説明

リニアガイド装置

【課題】1つのガイドレール上で、複数のスライダーブロックが位置の制約なく移動することができ、独立して異なる動作をすることができるリニアガイド装置を提供する。
【解決手段】リニアガイド装置は、電源により電力を供給され、制御装置の指令により回転運動する1対のモータ(10A,10B)と;各々のモータの回転運動をそれぞれのボールネジ(50A,50B)に伝達する1対の動力伝達機構と;各々のモータを取付ける1対のブラケット(30A,30B)と;1対のブラケットに両端を結合されたガイドレール(40)と;ガイドレールの上方に、ガイドレールと平行に、1対のブラケットにより軸方向に移動不能で回転可能に両端を支持され、外周にねじ山が形成された1対のボールネジ(50A,50B)と;各々のボールネジに組み合わされ、各々のボールネジが回転運動すると、それぞれがガイドレール上を直線移動する1対のスライダー組立体(66A,66B)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールねじ機構を備えたボールねじ一体型リニアガイド装置に関し、より詳しくは、電動モータの回転運動をボールねじ機構によりスライダーブロックの直線運動に変換するリニアガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メカトロ技術の発展が目覚しく、当該技術を支える基礎的且つ汎用的な装置として、電動アクチュエータがある。電動アクチュエータは、現在では、工作機械、半導体製造装置、搬送装置、産業用ロボット等の各技術分野の装置に組み込まれ多く使用されていて、技術の発展と共にその用途はますます広がっている。そして、スライド装置に対する高精度化、高速摺動化、組立容易性、汎用化等の要求がますます高くなっている。
従来、電動アクチュエータにおいて、電動モータの回転運動を軸方向の直線運動に変換する機構として、一般的には、送りボールねじ機構が使用されている。この機構は、一般的には、外面に螺旋溝を有するボールねじ軸と、ボールねじ軸に平行に配置されたガイドレールと、ガイドレール上に軸方向に移動可能に配置されたスライダーブロックと、スライダーブロックに一体に形成されボールねじ軸に螺合するナット部とを備える。この機構は、電動モータが回転すると、ボールねじ軸が回転し、ナット部を介してスライダーブロックに伝達され、スライダーブロックが直線往復運動をする。
そのため、1個の電動モータの回転により、送りボールねじ機構を介して、1個のスライダーブロックを直線往復運動させることができる。
【0003】
特許文献1には、ボールねじ一体型リニアガイド装置が示される。このボールねじ一体型リニアガイド装置は、凹溝と、この凹溝の両内側面のボール転動溝とを有するガイドレールと、このガイドレール上をボールの転動を介して凹溝内を軸方向に遊嵌するナットと、このナットに螺合するボールねじ軸と、このねじ軸の両端部を軸支するサポートユニットと、一方のサポートユニットに取り付けられ且つねじ軸を回転させる駆動モータとを備えている。凹溝は、潤滑と冷却用の油のための油溜まりとしての機能を有し、サポートユニットは、この油が漏れるのを防止するため、ガイドレールの端面にシール材を介してボルト止めされている。また、ナットに固定されたカバーは、ガイドレールの凹溝を覆う十分な長さを有している。
【0004】
特許文献2には、テーブルをガイドにより移動可能に支持し且つ送りねじ軸により移送するテーブル移送装置が示される。このテーブル移送装置は、断面コ字形状で上下2条の転動体転走面を有するガイドレールと、このガイドレール上をボールの転動を介してガイドレール内側面により挟み込むように移動自在に支持されたテーブルと、このテーブルに螺合する送りねじ軸とを備えている。送りねじ軸の一端部は、ガイドレールの一端に設けられた軸受部に回動自在に支持され、送りねじ軸の他端部は、ガイドレールの他端に取付けられるモータに継手部を介して作動的に連結され、送りねじ軸はモータにより回転駆動される。
【0005】
特許文献3には、送りねじ装置とリニアガイド装置とを一体化したフィードユニット装置が示される。このフィードユニット装置は、上方が開口した横断面コ字状をなし両内側面に互いに対向する軸方向のボール転動溝を有する長尺のガイドレールと、このガイドレールのボール転動溝に対向するボール転動溝を両外側面に有するナットブロックと、ナットブロックに螺合する送りねじ軸と、ガイドレールに固定され送りねじ軸を回転自在に且つ軸方向に移動不能に支持するサポートユニットとを備えている。ナットブロックに張出部を設け、ガイドレールの開口を覆うシールプレートが設けられている。
【0006】
特許文献1〜3に示される装置では、1個の電動モータの回転は、1つのガイドレール内で、送りボールねじ機構を介して、1個のスライダーブロックを動作させるものである。
特許文献1には、2つのナットを連結してボールネジ軸により駆動する例も開示されているが、2つのナットを一体として移動させるものである。
特許文献1〜3に示される装置は、複数のスライダーブロックに異なる動作をさせることはできない。
従来1つのガイドレール上の同一直線上に2つの送りボールねじ軸を直列に配置し、各ボールねじ軸によりそれぞれのスライダーブロックを移動させる装置は存在した。しかし、各スライダーブロックは、それぞれの送りボールねじ軸の端部までしか移動させることができず、各スライダーブロックの移動範囲は軸方向に別の範囲であり、限られていた。
そのため、1つのガイドレール内で、複数のスライダーブロックが位置の制約なく移動することができ、各々のスライダーブロックが独立して異なる動作をすることができるリニアガイド装置が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭63−193637号
【特許文献2】特開平2−298746号
【特許文献3】実公平7−28444号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、1つのガイドレール内で、複数のスライダーブロックが位置の制約なく移動することができるリニアガイド装置を提供することである。
本発明の他の目的は、1つのガイドレール内で、複数のスライダーブロックが独立して異なる動作をすることができるリニアガイド装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、リニアガイド装置は、2つのモータを備え、1つのガイドレール上に2つのボールネジを平行に配置し、各ボールねじにそれぞれのスライダーブロックを組み合わせ、各モータでそれぞれのボールネジを回転させ、それぞれのスライダーブロックをガイドレール上で直線移動させる。各ボールねじは、組み合わされたスライダーブロックを直線移動させるが、他方のスライダーブロックとは接触せず、干渉しないようになっている。
一方のスライダーブロックは、一方のボールネジにより駆動され、他方のスライダーブロックに突き当たるまで、移動させることができる。また、それぞれのスライダーブロックを独立して移動させることができる。
【0010】
本発明は、1態様において、ボールネジによりスライダー組立体を軸方向に移動させるリニアガイド装置であって、
前記スライダー組立体を軸方向に摺動させるため、一定の幅の平らな上面を有し軸方向に延びるガイドレールと、
前記ガイドレールの各端部に取付けられた1対のブラケットと、
電源により電力を供給され、制御装置の指令により回転運動するため、前記1対のブラケットに取り付けられた1対のモータと、
各々の前記モータの回転運動をそれぞれのボールネジに伝達するため、前記1対のブラケットに取り付けられた1対の動力伝達機構と、
前記ガイドレールの上方に、前記ガイドレールと平行に且つ相互に平行に配置され、1対の前記ブラケットにより軸方向に移動不能で回転可能に両端を支持され、外周にねじ山が形成された1対のボールネジと、
各々の前記ボールネジに組み合わされ、各々の前記ボールネジが回転運動すると、それぞれが前記ガイドレール上を直線移動する1対のスライダー組立体と、を備えることを特徴とするリニアガイド装置である。
【0011】
本発明の1態様によれば、2つの独立したモータと、1つのガイドレールと、ガイドレールの上方に、平行な2本のボールネジと、2つのスライダー組立体とを備え、2本のボールネジにより2つのスライダー組立体を、1つのガイドレール上で独立して直線移動させることができる。
【0012】
前記1対のスライダー組立体は、
前記ガイドレール上を摺動する1対のスライダーブロックと、
各々の前記スライダーブロックと一体に結合された1対のボールネジハウジングブロックと、
各々の前記ボールネジハウジングブロックと一体に結合され、一方の前記ボールネジのねじ山に係合する溝を有する1対のボールネジナットと、を有し、
各々の前記ボールネジナットは、前記ボールネジハウジングブロックの幅方向中央部より一方の側に取り付けられ、各々の前記ボールネジハウジングブロックの幅方向の他方の側には空間部が形成され、前記空間部を組み合わされていない前記ボールネジが通り抜け、
各々のボールネジハウジングブロックは、組み合わされた前記ボールネジにより組み合わされた前記ボールネジナットを介して駆動されるが、組み合わされていない前記ボールネジには駆動されないようになっている。
各々のボールネジにそれぞれのボールネジナットが係合し、それぞれのスライダー組立体を直線移動させることができる。
スライダー組立体は、ボールネジに係合するボールネジナットと、ガイドレール上を摺動するスライダーブロックと、ボールネジハウジングブロックとからなり、加工が容易である。
【0013】
各々の前記動力伝達機構は、
前記ブラケットに接続され、各々の前記モータにより駆動される駆動プーリーと、
各々の前記プーリーにより駆動されるプーリーベルトと、
前記ブラケットに接続され、各々の前記プーリーベルトにより駆動される受動プーリーと、
を有することが好ましい。
プーリー機構により、モータの回転運動を容易にボールネジに伝達することができる。
【0014】
本発明の別の態様は、ボールネジによりスライダー組立体を軸方向に移動させるリニアガイド装置であって、
前記スライダー組立体を軸方向に摺動させるため、平らな上面を有し軸方向に延びるガイドレールと、
前記ガイドレールの1端部に取付けられた第1のブラケットと、
前記ガイドレールの他端部に取付けられた第2のブラケットと、
電源により電力を供給され、制御装置の指令により回転運動するため、第1のブラケットに取り付けられた第1のモータと、
前記電源により電力を供給され、前記制御装置の指令により回転運動するため、第2のブラケットに取り付けられた第2のモータと、
前記第1のモータの回転運動を第1のボールネジに伝達するため、前記第1のブラケットに取り付けられた第1の動力伝達機構と、
前記第2のモータの回転運動を第2のボールネジに伝達するため、前記第2のブラケットに取り付けられた第2の動力伝達機構と、
前記ガイドレールの上方に、前記ガイドレールと平行に延び、前記第1、第2のブラケットにより軸方向に移動不能で回転可能に両端を支持され、外周にねじ山が形成された第1のボールネジと、
前記ガイドレールの上方に、前記ガイドレール及び前記第1のボールネジと平行に延び、前記第1、第2のブラケットにより軸方向に移動不能で回転可能に両端を支持され、外周にねじ山が形成された第2のボールネジと、
前記第1のボールネジに組み合わされ、前記第1のボールネジが回転運動すると、前記ガイドレール上を直線移動する第1のスライダー組立体と、
前記第2のボールネジに組み合わされ、前記第2のボールネジが回転運動すると、前記ガイドレール上を直線移動する第2のスライダー組立体と、
を備えることを特徴とするリニアガイド装置である。
【0015】
前記第1のスライダー組立体は、
前記ガイドレール上を摺動する第1のスライダーブロックと、
前記第1のスライダーブロックと一体に結合された第1のボールネジハウジングブロックと、
前記第1のボールネジハウジングブロックと一体に結合され、前記第1のボールネジのねじ山に係合する溝を有する第1のボールネジナットと、を有し、
前記第2のスライダー組立体は、
前記ガイドレール上を摺動する第2のスライダーブロックと、
前記第2のスライダーブロックと一体に結合された第2のボールネジハウジングブロックと、
前記第2のボールネジハウジングブロックと一体に結合され、前記第2のボールネジのねじ山に係合する溝を有する第2のボールネジナットと、を有し、
前記第1のボールネジナットは、前記第1のボールネジハウジングブロックの幅方向中央部より一方の側に取り付けられ、前記第1のボールネジハウジングブロックの幅方向の他方の側には空間部が形成され、前記空間部を前記第2のボールネジが通り抜け、
前記第2のボールネジナットは、前記第2のボールネジハウジングブロックの幅方向中央部より前記他方の側に取り付けられ、前記第2のボールネジハウジングブロックの幅方向の前記一方の側には空間部が形成され、前記空間部を前記第1のボールネジが通り抜け、
前記第1のボールネジハウジングブロックは、前記第1のボールネジにより前記第1のボールネジナットを介して駆動されるが、前記第2のボールネジには駆動されないようになっていて、
前記第2のボールネジハウジングブロックは、前記第2のボールネジにより前記第2のボールネジナットを介して駆動されるが、前記第1のボールネジには駆動されないようになっている。
【0016】
前記第1の動力伝達機構は、
前記第1のブラケットに接続され、前記第1のモータにより駆動される第1の駆動プーリーと、
前記第1のプーリーにより駆動される第1のプーリーベルトと、
前記第1のブラケットに接続され、前記第1のプーリーベルトにより駆動される第1の受動プーリーと、を有し、
前記第2の動力伝達機構は、
前記第2のブラケットに接続され、前記第2のモータにより駆動される第2の駆動プーリーと、
前記第2のプーリーにより駆動される第2のプーリーベルトと、
前記第2のブラケットに接続され、前記第2のプーリーベルトにより駆動される第2の受動プーリーと、を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、1つのガイドレール内で、複数のスライダーブロックが位置の制約なく移動することができるリニアガイド装置を得ることができる。
本発明によれば、1つのガイドレール内で、複数のスライダーブロックが独立して異なる動作をすることができるリニアガイド装置を得ることができる。
そのため、1つのリニアガイド装置で、複数の異なる作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の1実施形態によるリニアガイド装置の斜視図である。
【図2】図1のリニアガイド装置の平面図である。
【図3】図1のリニアガイド装置を斜め下方向から見た斜視図である。
【図4】ブラケットの斜視図である。
【図5】ガイドレールと、ボールネジの部分のサイドカバーをはずした状態の斜視図である。
【図6】ガイドレールの斜視図である。
【図7】サイドカバーの斜視図である。
【図8】ボールネジの側面図である。
【図9】スライダーブロックの斜視図である。
【図10】ボールネジナットの斜視図である。
【図11】ボールネジハウジングブロックの斜視図である。
【図12】ボールネジハウジングブロックの側面図である。
【図13】一方のボールネジと、スライダーブロックと、ボールネジハウジングブロックと、ボールネジナット、及び、他方のボールネジと、スライダーブロックと、ボールネジハウジングブロックと、ボールネジナットとを示す分解斜視図である。
【図14】モータカバー、プーリーカバー、サイドカバー、防塵カバーを取付けたリニアガイド装置の斜視図である。
【図15】本発明の1実施形態によるリニアガイド装置をロボットに用いた例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の1実施形態によるリニアガイド装置1について図面を参照して説明する。図1は1実施形態によるリニアガイド装置1の斜視図であり、図2は平面図である。説明のため、リニアガイド装置1の長手方向(ボールネジの軸方向)をx方向、横方向(幅方向)をy方向、高さ方向をz方向とする。各部材の説明においても同じ方向で説明する。図1、2では、ガイドレール40側方のサイドカバー44と上面の防塵カバー46を取付けて、内部のガイドレール40、ボールネジ50A,50B等は見えない状態である。リニアガイド装置1は、電源により電力を供給され、制御装置の指令により回転する1対のモータ10A,10Bと、モータ10A,10Bにより駆動されるプーリー機構20A,20Bと、モータ10A,10B、プーリー機構20A,20Bを固定するブラケット30A,30Bと、を備える。ブラケット30A,30Bは、リニアガイド装置1の各端部に配置される。
本実施形態の説明では、一対の部材の参照番号にA又はBを付けて示す。Aは第1の部材に対応し、Bは第2の部材に対応することとする。
【0020】
図1、2により、リニアガイド装置1のx方向の一端部にある一方のモータ10Aと、モータ10Aにより駆動されるプーリー機構20Aと、モータ10Aと、プーリー機構20Aを固定するブラケット30Aについて説明する。
モータ10Aは、モータ本体11Aの周りを覆うモータカバー12Aと、モータ本体11Aの端部を覆うモータ端部カバー13Aとを有する。モータ本体11Aは、電源(図示せず)により電力を供給される。また制御装置(図示せず)に接続され、制御装置の指令により、所定の回転速度、回転時間で正回転、停止、逆回転することができる。モータ本体11Aからモータの運転により回転するモータシャフト14Aがx方向に延びる。モータ本体11Aは、ボルト15Aにより、ブラケット30Aに固定される。
【0021】
モータシャフト14Aの周りには、プーリー機構20Aの駆動プーリー21Aが固定され、モータシャフト14Aと一体に回転するようになっている。駆動プーリー21Aの外周には、プーリーベルト22Aが係合し、駆動プーリー21Aが回転すると、プーリーベルト22Aが駆動されるようになっている。駆動プーリー21Aと平行に受動プーリー23Aが設けられ、プーリーベルト22Aは、駆動プーリー21Aと受動プーリー23Aとにかけまわされ、プーリーベルト22Aが移動すると、受動プーリー23Aが回転する。プーリーカバー24Aが、ボルト25Aにより、ブラケット30Aに固定され、駆動プーリー21Aと、プーリーベルト22Aと、受動プーリー23Aとを覆っている。
リニアガイド装置1のx方向の他端部にある他方のモータ10Bと、プーリー機構20Bと、ブラケット30Bは、分解して示さないが、それぞれモータ10A、プーリー機構20A、ブラケット30Aとリニアガイド装置1の軸方向の中央に対して対称に配置され、同様の構成を有する。
本実施形態では、モータからボールネジへの動力伝達機構として、プーリー機構を示したが、動力伝達機構はこれに限定されない。モータからボールネジへ他の動力伝達機構を用いることができる。また、モータシャフト14Aがボールネジと同軸になるように、モータを配置して、モータからボールネジへ直接回転を伝達することもできる。
【0022】
図3は、リニアガイド装置1の一方のサイドカバー44を取外し、図1とは異なる斜め下方向から見た斜視図である。
リニアガイド装置1は、x方向に延びるガイドレール40と、ガイドレール40上にガイドレール40と平行に配置されたボールネジ50A,50Bとを備える。ボールネジ50Aと50Bとは、ガイドレール40上に同じ高さで配置される。それぞれのボールネジ50A,50Bに組み合わされ、ボールネジ50A,50Bが回転すると直線上を移動するボールネジナット80A,80Bと、ボールネジナット80A,80Bと一体に移動するボールネジハウジングブロック70A,70Bと、ボールネジハウジングブロック70A,70Bと一体にガイドレール40上を摺動するスライダーブロック60A,60Bとを備える。ボールネジ50Aと50Bの高さは異ならせることも出来、その場合は、各ボールネジ50A,50Bの高さに合わせてボールネジハウジングブロック70A,70Bの形状も異なる。
【0023】
スライダーブロック60Aと、ボールネジナット80Aとは、ボールネジハウジングブロック70Aに、一体に結合される。スライダーブロック60Aと、ボールネジナット80Aと、ボールネジハウジングブロック70Aとを結合した組立体をスライダー組立体66Aと呼ぶ。ボールネジ50Aが回転すると、スライダー組立体66Aは、スライダー40上をボールネジ50Aの軸方向(x方向)に動く。
同様に、スライダーブロック60Bと、ボールネジナット80Bとは、ボールネジハウジングブロック70Bに、一体に結合される。スライダーブロック60Bと、ボールネジナット80Bと、ボールネジハウジングブロック70Bとを結合した組立体をスライダー組立体66Bと呼ぶ。ボールネジ50Bが回転すると、スライダー組立体66Bは、スライダー40上をボールネジ50Bの軸方向(x方向)に動く。
【0024】
リニアガイド装置1は、1つのガイドレール40上に、2つのスライダー組立体66A,66Bがあり、スライダー組立体66A,66Bのそれぞれを動作させるため、2つの独立したモータ10A,10B、プーリー機構20A,20Bが設けられ、各スライダー組立体66A,66Bを他方から独立して動作させることができる。
【0025】
図4は、ブラケット30Aの斜視図である。ブラケット30Aには、モータシャフト14Aを回転自在に受け入れる孔31Aと、ボールネジ50Aの一端部を受け入れる孔32Aと、ボールネジ50Bの一端部を受け入れる孔33Aとが形成されている。
図1に戻って、受動プーリー23Aの中心孔には、ボールネジ50Aの一端部が、受動プーリー23Aと一体に回転し、軸方向には移動不能に固定される。受動プーリー23Aが回転すると、ボールネジ50Aが回転する。ボールネジ50Aの一端部に隣接する部分は、ベアリング35Aとその外側のベアリング支持ナット36Aにより、ブラケット30Aの孔32Aに回転自在に支持される。他方のボールネジ50Bの一端部は、ベアリング37Aを介してブラケット30Aの孔33Aに回転自在に支持される。ボールネジ50Aの軸方向の位置は、ナット34Aにより調節される。
リニアガイド装置1の他端部のブラケット30Bは、リニアガイド装置1の中央部に対してブラケット30Aと対称に配置された部材である。
【0026】
図5は、ガイドレール40と、ボールネジ50Aの部分の一方のサイドカバー44をはずした状態の斜視図である。スライダー組立体66Aのスライダーブロック60Aは、凹部61Aがガイドレール40の上面に接し、2つの延長部62Aでガイドレール40を挟みガイドレール40上を摺動する。スライダー組立体66Bのスライダーブロック60Bは、同様に同じガイドレール40上を摺動する。
ボールネジハウジングブロック70Aは、ガイドレール40の幅方向(y方向)の一方の端部に近い位置にボールネジナット80Aが取り付けられ、ボールネジ50Aにより駆動される。ボールネジハウジングブロック70Aのガイドレール40の幅方向(y方向)の他方の端部に近い位置には空間が形成され、この空間をボールネジ50Bが通り抜ける。
ボールネジハウジングブロック70Bは、ガイドレール40の幅方向(y方向)の他方の端部に近い位置にボールネジナット80Bが取り付けられ、ボールネジ50Bにより駆動される。ボールネジハウジングブロック70Bのガイドレール40の幅方向(y方向)の一方の端部に近い位置には空間が形成され、この空間をボールネジ50Aが通り抜ける。
即ち、スライダー組立体66Aと66Bとは、y方向に反対方向を向いている。
【0027】
図6は、ガイドレール40の斜視図である。ガイドレール40は、一定の幅で軸方向に細長く、上面41は平面で、スライダーブロック60A,60Bがガイドレール40の上面41を摺動できるようになっている。ガイドレール40の2つの側面には軸方向に溝42が形成されている。溝42とスライダーブロック60A,60Bとの間に、ボールベアリング(図示せず)を挟みこみ、スライダーブロック60A,60Bがガイドレール40上を滑らかに摺動できるようになっている。ボールベアリングはなくても良い。
【0028】
図7は、サイドカバー44の斜視図である。サイドカバー44は、断面が「コ」字形状で、x方向に延び、ガイドレール40の両側に設けられている。サイドカバー44は、ガイドレール40の長さとほぼ等しい長さを有し、ガイドレール40の下側から、ボールネジ50A,50Bの側面、スライダーブロック60A,60Bの側面を覆い、ガイドレール40、ボールネジ50A,50B等を保護する。
【0029】
図8は、ボールネジ50Aの側面図である。ボールネジ50Aは細長い円柱状の部材で、端部を除くネジ部分53Aは、一定の外径で外周に螺旋状の凸部が形成されている。ボールネジ50Aは、軸の周りに回転可能で、軸方向(x方向)には移動できないように支持される。ボールネジ50Aの一端部51Aは、受動プーリー23Aの中心孔に固定され、受動プーリー23Aが回転すると、ボールネジ50Aは、軸を中心として回転するようになっている。一端部51Aに隣接する部分52Aは、ベアリング35A、ベアリング支持ナット36Aを介して、ブラケット30Aに回転自在に支持される。ボールネジ50Aの他端部54Aは、ベアリング37Aを介して、他方のブラケット30Bに回転自在に支持される。
ボールネジ50Bは、ボールネジ50Aと同様の部材であり、ボールネジ50Aとは軸方向反対向きに配置される。ボールネジ50Bの一端部51Bが、受動プーリー23Bにより回転駆動され、他端部54他端部54Aは、ベアリング37Aを介して、他方のブラケット30Bに回転自在に支持される。ボールネジ50Bの他端部54Bは、ベアリング37Bを介して、一方のブラケット30Aに回転自在に支持される。
【0030】
図9は、スライダーブロック60Aの斜視図である。スライダーブロック60Aは、ガイドレール40上を摺動する部材であり、ガイドレール40の幅とほぼ等しい幅の凹部61Aと、凹部の両側の延長部62Aと、ボールベアリングを保持する溝63Aとを有する。スライダーブロック60Aは、ボールネジハウジングブロック70Aにネジにより一体に固定される。スライダーブロック60Aは、凹部61Aがガイドレール40の上面に接し、2つの延長部62Aでガイドレール40を挟んだ状態で、ガイドレール40上をx方向に摺動することができる。ガイドレール40の側面の溝42とスライダーブロック60A,60Bの延長部の溝63Aとの間に、ボールベアリング(図示せず)を挟み、スライダーブロック60A,60Bがガイドレール40上を滑らかに摺動できるようになっている。
スライダーブロック60Bは、スライダーブロック60Aと同様の部材である。
【0031】
図10は、ボールネジナット80Aの斜視図である。ボールネジナット80Aは、ほぼ円筒形の部材であり、内周部81Aには、ボールネジ50Aの凸部と係合する螺旋溝が形成されている。ボールネジナット80Aの外周82Aは、ボールネジハウジングブロック70Aに固定することができる。ボールネジナット80Aの軸は、x方向となる。ボールネジナット80Aは、ボールネジハウジングブロック70Aに固定された状態では、軸の周りに回転できず、ボールネジハウジングブロック70Aと一体に軸方向に移動可能に支持される。ボールネジ50Aが回転すると、ボールネジ50Aのねじ山にボールネジナット80Aの螺旋溝が係合しているので、ボールネジナット80Aはボールネジ50Aの軸方向(x方向)に動くようになっている。
ボールネジ50Aと、ボールネジナット80Aが係合する部分は、ボールベアリングを介して係合するようにすることもできる。
ボールネジナット80Bは、ボールネジナット80Aと同様の部材である。
【0032】
図11はボールネジハウジングブロック70Aの斜視図、図12は側面図である。ボールネジハウジングブロック70Aは、スライダーブロック60A上に一体に固定され、スライダーブロック60Aと一体になって、ガイドレール40上を摺動する。ボールネジハウジングブロック70Aには、軸方向の一方の側面に中央部から幅方向(y方向)にずれた位置にボールネジナット80Aの外径dとほぼ等しい内径の孔71Aが、軸方向の中央部の壁面にボールネジナット80Aの外径dとほぼ等しい内径の孔72Aが形成され、孔71A、孔72Aにボールネジナット80Aを挿入することができる。軸方向の他方の側面に外径dより小さい内径の孔73Aが形成され、ボールネジナット80Aは、孔72A、孔73Aを通って、孔73Aのある壁面に当接され、ボルト83A(図12)により、ボールネジハウジングブロック70Aに固定される。
ボールネジハウジングブロック70Aの孔73Aは、ボールネジナット80Aの内周部81Aと連続し、孔73Aにボールネジ50Aを挿入することができる。
【0033】
ボールネジハウジングブロック70Aの上面は、ボールネジ50Aの軸と直角方向(y方向)の端部には延長部76Aが軸方向に延びる。y方向に間隔をおいた2つの延長部76Aの間には軸方向に凹部74Aが形成されている。凹部74Aの幅は、防塵カバー46の幅よりやや大きく、凹部74Aの中に防塵カバー46を受け入れた状態でボールネジ50Aの軸方向に摺動することができる。
ボールネジハウジングブロック70Aのボールネジナット80Aを挿入する孔71A、孔72Aの下の部分とy方向に反対側の部分は、y方向に延びる張出部77Aとなっている。上方の延長部76Aと下方の張出部77Aと、ボールネジナット80Aを取り付ける本体部分とで、y方向に開いた空間が形成され、逃げ部75Aとなっている。逃げ部75Aは、ボールネジナット80Aと係合しない他方のボールネジ50Bがx方向に通り抜ける空間を提供する。ボールネジ50Bは、x方向のどの位置でもボールネジハウジングブロック70Aと接触しない。
即ち、ボールネジハウジングブロック70Aのy方向の一方の部分にボールネジナット80Aを取り付けることが出来、y方向の他方の部分には空間が形成されている。
【0034】
逃げ部75Aの形状は、本実施形態の形状に限定されない。他方のボールネジ50Bが、ボールネジハウジングブロック70Aに接触することなく、x方向に通り抜けることができる形状であればよい。例えば、逃げ部75Aは、他方のボールネジ50Bがx方向に通り抜けることのできる貫通孔でも良い。
ボールネジハウジングブロック70Bは、ボールネジハウジングブロック70Aと同様の部材である。ボールネジハウジングブロック70Bにボールネジナット80Bを取り付ける位置は、ボールネジハウジングブロック70Aにボールネジナット80Aを取り付ける位置とy方向に反対側である。ボールネジハウジングブロック70Bの逃げ部75Bは、ボールネジハウジングブロック70Aの逃げ部75Aとy方向に反対側を向くように配置される。逃げ部75Bは、ボールネジナット80Bと係合しない一方のボールネジ50Aがx方向に通り抜ける空間を提供する。
【0035】
図13は、一方のボールネジ50Aと、スライダー組立体66A(スライダーブロック60Aと、ボールネジハウジングブロック70Aと、ボールネジナット80A)、及び、他方のボールネジ50Bと、スライダー組立体66B(Aスライダーブロック60Bと、ボールネジハウジングブロック70Bと、ボールネジナット80B)との関係を示す分解斜視図である。図13では、ボールネジナット80Aは、ボールネジハウジングブロック70Aに固定せず示す。
また、使用状態では、ボールネジ50Aは、ボールネジナット80Aを貫通し、ボールネジハウジングブロック70Bの孔73Aから出て、ブラケット30Bまで延びるが、図13では、ボールネジ50Aは、ボールネジナット80Aと、ボールネジハウジングブロック70Bの片側にある状態で示す。
【0036】
ガイドレール40と、ガイドレール40上のボールネジ50A,50Bと、スライダー組立体66A,66B(スライダーブロック60A,60Bと、ボールネジハウジング70A,70Bと、ボールネジナット80A,80B)との動きについて説明する。スライダーブロック60Aと60Bは、1つのガイドレール40(図13では図示せず)上に軸方向(x方向)に並んで位置する。スライダー組立体66Aのボールネジナット80Aと、スライダー組立体66Bのボールネジナット80Bとは、x方向に反対方向を向き、y方向に中央部から反対側に位置する。また、逃げ部75Aと75Bが、y方向に反対方向を向いている。
ボールネジ50Aは、ボールネジナット80Aと係合し、ボールネジハウジングブロック70Aを移動させる。しかし、ボールネジ50Aは、ボールネジハウジングブロック70Bの逃げ部75Bを通過するので、ボールネジハウジングブロック70Bの移動には影響を与えない。
逃げ部75Aの形状は、本実施形態の形状に限定されない。ボールネジ50Bがボールネジハウジングブロック70Bと接触することなく、ボールネジ50Bがボールネジハウジングブロック70Bに影響を与えずに回転運動することができるように、ボールネジ50Bから逃げていれば良い。
【0037】
同様に、ボールネジ50Bは、ボールネジハウジングブロック70Bを移動させるが、ボールネジハウジングブロック70Aの逃げ部75Aを通過するので、ボールネジハウジングブロック70Aの移動に影響を与えない。即ち、ボールネジ50Aの回転により、ボールネジハウジングブロック70Aが直線移動し、ボールネジ50Bの回転により、ボールネジハウジングブロック70Bが直線移動する。
【0038】
図14は、リニアガイド装置1に、モータカバー12A,12B、プーリーカバー24A,24B、サイドカバー44、防塵カバー46を取付けた状態の斜視図である。2つのサイドカバー44の間は間隔があり、この間隔から、ボールネジハウジングブロック70A,70Bの延長部76A,76Bが出ている。防塵カバー46は、ボールネジハウジングブロック70Aの凹部74Aに入る。
サイドカバー44、防塵カバー46は、本発明に必須の部材ではなく、また、サイドカバー44、防塵カバー46と、ボールネジハウジングブロック70A,70Bとの位置関係は、この図に示すものに限定されない。防塵カバー46は、ボールネジ等のある内部に塵が入らないように保護するためのカバーである。防塵カバー46は、ボールネジハウジングブロック70A,70Bの延長部76A,76Bの下側に設けることもできる。
【0039】
次に、本発明の1実施形態によるリニアガイド装置1の動作を説明する。制御装置により、モータ10Aの回転(即ち、ボールネジハウジングブロック70Aの移動)が指示されると、モータ10Aは所定の回転をし、モータ10Aの回転により、モータシャフト14Aが回転し、駆動プーリー21Aが回転する。駆動プーリー21Aの回転は、プーリーベルト22Aにより、受動プーリー23Aに伝わり、受動プーリー23Aが回転する。受動プーリー23Aの回転により、受動プーリー23Aの軸に固定されたボールネジ50Aが、ブラケット30Aと30Bとの間で回転する。この回転により、ボールネジナット80Aが軸方向に移動し、スライダー組立体66A(ボールネジナット80A、ボールネジハウジングブロック70A、スライダーブロック60A)は、ガイドレール40上を軸方向に移動する。
スライダー組立体66Aは、スライダー組立体66Bに接する位置から、ブラケット30Bに最も近接した位置まで、移動することが可能である。スライダー組立体66Bが、ブラケット30Aに最も近接して位置する場合に、スライダー組立体66Aの移動可能範囲は最大になる。
ボールネジ50Aが回転しても、スライダー組立体66Bの移動には影響を与えない。
【0040】
他方、制御装置により、モータ10Bの回転(即ち、ボールネジハウジングブロック70Bの移動)が指示されると、モータ10Bは所定の回転をし、モータ10Bの回転により、モータシャフト14Bが回転し、駆動プーリー21Bが回転する。駆動プーリー21Bの回転は、プーリーベルト22Bにより、受動プーリー23Bに伝わり、受動プーリー23Bが回転する。受動プーリー23Bの回転により、受動プーリー23Bの軸に固定されたボールネジ50Bが、ブラケット30Aと30Bとの間で回転する。この回転により、ボールネジナット80Bが軸方向に移動し、スライダー組立体66B(ボールネジナット80B、ボールネジハウジングブロック70B、スライダーブロック60B)は、ガイドレール40上を軸方向に移動する。
スライダー組立体66Bは、ブラケット30Aに最も近接した位置から、スライダー組立体66Aに接する位置まで、移動することが可能である。スライダー組立体66Aが、ブラケット30Bに最も近接して位置する場合に、スライダー組立体66Bの移動可能範囲は最大になる。
ボールネジ50Bが回転しても、スライダー組立体66Aの移動には影響を与えない。
【0041】
本発明の1実施形態によれば、1つのガイドレール40上に、2つの平行なボールネジ50A,50Bと、各ボールネジ50A,50Bと組み合わされたボールネジナット80A,80Bが設けられているので、1つのガイドレール40上で、2つのスライダー組立体66A,66Bをそれぞれ独立して動作させることができる。
【0042】
図15は、本発明の1実施形態によるリニアガイド装置1をロボット装置100に用いた例である。モータ10A,10Bにより、ボールネジハウジングブロック70A,70Bをそれぞれ独立にx方向に移動させることができる。ボールネジハウジングブロック70A,70Bには、それぞれy方向に長い部材110A,110Bが結合され、部材110A,110Bの一端部には、モータ130A,130Bが結合されている。部材110A,110B上には、それぞれモータ130A,130Bによりy方向に移動可能なブロック120A,120Bが結合されている。
【0043】
ロボット装置100では、ブロック120A,120Bはx方向とy方向にそれぞれ独立して移動させることができる。2つのブロック120A,120Bは、まったく異なる作業を行うことができる。従来の1軸の電動アクチュエータを使用したロボット装置では、単一の作業しか行うことができなかったが、本発明の電動アクチュエータを使用したロボット装置100では、同時に異なる作業を行うことができ、作業時間を大幅に削減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明のリニアガイド装置は、工業用ロボット装置等の分野で広く使用することができる。
本発明の実施形態によれば、同時に異なる作業を行うことができる。作業上の要求に応じて、ボールネジ50Aの径と50Bの径を異なる径とし、一方のボールネジ50Aの径を太くし可搬重量重視タイプとし、他方のボールネジ50Bの径を細くし、速度重視タイプのアクチュエータとすることもできる。このように、本発明の実施形態によれば、コンパクトで安価な電動アクチュエータを提供することができる。
【符号の説明】
【0045】
10A,10B モータ
11A,11B モータ本体
12A,12B モータカバー
13A,13B モータ端部カバー
14A,14B モータシャフト
15A,15B ボルト
20A,20B プーリー機構
21A,21B 駆動プーリー
22A,22B プーリーベルト
23A,23B 受動プーリー
24A,24B プーリーカバー
25A,25B ボルト
30A,30B ブラケット
31A,31B 孔
32A,32B 孔
33A,33B 孔
34A,34B ナット
35A,35B ベアリング
36A,36B ベアリング支持ナット
37A,37B ベアリング
40 ガイドレール
41 上面
42 溝
44 サイドカバー
46 防塵カバー
50A,50B ボールネジ
51A,51B 一端部
52A,52B 部分
53A,53B ネジ部分
54A,54B 他端部
60A,60B スライダーブロック
61A,61B 凹部
62A,62B 延長部
63A,63B 溝
66A,66Bスライダー組立体
70A,70B ボールネジハウジングブロック
71A,71B 孔
72A,72B 孔
73A,73B 孔
74A,74B 凹部
75A,75B 逃げ部
76A,76B 延長部
77A,77B 張出部
80A,80B ボールネジナット
81A,81B 内周部
82A,82B 外周
83A,83B ボルト
100 ロボット装置
110A,110B 部材
120A,120B ブロック
130A,130B モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールネジによりスライダー組立体を軸方向に移動させるリニアガイド装置であって、
前記スライダー組立体を軸方向に摺動させるため、一定の幅の平らな上面を有し軸方向に延びるガイドレールと、
前記ガイドレールの各端部に取付けられた1対のブラケットと、
電源により電力を供給され、制御装置の指令により回転運動するため、前記1対のブラケットに取り付けられた1対のモータと、
各々の前記モータの回転運動をそれぞれのボールネジに伝達するため、前記1対のブラケットに取り付けられた1対の動力伝達機構と、
前記ガイドレールの上方に、前記ガイドレールと平行に且つ相互に平行に配置され、1対の前記ブラケットにより軸方向に移動不能で回転可能に両端を支持され、外周にねじ山が形成された1対のボールネジと、
各々の前記ボールネジに組み合わされ、各々の前記ボールネジが回転運動すると、それぞれが前記ガイドレール上を直線移動する1対のスライダー組立体と、を備えることを特徴とするリニアガイド装置。
【請求項2】
前記1対のスライダー組立体は、
前記ガイドレール上を摺動する1対のスライダーブロックと、
各々の前記スライダーブロックと一体に結合された1対のボールネジハウジングブロックと、
各々の前記ボールネジハウジングブロックと一体に結合され、一方の前記ボールネジのねじ山に係合する溝を有する1対のボールネジナットと、を有し、
各々の前記ボールネジナットは、前記ボールネジハウジングブロックの幅方向中央部より一方の側に取り付けられ、各々の前記ボールネジハウジングブロックの幅方向の他方の側には空間部が形成され、前記空間部を組み合わされていない前記ボールネジが通り抜け、
各々のボールネジハウジングブロックは、組み合わされた前記ボールネジにより組み合わされた前記ボールネジナットを介して駆動されるが、組み合わされていない前記ボールネジには駆動されないようになっている請求項1に記載のリニアガイド装置。
【請求項3】
各々の前記動力伝達機構は、
前記ブラケットに接続され、各々の前記モータにより駆動される駆動プーリーと、
各々の前記プーリーにより駆動されるプーリーベルトと、
前記ブラケットに接続され、各々の前記プーリーベルトにより駆動される受動プーリーと、
を有する請求項1又は2に記載のリニアガイド装置。
【請求項4】
ボールネジによりスライダー組立体を軸方向に移動させるリニアガイド装置であって、
前記スライダー組立体を軸方向に摺動させるため、平らな上面を有し軸方向に延びるガイドレールと、
前記ガイドレールの1端部に取付けられた第1のブラケットと、
前記ガイドレールの他端部に取付けられた第2のブラケットと、
電源により電力を供給され、制御装置の指令により回転運動するため、第1のブラケットに取り付けられた第1のモータと、
前記電源により電力を供給され、前記制御装置の指令により回転運動するため、第2のブラケットに取り付けられた第2のモータと、
前記第1のモータの回転運動を第1のボールネジに伝達するため、前記第1のブラケットに取り付けられた第1の動力伝達機構と、
前記第2のモータの回転運動を第2のボールネジに伝達するため、前記第2のブラケットに取り付けられた第2の動力伝達機構と、
前記ガイドレールの上方に、前記ガイドレールと平行に延び、前記第1、第2のブラケットにより軸方向に移動不能で回転可能に両端を支持され、外周にねじ山が形成された第1のボールネジと、
前記ガイドレールの上方に、前記ガイドレール及び前記第1のボールネジと平行に延び、前記第1、第2のブラケットにより軸方向に移動不能で回転可能に両端を支持され、外周にねじ山が形成された第2のボールネジと、
前記第1のボールネジに組み合わされ、前記第1のボールネジが回転運動すると、前記ガイドレール上を直線移動する第1のスライダー組立体と、
前記第2のボールネジに組み合わされ、前記第2のボールネジが回転運動すると、前記ガイドレール上を直線移動する第2のスライダー組立体と、
を備えることを特徴とするリニアガイド装置。
【請求項5】
前記第1のスライダー組立体は、
前記ガイドレール上を摺動する第1のスライダーブロックと、
前記第1のスライダーブロックと一体に結合された第1のボールネジハウジングブロックと、
前記第1のボールネジハウジングブロックと一体に結合され、前記第1のボールネジのねじ山に係合する溝を有する第1のボールネジナットと、を有し、
前記第2のスライダー組立体は、
前記ガイドレール上を摺動する第2のスライダーブロックと、
前記第2のスライダーブロックと一体に結合された第2のボールネジハウジングブロックと、
前記第2のボールネジハウジングブロックと一体に結合され、前記第2のボールネジのねじ山に係合する溝を有する第2のボールネジナットと、を有し、
前記第1のボールネジナットは、前記第1のボールネジハウジングブロックの幅方向中央部より一方の側に取り付けられ、前記第1のボールネジハウジングブロックの幅方向の他方の側には空間部が形成され、前記空間部を前記第2のボールネジが通り抜け、
前記第2のボールネジナットは、前記第2のボールネジハウジングブロックの幅方向中央部より前記他方の側に取り付けられ、前記第2のボールネジハウジングブロックの幅方向の前記一方の側には空間部が形成され、前記空間部を前記第1のボールネジが通り抜け、
前記第1のボールネジハウジングブロックは、前記第1のボールネジにより前記第1のボールネジナットを介して駆動されるが、前記第2のボールネジには駆動されないようになっていて、
前記第2のボールネジハウジングブロックは、前記第2のボールネジにより前記第2のボールネジナットを介して駆動されるが、前記第1のボールネジには駆動されないようになっている、請求項4に記載のリニアガイド装置。
【請求項6】
前記第1の動力伝達機構は、
前記第1のブラケットに接続され、前記第1のモータにより駆動される第1の駆動プーリーと、
前記第1のプーリーにより駆動される第1のプーリーベルトと、
前記第1のブラケットに接続され、前記第1のプーリーベルトにより駆動される第1の受動プーリーと、を有し、
前記第2の動力伝達機構は、
前記第2のブラケットに接続され、前記第2のモータにより駆動される第2の駆動プーリーと、
前記第2のプーリーにより駆動される第2のプーリーベルトと、
前記第2のブラケットに接続され、前記第2のプーリーベルトにより駆動される第2の受動プーリーと、を有する請求項4又は5に記載のリニアガイド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−53705(P2013−53705A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193504(P2011−193504)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(511217212)株式会社コスモスウェブ (1)
【出願人】(511217360)斯普雷博科技貿易有限公司 (1)
【出願人】(511217371)斯普雷博科技有限公司 (1)
【Fターム(参考)】