説明

リールホルダ

【課題】巻取リールの脱落を防ぎつつリールを正逆両方向へ自由に回転させることができるリールホルダを提供する。
【解決手段】リールホルダ10は、巻取リールの円盤の下部を囲むパネル11と、パネル11の上端部21,23から縦方向上方へ延出しつつ、巻取リールの円盤の下部を除く残余の部位を囲むフレーム12とを備え、巻取リールの円盤の外周を支持しつつリールの回転にともなって回転する第1〜第4回転部材13A,13B,13C,13Dがパネル11の上端部21,23の前後方向両側に取り付けられている。このリールホルダ10では、パネル11とフレーム12との内側に巻取リールを着脱可能に装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻取リールを回転可能に支持するリールホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
三方を囲むコ字状の枠本体と、その枠本体の内側対向角部に取り付けられた第1および第2ガイドロールと、第1および第2ガイドロールの反対側に設置され、それらガイドロールに近接する方向と離間する方向とへスライドさせることができるスライド枠と、そのスライド枠の内側対向端部に取り付けられた第3および第4ガイドロールとから形成され、巻取リールを回転可能に支持する巻取リール用ガイドロールがある(特許文献1参照)。
【0003】
この巻取リール用ガイドロールは、枠本体とスライド枠とが四方を囲む四角形のフレームを形成し、そのフレームの内側に巻取リールを着脱可能に装着する。巻取リールは、一対の円盤とそれら円盤の間に延びる巻取筒部とから形成されている。巻取リールをフレームの内側に装着すると、第1〜第4ガイドロールによって巻取リールの円盤の外周が支持され、巻取リールの回転にともなってそれらガイドロールが回転する。この巻取リール用ガイドロールは、枠本体に対してスライド枠をスライドさせることで、巻取リールの円盤間の寸法に合わせることができ、円盤間の寸法が異なる各種の巻取リールを装着することができる。
【特許文献1】実開平1−152957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示の巻取リール用ガイドロールは、巻取リールの軸孔に着脱可能に挿入する棒状の脱落防止材を取り付けることで、巻取リールに巻き取られた線条物を引き出す際に、巻取リールのフレームからの脱落が防止されるが、線条物を巻取リールから勢いよく引き出すと、脱落防止材が巻取リールの軸挿入孔から外れ、巻取リールがフレームを乗り越えてフレームから脱落してしまう場合がある。また、この巻取リール用ガイドロールは、脱落防止材が巻取リールの軸挿入孔に挿入されるから、巻取リールの軸挿入孔にリールを回転させるためのハンドルを装着することができず、ハンドルを介してリールを正逆両方向へ容易かつ自由に回転させることができない。さらに、この巻取リール用ガイドロールには把持することができる取っ手が取り付けられておらず、その持ち運びができない。
【0005】
本発明の目的は、巻取リールの脱落を防ぎつつリールを回転させることができ、リールに巻き取られた線条物を容易に引き出すことができるリールホルダを提供することにある。本発明の他の目的は、ハンドルを介して巻取リールを正逆両方向へ容易かつ自由に回転させることができるリールホルダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明の前提は、横方向へ離間対向する一対の円盤とそれら円盤の間に延びる巻取筒部とを備えた巻取リールを回転可能に支持するリールホルダである。
【0007】
前記前提における本発明の特徴としては、リールホルダが、巻取リールの円盤の下部を囲むパネルと、パネルの上端部から縦方向上方へ延出しつつ、巻取リールの円盤の下部を除く残余の部位を囲むフレームとを備え、巻取リールの円盤の外周を支持しつつ巻取リールの回転にともなって回転する回転部材がパネルの上端部の前後方向両側に取り付けられ、パネルとフレームとの内側に巻取リールを着脱可能に装着することにある。
【0008】
本発明の一例としては、パネルが、前後方向へ延びる底面パネルと、底面パネルの横方向両側縁から縦方向上方へ延出し、横方向へ互いに離間対向して巻取リールの両側部の外側に位置する第1および第2側面パネルとから形成され、回転部材が、第1側面パネルの上端部の前後方向両側から横方向内方へ延出しつつ、前後方向へ所定寸法離間対向する第1および第2回転部材と、第2側面パネルの上端部の前後方向両側から横方向内方へ延出しつつ、前後方向へ所定寸法離間対向する第3および第4回転部材とから形成されている。
【0009】
本発明の他の一例としては、フレームが、第1側面パネルの上端部の前後方向両側から縦方向上方へ凸となるように延出しつつ、第1側面パネルの上方において交差する第1側面フレームと、第2側面パネルの上端部の前後方向両側から縦方向上方へ凸となるように延出しつつ、第2側面パネルの上方において交差する第2側面フレームと、第1および第2側面フレームの上端部につながって横方向へ延びる把持可能な把持フレームとから形成されている。
【0010】
本発明の他の一例として、リールホルダでは、底面パネルの前端から縦方向下方へガイドパネルが延出している。
【0011】
本発明の他の一例としては、第1〜第4回転部材が、第1および第2側面パネルから横方向内方へ延びる軸と、軸に回転可能に装着されたローラーとから形成されている。
【0012】
本発明の他の一例としては、第1および第2回転部材の前後方法の離間方向が巻取リールの円盤の直径の60〜90%の長さに調節され、第3および第4回転部材の前後方向の離間寸法が巻取リールの円盤の直径の60〜90%の長さに調節され、リールホルダでは、パネルとフレームとの内側に巻取リールを装着したときに、巻取リールの円盤の全面積の15〜35%の範囲が第1および第2回転部材の下方に位置するとともに第3および第4回転部材の下方に位置する。
【0013】
本発明の他の一例として、リールホルダでは、パネルとフレームとの内側に巻取リールを装着したときに、巻取リールの横方向へ延びる軸挿入孔が第1側面フレームの内側と第2側面フレームの内側とに露出する。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかるリールホルダによれば、パネルが巻取リールの円盤の下部を囲み、パネルによって巻取リールが支持されるとともに、フレームが巻取リールの円盤の下部を除く残余の部位を囲み、フレームによって巻取リールが支持されるから、巻取リールに巻き取られた線条物を巻取リールから勢いよく引き出したとしても、ホルダから巻取リールが不用意に脱落することはない。このリールホルダは、回転部材が巻取リールの円盤の外周を支持しつつ巻取リールの回転にともなって回転するから、線条物を巻取リールに容易かつ円滑に巻き取らせることができ、線条物を巻取リールから容易かつ円滑に引き出すことができる。また、巻取リールの軸挿入孔にそのリールを回転させる専用のハンドルを装着することができ、リールホルダに装着された巻取リールをハンドルを介して正逆両方向へ容易かつ自由に回転させることができる。
【0015】
パネルが底面パネルと第1および第2側面パネルとから形成され、回転部材が第1および第2回転部材と第3および第4回転部材とから形成されたリールホルダは、第1および第2側面パネルが巻取リールの下部を囲み、それら側面パネルによって巻取リールが支持されるから、線条物を巻取リールから勢いよく引き出したとしても、ホルダから巻取リールが不用意に脱落することはない。このリールホルダは、第1〜第4回転部材が巻取リールの円盤の外周を支持しつつ巻取リールの回転にともなって回転するから、線条物を巻取リールに容易かつ円滑に巻き取らせることができ、線条物を巻取リールから容易かつ円滑に引き出すことができる。
【0016】
フレームが縦方向上方へ凸となるように延出する第1および第2側面フレームと把持可能な把持フレームとから形成されたリールホルダは、第1および第2側面フレームが巻取リールの下部を除く残余の部位を囲み、第1および第2側面フレームによって巻取リールが支持されるから、線条物を巻取リールから勢いよく引き出したとしても、ホルダから巻取リールが不用意に脱落することはない。このリールホルダは、第1および第2側面フレームの間に把持可能な把持フレームが延びているから、把持フレームを利用してリールホルダを自由に持ち運ぶことができる。
【0017】
底面パネルの前端から縦方向下方へガイドパネルが延出するリールホルダは、リールホルダを棚に設置したときに、ガイドパネルがリールホルダの位置決め手段となり、ガイドパネルを利用して複数のリールホルダを棚に整然と並べることができる。このリールホルダは、ガイドパネルに巻取リールに巻き取られた線条物の種類や径、使用方法等の製品情報を表示することができるから、ガイドパネルを利用して各種複数の線条物を容易に管理することができる。
【0018】
第1および第2回転部材の前後方向の離間方向が巻取リールの円盤の直径の60〜90%の長さに調節され、第3および第4回転部材の前後方向の離間寸法が巻取リールの円盤の直径の60〜90%の長さに調節され、巻取リールの円盤の全面積の15〜35%の範囲が第1および第2回転部材の下方に位置するとともに第3および第4回転部材の下方に位置するリールホルダは、円盤の全面積の15〜35%の範囲をそれら回転部材の下方に位置させることで、巻取リールの円盤が第1および第2回転部材の間においてそれら回転部材に十分に支持されるとともに、円盤が第3および第4回転部材の間においてそれら回転部材に十分に支持されるから、線条物を巻取リールから勢いよく引き出したとしても、巻取リールがそれら回転部材を乗り越えることはなく、リールホルダからの巻取リールの脱落を確実に防ぐことができる。
【0019】
巻取リールの横方向へ延びる軸挿入孔が第1側面フレームの内側と第2側面フレームの内側とに露出するリールホルダは、巻取リールを回転させるハンドルの軸挿入孔への装着がそれら側面フレームによって邪魔されることはなく、軸挿入孔にハンドルを装着することができ、リールホルダに装着された巻取リールをハンドルを介して正逆両方向へ容易かつ自由に回転させることができる。このリールホルダは、ハンドルを介して線条物を巻取リールに容易かつ円滑に巻き取らせることができ、線条物を巻取リールから容易かつ円滑に引き出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
添付の図面を参照し、本発明に係るリールホルダの詳細を説明すると、以下のとおりである。図1は、一例として示すリールホルダ10の斜視図であり、図2は、リールホルダ10の側面図である。図3は、リールホルダ10の正面図であり、図4は、巻取リール14を装着した状態で示すリールホルダ10の斜視図である。図1〜図3では、前後方向を矢印X1(図1,2のみ)、横方向を矢印X2(図1,3のみ)で示し、縦方向を矢印X3で示す。このリールホルダ10は、パネル11およびフレーム12と回転部材13とから作られ、巻取リール14を回転可能に支持する。パネル11やフレーム12、回転部材13は金属から作られているが、それらをプラスチックで作ることもできる。
【0021】
パネル11は、前後方向へ延びる底面パネル15と、底面パネル15の横方向両側縁16に連接された第1側面パネル17および第2側面パネル18と、底面パネル15の前後方向前端19に連接されたガイドパネル20とから形成されている。底面パネル15は、前後方向へ長い矩形に成形されている。第1側面パネル17と第2側面パネル18とは、前後方向へ長い矩形に成形され、底面パネル15に対して略垂直に起立するように、底面パネル15の両側縁16から縦方向上方へ延出している。それら側面パネル17,18は、横方向へ離間対向しつつ、互いに並行して前後方向へ延びている。ガイドパネル20は、横方向へ長い矩形に成形され、底面パネル15に対して略垂直に垂下するように、底面パネル15の前端19から縦方向下方へ延出している。
【0022】
フレーム12は、第1側面パネル17の上端部21の前後方向両側に連接された第1側面フレーム22と、第2側面パネル18の上端部23の前後方向両側に連接された第2側面フレーム24と、それらフレーム22,24の間に位置する把持可能な把持フレーム25とから形成されている。第1側面フレーム22は、第1側面パネル17の上端部21の前後方向両側から縦方向上方へ向かって凸となるように延出している。第1側面フレーム17は、パネル17の上端部21の前後方向前端26近傍から縦方向上方へ延びていて前後方向後方へ向かって傾斜する部位27と、パネル17の上端部21の前後方向後端28近傍から縦方向上方へ延びていて前後方向前方へ向かって傾斜する部位29とを有する。それら部位28,29は、パネル17の上方において交差している。第1側面フレーム22は、図2に示すように、その側面形状が略三角形に成形されている。第1側面パネル17と第1側面フレーム22との間には、略三角形の空間30が画成されている。
【0023】
第2側面フレーム24は、第2側面パネル18の上端部23の前後方向両側から縦方向上方へ向かって凸となるように延出している。第2側面フレーム24は、パネル18の上端部23の前後方向前端31近傍から縦方向上方へ延びていて前後方向後方へ向かって傾斜する部位32と、パネル18の上端部23の前後方向後端33近傍から縦方向上方へ延びていて前後方向前方へ向かって傾斜する部位34とを有する。それら部位32,34は、パネル18の上方において交差している。第2側面フレーム24は、その側面形状が略三角形に成形されている。第2側面パネル18と第2側面フレーム24との間には、略三角形の空間35が画成されている。把持フレーム25は、第1および第2側面フレーム22,24の上端部36につながって横方向へ延びている。把持フレーム25は、その断面形状が円形に成形されている。
【0024】
回転部材13は、第1側面パネル17の上端部21の前後方向両側に取り付けられた第1および第2回転部材13A,13Bと、第2側面パネル18の上端部23の前後方向両側に取り付けられた第3および第4回転部材13C,13Dとから形成されている。第1回転部材13Aは、第1側面フレーム22の部位27に近接しつつ、第1側面パネル17の上端部21の前端26近傍に位置し、上端部21から横方向内方へ延出している。第2回転部材13Bは、第1側面フレーム22の部位29に近接しつつ、第1側面パネル17の上端部21の後端28近傍に位置し、上端部21から横方向内方へ延出している。第1回転部材13Aと第2回転部材13Bとは、第1側面パネル17において前後方向へ所定寸法離間対向している。第1および第2回転部材13A,13Bは、第1側面パネル17に取り付けられてパネル17から横方向内方へ延びる軸37と、軸37に回転可能に装着されたローラー38とから形成されている。
【0025】
第3回転部材13Cは、第2側面フレーム24の部位32に近接しつつ、第2側面パネル18の上端部23の前端31近傍に位置し、上端部23から横方向内方へ延出している。第4回転部材13Dは、第2側面フレーム24の部位34に近接しつつ、第2側面パネル18の上端部23の後端33近傍に位置し、上端部23から横方向内方へ延出している。第3回転部材13Cと第4回転部材13Dとは、第2側面パネル18において前後方向へ所定寸法離間対向している。第3および第4回転部材13C,13Dは、第2側面パネル18に取り付けられてパネル18から横方向内方へ延びる軸29と、軸39に回転可能に装着されたローラー40とから形成されている。
【0026】
このリールホルダ10では、パネル11とフレーム12との内側に前記巻取リール14を着脱可能に装着する。なお、巻取リール14は、横方向へ離間対向する一対の円盤41,42とそれら円盤41,42の間に延びる巻取筒部43とから形成され、巻取筒部43に電線やケーブル、紐、ホース等の線条物44を巻き取った状態でそれら線条物44を保持する。巻取リール14は、円盤41,42間を貫通する軸挿入孔45が形成されている。巻取リール14をリールホルダ10に装着すると、巻取リール14の円盤41,42の外周がそれらローラー38,40の外周面に当接かつ支持され、底面パネル15が巻取リール14の下方に位置し、第1および第2側面パネル17,18が円盤41,42の外側近傍に位置する。また、第1および第2側面フレーム22,24が巻取リール14の円盤41,42の外側近傍に位置し、第1および第2側面フレーム22,24の一部が円盤41,42の上方に延出し、把持フレーム25が円盤41,42の上方に位置する。
【0027】
底面パネル15と巻取リール14の円盤41,42の外周との間には、所定の空間46が形成されている。把持フレーム25と巻取リール14との間には、所定の空間47が形成されている。リールホルダ10では、図4に示すように、巻取リール14の円盤41,42の下部48が底面パネル15と第1および第2側面パネル17,18とに囲まれ、円盤41,42の下部48を除く残余の部位49が第1および第2側面フレーム22,24と把持フレーム25とに囲まれる。巻取リール14の軸挿入孔45は、第1側面フレーム22の内側に画成された空間30に露出するとともに、第2側面フレーム24の内側に画成された空間35に露出する。第1側面パネル17と第2側面パネル18との横方向の離間寸法L1および第1側面フレーム22と第2側面フレーム24との横方向の離間寸法L2は、巻取リール14の円盤41,42の横方向の離間寸法よりもわずかに大きくなるように調節されている。したがって、巻取リール14はそれら側面パネル17,18の間やそれら側面フレーム22,24の間において回転することができる。それら側面パネル17,18やそれら側面フレーム22,24の離間寸法L1,L2を変えることで、円盤41,42間の寸法が異なる各種の巻取リール14をパネル11とフレーム12との間に装着することができる。
【0028】
図4に矢印M1で示すように、巻取リール14の巻取筒部43に巻き取られた線条物44を引っ張ると、巻取リール14が矢印M2の方向へ回転し、それにともなって円盤41,42の外周に当接するローラー38,40が矢印M3の方向へ回転する。線条物44を前方へ引っ張ることで、線条物44を巻取リール14の巻取筒部43から引き出すことができる。逆に、巻取リール14の軸挿入孔45にハンドル50の軸51を挿入し、ハンドル50を矢印M4の方向へ回転させると、巻取リール14がハンドル50の回転にともなって回転し、線条物44が巻取筒部43に巻き取られる。なお、このリールホルダ10は、ハンドル50を使用することなく、リール14の円盤41,42の外周を手で回転させることにより、リール14自体を正逆両方向へ回転させることができる。リールホルダ10は、それに巻取リール14を装着するだけで、リール14の軸挿入孔45にリール14を回転させるための棒軸を挿入することなく、リール14を正逆両方向へ容易かつ自由に回転させることができる。巻取筒部43に巻き取られた線条物44を使い切った後は、リール14を上方に持ち上げ、リール14をパネル11とフレーム12との間から取り出し、リール14をホルダ10から取り外す。使用済のリール14をホルダ10から外した後は、新しいリール14をホルダ10に装着する。
【0029】
リールホルダ10では、第1回転部材13Aと第2回転部材13Bとの前後方向の離間寸法L3が巻取リール14の円盤41の直径L4(図4参照)の60〜90%の長さに調節され、第3回転部材13Cと第4回転部材13Dとの前後方向の離間寸法L3が円盤42の直径L4の60〜90%の長さに調節されている(図2参照)。第1および第2回転部材13A,13Bの前後方向の離間寸法L3と第3および第4回転部材13C,13Dの前後方向の離間寸法L3とは同一である。円盤41の直径L4と円盤42の直径L4とは同一である。なお、第1および第2回転部材13A,13Bの離間寸法L3は、第1回転部材13Aの軸37の中心から第2回転部材13Bの軸37の中心までの長さである。第3および第4回転部材13C,13Dの離間寸法L3は、第3回転部材13Cの軸39の中心から第4回転部材13Dの軸39の中心までの長さである。
【0030】
それら回転部材13A,13B,13C,13Dの好ましい離間寸法L3は円盤41,42の直径L4の70〜90%であり、それら回転部材13A,13B,13C,13Dのより好ましい離間寸法L4は円盤41,42の直径L4の80〜90%である。リールホルダ10では、それら回転部材13A,13B,13C,13Dの離間寸法L3を前記範囲で調節することにより、パネル11とフレーム12との内側に巻取リール14を装着したときに、巻取リール14の円盤41の全面積の15〜35%の範囲が第1および第2回転部材13A,13Bの間においてそれら回転部材13A,13Bの下方に位置し、巻取リール14の円盤42の全面積の15〜35%の範囲が第3および第4回転部材13C,13Dの間においてそれら回転部材13C,13Dの下方に位置する。また、パネル11とフレーム12との内側に巻取リール14を装着したときに、巻取リール14の円盤41の全面積の15〜35%の範囲が第1側面パネル17の内側に位置し、パネル17に支持され、巻取リール14の円盤42の全面積の15〜35%の範囲が第2側面パネル18の内側に位置し、パネル18に支持される。
【0031】
第1および第2回転部材13A,13Bの前後方向の離間寸法L3が円盤41の直径L4の60%未満かつ第3および第4回転部材13C,13Dの前後方向の離間寸法L3が円盤42の直径L4の60%未満では、巻取リール14の円盤41,42の全面積の15%の範囲をそれら回転部材13A,13B,13C,13Dの下方に位置させることができず、巻取筒部43に巻き取られた線条物44を筒部43から強く引き出したときに、巻取リール14がそれら回転部材13A,13B,13C,13Dを乗り越えてホルダ10から脱落してしまう場合がある。第1および第2回転部材13A,13Bの前後方法の離間寸法L3が円盤41の直径L4の90%を超過し、第3および第4回転部材13C,13Dの前後方法の離間寸法L3が円盤42の直径L4の90%を超過すると、巻取リール14の円盤41,42と回転部材13A,13B,13C,13Dとの抵抗が大きくなり、リールホルダ10において巻取リール14を円滑に回転させることができない場合がある。
【0032】
このリールホルダ10は、第1および第2側面パネル17,18が巻取リール11の円盤41,42の下部48を囲み、パネル17,18によって巻取リール14が支持されるとともに、第1および第2側面フレーム22,24が円盤41,42の下部48を除く残余の部位49を囲み、フレーム22,24によって巻取リール14が支持されるから、巻取筒部43に巻き取られた線条物44を筒部43から勢いよく引き出したとしても、巻取リール14がホルダ10から不用意に脱落することはない。このリールホルダ10は、回転部材13A,13B,13C,13Dが巻取リール14の円盤41,42の外周を支持しつつリール14の回転にともなって回転するから、線条物44を巻取リール14の巻取筒部43に容易かつ円滑に巻き取らせることができ、線条物44を巻取筒部43から容易かつ円滑に引き出すことができる。
【0033】
このリールホルダ10は、線条物44を巻取筒部43から次第に引き出しつつ線条物44を必要な長さに切断することができるから、線条物44の計り使用が容易であり、線条物44の無駄を防ぐことができ、線条物44の使い勝手が向上する。さらに、引き出し過ぎた線条物44を巻取筒部43に容易に巻き戻すことができるから、引き出し過ぎた線条物44を無駄に捨てることがなく、線条物44の無駄を防ぐことができる。
【0034】
リールホルダ10は、巻取リール14の円盤41,42の全面積の15〜35%の範囲をそれら回転部材13A,13B,13C,13Dの下方に位置させることで、円盤41が第1および第2回転部材13A,13Bの間においてそれら回転部材13A,13Bに十分に支持されるとともに、円盤42が第3および第4回転部材13C,13Dの間においてそれら回転部材13C,13Dに十分に支持されるから、線条物44を巻取筒部43から強く引き出したとしても、巻取リール14がそれら回転部材13A,13B,13C,13Dを乗り越えることはなく、リールホルダ10からの巻取リール14の脱落を確実に防ぐことができる。また、巻取リール14の円盤41,42の全面積の15〜35%の範囲が第1および第2側面パネル17,18の内側に位置し、それらパネル41,42に支持されるから、巻取リール14のホルダ10における遊動が防止され、回転中におけるリール14のがたつきを防ぐことができる。
【0035】
リールホルダ10は、巻取リール14の横方向へ延びる軸挿入孔45が第1側面フレーム22の内側に露出するとともに第2側面フレーム24の内側に露出するから、巻取リール14を回転させるハンドル50の軸挿入孔45への装着がそれら側面フレーム22,24によって邪魔されることはなく、軸挿入孔45にハンドル50の軸51を挿入することができ、リールホルダ10に装着された巻取リール14をハンドル50を利用して正逆両方向へ容易かつ自由に回転させることができる。このリールホルダ10は、把持フレーム25を手で把持することができるから、把持フレーム25を利用してリールホルダ10を自由に持ち運ぶことができ、ホルダ10にリール14を装着した状態で、リール14をその使用場所へ運搬することができる。
【0036】
図5は、棚52に載置した状態で示すリールホルダ10の斜視図である。把持フレーム25を手で持ってリールホルダ10を棚10の上に置くと、棚52の頂面53と側面54とが交差する角部にホルダ10の底面パネル15とガイドパネル20との交差部位が一致し、底面パネル15が棚52の頂面53に当接し、ガイドパネル20が棚52の側面54に当接する。リールホルダ10は、ガイドパネル20によって棚52におけるホルダ10の位置決めを容易に行うことができ、複数のホルダ10を棚52に整然と並べることができる。このリールホルダ10は、それが棚52に載置された状態で後方へ押されたとしても、ガイドパネル20がストッパーとなるから、ホルダ10が後方へ動くことなく、ガイドパネル20によってホルダ10の棚52からの落下が防止される。
【0037】
また、図示はしていないが、ガイドパネル20の前面55に巻取筒部43に巻き取られた線条物44の種類や径、使用方法等の製品情報を表示することができるから、ホルダ10を棚52に載置した状態でガイドパネル20に表示された製品情報を見ることができ、ガイドパネル20を利用して各種複数の線条物44を容易に管理することができる。なお、リールホルダ10を床や地面に置くと、底面パネル15の前後方向後端56およびガイドパネル20の下端57のみが床や地面に接し、底面パネル15の後端56を除く残余の部位と床や地面との間に空間が形成される。このリールホルダ10は、ガイドパネル20を利用することで、底面パネル15全体の床や地面への接地を防ぐことができ、底面パネル15の全体が床や地面に接する場合と比較し、ホルダ10の汚れを少なくすることができる。
【0038】
図6は、線条物44の巻き取りの一例を示す図である。このリールホルダ10では、2つのそれを利用することで、一方のホルダ10Aに装着されたリール14Aから他方のホルダ10Bに装着されたリール14Bに線条物44を巻き取ることができる。リール14の巻取筒部43に巻き取られた線条物44を使い切った後、そのリール14を再度利用するため、そのリール14にあらたな線条物44を巻き付ける必要があるが、このリールホルダ10では、線条物44の原反を巻き取ったリール14Aを一方のホルダ10Aに装着し、再利用するリール14Bを他方のホルダ10Bに装着した後、ハンドル50を使用してリール14Aの巻取筒部43からリール14Bの巻取筒部43に線条物44を巻き取らせることができる。このリールホルダ10では、2つのそれを利用することで、一方のリール14Aから他方のリール14Bへ線条物44を容易に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】一例として示すリールホルダの斜視図。
【図2】リールホルダの側面図。
【図3】リールホルダの正面図。
【図4】巻取リールを装着した状態で示すリールホルダの斜視図。
【図5】棚に載置した状態で示すリールホルダの斜視図。
【図6】線条物の巻き取りの一例を示す図。
【符号の説明】
【0040】
10 リールホルダ
11 パネル
12 フレーム
13 回転部材
13A 第1回転部材
13B 第2回転部材
13C 第3回転部材
13D 第4回転部材
14 巻取リール
15 底面パネル
16 側縁(両側縁)
17 第1側面パネル
18 第2側面パネル
19 前後方向前端
20 ガイドパネル
21 上端部
22 第1側面フレーム
23 上端部
24 第2側面フレーム
25 把持フレーム
37 軸
38 ローラー
39 軸
40 ローラー
41 円盤
42 円盤
43 巻取筒部
44 線条物
45 軸挿入孔
50 ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向へ離間対向する一対の円盤とそれら円盤の間に延びる巻取筒部とを備えた巻取リールを回転可能に支持するリールホルダにおいて、
前記リールホルダが、前記巻取リールの円盤の下部を囲むパネルと、前記パネルの上端部から縦方向上方へ延出しつつ、前記巻取リールの円盤の下部を除く残余の部位を囲むフレームとを備え、前記巻取リールの円盤の外周を支持しつつ該巻取リールの回転にともなって回転する回転部材が、前記パネルの上端部の前後方向両側に取り付けられ、前記パネルと前記フレームとの内側に前記巻取リールを着脱可能に装着することを特徴とするリールホルダ。
【請求項2】
前記パネルが、前後方向へ延びる底面パネルと、前記底面パネルの横方向両側縁から縦方向上方へ延出し、横方向へ互いに離間対向して前記巻取リールの両側部の外側に位置する第1および第2側面パネルとから形成され、前記回転部材が、前記第1側面パネルの上端部の前後方向両側から横方向内方へ延出しつつ、前後方向へ所定寸法離間対向する第1および第2回転部材と、前記第2側面パネルの上端部の前後方向両側から横方向内方へ延出しつつ、前後方向へ所定寸法離間対向する第3および第4回転部材とから形成されている請求項1記載のリールホルダ。
【請求項3】
前記フレームが、前記第1側面パネルの上端部の前後方向両側から縦方向上方へ凸となるように延出しつつ、該第1側面パネルの上方において交差する第1側面フレームと、前記第2側面パネルの上端部の前後方向両側から縦方向上方へ凸となるように延出しつつ、該第2側面パネルの上方において交差する第2側面フレームと、前記第1および第2側面フレームの上端部につながって横方向へ延びる把持可能な把持フレームとから形成されている請求項2記載のリールホルダ。
【請求項4】
前記リールホルダでは、前記底面パネルの前端から縦方向下方へガイドパネルが延出している請求項2または請求項3に記載のリールホルダ。
【請求項5】
前記第1〜第4回転部材が、前記第1および第2側面パネルから横方向内方へ延びる軸と、前記軸に回転可能に装着されたローラーとから形成されている請求項2ないし請求項4いずれかに記載のリールホルダ。
【請求項6】
前記第1および第2回転部材の前後方法の離間方向が、前記巻取リールの円盤の直径の60〜90%の長さに調節され、前記第3および第4回転部材の前後方向の離間寸法が、前記巻取リールの円盤の直径の60〜90%の長さに調節され、前記リールホルダでは、前記パネルと前記フレームとの内側に前記巻取リールを装着したときに、前記巻取リールの円盤の全面積の15〜35%の範囲が前記第1および第2回転部材の下方に位置するとともに前記第3および第4回転部材の下方に位置する請求項2ないし請求項5いずれかに記載のリールホルダ。
【請求項7】
前記リールホルダでは、前記パネルと前記フレームとの内側に前記巻取リールを装着したときに、該巻取リールの横方向へ延びる軸挿入孔が前記第1側面フレームの内側と前記第2側面フレームの内側とに露出する請求項3ないし請求項6いずれかに記載のリールホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−234685(P2009−234685A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80575(P2008−80575)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(598095536)スズキ機工株式会社 (2)
【Fターム(参考)】