レシプロエンジンの排気系に装着するバッファー装置
【課題】 レシプロエンジンの排気系では圧力と流速に大きな脈動があって、排気騒音だけでなく排気浄化の触媒装置に好ましくない影響を与えている。小型軽量で装着の容易なバッファー装置を開発して、排気脈動を大幅に減衰させることが課題である。
【解決手段】 排気系の集合管の下流側で触媒装置あるいはマフラーなどの上流において、通路断面積の十分大きな分岐管を配置してその末端部温度が300℃以下になるような位置にシリコーンゴム薄膜の伸縮による容積変化を利用して圧力の脈動を平滑化できる平板状の容器を脈動圧力のバッファー装置として配置する方式を採用した。
【解決手段】 排気系の集合管の下流側で触媒装置あるいはマフラーなどの上流において、通路断面積の十分大きな分岐管を配置してその末端部温度が300℃以下になるような位置にシリコーンゴム薄膜の伸縮による容積変化を利用して圧力の脈動を平滑化できる平板状の容器を脈動圧力のバッファー装置として配置する方式を採用した。
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
【0001】
自動車の排気騒音や大気汚染を防止する環境技術を必要とする自動車産業分野。
【技術の背景】
【0002】
自動車排気ガスは一方で排出汚染成分の面から運転条件や触媒装置によって清浄化が図られており、また排気騒音の要因として消音装置が必須とされその性能も重要視されてきている。多くの容積型エンジンでは排気系に脈動があり、触媒装置内の排気の流れに影響しており、また排気騒音の主な要因とも見做されている。従来から排気系には消音装置と触媒装置が必要とされているが、脈動を触媒装置の上流で減衰させることは普通には実現していなかった。触媒の温度維持や従来の排気系の技術を踏襲するだけでは革新的な脈動対策の装置が導入されてこなかったが、排気系での脈動を減衰させる技術が進歩してきたので一般の自動車に搭載し実用化できる基盤が整った。
【0003】
【非特許文献1】柳原茂 他、第19回内燃関シンポジウム B2−3; 吸排気系の脈動減衰バッファーチューブ、2007.01.09
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンの排気系では高温度の排気ガスが流動しており、装置は耐熱性の限界以内で使用することが前提となる。また排気系の脈動の要因は波動の1方向、1周期の実体積流量であり、バッファーとしてはその体積流量に対応する容積変化の容量と能力が必要である。
装置の配置位置や温度も影響するがエンジンの1シリンダー行程容積が一つの目途であり、効果的な脈動減衰を実現するにはガソリンエンジンでは0.5L,ディーゼルエンジンでは1〜1.5L程度を容器の可変容量が必要と見做せる。容器の耐熱性と可変容量を確保することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
排気系でも触媒装置などを配置する位置では350℃以上600℃にも達する高温排気ガスが流動するが、その排気管から分岐した側方の管路では平均流量がゼロである。さらに200mm以上の距離を隔てて分岐点よりあまり高くない位置の温度は管壁の熱伝導や冷却風にもよるが、300℃以下に保つことが可能である。
【0006】
分岐管路の長さと方向・位置などにより、ほぼ250℃以下になるような条件を選定して耐熱性に制約のあるバッファー装置の容器を配置する方法を手段の一つとした。容器の可変容量を例えば0.5L以上とするために扁平な容器の表面で例えば160cm2以上の面積を確保してシリコーンゴム薄膜を容器下面側の壁面として構成することを選んだ。分岐管の流路断面積、容器の大きさやそれに取り付けるシリコーンゴム薄膜の表面積や厚さ硬度などはエンジンのシリンダー容積などを考慮して適宜選択する。
【発明の効果】
【0007】
多くの自動車エンジンは4シリンダーまたは6シリンダーであるが普通の4サイクルではそれぞれ2回転に一回の排気行程があってほぼ等間隔に排気弁から排気管にシリンダー内のガスが流出あるいは排出される。
【0008】
この流出によりそれぞれ(シリンダー数)×(1/2回転数)を基にする脈動が排気管に存在して下流側に移動する。排気弁からある程度の距離をおいた集合は排気管部では主として各シリンダーからの周期的な排出量変化に応じた流速と圧力の脈動になる。脈動の周期はエンジン回転数とシリンダー数により決まるが、振幅下流側の流れ抵抗や上流側の与えられた振幅すなわち1周期、1方向流量に影響される。振幅に対してこの発明による装置の減衰効果が如何に大きく寄与するかが重要である。この減衰効果は分岐管からの経路の流れ抵抗がほぼ無視できるとして、容器を閉じられた条件における容積変化と内部圧力の関係すなわち静特性から推定できる。
【0009】
本発明によると排気系の脈動を効果的に減衰させることができるが、本装置の容量と装着する排気系位置により影響される平均圧力などにより効果の程度は変化する。また、脈動の1周期変動流量と装置の容量との比較で効果は異なる。ガソリンエンジンでは同じシリンダー行程容積でも回転数だけでなく負荷により流量が変化するので一概には減衰効果を定められないが、例えばサブマフラーや触媒を経由した下流側では脈動振幅を1/3〜1/4以下に抑制することは容易である。
【0010】
本発明による効果の一つは触媒装置の上流側に装着したときには触媒担体での排気ガスの流れを均一化する効果があって反応効率を改善できることである。ペレット触媒では摩滅を減少できる効果もある。モノリス型では流れの均一化により流れ抵抗を減少できる効果があり同じ温度でも反応効率を向上させることができる。
【0011】
本発明による排気系での脈動減衰の効果は自動車騒音の抑制に効果があり、中でもとくに低周波領域の音響減衰に効果が大きいので、従来のメインマフラーを画期的に小型化しても十分な消音効果が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1には本発明のバッファー装置を排気系に装着した例を図式的に示している。
エンジン11の排気マニホールド12から集合排気管を経由して触媒装置あるいはプレマフラー13が配置されその下流に排気管14が接続されている。排気管14から側方管路15が分岐され扁平なバッファー1に接続されている。このとき図2に示すように排気管14から側方管路15に分岐する流路で抵抗を小さく出来るように滑らかな拡大管路16にし、バッファー1の筐体2との接続においては気密性を確保し柔軟な接合を可能にする耐熱性ブッシュ9を用いている。
【0013】
図3に示すようにバッファー1の筐体2の下面側には耐熱性のシリコーンゴム薄膜3が気密性を保って取り付けてあり、上面側には車体に遮熱板22が配置され取付金具7により車体と緩やかに結合されている。ゴム薄膜3は周辺部にO−リングを取り付けた構造とするかあるいは周辺部の一部を0.6mm以上のやや厚めのシリコーンゴム板で構成して気密性保持とともに0.4mm程度以下の厚さのシリコーンゴム薄膜を保護するようにする。
【0014】
ゴム薄膜3の外側には外気が自由に出入りできるパンチングメタル板5が配置されて外部からゴム膜に加えられる障害を保護・防止する。筐体2にはゴム膜3に適合するフランジ8が設けてあり、パンチングメタル5を取り付けた抑え金具4と一体化された対応するフランジ6とフランジ8との間にゴム膜3を挟み、ゴム膜3の周辺を気密が確保されるように締め付ける。筐体2は側方管路15によって支持されるだけでなく取付金具7により緩やかに車体に結合される。車体の下側にバッファー1との間に遮熱板22が配置されている。
【実施例】
【0015】
本発明による排気系のバッファー装置は四輪自動車の場合には図1に示すようにエンジンから車体床下にかけて排気系を配置するときに、例えばプレマフラーとメインマフラーの間に排気管14に側方管路15を介してバッファー装置1として配置する。エンジン排気マニホールド12では各シリンダーからの排気行程を主とする排気ガスの流出を原因とする圧力上昇が引き金となって圧力波形に脈動を生じる。この脈動の主な周期は4シリンダーの場合は2回転に4周期すなわち1回転に2周期となる。プレマフラー13の下流の排気管14では圧力波形が図4のaのようなかなり大きな振幅でほぼ正弦波(サインカーブ)状である。
【0016】
分岐管路16では平均流量は変わらないが脈動分流量の大部分が側方管路15に流入・流出するのでメインマフラー前側の排気管17では圧力波形の振幅は図4のbのようにaの場合よりも大幅に減少する。これは側方管路15からバッファー1に排気ガスが流入したり、逆に流出したりする効果であるが、ホルムヘルツの共鳴箱とは異なりバッファー1の静的な圧力と容積変化の関係から生じる効果によるものである。
【0017】
図5にバッファーを密閉したときの内部圧力と付加または減じた容積(容積変化)の静的関係を示す。図5において1周期の一方向(流入あるいは流出)実体積脈動流が300ccで平均圧力が0.8kPaとすると、容積変化範囲が300ccでほぼ横軸方向の矢印範囲で示したように600cc程度の容積変化は1kPa程度の圧力変化に対応し、バッファー1で完全に吸収できることが判る。実際には管路抵抗などがあり図4、bのように僅かな振幅は残るが無視できる程度である。従ってメインマフラー18の容量は極めて少なくて済み、排気系の抵抗を減少できるデフューザー19の利用も容易になる。排気系の軽量化に加えて排気系の抵抗減少効果などから燃料消費率改善にも関連する。
【産業上の可能性】
【0018】
本装置は容積型ポンプなど脈動を生じる流体機械にはその吸入系、排気系において脈動減衰のために広く用いられる可能性がある。とくに消音器を用いている場合に従来の形状よりも遙かに小型軽量化が可能な点で有利であろう。例えば2輪車のように限られたスペースで消音を必要とするときに極めて重用される可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のバッファー装置を自動車の排気系に装着した略図例
【図2】本発明のバッファー装置を排気系に取り付けた平面図の例
【図3】図3のバッファー装置の横立面図
【図4】本発明のバッファー装置を排気系装・脱着したときの圧力波形の比較例
【図5】本発明のバッファー装置の静特性としての圧力と容積変化の例
【符号の説明】
【0020】
1 バッファー装置
2 バッファー装置の筐体
3 シリコーンゴム薄膜
4 抑え金具
5 パンチングメタル薄板
6 フランジ
7 取付金具
8 フランジ
9 耐熱性ブッシュ
10
11 エンジン
12 エンジン排気マニホールド
13 プレマフラー
14 排気管
15 側方管路
16 拡大分岐管路
17 排気管
18 メインマフラー
19 デフューザー
20
21 遮熱版
22 遮熱版
【産業上の利用分野】
【0001】
自動車の排気騒音や大気汚染を防止する環境技術を必要とする自動車産業分野。
【技術の背景】
【0002】
自動車排気ガスは一方で排出汚染成分の面から運転条件や触媒装置によって清浄化が図られており、また排気騒音の要因として消音装置が必須とされその性能も重要視されてきている。多くの容積型エンジンでは排気系に脈動があり、触媒装置内の排気の流れに影響しており、また排気騒音の主な要因とも見做されている。従来から排気系には消音装置と触媒装置が必要とされているが、脈動を触媒装置の上流で減衰させることは普通には実現していなかった。触媒の温度維持や従来の排気系の技術を踏襲するだけでは革新的な脈動対策の装置が導入されてこなかったが、排気系での脈動を減衰させる技術が進歩してきたので一般の自動車に搭載し実用化できる基盤が整った。
【0003】
【非特許文献1】柳原茂 他、第19回内燃関シンポジウム B2−3; 吸排気系の脈動減衰バッファーチューブ、2007.01.09
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンの排気系では高温度の排気ガスが流動しており、装置は耐熱性の限界以内で使用することが前提となる。また排気系の脈動の要因は波動の1方向、1周期の実体積流量であり、バッファーとしてはその体積流量に対応する容積変化の容量と能力が必要である。
装置の配置位置や温度も影響するがエンジンの1シリンダー行程容積が一つの目途であり、効果的な脈動減衰を実現するにはガソリンエンジンでは0.5L,ディーゼルエンジンでは1〜1.5L程度を容器の可変容量が必要と見做せる。容器の耐熱性と可変容量を確保することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
排気系でも触媒装置などを配置する位置では350℃以上600℃にも達する高温排気ガスが流動するが、その排気管から分岐した側方の管路では平均流量がゼロである。さらに200mm以上の距離を隔てて分岐点よりあまり高くない位置の温度は管壁の熱伝導や冷却風にもよるが、300℃以下に保つことが可能である。
【0006】
分岐管路の長さと方向・位置などにより、ほぼ250℃以下になるような条件を選定して耐熱性に制約のあるバッファー装置の容器を配置する方法を手段の一つとした。容器の可変容量を例えば0.5L以上とするために扁平な容器の表面で例えば160cm2以上の面積を確保してシリコーンゴム薄膜を容器下面側の壁面として構成することを選んだ。分岐管の流路断面積、容器の大きさやそれに取り付けるシリコーンゴム薄膜の表面積や厚さ硬度などはエンジンのシリンダー容積などを考慮して適宜選択する。
【発明の効果】
【0007】
多くの自動車エンジンは4シリンダーまたは6シリンダーであるが普通の4サイクルではそれぞれ2回転に一回の排気行程があってほぼ等間隔に排気弁から排気管にシリンダー内のガスが流出あるいは排出される。
【0008】
この流出によりそれぞれ(シリンダー数)×(1/2回転数)を基にする脈動が排気管に存在して下流側に移動する。排気弁からある程度の距離をおいた集合は排気管部では主として各シリンダーからの周期的な排出量変化に応じた流速と圧力の脈動になる。脈動の周期はエンジン回転数とシリンダー数により決まるが、振幅下流側の流れ抵抗や上流側の与えられた振幅すなわち1周期、1方向流量に影響される。振幅に対してこの発明による装置の減衰効果が如何に大きく寄与するかが重要である。この減衰効果は分岐管からの経路の流れ抵抗がほぼ無視できるとして、容器を閉じられた条件における容積変化と内部圧力の関係すなわち静特性から推定できる。
【0009】
本発明によると排気系の脈動を効果的に減衰させることができるが、本装置の容量と装着する排気系位置により影響される平均圧力などにより効果の程度は変化する。また、脈動の1周期変動流量と装置の容量との比較で効果は異なる。ガソリンエンジンでは同じシリンダー行程容積でも回転数だけでなく負荷により流量が変化するので一概には減衰効果を定められないが、例えばサブマフラーや触媒を経由した下流側では脈動振幅を1/3〜1/4以下に抑制することは容易である。
【0010】
本発明による効果の一つは触媒装置の上流側に装着したときには触媒担体での排気ガスの流れを均一化する効果があって反応効率を改善できることである。ペレット触媒では摩滅を減少できる効果もある。モノリス型では流れの均一化により流れ抵抗を減少できる効果があり同じ温度でも反応効率を向上させることができる。
【0011】
本発明による排気系での脈動減衰の効果は自動車騒音の抑制に効果があり、中でもとくに低周波領域の音響減衰に効果が大きいので、従来のメインマフラーを画期的に小型化しても十分な消音効果が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1には本発明のバッファー装置を排気系に装着した例を図式的に示している。
エンジン11の排気マニホールド12から集合排気管を経由して触媒装置あるいはプレマフラー13が配置されその下流に排気管14が接続されている。排気管14から側方管路15が分岐され扁平なバッファー1に接続されている。このとき図2に示すように排気管14から側方管路15に分岐する流路で抵抗を小さく出来るように滑らかな拡大管路16にし、バッファー1の筐体2との接続においては気密性を確保し柔軟な接合を可能にする耐熱性ブッシュ9を用いている。
【0013】
図3に示すようにバッファー1の筐体2の下面側には耐熱性のシリコーンゴム薄膜3が気密性を保って取り付けてあり、上面側には車体に遮熱板22が配置され取付金具7により車体と緩やかに結合されている。ゴム薄膜3は周辺部にO−リングを取り付けた構造とするかあるいは周辺部の一部を0.6mm以上のやや厚めのシリコーンゴム板で構成して気密性保持とともに0.4mm程度以下の厚さのシリコーンゴム薄膜を保護するようにする。
【0014】
ゴム薄膜3の外側には外気が自由に出入りできるパンチングメタル板5が配置されて外部からゴム膜に加えられる障害を保護・防止する。筐体2にはゴム膜3に適合するフランジ8が設けてあり、パンチングメタル5を取り付けた抑え金具4と一体化された対応するフランジ6とフランジ8との間にゴム膜3を挟み、ゴム膜3の周辺を気密が確保されるように締め付ける。筐体2は側方管路15によって支持されるだけでなく取付金具7により緩やかに車体に結合される。車体の下側にバッファー1との間に遮熱板22が配置されている。
【実施例】
【0015】
本発明による排気系のバッファー装置は四輪自動車の場合には図1に示すようにエンジンから車体床下にかけて排気系を配置するときに、例えばプレマフラーとメインマフラーの間に排気管14に側方管路15を介してバッファー装置1として配置する。エンジン排気マニホールド12では各シリンダーからの排気行程を主とする排気ガスの流出を原因とする圧力上昇が引き金となって圧力波形に脈動を生じる。この脈動の主な周期は4シリンダーの場合は2回転に4周期すなわち1回転に2周期となる。プレマフラー13の下流の排気管14では圧力波形が図4のaのようなかなり大きな振幅でほぼ正弦波(サインカーブ)状である。
【0016】
分岐管路16では平均流量は変わらないが脈動分流量の大部分が側方管路15に流入・流出するのでメインマフラー前側の排気管17では圧力波形の振幅は図4のbのようにaの場合よりも大幅に減少する。これは側方管路15からバッファー1に排気ガスが流入したり、逆に流出したりする効果であるが、ホルムヘルツの共鳴箱とは異なりバッファー1の静的な圧力と容積変化の関係から生じる効果によるものである。
【0017】
図5にバッファーを密閉したときの内部圧力と付加または減じた容積(容積変化)の静的関係を示す。図5において1周期の一方向(流入あるいは流出)実体積脈動流が300ccで平均圧力が0.8kPaとすると、容積変化範囲が300ccでほぼ横軸方向の矢印範囲で示したように600cc程度の容積変化は1kPa程度の圧力変化に対応し、バッファー1で完全に吸収できることが判る。実際には管路抵抗などがあり図4、bのように僅かな振幅は残るが無視できる程度である。従ってメインマフラー18の容量は極めて少なくて済み、排気系の抵抗を減少できるデフューザー19の利用も容易になる。排気系の軽量化に加えて排気系の抵抗減少効果などから燃料消費率改善にも関連する。
【産業上の可能性】
【0018】
本装置は容積型ポンプなど脈動を生じる流体機械にはその吸入系、排気系において脈動減衰のために広く用いられる可能性がある。とくに消音器を用いている場合に従来の形状よりも遙かに小型軽量化が可能な点で有利であろう。例えば2輪車のように限られたスペースで消音を必要とするときに極めて重用される可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のバッファー装置を自動車の排気系に装着した略図例
【図2】本発明のバッファー装置を排気系に取り付けた平面図の例
【図3】図3のバッファー装置の横立面図
【図4】本発明のバッファー装置を排気系装・脱着したときの圧力波形の比較例
【図5】本発明のバッファー装置の静特性としての圧力と容積変化の例
【符号の説明】
【0020】
1 バッファー装置
2 バッファー装置の筐体
3 シリコーンゴム薄膜
4 抑え金具
5 パンチングメタル薄板
6 フランジ
7 取付金具
8 フランジ
9 耐熱性ブッシュ
10
11 エンジン
12 エンジン排気マニホールド
13 プレマフラー
14 排気管
15 側方管路
16 拡大分岐管路
17 排気管
18 メインマフラー
19 デフューザー
20
21 遮熱版
22 遮熱版
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容積型内燃エンジンの排気集合管の下流の排気管から非共鳴で流路断面積が充分な分岐管を設けてその先端部で温度が300℃以下に保てる方向・位置に容器の壁面の一部を構成するゴム薄膜の伸縮により容積が変化しかつ気密性を保つことができ、自動車に装着可能な容器を形成して、これにより排気管系の圧力脈動を吸収し減衰させることが可能な排気系に装着するバッファー装置
【請求項2】
請求項1のバッファー装置において排気管からの分岐管の入り口断面を排気管路方向に長い楕円形状として断面積を大きくし流路の抵抗を少なくし、さらに容積変化する容器の形状を扁平状にして車載装置を容易にすると共に、容器の壁面を構成するゴム薄膜の表面積を大きくできるようにした排気系に装着するバッファー装置。
【請求項3】
請求項1または2のバッファー装置において容器の一部壁面を構成するゴム薄膜の伸縮を制約し、外部からの損傷を保護するとともに外気との流通を確保できるパンチングメタルまたは金属メッシュをゴム膜の周辺に利用した排気系に装着するバッファー装置。
【請求項1】
容積型内燃エンジンの排気集合管の下流の排気管から非共鳴で流路断面積が充分な分岐管を設けてその先端部で温度が300℃以下に保てる方向・位置に容器の壁面の一部を構成するゴム薄膜の伸縮により容積が変化しかつ気密性を保つことができ、自動車に装着可能な容器を形成して、これにより排気管系の圧力脈動を吸収し減衰させることが可能な排気系に装着するバッファー装置
【請求項2】
請求項1のバッファー装置において排気管からの分岐管の入り口断面を排気管路方向に長い楕円形状として断面積を大きくし流路の抵抗を少なくし、さらに容積変化する容器の形状を扁平状にして車載装置を容易にすると共に、容器の壁面を構成するゴム薄膜の表面積を大きくできるようにした排気系に装着するバッファー装置。
【請求項3】
請求項1または2のバッファー装置において容器の一部壁面を構成するゴム薄膜の伸縮を制約し、外部からの損傷を保護するとともに外気との流通を確保できるパンチングメタルまたは金属メッシュをゴム膜の周辺に利用した排気系に装着するバッファー装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2009−24518(P2009−24518A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185777(P2007−185777)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000144968)株式会社司測研 (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000144968)株式会社司測研 (17)
【Fターム(参考)】
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