説明

リモートコントローラ

【課題】操作者の操作権限に応じて操作画面に表示される操作項目を簡易に制限することができるリモートコントローラ(以下、「リモコン」)を提供すること。
【解決手段】リモコン5は、操作者に固有な操作者情報を取得する操作者情報取得手段52と、操作者情報と電子機器の操作権限とを関連付けて記憶する第一記憶手段56と、電子機器の操作項目を記憶する第二記憶手段56と、操作画面が表示される表示手段53と、入力操作を行う入力手段54と、入力操作に応じた操作信号を出力する操作信号出力手段55と、リモコン5を制御する制御手段57とを備える。制御手段57は、取得された操作者情報に基づいて、当該操作者情報に関連付けされた操作権限により操作可能な操作項目を取得する操作項目取得部と、取得された操作項目に応じた操作画面を生成する操作画面生成部と、表示手段により操作画面を表示させる画像出力部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器を操作するリモートコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、当該画像光をスクリーン等の投射面上に拡大投射するプロジェクタが知られている。
このようなプロジェクタを用いてプレゼンテーション等を行う場合、プロジェクタの操作者は、当該プロジェクタから離れた位置に居る場合がある。このような場合、操作者がプロジェクタの設置場所まで行って当該プロジェクタを操作しなければならず、プレゼンテーションの進行に影響を及ぼすという問題があった。
【0003】
このような問題に対して、リモートコントローラを備えたプロジェクションシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のプロジェクションシステムを構成するリモートコントローラ(以下、「リモコン」と略す場合がある)は、プロジェクタ本体に操作信号を出力することにより、当該プロジェクタ本体を遠隔操作する。この際、リモコンには、液晶パネルを有する表示部と、当該表示部上に配置されるタッチパネルとが設けられ、当該リモコンは、表示部に表示された設定画面(メニュー画面)を直接操作するようにタッチペン等で入力されることにより、当該入力操作に応じた操作信号をプロジェクタ本体に出力する。
【0004】
【特許文献1】特開2006−139222号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の特許文献1に記載のプロジェクションシステムでは、プロジェクタの知識が豊富で、かつ、熟練した操作者がプロジェクタを操作する場合には都合がよいが、プロジェクタの知識が乏しく、かつ、不慣れな操作者がプロジェクタを操作する場合には、不要な入力操作を行ってしまう可能性があり、誤った内容で設定内容が変更されてしまうという問題がある。すなわち、プロジェクタを利用する全ての使用者が、詳細な設定操作を行えてしまうと、当該プロジェクタの使用条件等に応じて設定された投射条件等の設定内容が不慣れな操作者や操作権限の無い操作者の入力操作によって更新されてしまい、適切な画像表示を行うことができなくなるという問題がある。
このような問題から、操作画面中に表示される操作項目を、操作者の熟練度等に基づく操作権限に応じて制限できるリモコンが要望されてきた。
【0006】
本発明の目的は、操作者の操作権限に応じて操作画面に表示される操作項目を簡易に制限することができるリモートコントローラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するために、本発明のリモートコントローラは、電子機器を操作するリモートコントローラであって、当該リモートコントローラを操作する操作者に固有な操作者情報を取得する操作者情報取得手段と、前記操作者情報と当該リモートコントローラによる前記電子機器の操作権限とを関連付けて記憶する第一記憶手段と、前記操作権限と前記電子機器を操作する操作画面に表示される操作項目とを関連付けて記憶する第二記憶手段と、前記操作画面が表示される表示手段と、前記操作画面に含まれる前記操作項目に対する入力操作を行う入力手段と、前記入力手段に対する入力操作に応じた操作信号を前記電子機器に出力する操作信号出力手段と、当該リモートコントローラを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記操作者情報取得手段により取得された前記操作者情報に基づいて、当該操作者情報に関連付けて記憶された前記操作権限により操作可能な前記操作項目を前記第二記憶手段から取得する操作項目取得部と、取得された前記操作項目に応じた前記操作画面を生成する操作画面生成部と、前記操作画面に係る画像情報を前記表示手段に出力して、当該表示手段により前記操作画面を表示させる画像出力部とを備えることを特徴とする。
【0008】
このようなリモートコントローラによって操作される電子機器としては、プロジェクタ及び各種ディスプレイ等の画像表示装置、並びに、CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体や、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体に記録された音声及び映像の再生装置、及び、当該各媒体への記録装置等を例示することができる。また、操作者の固有情報としては、指紋、顔、声紋、虹彩、網膜、静脈紋、骨紋、DNA(Deoxyribonucleic acid)等を挙げることができる。
さらに、操作画面としては、電子機器の各種設定を行うメニュー画面のほか、当該電子機器を通常操作するための入力画面を挙げることができる。
【0009】
本発明によれば、第一記憶手段には、操作者情報取得手段により取得された各操作者の操作者情報と、当該操作者に割り当てられた操作権限とが記憶されており、リモートコントローラを使用する際には、操作項目取得部が、操作者情報取得手段により取得された操作者情報、及び、第一記憶手段に記憶され、かつ、当該操作者情報に関連付けられた操作権限に基づいて、当該操作権限により操作可能な操作項目を、第二記憶手段から取得する。そして、取得された操作項目に応じた操作画面が操作画面生成部により生成され、当該操作画面に係る画像情報が画像出力部により表示手段に出力されることで、当該操作画面が表示される。
【0010】
これによれば、予め操作者の操作者情報及び操作権限を第一記憶手段に記憶させておくことで、電子機器の使用時に、操作者情報取得手段により、当該電子機器を操作する操作者の操作者情報を取得させるだけで、当該操作者の操作権限が特定され、当該操作権限に応じた操作項目を有する操作画面が表示される。このため、操作権限が制限された操作者に対しては、当該制限された操作権限に応じた操作項目が表示されるにとどまり、全ての操作項目が表示されるということはない。従って、操作権限の無い操作者に対して、当該操作者が操作可能な操作項目を制限することができるので、リモートコントローラによって操作される電子機器の設定内容が不用意に変更されてしまうことを防ぐことができる。
また、このような操作項目の制限は、操作者情報取得手段に操作者の操作者情報を取得させるだけで行うことができるので、操作者の氏名やID情報等を入力する場合に比べ、操作者の特定を簡易に行うことができるとともに、不慣れな操作者であっても簡易に電子機器を利用することができる。
【0011】
本発明では、前記制御手段は、前記操作者情報と前記操作権限とを関連付けて前記第一記憶手段に登録する操作者登録部を備えることが好ましい。
本発明によれば、操作者登録部が、第一記憶手段に操作者の操作者情報と操作権限とを関連付けて記憶させることにより、電子機器を操作する操作者が増加した場合に対応することができる。従って、リモートコントローラの利便性を向上することができる。
【0012】
本発明では、前記制御手段は、前記第二記憶手段に記憶された前記操作項目ごとに、前記第一記憶手段に記憶された前記操作者に係る前記操作権限を設定する権限設定部を備えることが好ましい。
本発明によれば、権限設定部により、操作項目ごとに操作者の操作権限を設定することができるので、当該操作者の知識や熟練度等に応じて、操作項目を操作するための操作権限をより詳細に設定することができる。従って、操作者が操作可能な操作項目を、操作者に応じてカスタマイズすることができる。
【0013】
本発明では、前記操作者情報取得手段は、前記操作者の指紋を取得することが好ましい。
ここで、操作者の操作者情報としては、前記したものの中では、指紋は比較的容易に取得することができ、かつ、操作者特定の精度が高い。逆に、顔は、本人特定の精度が低く、骨紋及びDNA等は取得が困難である。このため、操作者情報取得手段が、操作者の指紋を取得することにより、操作者特定時における操作者の操作を簡略化することができる。また、これにより、操作者の特定を高い精度で行うことができるだけでなく、操作画面に含まれる操作項目の選択における信頼性を向上することができる。
【0014】
本発明では、前記入力手段は、前記表示手段における前記操作画面が表示される表示領域を覆うように設けられるタッチパネルを備えることが好ましい。
このようなタッチパネルとしては、静電容量式、感圧式、超音波表面弾性波方式、赤外線遮光方式及び電磁誘導方式等の各種タッチパネルを採用することができる。
ここで、入力手段として、操作項目を選択するカーソルキーや、当該操作項目を実行する実行キー等が設けられている場合には、表示された操作画面から所望の操作項目の選択及び実行までの各キーの入力回数が多く、操作が煩雑となる。
これに対し、本発明では、入力手段がタッチパネルを備えることにより、操作画面に含まれる操作項目を指やタッチペン等で簡易に選択及び実行することができるとともに、設定内容の変更に伴う操作を容易に実施することができる。従って、入力操作を簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクションシステム1の構成〕
図1は、本実施形態のプロジェクションシステム1の構成を示す模式図である。
プロジェクションシステム(以下、「PS」と略す場合がある)1は、図1に示すように、画像情報を出力する外部機器2と、当該外部機器2から入力する画像情報に応じた画像を形成投射するプロジェクタ3と、当該プロジェクタ3から投射された画像が表示されるスクリーン4と、外部機器2及びプロジェクタ3を操作するリモートコントローラ(以下、「リモコン」と略す場合がある)5とを備えている。
【0016】
〔外部機器2の構成〕
外部機器2は、詳しい図示を省略したが、プロジェクタ3とビデオ端子等のアナログ端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)等のデジタル端子、または、LANを介して接続され、当該プロジェクタ3により表示される画像情報を出力する。この外部機器2は、本実施形態では、HDD(Hard Disk Drive)を内蔵したHDDレコーダとして構成され、アンテナ線から入力するテレビジョン信号を処理してテレビ番組等を録画可能に構成されている。また、この外部機器2は、CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等のディスク型記録媒体を再生可能に構成されているほか、当該ディスク型記録媒体に対して、HDDに録画したテレビ番組等を記録可能に構成されている。この外部機器2は、リモコン5から入力する操作信号である赤外線信号を受信して、当該赤外線信号に応じた動作を実行する。
【0017】
また、外部機器2には、当該外部機器2を直接操作するための操作パネルが設けられている。
この操作パネルには、電源をオン/オフする電源キー、ディスク型記録媒体を再生する再生キー、録画を開始/停止する録画キー、録画した番組の選択や各種項目の選択等に用いられる方向キー、並びに、選択項目を確定する決定キー等が配設されている。
なお、本実施形態では、外部機器2は、HDDレコーダとして構成されているとしたが、リモコン5による操作が可能であれば、他の電子機器(特にAV(Audio and Visual)機器)であってもよい。
【0018】
〔プロジェクタ3の構成〕
プロジェクタ3は、詳しい図示を省略したが、光源装置と、当該光源装置から射出された光束を、外部機器2から入力する画像情報に応じて変調して画像光を形成する光変調装置と、当該画像光をスクリーン4の投射面上に拡大投射する投射光学装置とを備えている。
このうち、光源装置は、超高圧水銀ランプ等の放電光源ランプを備える構成とすることができるほか、LED(Light Emitting Diode)及びLD(Laser Diode)等の固体光源、並びに、有機EL(Electroluminescence)素子を備える構成とすることもできる。
また、投射光学装置は、光変調装置により形成された画像光を拡大投射するものであり、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。
【0019】
光変調装置は、本実施形態では、液晶パネルと、当該液晶パネルを挟む一対の偏光層とを備えた液晶ライトバルブにより構成されている。
このうち、液晶パネルは、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、後述する制御装置から入力する画像情報としての駆動信号に応じて、当該液晶の配向状態が制御され、光束入射側に位置する偏光層から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。
一対の偏光層は、それぞれ、入射する光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、液晶パネルのガラス基板にそれぞれ貼付されている。これら一対の偏光板のうち、液晶パネルの光束入射側に位置する偏光層と、光束射出側に位置する偏光層とでは、それぞれの光束の透過軸が互いに直交している。
なお、本実施形態では、光変調装置は、液晶ライトバルブにより構成したが、デジタルミラーをも用いたデバイス等により構成することも可能である。
【0020】
このようなプロジェクタ3には、外部機器2と同様に、当該プロジェクタ3を直接操作するための操作パネルがそれぞれ設けられている。
具体的に、操作パネルには、電源をオン/オフする電源キー、投射画像を拡大/縮小するズームキー、投射位置の調整や各種項目の選択等に用いられる方向キー、及び、選択項目を確定する決定キー等が配設されている。
【0021】
〔リモコン5の構成〕
図2は、ネットワークNに接続された情報処理装置7と通信接続するリモコン5を示す図である。また、図3は、リモコン5の構成を示すブロック図である。
リモコン5は、外部機器2及びプロジェクタ3を操作する操作信号である赤外線信号を出力するほか、図2に示すように、複数の情報処理装置7(図2においては、3台の情報処理装置71〜73)が接続されたネットワークNを介して所定の情報処理装置7と通信接続され、当該情報処理装置7から外部機器2及びプロジェクタ3等の電子機器を操作する操作情報を取得する。さらに、リモコン5は、当該電子機器を操作する際に、当該リモコン5の操作者を特定し、当該操作者に付与された操作権限に応じた操作画面を表示する。
このようなリモコン5は、図3に示すように、通信手段51、操作者情報取得手段52、表示手段53、入力手段54、操作信号出力手段55、記憶手段56及び制御手段57を備えて構成されている。
【0022】
通信手段51は、ネットワークNに接続するための無線LAN(Local Area Network)接続機能を有するものであり、後述する制御手段57による制御下で、当該ネットワークNに接続された所定の情報処理装置7との通信接続を確立する。なお、本実施形態では、通信手段51は、無線LANモジュールにより構成したが、USB(Universal Serial Bus)等の接続端子を介して情報処理装置7と直接接続して、当該情報処理装置7と通信接続するモジュールにより構成してもよい。
【0023】
操作者情報取得手段52は、当該リモコン5を操作する操作者に固有の操作者情報を取得する。この操作者情報取得手段52は、本実施形態では、操作者の指紋を取得する指紋取得モジュールで構成されている。この操作者情報取得手段52により取得された指紋に係る情報は、制御手段57により、記憶手段56に記憶される。
【0024】
表示手段53は、後述する制御手段57から入力する画像情報に応じた画像を表示する。例えば、表示手段53は、当該リモコン5が操作する電子機器を選択する選択画面や、選択された電子機器を操作するための操作画面を表示する。このような操作画面は、当該電子機器に固有の画面であり、例えば、電源オン/オフ等の当該電子機器の使用に際して一般的な操作を行うための入力画面や、当該電子機器の各種設定を行うための設定画面(メニュー画面)が含まれる。このような表示手段53は、本実施形態では、バックライト及び液晶パネルを備える構成としたが、有機EL(Electroluminescence)等の自己発光素子を備える構成としてもよい。
【0025】
入力手段54は、例えば、当該リモコン5の電源のオン/オフ等の入力操作を受け付けるほか、表示手段53に表示された操作画面に対する入力操作を受け付けるものであり、当該入力操作に応じた制御信号を制御手段57に出力する。この入力手段54は、詳しい図示を省略したが、リモコン5の電源をオン/オフするキー等の複数のキーを備えるほか、表示手段53を構成する液晶パネル上に配置されたタッチパネルを備えている。
【0026】
このタッチパネルは、液晶パネルの画像表示領域と略同じ寸法を有し、タッチペン6や指により入力された位置を示す位置情報を制御手段57に出力することで、当該制御手段57は、表示手段53上に表示された操作画面におけるどの部位が入力されたかを取得する。
なお、本実施形態では、タッチパネルは、静電容量式のタッチパネルを採用したが、これに限らず、感圧式、超音波表面弾性波方式、赤外線遮光方式及び電磁誘導方式等の各種タッチパネルを採用することも可能である。
【0027】
操作信号出力手段55は、本実施形態では、赤外線出力モジュールを備えて構成され、後述する制御手段57から入力する操作信号に応じた赤外線信号を出力する。
記憶手段56は、本発明の第一記憶手段及び第二記憶手段に相当し、本実施形態ではフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成されている。そして、記憶手段56は、リモコン5の動作に必要な各種プログラム及びデータを記憶している。
例えば、このようなプログラムとして、各種デバイスを動作させるOS(Operating System)や、後述する操作者登録処理SA、操作情報取得処理SB、権限設定処理SC及び機器操作処理SD等の各種処理を実行させるアプリケーションプログラムが記憶されている。また、記憶手段56には、このようなデータとして、前述の操作者情報である指紋情報及び操作権限等を記憶するほか、前述の情報処理装置7から取得した操作情報(操作画面を構成する操作項目、操作画面のテンプレート及びレイアウト情報、並びに、入力手段54に対する入力操作に応じて出力される操作信号の信号形式及び種別等)が記憶されている。
【0028】
図4〜図6は、プロジェクタ3に関する操作項目を示す図である。具体的に、図4には、「画質設定」、「初期化設定」及び「パスワードプロテクト設定」の各項目が示されており、図5には、「映像設定1」及び「映像設定2」の各項目が示されており、また、図6には、「拡張設定」の各項目が示されている。
例えば、操作項目として、記憶手段56は、図4〜図6に示すプロジェクタ3の操作項目を記憶している。この際、各操作項目と、当該操作項目に係る操作を実行可能であるか否かを示す操作権限とが関連付けて記憶されている。
【0029】
例えば、図4において示した「画質設定」の各設定項目において、全ての操作を行うことができる全権限者(図4〜図6において「Admin」と表記)では、当該「画質設定」の全ての項目に対する操作を許可する「○」が設定されている。一方、各設定項目に対する操作に制限のある一般権限者(図4〜図6において「Guest」と表記)では、当該「画質設定」の設定項目のうち、「カラーモード」に係る「モード切替」の操作のみ許可され、他の設定項目については、操作が許可されない「×」が設定されている。
このような各項目の操作権限は、後述する制御手段57により操作者登録処理SA及び権限設定処理SCにて、設定される。
【0030】
〔制御手段57の構成〕
図7は、制御手段57の構成を示すブロック図である。
制御手段57は、CPU(Central Processing Unit)等が実装された回路基板として構成されており、リモコン5全体の動作を制御する。この制御手段57は、図7に示すように、操作信号出力部571、操作者情報取得部572、操作者登録部573、操作情報取得部574、権限設定部575、画像生成部576及び画像出力部577を備えて構成されている。
このうち、操作者情報取得部572は、操作者情報取得手段52により取得された操作者情報、すなわち、本実施形態では、操作者の指紋情報を取得する。
また、画像出力部577は、画像生成部576から入力する画像情報を表示手段53に出力して、当該画像情報に係る画像を、表示手段53に表示させる。
【0031】
操作信号出力部571は、入力手段54に対する操作者の入力操作に応じて、操作信号出力手段55に所定の操作信号を出力する。具体的に、操作信号出力部571は、入力手段54を構成する各キーに対する入力操作に応じた操作信号を出力するほか、表示手段53に表示された入力オブジェクト(ボタン及びスクロールバー等の入力オブジェクト)のうち、当該入力操作が行われた入力オブジェクトを判定し、当該入力オブジェクトに応じた操作信号を出力する。このため、操作信号出力部571は、位置情報取得部5711、入力判定部5712、信号形式取得部5713及び信号出力部5714を備えている。
位置情報取得部5711は、入力手段54を構成するタッチパネルに対して操作者が入力操作を行った際に、当該入力手段54から入力する位置情報を取得する。
入力判定部5712は、表示手段53に現在表示されている操作画面と、取得された位置情報に基づいて、入力操作の対象が入力オブジェクトであるか否かを判定する。また、入力判定部5712は、入力対象が入力オブジェクトである場合には、当該オブジェクトが操作画面におけるどのオブジェクトであるかを特定する。
【0032】
信号形式取得部5713は、記憶手段56を参照し、入力判定部5712により特定された入力オブジェクトに応じた操作信号の信号形式を取得する。
信号出力部5714は、信号形式取得部5713により取得された操作信号の信号形式に基づいて操作信号を生成し、当該操作信号を操作信号出力手段55に出力する。
このような操作信号出力部571により、表示された操作画面に対する入力操作に応じた操作信号が操作信号出力手段55に出力され、当該操作信号出力手段55が、入力した操作信号に応じた赤外線信号を出力する。そして、これにより、リモコン5を介して、操作者が、当該リモコン5の操作対象である外部機器2及びプロジェクタ3を遠隔操作することが可能となる。
【0033】
操作者登録部573は、リモコン5の操作者を登録する。具体的に、操作者登録部573は、操作者情報取得部572により取得された操作者情報である指紋情報と、当該指紋情報に係る操作者の操作権限とを関連付けて記憶手段56に記憶させることで、操作者の登録を行う。このような操作者登録部573は、登録権限判定部5731、登録済み判定部5732、操作権限取得部5733及び操作者情報登録部5734を備えている。
【0034】
登録権限判定部5731は、現在のリモコン5の操作者が、新たに操作者の登録を行う登録権限を有しているか否かを判定する。具体的に、操作者情報取得部572により取得された指紋情報が、記憶手段56に記憶(登録)され、かつ、当該指紋に係る現在の操作者に登録権限が付与されているか否かを判定する。なお、本実施形態では、操作者を新規に登録する際には、登録処理を行う操作者は全権限者である必要がある。
登録済み判定部5732は、登録権限判定部5731により、操作者の新規登録を行う操作者に登録権限が付与されていると判定された際に、記憶手段56を参照し、別途新たに取得され、かつ、登録すべき操作者の操作者情報(指紋)が既に登録されているか否かを判定する。これは、操作者情報の二重登録を防ぐためである。
【0035】
操作権限取得部5733は、登録済み判定部5732により、取得された操作者情報が登録されていないと判定された際に、後述する画像生成部576の操作者登録画面生成部5761により表示された操作者登録画面にて、操作者により選択された操作権限、すなわち、登録する操作者の操作権限を取得する。このような操作権限は、例えば、全ての操作権限を有する全権限者(アドミニストレータ)、制限付き権限者(ユーザ)、及び、制限付き権限者より更に制限が付加された一般操作者(ゲスト)等が挙げられる。なお、操作権限は、これらに限らず、更に多くの分類を有していてもよく、また、少なくてもよい。
操作者情報登録部5734は、取得された操作者情報及び操作権限を関連付けて記憶手段56に記憶させる。
なお、操作者登録部573は、登録する操作者の氏名等を入力させ、これらを操作者情報及び操作権限に関連付けて登録するようにしてもよい。
【0036】
操作情報取得部574は、前述の情報処理装置7(例えば、図2に示した情報処理装置73)との通信接続が確立された際に、当該情報処理装置7に記憶された所定の電子機器の操作情報を取得する。このような操作情報には、プロジェクタ3の操作項目を例として挙げたような操作項目、及び、当該プロジェクタ3の操作パネル等に配設されたキーの項目、当該操作項目を操作した際に出力される操作信号の信号形式、並びに、表示手段53に当該所定の電子機器を操作する操作画面を生成する際に利用されるテンプレート及びレイアウト等が含まれる。
このような操作情報取得部574は、取得権限判定部5741、操作項目取得部5742、テンプレート取得部5743、信号形式取得部5744及び操作情報記憶部5745を備えている。
【0037】
取得権限判定部5741は、情報処理装置7から所定の電子機器の操作情報を取得する際に、当該操作情報を記憶手段56に記憶させる操作権限があるか否かを判定する。
具体的に、操作者情報取得部572により取得された指紋情報に係る現在のリモコン5の操作者が、操作者登録部573により既に登録されているか否かを判定し、登録されていると判定された際に、当該操作者に、所定の電子機器の操作情報を取得して記憶手段56に記憶させる操作権限が付与されているか否かを判定する。なお、本実施形態では、全権限者のみ、当該所定の電子機器の操作情報の取得及び記憶が許可される設定となっている。
【0038】
操作項目取得部5742、テンプレート取得部5743及び信号形式取得部5744は、取得権限判定部5741により、操作情報の取得及び記憶を行おうとしている操作者に当該操作の権限が付与されていると判定された際に、通信接続が確立した情報処理装置7から、所定の電子機器の操作情報を取得する。なお、情報処理装置7に複数の電子機器の操作情報が保持されている場合には、操作項目取得部5742、テンプレート取得部5743及び信号形式取得部5744は、後述する情報取得画面生成部5762により表示された操作情報取得画面にて、現在のリモコン5の操作者により選択された電子機器の操作情報を取得する。
【0039】
具体的に、操作項目取得部5742は、前述のプロジェクタ3の操作項目で言えば、メイン項目、サブ項目1、サブ項目2等の設定項目、並びに、操作パネルに配設されたキーの項目を取得する。また、例えば、所定の電子機器が外部機器2である場合には、操作項目取得部5742は、録画モード切替(高解像度録画及び低解像度録画の切替)等を行う録画設定、録画した番組等の編集を行う編集設定、及び、TVチューナ設定等の各種設定に係る設定項目及び操作パネルのキー項目等を取得する。
【0040】
テンプレート取得部5743は、前述の操作情報のうち、当該所定の電子機器を操作する操作画面に係るテンプレート及びレイアウトを取得する。
信号形式取得部5744は、前述の操作情報のうち、操作画面に対する入力操作に応じて当該所定の電子機器に出力され、かつ、当該電子機器により認識可能な操作信号の信号形式を取得する。
操作情報記憶部5745は、上記各取得部5742〜5744により取得された各操作情報を記憶手段56に記憶させる。
【0041】
権限設定部575は、操作者登録部573により既に登録された操作者の権限をより詳細に設定する。具体的に、権限設定部575は、当該操作者に前述の操作項目に含まれる各設定項目を設定させる権限を、当該設定項目ごとに個別に設定する。このような権限設定部575は、設定権限判定部5751、設定対象者取得部5752、設定対象取得部5753、設定項目取得部5754及び操作権限設定部5755を備えている。
【0042】
設定権限判定部5751は、各操作項目の操作権限の設定を行おうとしている操作者、すなわち、操作者情報取得部572により取得された操作者情報(指紋情報)に係る現在のリモコン5の操作者に、当該操作権限の設定を行う権限があるか否かを判定する。なお、本実施形態では、全権限者のみ、当該操作権限の設定が許可される設定となっている。
設定対象者取得部5752は、設定権限判定部5751により、現在の操作者に操作権限の設定を行う権限が付与されていると判定された際に、後述する権限設定画面生成部5763により生成された権限設定画面にて、現在の当該操作者により選択され、かつ、操作権限の設定が行われる操作者を取得する。
【0043】
設定対象取得部5753は、設定対象者取得部5752により取得された操作者に操作が許可されている電子機器のうち、権限設定画面において操作者によって選択され、かつ、操作権限の設定を行う電子機器のIDを取得する。
設定項目取得部5754は、設定対象取得部5753により取得されたIDを持つ電子機器の操作項目を取得し、当該操作項目の各設定項目のうち、権限設定画面において、現在の操作者により権限設定が行われるべく選択された設定項目を取得する。
操作権限設定部5755は、設定項目取得部5754により取得された設定項目に対して、権限設定画面において操作者が設定した操作権限を取得し、当該操作権限で、記憶手段56に記憶されている設定項目の操作権限を更新する。
このように、各設定項目の操作権限を設定することにより、操作者及び電子機器に応じて詳細な操作権限を設定することができる。
【0044】
画像生成部576は、前述の操作者登録部573によって操作者を登録する際に表示手段53に表示される操作者登録画面、操作情報取得部574によって所定の電子機器の操作情報を取得する際に表示される操作情報取得画面、及び、権限設定部575によって各設定項目の操作権限を設定する際に表示される権限設定画面等に係る各画像情報を生成し、当該画像情報を表示手段53に出力する。これら各画面のテンプレート等は、予め記憶手段56に記憶されている。
また、画像生成部576は、外部機器2及びプロジェクタ3等の電子機器を操作するための操作画面に係る画像情報を生成し、当該画像情報を表示手段53に出力する。このため、画像生成部576は、操作者登録画面生成部5761、情報取得画面生成部5762、権限設定画面生成部5763、操作者特定部5764、対象選択画面生成部5765、操作対象取得部5766、操作項目取得部5767及び操作画面生成部5768を備えている。
【0045】
操作者登録画面生成部5761は、後述する操作者登録処理SAにおいて、表示手段53により表示される操作者登録画面に係る画像情報を生成する。
情報取得画面生成部5762は、後述する操作情報取得処理SBにおいて、表示手段53により表示される操作情報取得画面に係る画像情報を生成する。
権限設定画面生成部5763は、後述する権限設定処理SCにおいて、表示手段53により表示される権限設定画面に係る画像情報を生成する。
これら操作者登録画面生成部5761、情報取得画面生成部5762及び権限設定画面生成部5763により生成された各画像情報は、表示手段53に出力される。
操作者特定部5764は、電子機器を操作する操作画面を表示する際に、操作者情報取得部572により取得された操作者情報(指紋情報)に基づいて、記憶手段56に記憶された登録済みの操作者のうち、現在の操作者を特定する。なお、操作者特定部5764は、現在の操作者が登録されていない場合には、一般操作者と見なす。
【0046】
図8は、対象選択画面生成部5765により生成される操作対象選択画面の一例を示す図である。
対象選択画面生成部5765は、操作者特定部5764により特定された操作者に対して操作権限が付与された電子機器のうち、当該操作者がリモコン5を用いて操作する電子機器の種別を選択させる操作対象選択画面に係る画像情報を生成する。例えば、当該操作者に、HDDレコーダとして構成された外部機器2、及び、プロジェクタ3の他に、ビデオ、テレビ、CD(Compact Disc)プレーヤ及びDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤの操作権限が付与されている場合には、対象選択画面生成部5765は、図8に示すような操作対象選択画面に係る画像情報を生成する。そして、操作者は、当該操作対象選択画面内の各電子機器を示すアイコンを選択する。
【0047】
操作対象取得部5766は、入力手段54から入力する位置情報に基づいて、操作対象選択画面上に表示され、かつ、操作者により選択された操作対象の電子機器の種別を取得する。例えば、図8において示した操作対象選択画面が表示され、操作者により、操作対象としてプロジェクタ3が選択された場合には、操作対象取得部5766は、当該プロジェクタ3が選択された旨の情報を取得する。
【0048】
操作項目取得部5767は、操作者特定部5764により特定された操作者に付与された操作権限に基づいて、操作対象取得部5766により取得された操作対象である電子機器の操作項目に含まれる各設定項目のうち、当該操作権限により操作及び設定が可能な設定項目を取得する。
例えば、プロジェクタ3の操作に対して全権限者に設定された操作者が、現在の操作者である場合には、操作項目取得部5767は、プロジェクタ3の全設定項目を取得する。また、プロジェクタ3の操作に対する権限を一部制限された操作者が、現在の操作者である場合には、操作項目取得部5767は、当該現在の操作者に操作権限が付与された設定項目のみを取得する。
【0049】
図9は、操作者が全権限者である場合のプロジェクタ3を操作する操作画面の一例を示す図である。また、図10は、操作者が一般操作者である場合のプロジェクタ3を操作する操作画面の一例を示す図である。なお、図9及び図10には、プロジェクタ3の各種設定を行う設定画面のうち、画質設定に係る画面が示されている。
操作画面生成部5768は、記憶手段56に記憶され、かつ、操作対象である電子機器の操作画面に係るテンプレート及びレイアウトと、操作項目取得部5767により取得された設定項目とに基づいて、当該電子機器の操作画面に係る画像情報を生成する。そして、操作画面生成部5768は、生成した画像情報を表示手段53に出力する。
【0050】
このような操作画面生成部5768により、例えば、操作者が全権限者であり、かつ、操作対象の電子機器がプロジェクタ3である場合、「画質設定」を行う操作画面には、図9に示すように、前述の「画質設定」に係る全ての設定項目が表示される。
一方、操作者が一般操作者であり、かつ、操作対象の電子機器がプロジェクタ3である場合には、「画質設定」を行う操作画面においては、当該操作者には、「カラーモードの切替」のみ許可されているので、当該設定画面には、図10に示すように、「カラーモード」の設定項目のみが表示される。
【0051】
〔操作者登録処理SA〕
ここで、操作者登録処理SAについて説明する。
図11は、操作者登録処理SAの処理過程を示すフローチャートである。
操作者を新たに登録する際には、制御手段57は、記憶手段56に記憶された操作者登録プログラムを読み出して、当該プログラムに沿って操作者登録処理SAを実行する。
この操作者登録処理SAでは、図11に示すように、まず、操作者情報取得部572が、操作者情報取得手段52により、登録処理を実行させる操作者(登録実行者)の操作者情報(指紋情報)を取得する(操作者情報取得ステップSA01)。
【0052】
この後、操作者登録部573の登録権限判定部5731が、記憶手段56を参照し、取得された操作者(登録実行者)の操作者情報に基づいて、当該操作者に登録処理を実行する登録権限があるか否か、すなわち、当該操作者が全権限者であるか否かを判定する(権限判定ステップSA02)。
ここで、登録権限判定部5731が、当該操作者(登録実行者)に登録権限がない、すなわち、当該操作者は全権限者ではないと判定した場合には、制御手段57は、操作者登録処理SAを終了する。これにより、登録権限のない操作者により、勝手に操作者が登録されてしまうことを防ぐことができる。
【0053】
一方、登録権限判定部5731が、当該操作者(登録実行者)に登録権限がある、すなわち、当該操作者は全権限者であると判定した場合には、新規登録すべき操作者(被登録者)の操作者情報(指紋情報)が操作者情報取得手段52により取得され、当該操作者情報が操作者情報取得部572により取得される(操作者情報取得ステップSA03)。
次に、登録済み判定部5732が、記憶手段56を参照して、新たに取得された操作者(被登録者)の操作者情報が既に登録されているか否かを判定する(登録判定ステップSA04)。この際、登録済み判定部5732が、当該操作者情報が既に登録されていると判定した場合には、制御手段57は、操作者の二重登録を防ぐために、操作者登録処理SAを終了する。
【0054】
一方、登録済み判定部5732が、当該操作者情報が未登録であると判定した場合には、操作権限取得部5733が、操作者登録画面において現在の操作者(登録実行者)により選択された操作権限を取得する(操作権限取得ステップSA05)。
そして、操作者情報登録部5734が、登録すべき操作者(被登録者)の操作者情報と、操作権限取得部5733により取得された操作権限とを関連付けて、記憶手段56に記憶させる(操作者登録ステップSA06)。これにより、当該操作者の新規登録が完了する。
以上により、操作者登録処理SAが終了する。
【0055】
〔操作情報取得処理SB〕
次に、操作情報取得処理SBについて説明する。
図12は、操作情報取得処理SBの処理過程を示すフローチャートである。
前述の情報処理装置7から新たに電子機器を操作するための操作情報を取得する際には、制御手段57は、記憶手段56に記憶された操作情報取得プログラムを読み出して、当該プログラムに沿って操作情報取得処理SBを実行する。
この操作情報取得処理SBでは、図12に示すように、まず、操作者情報取得部572が、操作情報取得処理SBを実行させる操作者に係る操作者情報を、操作者情報取得手段52により取得する(操作者情報取得ステップSB01)。
【0056】
この後、操作情報取得部574の取得権限判定部5741が、記憶手段56を参照し、取得された操作者情報に基づいて、現在のリモコン5の操作者に電子機器に係る操作情報の取得権限があるか否か、すなわち、当該操作者が全権限者であるか否かを判定する(権限判定ステップSB02)。
ここで、取得権限判定部5741により、当該操作者に取得権限が付与されていないと判定された場合、すなわち、当該操作者は全権限者ではないと判定された場合には、制御手段57は、操作情報取得処理SBを終了する。これにより、取得権限のない操作者により、電子機器に係る操作情報が取得され、記憶手段56に記憶されてしまうことを防ぐことができる。
【0057】
一方、取得権限判定部5741により、当該操作者に取得権限が付与されていると判定された場合、すなわち、当該操作者は全権限者であると判定された場合には、操作項目取得部5742、テンプレート取得部5743及び信号形式取得部5744により、取得すべき電子機器の操作情報が取得される(操作情報取得ステップSB03,SB04,SB05)。この際、前述のように、情報処理装置7に複数の電子機器に係る操作情報が保持されている場合には、各取得部5742〜5744は、当該操作情報のうち、操作情報取得画面上で操作者により選択された操作情報を取得する。
【0058】
そして、操作情報記憶部5745が、取得された操作情報と、当該操作情報に基づいて操作される電子機器の種別とを関連付けて、記憶手段56に記憶させる(操作情報記憶ステップSB06)。これにより、新たに取得した操作情報に係る電子機器を、リモコン5により遠隔操作することが可能となる。
以上により、操作情報取得処理SBが終了する。
【0059】
〔権限設定処理SC〕
次に、権限設定処理SCについて説明する。
図13は、権限設定処理SCの処理過程を示すフローチャートである。
既に登録されている操作者の操作権限を詳細に設定する際には、制御手段57は、記憶手段56に記憶された権限設定プログラムを読み出して、当該プログラムに沿って権限設定処理SCを実行する。
この権限設定処理SCでは、図13に示すように、まず、操作者情報取得部572が、権限設定処理SCを実行させる操作者に係る操作者情報を、操作者情報取得手段52により取得する(操作者情報取得ステップSC01)。
【0060】
この後、権限設定部575の設定権限判定部5751が、記憶手段56を参照し、取得された操作者情報に基づいて、現在のリモコン5の操作者に既登録操作者の操作権限を設定する設定権限があるか否か、すなわち、当該操作者が全権限者であるか否かを判定する(権限判定ステップSC02)。
ここで、設定権限判定部5751により、当該操作者に設定権限が付与されていないと判定された場合、すなわち、当該操作者は全権限者ではないと判定された場合には、制御手段57は、権限設定処理SCを終了する。これにより、設定権限のない操作者により、既登録操作者の操作権限が変更されてしまうことを防ぐことができる。
【0061】
一方、設定権限判定部5751により、当該操作者に設定権限が付与されていると判定された場合、すなわち、当該操作者は全権限者であると判定された場合には、設定対象者取得部5752が、権限設定画面において操作者により選択され、かつ、操作権限の設定変更が行われる操作者が取得される(設定対象者取得ステップSC03)。
次に、設定対象取得部5753が、操作権限の設定変更が行われる操作者に操作権限が付与され、かつ、権限設定画面において操作者(処理実行者)により選択された電子機器の種別が取得される(設定対象機器取得ステップSC04)。
【0062】
この後、設定項目取得部5754が、ステップSC04にて取得された電子機器の種別に基づいて、当該電子機器の操作情報を構成する全設定項目が取得される(設定項目取得ステップSC05)。
そして、操作権限設定部5755が、操作者(処理実行者)により設定項目に応じた操作権限を、記憶手段56に記憶させる(操作権限設定ステップSC06)。これにより、各設定項目に応じた操作権限が設定される。
以上により、権限設定処理SCが終了する。
【0063】
〔機器操作処理SD〕
次に、機器操作処理SDについて説明する。
図14は、機器操作処理SDの処理過程を示すフローチャートである。
既に取得されている操作情報に係る電子機器(本実施形態では、外部機器2及びプロジェクタ3)を遠隔操作する際には、制御手段57は、記憶手段56に記憶された機器操作プログラムを読み出して、当該プログラムに沿って機器操作処理SDを実行する。
この機器操作処理SDでは、図14に示すように、まず、操作者情報取得部572が、リモコン5の現在の操作者に係る操作者情報を、操作者情報取得手段52により取得する(操作者情報取得ステップSD01)。
【0064】
次に、画像生成部576の操作者特定部5764が、記憶手段56を参照して、取得された操作者情報に係る操作者を特定し、当該操作者に付与された操作権限、及び、使用が許可されている電子機器の種別等を取得する(操作者特定ステップSD02)。
この後、対象選択画面生成部5765が、取得された電子機器の種別から、操作対象の電子機器を選択させる操作対象選択画面に係る画像情報を生成して、表示手段53により、当該操作対象選択画面を表示させる。そして、操作対象取得部5766が、当該操作対象選択画面にて操作者により選択され、かつ、リモコン5で遠隔操作する対象である電子機器の種別を取得する(操作対象取得ステップSD03)。
この後、操作項目取得部5767が、記憶手段56を参照し、操作対象である電子機器に係る操作項目のうち、現在リモコン5を操作している操作者により操作が許可されている操作項目(操作可能項目)を取得する(操作項目取得ステップSD04)。
【0065】
そして、操作画面生成部5768が、ステップSD03で取得された操作可能項目、並びに、記憶手段56に記憶された操作対象の電子機器に係るテンプレート及びレイアウト等により、操作画面に係る画像情報を生成し、生成した画像情報を表示手段53に出力する(操作画面表示ステップSD05)。これにより、操作対象の電子機器を操作するための操作画面が表示手段53上に表示される。
【0066】
次に、操作信号出力部571が、入力手段54から入力する情報に基づいて、操作画面に対する入力操作が行われたか否かを判定する(入力判定ステップSD06)。具体的に、操作信号出力部571が、操作画面上の入力位置を示す位置情報が、入力手段54から入力したか否かを判定する。ここで、操作信号出力部571により、当該位置情報が入力していないと判定された場合には、当該操作信号出力部571は、位置情報が入力するまで待機する。
【0067】
一方、操作信号出力部571により、位置情報が入力したと判定された場合には、位置情報取得部5711により、当該位置情報が取得される(位置情報取得ステップSD07)。
そして、入力判定部5712が、当該位置情報により示される操作画面の位置に、入力オブジェクトが位置するか否か、すなわち、操作画面上に配置された入力オブジェクトに対する入力操作が行われたか否かを判定する(入力オブジェクト判定ステップSD08)。ここで、入力判定部5712により、入力オブジェクトに対する入力操作は行われていないと判定された場合には、操作信号出力部571は、当該入力操作を無視して、ステップSD06に戻る。
【0068】
一方、入力判定部5712により、入力オブジェクトに対する入力操作が行われたと判定された場合には、信号形式取得部5713が、入力操作が行われたと判定された入力オブジェクトに係る操作信号の信号形式を、記憶手段56から取得する(信号形式取得ステップSD09)。例えば、操作画面上の決定キーが入力された場合には、信号形式取得部5713により、当該決定キーが入力された旨の操作信号の信号形式が取得される。
この後、信号出力部5714が、ステップSD09にて取得された信号形式の操作信号を生成し(操作信号生成ステップSD10)、当該操作信号を操作信号出力手段55に出力する。これにより、操作信号出力手段55により、当該操作信号に応じた赤外線信号が出力される(操作信号出力ステップSD11)。
【0069】
以上により、機器操作処理SDが終了するが、操作者が同じ操作画面に対して入力操作を行う場合には、制御手段57は、ステップSD06に戻り、また、当該入力操作により、画面遷移が生じた場合には、制御手段57は、ステップSD05に戻る。さらに、操作者が操作する電子機器が変更された場合には、制御手段57は、ステップSD03に戻る。
【0070】
以上のような本実施形態のPS1によれば、以下の効果を奏することができる。
すなわち、外部機器2及びプロジェクタ3等の電子機器を使用する際には、操作者の操作者情報(指紋情報)を操作者情報取得手段52により取得させるだけで、画像生成部576の操作者特定部5764が、記憶手段56を参照して、操作者及び当該操作者の操作権限の特定を行う。そして、当該操作者及び操作権限に基づいて、操作項目取得部5767により、当該操作者により操作可能な操作項目が取得され、操作画面生成部5768が、取得された操作項目に基づく操作画面を生成する。
これによれば、例えば、一般操作者に対しては、当該一般操作者の操作権限に応じた操作項目が表示されることにより、当該操作者に対して、操作可能な操作項目を制限することができる。従って、リモコン5によって操作される電子機器の設定項目の設定内容が、不用意に変更されてしまうことを防ぐことができる。
【0071】
また、このような各操作者に対する操作の制限は、リモコン5の操作者情報取得手段52に操作者の操作者情報(指紋情報)を取得させるだけで行われるので、操作者の氏名やID情報等を入力する手間を省くことができる。従って、操作者の特定を簡易に行うことができるとともに、不慣れな操作者であっても簡易に電子機器を利用することができる。
【0072】
また、新たに操作者をリモコン5に登録する際には、操作者登録処理SAにて、操作者登録部573の操作者情報登録部5734が、登録すべき操作者の操作者情報と、登録処理を行っている操作者により選択された操作権限とが関連付けられて記憶手段56に登録される。これによれば、リモコン5の操作者が増加した場合でも、当該操作者の操作者情報及び操作権限を新規登録することができるので、リモコン5の汎用性を向上することができる。
【0073】
また、権限設定部575が、権限設定処理SCにて、記憶手段56に登録された操作者の操作権限を、各電子機器の操作項目(より詳しくは、操作項目に含まれる設定項目)ごとに設定することができる。これによれば、リモコン5により電子機器を操作する際に、当該リモコン5に表示される操作画面の操作項目を、操作者ごとに設定することができる。従って、操作者ごとにリモコン5をカスタマイズすることができる。
また、操作者情報取得手段52が、操作者情報として、操作者の指紋情報を取得することにより、操作者特定の際の操作を簡易に行うことができる。従って、不慣れな操作者でも、リモコン5を容易に扱うことができる。また、これにより、操作者の特定を高い精度で行うことができるとともに、処理の信頼性を向上することができる。
【0074】
また、入力手段54は、表示手段53を構成する液晶パネルの画像表示領域を覆うタッチパネルを備えている。そして、当該タッチパネルに対して入力操作が行われた際には、入力手段54は、当該入力操作が行われたタッチパネル上の位置、すなわち、操作画面上の位置を示す位置情報を制御手段57に出力し、入力判定部5712が、当該位置情報に基づいて、操作画面上のどの入力オブジェクトに対して入力操作が行われたかを判定する。これによれば、操作画面に対する操作者の入力操作を簡略化することができる。
【0075】
〔実施形態の変形〕
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、リモコン5の操作者情報取得手段52は、操作者の指紋を操作者情報として取得するとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、操作者の顔、声紋、虹彩、網膜、静脈紋等を操作者情報として取得してもよい。
【0076】
前記実施形態では、操作信号出力手段55により外部機器2及びプロジェクタ3に出力される操作信号は、赤外線信号であるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、リモコン5が他の電子機器を遠隔操作可能な信号であれば、操作信号の伝達形式は問わない。また、リモコン5と電子機器とは、無線により通信接続されていなくてもよく、それぞれが有線により通信接続されていてもよい。
【0077】
前記実施形態では、記憶手段56は、操作者に関する操作者情報と、当該操作者に付与された操作権限とを関連付けて記憶するほか、外部機器2及びプロジェクタ3等の電子機器を操作するための操作情報を記憶するとしたが、これらの各情報は、それぞれ別々に設けられた記憶手段に記憶されていてもよい。
また、前記実施形態では、電子機器として、HDDレコーダとして構成された外部機器2及びプロジェクタ3を挙げたが、本発明はこれらに限定されない。すなわち、リモコンにより操作可能な電子機器であれば、他の種類の電子機器でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、操作権限を設定する必要のある電子機器を操作するリモコンに好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態に係るプロジェクションシステムの構成を示す模式図。
【図2】前記実施形態における情報処理装置に接続されたリモコンを示す図。
【図3】前記実施形態におけるリモコンの構成を示すブロック図。
【図4】前記実施形態におけるプロジェクタに関する操作項目を示す図。
【図5】前記実施形態におけるプロジェクタに関する操作項目を示す図。
【図6】前記実施形態におけるプロジェクタに関する操作項目を示す図。
【図7】前記実施形態における制御手段の構成を示すブロック図。
【図8】前記実施形態における操作対象選択画面の一例を示す図。
【図9】前記実施形態における操作者が全権限者である場合の操作画面の一例を示す図。
【図10】前記実施形態における操作者が一般操作者である場合の操作画面の一例を示す図。
【図11】前記実施形態における操作者登録処理を示すフローチャート。
【図12】前記実施形態における操作情報取得処理を示すフローチャート。
【図13】前記実施形態における権限設定処理を示すフローチャート。
【図14】前記実施形態における機器操作処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0080】
2…外部機器(電子機器)、3…プロジェクタ(電子機器)、5…リモートコントローラ、52…操作者情報取得手段、53…表示手段、54…入力手段、55…操作信号出力手段、56…記憶手段(第一記憶手段、第二記憶手段)、57…制御手段、573…操作者登録部、575…権限設定部、5763…操作項目取得部、5764…操作画面生成部、577…画像出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器を操作するリモートコントローラであって、
当該リモートコントローラを操作する操作者に固有な操作者情報を取得する操作者情報取得手段と、
前記操作者情報と当該リモートコントローラによる前記電子機器の操作権限とを関連付けて記憶する第一記憶手段と、
前記操作権限と前記電子機器を操作する操作画面に表示される操作項目とを関連付けて記憶する第二記憶手段と、
前記操作画面が表示される表示手段と、
前記操作画面に含まれる前記操作項目に対する入力操作を行う入力手段と、
前記入力手段に対する入力操作に応じた操作信号を前記電子機器に出力する操作信号出力手段と、
当該リモートコントローラを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記操作者情報取得手段により取得された前記操作者情報に基づいて、当該操作者情報に関連付けて記憶された前記操作権限により操作可能な前記操作項目を前記第二記憶手段から取得する操作項目取得部と、
取得された前記操作項目に応じた前記操作画面を生成する操作画面生成部と、
前記操作画面に係る画像情報を前記表示手段に出力して、当該表示手段により前記操作画面を表示させる画像出力部とを備えることを特徴とするリモートコントローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のリモートコントローラにおいて、
前記制御手段は、
前記操作者情報と前記操作権限とを関連付けて前記第一記憶手段に登録する操作者登録部を備えることを特徴とするリモートコントローラ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のリモートコントローラにおいて、
前記制御手段は、
前記第二記憶手段に記憶された前記操作項目ごとに、前記第一記憶手段に記憶された前記操作者に係る前記操作権限を設定する権限設定部を備えることを特徴とするリモートコントローラ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のリモートコントローラにおいて、
前記操作者情報取得手段は、前記操作者の指紋を取得することを特徴とするリモートコントローラ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のリモートコントローラにおいて、
前記入力手段は、前記表示手段における前記操作画面が表示される表示領域を覆うように設けられるタッチパネルを備えることを特徴とするリモートコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−244633(P2008−244633A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−79693(P2007−79693)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】