説明

レバー式コネクタ

【課題】スライダを備えたレバー式コネクタにおいて、スライダを確実に保護する。
【解決手段】第1ハウジング20には、レバー70が回動可能に装着されるとともに、スライダ80がスライド可能に装着される。スライダ80に形成された第1カム部83と第2ハウジング100に形成された第2カム部104とが互いに係合した状態で、レバー70が操作されることで発揮される倍力作用によって第1、第2ハウジング20、100の嵌合動作が進行する。第1ハウジング20には、スライダ80の一部を露出させる開口部34が形成されている。レバー70には、第1、第2ハウジング20、100が正規嵌合された状態で、開口部34のほぼ全体を覆うアーム板72が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバー式コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のレバー式コネクタは、互いに嵌合可能な第1、第2ハウジングと、第1ハウジングに回動可能に装着されるレバーとを備えている。レバーには第1カム部が形成され、第2ハウジングには第2カム部が形成されている。第1、第2カム部が互いに係合した状態で、レバーの回動操作がなされると、レバーと第2ハウジングとの間に倍力作用がはたらき、第1、第2ハウジングが低操作力で嵌合されるようになっている。
【0003】
また、特許文献2に記載のレバー式コネクタでは、上記回動式のレバーとともに、スライダが第1ハウジングにスライド可能に装着されている。このスライダは、第1ハウジングの外面に沿って配置され、外側を保護壁で覆われている。しかし、レバーが保護壁の外側に配置されると、レバー式コネクタ全体の厚み幅が増大するため、保護壁の一部を切除して開口部を形成し、その開口部にレバーを収容させることで、保護壁の外側にレバーが積層されないようにしてある。一方、このように第1ハウジングに開口部が形成されると、開口部を通してスライダが露出するため、スライダをしっかり保護することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−123385号公報
【特許文献2】特表2009−512141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、スライダを備えたレバー式コネクタにおいて、スライダを確実に保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、互いに嵌合可能な第1、第2ハウジングと、前記第1ハウジングに回動可能に装着されるレバーと、前記第1ハウジングにスライド可能に装着されるスライダとを備え、前記レバー又はスライダには第1カム部が形成され、前記第2ハウジングには第2カム部が形成され、前記第1、第2カム部が互いに係合した状態で、前記レバー又は前記スライダが操作されることで発揮される倍力作用によって前記第1、第2ハウジングの嵌合動作が進行するレバー式コネクタであって、前記第1ハウジングには、前記スライダの一部を露出させる開口部が形成され、前記レバーには、前記第1、第2ハウジングが正規嵌合された状態で、前記開口部のほぼ全体を覆うアーム板が形成されているところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記第1ハウジングには、前記スライダの他部を覆う保護壁が形成され、前記第1、第2ハウジングが正規嵌合された場合に、前記アーム板の端縁と前記保護壁の端縁とが前記レバーの回動方向で互いに突き当て可能に配置されるところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記アーム板の外面と前記保護壁の外面とがほぼ同一面上に配置されているところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のものにおいて、前記第1カム部が前記スライダに形成され、前記レバー及び前記スライダにはそれぞれ連動部が形成され、前記レバーの回動操作に伴い両連動部が互いに摺動し合って、前記スライダがスライドさせられるところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0010】
<請求項1の発明>
第1ハウジングに開口部が形成されているため、スライダをしっかり保護することができない懸念があるものの、本発明によれば、第1、第2ハウジングが正規嵌合された状態で、レバーのアーム板が開口部のほぼ全体を覆うため、スライダが露出するのが防止される。その結果、スライダが確実に保護される。
【0011】
<請求項2の発明>
アーム板の端縁と保護壁の端縁とがレバーの回動方向で互いに突き当て可能に配置されるため、アーム板と保護壁とが厚み方向で互いに積層されるのが防止される。その結果、レバー式コネクタが厚み方向に大型になるのが回避される。
【0012】
<請求項3の発明>
アーム板の外面と保護壁の外面とがほぼ同一面上に配置されているから、レバー式コネクタが厚み方向(同一面と直交する方向)に大型になるのがより確実に回避される。
【0013】
<請求項4の発明>
レバーの回動操作に伴い両連動部が互いに摺動し合って、スライダがスライドさせられるため、レバーの回動操作に伴ってスライダがスライドさせられ、第1、第2ハウジングが低操作力で正規嵌合させられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態1に係るレバー式コネクタにおいて、第1、第2ハウジングが正規嵌合された状態をあらわす平面図である。
【図2】第1、第2ハウジングが嵌合される前の状態をあらわす平面図である。
【図3】第1、第2ハウジングが浅く嵌合された状態をあらわす平面図である。
【図4】第1コネクタの分解斜視図である。
【図5】第1コネクタの正面図である。
【図6】第1、第2ハウジングが正規嵌合された状態をあらわすスライダの位置で切断した断面図である。
【図7】第1、第2ハウジングが正規嵌合された状態をあらわすレバーの位置で切断した断面図である。
【図8】スライダの平面図である。
【図9】レバーの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図9によって説明する。実施形態1に係るレバー式コネクタは、互いに嵌合可能な第1、第2コネクタ10、90を備えている。第1コネクタ10は、図4に示すように、第1ハウジング20、フロントホルダ120、リテーナ130、レバー70、スライダ80、及び図示しない第1端子金具を備えている。第2コネクタ90は、第2ハウジング100及び第2端子金具110を備えている。
【0016】
第2ハウジング100は合成樹脂製であって、図2に示すように、プリント回路基板200の表面に載せられる。そして、第2ハウジング100は、幅方向に延びる板状の背板部101と、背板部101の幅方向両端部から前方に突出する2つのフード部102とを有している。背板部101の幅方向両端には、一対の固定片103が側方に張り出して形成されている。両固定片103には、図示しない固定具が挿入される。第2ハウジング100は固定具を介してプリント回路基板200に取り付け固定される。そして、両フード部102は、それぞれ前方に開口する筒状の形態とされ、互いに異なるサイズで幅方向に並列に配置されている。
【0017】
フード部102の外面の前端部には、円柱状の第2カム部104が突出して形成されている。第2カム部104は、いわゆるカムフォロアであって、大型のフード部102には2つ、小型のフード部102には1つ、それぞれほぼ同じ前後位置に並列に配置されている。フード部102内には、複数の第2端子金具110が突出して配置されている。各第2端子金具110は、背板部101を貫通して、その後端部がプリント回路基板200の導電路に半田付けにより接続されている。
【0018】
第1ハウジング20は合成樹脂製であって、図4に示すように、全体として幅方向に長い形態とされ、アウタハウジング21と、インナハウジング22とを有している。なお、図4に示す第1ハウジング20は大型のフード部102を嵌合相手とするものであるが、小型のフード部102を嵌合相手とする第1ハウジング20(図1における向かって右側のもの)もその基本的構成は図4に示すものと同様である。
【0019】
インナハウジング22は、図4に示すように、ブロック状の形態とされている。アウタハウジング21は、後部にブロック状のアウタ本体23を有し、前部に筒状のアウタ筒部24を有している。アウタ筒部24は、前方に開口している。
【0020】
そして、インナハウジング22は、アウタ本体23の前方でかつアウタ筒部24の内部に挿入されて保持される。インナハウジング22とアウタ筒部24との間には、図5に示すように、嵌合空間27が前方に開口して形成されている。嵌合空間27内には、前方からフード部102が嵌入可能とされている。また、アウタ本体23及びインナハウジング22には、図4に示すように、複数のキャビティ25が連通して形成されている。各キャビティ25内には後方から図示しない第1端子金具が挿入される。
【0021】
フロントホルダ120は合成樹脂製であって、インナハウジング22にその前面を覆うように装着される。フロントホルダ120の前壁には、図5に示すように、各キャビティ25と対応する位置に、複数のタブ挿入孔121が開口して形成されている。各タブ挿入孔121には、第1、第2コネクタ10、90の嵌合時に前方から第2端子金具110が挿入される。さらに、第2端子金具110はタブ挿入孔121を通してキャビティ25内に挿入される。
【0022】
アウタ本体23の下面の前端部には、図2に示すように、レバー70のロック片76(後述する)を係止可能なロック突起26が形成されている。また、アウタ筒部24の側壁には、図4に示すように、貫通孔28が開口して形成されている。リテーナ130は、貫通孔28を通して第1ハウジング20内に挿入される。
【0023】
リテーナ130には、図4に示すように、各キャビティ25と対応する高さ毎に、係止片131が幅方向に突出して形成されている。各キャビティ25内に第1端子金具が挿入され、リテーナ130が第1ハウジング20に正規深さで装着されることにより、各係止片131が各第1端子金具に後方から係止可能に配置され、もって各第1端子金具が各キャビティ25内に抜け止めされる。
【0024】
アウタ筒部24には、図4に示すように、貫通孔28が形成された側壁とは反対側の側壁に、スライダ80の連結板部81(後述する)を受け入れ可能なスライダ受容部29が切り欠いて形成されている。スライダ受容部29は、側壁の前端部から一段落ちた形態とされている。
【0025】
また、アウタ筒部24の上下両壁の前部には、図4に示すように、上下一対の覆い壁31が全幅に亘って形成されている。一方、アウタ筒部24の上下両壁の後部には、上下一対の窓部32が全幅及び全厚に亘って切り欠き形成されている。窓部32はスライダ受容部29側の側方にも開口され、その側方からスライダ80のカム板部82(後述する)が挿入可能とされている。
【0026】
そして、アウタ筒部24には、図4に示すように、覆い壁31及び窓部32とその外側から対向する位置に、上下一対の保護壁33が形成されている。また、窓部32のスライダ受容部29側の端部には開口部34が開放して形成され、窓部32における開口部34と反対側の部分は保護壁33によって閉止されている。窓部32と保護壁33との間には、図6に示すように、スライダ80のカム板部82を挿入可能なスライダ挿入空間35が側方に開口して形成されている。
【0027】
保護壁33は、図4に示すように、平板状の形態をなし、その前端が連結壁36を介して覆い壁31の前端に連結されている。保護壁33、覆い壁31、及び連結壁36は、スライダ挿入空間35に連通する袋状の空間を区画している。
【0028】
また、図4に示すように、保護壁33の後縁のうちスライダ受容部29側の側縁部には、連結壁36から窓部32の後端にかけて弧状に延びる凸曲線状の保護壁側端縁37が形成されている。開口部34は、保護壁側端縁37によってその側縁が仕切られている。そして、連結壁36には、第2ハウジング100の第2カム部104を受け入れ可能な導入溝38が形成されている。導入溝38は、連結壁36の前面及び覆い壁31の内面に開口するとともに、前後方向に延びて窓部32内に連通している。
【0029】
覆い壁31の幅方向の一端部には、図4及び図5に示すように、保護壁側端縁37と段付き状に連なる段部39が一段落ちて形成されている。そして、段部39には、上下一対の支軸41が突出して形成されている。支軸41は、円柱状をなし、図1に示すように、その先端部に抜止片42が張り出して形成されている。支軸41には、レバー70が回動可能に支持される。
【0030】
続いてスライダ80について説明すると、スライダ80は合成樹脂製であって板状をなし、図4及び図8に示すように、高さ方向に沿った連結板部81と、連結板部81の両端から略平行に突出する一対のカム板部82とを有している。この場合のカム板部82は、連結板部81に対して高さ方向に段違いに連結されている。そして、スライダ80は、アウタ筒部24に側方から跨ぐように装着され、第1ハウジング20に対して初期位置と嵌合位置との間を幅方向にスライド可能とされている。初期位置では、図2に示すように、スライダ挿入空間35内にカム板部82の先端部が挿入されるとともに、連結板部81がスライダ受容部29から側方に浮いて配置される。一方、嵌合位置では、図1に示すように、スライダ挿入空間35内にカム板部82の先端部が正規深さで挿入されるとともに、連結板部81がスライダ受容部29に嵌着される。これにより、スライダ80は第1ハウジング20にその外面から突出することなく装着される。なお、図2に示すように、カム板部82の一部(連結板部81寄りの部分であって、保護壁33で覆われていない部分)は、後述するレバー70が嵌合位置に無いとき、開口部34を通して外部に露出させられる。
【0031】
また、両カム板部82の内面には、図4及び図8に示すように、幅方向に一対ずつの第1カム部83が形成されている。第1カム部83は、有底溝状をなし、所定方向に延びてカム板部82の前端に開口している。初期位置では、第1カム部83の入り口は導入溝38と連通して配置される。また、両カム板部82の後端には、レバー70のロック片76を逃がすための逃がし凹部84が切り欠いて形成されている。そして、両カム板部82の外面には、レバー70に連動可能に係合可能なスライダ側連動部85が形成されている。スライダ側連動部85は、円柱状をなし、カム板部82の外面における連結板部81寄りの端部に配置されている。
【0032】
レバー70は合成樹脂製であって、図4及び図9に示すように、全体として門型板状をなし、高さ方向に沿った操作部71と、操作部71の両端から略平行に突出する一対のアーム板72とを有している。レバー70は、アウタ筒部24に後方から跨ぐように装着され、第1ハウジング20に対して初期位置と嵌合位置との間を支軸41周りに回動可能とされている。
【0033】
アーム板72は、操作部71から幅方向にほぼ真直ぐ延びたあと先端部に向けて徐々に前方へ屈曲する形態とされている。アーム板72の前端縁には、保護壁側端縁37に対応する凹曲線状のアーム板側端縁73が形成されている。アーム板側端縁73と保護壁側端縁37とはレバー70の回動方向で互いに突き当て可能に対向して配置され、嵌合位置では、アーム板側端縁73に保護壁側端縁37が適合して嵌合される。また、嵌合位置では、アーム板72がアウタ筒部24の開口部34をすっぽりと覆い、これによってカム板部82の一部が隠蔽されるようになっている。
【0034】
両アーム板72の先端部には、支軸41を受ける軸受け部74が貫通して形成されている。軸受け部74の開口縁には、支軸41の抜止片42が摺動可能とされ、これによってアーム板72のアウタ筒部24からの抜け止めがなされる。また、両アーム板72の先端部には、軸受け部74よりも少し操作部71寄りの位置に、スライダ側連動部85と係合可能なレバー側連動部75が形成されている。レバー側連動部75は、所定方向に延びる有底溝状の形態とされ、スライダ側連動部85と係合可能とされている。
【0035】
両アーム板72の基端部(操作部71寄りの部分)には、ロック片76が前方へ突出して形成されている。ロック片76は、撓み可能な矩形枠状の形態をなし、嵌合位置ではその内部にロック突起26が嵌合される。
【0036】
次に、本実施形態に係るレバー式コネクタの嵌合操作及び作用等について説明する。
第1ハウジング20のスライダ挿入空間35に側方からスライダ80を挿入するとともに、軸受け部74に支軸41を嵌合させて第1ハウジング20にレバー70を軸支させ、かつスライダ側連動部85をレバー側連動部75に係入させる。これにより、図2に示すように、スライダ80及びレバー70が初期位置にとめ置かれる。このとき、レバー70のアーム板72は開口部34から退避して配置され、カム板部82の一部は開口部34を通して目視可能に配置される。
【0037】
上記の状態で、図3に示すように、第2ハウジング100に第1ハウジング20を浅く嵌合させる。すると、第2カム部104が導入溝38を通して第1カム部83の入り口に導入される。次いで、操作部71を摘みつつレバー70を嵌合位置に向けて回動させる。すると、アーム板側端縁73が保護壁側端縁37に近づく向きに変形させられ、カム板部82の一部がアーム板72によって徐々に覆われて行く。また、レバー70が嵌合位置へ向けて回動されると、スライダ側連動部85がレバー側連動部75を摺動して、スライダ80がレバー70とともに嵌合位置へ向けてスライドさせられる。こうしてスライダ80がスライドさせられると、第2カム部104が第1カム部83の奥側へ向けて変位させられ、スライダ80と第2ハウジング100との間で発揮される倍力作用により、第2ハウジング100が第1ハウジング20に低操作力で引き寄せられる。
【0038】
図6に示すように、レバー70が嵌合位置に至ると、同時にスライダ80も嵌合位置に到達し、かつ第2カム部104が第1カム部83の奥端に到達して、第1、第2ハウジング20、100が正規嵌合状態となり、第1、第2端子金具が正規深さで接続される。また、レバー70が嵌合位置に至ると、ロック片76がロック突起26を弾性的に係止して、レバー70が嵌合位置に回動規制状態に保持され、ひいてはスライダ80及び第1、第2ハウジング20、100が嵌合位置に保持される。このとき、ロック片76の先端部はスライダ80の逃がし凹部84内に進入し、これによってロック片76とスライダ80との干渉が回避される。また、図7に示すように、嵌合位置では、アーム板側端縁73が保護壁側端縁37に当接可能に配置され、アーム板72と保護壁33との間がほぼ隙間なく連なる。このとき、アーム板72の外面と保護壁33の外面とはほぼ同一平面上に配置され、両面間が実質的に段差なく連なることになる。
【0039】
そして、図1に示すように、嵌合位置では、アーム板72が開口部34のほぼ全体を覆い、これによってカム板部82の一部がアーム板72によって隠蔽される。また、カム板部82の他部(連結板部81から離れた先端寄りの部分)は常に保護壁33によって隠蔽されている。したがって、カム板部82のほぼ全体がアーム板72及び保護壁33によって隠蔽されることになる。なお、本実施形態の場合、第2ハウジング100に2つの第1ハウジング20が嵌合され、嵌合位置では、両第1ハウジング20に装着されたレバー70の操作部71同士が互いに背合わせ状に近接して配置される。
【0040】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1ハウジング20に開口部34が形成されているため、スライダ80をしっかり保護することができない懸念があるものの、本発明によれば、第1、第2ハウジング20、100が正規嵌合された状態で、レバー70のアーム板72が開口部34のほぼ全体を覆うため、スライダ80が露出するのが防止される。その結果、第1コネクタ10が大型になるのを回避しつつもスライダ80が確実に保護される。
【0041】
また、アーム板側端縁73と保護壁側端縁37とがレバー70の回動方向で互いに突き当て可能に配置されるため、アーム板72と保護壁33とが板厚方向(高さ方向)で互いに積層されるのが防止される。その結果、第1コネクタ10が板厚方向に大型になるのが回避される。
【0042】
さらに、アーム板72の外面と保護壁33の外面とがほぼ同一面上に配置されているから、第1コネクタ10が板厚方向(同一面と直交する方向)に大型になるのがより確実に回避される。
【0043】
さらにまた、レバー70の回動操作に伴い両連動部が互いに摺動し合って、スライダ80がスライドさせられるため、レバー70の回動操作に起因してスライダ80がスライドさせられ、第1、第2ハウジング20、100が低操作力で正規嵌合させられる。
【0044】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)レバーとスライダとは連動していなくてもよい。この場合、レバー側連動部及びスライダ側連動部は不要である。
(2)第1カム部がレバーに設けられていてもよい。
(3)第1ハウジングに窓部が切り欠いて形成されていなくてもよい。この場合、第1ハウジングの外面と保護壁との間にスライダ挿入空間が形成される。
【符号の説明】
【0045】
10…第1コネクタ
20…第1ハウジング
33…保護壁
34…開口部
37…保護壁側端縁(保護壁の端縁)
70…レバー
72…アーム板
73…アーム板側端縁(アーム板の端縁)
75…レバー側連動部
80…スライダ
82…カム板部
83…第1カム部
85…スライダ側連動部(連動部)
90…第2コネクタ
100…第2ハウジング
104…第2カム部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに嵌合可能な第1、第2ハウジングと、
前記第1ハウジングに回動可能に装着されるレバーと、
前記第1ハウジングにスライド可能に装着されるスライダとを備え、
前記レバー又はスライダには第1カム部が形成され、前記第2ハウジングには第2カム部が形成され、前記第1、第2カム部が互いに係合した状態で、前記レバー又は前記スライダが操作されることで発揮される倍力作用によって前記第1、第2ハウジングの嵌合動作が進行するレバー式コネクタであって、
前記第1ハウジングには、前記スライダの一部を露出させる開口部が形成され、
前記レバーには、前記第1、第2ハウジングが正規嵌合された状態で、前記開口部のほぼ全体を覆うアーム板が形成されていることを特徴とするレバー式コネクタ。
【請求項2】
前記第1ハウジングには、前記スライダの他部を覆う保護壁が形成され、前記第1、第2ハウジングが正規嵌合された場合に、前記アーム板の端縁と前記保護壁の端縁とが前記レバーの回動方向で互いに突き当て可能に配置されることを特徴とする請求項1記載のレバー式コネクタ。
【請求項3】
前記アーム板の外面と前記保護壁の外面とがほぼ同一面上に配置されていることを特徴とする請求項2記載のレバー式コネクタ。
【請求項4】
前記第1カム部が前記スライダに形成され、前記レバー及び前記スライダにはそれぞれ連動部が形成され、前記レバーの回動操作に伴い両連動部が互いに摺動し合って、前記スライダがスライドさせられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載のレバー式コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−238405(P2012−238405A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104969(P2011−104969)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】