説明

リスペリドン化合物の徐放送達製剤

本発明は、妄想精神病、統合失調症、双極性障害、精神病性うつ病、強迫性障害、トゥーレット症候群、および自閉症スペクトラム障害に関連した病状を治療するためのリスペリドン徐放送達システムに関する。本徐放送達システムは、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含有する流動性組成物、およびリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含有するインプラントを含む。前記流動性組成物は、組織に注射することができ、そうすると凝集して固体またはゲル状モノリシックインプラントになる。前記流動性組成物は、生体分解性熱可塑性ポリマー、有機液体およびリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含む。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)体液に少なくとも実質的に不溶性である生体分解性熱可塑性ポリマー;
(b)生体適合性極性非プロトン性有機液体;および
(c)リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグ
を含む、流動性組成物。
【請求項2】
前記有機液体が、アミド、エステル、カーボネート、ケトン、エーテル、スルホニル、またはこれらの任意の組み合わせを含み、および前記生体適合性極性非プロトン性液体が、全比率で不溶性から完全に可溶性の範囲の、水性媒質または体液への溶解度を有する、請求項1に記載の流動性組成物。
【請求項3】
前記生体分解性熱可塑性ポリマーが、1つ以上のヒドロキシカルボン酸のポリエステルであるか、1つ以上のジオールと1つ以上のジカルボン酸を組み合わせたもののポリエステルである、請求項1に記載の流動性組成物。
【請求項4】
前記ヒドロキシカルボン酸が、ダイマーの形態である、請求項3に記載の流動性組成物。
【請求項5】
前記ポリエステルが、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、それらのターポリマー、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項4に記載の流動性組成物。
【請求項6】
前記生体分解性熱可塑性ポリエステルが、カルボキシ末端基を有する50/50、55/45、75/25、85/15、90/10もしくは95/5 ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド)であるか、カルボキシ末端基を有さない50/50、55/45、75/25、85/25、90/10もしくは95/5 ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド)である、請求項3に記載の流動性組成物。
【請求項7】
前記末端カルボキシル基を有さない生体分解性熱可塑性ポリエステルが、ジオールで伸長される、請求項6に記載の流動性組成物。
【請求項8】
前記生体分解性熱可塑性ポリエステルが、前記流動性組成物の約10重量%から約95重量%で存在する、請求項3に記載の流動性組成物。
【請求項9】
前記生体分解性熱可塑性ポリエステルが、前記流動性組成物の約20重量%から約70重量%で存在する、請求項8に記載の流動性組成物。
【請求項10】
前記生体分解性熱可塑性ポリエステルが、前記流動性組成物の約30重量%から約60重量%で存在する、請求項9に記載の流動性組成物。
【請求項11】
前記生体分解性熱可塑性ポリエステルが、前記流動性組成物の約10,000ダルトンから約45,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項3に記載の流動性組成物。
【請求項12】
前記生体分解性熱可塑性ポリエステルが、前記流動性組成物の約15,000ダルトンから約40,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項11に記載の流動性組成物。
【請求項13】
前記生体分解性熱可塑性ポリエステルが、約10キロダルトンから約50キロダルトンの重量平均分子量、約1.4から約2.0の多分散度指数を有する非加水分解PLG低バーストコポリマーポリエステル材料であって、該材料から医薬4kDaから約10kDaの重量平均分子量および約1.4から約2.5の多分散度指数を特徴とするコポリマー画分が除去される、請求項1に記載の流動性組成物。
【請求項14】
前記生体適合性極性非プロトン性液体が、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレン、カプロラクタム、トリアセチン、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の流動性組成物。
【請求項15】
前記生体適合性極性非プロトン性液体が、N−メチル−2−ピロリドンである、請求項14に記載の流動性組成物。
【請求項16】
前記生体適合性極性非プロトン性液体が、前記流動性組成物の約10重量%から約90重量%で存在する、請求項1に記載の流動性組成物。
【請求項17】
前記生体適合性極性非プロトン性液体が、前記流動性組成物の約30重量%から約70重量%で存在する、請求項16に記載の流動性組成物。
【請求項18】
前記リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、前記流動性組成物中に少なくとも約0.001重量%の濃度で存在し、この上限が、該流動性組成物の中のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの分散度の限度である、請求項1に記載の流動性組成物。
【請求項19】
前記リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、前記流動性組成物の約0.5重量%から約50重量%で存在する、請求項18に記載の流動性組成物。
【請求項20】
前記リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、前記流動性組成物の約1重量%から約30重量%で存在する、請求項19に記載の流動性組成物。
【請求項21】
皮下注射用製剤である、請求項1に記載の流動性組成物。
【請求項22】
約0.20mLから約2.0mLの体積を有する、請求項21に記載の流動性組成物。
【請求項23】
約0.30mLから約1.0mLの体積を有する、請求項22に記載の流動性組成物。
【請求項24】
月に約1回の投与用に調合される、請求項21に記載の流動性組成物。
【請求項25】
3ヶ月に約1回の投与用に調合される、請求項21に記載の流動性組成物。
【請求項26】
4ヶ月に約1回から6ヶ月に約1回の投与用に調合される、請求項21に記載の流動性組成物。
【請求項27】
前記リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、塩の形態であり、その塩対イオンが、医薬的に許容される有機酸または無機酸である、請求項1に記載の流動性組成物。
【請求項28】
前記対イオンが、ポリカルボン酸である、請求項27に記載の流動性組成物。
【請求項29】
皮下注射されたとき、最小限の組織壊死しかもたらさない特性を有する、請求項1に記載の流動性組成物。
【請求項30】
(a)水性媒質または体液に少なくとも実質的に不溶性である生体分解性熱可塑性ポリマー;
(b)生体適合性極性非プロトン性液体;および
(c)リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグ
を任意の順序で混合する段階を含み、該混合が、制御放出インプラントとして使用するための流動性組成物を形成するために有効な十分な期間にわたって行われる、制御放出インプラントとして使用するための流動性組成物を形成する方法。
【請求項31】
前記生体分解性熱可塑性ポリマーと前記生体適合性極性非プロトン性液体を混合して混合物を形成し、該混合物を前記リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグと混合して流動性組成物を形成する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
(a)請求項1に記載の組成物を患者の身体に注射する段階;および
(b)前記生体適合性極性非プロトン性液体を放散させて、固体またはゲル状生体分解性インプラントを生じさせる段階
を含む段階によって、該患者においてインサイチュで形成される生体分解性インプラント。
【請求項33】
前記組成物が、有効量の生体分解性熱可塑性ポリマー;有効量の生体適合性極性非プロトン性液体;および有効量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含み、前記固体インプラントが、該固体インプラントが前記患者において生分解するにつれて経時的に、有効量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを放出する、請求項32に記載の生体分解性インプラント。
【請求項34】
前記患者がヒトである、請求項32に記載の生態分解性インプラント。
【請求項35】
(a)請求項1に記載の流動性組成物を患者の身体に注射する段階;および
(b)前記生体適合性極性非プロトン性液体を放散させて固体またはゲル状生体分解性インプラントを生じさせる段階
を含む、生存している患者においてインサイチュで生体分解性インプラントを形成する方法。
【請求項36】
前記固体生体分解性インプラントが、前記患者において生分解するにつれて拡散、浸食、または拡散と侵食の組み合わせにより有効量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを放出する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
(a)体液および生体適合性極性非プロトン性液体に少なくとも実質的に不溶性である生体分解性熱可塑性ポリマーを含む組成物を含む第一の容器;および
(b)リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを含む第二の容器
を含むキット。
【請求項38】
前記第一の容器が注射器である、請求項37に記載のキット。
【請求項39】
前記第二の容器が注射器である、請求項37に記載のキット。
【請求項40】
前記リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが凍結乾燥される、請求項37に記載のキット。
【請求項41】
使用説明書をさらに含む、請求項37に記載のキット。
【請求項42】
前記第一の容器を前記第二の容器に接続することができる、請求項37に記載のキット。
【請求項43】
前記第一の容器および前記第二の容器が、互いに直接接続されるようにそれぞれ構成されている、請求項37に記載のキット。
【請求項44】
(a)水性媒質または体液に少なくとも実質的に不溶性である生体分解性熱可塑性ポリマー;および
(b)リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグ
を含み、固体またはゲル状のモノリシック構造を有する、インプラント。
【請求項45】
固体またはゲル状のマトリックスを有し、該マトリックスが外皮によって囲まれたコアを有する、請求項44に記載のインプラント。
【請求項46】
固体であり、微孔質である、請求項45に記載のインプラント。
【請求項47】
体液に、全比率で非常にわずかに可溶性から完全に可溶性であり、前記熱可塑性ポリエステルの少なくとも一部に少なくとも部分的に溶解する生体適合性有機液体をさらに含む、請求項44に記載のインプラント。
【請求項48】
前記生体適合性有機液体の量が、該インプラントの総重量の約5重量%未満である、請求項47に記載のインプラント。
【請求項49】
前記生体適合性有機液体の量が経時的に減少する、請求項47に記載のインプラント。
【請求項50】
前記コアが、約1から約1000マイクロメートルの直径の細孔を含有する、請求項46に記載のインプラント。
【請求項51】
前記外皮が、前記コア細孔のものより小さい直径の細孔を含有する、請求項50に記載のインプラント。
【請求項52】
前記外皮細孔が、前記コアと比較すると該外皮が機能的に無孔であるようなサイズのものである、請求項51に記載のインプラント。
【請求項53】
実質的に線形の累積放出プロフィールを有する、請求項1に記載の流動性組成物。
【請求項54】
病状を有する患者を治療するための方法であって、少なくとも実質的に水不溶性の生体分解性熱可塑性ポリマーおよび生体適合性極性非プロトン性有機液体と併用で有効量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを患者に投与することを含み、該病状は、妄想精神病、統合失調症、双極性障害、精神病性うつ病、強迫性障害、トゥーレット症候群、自閉症スペクトラム障害またはこれらの任意の組み合わせを含む、方法。
【請求項55】
前記病状の治療用に指定された別の公知医薬化合物との併用療法をさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
病状を有する患者を治療するための方法であって、リスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグと生体分解性ポリマーとを含む生体分解性インプラントを生じさせるために請求項1に記載の流動性組成物を患者に投与することを含み、前記インプラントが、1日につき約1から約16ミリグラム(mg)のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグである、治療有効投薬量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグを送達する、方法。
【請求項57】
前記治療有効投薬量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、1日につき約1から約5ミリグラム(mg)のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記治療有効投薬量が、前記インプラントの投与後約2日以内にリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの治療有効レベルに達する、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記治療有効投薬量が、前記インプラントの投与の約1日後にリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグの治療有効レベルに達する、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記治療有効投薬量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、前記インプラントの投与後少なくとも15日の間送達される、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
前記治療有効投薬量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、前記インプラントの投与後少なくとも約30日の間送達される、請求項56に記載の方法。
【請求項62】
前記治療有効投薬量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、前記インプラントの投与後少なくとも約45日の間送達される、請求項56に記載の方法。
【請求項63】
前記治療有効投薬量のリスペリドン、その代謝産物またはプロドラッグが、前記インプラントの投与後少なくとも約60日の間送達される、請求項56に記載の方法。
【請求項64】
前記病状が、妄想精神病、統合失調症、双極性障害、精神病性うつ病、強迫性障害、トゥーレット症候群、自閉症スペクトラム障害またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項65】
前記患者がヒトである、請求項56に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2010−531807(P2010−531807A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509326(P2010−509326)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/001928
【国際公開番号】WO2008/153611
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(509323059)トルマー セラピューティクス, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】