説明

リストモードフォーマットを維持する幾何学的変換

診断撮像装置は、原子核崩壊を示すγ線を検出する検出器素子16を含む。検出されたγ線は、タイムスタンプされ20、リストモードで記憶されるラインオブレスポンス(LOR)46を生成するのに使用される。前記LORは、画像に再構成される34。画像分析プロセッサ38は、運動アーチファクトについて前記画像を分析し、前記モーションアーチファクトを最小化するように選択されたLORを変換するように事象変換プロセッサ30を反復的に調整する。変換されたLOR50が検出器素子16の対と対応しない場合、最も近い検出器素子52、54が、決定される。候補LOR62は、最も近い検出器素子と近隣の検出器素子との間で作成される。LOR46上の事象位置40は、飛行時間(TOF)情報から決定され、次いで変換された事象位置48を生成するように変換される。変換された事象位置40に最も近く交差する候補LOR62及び適切に更新されたTOF情報は、画像再構成において使用するのに選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、診断撮像の分野に関する。これは、特に、リストモードデータ取得を使用する核医学スキャナにおいて患者の運動を補正するのに応用され、特にこれを参照して説明される。しかしながら、リストモードデータ取得を使用する他の装置においても応用され、必ずしも前述の応用に限定されない。
【背景技術】
【0002】
核医学画像及び特にPETスキャナは、比較的長い時間期間にわたりデータを連続的に取得する。当該時間期間にわたり、運動が、典型的には、対象において生じる。前記対象の動く部分において生じる放射線事象は、運動軌道にわたり不鮮明にされる。典型的には、心臓又は呼吸運動のような運動は、外部装置でモニタされる。データが受信されるときの呼吸又は心臓状態に基づいて、前記データは、予測された内部運動によってシフトされる。事象を一般的な運動状態にシフトすることは、個別のカウントが受信される空間的座標の幾何学的変換の適用を含む。しかしながら、外部モニタリングは、常に正確に実際の内部運動状態を予測するわけではない。
【0003】
また、前記事象の空間的座標が、運動を補償するようにシフト又は変換される場合、シフトされた座標は、離散的な検出器素子の間に落ちる可能性がある。前記シフトされた座標を最も近い現実の検出器座標に離散化することは、同様の座標を持つ事象が加速された再構成に対してビンされる(binned)ことを可能にする。しかしながら、情報の幾らかの損失は、一般に、変換された事象の離散化中に生じる。情報のこの損失は、最終的な再構成においてモーションブラーの完全な補償を妨げる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、上で参照された問題等を克服するリストモードデータを維持することができる新しい改良された事象変換を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によると、診断撮像装置が提供される。個別の検出器を含む検出器アレイが、撮像領域から放射線事象を受信する。トリガプロセッサは、受信された可能性のある事象にタイムスタンプを割り当てる。事象確認プロセッサは、検出器チャネルヒットに確認基準を適用する。事象変換プロセッサは、受信された事象及び応答の対応するラインを空間的に移動された変換された事象に変換する。事象記憶バッファは、正当なタイムスタンプされた事象を記憶する。再構成プロセッサは、正当な事象を前記撮像領域の画像表現に再構成する。
【0006】
他の態様によると、診断撮像の方法が提供される。可能性のある放射線事象が、撮像領域から受信される。タイムスタンプが、受信された可能性のある事象に割り当てられる。確認基準が、前記可能性のある事象に適用される。確認された事象及び応答の対応するラインが、空間的に移動された変換された事象に変換される。正当なタイムスタンプされた事象が記憶される。正当な事象は、前記撮像領域の画像表現に再構成される。
【0007】
他の態様によると、診断撮像の方法が提供される。放射線事象の時間インデックス付けされたデータが得られる。少なくとも1つの幾何学的変換は、修正された時間インデックス付けされたデータを生成するために運動により影響を受けたデータに対して実行される。前記修正された時間インデックス付けされたデータに基づく画像が再構成される。
【0008】
1つの利点は、より正確に運動を補正する能力にある。
【0009】
他の利点は、内部運動が外部モニタを使用して決定される精度を改良することなしに又は外部モニタなしで運動を補正する能力にある。
【0010】
他の利点は、事象を変換するのを援助するのに飛行時間型(time-of-flight)情報を使用する能力にある。
【0011】
他の利点は、事象を変換するのを援助するのにシステム応答関数を使用する能力にある。
【0012】
他の利点は、元のリストモードファイルを他の運動補正されたリストモードファイルに変換することに基づいて標準的な再構成ソフトウェアを使用することにある。
【0013】
本発明の更に他の利点は、以下の詳細な説明を読み、理解すると当業者に理解される。
【0014】
本発明は、様々なコンポーネント及びコンポーネントの構成、並びに様々なステップ及びステップの構成の形をとりうる。図面は、好適な実施例を説明する目的のみであり、本発明を限定すると解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本出願による核医学撮像の概略図である。
【図2】変換された事象及び対応する候補LORを示すボアの切り取り図である。
【図3】本出願による可能な実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照すると、診断撮像装置10は、ハウジング12と対象支持台14とを含む。ハウジング12に囲まれるのは、検出器アレイである。前記検出器アレイは、複数の個別の検出器素子16を含む。1つの特定の実施例が、陽電子放出断層撮影(PET)スキャナを参照して記載されるが、本出願が、ガンマ線望遠鏡のような天体物理学、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)及びX線のようなラジオグラフィ、セキュリティ、工業的及び他の医学的応用においても有用であると理解されるべきである。一般に、本出願は、高いエネルギ及び空間分解能での撮像X線、ガンマ線、又は他の荷電粒子において使用される。前記アレイは、検出器素子16が撮像領域18に隣接して配置されるように構成される。前記検出器アレイは、検出器16のリング、複数のリング、又は1以上の離散的なフラットな若しくは弧状のパネル等であることができる。陽電子放出断層撮影(PET)において、ガンマ線の対が、前記撮像領域内の陽電子消滅事象により生成され、反対方向に進む。これらのガンマ線は、一方のガンマ線が検出器に到達するのに他方より遠くまで進む場合に検出間の(ナノ秒のオーダの)わずかな時間差とともに、対として検出される。したがって、PETスキャナにおいて、前記検出器アレイは、典型的には、前記撮像領域を取り囲む。
【0017】
前記PETスキャンが開始する前に、対象は、放射性医薬品を注射される。1つの一般的な検査において、前記放射性医薬品は、タグ分子に結合された放射性元素を含む。前記タグ分子は、撮像されるべき領域に関連付けられ、正常な体又は代謝プロセスによりそこに集まる傾向にある。例えば、急速に増殖する癌細胞は、複製するのに異常に高い量のエネルギを費やす傾向にある。前記放射性医薬品は、細胞が典型的にエネルギを作るように代謝するグルコースのような分子にリンクされることができ、前記放射性医薬品にこのような領域に集まらせ、画像内の"ホットスポット"として現れさせる。前記放射性医薬品が吸収(摂取)される速度及び前記グルコースが代謝され、老廃物として排出(ウォッシュアウト)される速度も、診断的価値を持つ。他の技術は、循環系に流入するタグ付けされた分子をモニタする。ヨウ素にリンクされた放射性医薬品は、甲状腺において選択的に吸収される。他の分子は、他の器官又は組織において吸収される。
【0018】
ガンマ線が前記検出器アレイにぶつかる場合、ぶつかった検出器素子の場所及びぶつかった時間が記録される。トリガプロセッサ20は、エネルギスパイク、例えばパルス下の積分された面積、前記放射性医薬品により生成されたガンマ線のエネルギの特性に対して各検出器16をモニタする。トリガプロセッサ20は、クロック22を確認し、各検出されたガンマ線に前縁受信スタンプの時間をスタンプする。PET撮像において、前記タイムスタンプ、エネルギ推定及び位置推定は、最初に事象確認プロセッサ24により使用され、同時事象が存在するかどうかを決定する。同時事象の承認された対は、ラインオブレスポンス(LOR)を規定する。ガンマ線は光の速度で進むので、検出されたガンマ線が数ナノ秒より長く離れて到着する場合、これらのガンマ線は、おそらく同じ消滅事象により生成されたものではなく、捨てられる。実質的に同時に発生する同時事象のわずかな差は、前記LORに沿って前記消滅事象を更に位置特定するのに使用されることができるので、タイミングは、飛行時間式PET(TOF−PET)において特に重要である。事象の時間分解能がより正確になると、事象がLORに沿って位置特定されることができる精度がより高くなる。
【0019】
一実施例において、対象支持台14は、対象を支持するのに加えて、少なくとも1つの動きセンサ26をも支持する。動きセンサ26は、局所的な運動が検出及び補正されることを可能にする。数種類の動きセンサ26のいずれも考えられる。動きセンサ26は、前記対象の動きを記録し、動きの状態を動き編集データベース28に報告する。前記動き編集データベースは、クロック22を確認し、検出時間及び運動状態を関連付ける。前記動きは、患者が前記撮像領域において自発的に移動又はシフトするような単一の事象でありうる。これは、心拍又は呼吸に関連した動きのように定期的であることもできる。呼吸は、肺結節及び近隣の組織の局所的な運動を誘導する。この局所的な運動を補償することは、より良好な標準的な摂取値を生じる。加えて、前記肺の運動は、呼吸サイクルにわたりマッピングされることができる。心臓の運動を用いて、前記心臓の動きを補償することができ、異常の改良された検出をもたらす。
【0020】
一実施例において、センサ26は、前記動きの範囲及び前記対象のどの領域又は複数の領域が前記動きにより影響を受けるのかを報告する。ECG又はパルスセンサは、前記対象の心拍に関連した運動をモニタするのに使用されることができる。肺への空気の流れを測定する機械式又は超音波モニタ、呼吸中の胸部の膨張を測定する機械式又はビデオモニタ、又は他の呼吸センサが、前記対象の呼吸の範囲及びタイミングをモニタするのに使用されることができる。自発的な動きは、外部運動センサ、レーザ位置調整装置、又はビデオカメラ等によりモニタされることができる。
【0021】
前記対象から生じる運動を補正することが1つの応用であるが、他の応用も可能である。例えば、ユーザは、前記リストモードデータに対して操作することによりマルチモダリティ画像位置合わせを実行することができる。他の応用は、異なる体部分に対するマルチ対象位置合わせを含む。ユーザは、個別の対象の4次元心臓データセットを一般的な4次元テンプレートと位置合わせすることができる。放射性医薬品の運動は、既知のモデルに基づいて追跡されることができる。また、前記システムは、SPECT撮像におけるカメラ揺れを補正することができる。確実に、他の応用も可能である。
【0022】
一度事象対が事象確認プロセッサ24により確認されると、前記LORは、事象変換プロセッサ30に送られ、事象変換プロセッサ30は、前記事象がどの運動状態において生じたかを見るために動き編集データベース28を確認する。事象変換プロセッサ30は、実際の受信の検出器座標からのLORを、事象を規定するLORの対が選択された動きの状態、例えば休息状態において受信された場合の変換された位置に変換する。
【0023】
タイムスタンプを持つLOR(変換されたものと変換されていないものの両方)が、事象記憶バッファに記憶され、再構成プロセッサ34は、適切な再構成アルゴリズムを使用して前記LORを前記対象の画像表現に再構成する。この再構成は、この場合、表示装置36上でユーザに対して表示されること、印刷されること、及び後の使用のために保存されること等ができる。
【0024】
一実施例において、事象データは、"リストモード"フォーマットにおいて収集される。各検出された事象の関連した特性(検出器座標、タイムスタンプ等)をリストに記録することは、放出型断層撮影応用において一般的な慣行になっており、リストモードデータ収集及び記憶として知られている。リストモード再構成アプローチは、各LORが逆投影されるか、そうでなければ受信及び放棄した順序で前記再構成において使用されるリアルタイム方法とは幾つかの点で異なる。リストモードデータ取得は、完全な空間分解能で極度に高い時間分解能を提供し、フレーム持続時間が取得後に決定されることを可能にする。リストモードフォーマットで前記データを取得する場合、各事象に対する検出器の場所は、フレームモード取得で達成可能な効率より高い効率で高い精度で記憶されることができる。ガントリ角度は、所定のフレーム内にビンされる必要はないが、実際の角度として記録されることができ、これにより連続的な取得に対する角度ブラーの影響を取り除く。インタラクションの実際のエネルギは、前記事象のエネルギを制限された数の所定の窓の1つに起因すると考える代わりに記録されることができる。このようにして次元を増加する場合、前記データは、マトリクス内にビンされないが、代わりに、リストに記憶され、異なるパラメータ、例えば受信の時間により配置及びソートされることができる。リストモードは、この情報が完全に利用可能になる前に前記データの時間フレーミングなしでゲーティング信号をも記憶することができる。この結果は、記憶空間の驚異的な増加なしで、リストモード取得で投影データを記録する忠実度の大幅な増加である。他の利点は、発生の時間により事象を識別する能力であり、有益には本出願に対して、当該時間を動き事象に関連付けることができることである。
【0025】
前述したように、事象変換プロセッサ30は、前記事象のいずれかが動きの事例により影響をうけるかどうかを確かめる。放射線事象及び前記選択された運動状態が時間的に一致する場合、事象変換プロセッサ30は、前記事象に関連付けられたLORを変換し、記録された動きを補償する。本出願は、リストモードデータを維持する。一実施例において、前記リストモードデータは、収集され、モーションアーチファクトを含む画像に再構成される。前記画像は、画像分析プロセッサ38により分析される。前記動きにより影響を受ける前記リストモードデータが、識別され、事象変換プロセッサ30により変換される。更新され、変換された事象は、事象記憶バッファ32内の古い事象を置換する。再構成プロセッサ34は、次いで、他の更新された画像を生成する。このプロセスは、前記モーションアーチファクトが最小化されるまで、又はモーションアーチファクトの許容可能なレベルが達成されるまで反復的に繰り返されることができる。
【0026】
様々な画像分析技術が考えられる。例えば、予測された運動は、定期的に、可能性のある変換を確認するために候補LORを選択するのに使用されることができる。前記アーチファクトの性質は、分析され、候補LORを決定することができる。候補LOR、ランダムLOR又はシステマティックに選択されたLORは、アーチファクトの事例が減少されるかどうかを決定するために前記再構成から除去されることができる。一度アーチファクトを生じるLORが識別されると、これは、前記アーチファクトを最小化するように反復的に調節される変換を受ける。多くの他の画像分析技術も考えられる。
【0027】
他の実施例において、運動が測定され、前記運動状態が、再構成の前に動き編集データベース28により各LORに関連付けられる。これは、各個別の事象にタイムスタンプするリストモード再構成技術の能力を利用する。ECG信号及び心臓の運動をモニタする場合のような、運動モデルが再構成の前に推定されることができる場合、事象LOORは、再構成の前に最初に変換される。このようにして、前記再構成は、前記選択された運動状態に位置的に変換されたLORを勧める。もちろん、このような推定されたモデルに基づく画像は、依然としてモーションアーチファクトを受ける。したがって、前記再構成された画像は、依然として、このようなモーションアーチファクトを取り除くように前記適用された変換を調節するために画像分析プロセッサ38により分析される。
【0028】
ここで図2を参照し、図1を参照し続けて、事象LORの変換が記載される。対のγ線が、検出器42及び44において事象40から検出され、初期LOR46を形成する。前記事象がタイムスタンプされ、確認された後に、事象変換プロセッサ30は、事象40が動きと一致するかどうかを動き編集データベース28お及び/又は画像分析プロセッサ38により通知される。一致する場合、事象変換プロセッサ30は、変換47を用いて事象を、前記選択された運動状態に対応する変換された事象位置48に移動し、変換されたLOR50(図1の点線)を規定する。
【0029】
しばしば生じる問題は、図2に示されるように、変換されたLOR50が、検出器素子の新しい対の幾何学的中心と一致しないかもしれないことである。前記リストモードデータのインテグリティを維持しながら、前記変換を進める1つの方法は、変換されたLOR50に最も近い検出器素子52、54を使用することである。この方法は、飛行時間(TOF)及び非TOFリストモード取得の両方に対して使用されることができる。
【0030】
TOF情報が利用可能である場合、上記の最も近い検出器の方法に対する改良が考えられる。変換されたLOR50の末端が正確に検出器の幾何学的中心において終了しない場合、前記TOF情報は、受信された前記事象のLOR46に沿った放出点を識別するのに使用され、変換されたLOR48に沿った放出点に変換される。すなわち、受信された事象40に対する位置ヒストグラム56が、変換された事象48に対する位置ヒストグラム58に変換されることができる。
【0031】
次に、変換されたLOR50に最も近い検出器の中心(すなわち検出器52及び54)が識別され、(円周方向及び長手方向の両方に)最近接の検出器60も識別される。最も近い検出器52、54に対応する離散的なLOR62及び最近接の検出器60が計算される。候補の離散的なLOR62のこの集まりから、変換された放出点48に最も近く交差するLORが選択される。一度最も近い候補の変換されたLOR62が選択されると、これは、前記事象記憶バッファに記憶され、適切な時間において再構成に使用される。
【0032】
一実施例において、方法が、ここで図3のフローチャートを参照して記載される。ステップ70において、事象が、γ線の対として検出され、確認され、タイムスタンプされる。ステップ72において、前記事象の時間及び領域が、運動検出に対して確認され、前記事象が運動により影響を受けたかどうかを見る。前記事象が運動により影響を受けていない場合、前記事象は、ステップ74において後の再構成のために記憶部に受信されるように送られる。
【0033】
前記事象が運動により影響を受けた場合、前記運動を記述する変換が、ステップ76において前記事象に適用される。これは、受信された前記LORを、前記運動を補償する変換されたLORにシフトする。前記変換されたLORは、新しい結晶中心と一列に並ぶかどうかを確認される78。前記変換されたLORが新しい結晶中心と一致しない事象において、前記変換されたLORに最も近い結晶及び近隣のものを互いに接続する候補LORが、ステップ80において作成される。前記変換されたLORが新しい結晶中心と一列に並ぶ事象において、前記変換された事象は記憶される74。一度候補LORが作成されると、変換された前記事象位置に最も近い候補LORがステップ82において選択され、記憶される74。前記変換された事象に対するTOFも、適切に更新される。前記TOF情報は、2つの変換された結晶52、54の各々に対する変換された事象位置48の距離を計算し、これら2つの距離の間の差を計算することにより更新される。結果は、この場合、光の速度により除算され、基準の適切なフレームに適合するように量子化される。一度全ての事象がこのように処理されると、適切な再構成84が適用される。
【0034】
本発明は、好適な実施例を参照して記載されている。修正例及び変形例は、先行する詳細な記載を読み、理解すると他に思い付くかもしれない。本発明は、添付の請求項又は同等物の範囲に入る限り全てのこのような修正例及び変形例を含むと解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像領域から放射線事象を受信する個別の検出器を含む検出器アレイと、
受信された可能性のある事象にタイムスタンプを割り当てるトリガプロセッサと、
検出器チャネルヒットに確認基準を適用する事象確認プロセッサと、
受信された事象及び対応するラインオブレスポンスを空間的に移動された変換された事象に変換する事象変換プロセッサと、
正当なタイムスタンプされた事象を記憶するリストモード事象記憶バッファと
正当な事象を前記撮像領域の画像表現に再構成する再構成プロセッサと、
を有する診断撮像装置。
【請求項2】
運動アーチファクトについて前記再構成プロセッサにより再構成された画像を分析し、前記事象変換プロセッサに対する変換に対して放射線事象を識別する画像分析プロセッサ、
を更に有する、請求項1に記載の診断撮像装置。
【請求項3】
前記画像分析プロセッサによる分析が、各反復に対して前記再構成された画像内のアーチファクトを減少するように反復的に使用される、請求項2に記載の診断撮像装置。
【請求項4】
各確認された放射線事象が、対応するラインオブレスポンスにより識別され、前記事象変換プロセッサが、
受信された前記ラインオブレスポンスを変換されたラインオブレスポンスに変換し、
前記変換されたラインオブレスポンスの終点に最も近い検出器素子を識別する、
請求項1に記載の診断撮像装置。
【請求項5】
前記事象変換プロセッサが、
前記最も近い検出器素子に対する近隣の検出器素子を識別し、
前記最も近い検出器及び前記近隣の検出器を接続する複数の候補ラインオブレスポンスを作成する、
請求項4に記載の診断撮像装置。
【請求項6】
前記トリガプロセッサが、各ラインオブレスポンスに対応する飛行時間情報を生成し、前記事象変換プロセッサが、前記飛行時間情報から算出された事象位置を変換し、前記変換されたラインオブレスポンスに沿った変換された事象位置を作成する、請求項5に記載の診断撮像装置。
【請求項7】
前記事象変換プロセッサが、前記複数の候補ラインオブレスポンスのうち前記変換された事象位置の最も近くを走るものを選択し、前記選択された候補ラインオブレスポンスに対応するように前記飛行時間情報を更新する、請求項6に記載の診断撮像装置。
【請求項8】
モーションアーチファクトについて前記再構成プロセッサにより再構成された前記画像を分析し、前記モーションアーチファクトを減少するように前記変換プロセッサに対して少なくとも1つの調整を適用する画像分析プロセッサ、
を含む、請求項4ないし7のいずれか一項に記載の診断撮像装置。
【請求項9】
前記撮像領域内の対象の運動を感知する少なくとも1つのセンサと、
前記センサにより検出された運動状態及び各運動が生じた時間又は時間範囲を関連付ける動き編集ユニットと、
を含む、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の診断撮像装置。
【請求項10】
前記事象変換プロセッサが、受信された事象及び検出された運動状態を時間的に関連付けるように前記動き編集ユニットによって事象位置を変換する、請求項9に記載の診断撮像装置。
【請求項11】
撮像領域から可能性のある放射線事象を受信するステップと、
受信された可能性のある事象にタイムスタンプを割り当てるステップと、
検出器の前記可能性のある事象に対して確認基準を適用するステップと、
必要であれば、選択された運動状態に対して確認された事象及び対応するラインオブレスポンスを変換する変換を適用するステップと、
正当なタイムスタンプされた事象を記憶するステップと、
正当な事象を前記撮像領域の画像表現に再構成するステップと、
を有する診断撮像の方法。
【請求項12】
モーションアーチファクトについて前記再構成された画像表現を分析するステップと、
前記モーションアーチファクトを減少するように前記ラインオブレスポンスの一部に適用された前記変換を調整するステップと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
各変換されたラインオブレスポンスの終点に最も近い検出器素子を識別するステップと、
前記終点に最も近い検出器素子に対して近隣の検出器素子を識別するステップと、
前記最も近い検出器素子及び/又は前記近隣の検出器を接続する複数の候補ラインオブレスポンスを作成するステップと、
を含む、請求項11及び12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
飛行時間情報から対応するラインオブレスポンスに沿った事象位置を算出するステップと、
前記変換するステップにおいて、前記事象位置を変換された事象位置に変換するステップと、
前記複数の候補ラインオブレスポンスのうち前記変換された事象位置の最も近くを走るものを選択するステップと、
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記撮像領域内の対象の運動事象を感知するステップと、
前記感知された運動事象を編集し、各運動事象が生じた時間又は時間範囲を前記運動事象に割り当てるステップと、
受信された事象及び感知された運動を時間的に関連付けるステップと、
を含む、請求項11ないし14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
分析が、各反復に対して画像アーチファクトを減少するように反復的に使用される、請求項11ないし15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
放射線事象の時間インデックス付けされたデータを得るステップと、
修正された時間インデックス付けされたデータを生成するように運動により影響を受けたデータに対して少なくとも1つの幾何学的変換を実行するステップと、
前記修正された時間インデックス付けされたデータに基づいて画像を再構成するステップと、
を有する診断撮像の方法。
【請求項18】
対象から取られた測定されたデータから前記対象の運動を検出するステップ、
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記時間インデックス付けされたデータの編集に基づいて対象の運動を検出する、請求項17及び18のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−524005(P2011−524005A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511118(P2011−511118)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【国際出願番号】PCT/IB2009/051987
【国際公開番号】WO2009/144607
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】