説明

リベットを用いた複数の部材の連結方法及び装置

【課題】リベットに対応する部材の部分における変形や歪みを無くし、ガイドピンを必要とせずに、リベットを用いて複数の部材を相互に連結する。
【解決手段】部材17、18には予め貫通孔21、22が形成される。部材の連結には貫通孔に挿通されるリベット23が用いられ、リベット軸部25の先端側部分27は中空に形成される。部材は、貫通孔を整列した状態で重ねてダイ30に載置される。ダイには円錐の突起31が形成され、リベット頭部26は、パンチ33によって、ダイの突起によって軸部先端側部分が半径方向外側に拡径変形する強さで、ダイに向けて押圧される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自己穿孔型リベットの形状に似たリベットを用いて、複数の、パネル等の部材を相互に連結する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自己穿孔型リベットを用いて複数のパネル等の部材を相互に連結する方法や装置は公知である。自己穿孔型リベットを用いた連結装置の1例が、特表平9−5061537号公報(特許文献1)に記載されている。図1及び図2は、特許文献1に記載の自己穿孔型リベットを用いた複数の部材の連結装置及び部材に締結した自己穿孔型リベットを示す。図1において、自己穿孔型リベットを用いた部材連結装置1は、ダイ2とノーズ3とによって2つの部材5及び6を強い力(矢印参照)でクランプして、パンチ7で自己穿孔型リベット9を部材5、6に打込む。自己穿孔型リベット9は、大径の頭部10と頭部10から垂下する中空円筒の軸部11とを有する。ダイ2に配置された部材5、6にはパンチ7によって自己穿孔型リベット9が部材5、6に打込まれる。図2に図示のように、自己穿孔型リベット9は、部材5、6に打込まれると、軸部11が部材5、6を穿通し、軸部11の先端が半径方向外方に拡径するように変形させられ、軸部先端13はダイ2に隣接する受側の部材6を貫通せずにその中に留まる。部材6の中で拡径変形した軸部11の先端と頭部10とによって部材5、6が相互に連結される。かかる自己穿孔型リベットは、パンチ側の部材5は穿通するが、ダイ2に隣接する受側の部材6を貫通せずにその中に留まるように打込まれるので、これによって、受側の部材6の表面にはリベット穿通穴が形成されない。そのため、受側の部材6への密封性が損なわれず、また外観がそのまま維持される利点がある。
【0003】
【特許文献1】特表平9−506153号公報(国際公開WO95/090307号に対応)
【特許文献2】実開昭53−146866号公報
【特許文献3】特開平6−007879号公報
【特許文献4】特表平7−503663号公報(国際公開WO93/10925号に対応)
【特許文献5】特表平10−501744号公報(国際公開WO95/35174号に対応)
【特許文献6】実公昭61−13146号公報(実開昭57−11648号)
【0004】
上記のように、特許文献1の部材連結装置の自己穿孔型リベットは、部材に打込まれるときリベット自身が部材を穿通して複数の部材を相互に連結する。特許文献2及び3に記載の自己穿孔型リベットも、特許文献1の自己穿孔型リベットと同様に、打込みによってリベット自身が部材を穿通して複数の部材を相互に連結する。特許文献4は、2つの部材に中空リベットを強力に押込んで、両部材をリベットの軸方向及び半径方向外方に突出変形させ、これによって、両部材を連結する技術を記載している。特許文献5は、自己穿孔型リベットを用いて、2つ又は3つの部材を連結するため、ダイ側の部材を除く部材に予め孔を形成し、ダイ側の部材にリベットを打込んでリベット自身が穿通することによって2つ又は3つの部材を連結を相互に連結する技術を記載している。特許文献6は、中空リベットかしめ機を開示し、そのかしめ機のガイドピンに工夫が施されている。特許文献6に記載の部材連結方法では、2枚の部材に予め孔があけられ、それらの孔にアンビルから延びるガイドピンが貫通するように2枚の部材をアンビルに位置決め配置し、アンビルと反対側にあるジョーに保持された中空リベットが、2枚の部材から突出するガイドピンに向けてステムで打込まれ、ガイドピンの先端が中空リベットの中空部分を受入れてそのまま2枚の部材の孔に案内しながらガイドピンがアンビルの中に引込まれ、リベットが強力に押圧されて、リベットの先端がアンビル内で拡径変形されて、その拡径変形軸部部分とリベット頭部とによって、2枚の部材が連結される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1〜5に記載のように、自己穿孔型リベットを用いて、複数の部材を連結するやり方は、ダイ等の受け部材に接する側の部材には、リベットの打込みによって、リベット軸部先端に対応する部分の外面に変形又は歪みが現れるので望ましくない。特許文献6の中空リベットかしめ機は、部材に予め孔が形成されるため、特許文献1〜5の部材連結方法のようなリベットの打込みによる部材への変形や歪みはないが、複数の部材の連結のために、アンビル側に可動のガイドピンを必要としている。
【0006】
従って、本発明の目的は、連結すべき複数の部材にリベットを打込んでもその打込んだリベットに対応する部材部分には変形や歪みを生じない、ガイドピンも必要としない、リベットを用いた複数の部材の連結方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明による、リベットを用いて複数の部材を連結する方法は、複数の部材のそれぞれにリベットの軸部を挿通するための貫通孔を形成し、リベットの頭部が当接する部材の貫通孔は、該リベットの軸部は貫通するが頭部は通らない大きさであり、複数の部材を、それらの貫通孔が整列した状態で重ね合わせて、リベット軸部の先端側部分の中空部分に少なくとも一部が入る大きさの錐形状の突起が形成された受け部材の上に、該突起に貫通孔が整列するように配置し、リベットを複数の部材の貫通孔に受け部材と反対の側から軸部を挿入して該軸部の中空の先端が受け部材の突起の頂部を受入れるように配置し、受け部材の突起によって軸部の先端側の部分が半径方向外側に拡径変形する強さでリベットの頭部を受け部材に向けて押圧することから成り、頭部と拡径変形した軸部部分とによって複数の部材を相互に連結することを特徴とする。
【0008】
上記連結方法によれば、リベットの軸部は複数の部材の貫通孔を貫通しているので、リベットの打込みがあっても、連結すべき部材には変形や歪みを伴なう力は作用せず、これによって、リベットに対応する部材の部分に変形や歪みは現れない。また、上記連結方法は、リベットの打込みにおいてリベットを案内する可動のガイドピンを必要としない。
【0009】
上記部材連結方法において、リベットの頭部は、頂面が平坦に形成され、該頂面と反対側の面は湾曲しながら軸部へ連続するように形成され、前記の押圧するステップは、リベット頭部の頂面を部材の表面と面一になるまで押圧することができる。これによって、部材のリベット頭部側の外面は、部材とリベット頭部とが平坦に連続するので好ましい。
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明による、リベットを用いて複数の部材を連結する装置には、複数の部材のそれぞれに形成された貫通孔に挿通される軸部と複数の部材の内の少なくとも1の部材の貫通孔を通らない大きさの頭部とから成り、軸部の先端側の部分が中空に形成されたリベットが用いられ、該装置は、更に、複数の部材がそれらの貫通孔を整列した状態で重ね合わされて載置される受け部材を備え、受け部材はリベット軸部の先端側の中空の部分に少なくとも一部が入る大きさの錐形状の突起が形成され、更に、装置は、リベット軸部を複数の部材の貫通孔に受け部材と反対の側から挿入して該軸部の中空の先端が受け部材の突起の頂部を受入れるように配置した状態で、リベットの頭部を、受け部材の突起によって軸部の先端側の中空の部分が半径方向外側に拡径変形する強さで、受け部材に向けて押圧する押圧手段を備え、頭部と拡径変形した軸部部分とによって複数の部材を相互に連結する、ことを特徴とする。
【0011】
上記連結装置によれば、リベットの軸部は複数の部材の貫通孔を貫通しているので、リベットの打込みがあっても、連結すべき部材には変形や歪みを伴なう力は作用せず、これによって、リベットに対応する部材の部分に変形や歪みは現れない。また、上記連結装置は、リベットの打込みにおいてリベットを案内する可動のガイドピンを必要としない。
【0012】
上記部材連結装置において、リベットの頭部は、頂面が平坦に形成され、該頂面と反対側の面は湾曲しながら前記軸部へ連続するように形成され、押圧手段は、リベット頭部の頂面を部材の表面と面一になるまで押圧する構成にできる。これによって、リベット頭部側の外面は、部材とリベット頭部とが平坦に連続するので好ましい。
【0013】
更に、リベット軸部の先端側の中空の部分は、円錐形状の凹部に形成できる。また、軸部は先端側部分以外は、むくの棒状に形成され、該軸部の長さが、複数の部材に挿入された状態において軸部先端が複数の部材の外面から少し突出するか同一面となる長さにできる。そして、リベット軸部の外形は、直円筒形状に形成されている。更に、受け部材は、中央に円錐形状の突起が形成され且つ該突起の回りには環状の凹溝が形成されたダイで実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図3〜図6を参照して本発明の実施形態に係る、リベットを用いた複数の部材の連結装置を説明する。図3において、複数の部材17、18を連結する部材連結装置19は、複数の部材17、18のそれぞれに予め形成された貫通孔21、22に挿通されるリベット23を用いる。リベット23は、貫通孔21、22に挿通される軸部25と複数の部材17、18の内の少なくとも1の部材(上側の部材17)の貫通孔21を通らない大きさの頭部26とから成る。リベット23の軸部25の先端側の部分27は、例えば円錐形状の凹部29によって中空に形成されている。部材連結装置19は、複数の部材17、18がそれらの貫通孔21、22が整列した状態で重ね合わされて載置される受け部材としてのダイ30を備えている。ダイ30には、リベット軸部25の先端側部分27の中空部分である凹部29に少なくとも一部が入る大きさの錐形状(図示の例では円錐形状)の突起31が形成されている。更に、部材連結装置19は、リベット23の軸部25を複数の部材17、18の貫通孔21、22にダイ30と反対の側から挿入して軸部25の中空の先端側部分27がダイ30の突起31の頂部を受入れるように配置した状態で、リベット23の頭部26を、ダイ30の突起31によって軸部25の中空の先端側部分27が半径方向外側に拡径変形する強さで、ダイ30に向けて押圧する、押圧手段としてのパンチ33を備えている。
【0015】
図4にリベット23の詳細形状を断面図で示す。リベット23は、一般的には、鋼材で作られる。リベット23は、連結する部材17等の材質や、部材17、18の連結強度の要求に応じて、アルミニウムによって作ることができる。更に、リベット23は、塑性変形できる樹脂材料でも作ることができる。図4に図示のように、リベット23の頭部26は、頂面34が平坦に形成される。これによって、リベット頭部26の頂面34を上側の部材17の表面と面一になるまでパンチ33で押圧すると、部材17の表面とリベット頭部26が面一になり、リベット締結後の外観を良好にする。また、頂面34と反対側の面(図4の下面)は、ほぼ半円に湾曲(半径R)して軸部25へ連続するように形成されている。これによって、頭部26が軸部25に滑らかに連続し、パンチ33でリベット23押圧すると、部材17の貫通孔21の上縁部に滑らかに押圧するので、部材17の表面とリベット頭部26が面一が良好に行われ、また、貫通孔21の上縁部を面取りする必要もなくなる。軸部25は、先端側部分27以外は、むく(ソリッド)の棒状に形成されていて十分な連結強度を維持できるのが好ましい。軸部25は、複数の部材17、18に挿入された状態において軸部先端がその複数の部材の下側の部材18の外面から少し突出する(図1参照)か同一面となる長さにできる。このように軸部25の先端の突き出し長さを短くすることによって、部材18から突出する拡径変形軸部部分が短くなり、部材18の外面の外観をほぼ平坦に維持できる。更に、先端側部分27の長さを短くすることに加えて、先端側部分27の厚さも薄肉になるように円錐形状の凹部29をやや大きく形成することができる。これらによって、リベット軸部25の先端側部分27の拡径変形する締結部が必要最小限の大きさにでき、下側部材18から突出する部分を小さく形成できる。円錐形状の凹部29は、開き角Aで開放し、先端と内側とは滑らかに連続する形状であるのが好ましい。これによって、軸部25の先端側部分27が滑らかに拡径変形される。軸部25は、外形を直円筒形状に形成するのが、加工において簡単であり、部材17、18の貫通孔21、22への挿入作業も容易になる。なお、軸部25の中空部分は、先端側部分27だけでなく、頭部26の側に延び出ていてもよい。
【0016】
図5は、受け部材としてのダイ30の詳細な形状を部分断面図で示している。ダイ30は、リベット23の軸部25の中空の先端側部分27を拡径変形させるため、中央に円錐形状の突起31が形成されている。突起31は、その高さを低く形成することができ、それによって、先端側部分27の拡径変形を必要最小限に小さく形成できる。図示の例において、突起31の回りには環状の凹溝35が形成されている。ダイ30は、リベット23をパンチ33で押圧したとき、リベット23の軸部25の先端側部分27を拡径変形させるとともに、パンチ33の押圧によって複数の部材17、18を相互に圧着する。リベット23の軸部25の先端側部分27を拡径変形させるのが、突起31であり、また、拡径変形した先端側部分27の外面を凹溝35が整形する。なお、凹溝35は、部材18の材質やリベット23の材質によっては必ずしも必要ではなく、突起31の外周側の部分は、平坦に形成してもよく、また、円錐形状の突起31がそのまま続く斜面形状に形成してもよい。このように、凹溝35が無い場合は、リベット23の拡径変形した先端側部分27の外面を、部材18の外面に平坦にすることができる。更に、突起31の形状は、リベット23の押圧のとき、軸部25の先端側部分27を拡径変形できる形状あればよい。例えば、リベット軸部を拡径変形できる形状のリベット軸部先端に入り込む部品であってもよい。
【0017】
リベット23の押圧手段としてのパンチ33は、リベット23をダイ30に押圧し、リベット軸部25の先端側部分27を拡径変形するとともに、複数の部材17、18を相互に圧着する機能を有する。図3の例において、パンチ33の押圧面は、平坦に形成されている。パンチ33の押圧面は、他の形状、例えば、リベット頭部26を収容する凹部を形成してリベット23の位置決めを行うように形成してもよい。また、押圧手段としては、図示のパンチ33に限らず、リベット軸部25の先端側部分27を拡径変形する機能を有する限り、任意の押圧手段を使用できる。
【0018】
上記の構成で成る部材連結装置19を用いて、複数の部材17、18(図示の例では2枚の部材であるが、3枚以上の部材であってもよい)を相互に連結する方法を説明する。図3に示すように、複数の部材17、18のそれぞれには、リベット23の軸部25を挿通するための貫通孔21、22が予め形成されている。これらの貫通孔21、22は面取りはされていない。また、リベット23の頭部26が当接する部材17の貫通孔21は、リベット23の軸部25は貫通するが頭部26は通らない大きさに形成される。なお、貫通孔21の大きさとリベット頭部26の大きさの関係は相対的なものであり、上記のようにリベット23を基準として貫通孔21の大きさを選定できるだけでなく、貫通孔21の大きさを基準としてリベット23を選定することもできる。
【0019】
図3に示すように、複数の部材17、18を、それらの貫通孔21、22が整列した状態で重ね合わせて、ダイ30の上に載置される。この載置は、ダイ30の突起31に貫通孔21、22が整列するように置かれる。そして、リベット23の軸部25を、複数の部材17、18の貫通孔21、22に、ダイ30と反対の側から挿入し、軸部25の中空の先端側部分27が、ダイ30の突起31の頂部を受入れるように配置する。なお、リベット23の軸部25を、複数の部材17、18の貫通孔21、22に挿入した後、リベット23が挿入された複数の部材17、18を、部材18から突出するリベット軸部25の先端側部分27がダイ30の突起31の頂部に整列するように、ダイ30に載置するやり方でもよい。
【0020】
ダイ30に載置された複数の部材17、18の上に、図3に図示のように、パンチ33が配置されており、リベット23の頭部26を押圧する。パンチ33は、ダイ30の突起31によってリベット軸部25の先端側部分27が部材18の外面において半径方向外側に拡径変形する強さで、リベット23の頭部26をダイ30に向けて押圧する。この押圧によって、リベット軸部25の先端側部分27は、ダイ30の突起31の外形に沿って半径方向外方に拡がりながら変形する。押圧の続行によって先端側部分27の拡径変形が部材18の外面に沿って進行し、先端側部分27は、部材18を締め付けるように拡径変形して図6の拡径変形した先端側部分37となる。このとき、頭部26の裏面の湾曲面38は、部材17の貫通孔21の上縁部を拡径するように作用し、頭部26は、貫通孔21を広げながら部材17の中に沈み込む。
【0021】
パンチ33でリベット23を押圧した後、部材17、18をダイ30から取外した状態が、図6に示されている。図6に図示のように、リベット23は、複数の部材17、18に締結されて、リベット23の頭部26と軸部25の拡径変形した先端側部分37とによって、複数の部材17、18が相互に緊密に連結される。頭部26の平坦な頂面34は、部材17の表面に面一に押圧され、外面全体が平坦になり、凹凸のない良好な外観を提供する。また、頭部26の裏面側の湾曲面38は、部材17の貫通孔21の上縁部を滑らかに面取りするように作用しており、リベット23の締結も安定している。更に、拡径変形した先端側部分37も、部材18の貫通孔22の下縁部を滑らかに面取りするように変形され、外観を良好にするとともに、リベット23の締結を安定させる。
【0022】
上記のように、リベット23を複数の部材17、18に締結することによって、部材への変形や歪みを外観に呈することなく、複数の部材17、18が相互に緊密に連結され、部材17、18の貫通孔21、22への面取りを必要とせずに、連結後の外観を良好に維持することができ、更に、部材17、18へのリベット23の締結部分においても、平坦なまま、あるいは、ほぼ平坦なままに形成でき、良好な外観とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】公知の、自己穿孔型リベット使用の連結装置のパンチとダイの間に複数の部材がクランプされて自己穿孔型リベットが打込まれる前の様子を示す、断面図である。
【図2】図1の自己穿孔型リベットが部材に打込まれた後の断面図である。
【図3】本発明の1実施形態に係る、リベットを用いた複数の部材の連結装置の主要部を示す断面図である。
【図4】図3のリベットの詳細を示す断面図である。
【図5】図3のダイの詳細を示す部分断面図である。
【図6】図3の連結装置によってリベットを部材に締結して、部材をダイから取外した後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 公知の自己穿孔型リベット締結装置
2 ダイ
3 ノーズ
5 パンチ側の部材
6 受側の部材
7 パンチ
9 自己穿孔型リベット
10 頭部
11 軸部
13 軸部先端
17 パンチ側の部材
18 ダイ側の部材
19 部材連結装置
21、22 貫通孔
23 リベット
25 リベット軸部
26 リベット頭部
27 軸部の先端側部分
29 凹部
30 ダイ
31 突起
33 パンチ
34 リベット頭部の頂面
35 凹溝
37 拡径変形した先端側部分
38 頭部の湾曲面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リベットを用いて複数の部材を連結する方法であって、
前記複数の部材のそれぞれに前記リベットの軸部を挿通するための貫通孔を形成し、前記リベットの頭部が当接する前記部材の貫通孔は、該リベットの軸部は貫通するが頭部は通らない大きさであり、
前記複数の部材を、それらの前記貫通孔が整列した状態で重ね合わせて、前記リベット軸部の先端側部分の中空部分に少なくとも一部が入る大きさの錐形状の突起が形成された受け部材の上に、該突起に前記貫通孔が整列するように配置し、
前記リベットを前記複数の部材の貫通孔に前記受け部材と反対の側から前記軸部を挿入して該軸部の中空の先端が前記受け部材の突起の頂部を受入れるように配置し、
前記受け部材の前記突起によって前記軸部の先端側の部分が半径方向外側に拡径変形する強さで前記リベットの頭部を前記受け部材に向けて押圧すること、から成り、
前記頭部と前記拡径変形した軸部部分とによって前記複数の部材を相互に連結することを特徴とする、複数の部材を連結する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記リベットの頭部は、頂面が平坦に形成され、該頂面と反対側の面は湾曲しながら前記軸部へ連続するように形成されており、前記押圧することは、前記リベット頭部の頂面を前記部材の表面と面一になるまで押圧することから成る、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
リベットを用いて複数の部材を連結する装置であって、
前記複数の部材のそれぞれに形成された貫通孔に挿通される軸部と前記複数の部材の内の少なくとも1の部材の貫通孔を通らない大きさの頭部とから成り、前記軸部の先端側の部分が中空に形成されたリベットと、
前記複数の部材がそれらの前記貫通孔を整列した状態で重ね合わされて載置される受け部材であって、前記リベット軸部の先端側部分の前記中空部分に少なくとも一部が入る大きさの錐形状の突起が形成された受け部材と、
前記リベット軸部を前記複数の部材の貫通孔に前記受け部材と反対の側から挿入して該軸部の中空の先端が前記受け部材の突起の頂部を受入れるように配置した状態で、前記リベットの頭部を、前記受け部材の前記突起によって前記軸部の先端側の中空の部分が半径方向外側に拡径変形する強さで、前記受け部材に向けて押圧する押圧手段とから成り、
前記頭部と前記拡径変形した軸部部分とによって前記複数の部材を相互に連結することを特徴とする、複数の部材を連結する装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、前記リベットの頭部は、頂面が平坦に形成され、該頂面と反対側の面は湾曲しながら前記軸部へ連続するように形成されており、前記押圧手段は、前記リベット頭部の頂面を前記部材の表面と面一になるまで押圧する、ことを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の装置において、前記リベット軸部の先端側の中空の部分には、円錐形状の凹部が形成されている、ことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置において、前記軸部は前記先端側部分以外は、むくの棒状に形成され、該軸部の長さが、前記複数の部材に挿入された状態において軸部先端が該複数の部材の外面から少し突出するか同一面となる長さにされている、ことを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、前記リベット軸部の外形は、直円筒形状に形成されている、ことを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項3〜7のいずれか1項に記載の装置において、前記受け部材は、中央に円錐形状の前記突起が形成され且つ該突起の回りには環状の凹溝が形成されたダイである、ことを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項3〜8のいずれか1項に記載の装置において、前記受け部材は、中央に円錐形状の前記突起が形成され、該突起より半径方向外側の面は平坦な面又は該突起の円錐形状が延長する錐面として形成されたダイである、ことを特徴とする装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−222885(P2007−222885A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−44851(P2006−44851)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(390025243)ポップリベット・ファスナー株式会社 (159)
【Fターム(参考)】