説明

ラベルセット及びその製造方法

【課題】使用前に剥離紙を不要としながらも、物品への貼着状態において破損しにくくする。
【解決手段】ラベル台紙11の一方の面を貼着面とし、該貼着面には、粘着剤12が表出してなる貼着部2a,2bと、フィルムテープ13が貼着された剥離部3a,3bとが交互に配列された2枚のラベル10a,10bが、貼着部2a,2bと剥離部3a,3bとが互い違いとなるように貼着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品等の被着体に貼着可能な2枚のラベルが剥離可能に貼着されたラベルセット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、商品等に関する情報をラベルに記載し、そのラベルを商品等に貼付することにより、商品等の管理や商品等に関する情報の提供が行われている。また、物品を配送する場合、配送する物品に関する情報やその物品の配送元及び配送先の住所や氏名を配送ラベルに記入し、この配送ラベルを配送物に貼付することにより、配送物の配送を管理することも行われている。
【0003】
このように商品や物品に貼付されるラベルとしては、従来より様々なものが用いられているが、近年においては、使用時に剥離紙によるごみを発生させないようにするために、2枚のラベルを剥離可能に貼着したものが考えられており、例えば、特許文献1に開示されている。
【0004】
図4は、2枚のラベルが剥離可能に貼着された構成を有するラベルの一例を示す図である。
【0005】
本従来例は図4に示すように、2枚の支持体111a,111bから構成され、2枚の支持体111a,111bのそれぞれの一方の面には、粘着剤112が塗布された領域と、シリコーン樹脂等の剥離剤113が塗布された領域とが交互に配列されており、2枚の支持体111a,111bが、これら粘着剤112が塗布された領域と、剥離剤113が塗布された領域とが互い違いとなるように貼着されて構成されている。
【0006】
このようなラベル101は、粘着剤112が塗布された領域と剥離剤113が塗布された領域とが交互に配列されるような版が用いられ、支持体111a,111bのそれぞれの一方の面に、粘着剤112及び剥離剤113が塗布されて製造されることになる。
【0007】
上述したラベル101においては、2枚の支持体111a,111bが、これら粘着剤112が塗布された領域と、剥離剤113が塗布された領域とが互い違いとなるように貼着されているため、使用時には、2枚の支持体111a,111bを互いに剥離することができ、その後、粘着剤112によって支持体111a,111bを物品に貼着することになる。
【0008】
このように、2枚のラベルを剥離可能に貼着しておき、使用時には、2枚のラベルを互いに剥離してそれぞれ物品に貼着する構成とすることにより、使用時に剥離紙によるごみの発生を回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平6−23069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、支持体の一方の面にて粘着剤が塗布された領域と剥離剤が塗布された領域とが交互に配列されているものにおいては、物品に貼着された場合、粘着剤が塗布された領域は物品に貼着されているものの、剥離剤が塗布された領域は物品に貼着されていない状態となっている。
【0011】
図5は、図4に示したラベル101が物品に貼着された場合の作用を説明するための図であり、(a)はラベル101が物品に貼着された状態を示す概観斜視図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た断面図、(c)はラベル101の剥離剤113が塗布された領域と物品107との間に指がひっかかった場合の作用を示す断面図、(d)はその表面図である。
【0012】
図4に示したラベル101は、図5(a),(b)に示すように、支持体111aの粘着剤112及び剥離剤113が塗布された面を貼着面として物品107に貼着される。この際、ラベル101は、支持体111aに塗布された粘着剤112によって物品107に貼着されることになるため、粘着剤112が塗布された領域は物品107に貼着されているものの、剥離剤113が塗布された領域は物品107に貼着されていない状態となっている。
【0013】
そのため、ラベル101の剥離剤113が塗布された領域と物品107との間に指等がひっかかってしまう場合が生じる。ここで、剥離剤113が塗布された領域は、支持体111a,111bにシリコーン樹脂等の剥離剤113が塗布されているだけであるため、図5(c),(d)に示すように、ラベル101の剥離剤113が塗布された領域と物品107との間に指108がひっかかると、支持体111a,111bのその領域が裂けてラベル101が破損してしまう虞れがある。
【0014】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、使用前に剥離紙を不要としながらも、物品への貼着状態において破損しにくくすることができるラベルを有するラベルセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために本発明は、
2枚のラベルが剥離可能に貼着されたラベルセットであって、
前記2枚のラベルのそれぞれは、ラベル台紙の一方の面を貼着面とし、該貼着面には、粘着剤が表出してなる貼着部と、その表面に剥離機能を有するテープ状基材が貼着された剥離部とが交互に配列され、
前記2枚のラベルが、前記貼着部と前記剥離部とが互い違いとなるように貼着されている。
【0016】
上記のように構成された本発明においては、2枚のラベルが、ラベル台紙の一方の面を貼着面とし、この貼着面には、粘着剤が表出してなる貼着部と、その表面に剥離機能を有するテープ状基材が貼着された剥離部とが交互に配列され、貼着部と剥離部とが互い違いとなるように貼着されているので、使用時にはこの2枚のラベルを互いに剥離することができる。このため、使用前において剥離紙が不要となる。剥離した2枚のラベルは、貼着部と剥離部とが交互に配列された面を貼着面として物品に貼着される。この際、物品に貼着されたラベルは、貼着部の粘着剤によって物品に貼着されており、剥離部においては物品に貼着されていない。そのため、ラベルの剥離部と物品との間に指等がひっかかる可能性がある。ところが、剥離部は、ラベル台紙に、表面に剥離機能を有するテープ状基材が貼着されて構成されているので、剥離部がテープ状基材によって強固なものとなっており、そのため、ラベルの剥離部と物品との間に指等がひっかかった場合であっても、ラベル台紙が裂けてラベルが破損しにくくなる。
【0017】
また、このようなラベルセットは、ラベル台紙の貼着面の全面に粘着剤を塗布し、次に、ラベル台紙の粘着剤が塗布された面に、貼着部と剥離部とが交互に配列されるようにテープ状基材を貼着し、その後、貼着部と剥離部とが交互に配列された2枚のラベルを、貼着部と剥離部とが互い違いとなるように貼着することにより製造することが考えられる。このように、ラベル台紙の貼着面の全面に粘着剤を塗布した後、ラベル台紙の粘着剤が塗布された面に、貼着部と剥離部とが交互に配列されるようにテープ状基材を貼着することによって貼着部と剥離部とを交互に配列することにより、貼着部と剥離部とが交互に配列されるような版を設計する必要がなくなる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明においては、2枚のラベルが、ラベル台紙の一方の面を貼着面とし、この貼着面には、粘着剤が表出してなる貼着部と、その表面に剥離機能を有するテープ状基材が貼着された剥離部とが交互に配列され、貼着部と剥離部とが互い違いとなるように貼着された構成としたため、使用時には2枚のラベルを互いに剥離することができ、使用前において剥離紙が不要となり、また、剥離部がテープ状基材によって強固なものとなっており、それにより、ラベルを物品に貼着した状態においてラベルの剥離部と物品との間に指等がひっかかった場合であっても、ラベル台紙が裂けてラベルが破損しにくくすることができる。
【0019】
また、このようなラベルセットの製造方法として、ラベル台紙の貼着面の全面に粘着剤を塗布する工程と、ラベル台紙の粘着剤が塗布された面に、貼着部と剥離部とが交互に配列されるようにテープ状基材を貼着する工程と、貼着部と剥離部とが交互に配列された2枚のラベルを、貼着部と剥離部とが互い違いとなるように貼着する工程とを有するものを用いれば、貼着部と剥離部とが交互に配列されるような版を設計することなく、貼着部と剥離部とを交互に配列することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のラベルセットの実施の一形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は裏面図、(c)は(a),(b)に示したA−A’断面図、(d)は(a)に示したラベルの裏面の構造を示す図、(e)は(b)に示したラベルの裏面の構造を示す図である。
【図2】図1に示したラベルセットの製造方法を説明するための図である。
【図3】図1に示したラベルセットによって供給されるラベルが物品に貼着された場合の作用を説明するための図であり、(a)はラベルが物品に貼着された状態を示す概観斜視図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た断面図、(c)はラベルのフィルムテープが貼着された剥離部と物品との間に指がひっかかった場合の作用を示す断面図である。
【図4】2枚のラベルが剥離可能に貼着された構成を有するラベルの一例を示す図である。
【図5】図4に示したラベルが物品に貼着された場合の作用を説明するための図であり、(a)はラベルが物品に貼着された状態を示す概観斜視図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た断面図、(c)はラベルの剥離剤が塗布された領域と物品との間に指がひっかかった場合の作用を示す断面図、(d)はその表面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明のラベルセットの実施の一形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は裏面図、(c)は(a),(b)に示したA−A’断面図、(d)は(a)に示したラベル10aの裏面の構造を示す図、(e)は(b)に示したラベル10bの裏面の構造を示す図である。
【0023】
本形態は図1に示すように、2枚のラベル10a,10bが一方の面を貼着面として互いに貼着されて構成されている。2枚のラベル10a,10bのそれぞれは、ラベル台紙11の一方の面の全面に粘着剤12が塗布されるとともに、この粘着剤12上に、テープ状基材となるフィルムテープ13が一定間隔で縞状に貼着されている。このフィルムテープ13は、樹脂フィルムからなるものであるため、その表面に剥離機能を有する。なお、剥離機能とは、粘着剤12によって貼着された後に剥離が可能である機能を言う。これにより、ラベル10aは、ラベル10bとの貼着面において、フィルムテープ13が貼着されておらずに粘着剤12が表出してなる貼着部2aと、フィルムテープ13が貼着された剥離部3aとが交互に配列されている。また、ラベル10bは、ラベル10aとの貼着面において、フィルムテープ13が貼着されておらずに粘着剤12が表出してなる貼着部2bと、フィルムテープ13が貼着された剥離部3bとが交互に配列されている。また、ラベル10aは、角部の1つに切り欠き14が設けられている。
【0024】
このように構成された2枚のラベル10a,10bは、貼着部2a,2bと剥離部3a,3bとが互い違いとなるように貼着されている。すなわち、ラベル10aの貼着部2aとラベル10bの剥離部3bとが対向し、ラベル10aの剥離部3aとラベル10bの貼着部2bとが対向するように貼着されている。これにより、2枚のラベル10a,10bは、貼着部2a,2b及び剥離部3a,3bを有する面を貼着面として剥離可能に貼着されている。なお、2枚のラベル10a,10bの貼着位置のずれによってラベル10aの貼着部2aとラベル10bの貼着部2bとが対向することがないように、剥離部3a,3bの幅が粘着部2a,2bの幅よりも若干広くなっており、それにより、ラベル10aの剥離部3aとラベル10bの剥離部3bとがその一部にて対向している。
【0025】
以下に、上記のように構成されたラベルセットの製造方法について説明する。
【0026】
図2は、図1に示したラベルセット1の製造方法を説明するための図である。
【0027】
図1に示したラベルセット1を製造する場合は、まず、図2(a)に示すように、ロール状に巻き取られたウェブ状のラベル台紙11が引き出され、粘着剤塗布装置4に対向する領域に搬送される。粘着剤塗布装置4においては、粘着剤12を吐出する複数のノズル(不図示)がライン状に配列されており、この複数のノズルの配列方向と直交する方向にラベル台紙11が搬送されていく。なお、粘着剤塗布装置4は、そのノズルの配列幅がラベル台紙11の幅以上となっている。すると、粘着剤塗布装置4のノズルから吐出された粘着剤12がラベル台紙11の一方の面の全面に塗布され、ウェブ状のラベル台紙11は引き続き搬送されていく。
【0028】
一方の面の全面に粘着剤12が塗布されたウェブ状のラベル台紙11は、図2(b)に示すように、ローラ5に対向する領域に搬送されていく。このローラ5が配置された領域には、複数本のウェブ状のフィルムテープ13が一定間隔で並行してラベル台紙11の搬送方向に供給されてくる。ウェブ状のラベル台紙11は、粘着剤12が塗布された面がローラ5に対向するように搬送され、また、ウェブ状のフィルムテープ13は、ラベル台紙11の粘着剤12が塗布された面とローラ5との間に供給されてくる。そのため、一定間隔で並行して供給されてきた複数本のフィルムテープ13は、ラベル台紙11の粘着剤12が塗布された面とローラ5との間にてラベル台紙11に粘着剤12によって貼着される。この際、ラベル台紙11に貼着された複数本のフィルムテープ13は、一定間隔でラベル台紙11の搬送方向に並行して供給されてくるため、ラベル台紙11の粘着剤12が塗布された面には、複数本のフィルムテープ13が一定間隔で縞状に貼着され、それにより、粘着剤12が表出してなる貼着部2a,2bと、フィルムテープ13が貼着された剥離部3a,3bとが交互に配列された状態となる。そして、フィルムテープ13が貼着されたラベル台紙11は引き続き搬送されていく。なお、ラベル台紙11の粘着剤12が塗布された面にはフィルムテープ13が貼着されているものの、貼着部2a,2bとなる領域においては粘着剤12が表出しているため、ローラ5の表面は、シリコンを塗布する等、粘着剤12によってラベル台紙11が貼着されないような加工が施されていることが好ましい。
【0029】
ラベル台紙11にフィルムテープ13が貼着されると、図2(c)に示すように、フィルムテープ13が貼着された面を内側とし、粘着剤12が表出した領域とフィルムテープ13が貼着された領域とが互い違いとなるようにラベル台紙11が折り畳まれる。これにより、一方の面に粘着剤12が表出してなる貼着部2aとフィルムテープ13が貼着された剥離部3aとを有するラベル10aと、一方の面に粘着剤12が表出してなる貼着部2bとフィルムテープ13が貼着された剥離部3bとを有するラベル10bとが、貼着部2a,2bと剥離部3a,3bとが互い違いとなるように貼着されることになる。すなわち、このようにラベル台紙11を折り畳むことにより2枚のラベル10a,10bが剥離可能に貼着されたラベルセット1を作製していく場合、ウェブ状のラベル台紙11は、幅方向における略中央部を境界として2枚のラベル10a,10bが構成されることになる。
【0030】
上記のようにラベル台紙11が折り畳まれてなるウェブ状のラベルセット1は、その後、図2(d)に示すように、断裁機6に搬送されていく。断裁機6においては、ウェブ状のラベルセット1が単片状に断裁され、それにより、単片状のラベルセット1が作製される。またこの際、折り畳まれたラベル台紙1の折り部近傍を断裁することにより、折り部にて連接していた2枚のラベル10a,10bが分離することになる。
【0031】
なお、本形態においては、ラベル台紙11を折り畳んで2枚のラベル10a,10bとなる領域を互いに貼着した後に、ラベル台紙11が折り畳まれてなるウェブ状のラベルセット1を単片状に断裁するものを例に挙げて説明したが、ウェブ状のラベル台紙11及びこれに貼着されたウェブ状のフィルムテープ13を単片状に断裁することにより単片状の2枚のラベル10a,10bを作製した後に、この単片状の2枚のラベル10a,10bを貼着する構成としてもよい。ただし、その場合は、断裁機6においては、ローラ5と同様に、粘着剤12によってラベル台紙11が貼着されないようなものであることが好ましい。例えば、レーザ光を照射することによってラベル台紙11及びフィルムテープ13を断裁することや、断裁刃を用いる場合であっても、断裁刃の表面にシリコンを塗布したり、断裁刃によって断裁されたラベル台紙11及びフィルムテープ13を押さえる機構を有するものとしたりすることが好ましい。また、ラベル用紙11及びフィルムテープ13をウェブ状のものではなく、単片状のものを供給してこれらを貼着してラベル10a,10bを作製し、その後、これら2枚のラベル10a,10bを貼着してもよい。
【0032】
このように、ラベル台紙11の一方の面の全面に粘着剤12を塗布した後、ラベル台紙11の粘着剤12が塗布された面に、複数本のフィルムテープ13を一定間隔で並行して貼着することによって貼着部2a,2bと剥離部3a,3とを交互に配列することにより、貼着部2a,2bと剥離部3a,3bとが交互に配列されるような版を設計することなく、貼着部2a,2bと剥離部3a,3bとを交互に配列することができる。
【0033】
以下に、上述したラベルセット1によって供給されるラベル10a,10bの作用について説明する。
【0034】
図3は、図1に示したラベルセット1によって供給されるラベル10a,10bが物品に貼着された場合の作用を説明するための図であり、(a)はラベル10aが物品に貼着された状態を示す概観斜視図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た断面図、(c)はラベル10aのフィルムテープ13が貼着された剥離部3aと物品7との間に指がひっかかった場合の作用を示す断面図である。なお、図3においては、図1に示したラベルセット1によって供給されるラベル10a,10bのうちラベル10aについて示すが、ラベル10bについても同様の作用が生じる。
【0035】
図1に示したラベルセット1は、2枚のラベル10a,10bが、ラベル台紙11の一方の面を貼着面とし、この貼着面には、粘着剤12が表出してなる貼着部2a,2bと、その表面にフィルムテープ13が貼着された剥離部3a,3bとが交互に配列され、貼着部2a,2bと剥離部3a,3bとが互い違いとなるように貼着されているので、使用時にはこの2枚のラベル10a,10bを互いに剥離することができる。このため、使用前において剥離紙が不要となる。なおこの際、ラベル10aには、角部の1つに切り欠き14が設けられているため、この切り欠き14を利用すれば、2枚のラベル10a,10bを容易に剥離することができる。
【0036】
剥離した2枚のラベル10a,10bは、図3(a),(b)に示すように、貼着部2a,2bと剥離部3a,3bとが交互に配列された面を貼着面として物品7に貼着される。この際、物品に貼着されたラベル10a,10bは、貼着部2a,2bの粘着剤12によって物品7に貼着されており、剥離部3a,3bにおいては粘着剤12がフィルムテープ13で覆われているため物品7に貼着されていない状態となっている。
【0037】
そのため、図3(c)に示すように、ラベル10a,10bのフィルムテープ13が貼着された剥離部3a,3bと物品7との間に指8等がひっかかってしまう場合が生じる。そして、ひっかかった指8がそのまま上方に持ち上げられたり、ラベル10aの指8がひっかかった辺に対向する辺に向かって動いたりした場合、ラベル10a,10bに対してラベル10a,10bが裂ける力が加わってしまう。
【0038】
ところが、本形態においては、剥離部3a,3bが、ラベル台紙11にフィルムテープ13が貼着されて構成されているので、剥離部3a,3bがフィルムテープ13によって強固なものとなっている。そのため、ラベル10a,10bのフィルムテープ13が貼着された剥離部3a,3bと物品7との間に指8等がひっかかった場合であっても、ラベル台紙11が裂けてラベル10a,10bが破損しにくくなる。
【0039】
このように本形態においては、2枚のラベル10a,10bを剥離可能に貼着しておくための剥離部3a,3bの構成を、ラベル台紙11にフィルムテープ13を貼着することによって実現しているため、剥離部3a,3bがフィルムテープ13によって強固なものとなっており、それにより、このラベル10a,10bが物品7に貼着された場合に、物品7に貼着されていない領域となる剥離部3a,3bと物品7との間に指8等がひっかかっても、ラベル台紙11が裂けてラベル10a,10bが破損しにくくすることができる。
【0040】
ここで、ラベル10a,10bが物品7に貼着された後に上述したようにして裂けにくくするために、ラベル台紙11自体をフィルム等、破断力に対して強固となる材料から構成することが考えられる。その場合、フィルム等からなるラベル台紙11に粘着剤12と剥離剤13とを交互に塗布することにより貼着部2a,2bと剥離部3a,3bとを構成することになる。このようにラベル台紙11をフィルム等の強固な材料から構成することにより、ラベル10a,10bが物品7に貼着された場合に、物品7に貼着されていない領域となる剥離部3a,3bと物品7との間に指8等がひっかかっても、ラベル台紙11が裂けにくくすることができる。しかしながら、一般にラベルはその表面に情報を記入したり印字したりして利用するものであるため、ラベル台紙11の材料をフィルム等に限定してしまうと、印字適性が低下する場合があり、その場合、ラベル10a,10bに情報を記入したり印字したりするために、印字適性の優れたシートをラベル台紙11の表面に積層しなければならず、その分のコストが余計にかかってしまうとともに、製造工程も煩雑になってしまう。これに対して、本形態のように、ラベル台紙11にフィルムテープ13を貼着することによって剥離部3a,3bを構成することにより、ラベル台紙11の材質を考慮することなく、剥離部3a,3bを強固なものとすることができ、ラベル10a,10bの表面の印字適性が低下することがなくなる。
【0041】
なお、本形態においては、テープ状基材として、表面に剥離機能を有するフィルムテープ13を例に挙げて説明したが、本発明のテープ状基材としては、フィルムテープ13に限らず、剥離機能を有さない基材の表面にシリコン等の剥離剤を塗布したもの等、その表面に剥離加工が施されたものであってもよい。特に、その厚さが薄く可撓性を有しながらも破断力に対して強固な材質からなるものが好ましい。
【符号の説明】
【0042】
1 ラベルセット
2a,2b 貼着部
3a,3b 剥離部
4 粘着剤塗布装置
5 ローラ
6 断裁機
7 物品
8 指
10a,10b ラベル
11 ラベル台紙
12 粘着剤
13 フィルム
14 切り欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚のラベルが剥離可能に貼着されたラベルセットであって、
前記2枚のラベルのそれぞれは、ラベル台紙の一方の面を貼着面とし、該貼着面には、粘着剤が表出してなる貼着部と、その表面に剥離機能を有するテープ状基材が貼着された剥離部とが交互に配列され、
前記2枚のラベルが、前記貼着部と前記剥離部とが互い違いとなるように貼着されたラベルセット。
【請求項2】
請求項1に記載のラベルセットの製造方法であって、
前記ラベル台紙の前記貼着面の全面に粘着剤を塗布する工程と、
前記ラベル台紙の粘着剤が塗布された面に、前記貼着部と前記剥離部とが交互に配列されるように前記テープ状基材を貼着する工程と、
前記貼着部と前記剥離部とが交互に配列された2枚のラベルを、前記貼着部と前記剥離部とが互い違いとなるように貼着する工程とを有するラベルセットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−266526(P2010−266526A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115546(P2009−115546)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】