説明

ランプソケットアセンブリ、電球、および自動車のランプソケットアセンブリ

【課題】交換可能な白熱電球とともに用いられ得る自動車の外部ランプアセンブリのためのランプソケットが提供される。
【解決手段】ランプソケットは、ナイロン4,6から作られるプラスチックソケットを備える。ランプソケットは、他の方法ではプラスチックソケット内のポリマーの光酸化による劣化に起因するはずのガス抜けが低減する。これは、ランプアセンブリレンズおよび/または反射器の曇りを防ぐ助けとなり、ランプアセンブリの寿命にわたって性能および美的外観が改良される。アセンブリ内で用いられる白熱電球は、スリーブが上に取付けられた圧力封止端を含み得、スリーブは、ナイロン4,6、PEIおよびPPAの少なくとも1つから作られ得る。白熱電球は成形プラスチックベースをも有し得、ベースも、ナイロン4,6、PEIおよびPPAの少なくとも1つから作られ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2005年11月18日に提出された、米国仮特許出願連続番号60/738,114の優先権を主張し、その全体が引用により本明細書中に援用されている。
【0002】
技術分野
この発明はランプソケットおよびランプアセンブリに関し、特に、外部照明適用例において用いられる自動車のランプソケットアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
外部車両照明適用例において用いられるランプソケットは典型的にプラスチックから作られる。これらのソケットに一般的に用いられる1つのプラスチック合金は、ゼネラル・エレクトリック・カンパニー(General Electric Company)からNoryl GTX 810(商標)
という商標で販売されている、ポリフェニレンオキシド(PPO)とナイロン6,6のガラス入り混合物である。このプラスチックは、ほとんどの他のものと同様に、その意図された車両照明適用例における通常使用の際にある程度ガスが抜ける。Noryl GTX 810など
のプラスチックのガス抜けは、他のランプアセンブリ部品(たとえばレンズおよび/または反射器)を曇らせ、これは全体的なランプアセンブリの外観、美観、および測光性能に悪影響を及ぼし得ることが公知である。そのような材料のガス抜けを減少させるためのさまざまな方策が提案されてきた。たとえば、ヘッドランプの寿命にわたってガスが抜けないと報告されている炭化チタンコーティングを用いる車両ヘッドランプのための光シールドを開示している、フレーザー(Frazier)に対する米国特許第6,012,830号を
参照。他の例として、ヒース(Heath)に対するPCT公開出願番号WO 02/075
863 A1は、Noryl GTX 810プラスチックと比較してレンズおよび反射器の曇りを減
少させることがわかったポリエーテルイミド(PEI)から形成されるランプソケットを開示している。
【0004】
S−8/GT−8電球(bulb)適用例などの典型的な車両外部信号照明適用例または同様の適用例において、この曇りは、ランプアセンブリ内で用いられるレンズの内部表面および反射器表面上に膜として生じる。Noryl GTX 810を用いるソケットについて、この膜
は以前に分析され、プラスチック中のナイロン6,6からの環状二量体C12H22O2N2であると判断された。ランプソケットを130℃で90分間試験した、この膜のより最近の分析では、ランプソケットがスチレンおよびトルエン型構造を生成することがわかった。さらに、同一の試験条件下で、GT−8電球上に用いられるナイロンスリーブまたはベースが、自らアニリンおよびベンゼン型構造を生成していることがわかった。
【0005】
外部照明適用例のためのランプソケットアセンブリについて、ソケット、ハウジングまたは両方についての使用を含んで、PEIを使用することが特定されたが、上述の種類のランプソケットおよびランプアセンブリに使用され得る付加的な材料を特定する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の要約
この発明に従って、ソケットアセンブリのガス抜けを制限することが望ましいか必要である適用例において、交換可能な白熱電球または他の高温光源とともに用いられ得るラン
プソケットアセンブリが提供される。ソケットアセンブリは、ナイロン4,6プラスチックを備える高温プラスチックソケットボディを備える。ソケットは、白熱電球の圧力封止端を受けるための開口部を有し、複数の電気コンタクトが開口部内に配置されて電球上の対応するリード線と結合する。コンタクトは、ソケットを車両配線ハーネス内に接続するために、ソケット内で対応する端子に電気的に接続される。好ましくは、ソケットは、ソケットハウジングと、ソケットハウジングに一体化して取付けられた別個のソケットボディとを備え、ソケットボディはナイロン4,6から作られ、ソケットハウジングは、ナイロン6またはナイロン6,6、およびその混合物または共重合体などのさまざまなポリアミドなどの、より低温のプラスチックから作られる。
【0007】
この発明の他の局面に従って、ガラスエンベロープと、エンベロープ内の発光要素と、エンベロープ内の発光要素を支持する複数のリード線と、エンベロープの圧力封止端の上に取付けられたスリーブとを有する白熱電球または他の高温光源が提供される。スリーブはナイロン4,6材料を備える。ある一定の電球適用例では、バルブエンベロープの圧力封止端およびプラスチックスリーブを、リード線に電気的に接続され、かつソケットアセンブリの電気端子と電気的に接続するためにベースから出て延在するように適合された端子を有する成形プラスチックベースと取替えてもよい。ベースは、ナイロン4,6、PEIまたはポリフタルアミド(PPA)などの、ガス抜けが減少する傾向にある高温プラスチックから形成され得る。
【0008】
この発明の他の局面に従って、ランプソケットと、ランプソケット内に着脱可能に装着された白熱電球と、電球の周りに少なくとも部分的に延在する反射器と、レンズとを備え、ランプソケットの少なくとも一部はナイロン4,6から作られる、自動車のランプアセンブリが提供される。
【0009】
この発明のさらに他の局面に従って、ソケットアセンブリのガス抜けを制限することが望ましいか必要である適用例において、交換可能な白熱電球または他の高温光源とともに用いられ得るランプソケットアセンブリが提供される。ソケットアセンブリは、ナイロン4,6プラスチックを備える高温プラスチックソケットボディを備える。白熱電球または他の高温光源は、ガラスエンベロープと、エンベロープ内の発光要素と、エンベロープ内の発光要素を支持する複数のリード線と、エンベロープの圧力封止端の上に取付けられた高温プラスチックスリーブとを有する。スリーブ材料は、ソルベイアドバンストポリマーズ株式会社(Solvay Advanced Polymers)からAMODEL(商標)という商標で製造および販売されているナイロン4,6、PEIまたはPPAなどの、ガス抜けが減少する傾向にある高温プラスチックを備え得る。ある一定の電球適用例では、電球の圧力封止端およびプラスチックスリーブを、リード線に電気的に接続され、かつソケットアセンブリの電気端子と電気的に接続するためにベースから出て延在するように適合された端子を有する成形プラスチックベースと取替えてもよい。ベースは、ナイロン4,6、PEIまたはPPAなどの、ガス抜けが減少する傾向にある高温プラスチックから形成され得る。
【0010】
本発明の好ましい例示的な実施例を添付の図面とともに以下に説明する。同様の参照番号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明に従って構築された外部車両ランプアセンブリの側面図であり、アセンブリの一部を断面で示す図である。
【図2】図1のランプソケットのうちの1つの断面図である。
【図3】この発明のランプソケットの代替的な実施例の断面図である。
【図4】本発明に従って構築された白熱電球の側面図である。
【図5】ソケットアセンブリハウジングの上面図である。
【図6】図5の線6−6でとられたハウジングの断面図である。
【図7】ソケットアセンブリボディの上面図である。
【図8】図7の線8−8でとられたボディの断面図である。
【図9】線9−9でとられた図7のボディの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
好ましい実施例の詳細な説明
以下に説明され添付の図面で示される実施例では、電球くさびベース上で用いられるランプソケットボディおよびスリーブは、現在業界で用いられている先行技術のプラスチック材料の少なくともいくつかと比較してガス抜けが減少することがわかったナイロン4,6から作られる。本願発明者の研究により、ポリアミド(PA)Noryl GTX 810プラスチ
ックランプソケットから作られるランプソケットの稼動中の通常使用の際のガス抜けは主
に、ソケット内で用いられる透明の白熱電球から放射されるUV光に起因するプラスチック材料の光酸化による劣化の結果であることが判明した。ナイロン4,6ソケットアセンブリ、特にこの材料から形成されるソケットボディを有するソケットアセンブリを用いると、ランプソケットアセンブリのガス抜けがその意図される環境で用いられた際に大幅に減少する。これは、以下に説明されるように、ソケットガス抜けの減少、機械的強度および寸法安定性を含む、改良された熱的安定性を提供するナイロン4,6の化学的および物理的特徴によるものである。
【0013】
図1は、ブレーキをかけ、曲がる合図を出し、バックするために、別個の後方方向の明かりを提供するための後方車両照明に用いられ得るような外部車両ランプアセンブリ10を示す。アセンブリ10は共通の後板12を含み、一体の部品として形成される3つの反射器13〜15がこれに装着され、3つの反射器区分13〜15の各々は、それぞれのレンズ16〜18で覆われ、それぞれのランプソケット19〜21が配置される中央の開口部を有する。各ランプソケットは共通の後板12に独立して装着され、各々は、白熱電球22〜24、または白熱電球と同様の動作温度範囲、たとえば200〜450°Fを有する他の公知の光源を含むか、または動作可能に受け得る。ランプアセンブリ10は、複数のランプソケット19〜21および反射器区分13〜15、または単一のランプソケットおよび反射器区分を、いずれかの組合せで備え得る。図1のランプアセンブリ10はそのようなアセンブリの例に過ぎず、当業者によって認識され得るように、これらの要素の多くの他の構成または実施例が可能である。
【0014】
図2は、ランプソケット19の1つおよびその関連の電球22のさらなる詳細を示す。同図に示されるように、ランプソケット19は実際は、ソケットハウジング30と、ハウジング内に装着されたソケットボディ32と、電球22に電力を与えるためのボディ32内の電気コンタクト34のセットと、コンタクト34に電気的に接続されて後板12からコンタクト34に電力を与える端子36の対応するセット(断面図では1つしか示されていない)とから形成されるソケットアセンブリである。ソケットボディ32は電球22と接触しており、したがって、200〜450°Fの間の温度を含み得る、電球22のアセンブリ10の動作に関連して最も高い動作温度に晒される。ソケットハウジング30はソケットボディ32を収容し、電球22または他の光源と一般に直接接触しておらず、したがってソケットボディ32より若干低い温度に晒される。温度差の程度は、ソケットボディの壁の厚み、用いられるプラスチックの熱伝導率、ランプキャビティのサイズ、および電球22からのハウジング30への温度降下に影響を及ぼす他の要因などの、設計のさまざまな局面に依存する。電球22は圧力封止端40を有する白熱電球または他の同様の光源であり、圧力封止端40は、凹状チャネルを有するプラスチックスリーブ42を含み、この凹状チャネルにより、電球をランプソケット19内で所定の位置に弾性的に保持することができる。電球22についての好適な電球およびスリーブ設計が、ホルマン等(Holman et al.)に対する米国特許第5,186,669号およびボーデム ジュニア(Bodem, Jr.)に対する第5,486,991号に開示されており、これらの完全な開示内容は
引用により本明細書中で援用されている。好適な既存のGT−8電球は、フェデラル−モーグル コーポレイション(Federal-Mogul Corporation)のワグナー照明部門(Wagner Lighting division)からも市販されている。
【0015】
電球22は、ソケット19のボディ32内の開口部50内に装着される。その開口部50内には、電気コンタクト34、および1対の対向する可撓性保持部材、またはフィンガー52が配置される。これらのフィンガーは各々が白熱電球22の圧力封止端においてスリーブ42と係合し、これによって電球を開口部50内に保持する。これは、各保持フィンガー52に、対向するフィンガーに面し、かつ電球22が開口部に挿入されるとスリーブ42上の対応する凹状チャネルにパチンと嵌まる突起部を設けることによって、示されるように達成される。フィンガー52は可撓性なので、電球はソケットの一体化した部分
ではなく、電球に十分な上向きの力をかけてフィンガーを外側に曲げ、電球の圧力封止端が上昇してソケット19から出ることを可能にすることによって着脱可能および交換可能である。したがって、アセンブリ10は電球22を含んでもよいし、または電球22がアセンブリ10の非組立部分としてもしくは完全に別個の部品として設けられるように電球22なしで設けられてもよい。ソケット19およびコンタクト34の多くの他の構成および実施例が可能であり、本発明の範囲内である。
【0016】
電気コンタクト34はボディ32内に配置され、端子36はハウジング30内に配置されるので、コンタクトおよび端子は、ハウジングとボディとの界面でともに接続する別個の部品である。しかし、各コンタクトは端子と関連付けられ、コンタクトが別個の部品ではなく端子の一体の延長部であるソケットアセンブリ10の他の実施例も用いられ得る。端子は後板12上の対応するパッドと結合するように設計されているので、単一のコネクタ56を用いてすべての3つのソケット19〜21に電力を供給することができる。
【0017】
ソケットアセンブリ10全般、ならびに特にソケット19〜21および後板12のより完全な説明が、フォリッシュ(Forish)に対する米国特許第5,536,174号に含まれており、この完全な開示内容は引用により本明細書中で援用されている。フォリッシュ等(Forish et al.)に対する米国特許第6,139,334号も、この発明の範囲から
逸脱することなく好適に用いられ得る代替的な後板およびソケットアセンブリを開示しており、この特許の完全な開示内容も引用により本明細書中で援用されている。また、ハウジングおよびハウジングに一体化して取付けられたボディの両方を有する2部分からなるソケットアセンブリを用いるのではなく、ボディの特徴をも組込んだ単一の一体ハウジングを用いてもよい。一体のソケットハウジング構成では、二個取成形、二段成形、インサート成形または同様のプラスチック成形技術を用いて、2部分からなる成形製品として、ボディ特徴がナイロン4,6で形成され得、ハウジングの残りの部分が、ナイロン6もしくはナイロン6,6、またはその混合物もしくは共重合体などのさまざまな他のポリアミドを含む、より低温のプラスチックで形成され得る。
【0018】
図3は、共通の後板12が用いられない適用例において用いられ得る、この発明のランプソケットアセンブリ58の代替的な実施例を示す。図2の実施例と同様に、図3のソケットアセンブリ58は、ハウジング60およびフィンガー64を有するボディ62、ならびに電気コンタクト66および端子68を含むが、ハウジング60の一体部分として端子を囲むコネクタ70も含む。そのようなソケットアセンブリ58は、1つよりも多いソケットをも組込み得る。ランプソケットアセンブリ58および付加的なソケット実施例のより完全な説明が、フォリッシュ等(Forish et al.)に対する米国特許第5,035,6
43号に含まれており、この完全な開示内容は引用により本明細書中で援用されている。
【0019】
本発明の1つの局面に従って、ランプソケットアセンブリ19〜21および60はナイロン4,6を用いて作られる。ハウジング30、60およびボディ32、62の両方がナイロン4,6から作られ得るが、両方がそうである必要はなく、たとえばボディ32、62のみがナイロン4,6から作られるソケットアセンブリを構築してもよい。ランプアセンブリ10の好ましい実施例では、ボディ32、62がナイロン4,6から形成されて、ガス抜けの減少、熱的および機械的安定性に関して本明細書中で説明される利点、ならびに本明細書中で説明される他の利点を得る。より低い動作温度に晒されるハウジング30、60は異なるプラスチック、特にガス抜けに関して性能が低いプラスチックから形成され、好適なプラスチックの例はNoryl GTX 810である。ガス抜け性能はナイロン4,6よ
り劣るが、依然としてハウジング30、60内の使用に好適な他のプラスチックは、ナイロン6およびナイロン6,6、ならびにその混合物および共重合体などの、混合物および共重合体を含むすべての態様のポリアミドを含むと考えられる。他のエンジニアリングプラスチックも、機械的接合もしくは他の物理的取付手段、または同時成形(co-molding)
の場合のような化学結合のいずれかによってボディ32、62に動作可能に取付けられ得る限りは、ハウジング30、60内の使用に好適であり得る。ガラス入りのポリアミド・ポリフェニレンオキシド(PA−PPO)共重合体(Noryl GTX 810)の場合、ボディ3
2、62は超音波溶接を用いてハウジング30、60に取付けられた。ハウジング30、60の溶接は図5〜図9を参照して理解され得る。
【0020】
ここで図5および図6を参照して、ハウジング30がそれぞれ上面図および断面図で図示される。ハウジング30、60は、ほぼ円筒形状であり、かつボディ32、62のコンタクト挿入部226を受ける中央のソケットキャビティ225を含む。ハウジング30、60は、径方向に内側にキャビティ225内に突き出し、かつ組立時にボディ32、62をハウジング30、60に対して適切に向けるために用いられるキー240を含む。ハウジング30、60はさらに、キャビティ225内に開口し、かつキャビティ225を規定するハウジング30、60の放射状の壁245内にハウジング内に形成される3つの凹部242、243、244を含む。凹部242、243、244はそれぞれ、接地、主および副電気回路コンタクトとして採用される端子36を収納する。コンタクト挿入部226をキャビティ225内に適切に配置するため、1対のコンタクト挿入キー247もキャビティ225内に設けられる。ハウジング30、60内のアーチ形のキャビティ249により一定の壁の厚みが確実に維持され、これによりハウジング30、60の剛性または動作を損なうことなくハウジング30、60のプラスチック消費を減らすことができる。
【0021】
好ましくはソケットキャビティ225の底壁250の上部の内部表面上に、複数のエネルギ導波器またはリブ252が設けられる。三角形に構成された上面を含むエネルギ導波器252は、キャビティ225内でキャビティの底壁250から軸方向に上向きに延在する。示されるようなエネルギ導波器252により、音波溶接による取付けが採用された際に確実にボディ32、62がハウジング30、60に適切に固定される。ボディ32、62は図7〜図9においてより特定的に示される。図2および図6において一番よく分かるように、ハウジング30、60から軸方向に下向きにフランジ254が突き出しており、これは、ランプソケットアセンブリ201の挿入および抜き取りの際にランプソケットアセンブリ201を回転させるためのグリップとして用いられ得る。
【0022】
ボディ32、62は図7〜図9においてより特定的に示される。ボディ32、62の外部表面は、放射状に突き出したロッキング突起256aおよび256bを含む。後板アセンブリ12内の結合するキー締めされた開口の構成に対応する角度の向きにボディ32、62の周りで位置決めされたロッキング突起256を用いて、ランプソケットアセンブリ19、20、21を後板アセンブリ12に設置してロックする。突起256はハウジング30、60の軸方向の突出によって形成され得ることが認識されるであろう。さらに、カム突起が好ましいが、一方の部分の弾性フィンガーを用いて他方の部分の相補の溝と係合するなどの、アセンブリ19、20、21を後板アセンブリ12に設置するための他の手段が本発明の範囲内である。ロッキング突起256aおよび256bは、ソケットアセンブリ12が後板アセンブリ12に固定される際に不適切に挿入されることがあり得ないようにキー締めされる。各ロッキング突起256aおよび256bはカム表面258を含み、ロッキング突起256bは、上部ボディパネルの露出部分と当接するための下向きに延在する停止肩部をその後端に含み得る。カム表面258は、組立てられたランプソケットアセンブリを挿入する際に、後板アセンブリ12の上部パネルの上面上をカム動作する。この挿入の際に、ランプソケットアセンブリ19、20および21、特にぴったりと嵌合する軸方向の封止材31が、装着フランジ35がスリーブ33のうちの1つの底部端縁に接触するようにスリーブ33内に引込まれる。このようにして、後板アセンブリ12が、突起256の底面と装着フランジ35の頂部の環状表面との間に捕捉される。停止肩部260は、端子がそれぞれコンタクトパッドに合わされてコンタクトパッドに触れるように、ランプソケットアセンブリ19、20、21の回転挿入を適切な回転の向きで確かに停
止させる。
【0023】
ボディ32、62は、側壁肩部270によって規定される1対の直径方向に対向する案内スロット269をも含む。案内スロット269は、その下部端において1対の停止リブ272によって境界をつけられる。案内スロット269およびリブ272は、ランプベース217に相補的に構造化される。ランプベース47は、スロット269内で摺動し、かつランプ22の装着部分内のリブ272に当接する放射状の突起部をいずれの端面にも含む(図示せず)。案内スロット269は、ランプベース47を整列させ、2フィラメントランプ22が確実に挿入されているように作用する。これは、他の適用例において典型的に用いられる1フィラメントランプが案内スロット269に嵌合しないためである。経路262を通してランプ22を挿入する際、リブ272はランプ22がボディ32、62に挿入され過ぎるのを防ぐ。ボディ32、62は、ボディの外部表面内に形成されるキースロット274をも含む。キースロット274は、図5に示されるような中央のソケットキャビティ225内に配置されたキー240と協働し、ボディ32、62をベース30、60に組立てる際にボディ32、62を適切に向ける。図9に示されるようなスロット276がボディ32、62の底部に設けられ、コンタクト挿入部226をハウジング212およびボディ214に組立てる際にコンタクト挿入部226を収納する。溶接リブ278がボディ214の底面上に設けられ、ボディ214がハウジング212に溶接される際にエネルギ導波器252と協働する。溶接リブ278は、隣接するリブ間に規定される空隙または間隔が、端子233〜235を受けるキャビティとして作用するように構成される。
【0024】
ハウジング30、60、ボディ32、62、コンタクト34および端子36の組立後、アセンブリは、ハウジング212の底部250に適用される音波溶接または他の好適な溶接技術を受ける。直立した三角形のリブをその上部に有するエネルギ導波器252を設けることにより、音波溶接プロセスによって印加されるエネルギを適切に案内して、三角形のリブ部分を融解し、ボディ32、62をハウジング30、60に固定することができる。エネルギ導波器252はキャビティ225およびボディ32、62に対して軸方向に向いているため、ボディおよびハウジングがともに溶接されてエネルギ導波器252が融解すると、ボディ32、62はキャビティ225にさらに入ることになる。音波溶接は、突起256の底面と装着フランジ224の上面との距離が所定の限界内になると停止することになる。軸方向のエネルギ導波器252を適切に設計することにより、音波溶接の強度および均一性は許容範囲内に収まることになる。音波溶接の完了後、軸方向の封止材31が設置され、ランプ22がパチンと嵌められて保持フィンガー264と係合する。ランプソケットアセンブリ10の組立が完了する。
【0025】
ランプソケットをナイロン4,6で形成するのに加え、または形成する代わりに、ランプアセンブリ10内の他のプラスチック部品をこの材料で形成してもよい。好ましくは、白熱電球から放射されるUV光に晒されるそれらの部品のすべて、特にボディ32、62などのより高い熱レベルに晒される部品はナイロン4,6から形成される。たとえば、反射器13〜15もナイロン4,6から形成され得る。代替的に、それらはたとえばより一般的に用いられるプラスチックから形成され得、次に金属化され得、これにより、可視光反射率が改良されるのに加えてガス抜けが減少する。
【0026】
ここで図4を参照して、白熱電球22がより詳細に示される。電球22は、その圧力封止端40で閉じられた透明のガラスバルブエンベロープ39を含む。バルブエンベロープ39内には、圧力封止端40を通って電球の表面上の露出場所に延在するリード線43によって支持される、1対のフィラメント41がある。プラスチックスリーブ42は圧力封止端40の上に嵌合され、リード線の端子端を覆う。本発明の他の局面に従って、プラスチックスリーブ42はナイロン4,6から作られる。PEIおよびPPAなどの、ガス抜けが減少する他のプラスチックを用いてもよい。電球23および24は電球22と同一の
態様で構築され得る。さらに、いくつかの電球22の構成においては、電球22の圧力封止端40およびプラスチックスリーブ42を、リード線43の端子端に取付けられ、かつソケットアセンブリに動作可能に電気的に接続されるように外側に延在する端子を内部に有する円筒形のプラスチックベースなどの、成形プラスチックベース(図示せず)と取替えてもよい。このプラスチックベースもナイロン4,6、PEIまたはPPAから形成され得る。
【0027】
上述の実施例では、ナイロン4,6は、Koninklijke DSM N.V.(http://www.dsm.com/en)から入手可能な、Stanyl(商標)という商標で市販されている種類のものである。こ
の高結晶形態のポリアミド(ナイロン)は、ナイロン6,6およびナイロン6などの非結晶組織を有するものとは違っている。この理由は、ナイロン4,6が高結晶ポリマー構造を有し、ガラス転移温度(TG)が比較的低く、融解温度(TM)および熱たわみ温度(HDT)が比較的高いためである。ナイロン4,6および他のナイロンはかなりの量の水を吸収し、これは次に、材料の靭性を増大させつつ剛直性および強度を減少させることによって材料の機械特性に影響を及ぼす。しかし、ナイロン4,6は、TGが比較的低いために異なる。ガラス転移温度は、材料がより結晶性の分子構造からより非結晶性の構造に移る際に発生する。非結晶構造内では、ポリマー分子がより容易に移動することができ、したがって材料の剛性はより低い。ソケットボディ32、62の動作温度(200F〜450°Fのどこか)のため、この範囲内のTGは、機械特性の機械的に最も重要な点で機械特性に影響を及ぼすことになる。ナイロン4,6のTGはより低く、この動作範囲外である。ソケットアセンブリの動作中、TGにおける機械特性の変化は光ソケットの機能にさらなる悪影響を及ぼさない。吸収された水は、一旦プラスチックが100℃よりも高い温度になると追い出される。吸収された水分はしたがって存在せず、動作温度範囲にわたって機械特性に影響を及ぼさない。ナイロン4,6の高結晶構造のため、アミノ結合を破壊してガス抜けプロセスを開始する加水分解劣化を生じることなく、ポリマーから水が追い出される。ナイロン4,6は、これらの独自の特徴により、光ソケット適用例に特に好適となる。
【0028】
したがって、1つまたはそれ以上の部品が本明細書中で述べられた目標および利点を達成するUV安定化プラスチックから形成されるランプソケットアセンブリがこの発明に従って提供されたことが明らかとなるであろう。上記の説明は本発明の好ましい例示的な実施例についてのものであり、本発明は示される特定の実施例に限定されないことがもちろん理解されるであろう。さまざまな変更および修正が当業者に明らかになるであろう。すべてのそのような変形および修正は添付の請求項の範囲内に入ると意図される。
【符号の説明】
【0029】
10 アセンブリ、12 後板、13〜15 反射器、16〜18 レンズ、19〜21 ランプソケット、22〜24 白熱電球。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプソケットアセンブリであって、
光源の圧力封止端を受けるための開口部を有するソケットと、
前記開口部内に配置された複数の電気コンタクトと、
複数の端子とを備え、前記複数の端子の各々は前記コンタクトの1つに電気的に接続され、
前記ソケットは、前記光源から放射されたUV光に曝されるものであって、ナイロン4,6を備える、ランプソケットアセンブリ。
【請求項2】
前記ソケットは、
ハウジングと、
前記ハウジングに一体化して取付けられ、かつ前記光源を受けるように適合された別個のボディとを備え、前記ボディはナイロン4,6を備える、請求項1に記載のランプソケットアセンブリ。
【請求項3】
前記ハウジングはポリアミドを備える、請求項2に記載のランプソケットアセンブリ。
【請求項4】
前記ハウジングは、ナイロン6、ナイロン6,6およびナイロン4,6からなる群から選ばれるポリアミドを備える、請求項3に記載のランプソケットアセンブリ。
【請求項5】
前記ハウジングは、ポリアミドとポリフェニレンオキシドとの共重合体混合物を備える、請求項3に記載のランプソケットアセンブリ。
【請求項6】
前記ハウジングおよび前記ボディは超音波溶接によって一体化して取付けられる、請求項2に記載のランプソケットアセンブリ。
【請求項7】
前記光源は白熱ランプである、請求項1に記載のランプソケットアセンブリ。
【請求項8】
電球であって、
内部空間および封止端を有するガラスエンベロープと、
前記内部空間に含まれる発光要素と、
前記内部空間内の前記発光要素を少なくとも部分的に支持する複数のリード線とを備え、前記リード線は、前記内部空間から前記ガラスエンベロープを通って前記封止端における露出場所に延在しており、前記電球はさらに
前記封止端において前記ガラスエンベロープに取付けられたスリーブを備え、前記スリーブは、内部経路を含むベース部分を有し、前記スリーブは、前記封止端が前記内部経路を通って延在するように前記封止端上に配置されており、
前記スリーブは、前記発光要素から放射されたUV光に曝されるものであって、ナイロン4,6を備える、電球。
【請求項9】
自動車のランプソケットアセンブリであって、
ランプソケットと、
前記ランプソケット内に着脱可能に装着された白熱電球と、
前記白熱電球の周りに少なくとも部分的に延在する反射器と、
レンズとを備え、
前記ランプソケットは、前記白熱電球から放射されたUV光に曝されるものであって、ナイロン4,6を備える、自動車のランプソケットアセンブリ。
【請求項10】
前記ランプソケット内の開口部内に配置された複数の電気コンタクトと、
複数の端子とをさらに備え、前記複数の端子の各々は前記コンタクトの1つに電気的に接続され、
前記ソケットは、白熱電球と係合することによって前記開口部内に前記白熱電球を保持するための、前記開口部に配置された少なくとも1つの可撓性保持部材を含む、請求項9に記載の自動車のランプソケットアセンブリ。
【請求項11】
前記白熱電球は、前記保持部材と接触しているプラスチックスリーブを有する圧力封止端を含み、前記プラスチックスリーブは、ナイロン4,6、PEIおよびPPAからなる群からの部材を備える、請求項9に記載の自動車のランプソケットアセンブリ。
【請求項12】
前記白熱電球は、ナイロン4,6、PEIおよびPPAからなる群からの部材を有して備える成形プラスチックベースを含む、請求項9に記載の自動車のランプソケットアセンブリ。
【請求項13】
ともに組立てられた多数の部品を備える自動車のランプソケットアセンブリであって、前記部品は
ランプソケットと、
通電されると可視光およびUV光を生成する電球とを含み、前記電球は前記ランプソケット内に装着されており、前記部品はさらに
前記電球の周りに少なくとも部分的に延在する反射器と、
レンズとを含み、
前記部品の少なくとも1つは、前記電球から放射されたUV光に曝されるものであって、ナイロン4,6から作られる、自動車のランプソケットアセンブリ。
【請求項14】
前記部品は前記ソケットであり、前記ソケットは、
ハウジングと、
前記ハウジングに一体化して取付けられ、かつ光源を受けるように適合された別個のボディとを備え、前記ボディはナイロン4,6を備える、請求項13に記載の自動車のランプソケットアセンブリ。
【請求項15】
前記ハウジングはポリアミドを備える、請求項14に記載の自動車のランプソケットア
センブリ。
【請求項16】
前記ハウジングは、ナイロン6、ナイロン6,6およびナイロン4,6からなる群から選ばれるポリアミドを備える、請求項15に記載の自動車のランプアソケットセンブリ。
【請求項17】
前記ハウジングは、ポリアミドとポリフェニレンオキシドとの共重合体混合物を備える、請求項15に記載の自動車のランプソケットアセンブリ。
【請求項18】
前記ハウジングおよび前記ボディは超音波溶接によって一体化して取付けられる、請求項14に記載の自動車のランプソケットアセンブリ。
【請求項19】
光源は白熱ランプである、請求項13に記載の自動車のランプソケットアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−216558(P2012−216558A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−143000(P2012−143000)
【出願日】平成24年6月26日(2012.6.26)
【分割の表示】特願2008−541501(P2008−541501)の分割
【原出願日】平成18年11月18日(2006.11.18)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】