説明

ランプ装置

【課題】ランプの光軸調整を簡単に行うことができるランプ装置を提供する。
【解決手段】ランプ2は、ランプ2における第1の軸Yの一方側に設けられ第1の軸Yと第2の軸Xとの交点を支点として回動自在にランプボディ1に支持された第1支持部と、ランプ2における第1の軸Yの他方側に設けられた第2支持部2cとを有する。そして、第1エイミングボルト41は、ランプ2の連結支持部2eに間接的に回動自在に連結され、第1の軸Yとねじれの位置関係で且つ第2の軸Xと交わる第1駆動軸線(即ち第1アクチュエータ3の第1出力軸21の中心軸線L3)に沿って前記連結支持部を移動させる。また、第2エイミングボルト42は、第2支持部2cに間接的に回動自在に連結され、第2の軸Xとねじれの位置関係で且つ第1の軸Yと交わる第2駆動軸線(即ち第2アクチュエータ4の第2出力軸22の中心軸線L4)に沿って第2支持部2cを移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照射する光の向きを調節可能なランプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のヘッドライトに用いられるランプ装置は、前方を走行する先行車及び対向車の運転者が、該ランプ装置を備えた車両のヘッドライトの光によって幻惑されることを防止するために、車両ごとに光軸調整(エイミング)を行う必要がある。また、近年のランプ装置には、車両の走行状況に応じてランプの照射方向を変化させるものもある。
【0003】
例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されたランプ装置では、ランプは、支持体に対して支持されるブラケットに吊下されるとともに、ランプの下端部は、同ランプの下方に配置されたアクチュエータの出力軸に連結されている。また、ブラケットには、正面から見て左右の各上部にエイミングナットが一体的に取着されている。そして、左上のエイミングナット及び右上のエイミングナットには、支持体に軸転可能に支持されたエイミングスクリュがそれぞれ螺合されている。また、ブラケットにおいて右上のエイミングナットの下方となる部位にはレベリング軸受が設けられるとともに、該レベリング軸受にはレベリング機構のレベリングポールが連結されている。
【0004】
そして、特許文献1及び特許文献2のランプ装置では、左上のエイミングナットに螺合されたエイミングスクリュを転動操作することにより、右上のエイミングナットとレベリング軸受とを結ぶ線を中心にしてブラケットが水平方向に回動され、これにより、ランプの水平方向の光軸調整がなされる。一方、2つのエイミングスクリュを同時に転動操作することにより、レベリング軸受を支点としてブラケットが水平方向と直交する上下方向に回動され、これにより、ランプの上下方向の光軸調整がなされる。また、車両の走行時には、車両の走行状況に応じてアクチュエータが駆動されることにより、鉛直方向に延びるアクチュエータの出力軸の軸線(第1の軸)を中心としてランプが支持体に対して水平方向に回動(第1駆動)される。その結果、車両の走行状況に応じてランプの照射方向が水平方向に変化されて調整される。また、レベリング機構が駆動されてレベリングポールが前後方向に移動されることにより、2つのエイミングナットを結ぶ直線(第2の軸)を中心としてランプが支持体に対して鉛直方向に回動(第2駆動)される。その結果、車両の走行状況に応じてランプの照射方向が鉛直方向に変化されて調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−98851号公報
【特許文献2】特開2005−186731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のランプ装置では、上下方向にランプの光軸調整を行う場合、2つのエイミングスクリュを同時に転動操作しなければならないため、ランプの上下方向の光軸調整を簡単に行えないという問題があった。また、ランプが吊下されたブラケットを回動させてランプの光軸調整を行うため、支持体に対してランプの位置が一定に維持されるところ、即ち支持体に対するランプの基準位置が無い。従って、ランプの光軸調整が更に困難なものとなっていた。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ランプの光軸調整を簡単に行うことができるランプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、支持体に対して、ランプを第1の軸中心で回動させる第1駆動可能で、且つ、前記ランプを前記第1の軸と直交する第2の軸中心で回動させる第2駆動可能なランプ装置であって、前記ランプは、前記ランプにおける前記第1の軸の一方側に設けられ前記第1の軸と前記第2の軸との交点を支点として回動自在に前記支持体に支持された第1支持部と、前記ランプにおける前記第1の軸の他方側に設けられた第2支持部と、連結支持部とを有し、前記連結支持部に直接又は間接的に回動自在に連結され、前記第1の軸とねじれの位置関係で且つ前記第2の軸と交わる第1駆動軸線に沿って前記連結支持部を移動させる第1エイミング機構と、前記第2支持部に直接又は間接的に回動自在に連結され、前記第2の軸とねじれの位置関係で且つ前記第1の軸と交わる第2駆動軸線に沿って前記第2支持部を移動させる第2エイミング機構と、を備えたことをその要旨としている。
【0009】
同構成によれば、ランプは、第1の軸と第2の軸との交点を支点として回動自在に支持体にて支持されている。従って、第1エイミング機構によって、第1の軸とねじれの位置関係で且つ第2の軸と交わる第1駆動軸線に沿って連結支持部が移動されると、連結支持部の移動に伴ってランプは第1の軸中心に回動される。これにより、第2の軸方向のランプの光軸調整を行うことができる。また、第2エイミング機構が、第2の軸とねじれの位置関係で且つ第1の軸と交わる第2駆動軸線に沿って第2支持部を移動させると、第2支持部の移動に伴ってランプは第2の軸中心に回動される。これにより、第1の軸方向のランプの光軸調整を行うことができる。従って、第1の軸方向に光軸調整を行う場合及び第2の軸方向に光軸調整を行う場合の何れの場合においても、第1エイミング機構若しくは第2エイミング機構の1つのエイミング機構をそれぞれ作動させればよいため、同時に2つのエイミング機構を作動させなくてもよい。よって、ランプの光軸調整を簡単に行うことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のランプ装置において、自身の直線駆動力を前記第1駆動軸線方向に伝達可能に前記連結支持部に連結された第1出力部、及び前記第1出力部を前記第1駆動軸線方向に直線駆動するための第1の駆動源を有する第1駆動手段と、自身の直線駆動力を前記第2駆動軸線方向に伝達可能に前記第2支持部に連結された第2出力部、及び前記第2出力部を記第2駆動軸線方向に直線駆動するための第2の駆動源を有する第2駆動手段と、を備え、前記第1エイミング機構は、前記第1駆動手段を介して前記連結支持部に連結され前記第1駆動手段ごと前記連結支持部を前記第1駆動軸線方向に移動させ、前記第2エイミング機構は、前記第2駆動手段を介して前記第2支持部に連結され前記第2駆動手段ごと前記第2支持部を前記第2駆動軸線方向に移動させることをその要旨としている。
【0011】
同構成によれば、第1駆動手段において第1の駆動源が駆動されると、第1出力部によって連結支持部が第1駆動軸線方向に直線的に移動される。すると、連結支持部の移動に伴ってランプは第1の軸中心に回動される(即ち第1駆動される)ことから、第2の軸方向にランプの光の照射方向が調整される。一方、第2駆動手段において第2の駆動源が駆動されると、第2出力部によって第2支持部が第2駆動軸線方向に直線的に移動される。すると、第2支持部の移動に伴ってランプは第2の軸中心に回動される(即ち第2駆動される)ことから、第1の軸方向にランプの光の照射方向が調整される。従って、第1の軸方向及び第2の軸方向のランプの光の照射方向の調整を容易に行うことができる。また、第1エイミング機構は、第1駆動手段ごと連結支持部を第1駆動軸線方向に移動させるため、第1エイミング機構によって第2の軸方向にランプの光軸調整を行う場合と、第1駆動手段によって第2の軸方向にランプの光の照射方向を調整する場合との両方の場合においてランプは第1の軸中心に回動される。そして、第2エイミング機構は、第2駆動手段ごと第2支持部を第2駆動軸線方向に移動させるため、第2エイミング機構によって第1の軸方向にランプの光軸調整を行う場合と、第2駆動手段によって第1の軸方向にランプの光の照射方向を調整する場合との両方の場合においてランプは第2の軸中心に回動される。このように、ランプの光軸調整を行う場合にランプを回動させる軸(即ち第1の軸及び第2の軸)が、ランプの光の照射方向を調整する場合にランプを回動させる軸(即ち第1の軸及び第2の軸)と同じであるため、ランプの光の照射方向の調整だけでなくランプの光軸調整をも容易に行うことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のランプ装置において、前記第1駆動手段は、前記支持体に固定され前記第1駆動手段の前記第1駆動軸線方向の移動を案内する第1保持ケースによって保持されて前記支持体の内部に配置されるとともに、前記第1出力部が前記第1駆動軸線方向に伸びる棒状をなし、前記第2駆動手段は、前記支持体に固定され前記第2駆動手段の前記第2駆動軸線方向の移動を案内する第2保持ケースによって保持されて前記支持体の内部に配置されるとともに、前記第2出力部が前記第2駆動軸線方向に伸びる棒状をなし、前記第1エイミング機構は、前記第1出力部と同軸上に配置されるとともに前記第1保持ケースによって前記第1駆動軸線方向に移動不能且つ自身の中心軸線を中心に回転可能に保持されて前記第1駆動手段に螺合される第1エイミングボルトであり、前記第2エイミング機構は、前記第2出力部と同軸上に配置されるとともに前記第2保持ケースによって前記第2駆動軸線方向に移動不能且つ自身の中心軸線を中心に回転可能に保持されて前記第2駆動手段に螺合される第2エイミングボルトであることをその要旨としている。
【0013】
同構成によれば、第1駆動手段及び第2駆動手段は、支持体の内部に配置されるため、第1駆動手段及び第2駆動手段に雨水等の液体がかかりにくい。そのため、第1駆動手段及び第2駆動手段に厳密な防水構造を設けなくてもよい。例えば、第1駆動手段及び第2駆動手段において、電源を供給するための給電コネクタが接続されるコネクタ部に防水構造を設けなくてもよい。従って、第1駆動手段及び第2駆動手段にかかるコストを低減することができる。また、第1エイミング機構である第1エイミングボルトは第1駆動手段に螺合されているため、第1エイミングボルトを作動させることにより、第1駆動手段を第1駆動軸線方向に移動させて、ランプを第1の軸中心に回動させることができる。同様に、第2エイミング機構である第2エイミングボルトは第2駆動手段に螺合されているため、第2エイミングボルトを作動させることにより、第2駆動手段を第2駆動軸線方向に移動させて、ランプを第2の軸中心に回動させることができる。従って、従来のように支持体に対して支持されたブラケット等の部品を省略することができるため、ランプ装置の構造を簡素化することができる。その結果、ランプ装置にかかるコストを低減することができる。
【0014】
更に、第1エイミングボルトは第1出力部と同軸上に配置されているため、第1エイミングボルトを回転させたときに、第1出力部を介して連結支持部に第1エイミングボルトからの第1駆動軸線方向の力を円滑に伝達することができる。同様に、第2エイミングボルトは第2出力部と同軸上に配置されているため、第2エイミングボルトを回転させたときに、第2出力部を介して第2支持部に第2エイミングボルトからの第2駆動軸線方向の力を円滑に伝達することができる。また、第1駆動手段は、支持体に固定された第1保持ケースによって第1駆動軸線方向の移動が案内されるため、第1エイミングボルトの回転によって第1駆動軸線方向に移動されるときに安定して移動することができる。同様に、第2駆動手段は、支持体に固定された第2保持ケースによって第2駆動軸線方向の移動が案内されるため、第2エイミングボルトの回転によって第2駆動軸線方向に移動されるときに安定して移動することができる。これらのことから、ランプの光軸調整をより円滑に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ランプの光軸調整を簡単に行うことが可能なランプ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ランプ装置を水平方向の側方から見た模式図。
【図2】ランプ装置を後方から見た模式図。
【図3】ランプ装置の斜視図。
【図4】アクチュエータの概略図。
【図5】固定装置に収容されたアクチュエータの斜視図。
【図6】固定装置の分解斜視図。
【図7】ランプ装置の部分拡大斜視図。
【図8】ランプ装置の部分拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、ランプ装置は、支持体としての車両のランプボディ1に対して支持されるランプ2と、第1及び第2アクチュエータ3,4とを備えている。尚、図1は、車両に搭載されたランプ装置を水平方向の側方(車両の走行方向に対して右側)から見た模式図であり、図2は、同ランプ装置を後方(車両の後方側)から見た模式図である。
【0018】
ランプボディ1は、ランプ2の後方側に配置される背面部1aを有するとともに、該背面部1aから支柱1bが前方に向かって延びている。また、ランプボディ1は、支柱1bよりも下方で背面部1aから前方に延び上下方向と直交する平板状をなす支持板1cを有する。図3に示すように、前記支柱1bの先端部には、支持部材5が固定されている。支持部材5は、支柱1bから下方に突出して設けられるとともに、前方から挿入された球体を回動自在に保持するように形成されている。
【0019】
前記ランプ2は、内部に図示しない光源を有し、該光源からの光を外部に照射するものである。ランプ2の上部中央には、上方に突出する円柱状の第1支持部2aが形成されるとともに、該第1支持部2aは、その先端部に球体状の第1球体部2bを有する。また、第1支持部2aの中心軸線は、鉛直方向に沿って延びる第1の軸Yと一致する。そして、ランプ2は、第1球体部2bが車両の前方側(図2において紙面奥側)から支持部材5に挿入されることにより支持部材5を介して支柱1bに吊下支持されている。このランプ2は、ランプボディ1に対して、第1球体部2bの中心O1を支点(回動中心)として各方向(図2中、第1の軸Y中心及び第2の軸X中心)に回動自在である。
【0020】
また、図1及び図3に示すように、ランプ2の下部中央には、下方に突出する円柱状の棒状をなす第2支持部2cが形成されるとともに、該第2支持部2cは、その先端部に前記第1球体部2bと同様の第2球体部2dを有する。尚、第2支持部2cは、その中心軸線が第1の軸Yと一致するとともに、第2球体部2dの中心O2は、前記第1球体部2bの中心O1を通る第1の軸Y上に位置する。また、ランプ2における第1支持部2aの側方(ランプ2を前方側から見て左側)には、上方に延びる連結支持部2eが一体に形成されている。連結支持部2eは、上下方向に長い略長方形の板状をなすとともに、該連結支持部2eには、車両の前後方向に貫通する連結孔2fが形成されている。連結孔2fは、前方側から見た形状が上下方向に長い長方形状をなしている。
【0021】
前記背面部1aには、第1駆動手段としての第1アクチュエータ3及び第2駆動手段としての第2アクチュエータ4が固定されている。図4に示すように、第1アクチュエータ3は、略直方体状のハウジング11内に、モータ12、減速歯車部材13、出力歯車部材14及びラック部材15等を収容して形成されている。
【0022】
ハウジング11内に収容されたモータ12の回転軸12aの先端部には、駆動歯車16が一体回転可能に固定されている。また、ハウジング11の内部において、モータ12の側方に減速歯車部材13が配置されている。減速歯車部材13は、駆動歯車16と噛合する円板状の減速大径歯車13aと、該減速大径歯車13aよりも小径の円板状をなす減速小径歯車13bとが一体に形成されてなる。そして、減速歯車部材13の径方向の中央部を第1支持軸17が貫通するとともに、該第1支持軸17はハウジング11にて軸支されている。減速歯車部材13は、この第1支持軸17を中心として回転可能である。
【0023】
また、ハウジング11の内部において、減速歯車部材13の側方に出力歯車部材14が配置されている。出力歯車部材14は、前記減速小径歯車13bと噛合する円板状の大径歯車14aと、該大径歯車14aよりも小径の円板状をなす小径歯車14bとが一体に形成されてなる。そして、出力歯車部材14の径方向の中央部を第2支持軸18が貫通するとともに、該第2支持軸18はハウジング11にて軸支されている。出力歯車部材14は、この第2支持軸18を中心として回転可能である。
【0024】
また、ハウジング11内に収容されたラック部材15は、略直方体状のラック部15aと、該ラック部15aの長手方向に沿って延びる出力部としての出力軸15bとが一体に形成されてなる。ラック部15aは、前記小径歯車14bと噛合するラック歯部15cを有する。出力軸15bは、円柱状をなし、ハウジング11の外部に突出するとともに、その先端部に球体状の球体連結部15dを有する。
【0025】
また、ハウジング11において出力軸15bが突出した側と反対側の端部には、外部から螺子を螺合可能な雌螺子穴である調整螺子穴11aが形成されている。調整螺子穴11aは、出力軸15bの直線駆動方向と同方向に沿って延びるように凹設されるとともに、その中心軸線L1が出力軸15bの中心軸線L2と同軸上に位置する(互いの中心軸線が同一直線上に位置する)。
【0026】
また、ハウジング11内には、第1アクチュエータ3を制御するための図示しない制御回路装置が収容されるとともに、該制御回路装置は、該制御回路装置に電源を供給するための外部コネクタ(図示略)が接続されるコネクタ部19を有する。このコネクタ部19は、前記出力軸15bと同方向(即ち調整螺子穴11aの開口部と反対側)にハウジング11から突出している。
【0027】
上記のように構成された第1アクチュエータ3では、コネクタ部19から電源が供給されて前記制御回路装置にてモータ12が駆動されると、モータ12の回転駆動力が、駆動歯車16から減速歯車部材13を介して出力歯車部材14へ減速されつつ伝達される。そして、出力歯車部材14の回転運動は、小径歯車14bと噛合するラック歯部15cによってラック部材15の直線運動に変換される。従って、出力歯車部材14の回転に伴ってラック部材15が直線的に移動され、これにより、出力軸15bがその中心軸線L2方向に沿って直線駆動される。
【0028】
尚、前記第2アクチュエータ4は、第1アクチュエータ3と同一の構成であるため、第1アクチュエータ3と同一の構成に同一の符号を付してその説明を省略する。また、第1アクチュエータ3のモータ12が第1の駆動源に該当し、第1アクチュエータ3の出力軸15bが第1出力部に該当する。そして、第2アクチュエータ4のモータ12が第2駆動源に該当し、第2アクチュエータ4の出力軸15bが第2出力部に該当する。また、説明を簡略化するために、以後、第1アクチュエータ3の出力軸15bを第1出力軸21、同第1出力軸21の球体連結部15dを第1球体連結部21aとするとともに、第2アクチュエータ4の出力軸15bを第2出力軸22、同第2出力軸22の球体連結部15dを第2球体連結部22aとする。更に、第1出力軸21の中心軸線L2を中心軸線L3とし、第2出力軸22の中心軸線L2を中心軸線L4とする。
【0029】
図3に示すように、第1及び第2アクチュエータ3,4は、それぞれ固定装置31を介してランプボディ1にそれぞれ固定されて保持される。図6に示すように、固定装置31は、第1アクチュエータ3(若しくは第2アクチュエータ4)が挿入される保持ケース32と、固定用の一対の固定螺子33と、保持ケース32にて支持されるエイミングボルト34とを備えている。
【0030】
保持ケース32は、第1アクチュエータ3(若しくは第2アクチュエータ4)の外形に対応した四角筒状をなす案内部32aと、該案内部32aの一端開口部を閉塞する固定板32bとから構成されている。案内部32aは、その長さ(筒状に延びる方向の長さ)が、ハウジング11における出力軸15bの中心軸線L2方向(出力軸15bの伸縮方向に同じ)の長さと略等しく形成されている。固定板32bは、案内部32aの外形よりも大きな長方形の板状をなしている。そして、固定板32bは、案内部32aの後端開口部を閉塞するように案内部32aに一体に形成されるとともに、固定板32bの外周部分は、案内部32aの後端部で案内部32aの外周面よりも外側に突出してフランジ状になっている。また、固定板32bの長手方向の両端部には、前記一対の固定螺子33が挿通される挿通孔32cを有する挿通部32dが突出形成されている。更に、固定板32bには、案内部32aに挿入されたハウジング11の調整螺子穴11a(図4参照)の開口部と対向する位置に該固定板32bを厚さ方向に貫通する調整孔32eが形成されている。
【0031】
前記調整孔32eには、エイミングボルト34が挿通される。エイミングボルト34は、略円板状の操作部34aと該操作部34aの径方向の中央部から軸方向に沿って延びる雄螺子部34bとから構成されている。操作部34aの外径は調整孔32eの内径よりも大きく形成されるとともに、雄螺子部34bの外径は調整孔32eの内径よりも若干小さく形成されている。このエイミングボルト34は、操作部34aと固定板32bとの間にOリング35が介在された状態で、その雄螺子部34bが案内部32aの内部に挿入される。尚、Oリング35は、保持ケース32の内部へ水滴が浸入することを防止するためのものである。そして、案内部32aの内側から雄螺子部34bの基端部に円環状の固定リング36が圧入され、該固定リング36と操作部34aとの間にOリング35及び固定板32bにおける調整孔32eの周縁部分が挟持される。このように固定板32bに対して組み付けられたエイミングボルト34は、固定板32bに対する雄螺子部34bの中心軸線L5方向の移動(即ち固定板32bの厚さ方向の移動)が規制される一方、固定板32bに対する中心軸線L5回りの回転が許容される。
【0032】
また、エイミングボルト34の雄螺子部34bは、案内部32aに挿入されたハウジング11の調整螺子穴11aに螺合される。図5に示すように、ハウジング11に螺合された雄螺子部34bは、その中心軸線L5が、出力軸15bの中心軸線L2と同一直線上に配置される。即ち、エイミングボルト34は出力軸15bと同軸上に配置される。そして、エイミングボルト34を回転させると、第1アクチュエータ3(若しくは第2アクチュエータ4)は、案内部32aの内周面によって案内されながら案内部32aに対して出力軸15bの中心軸線L2方向(即ち出力軸15bの直線駆動方向)に沿って移動される。尚、本実施形態では、便宜上、第1アクチュエータ3の調整螺子穴11aに螺合されるエイミングボルト34を第1エイミングボルト41とし、第2アクチュエータ4の調整螺子穴11aに螺合されるエイミングボルト34を第2エイミングボルト42とする。
【0033】
図6に示すように、案内部32aにはシール部材37が外挿されている。このシール部材37は、固定板32bにおける長方形状の部位の外周縁に沿った四角形の枠状をなすとともに、同固定板32bにおける案内部32a側の面の周縁部に密着される。
【0034】
図1に示すように、上記の固定装置31に保持された第1アクチュエータ3は、ランプボディ1の背面部1aに形成された第1取付け孔1dからランプ2側に挿入される。また、固定装置31に保持された第2アクチュエータ4は、背面部1aに形成された第2取付け孔1eからランプ2側に挿入される。尚、第1アクチュエータ3を保持した固定装置31の保持ケース32が第1保持ケースに該当し、第2アクチュエータ4を保持した固定装置31の保持ケース32が第2保持ケースに該当する。
【0035】
図2に示すように、ランプ装置を後方から見ると、背面部1aにおいて、第1取付け孔1dはランプ2の側方(図2では右側方)となる位置に形成されるとともに、第2取付け孔1eはランプ2の下方となる位置に形成されている。また、第1取付け孔1dは、その長手方向が第1の軸Yに対して傾斜した長方形状をなす一方、第2取付け孔1eは、第2の軸X方向に長い長方形状をなしている。
【0036】
図1及び図3に示すように、背面部1aにおける第1取付け孔1dの長手方向の両側には、前方側に突出する円柱状の第1螺合部1fがそれぞれ設けられるとともに、背面部1aにおける第2取付け孔1eの長手方向の両側には、前方側に突出する第2螺合部1gがそれぞれ設けられている。第1螺合部1f及び第2螺合部1gには、後方側から前記固定螺子33を螺合可能な螺子穴(図示略)がそれぞれ形成されている。
【0037】
図1乃至図3及び図6に示すように、第1アクチュエータ3を保持した固定装置31は、固定板32bが後方に位置する状態で第1出力軸21側から前方に向かって第1取付け孔1dに挿通される。その後、背面部1aにおける第1取付け孔1dの周縁部と固定板32bとの間にシール部材37が介在された状態で、固定板32bの挿通孔32cを挿通した一対の固定螺子33がそれぞれ第1螺合部1fに螺合されることにより、第1アクチュエータ3は固定装置31を介してランプボディ1にて保持される。同様に、第2アクチュエータ4を保持した固定装置31は、固定板32bが後方に位置する状態で第2出力軸22側から前方に向かって第2取付け孔1eに挿通される。その後、背面部1aにおける第2取付け孔1eの周縁部と固定板32bとの間にシール部材37が介在された状態で、固定板32bの挿通孔32cを挿通した一対の固定螺子33がそれぞれ第2螺合部1gに螺合されることにより、第2アクチュエータ4は固定装置31を介してランプボディ1にて保持される。そして、固定装置31を介してランプボディ1にて保持された第1及び第2アクチュエータ3,4は、ランプボディ1の内部に配置される。
【0038】
第1及び第2アクチュエータ3,4を保持した固定装置31がランプボディ1に固定された状態においては、第1取付け孔1d及び第2取付け孔1eが固定板32bによってそれぞれ後方側から閉塞されるとともに、シール部材37によって第1取付け孔1d及び第2取付け孔1eからランプ装置内への水滴の浸入が防止される。そして、第1アクチュエータ3は、支柱1bの側方(ランプ装置を前方から見て左側)に位置する一方、第2アクチュエータ4は、ランプ2の下方で支持板1c上に設けられた載置台1h上に位置する。また、第1アクチュエータ3の第1出力軸21及び第2アクチュエータ4の第2出力軸22は、何れも前後方向に延び、前後方向に直線駆動(伸縮)される。更に、第1アクチュエータ3は、自身が挿入された案内部32aによってランプボディ1に対する第1出力軸21の中心軸線L3(第1駆動軸線)回りの回転が阻止されるとともに、第2アクチュエータ4は、自身が挿入された案内部32aによってランプボディ1に対する第2出力軸22の中心軸線L4(第2駆動軸線)回りの回転が阻止される。
【0039】
図3に示すように、ランプボディ1に対して支持された第1アクチュエータ3の第1出力軸21は、連結部材51を介してランプ2の連結支持部2eに連結されている。図7に示すように、連結部材51は、第1球体連結部21aを支持する球体支持部52と、該球体支持部52と一体に形成され連結支持部2eの連結孔2fに挿通される連結挿通部53とから構成されている。
【0040】
球体支持部52は、略直方体状の本体部52aと、該本体部52aから延びる一対の支持爪52bとから構成されている。そして、本体部52aにおける前方側の平面状の当接面52c(図1参照)から、前記連結挿通部53が前方側に向かって突出形成されている。連結挿通部53は、本体部52aよりも小さな直方体状をなすとともに、同連結挿通部53における第2の軸X方向の幅は、連結孔2fにおける第2の軸X方向の幅と略等しく、同連結挿通部53における第1の軸Y方向(上下方向)の幅よりも小さく形成されている。また、連結挿通部53における第2の軸X方向の両端部には、スナップフィット係合爪53aがそれぞれ形成されている。これらのスナップフィット係合爪53aは、連結挿通部53における第2の軸X方向の両端面よりも第2の軸X方向に突出するとともに、第2の軸X方向の押圧力が加えられると弾性変形により連結挿通部53の内側に没することが可能である。そして、連結部材51は、連結挿通部53が連結支持部2eの連結孔2fに後方側から挿通されてスナップフィット係合爪53aが連結支持部2eに対してスナップフィット係合されることにより連結支持部2eに連結される。連結部材51が連結支持部2eに連結された状態においては、当接面52cが連結支持部2eに当接するとともに、連結孔2fの内周面と連結挿通部53との間に第1の軸Y方向(上下方向)に開いた隙間が形成される。このため、連結挿通部53が連結孔2f内で上下方向(第1の軸Yに沿った方向)に移動することにより、連結部材51は、連結孔2fの範囲内で連結支持部2eに対して上下方向(第1の軸Yに沿った方向)に相対移動可能である。
【0041】
また、本体部52aにおいて当接面52cと反対側(即ち後方側)の支持面52dには、第1の軸Y方向(上下方向)の中央部に前方側に凹む支持凹部52eが形成されている。支持凹部52eは、第2の軸X方向から形状が後方側に開口する半円状をなすとともに、第2の軸X方向に沿って本体部52aを貫通している。また、第2の軸X方向から見た場合、支持凹部52eの半径は第1球体連結部21aの半径と等しい。
【0042】
更に、支持面52dにおける第1の軸Y方向(上下方向)の両端部に前記一対の支持爪52bが一体に形成されている。一対の支持爪52bは、支持凹部52eの第1の軸Y方向の両側で支持面52dから後方側に向かって互いに平行に延びた後に折り返して前方側に向かって延びている。また、一対の支持爪52bにおいて、前方側に向かって延びる部位は、前方側に向かうに連れて第1の軸Y方向に互いに近づくように傾斜するとともに、一対の支持爪52bの先端部間の間隔は、第1球体連結部21aの直径よりも小さく且つ第1球体連結部21aを除く第1出力軸21の外径と等しいか若干大きくなっている。
【0043】
そして、第1出力軸21は、支持凹部52eの内周面と一対の支持爪52bの先端面との間に第2の軸X方向から第1球体連結部21aが挿入されることにより、自身の中心軸線L3上で連結部材51を介してランプ2の連結支持部2eに連結される。第1出力軸21が連結部材51を介して連結支持部2eに連結された状態においては、一対の支持爪52bの先端面が後方から第1球体連結部21aに当接するとともに、支持凹部52eの内周面が前方から第1球体連結部21aに当接して同第1球体連結部21aを保持する。従って、第1出力軸21の直線駆動力を連結部材51を介してランプ2に伝達可能である。更に、支持凹部52eの内周面及び一対の支持爪52bの先端面にて当接された第1球体連結部21aは、一対の支持爪52b及び支持凹部52eによって該第1球体連結部21aの中心O3を中心として連結部材51に対し各方向に回動自在に保持される。また、連結部材51は、第1球体連結部21aの中心O3が第2の軸X上に位置した状態を維持するとともに、第1出力軸21の中心軸線L3は、第1の軸Yとねじれの位置関係で且つ第2の軸Xと交わる。そして、連結部材51を介して第1アクチュエータ3の第1出力軸21が連結支持部2eに回動自在に連結されることにより、第1エイミングボルト41は間接的に連結支持部2eに回動自在に連結されている。
【0044】
図3に示すように、ランプボディ1に対して支持された第2アクチュエータ4の第2出力軸22は、移動連結部材61を介してランプ2の第2支持部2cに連結されている。この移動連結部材61は、支持板1c上で第2出力軸22の前方に設けられたガイド部1mにて支持されている。
【0045】
ガイド部1mは、第2支持部2cの下方に位置し、略直方体状をなすとともに、第2出力軸22の直線駆動方向(即ち第2出力軸22の中心軸線L4方向であって車両の前後方向)に沿って延びる案内孔1nが形成されている。案内孔1nは、第2出力軸22の直線駆動方向にガイド部1mを貫通して形成されるとともに、第2出力軸22の直線駆動方向と直交する断面の形状が四角形状をなしている。更に、案内孔1nの後端部は、上方に開口している。また、ガイド部1mにおいて案内孔1nの上部には、案内孔1nと外部とを連通する案内溝1oが形成されている。案内溝1oは、第2出力軸22の直線駆動方向に沿って延びるとともに、その幅は、第2球体部2dを除く第2支持部2cの外径と等しいか若干広い幅になっている。そして、前記移動連結部材61は、案内孔1n内に挿入されている。
【0046】
図8に示すように、移動連結部材61は、案内孔1n(図3参照)に対応した略直方体状のスライド本体部61aと、該スライド本体部61aと一体に形成された一対の支持爪61bとから構成されている。尚、図8では、ガイド部1mの図示を省略している。
【0047】
スライド本体部61aの略中央部には、上方に開口した連結穴61cが設けられている。連結穴61cは、上方から見た形状が円形状をなすとともに、その内径は、前記第2支持部2cの第2球体部2dの直径と等しいか若干大きく形成されている。また、連結穴61cの深さは、第2球体部2dの直径よりも深く形成されている。
【0048】
スライド本体部61aの後端面(即ち第2アクチュエータ4側の面)には支持凹部61dが凹設されている。支持凹部61dは、スライド本体部61aの後端面において第2の軸X方向の中央部に形成され、前方側に凹んでいる。また、支持凹部61dは、第1の軸Y方向から見た形状が半円状をなすとともに、第1の軸Y方向(上下方向)に沿ってスライド本体部61aを貫通している。更に、第1の軸Y方向から見た場合に、支持凹部61dの半径は第2球体連結部22aの半径と等しい。
【0049】
また、スライド本体部61aの後端面に、前記一対の支持爪61bが一体に形成されている。一対の支持爪61bは、スライド本体部61aの後端面における第2の軸X方向の両端部(即ち支持凹部61dの第2の軸X方向の両側)から後方側に向かって互いに平行に延びた後に折り返して前方側に向かって延びている。そして、一対の支持爪61bにおいて、前方側に向かって延びる部位は、前方側に向かうに連れて第2の軸X方向に互いに近づくように傾斜するとともに、一対の支持爪61bの先端部間の間隔は、第2球体連結部22aの直径よりも小さく且つ第2球体連結部22aを除く第2出力軸22の外径と等しいか若干大きなっている。
【0050】
そして、第2支持部2cは、その先端部の第2球体部2dが連結穴61cに挿入されることにより、第2球体部2dの中心O2を中心として連結穴61cが許容する範囲内で各方向に回動可能に移動連結部材61に連結されている。また、図3及び図8に示すように、移動連結部材61は、第2支持部2cの第2球体部2dが連結穴61cに挿入された状態で前方側から案内孔1n内に挿入されている。このとき、第2支持部2cにおける第2球体部2dを除く円柱状の部位は、前方側から案内溝1oに挿入される。そして、移動連結部材61は、案内溝1oの内周面に案内されながら第2出力軸22の直線駆動方向(即ち第2出力軸22の中心軸線L4方向であって車両の前後方向に同じ)にスライド移動可能にガイド部1mにて保持されるとともに、同ガイド部1mによって第2の軸X方向の移動が規制される。尚、移動連結部材61の後方側の一対の支持爪61bは、案内孔1nの後端部の上方に開口した部位から外部に露出している。
【0051】
また、ガイド部1mにて保持された移動連結部材61の一対の支持爪61bには、第2出力軸22が各方向に回動自在に連結されている。第2出力軸22は、第2の軸X方向から第2球体連結部22aが支持凹部61dの内周面と一対の支持爪61bの先端面との間に挿入されることにより、自身の中心軸線L4上で移動連結部材61に連結される。そして、第2出力軸22が移動連結部材61を介して第2支持部2cに連結された状態においては、一対の支持爪61bの先端面が後方から第2球体連結部22aに当接するとともに、支持凹部61dの内周面が前方から第2球体連結部22aに当接して同第2球体連結部22aを保持する。従って、第2出力軸22の直線駆動力を移動連結部材61を介してランプ2に伝達可能である。更に、支持凹部61dの内周面及び一対の支持爪61bの先端面にて当接された第2球体連結部22aは、一対の支持爪61b及び支持凹部61dによって該第2球体連結部22aの中心O4を中心として移動連結部材61に対し各方向に回動自在に保持される。そして、移動連結部材61は、第2球体連結部22aの中心O4を通り第2出力軸22の直線駆動方向に延びる該第2出力軸22の中心軸線L4と第1の軸Yとが交差した状態を維持する。また、第2出力軸22の中心軸線L4は、第2の軸Xとねじれの位置関係で且つ第2の軸Xと交わる。そして、移動連結部材61を介して第2アクチュエータ4の第2出力軸22が第2支持部2cに回動自在に連結されることにより、第2エイミングボルト42は間接的に第2支持部2cに回動自在に連結されている。
【0052】
尚、ランプ2がランプボディ1に支持される位置(即ち第1球体部2bの中心O1)と、ランプ2が移動連結部材61を介して第2出力軸22に連結される位置(即ち第2球体部2dの中心)とを結ぶ直線(即ち第1の軸Y)は、第1球体部2bの中心O1と、第1出力軸21が連結部材51を介してランプ2に連結される位置(即ち第1球体連結部21aの中心O3)とを結ぶ直線(即ち第2の軸X)と直交するように設定されている。
【0053】
次に、上記のように構成されたランプ装置の動作を統括的に説明する。
例えばランプ装置の出荷前やメンテナンス(車検等)時において、第1エイミングボルト41及び第2エイミングボルト42を回転させることにより、ランプ2の光軸調整(エイミング)を行うことができる。
【0054】
図1乃至図3を参照してランプ2の光軸調整について詳述する。ランプ2の水平方向(左右方向)の光軸調整を行うには、第1エイミングボルト41をその雄螺子部34bの中心軸線L5を中心に回転させる。第1エイミングボルト41の雄螺子部34bは第1アクチュエータ3の調整螺子穴11aに螺合されているため、第1エイミングボルト41を回転させると、ねじ作用により第1アクチュエータ3が案内部32aに案内されながら第1出力軸21の中心軸線L3方向に(第1アクチュエータ3の直線駆動方向に沿って)移動される。すると、第1アクチュエータ3の第1出力軸21の先端部に連結部材51を介して連結された連結支持部2eが第1出力軸21の中心軸線L3方向に移動されるため、ランプ2が第1の軸Y中心に回動され、その結果ランプ2の光軸が略水平方向(左右方向)に調整される。
【0055】
また、ランプ2の鉛直方向(上下方向)の光軸調整を行うには、第2エイミングボルト42をその雄螺子部34bの中心軸線L5を中心に回転させる。第2エイミングボルト42の雄螺子部34bは第2アクチュエータ4の調整螺子穴11aに螺合されているため、第2エイミングボルト42を回転させると、ねじ作用により第2アクチュエータ4が案内部32aに案内されながら第2出力軸22の中心軸線L4に沿って(第2アクチュエータ4の直線駆動方向に沿って)移動される。すると、第2アクチュエータ4の第2出力軸22の先端部に移動連結部材61を介して連結された第2支持部2cが第2出力軸22の中心軸線L4方向に移動されるため、ランプ2が第2の軸X中心に回動され、その結果ランプ2の光軸が略鉛直方向(上下方向)に調整される。
【0056】
また、車両の走行時には、車両の走行状況(走行姿勢)に応じて第1アクチュエータ3のモータ12が駆動されて第1出力軸21が直線駆動されると、その直線駆動力が連結部材51を介してランプ2に伝達され、ランプ2が第1の軸Y中心で回動(第1駆動)される。これにより、ランプ2の前方から照射される光の向きが略水平方向に沿って変化されて調整される。
【0057】
また、車両の走行状況(走行姿勢)に応じて第2アクチュエータ4のモータ12が駆動されて第2出力軸22が直線駆動されると、その直線駆動力が移動連結部材61を介してランプ2に伝達され、ランプ2が第2の軸X中心で回動(第2駆動)される。これにより、ランプ2の前方から照射される光の向きが略鉛直方向に沿って変化されて調整される。
【0058】
尚、ランプ2の光軸調整時、及び車両の走行状況に応じたランプ2の光の照射方向の調整時には、第2の軸X中心のランプ2の回動に伴って第2球体部2dが上下動(第2の軸Xとねじれの位置関係且つ第2出力軸22の中心軸線L4と直交する方向に移動)されるが、この第2球体部2dの上下動は、連結穴61c内で妨げられることなく行われる。また、第2の軸X中心のランプ2の回動に伴って、連結支持部2eが連結部材51に対して上下動(即ち連結部材51に対して第2の軸X及び第1出力軸21の中心軸線L3と直交する方向に移動)されるが、連結孔2f内で連結部材51の連結挿通部53が上下方向に相対移動されることにより連結支持部2eの上下動が許容される。
【0059】
上記したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を有する。
(1)ランプ2は、第1の軸Yと第2の軸Xとの交点を支点として回動自在にランプボディ1にて支持されている。従って、第1エイミングボルト41の回転によって、第1の軸Yとねじれの位置関係で且つ第2の軸Xと交わる第1出力軸21の中心軸線L3に沿って連結支持部2eが移動されると、連結支持部2eの移動に伴ってランプ2は第1の軸Y中心に回動される。これにより、第2の軸X方向(水平方向)のランプ2の光軸調整を行うことができる。また、第2エイミングボルト42の回転によって、第2の軸Xとねじれの位置関係で且つ第1の軸Yと交わる第2出力軸22の中心軸線L1に沿って第2支持部2cが移動されると、第2支持部2cの移動に伴ってランプ2は第2の軸X中心に回動される。これにより、第1の軸Y方向(鉛直方向)のランプ2の光軸調整を行うことができる。従って、第1の軸Y方向に光軸調整を行う場合及び第2の軸X方向に光軸調整を行う場合の何れの場合においても、第1エイミングボルト41若しくは第2エイミングボルト42の1つのエイミングボルトをそれぞれ作動させればよいため、同時に2つのエイミングボルトを作動させなくてもよい。よって、ランプ2の光軸調整を簡単に行うことができる。
【0060】
(2)第1アクチュエータ3においてモータ12が駆動されると、第1出力軸21によって連結支持部2eが第1出力軸21の中心軸線L3方向に直線的に移動される。すると、連結支持部2eの移動に伴ってランプ2は第1の軸Y中心に回動されることから、第2の軸X方向(水平方向)にランプ2の光の照射方向が調整される。一方、第2アクチュエータ4においてモータ12が駆動されると、第2出力軸22によって第2支持部2cが第2出力軸22の中心軸線L4方向に直線的に移動される。すると、第2支持部2cの移動に伴ってランプ2は第2の軸X中心に回動されることから、第1の軸Y方向(鉛直方向)にランプ2の光の照射方向が調整される。従って、第1の軸Y方向及び第2の軸X方向のランプ2の光の照射方向の調整を容易に行うことができる。
【0061】
また、第1エイミングボルト41は、第1アクチュエータ3ごと連結支持部2eを第1出力軸21の中心軸線L3方向に移動させる。従って、第1エイミングボルト41によって第2の軸X方向にランプ2の光軸調整を行う場合と、第1アクチュエータ3によって第2の軸X方向にランプ2の光の照射方向を調整する場合との両方の場合においてランプ2は第1の軸Y中心に回動される。そして、第2エイミングボルト42は、第2アクチュエータ4ごと第2支持部2cを第2出力軸22の中心軸線L4方向に移動させる。従って、第2エイミングボルト42によって第1の軸Y方向にランプ2の光軸調整を行う場合と、第2アクチュエータ4によって第1の軸Y方向にランプ2の光の照射方向を調整する場合との両方の場合においてランプ2は第2の軸X中心に回動される。このように、ランプ2の光軸調整を行う場合にランプ2を回動させる軸(即ち第1の軸Y及び第2の軸X)が、ランプ2の光の照射方向を調整する場合にランプ2を回動させる軸(即ち第1の軸Y及び第2の軸X)と同じであるため、ランプ2の光の照射方向の調整だけでなくランプ2の光軸調整をも容易に行うことができる。
【0062】
(3)第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4は、ランプボディ1の内部に配置されるため、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4に雨水等の液体がかかりにくい。そのため、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4に厳密な防水構造を設けなくてもよい。例えば、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4において、電源を供給するための給電コネクタが接続されるコネクタ部19に防水構造を設けなくてもよい。従って、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4にかかるコストを低減することができる。また、第1エイミングボルト41は第1アクチュエータ3に螺合されるとともに、第2エイミングボルト42は第2アクチュエータ4に螺合されている。従って、従来のように支持体に対して支持されたブラケット等の部品を省略することができるため、ランプ装置の構造を簡素化することができる。その結果、ランプ装置にかかるコストを低減することができる。
【0063】
更に、第1エイミングボルト41は第1出力軸21と同軸上に配置されているため、第1エイミングボルト41を回転させたときに、第1出力軸21を介して連結支持部2eに第1エイミングボルト41からの第1出力軸21の中心軸線L3方向の力を円滑に伝達することができる。同様に、第2エイミングボルト42は第2出力軸22と同軸上に配置されているため、第2エイミングボルト42を回転させたときに、第2出力軸22を介して第2支持部2cに第2エイミングボルト42からの第2出力軸22の中心軸線L4方向の力を円滑に伝達することができる。また、第1アクチュエータ3は、ランプボディ1に固定された保持ケース32の案内部32aによって第1出力軸21の中心軸線L3方向の移動が案内されるため、第1エイミングボルト41の回転によって第1出力軸21の中心軸線L3方向に移動されるときに安定して移動することができる。同様に、第2アクチュエータ4は、ランプボディ1に固定された保持ケース32の案内部32aによって第2出力軸22の中心軸線L4方向の移動が案内されるため、第2エイミングボルト42の回転によって第2出力軸22の中心軸線L4方向に移動されるときに安定して移動することができる。これらのことから、ランプ2の光軸調整をより円滑に行うことができる。
【0064】
(4)ランプ2の光軸調整は、第1の軸Y若しくは第2の軸Xを中心としてランプボディ1に対してランプ2を直接回動させて行われる。また、車両の走行状況に応じてランプ2の光の照射方向を変化させるときにも、第1の軸Y若しくは第2の軸Xを中心としてランプボディ1に対してランプ2を直接回動させる。そして、ランプ2は、第1の軸Yと第2の軸Xとの交点を支点として回動自在にランプボディ1の支柱1bに吊下支持されている。そのため、ランプ2は、第1の軸Yと第2の軸Xとの交点(第1球体部2bの中心O1)においては、ランプボディ1に対する該ランプ2の位置が一定に維持される。従って、ランプボディ1に対するランプ2の基準位置が存在することになるため、ランプ2の光軸調整をより簡単に行うことができる。
【0065】
(5)従来のランプ装置のようにブラケットを介してランプ2をランプボディ1に対して支持するわけではないため、ランプボディ1の内部でブラケットが配線を行う際の障害物となることがない。従って、ランプボディ1内での配線を容易に行うことができる。
【0066】
(6)第2エイミングボルト42は、第2の軸X中心のランプ2の回動に伴う第2支持部2cの移動を許容する移動連結部材61を介して第2支持部2cに間接的に連結されている。第2支持部2cを第2出力軸22の中心軸線L4方向に移動させてランプ2を第2の軸X中心に回動させると、第2支持部2cはランプ2の回動に伴って上下方向(第2の軸Xとねじれの位置関係で且つ第2出力軸22の中心軸線L4と直交する方向)に移動される。そして、移動連結部材61は、第2の軸X中心のランプ2の回動に伴う第2支持部2cの移動を連結穴61c内で許容するため、第2支持部2c及び第2出力軸22のこじれが抑制される。その結果、ランプ2の光軸調整を更に円滑に行うことができる。
【0067】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、第1エイミングボルト41は、第1出力軸21と同軸上に配置されているが、第1出力軸21と平行をなすように配置されてもよい。同様に、第2エイミングボルト42は、第2出力軸22と同軸上に配置されているが、第2出力軸22と平行をなすように配置されてもよい。このようにしても、上記実施形態の(1),(2),(4)〜(6)と同様の作用効果を得ることができる。
【0068】
・上記実施形態では、第1の軸Y回りにランプ2を回動させて水平方向にランプ2の光軸調整を行う第1エイミング機構として、第1アクチュエータ3の調整螺子穴11aに螺合される第1エイミングボルト41をランプ装置に備えている。しかしながら、第1エイミング機構は、第1エイミングボルト41に限らず、連結支持部2eを第1出力軸21の中心軸線L3に沿って移動させることができる機構であればよい。また、上記実施形態では、第2の軸X回りにランプ2を回動させて鉛直方向にランプ2の光軸調整を行う第2エイミング機構として、第2アクチュエータ4の調整螺子穴11aに螺合される第2エイミングボルト42をランプ装置に備えている。しかしながら、第2エイミング機構は、第2エイミングボルト42に限らず、第2支持部2cを第2出力軸22の中心軸線L4に沿って移動させることができる構成であればよい。
【0069】
・上記実施形態では、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4は、それぞれ固定装置31を介してランプボディ1の背面部1aに支持されている。しかしながら、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4のランプボディ1に対する配置の態様は、これに限らない。例えば、保持ケース32をランプボディ1と一体に形成し、固定装置31を、保持ケース32を備えない構成としてもよい。
【0070】
・出力軸15bの形状は棒状に限らない。即ち、第1アクチュエータ3の第1出力軸21は、連結支持部2eに回動自在に連結されて、第1の軸Yとねじれの位置関係で且つ第2の軸Xと交わる駆動軸線に沿ったモータ12からの駆動力及び第1エイミングボルト41からの力を連結支持部2eに伝達可能な形状であればよい。また、第2アクチュエータ4の第2出力軸22は、第2支持部2cに回動自在に連結されて、第2の軸Xとねじれの位置関係で且つ第1の軸Yと交わる駆動軸線に沿ったモータ12からの駆動力及び第2エイミングボルト42からの力を第2支持部2cに伝達可能な形状であればよい。
【0071】
・上記実施形態では、第1出力軸21は、一対の支持爪52b及び支持凹部52eにて連結部材51に連結されるが、他の構成で連結部材51に連結されてもよい。同様に、第2出力軸22は、一対の支持爪61b及び支持凹部61dにて移動連結部材61に連結されるが、他の構成で移動連結部材61に連結されてもよい。例えば、光軸の調整時、若しくは第1駆動時及び第2駆動時に、第1出力軸21及び第2出力軸22とランプ2との間に発生するこじれる力を許容可能な可撓性を有する部材を介して連結してもよい。
【0072】
・第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4の構成は、モータ12の回転駆動力を利用して出力軸15bを直線駆動する構成であれば上記実施形態の構成に限らない。
・第1出力軸21は、連結部材51を介さずに連結支持部2eに回動自在に直接連結されてもよい。また、第2出力軸22は、移動連結部材61を介さずに第2支持部2cに回動自在に直接連結されてもよい。
【0073】
・第1出力軸21の中心軸線L3に沿って(中心軸線L3と平行な方向に)連結支持部2eを移動可能であれば、第1出力軸21は、必ずしも第2の軸X上で連結支持部2eに連結されなくてもよい。また、第2出力軸22の中心軸線L4に沿って(中心軸線L4と平行な方向に)第2支持部2cを移動可能であれば、第2出力軸22は、必ずしも第1の軸Y上で第2支持部2cに連結されなくてもよい。
【0074】
・車両の走行状況に応じてランプ2の光の照射方向を変化させるときにランプ2を第1の軸Yを中心に回動可能であって、ランプ2の光軸を調整するときに連結支持部2eを移動させてランプ2を第1の軸Yを中心に回動可能であれば、第1エイミングボルト41を連結支持部2eに回動自在に直接連結してもよい。また、車両の走行状況に応じてランプ2の光の照射方向を変化させるときにランプ2を第2の軸Xを中心に回動可能であって、ランプ2の光軸を調整するときに第2支持部2cを移動させてランプ2を第2の軸Xを中心に回動可能であれば、第2エイミングボルト42を第2支持部2cに回動自在に直接連結してもよい。
【0075】
・上記実施形態では、ランプ2は、第1支持部2aが支持部材5にて回動自在に支持されることにより支柱1bに吊下支持されている。しかしながら、ランプ2の下方側に第1支持部2aを設けて該第1支持部2aを支持板1cに固定された支持部材5に連結する一方、ランプ2の上方側に第2支持部2cを設けて該第2支持部2cを支柱1bにて前後方向にスライド移動可能に保持された移動連結部材61に連結してもよい。この場合、上方の移動連結部材61の後方に第2アクチュエータ4が配置される一方、第1支持部2aの側方に設けられた連結支持部2eの後方に第1アクチュエータ3が配置される。
【0076】
・上記実施形態では、車両に搭載されるランプ装置を例に本発明を説明したが、ランプ装置は車両以外のものに備えられるものであってもよい。
上記実施形態及び上記各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
【0077】
(イ)請求項2に記載のランプ装置において、前記第1駆動手段は、前記支持体に固定され前記第1駆動手段の前記第1駆動軸線方向の移動を案内する第1保持ケースによって保持されるとともに、前記第1出力部が前記第1駆動軸線方向に伸びる棒状をなし、前記第2駆動手段は、前記支持体に固定され前記第2駆動手段の前記第2駆動軸線方向の移動を案内する第2保持ケースによって保持されるとともに、前記第2出力部が前記第2駆動軸線方向に伸びる棒状をなし、前記第1エイミング機構は、前記第1出力部と平行に配置されるとともに前記第1保持ケースによって前記第1駆動軸線方向に移動不能且つ自身の中心軸線を中心に回転可能に保持されて前記第1駆動手段に螺合される第1エイミングボルトであり、前記第2エイミング機構は、前記第2出力部と平行に配置されるとともに前記第2保持ケースによって前記第2駆動軸線方向に移動不能且つ自身の中心軸線を中心に回転可能に保持されて前記第2駆動手段に螺合される第2エイミングボルトであることを特徴とするランプ装置。
【0078】
同構成によれば、第1エイミング機構である第1エイミングボルトは第1駆動手段に螺合されているため、第1エイミングボルトを作動させることにより、第1駆動手段を第1駆動軸線方向に移動させて、ランプを第1の軸中心に回動させることができる。同様に、第2エイミング機構である第2エイミングボルトは第2駆動手段に螺合されているため、第2エイミングボルトを作動させることにより、第2駆動手段を第2駆動軸線方向に移動させて、ランプを第2の軸中心に回動させることができる。従って、従来のように支持体に対して支持されたブラケット等の部品を省略することができるため、ランプ装置の構造を簡素化することができる。その結果、ランプ装置にかかるコストを低減することができる。更に、第1エイミングボルトは第1出力部と平行に配置されているため、第1エイミングボルトを回転させたときに、第1出力部を介して連結支持部に第1エイミングボルトからの第1駆動軸線方向の力を伝達しやすい。同様に、第2エイミングボルトは第2出力部と同軸上に配置されているため、第2エイミングボルトを回転させたときに、第2出力部を介して第2支持部に第2エイミングボルトからの第2駆動軸線方向の力を伝達しやすい。また、第1駆動手段は、支持体に固定された第1保持ケースによって第1駆動軸線方向の移動が案内されるため、第1エイミングボルトの回転によって第1駆動軸線方向に移動されるときに安定して移動することができる。同様に、第2駆動手段は、支持体に固定された第2保持ケースによって第2駆動軸線方向の移動が案内されるため、第2エイミングボルトの回転によって第2駆動軸線方向に移動されるときに安定して移動することができる。これらのことから、ランプの光軸調整をより円滑に行うことができる。
【0079】
(ロ)請求項2、請求項3及び前記(イ)の何れか1項に記載のランプ装置において、前記第2エイミング機構は、前記第2の軸中心の前記ランプの回動に伴う前記第2支持部の移動を許容する移動連結部材を介して前記第2支持部に間接的に連結されていることを特徴とするランプ装置。同構成によれば、第2支持部を第2駆動軸線方向に移動させてランプを第2の軸中心に回動させると、第2支持部はランプの回動に伴って、第2駆動軸線と直交する一方向に移動される。そして、移動連結部材は、第2の軸中心のランプの回動に伴う第2支持部の移動を許容するため、第2支持部及び第2出力部のこじれが抑制される。その結果、ランプの光軸調整を更に円滑に行うことができる。
【符号の説明】
【0080】
1…支持体としてのランプボディ、2…ランプ、2a…第1支持部、2c…第2支持部、2e…連結支持部、3…第1駆動手段としての第1アクチュエータ、4…第2駆動手段としての第2アクチュエータ、12…第1の駆動源及び第2の駆動源としてのモータ、21…第1出力部としての第1出力軸、22…第2出力部としての第2出力軸、32…第1保持ケース及び第2保持ケースとしての保持ケース、41…第1エイミング機構としての第1エイミングボルト、42…第2エイミング機構としての第2エイミングボルト、L3…第1駆動軸線としての第1出力軸の中心軸線、L4…第2駆動軸線としての第2出力軸の中心軸線、L5…第1エイミングボルト及び第2エイミングボルトの中心軸線としての雄螺子部の中心軸線、X…第2の軸、Y…第1の軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体に対して、ランプを第1の軸中心で回動させる第1駆動可能で、且つ、前記ランプを前記第1の軸と直交する第2の軸中心で回動させる第2駆動可能なランプ装置であって、
前記ランプは、前記ランプにおける前記第1の軸の一方側に設けられ前記第1の軸と前記第2の軸との交点を支点として回動自在に前記支持体に支持された第1支持部と、前記ランプにおける前記第1の軸の他方側に設けられた第2支持部と、連結支持部とを有し、
前記連結支持部に直接又は間接的に回動自在に連結され、前記第1の軸とねじれの位置関係で且つ前記第2の軸と交わる第1駆動軸線に沿って前記連結支持部を移動させる第1エイミング機構と、
前記第2支持部に直接又は間接的に回動自在に連結され、前記第2の軸とねじれの位置関係で且つ前記第1の軸と交わる第2駆動軸線に沿って前記第2支持部を移動させる第2エイミング機構と、
を備えたことを特徴とするランプ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のランプ装置において、
自身の直線駆動力を前記第1駆動軸線方向に伝達可能に前記連結支持部に連結された第1出力部、及び前記第1出力部を前記第1駆動軸線方向に直線駆動するための第1の駆動源を有する第1駆動手段と、
自身の直線駆動力を前記第2駆動軸線方向に伝達可能に前記第2支持部に連結された第2出力部、及び前記第2出力部を記第2駆動軸線方向に直線駆動するための第2の駆動源を有する第2駆動手段と、を備え、
前記第1エイミング機構は、前記第1駆動手段を介して前記連結支持部に連結され前記第1駆動手段ごと前記連結支持部を前記第1駆動軸線方向に移動させ、
前記第2エイミング機構は、前記第2駆動手段を介して前記第2支持部に連結され前記第2駆動手段ごと前記第2支持部を前記第2駆動軸線方向に移動させることを特徴とするランプ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のランプ装置において、
前記第1駆動手段は、前記支持体に固定され前記第1駆動手段の前記第1駆動軸線方向の移動を案内する第1保持ケースによって保持されて前記支持体の内部に配置されるとともに、前記第1出力部が前記第1駆動軸線方向に伸びる棒状をなし、
前記第2駆動手段は、前記支持体に固定され前記第2駆動手段の前記第2駆動軸線方向の移動を案内する第2保持ケースによって保持されて前記支持体の内部に配置されるとともに、前記第2出力部が前記第2駆動軸線方向に伸びる棒状をなし、
前記第1エイミング機構は、前記第1出力部と同軸上に配置されるとともに前記第1保持ケースによって前記第1駆動軸線方向に移動不能且つ自身の中心軸線を中心に回転可能に保持されて前記第1駆動手段に螺合される第1エイミングボルトであり、
前記第2エイミング機構は、前記第2出力部と同軸上に配置されるとともに前記第2保持ケースによって前記第2駆動軸線方向に移動不能且つ自身の中心軸線を中心に回転可能に保持されて前記第2駆動手段に螺合される第2エイミングボルトであることを特徴とするランプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−240736(P2011−240736A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112200(P2010−112200)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】