説明

リミットスイッチ

【課題】リミットスイッチ本体を作動させるロッドレバーを軸方向及び周方向に全周に亘り変位可能かつ回転不能に支持するようにしたリミットスイッチを提供する。
【解決手段】リミットスイッチ本体3と、リミットスイッチ本体を収納するケース2と、ケースに装着されリミットスイッチ本体を作動させるプッシュロッド6を収納したホルダ15と、丸棒状をなし先端部18bがホルダに無方向に変位可能に支持され変位に応じてプッシュロッドを押動してリミットスイッチ本体を作動させるロッドレバー18とを備えたリミットスイッチにおいて、ホルダ15とロッドレバー18との間にロッドレバーの回転を防止する回転防止機構20を設けた構成としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リミットスイッチに関し、特にリミットスイッチ本体を作動させるレバーが無方向に変位可能とされて軸方向の変位及び周方向の全周に亘る変位に対応可能なリミットスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
図5は、リミットスイッチ本体を作動させるレバーが無方向に変位可能とされて軸方向の変位(移動)及び周方向の全周(360°)に亘る変位(傾倒)に対応可能なリミットスイッチの一例を示し、リミットスイッチ1は、ケース2、ケース2内に収納されたリミットスイッチ本体3、ケース2の上壁部2aにリミットスイッチ本体3の作動子3aと対向して装着されリミットスイッチ本体3を作動させる作動機構4により構成されている。
【0003】
作動機構4は、ケース2の上壁部2aの中央に作動子3aと対向して形成された図示しないねじ孔に図6に示す下端部のねじ部5aが着脱可能に装着されたホルダ5、ホルダ5の中央に上下方向に形成された孔5b内に軸方向に摺動自在かつ逸脱不能に収納されたプッシュロッド6、プッシュロッド6の下端面中央位置にホルダ5の孔5bの下端から突出して設けられ作動子3aに当接して押動する押動部7、ホルダ5の孔5bの上端に同心的に連通しかつ僅かに小径に形成された孔5cに軸部8aが貫通し先端部8bが孔5bに収納されてプッシュロッド6の上端面に当接するロッドレバー8、及びホルダ5の上部とロッドレバー8の下部との係合部を液密に覆うゴムカバー9等により構成されている。
【0004】
ロッドレバー8は、軸部8aが丸棒状をなし、先端部8bが略広げられた傘状に形成されてホルダ5に対して無方向に変位可能、即ち回転可能、軸方向に変位(移動)可能かつ周方向に全方向(360°)に亘り変位(傾倒)可能とされ、軸部8aが何れの方向に押動されて変位しても傘状の先端部8bがその先端面又は傾斜面によりプッシュロッド6の上端面を押動してリミットスイッチ本体3を作動(オン・オフ)させるようになっている。このような構造のリミットスイッチは、無方向動作ロッドレバーリミットスイッチ(ユニバーサルスイッチ)として知られており周知である。
【0005】
リミットスイッチとしてプランジャータイプのヘッドとレバータイプのヘッドとを同一のハウジングに対して互換性をもって取り付けられるようにした構造の封入形リミットスイッチ(例えば、特許文献1参照)や、ハウジングに内蔵されたスイッチに無理な力が加わることなく、しかも回転軸の回転量の大きい構造のリミットスイッチが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】実開昭59−170335号公報(6−7頁、第2図、第5図)
【特許文献2】特開平2−239527号公報(3−4頁、第4図、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記構造の無方向動作ロッドレバーリミットスイッチは、ロッドレバー8が回転自在とされているが、使用する箇所や仕様によってはロッドレバー8は、軸方向に移動可能かつ周方向に全周(360°)亘り傾倒可能で、しかも回転しない方が都合の良い場合がある。
【0007】
本発明の目的は、リミットスイッチ本体を作動させるロッドレバーを軸方向及び周方向に全周に亘り変位可能かつ回転不能に支持するようにしたリミットスイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明に係るリミットスイッチは、リミットスイッチ本体と、前記リミットスイッチ本体を収納するケースと、前記ケースに装着され前記リミットスイッチ本体を作動させるプッシュロッドを収納したホルダと、丸棒状をなし先端部が前記ホルダのプッシュロッドを収納する孔に無方向に変位可能に支持され前記変位に応じて前記プッシュロッドを押動して前記リミットスイッチ本体を作動させるロッドレバーとを備えたリミットスイッチにおいて、前記ホルダと前記ロッドレバーとの間に前記ロッドレバーの回転を防止する回転防止機構を設けたことを特徴としている。
【0009】
リミットスイッチは、非作動状態においてプッシュロッドがリミットスイッチ本体により非作動位置に押動され、ロッドレバーは、プッシュロッドにより非作動位置に押動されかつ何れの方向への変位に対してもプッシュロッドを押動可能な状態になっている。ロッドレバーは、軸方向に変位(移動)可能かつ周方向に全方向(360°)に亘り変位(傾倒)可能とされかつホルダとロッドレバーとの間に設けられた回転防止機構により回転が防止される。これにより、無方向動作ロッドレバーリミットスイッチのロッドレバーの回転を防止する。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載のリミットスイッチは、請求項1に記載されたリミットスイッチにおいて、前記回転防止機構は、前記ホルダのプッシュロッドを収納する孔の開口端周縁部が略円筒形状に立ち上げられその内周面が開口端に向かってテーパ状に拡径して前記ロッドレバーを無方向に変位可能に形成された周壁部に軸方向に沿って形成されたスリットと、前記ロッドレバーの周面に突出して設けられ前記スリットに遊嵌して係合され前記ロッドレバーの回転を防止する係止ピンからなることを特徴としている。
【0011】
ロッドレバーの回転防止機構は、ホルダのプッシュロッドを収納する孔の開口端周縁部を円筒形状に立ち上げて形成した周壁部に軸方向に沿ってスリットを形成し、ロッドレバーの周面に係止ピンを設けて前記スリットに遊嵌して係合させてロッドレバーの回転を防止する。ロッドレバーは、係止ピンが周壁部のスリットに遊嵌して係合されることで軸方向の変位を可能かつ回転を不能とされ、周壁部の内周面が開口端に向けてテーパ状に拡径して形成されかつ係止ピンがスリットに遊嵌していることにより周方向に全周に亘り変位(傾倒)可能とされる。
【0012】
また、本発明の請求項3に記載のリミットスイッチは、請求項2に記載されたリミットスイッチにおいて、前記スリットは前記周壁部の直径の両側位置に形成され、前記係止ピンは前記ロッドレバーに直径方向に貫通固定され両端部が前記スリットに遊嵌して係合していることを特徴としている。
【0013】
ロッドレバーが一側のスリットに沿って傾倒して係止ピンの他側の端部が対応する他側のスリットから抜け出した場合でも、係止ピンの一側の端部が対応する一側のスリットの下方に移動して係合が維持される。即ちロッドレバーは、スリットに沿って傾倒した側の係止ピンの端部が傾倒した側のスリットの下部に移動して係合を維持することで回転が防止される。これにより、ロッドレバーは、ホルダのスリットの方向に傾倒した場合でも回転が防止される。
【0014】
また、本発明の請求項4に記載のリミットスイッチは、請求項1に記載されたリミットスイッチにおいて、前記回転防止機構は、前記ホルダのプッシュロッドを収納する孔の開口端周縁部が略円筒形状に立ち上げられその内周面が開口端に向かってテーパ状に拡径して前記ロッドレバーを無方向に変位可能に形成された周壁部を直径方向に貫通し両端部が前記周壁部に固定された係止ピンと、前記レバーの直径方向に貫通して形成され前記係止ピンが遊貫する孔からなることを特徴としている。
【0015】
ロッドレバーの回転防止機構は、ホルダのプッシュロッドを収納する孔の開口端周縁部を円筒形状に立ち上げその内周面を開口端に向かってテーパ状に拡径してロッドレバーを無方向に変位可能に形成した周壁部に直径方向に係止ピンを貫通させて両端部を周壁部に固定し、ロッドレバーに直径方向に貫通する孔を形成し、この孔に係止ピンを遊貫させてロッドレバーの回転を防止する。ロッドレバーは、孔が係止ピンに対して移動することで軸方向に変位(移動)可能かつ回転不能とされ、周壁部の内周面が開口端に向けてテーパ状に拡径して形成されかつ係止ピンが孔に遊貫していることにより周方向に全周に亘り変位(傾倒)可能とされる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、簡単な構成の回転防止機構により軸方向に変位(移動)可能かつ周方向に全方向に亘り変位(傾倒)可能なリミットスイッチ(無方向動作ロッドレバーリミットスイッチ)のロッドレバーの回転を防止することができる。
【0017】
また、ホルダのプッシュロッドを収納する孔の開口端周縁部を立ち上げて形成した周壁部の直径の両側位置に形成したスリットにロッドレバーに直径方向に貫通固定した係止ピンを遊嵌させて係合させることで、ロッドレバーが何れの側のスリットに沿って傾倒した場合でも係止ピンの端部とスリットとの係合が維持されてロッドレバーの回転を防止することができる。
【0018】
また、ホルダのプッシュロッドを収納する孔の開口端周縁部を円筒形状に立ち上げて形成した周壁部に直径方向に貫通し両端部が周壁部に固定された係止ピンを、レバーの直径方向に貫通して形成した孔に遊貫させることで、ロッドレバーが何れの側のスリットに沿って傾倒した場合でも係止ピンの端部とスリットとの係合が維持されてロッドレバーの回転を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係るリミットスイッチの第1の実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、図5に示したリミットスイッチ本体3を収納するケース2の上壁部2aに装着されてリミットスイッチ本体3を作動させる作動機構11を示す。尚、図1において、図6と同一部材又は対応する部材には同一又は対応する符号を付してある。また、以下に示す図1乃至図4には図5に示したケース2、リミットスイッチ本体3、及び作動子3a等を図示していないが説明を分かり易くするために必要に応じてこれらの名称及び符号を使用することとする。
【0020】
図1に示すように作動機構11のホルダ15は、下端部に図5に示したケース2の上壁部2aの図示しないねじ孔に着脱可能なねじ部15aが形成され、その中心位置に上下方向に形成された孔15bにプッシュロッド6が軸方向に摺動自在に収納されている。ホルダ15を前記ケース2に装着したときに孔15bの外側(図中上側)に開口する孔15cは、孔15bと同心的に僅かに小径とされてプッシュロッド6の上端面周縁部を係止して当該プッシュロッド6が突出することを防止している。また、ホルダ15を前記ケース2に装着したときに孔15bの内側(図中下側)に開口する開口端にはストッパリング16が嵌合装着されてプッシュロッド6の突出を防止している。
【0021】
ホルダ15は、孔15cの外側に開口する開口部の周縁部が外方(図中上方)に円筒形状に立ち上げられて円筒形状の周壁部15dが形成されており、その内周面が孔15cから外方に向かってテーパ状に拡径する逆円錐形状をなす孔15eとされている。そして、図1及び図2に示すように周壁部15dの直径の両側位置にかつ軸方向に沿って孔15eの開口端から孔15cの開口端(周壁部15dの上端から下端)までスリット(溝)15fが形成されている。
【0022】
ロッドレバー18は、丸棒状をなし軸部18aの先端部18bが軸部18aよりも僅かに大径な略傘を広げた形状をなしており、その上端面18cと軸部18aが段差をなしている。ロッドレバー18は、先端部18bの外周面がホルダ15の孔15b内にその内周面と僅かな隙間を存して変位自在に収納され、軸部18aが孔15cに僅かな隙間を存して貫通されて外方(上方)に延出している。ロッドレバー18は、ホルダ15の周壁部15dの孔15eが内方から外方に向かってテーパ状に拡径していることで軸方向に変位(移動)可能かつ周方向に全方向(360°)に亘り変位(傾倒)可能とされている。
【0023】
図1に示すようにロッドレバー18の軸部18a先端部18bの僅かに上方位置には直径方向に小孔18dが穿設されており、この小孔18dに係止ピン19が貫通されて固定されている。係止ピン19は、両端部19aがロッドレバー18の軸部18aの外周面から突出してホルダ15のスリット15fに遊嵌して係合している。係止ピン19は、図2に示すようにスリット15fの幅よりも僅かに小径(例えば、スリット15fの幅の略1/2程度)とされている。
【0024】
そして、これらのスリット15fと係止ピン19とによりロッドレバー18の回転を防止する回転防止機構20が形成されている。これにより、ロッドレバー18は、スリット15fに沿って軸方向に移動可能とされかつ回転が防止される。また、ロッドレバー18は、係止ピン19がスリット15fの幅よりも小径とされていることでスリット15fと係止ピン19との隙間により周方向に僅かに変位(回動)可能かつ周方向に全周に亘り変位(傾倒)可能とされる。
【0025】
尚、周壁部15dの孔15eの内周面のテーパ角や、スリット15fの幅と係止ピン19の外径(スリット15fと係止ピン19との間の隙間)、及びスリット15fの長さや係止ピン19の取付位置等は、リミットスイッチ本体3の作動子3aの軸方向の変位量(移動量)や、ロッドレバー18の周方向の変位量(傾倒角)等に応じて設定される。
【0026】
そして、ホルダ15の上部とロッドレバー18の軸部18aの下部の係合部がゴムカバー9により液密に覆われている。ロッドレバー18の上端部18eは、ゴムカバー9から突出して緩衝用の結合ばね21を介してロッドレバー22の下端部22aに結合されている。尚、ロッドレバー18に緩衝用の結合ばね21を介して別体のロッドレバー22を結合することは必ずしも必要ではなく、単にロッドレバー18の軸部18aを所定の長さに設定しても良い。
【0027】
次に、上記構成の作動機構11の動作について説明する。図1及び図2に示すようにロッドレバー18は、プッシュロッド6がリミットスイッチ本体3の作動子3aにより上限位置まで押し上げられた非作動状態において(図5及び図6参照)、先端部18bの上端面18cの周縁部が孔15cの周縁部に係止されて上限位置(非作動位置)に位置しかつプッシュロッド6の上面に対して垂直をなしている。そして、この状態においてロッドレバー18の係止ピン19の両端部19aがホルダ15の両側のスリット15fの上部に位置している。
【0028】
ロッドレバー18は、先端部18bがホルダ15の孔15bに変位自在に収納され、軸部18aが孔15cに僅かな隙間を存して貫通され、ホルダ15の周壁部15dの孔15eが内方から外方に向かって拡径するテーパ状をなし、係止ピン19の外径がスリット15fの幅よりも小径とされスリット15fに沿って軸方向に移動可能かつ周方向に僅かに回動(変位)可能とされていることで、軸方向に変位(移動)可能かつ周方向に全方向(360°)に亘り変位(傾倒)可能とされる。そして、ロッドレバー18は、ホルダ15のスリット15fと当該ロッドレバー18に設けられた係止ピン19とからなる回転防止機構20により回転が防止される。
【0029】
また、図1においてロッドレバー18が例えば図中左側に傾倒して係止ピン19の右側の端部19aが右側のスリット15fから抜け出した場合でも、係止ピン19の左側の端部19aが対応する左側のスリット15fの下方に移動して係合が維持される。ロッドレバー18が図中右側に傾倒した場合も同様に係止ピン19の右側の端部19aが対応する右側のスリット15fの下方に移動して係合が維持される。従って、ロッドレバー18は、左右のスリット15fの何れの方向に傾倒した場合でも回転が防止される。
【0030】
尚、上記実施形態ではホルダ15の周壁部15dに孔15eの直径の両側にスリット15fを形成し、ロッドレバー18の直径方向に穿設した孔18dに係止ピン19を貫通固定して両端部19aを夫々両側のスリット15fに係合させる構成として、ロッドレバー18が何れのスリット15f側に傾倒した場合でも係止ピン19の傾倒した側の端部19aが傾倒した側のスリット15fの下方に移動して係合が維持されるようにしたが、これに限るものではなく、周壁部15dの高さを高くして周壁部の一側に長いスリット15fを形成し、ロッドレバー18の係止ピン19の端部19aを一側に突出させて前記スリット15fに遊嵌して係合させかつロッドレバー18がスリット15fと反対側に傾倒した場合でも係止ピン19の端部19aがスリット15fの上端から外れないように構成しても良い。
【0031】
図3及び図4は、本発明に係るリミットスイッチの第2の実施形態を示し、第1の実施形態と同一又は対応する部材には同一又は対応する符号を付してある。図3に示すようにホルダ25は、孔25cの開口周壁部が外方(図中上方)に円筒形状に立ち上げられて円筒形状の周壁部25dが形成されており、その内周面が孔25cから外方に向かってテーパ状に拡径する逆円錐形状をなす孔25eとされて孔25cに連通している。そして、図3に示すように周壁部25dの開口端近傍の上部位置に孔25eの直径方向両側に小孔25fが形成されている。係止ピン29は、ホルダ25の孔25eを横切って配置され、両端部29aが周壁部25dの両側の小孔25fに嵌合されて固定されている。
【0032】
ロッドレバー28は、丸棒状をなす軸部28aの先端部28bが軸部28aよりも僅かに大径な略傘を広げた形状をなし、上端面28cと軸部28aが段差をなしている。ロッドレバー28は、先端部28bがホルダ25の孔25b内に僅かな隙間を存して変位自在に収納され、軸部28aが孔25cに僅かな隙間を存して貫通されて外方に延出している。ロッドレバー28は、ホルダ25の孔25eが内方から外方に向かって拡径するテーパ状をなしていることで軸方向に変位(移動)可能かつ周方向に全方向(360°)に亘り変位(傾倒)可能とされている。
【0033】
ロッドレバー28の先端部28bの上方位置には直径方向に係止ピン29の外径よりも大径(例えば、2倍程度)の孔28dが貫通して形成されており、この孔28dに係止ピン29が遊貫されている。これにより、ロッドレバー28は、孔28dとホルダ25の係止ピン29とにより軸方向に変位可能かつ僅かに周方向に回動(変位)可能とされている。そして、これらの孔28dと係止ピン29とによりロッドレバー28の回転を防止する回転防止機構30が形成されている。
【0034】
尚、ロッドレバー28の孔28dの内径と係止ピン29の外径(孔28dと係止ピン29との隙間)は、ロッドレバー28の軸方向への変位量(移動量)や周方向への変位量(傾倒角)等に応じて設定されている。また、ロッドレバー28の孔28dは、丸孔に限るものではなく、軸方向の変位量に応じて軸方向に長い長孔としても良い。
【0035】
図3及び図4に示すようにロッドレバー28は、プッシュロッド6がリミットスイッチ本体3の作動子3aにより上限位置まで押し上げられた状態において(図5及び図6参照)、図3及び図4に示すように傘状の先端部28bの上端面28cが孔25cの周縁部に係止されて上限位置に位置している。この状態において係止ピン29が孔28dの略中央よりも僅かに下方に位置している。
【0036】
ロッドレバー28は、先端部28bがホルダ25の孔25bに変位自在に収納され、軸部28aが孔25cに僅かな隙間を存して貫通され、ホルダ25の孔25eが内方から外方に向かって拡径するテーパ状をなし、係止ピン29が孔28dよりも小径とされて周方向に僅かに回動(変位)可能とされていることで、軸方向に変位(移動)可能かつ周方向に全方向(360°)に亘り変位(傾倒)可能とされている。そして、ロッドレバー28は、ホルダ25に固定された係止ピン29とロッドレバー28に穿設された孔28dとからなる回転防止機構30により回転が防止される。また、ロッドレバー28は、何れの方向に傾倒した場合でも係止ピン29と孔28dとの係合が常に維持されることで回転が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るリミットスイッチの第1の実施形態における作動機構の断面図である。
【図2】図1に示した作動機構の要部側面図である。
【図3】本発明に係るリミットスイッチの第2の実施形態における作動機構の断面図である。
【図4】図3に示した作動機構の要部切欠側面図である。
【図5】従来のリミットスイッチの一例を示す正面図である。
【図6】図5に示したリミットスイッチの作動機構の断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 リミットスイッチ
2 ケース
2a 上壁部
3 リミットスイッチ本体
3a 作動子
4 作動機構
5 ホルダ
5a ねじ部
5b,5c 孔
6 プッシュロッド
7 押動部
8 ロッドレバー
8a 軸部
8b 先端部
9 ゴムカバー
11 作動機構
15 ホルダ
15a ねじ部
15b,15c 孔
15d 周壁部
15e 孔(テーパ状の孔)
15f スリット
16 ストッパリング
18 ロッドレバー
18a 軸部
18b 先端部
18c 上端面
18d 小孔
18e 上端部
19 係止ピン
19a 端部
20 回転防止機構
21 結合ばね
22 ロッドレバー
22a 下端部
25 ホルダ
25a ねじ部
25b,25c 孔
25d 周壁部
25e 孔(テーパ状の孔)
25f 小孔
28 ロッドレバー
28a 軸部
28b 先端部
28c 上端面
28d 孔
28e 上端部
29 係止ピン
29a 端部
30 回転防止機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リミットスイッチ本体と、前記リミットスイッチ本体を収納するケースと、前記ケースに装着され前記リミットスイッチ本体を作動させるプッシュロッドを収納したホルダと、丸棒状をなし先端部が前記ホルダのプッシュロッドを収納する孔に無方向に変位可能に支持され前記変位に応じて前記プッシュロッドを押動して前記リミットスイッチ本体を作動させるロッドレバーとを備えたリミットスイッチにおいて、前記ホルダと前記ロッドレバーとの間に前記ロッドレバーの回転を防止する回転防止機構を設けたことを特徴とするリミットスイッチ。
【請求項2】
前記回転防止機構は、前記ホルダのプッシュロッドを収納する孔の開口端周縁部が略円筒形状に立ち上げられその内周面が開口端に向かってテーパ状に拡径して前記ロッドレバーを無方向に変位可能に形成された周壁部に軸方向に沿って形成されたスリットと、前記ロッドレバーの周面に突出して設けられ前記スリットに遊嵌して係合され前記ロッドレバーの回転を防止する係止ピンからなることを特徴とする、請求項1に記載のリミットスイッチ。
【請求項3】
前記スリットは前記周壁部の直径の両側位置に形成され、前記係止ピンは前記ロッドレバーに直径方向に貫通固定され両端部が前記スリットに遊嵌して係合していることを特徴とする、請求項2に記載のリミットスイッチ。
【請求項4】
前記回転防止機構は、前記ホルダのプッシュロッドを収納する孔の開口端周縁部が略円筒形状に立ち上げられその内周面が開口端に向かってテーパ状に拡径して前記ロッドレバーを無方向に変位可能に形成された周壁部を直径方向に貫通し両端部が前記周壁部に固定された係止ピンと、前記レバーの直径方向に貫通して形成され前記係止ピンが遊貫する孔からなることを特徴とする、請求項1に記載のリミットスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−21618(P2008−21618A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−194962(P2006−194962)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】