説明

リング密閉ダイヤフラム

流体プロセス制御デバイスのためのダイヤフラムアクチュエータ(10)は、筐体(26)と、ダイヤフラム(56)と、ステム(22)と、板組み立て体と、を含む。板組み立て体は、凹状板(54)と、凸状板(52)と、を含み、それぞれが内側および外側の半径方向部分を有する。外側半径方向部分は、ダイヤフラムを圧縮係合して保持する。内側半径方向部分は、ステムの肩部(72)とステムに螺入されるナット(48)との間で、互いにステム上に圧縮される。したがって、凹状板は、強制的に係合し、かつOリングもしくは他のあらゆる追加的な密閉構成要素を必要とせずに、ステムの肩部との直接的な耐流体密閉を提供する。さらに、凹状および凸状板は、付勢して開いた構成と付勢して閉じた構成とをアクチュエータが容易に切り替えられ得るように、構造的に同等である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、流体プロセス制御デバイスのためのアクチュエータに関し、より具体的には、流体プロセス制御デバイスのためのダイヤフラム組み立て体を備えるアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
精製所、化学プラント、もしくは製紙プラント等のプロセスプラントは、種々の消費製品を生産するように、互いに接続される数多くのプロセス制御ループから成ることが、一般的に知られている。これらの制御ループのそれぞれは、圧力、流れ、レベル、または温度等のいくつかの重要なプロセス変量を所要の動作範囲内に保ち、最終製品の品質を確保するように設計されている。これらのループのそれぞれは、プラント内のプロセス制御ループのプロセス変量および制御に影響を及ぼす負荷外乱を受け、かつ内部的にこれを作り出す。これらの負荷外乱の影響を低減するために、プロセス変量が、センサもしくはトランスミッタによって検出され、かつプロセスコントローラへ通信される。プロセスコントローラは、この情報を処理して、変更もしくは修正をプロセスループに提供して、負荷外乱が生じた後にそうあるべきプロセス変量に戻す。修正は、一般的に、いくつかのタイプの制御弁等の最終制御要素を通る流れを変更することによって行われる。制御弁は、ガス、蒸気、水、もしくは化学化合物等の流動流体を操作して、負荷外乱を補い、かつ調整したプロセス変量を所望の制御もしくは設定点にできるだけ近くなるように保つ。
【0003】
概して、種々の制御弁の構成は、とりわけ特定の用途に対して適用可能であり得ると理解されている。例えば、制御範囲の狭い早開き弁が好適である時には、蝶形弁等の回転制御弁が使用され得る。あるいは、広い制御範囲にわたって正確な制御が必要である時には、摺動ステム制御弁が使用され得る。いずれの構成においても、このような制御弁は、概して、アクチュエータ等の制御デバイスに連結され、これらは制御信号に応答して制御弁の正確な開口量を制御する。したがって、プロセスを設計する時に、プロセス技師は、多くの設計要件および設計制約を考慮しなければならない。例えば、設計技師は、使用される弁の様式、弁のサイズ、アクチュエータのタイプ等を決定しなければならない。
【0004】
いくつかのシステム、特に空気圧制御の流体プロセスシステムにおいて、任意の所与の流体プロセス制御デバイスのためのアクチュエータには、ダイヤフラムアクチュエータを含むことができる。代表的なダイヤフラムアクチュエータは、ばね付勢ダイヤフラム組み立て体を含む筐体を備える。ダイヤフラム組み立て体は、流体プロセス制御デバイスの開口量を制御するように、ステムもしくは他のアクチュエータロッドを介して動作可能に連結される。
【0005】
1つの公知のダイヤフラム組み立て体は、ダイヤフラムと、1つ以上のダイヤフラム板と、を備える。ダイヤフラムは、耐流体密閉の布地、ポリマー、もしくは他の好適な材料で構築される、可撓性の円盤状部材を備える。板は、ダイヤフラムに隣接して配置され、筐体内に配置される1つ以上のばねによって係合されるように適合される。加えて、板は、固定された機械的接続をステムに提供する。ばねは、アクチュエータが、制御デバイスを開いた、もしくは閉じた構成に付勢し得るように、ダイヤフラム組み立て体を所定の位置に付勢するように機能する。1つの公知の組み立て体では、ダイヤフラムが、接着剤によってダイヤフラム板に固定される。別の公知の組み立て体では、ダイヤフラム板が、皿状の部分を含み、それに対して、ダイヤフラムが標準的なウォーム歯車ホースクランプによって密閉される。他の公知の組み立て体では、ダイヤフラムが、板に全く固定されない。しかしながら、述べられているように、1つ以上のダイヤフラム板がアクチュエータのステムに堅固に固定される。このような固定は、概して、螺入取り付けによって達成される。例えば、一形態において、ステムは、1つ以上の板内の中央開口を通して配置される、ねじ付き端部分を含む。次いで、ナットをステムのねじ付き端部分に螺入して、ステムを板に取り付ける。加えて、しかしながら、空気圧アクチュエータの正確な制御を可能にするには、筐体内、およびダイヤフラム組み立て体の対向する側面間に、耐流体密閉を提供しなければならない。上述したものによる1つの公知のダイヤフラムアクチュエータでは、ステムと板との間に1つ以上のOリングが提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの公知のダイヤフラム組み立て体のそれぞれは、Oリングおよび/もしくはホースクランプ等の追加的な部品が必要であり、したがって、追加的な組み立てステップを必要とする。さらに、これらの追加的な部品は、劣化する傾向があり、それによって、デバイス全体の信頼性が減少する。その上、このような公知のダイヤフラムアクチュエータは、概して、単一の様態、例えば付勢して開いた、もしくは付勢して閉じた構成のいずれかで動作するように構成される。したがって、もしアクチュエータの付勢した構成の変更が所望される場合は、全く異なるアクチュエータを設置しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、流体プロセス制御デバイスのためのアクチュエータを備える。アクチュエータは、筐体と、ステムと、凹状板と、凸状板と、ダイヤフラムと、ナットと、を含む。筐体は、第1の筐体構成要素と、第2の筐体構成要素と、を含む。ステムは、筐体内に摺動可能に配置され、かつ肩部を備える。凹状板は、内側半径方向部分と、外側半径方向部分と、を備える。内側半径方向部分は、ステム上に配置され、かつ中央開口を画定する。凸状板も、内側半径方向部分と、外側半径方向部分と、を備える。凸状板の内側半径方向部分は、凹状板の内側半径方向部分に隣接してステム上に配置される。
【0008】
開示される実施形態では、ダイヤフラムも、外側半径方向部分と、内側半径方向部分と、を備える。ダイヤフラムの外側半径方向部分は、第1および第2の筐体構成要素の間で圧縮され、内側半径方向部分は、板の外側半径方向部分の間で圧縮される。ナットは、凹状板がステムの肩部を密閉状態で直接的に係合するように、凹状および凸状板の内側半径方向部分を互いに圧縮するように、ステムとねじ係合して配置される。
【0009】
そのように構成すると、開示される実施形態のアクチュエータは、ダイヤフラムを好都合に圧縮して密閉するとともに、同時に、アクチュエータのステムとの直接密閉係合を提供し、このような構成要素に関連する部品数および組み立てコストの低減を補助し得る。
【0010】
加えて、好適な一実施形態では、ステムの肩部が、切頭円錐形状表面を備え、凹状板の中央開口が、ステムの肩部と密閉係合する切頭円錐形状表面を備える。
【0011】
別の好適な実施形態では、ステムは、肩部から凹状および凸状の板の反対側に配置されるねじ付き端部分を備え、ナットが、ステムのねじ付き端部分に螺入される。
【0012】
しかしながら、代替の一実施形態では、凸状板の内側半径方向部分が、ステムのねじ付き端部分と直接ねじ係合するねじ付き開口を画定し得、それによって、ナットの必要性を排除する。
【0013】
さらに別の好適な実施形態では、ダイヤフラムが、凹状板と凸状板との間にダイヤフラムを保持するのを支援するように、板の間に画定される空洞内に配置される円周状のビードによって内側開口部を画定する、内側半径方向縁部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】流体プロセス制御デバイスに動作可能に連結される、本発明の原理によるアクチュエータの側面図である。
【図2】図1の線II−IIから見た時の図1のアクチュエータの側面断面図である。
【図3】図1および2のアクチュエータの分解側面断面図である。
【図4】図3の線IV−IVの観点から見た時の、本発明の一実施形態に従って構築されるダイヤフラム板およびダイヤフラムの平面図である。
【図5】図3の線IV−IVの観点から見た時の、本発明の代替の一実施形態に従って構築されるダイヤフラム板およびダイヤフラムの平面図である。
【図6】本発明の原理に従って構築されるアクチュエータに関連して使用されるダイヤフラムの代替の一実施形態の側面断面図である。
【図7】本発明の原理に従って構築されるアクチュエータのステムおよびダイヤフラム板の代替の一実施形態の部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の原理に従って構築され、流体プロセス制御デバイス12に接続されるアクチュエータ10を示している。図1に示されている実施例において、制御デバイス12は、流入口14、流出口16、のど部18、および流路20を画定する玉形弁を備える。流路20は、流入口14と流出口16との間に配置される。制御デバイス12は、例えば精製所、もしくは化学プラント、または製紙プラント等のプロセスプラントを含む、流体プロセス制御システム内に配置されるように適合される。制御デバイス12は、1つ以上の動作パラメータに従って、システムを通る流体の流れを制御する。
【0016】
アクチュエータ10は、制御デバイス12ののど部18内を摺動変位するために配置される弁体24を含むステム22を含む。したがって、動作中に、アクチュエータ12は、制御デバイス12ののど部18内に配置される弁座面19に対して、ステム22、したがって弁体24を移動させる。弁座面19に対する弁体24の位置は、任意の所与のプロセス用途に対する所望に応じて、流路20を通って流れる流体の量を制御する。
【0017】
以下、図2および図3を参照して、本発明の原理に従って構築されるアクチュエータ10の一実施形態を説明する。具体的には、アクチュエータ10は、筐体26と、ダイヤフラム組み立て体28と、複数のばね30と、を備える。筐体26は、内部空洞27を画定する。ダイヤフラム組み立て体28は、内部空洞27を上部空洞27aと下部空洞27bに分割するように、筐体26内に配置される。ダイヤフラム組み立て体28は、筐体26の上部および下部空洞27a、27b間に、耐流体密閉を提供する。開示される実施形態において、ばね30は、図2に示されているアクチュエータ10の配向に対して下向きに、ダイヤフラム組み立て体28を付勢する。この下向きの付勢は、流路20を通る流体の流れを閉じるように、弁座面19に対して(図1に示される)弁体24の位置を定め、それによって、付勢して閉じたアクチュエータ10を画定する。しかしながら、圧力は、ばね30の付勢に対して上向きにダイヤフラム組み立て体28を押すように、筐体26の下部空洞27b内に導入することができ、それによって、弁座面19から弁体24を持ち上げて、制御弁12の流路20を開く。
【0018】
引き続き図2および図3を参照すると、アクチュエータ10の筐体26は、上部筐体構成要素32と、下部筐体構成要素34と、を備える。各筐体構成要素32、34は、板部分32a、34aと、壁32b、34bと、フランジ32c、34cと、を備える。開示される実施形態において、板部分32a、34aは、概ね円形である。したがって、壁32b、34bおよびフランジ32c、34cは、板部分32a、34aの円周状に延在する。半径方向のフランジ32c、34cは、図2に示されるように、上部筐体構成要素32を下部筐体構成要素34に固設するように、締結具38を受容するための複数の開口36を画定する。開示される実施形態において、締結具38は、それぞれが、六角ボルトとねじ係合する六角ナットを含む。
【0019】
さらに、上部筐体構成要素32は、流体ポート40を画定し、下部筐体構成要素34は、流体ポート42を画定する。流体ポート40、42は、筐体26の上部および下部空洞27a、27b内の圧力を変動させるための、空気圧供給ライン等の、それぞれの流体供給ラインに連結されるように適合される。さらに、下部筐体構成要素34は、ステム22を収容するための開口部44を画定する。
【0020】
述べられているように、ステム22は、ダイヤフラム組み立て体28を流体プロセス制御デバイス12に動作可能に連結する。ステム22は、概して、本体部分22aと、ねじ付き端部分22bと、肩部22cとを有する、細長いロッドを備える。本体部分22aは、ねじ付き端部分22bの直径よりも大きい直径を含む。肩部22cは、本体部分22aとねじ付き端部分22bとの間に配置される。肩部22cは、肩部表面46を画定し、これは、図3で確認される。開示される実施形態において、肩部表面46は、本体部分22aからねじ付き端部分22bの方へ半径方向に収束する切頭円錐形状表面を含む。
【0021】
引き続き図2および図3を参照すると、ステム22のねじ付き端部分22bは、ナット48によってダイヤフラム組み立て体28に連結される。開示される実施形態のナット48は、肩部22cに対してダイヤフラム組み立て体28の反対側に、ステム22のねじ付き端部分22bに螺入される六角ナットを含む。加えて、開示される実施形態において、ナット48は、止めナット50によってステム22に保持される。止めナット50は、ステム22のねじ付き端部分22bに螺入され、かつナット48がステム22に対して緩むのを防止するように、ナット48と係合する。加えて、以下に説明するように、ダイヤフラム組み立て体28は、ナット48に力を印加し、それによって、ステム22のナット48が緩むのを防止する。
【0022】
ダイヤフラム組み立て体28は、一対のダイヤフラム板52、54と、ダイヤフラム56と、を備える。ダイヤフラム56は、布地、ポリマー、複合材、および/もしくは耐流体密閉を提供することができる他のあらゆる好適な材料を含み得る、可撓性材料で構築される。より具体的には、ダイヤフラム56は、外側半径方向部分56aと、内側半径方向部分56bと、を含む。外側半径方向部分56aは、上部および下部筐体構成要素32、34の半径方向のフランジ部分32c、34cを互いに固設する締結具38を受容するための、複数の開口58を画定する。そのように構成すると、半径方向のフランジ部分32c、34cは、ダイヤフラム56の外側半径方向部分56aを圧縮する。
【0023】
ダイヤフラム56の内側半径方向部分56bは、図3に示されているように、円形開口部62を画定する内側縁部60を含む。開示される実施形態において、内側縁部60は、開口部62の周囲に延在するビード64を含む。開示される実施形態において、ビード64は、ダイヤフラム56の厚さよりも大きい直径を有する、概ね円形の横断面を含む。したがって、ダイヤフラム56の内側半径方向部分56bは、一対のダイヤフラム板52、54の間に配置される。
【0024】
より具体的には、ダイヤフラム板52、54は、図3で確認されるように、外側半径方向部分52a、54aと、内側半径方向部分52b、54bと、を備える。概して、ダイヤフラム板52、54は、実質的に同一であり、したがって、共通の機能は、共通の参照番号で識別される。例えば、ダイヤフラム板52、54の外側半径方向部分52a、54aは、それぞれが、湾曲した表面66aを画定する広がり縁部66を備える。外側半径方向部分52a、54aは、ダイヤフラム56の内側半径方向部分56aを圧縮して、耐流体密閉を提供するように適合される。使用中に、ダイヤフラム板52、54が筐体26内を上下に移動する時に、ダイヤフラム56は、広がり縁部66の湾曲した表面66aを断続的に係合する場合がある。これらの湾曲した表面66aは、ダイヤフラム56が、ダイヤフラム56に穴を開けたり、破ったり、あるいは損傷を与えたりすること無く、使用中にそれらに耐えられるように、滑らかな表面を好都合に提供する。したがって、広がり縁部66は、アクチュエータ10の適切な動作を確保し、かつダイヤフラム56の動作寿命を最大化する役割を果たす。
【0025】
ダイヤフラム板52、54の内側半径方向部分52b、54bは、図4に示されているように、それぞれが、複数の隆起部70と、1つの中央開口71と、を備える。図4は、下部ダイヤフラム板54が上部ダイヤフラム板52およびダイヤフラム56の下に隠れているので、上部ダイヤフラム板52およびダイヤフラム56だけを示していることを理解されたい。それでも、開示される実施形態の複数の隆起部70は、2つの隆起部70を含み、それらは、概ね円形であり、ばね30によって受容されるようにサイズ決定および構成される。例えば、一実施形態において、隆起部70は、隆起部が、ダイヤフラム板52、54に対するばね30の軸方向位置を保持するように、ばね30の内径よりもわずかに小さい直径を有する。開示される実施形態において、隆起部70は、スタンピング、プレス加工、もしくは他の何らかの公知のプロセス等によって、ダイヤフラム52、54と一体的に形成される。したがって、図3に示されているように、ダイヤフラム板52、54の内側半径方向部分52b、54bは、凹部73をさらに画定する。凹部73は、隆起部70の反対側のダイヤフラム板52、54内に形成される。図2に示されているように、対応するダイヤフラム板52、54の凹部73は、ダイヤフラム組み立て体28が完全に組み立てられた時に、空洞75を画定する。
【0026】
図2にさらに示されているように、ダイヤフラム板52、54の中央開口71は、ステム22を受容して、ステム22をダイヤフラム組み立て体28に接続するのを可能にするように適合される。ダイヤフラム板52、54の両方が中央開口71を画定するが、下部ダイヤフラム板54内の中央開口71は、肩部表面72と、軸受面74と、を備える。開示される実施形態では、軸受面74が概ね円筒形であり、肩部表面72が概ね切頭円錐形である。より具体的には、肩部表面72は、ステム22の(図3に示される)肩部表面46と密閉係合するように適合される、概ね切頭円錐形の表面を備える。例えば、図2において、下部ダイヤフラム板54によって画定される中央開口71の肩部表面72は、ステム22の肩部表面46を直接的に係合する。そのように構成すると、かつ以下に詳述するように、下部ダイヤフラム板54の肩部表面72は、少なくとも完全、連続的、かつ一定な接触線を提供することによって、ステム22の肩部表面46とともに耐流体密閉を提供する。一実施形態では、嵌合する切頭円錐形状表面36、72が、好ましくは、高度に仕上げた表面を含み、それによって、完全、連続的、かつ一定な表面接触をそれらの間に提供する。さらに、下部ダイヤフラム板54内の中央開口71の軸受表面74は、ステム22のねじ付き端部分22bに隣接して配置される。
【0027】
組み立てる前のダイヤフラム板52、54の内側半径方向部分52b、54bは、図3に示されているように、それらが湾曲した横断面を有するという点で、ベルビルワッシャに概ね類似し得る。例えば、上部ダイヤフラム板52は、概ね凸状の横断面を備え、一方で、下部ダイヤフラム板54は、概ね凹状の横断面を備える。したがって、組み立てる前の板52、54のそれぞれは、中空の球面の部分もしくは球状のキャップに類似する。しかしながら、組み立て時に、内側半径方向部分52b、54bは、ステム22のねじ付き端部分22b上に引っ張られ、それによって、図2に示されているように、板52、54を実質的に平坦化する。一実施形態において、この板52、54の平坦化はまた、板52、54の直径を少なくとも部分的に増加させ得る。
【0028】
より具体的には、組み立て中に、下部ダイヤフラム板54は、ステム22のねじ付き端部分22b上に凹状配向で配置される。そのように構成すると、下部ダイヤフラム板54の中央開口71の肩部表面72は、図2に示されているように、ステム22の肩部表面46を直接的に係合する。組み立てプロセスのこの段階で、下部ダイヤフラム板54は、引き続き、概ね凹状の横断面を有する球状キャップに類似する。続いて、ダイヤフラム56は、ダイヤフラム56の内側半径方向部分56bが、下部ダイヤフラム板54の外側半径方向部分54a上に載置されるように、下部ダイヤフラム板54上に位置付けられる。適切に位置付けられた時には、ダイヤフラム56の内側縁部60上のビード64が、下部ダイヤフラム板54内に形成される凹部73内に入る。
【0029】
ダイヤフラム56が下部ダイヤフラム板54上に適切に位置付けられることで、上部ダイヤフラム板52は、その中央開口71がねじ付き端部分22bに受容されるように、ステム22上に凸状配向で配置される。この時点で、ダイヤフラム板52、54の内側半径方向部分52b、54bは、その間に空洞(図示せず)を画定する。最後に、ナット48は、ステム22のねじ付き端部分22b上へ締め付けられる。ナット48を締め付けることで、ナット48を上部ダイヤフラム板52に係合させ、かつダイヤフラム板52、54を互いに軸方向に圧縮する。より具体的には、図2に示されているように、ナット48は、ダイヤフラム板52、54の内側半径方向部分52b、54bを平坦化して圧縮し、ナット48とステム22の肩部22cとの間でこれらを互いに係合する。ナット48がステム22のねじ付き端部分22に確実に螺入された後に、止めナット50をステム22に螺入してナット48と係合してもよい。
【0030】
そのように構成すると、ダイヤフラム板52、54の外側半径方向部分52a、54aは、ダイヤフラム56の内側半径方向部分56bを圧縮して密閉する。図4は、図3の線IV−IVの観点から見た時の組み立て体の平面図を示しているが、明確にするためにボルト48および固定具50を取り除き、上部および下部ダイヤフラム板52、54の間に配置されるダイヤフラム56を示している。示されているように、ダイヤフラム56の内側縁部60上に形成されるビード64は、ダイヤフラム板52、54内の凹部73の間に形成される空洞75内に配置される部分64aを含む。したがって、ビード64のこれらの部分64aは、ダイヤフラム56がダイヤフラム板52、54の間から引き出されないように、これを少なくとも部分的に固設する。しかしながら、ビード64は、空洞75内に配置されるのではなく、空洞75の間に円周状に配置される、部分64bも含む。これらの部分64bは、ダイヤフラム板52、54の外側半径方向部分52a、54aの間で、ダイヤフラム56の残部と実質的に同じ厚さに圧縮される。したがって、ビード64のこれらの部分64bは、板52、54とダイヤフラム56との間に形成される密閉を妨害もしくはこれと干渉しない。
【0031】
図2に戻ると、ボルト48がステム22に螺入されてダイヤフラム板52、54を圧縮する時に、ダイヤフラム板52、54の内側半径方向部分52b、54bは、互いに離れようとする反対方向にそれら自体を付勢する。そのように構成すると、下部ダイヤフラム板54の中央開口71の肩部表面72は、図2に示されているアクチュエータ10の配向に対して下向きに押され、ステム22の肩部表面46と線接触、耐流体、密閉係合する。さらに、上部ダイヤフラム板52の内側半径方向部分52bは、図3に示されているアクチュエータ10の配向に対して上向きに押され、ナット48と係合する。ステム22にナット48を固設する止めナット50に加えて、上部ダイヤフラム板52によってナット48に印加される力は、ナット48のねじ山とねじ付き端部分22bのねじ山との間に十分な摩擦を発生させて、ナット48が、アクチュエータ10の長期間にわたる動作中に、ステム22のねじ付き端部分22bから不本意に緩むのを防止する。したがって、ステム22の肩部部分22cおよびナット48は、ダイヤフラム板52、54を図2に示されている圧縮および平坦化した構成に保持し、同時に、上部および下部ダイヤフラム板52、54の間に位置するステム22のねじ付き端部分22bに、引張荷重を印加する。
【0032】
したがって、本明細書で説明されるダイヤフラム組み立て体28は、ダイヤフラム56と圧縮的に係合および密閉されるように設計および構成される、ダイヤフラム板52、54を有利に備え、一方で、同時かつ直接的にステム22を密閉して、筐体26の上部および下部空洞27a、27bの間に耐流体密閉を提供し、またナット48をステム22上に保持するように力を印加する。
【0033】
ここまでは、本発明のアクチュエータ10が、ステム22をダイヤフラム組み立て体28に接続するナット48を備えるように開示したが、代替の一実施形態では、ナットが不要となり得ることを理解されたい。例えば、代替の一実施形態において、上部ダイヤフラム板52内に画定される中央開口71は、雌ねじを含んでもよい。中央開口71の雌ねじは、ステム22のねじ付き端部分22bとねじ係合するようにサイズ決定および構成されてもよい。そのように構成すると、ステム22のねじ付き端部分22bは、上部ダイヤフラム板52の雌ねじと直接ねじ係合するように配置される。例えば、図2に示されているように、ステム22のねじ付き端部分22bを上部ダイヤフラム板52に締め付けることで、ダイヤフラム板の内側半径方向部分52b、54bを引っ張る。このような一実施形態では、止めナット50は、ステム22および上部ダイヤフラム板52を互いに保持するのを補助するために利用されるが、ダイヤフラム板52、54を変形および圧縮することによって本質的に発生する力は、ステム22のねじ付き端部分22bと中央開口71との間に十分な摩擦を発生させて、ステム22が上部ダイヤフラム板52から緩むのを防止することを理解されたい。
【0034】
本明細書では、ダイヤフラム56が、内側縁部60内に形成される概ね円形の横断面を有するビード64を備えているように開示されるが、代替の一実施形態では、ビード64が不要となり得る。むしろ、ダイヤフラム板52、54の外側半径方向部分52a、54aによって発生される圧縮力は、ダイヤフラム56をダイヤフラム板52、54の間に十分に保持する。別の代替の実施形態では、ダイヤフラム56が、内側縁部60上に形成される複数のビード部分を含み得る。例えば、図4に示されている実施形態では、ダイヤフラム56が、ビード部分64bを含まず、空洞75内に配置されるビード部分64aだけを含み得る。このような実施形態は、組み立て中に、空洞75内でビード部分64aが適切な場所になるように、アクチュエータ10を組み立てる技術者を必要とする。当業者は、ビード64を、円形以外の横断面を有するように構築することができることを認識するであろう。例えば、代替の実施形態は、正方形、長方形、三角形、ダイヤモンド形、もしくは他の形状の横断面を伴うビード64を含むことができる。
【0035】
さらに、別の代替の実施形態では、ビード64が、例えば図6に示されているような、内側補強リング285を含むように構築することができる。図6に示されている内側補強リング285は、ダイヤフラム56内に配置され、オーバーモールドしたビード264を画定する。オーバーモールドしたビード264は、ダイヤフラム56の残部を形成する材料と一致する外側材料で形成される。内側補強リング285は、金属、熱可塑性樹脂、高デュロメータポリマー、ポリマー、もしくは本発明の原理に適することができる他のあらゆる材料で構築することができる。補強リング285は、特定の用途において、ビード264の押し出しを防止することができる。図6には、内側補強リング285が円形の横断面を有するように示されているが、強化リング285の代替の実施形態では、概して、あらゆる形状の横断面を有することができる。
【0036】
さらに、本明細書では、下部ダイヤフラム板54が、対応するステム22の切頭円錐形の肩部表面46と直接密閉係合するように適合される概ね切頭円錐形の肩部表面72を含む、中央開口71を備えるように開示されるが、ダイヤフラム組み立て体28の代替の実施形態では、代替の構成を含み得る。例えば、代替の一実施形態は、ステム22上に形成される段付き表面と直接密閉係合するように適合される段付き表面を伴う中央開口71を有する、下部ダイヤフラム板54を含み得る。別の代替の実施形態では、中央開口71およびステム22が、単に直接密閉係合するように適合される平面だけを含み得る。さらに別の実施形態では、ステム22および中央開口71のうちの一方がカラーを含み得、他方が、スナップフィット式密閉係合でカラーを受容するように適合される、環状凹部を含み得る。さらに別の代替の実施形態では、肩部表面46、72のうちの一方もしくは両方が、ブルノーズ表面を含むことができる。例えば、図7は、ステム22上の肩部表面46がブルノーズ表面を含み、下部ダイヤフラム板54内の中央開口71の表面72が切頭円錐形状表面を含む、代替の一実施形態を示している。そのように構成すると、例えば、ステム22および板54がずれた状態になる場合であっても、ブルノーズ表面46は、ステム22と下部ダイヤフラム板54との間に耐流体密閉を提供する接触線を保持するのを補助する。他の代替の実施形態では、肩部表面46を切頭円錐形とすることができ、下部ダイヤフラム板54上の表面72をブルノーズとすることができ、もしくは代替として、表面46、72の両方をブルノーズとすることができる。いずれにしても、本発明は、本明細書に具体的に開示される表面72、46の幾何学的構成に限定されず、むしろ、当業者が請求項および用語の範囲内にあるとみなす、あらゆる幾何学的形状を含むことを意図していることを理解されたい。
【0037】
さらに、図4を参照すると、ダイヤフラム板52、54は、一対のばね30のためのばね座として機能する一対の隆起部70を含むように開示されるが、代替の実施形態では、任意の数のばね30と、ばね座としての役割を果たす隆起部70と、を含み得る。
【0038】
さらに、本明細書では、ダイヤフラム板52、54が、円周状に離間される一対の隆起部70を含み、それによって、円周状に離間したばね30を収容するように適合されて開示されるが、代替の一実施形態では、ダイヤフラム板52、54と同心円状に配置される1つ以上のばねを収容するように構成され得る。例えば、図5は、円周状の隆起部170を含むダイヤフラム板152、154の代替の一実施形態を示している。図5は、下部ダイヤフラム板154が上部ダイヤフラム板152およびダイヤフラム56の下に隠れているので、上部ダイヤフラム板152およびダイヤフラム56だけを示していることを理解されたい。
【0039】
それでも、図5に開示される実施形態のダイヤフラム板152、154は、アクチュエータ10のステム22上に組み立てられた時に、円周状の空洞175を画定する、円周状の凹部173も含む。したがって、図5に示されている実施形態の空洞175の横断面は、図2に示されている複数の空洞75の横断面と同一である。しかしながら、図4に示されている構成と図5に示されている構成との違いは、円周状の空洞175が、ビード64全体を、ダイヤフラム56の内側縁部60上に受容もしくは収容することである。加えて、ダイヤフラム板152、154の円周状の隆起部170は、ダイヤフラム板152、154とともに同心円状に配置される1つ以上のばねを収容するばね座としての役割を果たすように適合される。例えば、一実施形態では、隆起部170の内径よりもわずかに小さい直径を有する第1のばねが、上部ダイヤフラム板152上の隆起部170内に着座され得る。したがって、隆起部170は、ばねが上部ダイヤフラム板152に対して変位するのを防止する。
【0040】
別の実施形態は、隆起部170の外径よりもわずかに大きい直径を有する別のばねを代替的もしくは補足的に含み得る。そのように構成すると、このばねは、隆起部170を受容し、それによってその半径方向の変位を制限するように、上部ダイヤフラム板152上に着座され得る。したがって、ダイヤフラム板およびばね構成の他の変形例が、本発明の範囲内に含まれ得ることを理解されたい。
【0041】
加えて、本明細書では、ばね座を形成する隆起部70が、ダイヤフラム板52、54と一体的に形成されるように開示されるが、代替の実施形態では、ダイヤフラム板52、54と一体的に形成されていないばね座を含み得る。例えば、代替の一実施形態において、ダイヤフラム組み立て体28は、ダイヤフラム板52、54に溶接される、ボルトで固定される、または他の方法で取り付けられるばね座を含み得る。さらなる実施形態では、ダイヤフラム板52、54が、ばね座をまったく含まない場合があるが、むしろ、上部および/または下部筐体構成要素32、34が、ばね座を含む場合がある。
【0042】
上述したものに照らして、開示されるアクチュエータ10は、最少数の部品および組み立てステップしか必要としない、ダイヤフラム組み立て体28を提供する。さらに、ダイヤフラム組み立て体28は、組み立てた時に、ステム22の他に、ダイヤフラム56を直接的かつ強制的に係合して、筐体26の上部および下部空洞27a、27bの間に耐流体密閉を提供する、ばね付勢式のダイヤフラム板52、54を好都合に提供する。本明細書に開示されるダイヤフラム組み立て体28は、長期間にわたって使用した後に交換を必要とする傾向がある、Oリング、ゴムガスケット、もしくは他のいかなるタイプのシールも必要としない。したがって、ダイヤフラム組み立て体28は、効果的で、かつ信頼性のあるアクチュエータ10を提供する。
【0043】
さらに、圧縮したダイヤフラム板52、54によって発生される力は、本明細書で開示されるダイヤフラム組み立て体28が、ダイヤフラム板52、54をステム22に好都合に取り付けるためのナット48を1つだけしか必要としないようにすることが可能である。上述のように、ナット48がダイヤフラム板52、54を圧縮する時に、上部ダイヤフラム板52は、軸方向の荷重をナット48に印加し、これがナット48のねじ山とステム22との間に十分な摩擦を発生させる。さらに、本明細書で開示されるダイヤフラム56の環状の設計が、アクチュエータ10のコストを低減することを理解されたい。具体的には、ダイヤフラム組み立て体28の設計は、ダイヤフラム56が、内側開口部62とともに構築されることを可能にし、ダイヤフラム材料の所要の量を大幅に低減する。
【0044】
さらに、ダイヤフラム板52、54の同一性は、本明細書で開示される付勢して閉じた構成と、付勢して開いた構成とを容易に逆にできる、アクチュエータ10を提供する。例えば、アクチュエータを付勢して開いた構成に切り替えるために、技術者もしくは他の技師は、アクチュエータ10の筐体26を開いて、ばね30をダイヤフラム組み立て体28の下に再配置し、下部ダイヤフラム板54内に形成される隆起部70と係合するだけでよい。
【0045】
上述したものに照らして、本開示の説明は、単に本発明の実施例を提供するものに過ぎないと理解されるべきであり、したがって、本発明の趣旨から逸脱しない変形例が、請求項の範囲内にあることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体プロセス制御デバイスのためのアクチュエータであって、
第1の筐体構成要素と、第2の筐体構成要素と、を備える筐体と、
外側半径方向部分と、内側半径方向部分と、を備えるダイヤフラムであって、前記ダイヤフラムの前記外側半径方向部分が、前記第1および第2の筐体構成要素の間に担持される、ダイヤフラムと、
前記流体プロセス制御デバイスを制御するための前記ダイヤフラムに動作可能に連結されるステムと、
前記ステムと前記ダイヤフラムとを接続する板組み立て体であって、前記ダイヤフラムの前記内側半径方向部分に圧縮荷重を印加し、かつ前記ステムとの接触線を提供して、前記板組み立て体と前記ステムとの間に耐流体密閉を提供する、板組み立て体と、
を備える、アクチュエータ。
【請求項2】
前記板組み立て体は、前記ダイヤフラムをそれらの間で圧縮する、第1の板と、第2の板と、を備える、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記第1の板は、凹状板を含み、前記第2の板は、凸状板を含む、請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記凹状および凸状板のうちの少なくとも1つの変形は、前記凹状および凸状板間の場所で前記ステムに印加される引張荷重を発生させる、請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記ステムは、前記板組み立て体の前記第1および第2の板のうちの1つと密閉係合する肩部表面を備える、請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記肩部表面は、切頭円錐形状表面を備え、前記第1の板は、前記肩部の前記切頭円錐形状表面を係合する切頭円錐形状表面を備える中央開口を画定する、請求項5に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記第1の板は、中央開口を画定し、前記中央開口および前記ステムの前記肩部表面のうちの少なくとも1つは、ブルノーズ表面を備える、請求項5に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記ステムは、ねじ付き端部分をさらに備える、請求項5に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記ステムの前記ねじ付き端部分に螺入されるナットをさらに備え、それによって、前記肩部と前記ナットとの間で、前記第1および第2の板の前記内側半径方向部分を互いに圧縮する、請求項7に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記第2の板は、前記ステムの前記ねじ付き端部分とねじ係合するねじ付き開口を画定する、請求項8に記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記ダイヤフラムは、内側開口部を画定する内側半径方向縁部を備える、請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記ダイヤフラムの前記内側半径方向縁部は、円周状のビードを備える、請求項11に記載のアクチュエータ。
【請求項13】
前記ダイヤフラムの前記内側半径方向縁部は、オーバーモールドした内側補強リングを備える、請求項12に記載のアクチュエータ。
【請求項14】
前記ビードは、円形、三角形、四角形、およびダイヤモンド形のうちの1つである横断面を含む、請求項12に記載のアクチュエータ。
【請求項15】
前記板組み立て体は、前記ダイヤフラムの前記円周状のビードの少なくとも一部を受容する少なくとも1つの空洞を画定する、請求項12に記載のアクチュエータ。
【請求項16】
流体プロセス制御デバイスのためのアクチュエータであって、
第1の筐体構成要素と、第2の筐体構成要素と、を備える筐体と、
前記筐体内に滑動可能に配置され、肩部を備えるステムと、
前記ステム上に配置される内側半径方向部分と、外側半径方向部分と、を備える凹状板であって、前記凹状板の前記内側半径方向部分が、中央開口を画定する、凹状板と、
内側半径方向部分と、外側半径方向部分と、を備える凸状板であって、前記ステム上に配置される前記凸状板の前記内側半径方向部分が、前記凹状板の前記内側半径方向部分に隣接する、凸状板と、
外側半径方向部分と、内側半径方向部分と、を備えるダイヤフラムであって、前記ダイヤフラムの前記外側半径方向部分は、前記第1および第2の筐体構成要素間で圧縮され、前記内側半径方向部分は、前記凹状および凸状板の前記外側半径方向部分の間で圧縮される、ダイヤフラムと、
前記凹状板が、前記ステムの前記肩部を直接的に密閉係合するように、前記ステムとねじ係合し、かつ前記凹状および凸状板の前記内側半径方向部分を互いに圧縮する、ナットと、
を備える、アクチュエータ。
【請求項17】
前記凹状板は、それとの耐流体密閉を提供するように、前記ステムとの接触線を提供する、請求項16に記載のアクチュエータ。
【請求項18】
前記凹状板の前記中央開口は、前記ステムの前記肩部の切頭円錐形状表面と密閉係合する切頭円錐形状表面を備える、請求項17に記載のアクチュエータ。
【請求項19】
前記凹状板の前記中央開口および前記ステムの前記肩部のうちの少なくとも1つは、ブルノーズ表面を備える、請求項17に記載のアクチュエータ。
【請求項20】
前記ステムは、前記肩部から前記凹状および凸状板の反対側に配置されるねじ付き端部分を備える、請求項16に記載のアクチュエータ。
【請求項21】
前記ナットは、前記ステムの前記ねじ付き端部分に螺入される、請求項20に記載のアクチュエータ。
【請求項22】
前記凸状板の前記内側半径方向部分は、前記ステムの前記ねじ付き端部分とねじ係合するねじ付き開口を画定する、請求項20に記載のアクチュエータ。
【請求項23】
前記ダイヤフラムは、内側開口部を画定する内側半径方向縁部を備える、請求項16に記載のアクチュエータ。
【請求項24】
前記ダイヤフラムの前記内側半径方向縁部は、円周状のビードを備える、請求項23に記載のアクチュエータ。
【請求項25】
前記凹状および凸状板間に配置される空洞をさらに備え、前記空洞は、前記円周方向のビードの少なくとも一部を受容する、請求項23に記載のアクチュエータ。
【請求項26】
前記ダイヤフラムの前記内側半径方向縁部は、オーバーモールドした内側補強リングを備える、請求項24に記載のアクチュエータ。
【請求項27】
前記ビードは、円形、三角形、四角形、およびダイヤモンド形のうちの1つである横断面を含む、請求項24に記載のアクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−506863(P2011−506863A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536992(P2010−536992)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/084722
【国際公開番号】WO2009/073486
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(591055436)フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー (183)
【Fターム(参考)】