説明

ラベル連続体およびラベル連続体の接合方法

【課題】 テープによるつなぎ目が形成されたラベル連続体において、台紙の幅方向においてつなぎ目がずれにくいラベル連続体およびラベル連続体の接合方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 ラベルL1が等間隔に仮着された長尺状の台紙D1の端部と、ラベルL1と同じ種類のラベルL2が等間隔に仮着された長尺状の台紙D2の端部とを接合するつなぎ目M1が形成されたラベル連続体1であり、つなぎ目M1は、台紙Dの搬送方向Fにおいて凹凸状を呈しており、かつ、台紙の一方の端部の凸部L11と、他方の端部の凹部L21が嵌合するように接合されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、剥離手段により台紙に仮着されたラベルを剥離するラベルプリンタやラベル貼付装置に用いて好適な、つなぎ目を備えたラベル連続体およびラベル連続体の接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タグプリンタやラベルプリンタでは、被印字媒体としてタグ連続体や、台紙にラベルが等間隔に仮着されたラベル連続体、あるいは、台紙なしラベルなどを使用するが、これらの被印字媒体は、「つなぎ目」を備える場合がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、被印字媒体としての台紙なしラベル連続体を示しており、台紙なしラベル連続体(被印字媒体)は、「原反(げんたん)」と称する大巻きされた最大幅の原材料を所望の幅にカットしながら、所望の長さ(「タグ」や「ラベル」に換算したときの所望枚数分の巻取り量)に巻き取る「小巻工程」と称する加工工程を経て作製される。すなわち、先ず、原反(図示せず)に所定事項を印刷し、印刷された原反を所望の幅に切断し、その後小巻工程にて被印字媒体を適量だけ巻芯に巻き付ける。巻芯に巻付けられる被印字媒体は、印字されるデータの量や対象とする商品並びに装着する「プリンタ」の種類によって幅や長さサイズ仕様が異なるため、小巻工程を経て小サイズにカットされるが、従来、この図示しない小巻工程においては、原反から被印字媒体にカットして「小巻」していく段階で、所望の長さに満たない半端な部分は捨てられていた。特許文献1は、被印字媒体としての台紙なしラベル連続体に適応したつなぎ合わせを施すことにより、半端な部分(被印字媒体)を無駄にしないで連続的に作製可能としたものである。
ところで、台紙にラベルが等間隔に仮着されたラベル連続体においても、同様のつなぎ合わせを施して半端な部分を無駄にせず、かつ、所望の長さを確保するようにしている。
図5ないし図7にて、従来のラベル連続体の「つなぎ目」を説明する。
図5は、つなぎ目M5が台紙D部分に形成された例を示している。すなわち、ラベルL7が仮着された台紙D1の終端部とラベルL8が仮着された台紙D2の始端部とを、台紙Dの幅方向Wにほぼ直角にカッタ(図示省略)などで切って成形したのち突き合わせ、テープTにて台紙Dの裏側より止めてつなぎ合わせており、ラベルL7とラベルL8の間のギャップGと称する台紙Dのみの部分につなぎ目M5が形成されている。
また、図6は、つなぎ目M6がラベルL部分に形成された例を示しており、台紙D1の終端部のラベルL9と台紙D2の始端部のラベルL10とを重ね合わせた状態で、幅方向WにおいてラベルL9、L10を斜めに切った上で台紙Dの裏面よりテープTにてつなぎ合わせている(「つなぎ目」作製の詳細は、特許文献1を参照下さい)。
ところで、つなぎ目M5、M6の部分は、つなぐ際ずれ易いという問題がある。すなわち、図7に示すつなぎ目M6を例に説明すると、ラベルL9、L10を斜めに切って貼り合わせた際、つなぎ目M6が幅方向Wにおいてずれる場合がある。
さらに、特に、剥離仕様の「ラベルプリンタ」において、テープTを貼ったつなぎ目M5、M6が形成された「ラベル連続体」を使用する際、つなぎ目M5、M6が剥がれる場合があるという問題がある。つなぎ目M5、M6の剥がれの一因を図8にて説明する。
図8は、従来のつなぎ目Mを備えたラベル連続体30を使用した剥離仕様のラベルプリンタ20の一例を示す概略説明図であり、ラベルプリンタ20は、台紙DにラベルLが仮着されたラベル連続体30を装着する媒体供給部21と、媒体供給部21から供給されたラベル連続体30のラベル位置を検出するための位置検出用センサ22と、ラベルLに印字を施す印字ヘッド23と、ラベル連続体30を印字ヘッド22との間で押圧するプラテン24と、台紙Dの紙送り方向を転向させることにより、台紙DからラベルLを剥離する剥離板25と、ラベルLが剥離された後の台紙Dを巻き取る媒体巻取り部26などから構成される。
そして、上記構成のラベルプリンタ20において、媒体供給部21に装着したラベル連続体30を繰出し、搬送方向Fに搬送させながら印字ヘッド22を介してラベルLに印字を施すようになっており、印字ヘッド22にて印字が施されたラベルLmは、さらに搬送方向Fの下流側へと搬送され、剥離板25において台紙Dの「転向」と称する急激な方向変換により、ラベルLm自身のもつ剛性によって台紙Dより剥離されるようになっている。
しかしながら、前述したように、台紙Dにつなぎ目Mがある場合、つなぎ目Mが幅方向Wにおいて直線状(斜め直線状も含む)に形成されているため、搬送方向Fに対する引っ張り力に弱いという問題がある。すなわち、突き合せた台紙D1、D2の端部同士をつなぎ合わせるためのテープTが台紙Dの裏面に存在するため剥離板25に引っ掛り易く、かつ、剥離板25の先端部分にて台紙Dを転向するため、つなぎ目Mの部分で折れ曲がるおそれがあり、しかも、台紙Dの転向により台紙Dに急激な負荷が加わるため、搬送方向F並びに搬送逆方向に対する引っ張り力につなぎ目Mを貼り合わせているテープTが抗しきれず、つなぎ目Mより台紙D1、D2が離反する場合があるという問題があった。
また、つなぎ目Mが斜め直線状に形成されている場合、台紙D裏面のテープTが搬送方向F下流に近い部位から剥離板25の先端部に進入するため、台紙D全体が斜行するおそれがあるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−22016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点に着目して成されたものであり、特に、テープによるつなぎ目が形成されたラベル連続体において、台紙の幅方向においてつなぎ目がずれにくいラベル連続体およびラベル連続体の接合方法を提供することを課題とする。
また、つなぎ目で折れ曲がりにくく、かつ、斜行しにくいラベル連続体およびラベル連続体の接合方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題点を解決するため、本発明に係るラベル連続体は、ラベルが等間隔に仮着された長尺状の台紙の端部と、前記ラベルと同じ種類のラベルが等間隔に仮着された長尺状の台紙の端部とを接合するつなぎ目が形成されたラベル連続体であって、前記つなぎ目は、台紙の搬送方向において凹凸状を呈しており、かつ、台紙の一方の端部の凸部と、他方の端部の対峙する凹部が嵌合するように接合されたことを特徴とする。
また、つなぎ目を、ラベルおよび台紙の幅方向に形成されるようにできる。
さらに、第2の発明に係るラベル連続体の接合方法は、ラベルが等間隔に仮着された長尺状の第1の台紙の端部と、前記ラベルと同じ種類のラベルが等間隔に仮着された長尺状の第2の台紙の端部とを接合するつなぎ目が形成されたラベル連続体の接合方法であって、前記第1の台紙の端部を凹状部と凸状部が連続する凹凸状に切断して切断面を形成し、かつ、前記第2の台紙の端部を、前記第1の台紙の前記凸状部に対峙する幅方向の位置は凹状部に、また、前記第1の台紙の前記凹状部に対応する幅方向の位置は凸状部に、各々切断し、さらに、前記第1の台紙の端部の凹凸状の切断面と、前記第2の台紙の端部の凸凹状の切断面とを突き合わせ接合してつなぎ目を形成することを特徴とする。
また、凹凸状の切断面は、凸状部は波頭形状とし、また、凹状部は波間形状とし、凸状部である波頭形状と凹状部である波間形状が連続して形成されるようにできる。
また、凹凸状の切断面を、のこぎり歯状の山部および谷部が連続して形成されるようにできる。
【発明の効果】
【0006】
本発明のラベル連続体は、ラベルが等間隔に仮着された台紙の端部と、ラベルと同じ種類のラベルが等間隔に仮着された台紙の端部とを、台紙の搬送方向において凹凸状を呈するつなぎ目で接合し、しかも、台紙の一方の端部の凸部と、他方の端部の凹部が嵌合するように接合したので、幅方向においてつなぎ目がずれるおそれが軽減され、さらに、台紙が折れ曲がりにくいという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係るラベル連続体の一実施の形態の、つなぎ目部分を示す概略平面説明図である。
【図2】同、つなぎ目部分が剥離板に搬送された状態を示す概略平面説明図である。
【図3】同、他の実施の形態のつなぎ目部分を示す概略平面説明図である。
【図4】同、さらに他の実施の形態のつなぎ目部分を示す概略平面説明図である。
【図5】従来のラベル連続体のつなぎ目部分を示す図1相当の概略平面説明図である。
【図6】同、従来のラベル連続体の他の実施の形態のつなぎ目部分を示す概略平面説明図である。
【図7】同、つなぎ目部分がずれた状態を示す図6相当の概略平面説明図である。
【図8】従来のつなぎ目を備えたラベル連続体を装着したラベルプリンタの一実施の形態を示す概略側面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態につき、図1および図2に基づいて説明する。
なお、以下において、「背景技術」と同様の部分は同一符号を付すに止め、詳説は省略する。
図1は、本発明に係るラベル連続体の一実施の形態の、つなぎ目部分を示す概略平面説明図である。
つなぎ目M1は、搬送方向Fおいて波型状に形成されている。すなわち、台紙D1の終端部のラベルL1の凸部(波頭部分)L11と、台紙D2の始端部のラベルL2の凹部(波間部分)L21が、互いに突き合わされ嵌め合わされたつなぎ目M1が形成されるようになっている。
「小巻工程」において半端な「ラベル連続体」が発生し、これをつないで所望長さのラベル連続体1を作製する場合、台紙D1の終端部のラベルL1と台紙D2の始端部のラベルL2とを重ね合わせ、ラベルLの幅方向Wにおいて均質となるよう図示省略のはさみ(例えば、波型に切断可能なギザギザはさみ)やカッターなどで切断する。切断後、ラベルL1とラベルL2の重ね合わせを一旦、外し、台紙D1の終端部のラベルL1の凸部(波頭部分)L11と、台紙D2の始端部のラベルL2の凹部(波間部分)L21とを互いに突き合わせた上で、台紙Dの裏面からテープTにて貼り付けるものであり、搬送方向Fに凹凸部分が形成された波型状のつなぎ目M1が台紙Dの幅方向W(搬送方向Fに対しほぼ直交する方向)に形成される。
切断した部分(切断面)をつなぎ合わせ接合する際、凸部(波頭部分)L11と凹部(波間部分)L21とを嵌め合わせるように突き合わせるため、幅方向Wにおける「ずれ」は発生しにくいものである。
【0009】
次に、主に、図2に基づき、つなぎ目M1が形成されたラベル連続体1の使用状況を説明する。
同図は、ラベルプリンタ20の剥離板25にラベル連続体1のつなぎ部M1が搬送された状態を示す平面説明図である。
搬送されたラベル連続体1のつなぎ目M1が剥離板25に到達し、剥離板25に進入する際、台紙D裏面のテープTが、搬送方向Fとほぼ直交する方向に貼り付けられているため、テープTが剥離板25に乗り上げても、従来の斜めに切断したつなぎ目M6に比し、ラベル連続体1は斜行しにくいものである。
また、剥離板25にてラベル連続体1の台紙Dが急激な方向変換、すなわち、転向の際、台紙Dが急激に折れ曲がるが、波型状のつなぎ目M1が搬送方向Fにおいて凹凸状に形成されているため、幅方向Wにおいて搬送方向Fにほぼ直交して形成された従来の直線状のつなぎ目M5に比し、ラベル連続体1は折れ曲がりにくいものである。
【0010】
次に、図3に基づき、他の実施の形態を説明する。
なお、以下において、「背景技術」および先の実施の形態と同様の部分は同一符号を付すに止め、重複する説明は省略する。
同図は、つなぎ目部分を示す図1相当の概略平面説明図である。
つなぎ目M2は、搬送方向Fにおいてノコギリ歯状に形成されている。すなわち、台紙D1の終端部のラベルL3の凸部(山頂部分)L31と、台紙D2の始端部のラベルL4の凹部(谷間部分)L41が、互いに突き合わされ嵌め合わされて接合されたつなぎ目M2が形成されている。
図示省略のギザギザはさみなやカッターなどを用いて切断した切断面をつなぎ合わせる際、凸部(山頂部分)L31と凹部(谷間部分)L41とを嵌め合わせるように突き合わせるため、幅方向Wにおけるずれは発生しにくく、かつ、ノコギリ歯状のつなぎ目M2が搬送方向Fにおいて凹凸状に形成されているため、台紙D転向の際もラベル連続体2は折れ曲がりにくいものである。
その他の構成、作用、効果については、先の実施の形態とほぼ同様につき、詳説を省略する。
【0011】
次に、主に、図4に基づき、さらに他の実施の形態を説明する。
なお、以下において、「背景技術」および先の実施の形態と同様の部分は同一符号を付すに止め、重複する説明は省略する。
同図は、つなぎ目部分を示す図1相当の概略平面説明図であり、つなぎ目M3は、搬送方向Fにおいて一つの山形状に形成されている。すなわち、台紙D1の終端部のラベルL5の凹部(谷間部分)L51とラベルL6の凸部(山頂部分)L61が、互いに突き合わされ嵌め合わされ接合されたつなぎ目M3が形成されており、前記凹凸部L51、L61が搬送方向Fに形成されているため、台紙D転向の際もラベル連続体3は折れ曲がりにくいものである。
その他の構成、作用、効果については、先の実施の形態とほぼ同様につき、詳説を省略する。
【0012】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは言うまでもない。
【0013】
例えば、説明の都合上、ラベル連続体を例に説明したが、これに限定されないことは勿論であり、粘着剤が形成されないタグ連続体の接続も可能である。
【符号の説明】
【0014】
M、M1、M2、M3、M5、M6 つなぎ目
D、D1、D2 台紙
L、L1〜L10 ラベル
W 幅方向
F 搬送方向
G ギャップ
T テープ
20 ラベルプリンタ
21 媒体供給部
22 位置検出用センサ
23 印字ヘッド
24 プラテン
25 剥離板
26 媒体巻取り部
30 ラベル連続体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルが等間隔に仮着された長尺状の台紙の端部と、前記ラベルと同じ種類のラベルが等間隔に仮着された長尺状の台紙の端部とを接合するつなぎ目が形成されたラベル連続体であって、
前記つなぎ目は、台紙の搬送方向において凹凸状を呈しており、かつ、台紙の一方の端部の凸部と、他方の端部の対峙する凹部が嵌合するように接合されたことを特徴とするラベル連続体。
【請求項2】
前記つなぎ目は、前記ラベルおよび台紙の幅方向に形成されることを特徴とする請求項1に記載のラベル連続体。
【請求項3】
ラベルが等間隔に仮着された長尺状の第1の台紙の端部と、前記ラベルと同じ種類のラベルが等間隔に仮着された長尺状の第2の台紙の端部とを接合するつなぎ目が形成されたラベル連続体の接合方法であって、
前記第1の台紙の端部を凹状部と凸状部が連続する凹凸状に切断して切断面を形成し、かつ、
前記第2の台紙の端部を、前記第1の台紙の前記凸状部に対峙する幅方向の位置は凹状部に、また、前記第1の台紙の前記凹状部に対応する幅方向の位置は凸状部に、各々切断し、
さらに、前記第1の台紙の端部の凹凸状の切断面と、前記第2の台紙の端部の凸凹状の切断面とを突き合わせ接合してつなぎ目を形成することを特徴とするラベル連続体の接合方法。
【請求項4】
前記凹凸状の切断面は、凸状部が波頭形状とされ、また、凹状部が波間形状とされ、前記凸状部である波頭形状と前記凹状部である波間形状が連続して形成されることを特徴とする請求項3に記載のラベル連続体の接合方法。
【請求項5】
前記凹凸状の切断面は、のこぎり歯状の山部および谷部が連続して形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載のラベル連続体の接合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−174957(P2011−174957A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36780(P2010−36780)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】