSdd1を非減衰で出力する。これによって、スイッチ部9内のミキサ93はオーディオデータSdd1のみを出力する。一方、デジタルラジオ放送を受信できず、アナログラジオ放送しか受信できないエリアでは、スイッチ部9は、減衰器91の減衰度を最大とすると共に、減衰器92の減衰度を最小にしてアナログラジオ放送のオーディオデータSad1を非減衰で出力する。これによって、ミキサ93はオーディオデータSad1のみを出力する。
【0026】
例えば本実施形態のラジオ放送受信機が車載用でデジタルラジオ放送を受信可能なエリアから受信できないエリアへと移動した場合には、スイッチ部9は、デジタルラジオ放送を受信可能なエリアと受信できないエリアとの境界付近で次のような処理を行う。即ち、スイッチ部9は、図3に示すように、オーディオデータSdd1を減衰器91で順次フェードアウトさせると共に、オーディオデータSad1を減衰器92で順次フェードインさせるクロスフェード処理を行う。従って、デジタルラジオ放送の受信・復調からアナログラジオ放送の受信・復調への切り換わり時には、ミキサ93からはオーディオデータSdd1,Sad1が相補的に混合された状態で出力される。減衰器92の減衰度をαとすると、減衰器91の減衰度は(1−α)となっている。オーディオデータSdd1のみの出力時と、オーディオデータSdd1,Sad1の相補的な混合時と、オーディオデータSad1のみの出力時とで、ミキサ93からのデータの出力レベルは一定となる。
【0027】
これにより、デジタルラジオ放送の受信・復調からアナログラジオ放送の受信・復調へと切り換わる際に音が途切れることがなく、聴取者は、デジタルラジオ放送からアナログラジオ放送への切り換わりを意識することなく、ラジオ放送を聴取することができる。図3では、デジタルラジオ放送の受信・復調からアナログラジオ放送の受信・復調へと切り換わりついて示したが、アナログラジオ放送の受信・復調からデジタルラジオ放送の受信・復調へと切り換わりについても同様である。
【0028】
なお、スイッチ部9は、HDラジオデコーダ300より供給されるデジタルラジオ放送をデコードしているか否かを示す検出信号Sddetに応じてデジタルラジオ放送のオーディオデータSdd1とアナログラジオ放送のオーディオデータSad1とを切り換える。検出信号Sddetがハイであればデジタルラジオ放送をデコードしているのでオーディオデータSdd1を出力する。検出信号Sddetがローになったらデジタルラジオ放送をデコードできなくなったことを意味するので、オーディオデータSdd1からオーディオデータSad1へとクロスフェード処理を行いつつ切り換える。上記のようにメモリ3021は所定期間の音声信号を保持して出力するようになっているので、検出信号Sddetがローになった後でもメモリ3021からはクロスフェード処理を行うに十分なオーディオデータSdd1が出力される。
【0029】
スイッチ部9より出力されたオーディオデータSdd1,Sad1のいずれか一方または両者を混合したデータは、D/A変換器10に入力されてD/A変換され、アナログの左右の音声信号として出力される。左右の音声信号はアンプ11を介して左右のスピーカ12L,12Rへと供給されて発音される。
【0030】
本実施形態のラジオ受信機は、前述のようにローIFチューナを用いているので、ラジオ放送受信機を安価とすることができるものの、受信しようとするチャンネルの隣接チャンネルや、隣接チャンネルの隣接チャンネルからの折り返し妨害が受信しようとするチャンネルのデジタル搬送波Scdを抑圧しやすい。デジタルラジオ放送を受信可能なエリアと受信できないエリアとの境界付近では、デジタル搬送波Scdの抑圧の影響により本来であればデジタルラジオ放送を受信可能なエリアであってもアナログラジオ放送へと切り換わってしまうことが起こり得る。
【0031】
そこで、本実施形態のラジオ受信機においては、デジタルラジオ放送を受信可能なエリアと受信できないエリアとの境界付近でデジタルラジオ放送からアナログラジオ放送へと切り換わる際に、できるだけ長くデジタルラジオ放送の受信・復調を維持するため、次のように構成している。図1において、アナログ放送復調部7内のアナログ放送受信状態検出部71は、アナログ搬送波Scaの受信状態を示す受信状態検出データを制御部13に供給する。受信状態検出データは、例えば、Sメータ検出器によって検出する電界強度、マルチパスノイズレベル、隣接妨害レベル、同調周波数と局部発振周波数との誤差を示すIFカウント値である。これらのデータはバックエンド集積回路200からセンサデータとして得ることができる。
【0032】
制御部13はアナログ放送受信状態検出部71からの受信状態検出データを所定時間毎に確認する。まず、受信状態検出データとして電界強度を用いた場合について説明すると、電界強度が所定のしきい値より小さければ、アナログ搬送波Scaの受信が困難な状態であり、従って、デジタル搬送波Scdの受信も困難な状態と推定できる。上記のように、フロントエンド集積回路100の発振器4は、同調周波数に対して300kHzを加算した局部発振周波数の信号を出力するOSC(+)モードで動作している。ある時点での電界強度をFi0とし、電界強度Fi0が所定のしきい値より小さくなったら、制御部13は、同調周波数に対して300kHzを減算した局部発振周波数の信号を出力するOSC(−)モードとするよう発振器4を制御する。
【0033】
発振器4をOSC(−)モードに切り換えてアナログ搬送波Scaを受信・復調させた状態での電界強度をFi1とすると、電界強度Fi1が電界強度Fi0よりも強ければ、切り換えた後のOSC(−)モードの方がデジタル搬送波Scdの受信状態が良好であると推定できるので、OSC(−)モードを維持する。電界強度Fi1が電界強度Fi0よりも強くなければ、切り換え前のOSC(+)モードの方が好ましいので、制御部13は、OSC(+)モードに戻すよう発振器4を制御する。
【0034】
受信状態検出データとしてマルチパスノイズレベルを用いた場合、マルチパスノイズレベルが所定のしきい値より大きければ、アナログ搬送波Scaの受信が困難な状態であり、従って、デジタル搬送波Scdの受信も困難な状態と推定できる。ある時点でのマルチパスノイズレベルをLmp0とし、マルチパスノイズレベルLmp0が所定のしきい値より大きくなったら、制御部13はOSC(+)モードからOSC(−)モードに切り換えるよう発振器4を制御する。
【0035】
発振器4をOSC(−)モードに切り換えてアナログ搬送波Scaを受信・復調させた状態でのマルチパスノイズレベルをLmp1とすると、マルチパスノイズレベルLmp1がマルチパスノイズレベルLmp0よりも小さければ、切り換えた後のOSC(−)モードの方がデジタル搬送波Scdの受信状態が良好であると推定できるので、OSC(−)モードを維持する。マルチパスノイズレベルLmp1がマルチパスノイズレベルLmp0よりも小さくなければ、切り換え前のOSC(+)モードの方が好ましいので、制御部13は、OSC(+)モードに戻すよう発振器4を制御する。
【0036】
受信状態検出データとして隣接妨害レベルを用いた場合、隣接妨害レベルが所定のしきい値より大きければ、アナログ搬送波Scaの受信が困難な状態であり、従って、デジタル搬送波Scdの受信も困難な状態と推定できる。ある時点での隣接妨害レベルをLusn0とし、隣接妨害レベルLusn0が所定のしきい値より大きくなったら、制御部13はOSC(+)モードからOSC(−)モードに切り換えるよう発振器4を制御する。
【0037】
発振器4をOSC(−)モードに切り換えてアナログ搬送波Scaを受信・復調させた状態での隣接妨害レベルをLmp1とすると、隣接妨害レベルLmp1が隣接妨害レベルLusn0よりも小さければ、切り換えた後のOSC(−)モードの方がデジタル搬送波Scdの受信状態が良好であると推定できるので、OSC(−)モードを維持する。隣接妨害レベルLmp1が隣接妨害レベルLusn0よりも小さくなければ、切り換え前のOSC(+)モードの方が好ましいので、制御部13は、OSC(+)モードに戻すよう発振器4を制御する。
【0038】
受信状態検出データとしてIFカウント値を用いた場合、IFカウント値が所定のしきい値より大きければ、アナログ搬送波Scaの受信が困難な状態であり、従って、デジタル搬送波Scdの受信も困難な状態と推定できる。ある時点でのIFカウント値をIFc0とし、IFカウント値IFc0が所定のしきい値より大きくなったら、制御部13はOSC(+)モードからOSC(−)モードに切り換えるよう発振器4を制御する。
【0039】
発振器4をOSC(−)モードに切り換えてアナログ搬送波Scaを受信・復調させた状態でのIFカウント値をIFc1とすると、IFカウント値IFc1がIFカウント値IFc0よりも小さければ、切り換えた後のOSC(−)モードの方がデジタル搬送波Scdの受信状態が良好であると推定できるので、OSC(−)モードを維持する。IFカウント値IFc1がIFカウント値IFc0よりも小さくなければ、切り換え前のOSC(+)モードの方が好ましいので、制御部13は、OSC(+)モードに戻すよう発振器4を制御する。
【0040】
HDラジオデコーダ300によるデジタルラジオ放送の受信時に、制御部13が以上説明したアナログ放送受信状態検出部71から得られる受信状態検出データを用いて発振器4のOSCモードを切り換えるのは、デジタル搬送波Scdの受信状態を間接的に判定した判定結果に基づいている。デジタル搬送波Scdの受信状態を直接的に判定して、発振器4のOSCモードを切り換える方が好ましい。以下、デジタル搬送波Scdの受信状態を直接的に判定する構成例について説明する。
【0041】
図1において、HDラジオデコーダ300は、デジタル搬送波Scdの受信状態を示す受信状態検出データを制御部13に供給する。受信状態検出データは、例えば、デジタルラジオ放送をデコードして信号出力しているか否かを示すオーディオ・アクワイア(Audio-Acquire)、デジタルラジオ放送をデコードして信号出力している際の信号量(割合)を示すDAAI(Digital Audio Availability Indicator)、放送番組の種別を示すプログラムタイプ(PTY)、放送局名を示すSIS_CRC(Station Information Service_Cyclic Redundancy Check)、デジタルラジオ放送をデコードして信号出力している際のS/N(信号・ノイズ比)あるいはC/N(コード・ノイズ比)である。これらのデータはHDラジオデコーダ300からセンサデータとして得ることができる。
【0042】
制御部13はHDラジオデコーダ300からの受信状態検出データを所定時間毎に確認する。まず、受信状態検出データとしてオーディオ・アクワイアを用いた場合について説明すると、オーディオ・アクワイアがオンからオフになった場合は、デジタル搬送波Scdの受信が困難な状態となったということである。ある時点でオーディオ・アクワイアがオフになったら、制御部13はOSC(+)モードからOSC(−)モードに切り換えるよう発振器4を制御する。
【0043】
発振器4をOSC(−)モードに切り換えてデジタル搬送波Scdを受信・復調させた状態でオーディオ・アクワイアがオンになれば、切り換えた後のOSC(−)モードの方がデジタル搬送波Scdの受信状態が良好であるということであるので、OSC(−)モードを維持する。OSC(−)モードに切り換えてもオーディオ・アクワイアがオンにならなければ、切り換え前のOSC(+)モードの方が好ましいので、制御部13は、OSC(+)モードに戻すよう発振器4を制御する。
【0044】
受信状態検出データとしてDAAIを用いた場合、DAAIが所定のしきい値より小さければデジタル搬送波Scdの受信が困難な状態となったということである。ある時点でのDAAIをDAAI0とし、DAAI0が所定のしきい値より小さくなったら、制御部13はOSC(+)モードからOSC(−)モードに切り換えるよう発振器4を制御する。
【0045】
発振器4をOSC(−)モードに切り換えてデジタル搬送波Scdを受信・復調させた状態でのDAAIをDAAI1とすると、DAAI1がDAAI0よりも大きければ、切り換えた後のOSC(−)モードの方がデジタル搬送波Scdの受信状態が良好であるということであるので、OSC(−)モードを維持する。DAAI1がDAAI0よりも大きくなければ、切り換え前のOSC(+)モードの方が好ましいので、制御部13は、OSC(+)モードに戻すよう発振器4を制御する。
【0046】
受信状態検出データとしてプログラムタイプを用いた場合、プログラムタイプがオンからオフになった場合は、デジタル搬送波Scdの受信が困難な状態となったということである。ある時点でプログラムタイプがオフになったら、制御部13はOSC(+)モードからOSC(−)モードに切り換えるよう発振器4を制御する。
【0047】
発振器4をOSC(−)モードに切り換えてデジタル搬送波Scdを受信・復調させた状態でプログラムタイプがオンになれば、切り換えた後のOSC(−)モードの方がデジタル搬送波Scdの受信状態が良好であるということであるので、OSC(−)モードを維持する。OSC(−)モードに切り換えてもプログラムタイプがオンにならなければ、切り換え前のOSC(+)モードの方が好ましいので、制御部13は、OSC(+)モードに戻すよう発振器4を制御する。
【0048】
受信状態検出データとしてSIS_CRCを用いた場合、SIS_CRCがオンからオフになった場合は、デジタル搬送波Scdの受信が困難な状態となったということである。ある時点でSIS_CRCがオフになったら、制御部13はOSC(+)モードからOSC(−)モードに切り換えるよう発振器4を制御する。
【0049】
発振器4をOSC(−)モードに切り換えてデジタル搬送波Scdを受信・復調させた状態でSIS_CRCがオンになれば、切り換えた後のOSC(−)モードの方がデジタル搬送波Scdの受信状態が良好であるということであるので、OSC(−)モードを維持する。OSC(−)モードに切り換えてもSIS_CRCがオンにならなければ、切り換え前のOSC(+)モードの方が好ましいので、制御部13は、OSC(+)モードに戻すよう発振器4を制御する。
【0050】
受信状態検出データとしてS/NあるいはC/Nを用いた場合、S/NあるいはC/Nが所定のしきい値より大きければデジタル搬送波Scdの受信が困難な状態となったということである。ある時点でのS/N,C/NをSN0,CN0とし、SN0,CN0が所定のしきい値より大きくなったら、制御部13はOSC(+)モードからOSC(−)モードに切り換えるよう発振器4を制御する。
【0051】
発振器4をOSC(−)モードに切り換えてデジタル搬送波Scdを受信・復調させた状態でのS/N,C/NをSN1,CN1とすると、SN1,CN1がSN0,CN0よりも小さければ、切り換えた後のOSC(−)モードの方がデジタル搬送波Scdの受信状態が良好であるということであるので、OSC(−)モードを維持する。SN1,CN1がSN0,CN0よりも小さくなければ、切り換え前のOSC(+)モードの方が好ましいので、制御部13は、OSC(+)モードに戻すよう発振器4を制御する。
【0052】
以上のように、本実施形態においては、アナログ放送受信状態検出部71からの受信状態検出データとして、電界強度,マルチパスノイズレベル,隣接妨害レベル,IFカウント値を用いてデジタルラジオ放送の受信が困難な状態であるか否かを判定し、デジタルラジオ放送の受信が困難な状態であると判定したときには、発振器4のOSCモードを切り換える。また、HDラジオデコーダ300からの受信状態検出データとして、オーディオ・アクワイア,DAAI,プログラムタイプ,SIS_CRC,S/N,C/Nを用いてデジタルラジオ放送の受信が困難な状態であるか否かを判定し、デジタルラジオ放送の受信が困難な状態であると判定したときには、発振器4のOSCモードを切り換える。
【0053】
これらの複数の受信状態検出データの内の1つのみを用いてOSCモードを切り換えるか否かを判断してもよいし、複数の受信状態検出データを組み合わせてOSCモードを切り換えるか否かを判断してもよい。アナログ放送受信状態検出部71からの受信状態検出データとHDラジオデコーダ300からの受信状態検出データとを組み合わせてもよい。なお、ミキサ3はIF信号を生成する際の計算方法を発振器4のOSCモードに応じて切り換える。
【0054】
前述のように、アナログ放送受信状態検出部71からの受信状態検出データを用いるよりもHDラジオデコーダ300からの受信状態検出データを用いる方が好ましい。SIS_CRCはデジタルラジオ放送の受信が不可能になる以前にオンからオフに切り換わることが多く、S/N,C/Nは、デジタルラジオ放送の受信状態に応じて順次悪化することから、デジタルラジオ放送の受信が困難になり始めた段階でOSCモードを切り換えることができる。従って、HDラジオデコーダ300からの受信状態検出データの中でもSIS_CRCとS/N,C/Nを用いることは特に好ましい。SIS_CRCとS/N,C/Nとの双方を用いてもよいし、いずれか一方のみを用いてもよい。
【0055】
次に、図4を用いてOSCモードの切り換え動作についてさらに説明する。図4(A)に示すように、図1に示す本実施形態のラジオ放送受信機がOSC(+)モードで動作していてデジタル搬送波Scdの受信状態が悪化し始めた時刻t1で前述のように制御部13がOSCモードの切り換えるべきであると判断すると、制御部13は、図4(B)に示すように、HDラジオデコーダ300からミキサ93へのデータ出力を一時的に減衰させるよう減衰器91を制御する。減衰器91は減衰度を最大にして信号レベルを0にするよう減衰させることが好ましい。これは、OSCモードを切り換える際に発生したノイズがバックエンド集積回路200から出力させない方が好ましいからである。時刻t2にてOSC(+)モードからOSC(−)モードへの切り換えを開始したとすると、斜線を付して示す切り換え開始直後にノイズが発生するので、ノイズ発生期間が減衰器91における減衰期間に収まるようにすることが好ましい。
【0056】
図4(C)は、OSCモードを切り換えることによってデジタル搬送波Scdの受信状態が改善された場合の効果を説明するための図であり、ミキサ93からデータ出力を示している。OSCモードを切り換えなければ、HDラジオデコーダ300からのオーディデータSdd1は時刻t1の後さほどの時間の経過なくデータ出力が得られなくなる。従って、破線で示すように時刻t1の後、比較的短い時間の内にオーディデータSdd1をフェードアウトしなければならない。OSCモードを切り換えることによって、HDラジオデコーダ300からのオーディオデータSdd1は時刻t1の後しばらくの期間引き続きデータ出力が得られる。従って、オーディオデータSdd1に基づく音声信号の出力がしばらく維持されることとなる。その後、HDラジオデコーダ300から出力される検出信号Sddetがローとなり、アナログ放送復調部7によって復調したオーディオデータSad1へと切り換わる。
【0057】
ところで、図4(A)に示す時刻t2以降のOSCモードを切り換えた直後はデジタル搬送波Scdの受信・復調がなされないため、HDラジオデコーダ300にはオーディオデータSdd1を生成するための信号が一時的に供給されないこととなる。しかしながら、前述のように、HDラジオデコーダ300の信号処理部302はメモリ3021に所定期間のオーディオデータSdd1を保持して出力するようになっているので、HDラジオデコーダ300からオーディオデータSdd1の出力が途切れることはない。
【0058】
図4(D)は、OSCモードをOSC(+)モードからOSC(−)モードへと切り換えた後、デジタル搬送波Scdの受信状態が改善されず、OSC(+)モードに戻す場合の動作を示している。この場合、図4(E)に示すように、OSC(+)モードからOSC(−)モードへの切り換え時及びOSC(−)モードからOSC(+)モードへの切り換え時双方で、制御部13は、HDラジオデコーダ300からミキサ93への信号出力を一時的に減衰させるよう減衰器91を制御する。
【0059】
以上説明した図4においては、制御部13が、デジタル搬送波Scdの受信状態が悪化し始めたらOSCモードの切り換えるよう制御すると説明したが、OSCモードの切り換えタイミングは特に限定されるものではない。デジタル搬送波Scdの受信状態が比較的良好でも悪化することが予想される状態となったらOSCモードの切り換えるよう制御してもよい。デジタル搬送波Scdの受信・復調中に受信状態検出データに基づいてデジタル搬送波Scdの受信状態を判定し、受信状態の判定結果に基づいてOSCモードを切り換えればよい。また、デジタル搬送波Scdの受信状態が良好な状態においても、OSCモードを適宜切り換えてOSC(+)モードとOSC(−)モードとのいずれがよりよいのかを判定するようにしてもよい。
【0060】
ところで、図1においては、制御部13は、デジタルラジオ放送の受信状態を判定し、判定結果に基づいて発振器4のOSCモードを切り換え、さらに減衰器91も制御するように構成しているが、これらの判定や制御を複数の制御部で行ってもよい。本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0061】
3,93 ミキサ
4 発振器
5 バンドパスフィルタ
7 アナログ放送復調部
9 スイッチ部
13 制御部
71 アナログ放送受信状態検出部
91,92 減衰器
100 フロントエンド集積回路(ローIFチューナ)
200 バックエンド集積回路
300 HDラジオデコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IBOC方式のラジオ放送波信号における受信チャンネルの同調周波数に対して所定の値を加算した第1の局部発振周波数の信号と前記同調周波数に対して前記所定の値を減算した第2の局部発振周波数の信号とのいずれかを選択的に出力するローIF方式の発振器を有し、前記発振器を前記第1の局部発振周波数の信号を出力する第1のモードと前記第2の局部発振周波数の信号を出力する第2のモードとの内の一方のモードで動作させて、前記受信チャンネルの搬送波信号をローIFのIF信号に変換して出力するローIFチューナと、
前記IF信号に含まれるデジタルラジオ放送の搬送波信号をデコードして第1のオーディオデータを出力するHDラジオデコーダと、
前記IF信号に含まれるアナログラジオ放送の搬送波信号を復調して第2のオーディオデータを出力するアナログ放送復調部と、
前記第1のオーディオデータと前記第2のオーディオデータとを切り換えて出力するスイッチ部と、
前記スイッチ部が前記第1のオーディオデータを出力している際に、前記デジタルラジオ放送の受信状態を直接的または間接的に示す受信状態検出データに基づいて前記デジタルラジオ放送の受信状態を判定し、前記受信状態の判定結果に基づいて、前記ローIFチューナにおける前記モードを、前記第1のモードと前記第2のモードとの内の他方のモードに切り換えるよう制御する制御部と
を備えることを特徴とするラジオ放送受信機。
【請求項2】
前記受信状態検出データとして、前記HDラジオデコーダから得られるオーディオ・アクワイア,DAAI,プログラムタイプ,SIS_CRC,S/N,C/Nの内の少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1記載のラジオ放送受信機。
【請求項3】
前記受信状態検出データとして、前記アナログ放送復調部から得られる電界強度,マルチパスノイズレベル,隣接妨害レベル,IFカウント値の内の少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1または2に記載のラジオ放送受信機。
【請求項4】
前記制御部が前記ローIFチューナにおける前記モードを切り換える際に、前記第1のオーディオデータを一時的に減衰させる減衰器を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のラジオ放送受信機。
【請求項5】
前記スイッチ部はミキサを有し、
前記HDラジオデコーダと前記ミキサとの間に設けられ、前記第1のオーディオデータが入力される第1の減衰器と、
アナログ放送復調部と前記ミキサとの間に設けられ、前記第2のオーディオデータが入力される第2の減衰器と
をさらに備え、
前記スイッチ部が前記第1のオーディオデータから前記第2のオーディオデータへと切り換える際に、前記ミキサは前記第1及び第2の減衰器によって前記第1及び第2のオーディオデータをクロスフェード処理したデータを出力し、
前記第1の減衰器は、前記制御部が前記ローIFチューナにおける前記モードを切り換える際に、前記第1のオーディオデータを一時的に減衰させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のラジオ放送受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−177790(P2010−177790A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15668(P2009−15668)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】