説明

リポソーム組成物及び該リポソーム組成物を含有した皮膚外用剤

【課題】本発明のリポソーム組成物は、白金族金属コロイドを内包することで、それぞれが元来有する過酸化脂質抑制効果をさらに効果的に発現させること。
【解決手段】
次の成分(a)〜(c);
(a)リン脂質
(b)コレステロール及び/又はフィトステロールから選ばれる一種または二種
(c)白金族金属コロイド
(d)水
を含有し、成分(c)が、成分(a)及び成分(b)により形成されるリポソームに内包されていることを特徴とするリポソーム組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リポソーム組成物に関し、さらに詳細には白金属金属コロイドを内包するリポソーム組成物及び該リポソーム組成物を含有した皮膚外用剤に関する。さらに、該リポソーム組成物を用いる過酸化脂質の抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料をはじめとする皮膚外用剤にはさまざまな薬効成分、美容成分が配合され高付加価値を有する製剤の開発が盛んに行われている。なかでも抗酸化機能をもつ成分は、肌の老化防止効果も期待されており製剤への応用も多い。白金コロイドをはじめとするある種の白金属金属コロイドには抗酸化効果があることが知られており、白金コロイドを配合した化粧料も数多く開発されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
リン脂質は、乳化剤に用いられるだけでなく、リポソームの基剤として、薬剤運搬、人工血液、人工細胞等への応用が注目されている。また、リン脂質は、それ自体が生理活性や薬理作用を有するので、医薬品、健康食品、食品添加物、化粧料等への用途が検討され、幅広く利用されている。このように広く用いられているリン脂質自身の抗酸化性を向上させ検討した技術もある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−122723号公報
【特許文献2】特開平09−110888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、皮膚における電気二重層の形成されていることが重要であり、基剤に油性の成分を使用したときには油分が白金コロイドを包み込んで、白金コロイドが造りだす電気二重層構造による負極の効果が十分に発揮されない場合があった。そこで前記のような皮膚外用剤に過酸化脂質抑制効果を十分発揮することのできる白金族金属コロイドを含有する製剤を開発する必要があった。また特許文献2の技術では。リン脂質そのものの抗酸化性はあるものの、十分に発揮されない場合があった。
【0005】
そこで本発明は白金属金属コロイドによる抗酸化能をさらに効果的に発現する組成物を開発し、皮膚外用剤としても用いることが可能な製剤を開発することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる実情に鑑み、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、白金属金属コロイドが、リン脂質とコレステロール及び/又はフィトステロールから選ばれる一種又は二種により形成されるリポソームに内包するリポソーム組成物を調製することにより、白金属金属コロイドの抗酸化効果がさらに顕著となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、次の成分(a)〜(d);
(a)リン脂質
(b)コレステロール及び/又はフィトステロールから選ばれる一種または二種
(c)白金族金属コロイド
(d)水
を含有し、成分(c)が、成分(a)及び成分(b)により形成されるリポソームに内包されていることを特徴とするリポソーム組成物を提供するものである。
【0008】
また成分(c)が白金コロイドであることを特徴とする上記リポソーム組成物を提供するものである。
【0009】
さらに上記リポソーム組成物を含有することを特徴とする皮膚外用剤を提供するものである。
【0010】
さらに上記リポソーム組成物を用いることを特徴とする過酸化脂質の抑制方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のリポソーム組成物は、白金族金属コロイドを内包することで、それぞれが元来有する過酸化脂質抑制効果をさらに効果的に発現することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に含有される成分(a)のリン脂質は、リポソームの構成成分として必須の成分である。成分(a)としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質などが挙げられ、もちろんこれらの類似物あるいはこれらのものを含有する組成物、すなわち大豆レシチン、卵黄レシチン、あるいはそれらの水素添加物等も挙げられる。好ましくは、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトールであり、特に好ましくは、ホスファチジルコリンである。本発明においては、以上のようなリン脂質を一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0013】
本発明に含有される成分(a)の含有量は、特に限定されないが、0.005〜10質量%(以下、単に「%」とする)が好ましい。この範囲であれば、リポソーム組成物の経時安定性をより良好にすることができる。
【0014】
本発明に含有される成分(b)のコレステロール及び/又はフィトステロールは、リポソームの膜安定化剤として含有されるものである。
【0015】
本発明に含有される成分(b)の含有量は、含有される成分(a)に応じて適宜決められるが、概ね0.001〜3%である。この範囲であれば白金属金属コロイドが安定にリポソームに内包することが可能である。
【0016】
本発明に含有される成分(c)の白金族金属コロイドとは、白金族金属の粒子が、液相に分散した状態のものをいい、白金族金属とは、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、及び白金からなる遷移金属の総称をいう。本発明においては、中でも、ロジウム、白金が好ましく、白金が最も好ましい。本発明の成分(c)の白金族金属コロイドは、白金族金属から選ばれる一種の金属コロイドであってもよいし、二種以上の金属種のコロイドであってもよいが、中でも、単一金属種のコロイドが好ましく、白金コロイド又はロジウムコロイドが好ましい。
【0017】
白金族金属を安定的なコロイド状態とするためには、金属の粒子は、比表面積が大きく、表面反応性に優れたものが好ましい。白金族金属粒子の平均粒径については、コロイド状態にすることができれば特に限定されないが、ナノ単位であるのが好ましい。具体的には、平均粒径は、1〜5nmが好ましく、1〜3nmであるのがより好ましく、1.5〜2.5nmが特に好ましい。また、粒子の粒径分布は狭いのが好ましく、具体的には、90個数%以上のコロイド粒子の粒径が、0.1〜10nmの範囲に入るのが好ましく、1〜3nmの範囲に入るのがより好ましい。尚、コロイド粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡で観察することにより求めることができる。
【0018】
白金族金属の粒子を分散させる液相の主成分は水であることが好ましく、コロイド状態を不安定化させない範囲で、有機溶媒を含有していてもよい。有機溶媒としては、メタノール、エチルアルコール等のアルコール類;グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類等が挙げられる。
【0019】
一般に金属コロイド又は金属粒子の製造方法は、種々知られており(例えば、特公昭57−43125号公報、特開昭59−120249号公報、特開平9−225317号公報、特開平10−176207号公報、特開2001−79382号公報、特開2001−122723号公報など)、当業者はこれらの方法を参照することによって容易に調製することができる。例えば、沈殿法又は金属塩還元反応法と呼ばれる化学的方法、あるいは燃焼法と呼ばれる物理的方法などを利用できる。本発明には、いずれの方法で調製された金属コロイド、金属粒子を用いてもよいが、製造の容易性と品質面から金属塩還元反応法で調製された金属コロイドを用いるか、又は前記方法によって得られた金属粒子をコロイドに調製して用いることが好ましい。
【0020】
金属塩還元反応法では、例えば、水溶性若しくは有機溶媒可溶性の金属塩又は金属錯体の水溶液又は有機溶媒溶液を調製し、この溶液に水溶性高分子を加えた後、必要に応じpHを調整し、不活性雰囲気下で加熱還流することにより還元して金属粒子を得ることができる。金属の水溶性又は有機溶媒可溶性の塩の種類は特に限定されないが、例えば、酢酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、又はリン酸塩などを用いることができ、これらの錯体を用いてもよい。
【0021】
金属塩還元反応法に用いる水溶性高分子の種類は特に限定されないが、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、シクロデキストリン、アミロペクチン、又はメチルセルロースなどを用いることができ、これらを2種以上組み合わせて用いてもよい。好ましくはポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩を用いることができ、より好ましくはポリアクリル酸塩を用いることができる。また、水溶性高分子に替えて、あるいは水溶性高分子とともに各種の界面活性剤、例えば、アニオン性、カチオン性、両性、又はノニオン性の界面活性剤を使用することも可能である。還元をアルコールあるいはグリコールを用いて行なう際には、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、又はエチレングリコールなどが用いられる。これらの水溶性高分子及び界面活性剤は、液相中に金属粒子が生成した後は、白金族金属に配位し、該金属の親溶媒性を向上させ、保護コロイド剤として、コロイド状態の安定化に寄与する。
【0022】
金属塩還元反応法により液相中に生成した金属粒子は、そのまま液相から分離することなく、化粧料等の皮膚外用剤の調製に用いてもよい。例えば、金属塩還元反応法により液相中に金属粒子を生成させ、所望により適当な精製工程(例えば、金属塩還元反応法の工程中に用いられた有機溶媒を減圧留去する工程)を経た後、任意の量の水を添加することによって、又は任意の量の水を除去することによって、安定なコロイドからなる美白剤や皮膚外用剤等を調製することができる。所望によりコロイド状態の安定化に寄与する界面活性剤、分散剤等を添加してもよい。
【0023】
本発明のリポソーム組成物における成分(c)の白金族金属コロイドの含有量は、使用目的等によっても異なるが、一般的には、白金族金属の濃度が最終組成物中に、好ましくは0.1nmol/L〜1mmol/L、より好ましくは10nmol/L〜10μmol/Lである。この範囲内であれば、コロイドを安定に配合することができ、優れた効果を発揮することができる。
【0024】
本発明のリポソーム組成物は成分(d)として水を含有する。これはリポソーム組成物を形成し、また分散させるために必須である。このような水としては、精製水、温泉水、ローズ水やラベンダー水等の植物由来の水蒸気蒸留水などを使用することができる。これらの中から一種または二種以上を使用してもよい。
【0025】
本発明のリポソーム組成物の製造方法としては、一般に知られる種々の方法を使用することができる。具体的に例示するならば、バンガム法、pH勾配法、凍結融解法、逆相蒸発法、メカノケミカル法、超臨界二酸化炭素法、フィルムローディング法等がある。
【0026】
本発明のリポソーム組成物には、上記必須成分の他に一般に化粧料に使用される成分、例えば、水可溶性成分、保湿剤、油剤、界面活性剤、増粘剤、粉体、色素、紫外線吸収剤、皮膜形成性剤、pH調整剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等、通常の皮膚外用剤に用いられる成分を本発明の効果を損なわない量的質的範囲において適宜配合することができる。これらの成分はリポソーム組成物に含有させることも可能であるが、後述する皮膚外用剤の成分として配合させることも可能である。
【0027】
本発明のリポソーム組成物の用途は、リポソーム組成物をそのまま本発明の皮膚外用剤とすることも可能であるが、本リポソーム組成物を好ましくは0.1〜90質量%の範囲で用いて、これに他の成分を配合して皮膚外用剤とすることも可能である。特に、スキンケア化粧料、頭髪化粧料においてはその優れた効果を得ることも可能である。
【0028】
本発明の皮膚外用剤の用途は、化粧水、乳液、クリーム、美容液、ボディ用化粧料、パック料、マッサージ料等のスキンケア化粧料、化粧用下地化粧料を例示することが出来、その使用方法は、手又はコットンで使用する方法、不織布等に含浸させて使用する方法等が挙げられる。
【0029】
本発明のリポソーム組成物を用いた過酸化脂質抑制方法は、白金金属コロイドのみによる過酸化脂質抑制効果よりも優れた効果を有する。またリポソームにはさまざまな効果が期待されており、例えば、「リポソーム応用の新展開〜人工細胞の開発に向けて〜」(監修者秋吉一成/辻井薫、2005年発行、株式会社エヌ・ティー・エス、p644−p650)に記載されている徐放性効果も期待することができ、皮膚外用剤として有用である。
【0030】
本発明の皮膚外用剤の製造方法は、あらかじめリポソーム組成物を調製したのち、他の成分と組み合わせて皮膚外用剤とすることもできるが、皮膚外用剤を調製しながら同時にリポソーム組成物を得ることも可能である。
【0031】
本発明のリポソーム組成物に白金コロイドが内包されていることを確認する方法としては、日本電子社製の透過型電子顕微鏡(JEM−1200EXII)を使用して顕微鏡観察写真より行った。
【0032】
本発明の過酸化脂質量の測定方法としては、チオバルビツール法を用いた。
【0033】
以下、製造例、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0034】
[製造例1:白金コロイドの調製]
アリーン冷却器と三方コックを接続した100mL二口ナス型フラスコにポリ(ポリアクリル酸ナトリウム)(アルドリッチ社製 0.31g)を入れ、蒸留水23mLで溶解した。この溶液を10分間撹拌した後、塩化白金酸(HPtCl・6HO、和光純薬社製)を蒸留水に溶解した1.66×10−2M溶液(2mL)を加えてさらに30分間撹拌した。反応系内を窒素置換し、特級エタノール25mLを加えて窒素雰囲気下を保ちながら100℃で2時間還流した。反応液の紫外可視光吸収スペクトルを測定し、白金イオンピークの消失と、金属固体特有の散乱によるピークの飽和を確認し、還元反応を終了した。有機溶媒を減圧留去して白金コロイド液(平均粒径2.4±0.7nm)を調製した。得られた白金コロイドの白金の濃度は1mmol/Lであった。
【実施例1】
【0035】
表1に示す処方及び下記による製法にて、リポソーム組成物を調製し、25℃恒温下にて2週間保管したものを試料として用いた。下記評価方法によりリポソームに内包された白金コロイドの過酸化脂質抑制効果を評価した。結果を併せて表1に示した。
【0036】
【表1】

【0037】
(製造方法):本発明品1〜4、比較品1、2
A:成分(1)〜(8)を70℃に加熱する。
B:成分(9)を70℃に加熱する。
C:AにBを添加し、ディスパミキサーにて分散する。
D:Cを室温まで冷却し、リポソーム組成物を得た。
【0038】
(製造方法):比較品3
A:成分(2)〜(8)を70℃に加熱する。
B:成分(9)を70℃に加熱する。
C:AにBを添加し、ディスパミキサーにて分散する。
D:Cを室温まで冷却し、リポソーム組成物を得た。
E:Dに成分(1)を添加し、ディスパミキサーにて分散した。
【0039】
<リポソーム組成物に内包された白金コロイドの確認>
(試験方法)
上記で得られたリポソーム組成物に白金コロイドが内包されているかを透過型電子顕微鏡により確認した。もし、白金コロイドがリポソーム中に内包されていれば、ラメラ構造をとる膜と膜の間に黒い影が観測される。透過型電子顕微鏡写真からのリポソーム組成物への白金コロイド内包の有無を併せて表1に示した。代表として本発明品1の透過型電子顕微鏡写真を図1に示す。
【0040】
図1において、白金コロイドがリン脂質、コレステロールを含有するリポソーム組成物に内包されている様子が確認できた。なお、写真リポソーム内に写る黒い陰の部分が白金コロイドである。
【0041】
<白金コロイドの過酸化脂質抑制効果試験>
(試験方法)
20〜40代女性パネル10名に、表1に示した各試料を2週間毎日朝夕使用してもらい、以下の方法より過酸化脂質量を測定することにより評価した。
【0042】
(1)アセトン/エーテル混合溶液15mlを直径3cmの円柱の瓶に秤量した。
(2)(1)の瓶口を女性パネルの前腕内側に浸し、脂質を抽出した。
(3)(2)で抽出された脂質のうち、過酸化脂質量をチオバルビツール法(過酸化脂質量は、塩酸酸性下でチオバルビツール酸と反応したマロンジアルデヒド量として定量)を用いて測定した。
(4)同一パネルにおける測定で何も塗布していない時の過酸化脂質量をP、本発明品1を塗布した時の過酸化脂質量をPsとし、過酸化脂質減少率(%)を下記式(A)により求めた。
過酸化脂質減少率(%)=(P−Ps)/P (A)
【0043】
(過酸化脂質減少率の評価基準)
過酸化脂質減少率 5.5%以上:○
過酸化脂質減少率 3%以上〜5.5%未満:△
過酸化脂質減少率 3%未満:×
【0044】
表1の結果から明らかなように、本発明品1〜4は、比較品に比べて過酸化脂質減少率が高く、白金コロイドを内包したリポソーム組成物は過酸化脂質をより効果的に抑制することが証明された。これに対して白金コロイドを含有しない比較品1、リン脂質を含有しない比較品2では過酸化脂質の減少率が少なかった。また白金コロイドをリポソームに内包せずに別々に含有した比較品3においても本発明品に比べて過酸化脂質の減少率が少なかった。
【実施例2】
【0045】
リポソーム組成物含有皮膚外用剤(化粧水)
(成分) (%)
(1)実施例1で製造した本発明品1 40
(2)ソルビトール 5
(3)ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5
(4)ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.1
(5)香料 0.05
(6)エタノール 5
(7)精製水 49.35
【0046】
(製法)
A:あらかじめ本発明品1を既述に従い調製する。
B:成分(2)〜(6)を混合溶解後、攪拌させながら成分(7)に添加混合する。
C:BにAをディスパーミキサーにて攪拌させながら混合する。
D:Cをろ過して化粧水を得た。
【0047】
実施例2の化粧水は、過酸化脂質抑制効果に優れた化粧水であった。
【実施例3】
【0048】
リポソーム組成物含有皮膚外用剤(美容液)
(成分) (%)
(1)1,3−ブチレングリコール 5.0
(2)キサンタンガム 0.1
(3)精製水 40.0
(4)実施例1で製造した本発明品2 1.0
(5)セスキオレイン酸ソルビタン 0.2
(6)エタノール 5.0
(7)乳酸ナトリウム 0.5
(8)エデト酸二ナトリウム 0.2
(9)ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.5
(10)パラオキシ安息香酸メチル 0.2
(11)グリセリン 10.0
(12)精製水 残量
(13)香料 適量
【0049】
(製法)
A:あらかじめ本発明品2を既述に従い調製する。
B:成分(1)〜(3)を70℃まで加温、混合する。
C:Bを室温まで冷却する。
D:成分(5)〜(11)、(13)を撹拌、混合する。
E:成分(12)にC、Dをディスパーミキサーにて撹拌させながら混合し、さらに成分(4)を混合して、美容液を得た。
【0050】
実施例3の美容液は、過酸化脂質抑制効果に優れた美容液であった。
【実施例4】
【0051】
リポソーム組成物含有皮膚外用剤(乳液)
(成分) (%)
(1)スクワラン 3.0
(2)ジメチルポリシロキサン(20mm/m) 1.0
(3)ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1.5
(4)セトステアリルアルコール 0.3
(5)実施例1で製造した本発明品1 15.0
(6)ジプロピレングリコール 7.0
(7)グリセリン 5.0
(8)アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体(注2) 0.1
(9)防腐剤 適量
(10)水酸化ナトリウム 0.03
(11)エデト酸二ナトリウム 0.02
(12)精製水 残量
(13)香料 適量
(注2)ペミュレンTR−2(NOVEON社製)
【0052】
(製造方法)
A:成分(1)〜(4)を70℃にて加熱混合した。
B:成分(6)〜(12)を70℃にて加熱混合した。
C:AにBをディスパーミキサーにて撹拌させながら混合した後、室温まで冷却し、成分(5)、(13)を加え混合して、乳液を得た。
【0053】
実施例4の乳液は、過酸化脂質抑制効果に優れた乳液であった。
【実施例5】
【0054】
リポソーム組成物含有皮膚外用剤(クリーム)
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 1.5
(2)セトステアリルアルコール 3.0
(3)グリセリルモノステアレート 1.5
(4)スクワラン 20.0
(5)ワセリン 5.0
(6)グリセリン 7.0
(7)1,3−ブチレングリコール 5.0
(8)実施例1で製造した本発明品1 30.0
(9)乳酸ナトリウム 1.0
(10)キサンタンガム 0.05
(11)防腐剤 適量
(12)水酸化ナトリウム 0.05
(13)エデト酸二ナトリウム 0.02
(14)精製水 残量
(15)香料 適量
【0055】
(製造方法)
A:成分(1)〜(5)を70℃にて加熱混合した。
B:成分(6)、(7)及び(9)〜(14)を70℃にて加熱混合した。
C:AにBをディスパーミキサーにて撹拌させながら混合した後、室温まで冷却し、成分(8)、(15)を加え混合して、クリームを得た。
【0056】
実施例5の美容液は、過酸化脂質抑制効果に優れたクリームであった。

【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】白金コロイドが内包されたリポソームである本発明品1の透過型電子顕微鏡の写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)〜(d);
(a)リン脂質
(b)コレステロール及び/又はフィトステロール
(c)白金族金属コロイド
(d)水
を含有し、成分(c)が、成分(a)及び成分(b)により形成されるリポソームに内包されていることを特徴とするリポソーム組成物。
【請求項2】
前記成分(c)が白金コロイドであることを特徴とする請求項1記載のリポソーム組成物。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のリポソーム組成物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のリポソーム組成物を用いることを特徴とする過酸化脂質の抑制方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−266324(P2008−266324A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87601(P2008−87601)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】