説明

レンズ保持構造及びそのレンズ保持構造を有する走査光学装置

【課題】組立て工数、及び部品の種類が少ない簡素な構成からなるシリンドリカルレンズの保持機構、及びそのレンズ保持構造を有する走査光学装置を提供する。
【解決手段】シリンドリカルレンズ4を覆う様に保持部材100を設置する。この際、保持部材100の加圧片62、63によりシリンドリカルレンズ4が加圧される。又、保持部材100が設置されると、保持部材100に形成された固定用バネ部、が位置決め部材66の固定用バネ支持部73、74と当接する。これにより、位置決め部材66に対して保持部材100が固定されるとともに、シリンドリカルレンズ4の保持、固定が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザビームプリンタやレーザファクシミリ等で使用するシリンドリカルレンズの保持機構、及びそのレンズ保持構造を有する走査光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レーザビームを光源として用いたレーザービームプリンタやレーザファクシミリ等の走査光学装置が開発されており、複数のレーザビームを用いて複数のラインを同時に書き込むマルチビーム型の走査光学装置も開発されている。特に、半導体レーザは、ON/OFF制御が簡単であり、かつ小型であるという利点があるため、当該半導体レーザを光源として用いた走査光学装置の開発が頻繁に行われている。この様な走査光学装置においては、光源であるレーザビームから発生する光束を、ポリゴンミラー等の偏向手段により偏向し、感光体上に走査することにより静電潜像を形成している。
【0003】
又、この様な走査光学装置においては、シリンドリカルレンズを用いてレーザビームから発せられた光束を線状に集光し、その後、ポリゴンミラー等の偏向手段に入射させることが一般的に行われている。
【0004】
このシリンドリカルレンズは、上述のごとく、レーザビームから発せられた光束を線状に集光するものであるため、光学箱(又は、筐体)内において光軸方向の位置決めを行い、所定の位置に保持する必要があり、一般に、光学箱内に設けられた支持具上にシリンドリカルレンズを当接させて位置決めを行い、その後、ばね性を有する爪部が設けられた保持用のバネ板等の保持部材によって、位置決めされたシリンドリカルレンズを押圧保持する構造が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−153766号公報(第2−3頁、第1−2図、第4−5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、一般に、シリンドリカルレンズの光軸がレーザビームの主走査方向と副走査方向からなる2方向の基準面と一致する様にシリンドリカルレンズを保持、固定する必要があるが、上記従来のシリンドリカルレンズの保持構造では、保持部材によるシリンドリカルレンズの上面への押圧を確実にするために、保持部材を支持具上にビス止めする必要がある。従って、組立て工数、及び部品の種類が増加し、これらの部品の管理が煩雑になる等の不都合が生じていた。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決し、組立て工数、及び部品の種類が少ない簡素な構成からなるシリンドリカルレンズの保持機構、及びそのレンズ保持構造を有する走査光学装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、シリンドリカルレンズの位置決めを行うための位置決め部材と、位置決め部材により位置決めされたシリンドリカルレンズを押圧保持する保持部材とからなるシリンドリカルレンズの保持構造であって、位置決め部材には固定用バネ支持部が設けられており、保持部材に形成された固定用バネ部が固定用バネ支持部と当接することにより、位置決め部材により位置決めされたシリンドリカルレンズが押圧保持されることを特徴とする。
【0008】
この構成によると、シリンドリカルレンズを保持、固定する際に、保持部材に形成された固定用バネ部が位置決め部材に設けられた固定用バネ支持部と当接し、固定用バネ部の有するバネ性により、位置決め部材に対して保持部材が固定されるため、保持部材を位置決め部材にビス止めしなくても、保持部材によりシリンドリカルレンズを確実に押圧保持することができるとともに、組立て工数、及び部品の種類を削減でき、これらの部品の管理が煩雑になる等の不都合を回避することができる。
【0009】
尚、本発明においては、固定用バネ部は保持部材の上板部の後方に突出して形成されており、かつ、固定用バネ支持部は、位置決め部材の側面から内側に突出して形成されている構成とすることができる。
【0010】
又、本発明においては、レーザー光を発光する光源と、光源から発せられた光を集光するシリンドリカルレンズと、一定の角速度で回転し、シリンドリカルレンズにより集光された光を放射状に反射する回転多面鏡を有するとともに、シリンドリカルレンズの位置決めを行うための位置決め部材と、位置決め部材により位置決めされたシリンドリカルレンズを押圧保持する保持部材からなるシリンドリカルレンズの保持構造を有する走査光学装置において、位置決め部材には固定用バネ支持部が設けられており、保持部材に形成された固定用バネ部が固定用バネ支持部と当接することにより、位置決め部材により位置決めされたシリンドリカルレンズが押圧保持される構成とすることができる。
【0011】
更に、本発明においては、固定用バネ部は保持部材の上板部の後方に突出して形成されており、かつ、固定用バネ支持部は、位置決め部材の側面から内側に突出して形成されている構成とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るレンズ保持構造及びそのレンズ保持構造を有する走査光学装置においては、ビス止めをしなくても、保持部材を確実に保持、固定することができるため、組立て工数、及び部品の種類を削減できるとともに、これらの部品の管理が煩雑になる等の不都合を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造を有する走査光学装置の全体構成を示す概略図である。図1に示された走査光学装置は、マルチビーム型の走査光学装置であり、これは、マルチビーム光源ユニット1の光源であるマルチビーム半導体レーザ2から2本の光ビームであるレーザビームB1、B2を発生させ、それぞれコリメータレンズ3によって平行化した上で、シリンドリカルレンズ4により集光させ、その後、回転多面鏡5の反射面6に入射させ、回転多面鏡5の回転による主走査によりそれぞれ主走査方向に走査され、回転多面鏡5とともに走査結像手段を構成する結像レンズ7を経て、回転ドラム8の回転による副走査により回転ドラム8上の結像面である感光体に結像させ、感光体に静電潜像を形成するものである。
【0014】
ここで、マルチビーム光源ユニット1の光源であるマルチビーム半導体レーザ2から発生した2本のレーザビームB1、B2は、コリメータレンズ3により平行光束とされる。これは、マルチビーム半導体レーザ2は広がり角を有しているため、レーザビームB1、B2を平行光にする必要があるからである。
【0015】
コリメータレンズ3により平行光束とされたレーザビームB1、B2は、シリンドリカルレンズ4により、回転多面鏡5の反射面6に線状に集光される。これは、回転多面鏡5の面倒れによって、感光体に結像する点像に歪が発生するのを防止するためである。
【0016】
回転多面鏡5は、多面体(一般には5〜10角程度)のミラーであり、中心軸に取り付けられた回転モータ(図示せず)により一定の角速度で高速回転を行う。シリンドリカルレンズ4により集光されたレーザビームB1、B2は、回転多面鏡5により角度を変えて放射状に反射され、回転ドラム8の軸方向(主走査方向)に当該レーザ光を走査することが可能となる。
【0017】
結像レンズ7は、球面レンズ部とトーリックレンズ部からなり、シリンドリカルレンズ4と同様に感光体上の点像の歪を防ぐ機能を有するとともに、前記点像が感光体上で主走査方向に等速度で走査されるように補正する機能を有する。この様な補正を必要とするのは、回転多面鏡5から回転ドラム8までの距離は、回転ドラム8の端部と中央部では異なるため、一定速度で回転する回転多面鏡5に一定間隔でON/OFFを繰り返すレーザ光を照射しても、回転ドラム8上での走査速度は一定にならないため、回転多面鏡5により広がったレーザ光の反射角度を絞り込んで偏向し、回転ドラム8上に等間隔にレーザ光を投光する必要があるからである。
【0018】
2本のレーザビームB1、B2は、それぞれ、主走査面の末端で検出ミラー9によって分離され、主走査面の反対側の光センサ10に導入され、図示しないコントローラにおいて書き込み開始信号に変換されてマルチビーム半導体レーザ2に送信される。マルチビーム半導体レーザ2は書き込み開始信号を受けて両レーザビームB1、B2の書き込み変調を開始する。この様に、両レーザビームB1、B2の書き込み変調のタイミングを調節することで、回転ドラム8上の感光体に形成される静電潜像の書き込み開始(書き出し)位置を制御する。
【0019】
マルチビーム半導体レーザ2は、前述のように複数のレーザビームB1、B2を同時に発光するもので、レーザホルダ11を介してコリメータレンズ3を内蔵する鏡筒12と一体的に結合されたユニットとして、レーザ駆動回路基板13とともに光学箱14の開口部15を介して側壁16に組み付けられる。
【0020】
又、シリンドリカルレンズ4、回転多面鏡5、結像レンズ7等の各光学部品は、筐体である光学箱14の底壁17に組み付けられる。各光学部品を光学箱14に組み付けた上で、光学箱14の上部開口を蓋部材(図示せず)によって閉塞する。
【0021】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造について説明する。図2〜図5は、本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造における保持部材の概略構成を示すための図であり、図2は保持部材の上面図、図3は保持部材の後面図、図4は保持部材の前面図、図5は保持部材の側面図である。
【0022】
保持部材50は、ステンレススチールの板金を所定の形状に切り抜いたものであり、図2、図5に示す様に、前板部18、底板部19、及び加圧片20、21、22から構成されている。前板部18のほぼ中央には、図3、図4に示す様に、レーザビームB1、B2を通過させるための開口部23が形成されている。又、図5に示す様に、加圧片20、21、22は、前板部18の前方に突出する様に形成されており、加圧片20は、その断面形状が略コ字状に折り曲がっており、加圧片21、22は、その断面形状が略く字状に折れ曲がっている。これらの加圧片20、21、22は、シリンドリカルレンズを押圧保持し、固定する役割を果たすものであり、各々、ばね性を有している。
【0023】
図6〜図7は、本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造における位置決め部材の概略構成を示すための図であり、図6は、本発明の実施形態に係る位置決め部材を概略的に表した前方斜視図であり、図7は、本発明の実施形態に係る位置決め部材を概略的に表した後方斜視図である。
【0024】
図6、図7に示す様に、位置決め部材26は、所定の距離を置いて立設された2つの側板用部材31と、これらの側板用部材31を連結する前板用部材32と、側板用部材31に連結された後板用部材29と、前板用部材32の後面35側に突出した突起部27、28とから構成されている。この後板用部材29は、シリンドリカルレンズ4の突き当て用部材としての役割を果たすものであり、シリンドリカルレンズ4の位置決め作用も兼用している。又、図7に示す様に、爪部30が後板用部材29の後面34側に突出して形成されている。
【0025】
図8、図9は、本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造を、組立後の状態として表したものであり、図8は、本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造を、組立後の状態として概略的に表した前方斜視図であり、図9は、本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造を、組立後の状態として概略的に表した後方斜視図である。
【0026】
本実施形態においては、まず、シリンドリカルレンズ4を、位置決め部材26の突起部27、28と、後板用部材29の間に囲まれた空間に挿入し、設置する。この際、位置決め部材26に形成された後板用部材29がシリンドリカルレンズ4の後面36と当接することにより、シリンドリカルレンズ4の位置決めが行われる。
【0027】
次に、位置決め部材26により位置決めされたシリンドリカルレンズ4を覆う様に保持部材50を設置する。この際、保持部材50の加圧片20によりシリンドリカルレンズ4の上面部24が加圧されるとともに、加圧片21、22によりシリンドリカルレンズ4の前面部25が加圧され、シリンドリカルレンズ4は押圧保持される。尚、突起部27、28は、シリンドリカルレンズ4を保持部材50で保持する際に、当該シリンドリカルレンズ4が前方(即ち、前板用部材32の方向)に倒れるのを防止する役割を果たすものである。
【0028】
ここで、本実施形態においては、保持部材50が設置されると、図9に示す様に、保持部材50の底板部19が位置決め部材26の2つの側板用部材31の間に設置されるとともに、保持部材50の前板部18が位置決め部材26の後板用部材29と接触し、前板部18に形成された開口部23が後板用部材29に形成された爪部30に引っ掛かる。これにより、位置決め部材26に対して保持部材50が固定されるとともに、シリンドリカルレンズ4の押圧保持、固定が行われる。
【0029】
尚、保持部材50により押圧保持され、位置決め部材26に固定されたシリンドリカルレンズ4の高さの調整は、位置決め部材26ごと、筐体である光学箱14の底壁17にビス止めされることにより行われる。
【0030】
以上より、本実施形態においては、シリンドリカルレンズを保持、固定する際に、保持部材50の前板部18が位置決め部材26の後板用部材29と接触し、前板部18に形成された開口部23が後板用部材29に形成された爪部30に引っ掛かる構成としているため、保持部材50を位置決め部材26にビス止めしなくても、保持部材50の加圧片20によりシリンドリカルレンズ4の上面部24を確実に加圧することができるとともに、加圧片21、22によりシリンドリカルレンズ4の前面部25が加圧される際の反力を確実に抑制することができる。更に、組立て工数、及び部品の種類を削減できるとともに、これらの部品の管理が煩雑になる等の不都合を回避することができる。
【0031】
次に、図面を参照して、本発明の他の実施形態を詳細に説明する。尚、図1に示した本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造を有する走査光学装置の全体構成は、本発明の他の実施形態についても同様のものであるため、ここでは説明を省略する。図10〜図13は、本発明の他の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造における保持部材の概略構成を示すための図であり、図10は保持部材の上面図、図11は保持部材の後面図、図12は保持部材の前面図、図13は保持部材の側面図である。
【0032】
保持部材100は、ステンレススチールの板金を所定の形状に切り抜いたものであり、図10、図13に示す様に、上板部61、加圧片62、63、及び、固定用バネ部64、65から構成されている。又、図12、図13に示す様に、加圧片62、63は、上板部61の前方に突出する様に形成されており、加圧片62、63は、その断面形状が略く字状に折れ曲がっている。これらの加圧片62、63は、シリンドリカルレンズを押圧保持し、固定する役割を果たすものであり、各々、ばね性を有している。又、図11、図13に示す様に、固定用バネ部64、65は、上板部61の後方に突出する様に形成されており、加圧片62、63と同様に、その断面形状が略く字状に折れ曲がっている。これらの固定用バネ部64、65は、後述の位置決め部材66に対して保持部材100を固定する役割を果たすものであり、各々、ばね性を有している。
【0033】
図14〜図15は、本発明の他の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造における位置決め部材の概略構成を示すための図であり、図14は、本発明の他の実施形態に係る位置決め部材を概略的に表した前方斜視図であり、図15は、本発明の他の実施形態に係る位置決め部材を概略的に表した後方斜視図である。
【0034】
図14、図15に示す様に、位置決め部材66は、所定の距離を置いて立設された2つの側板用部材67と、これらの側板用部材67を連結する前板用部材68と、側板用部材67と前板用部材68に連結された底板用部材69と、底板用部材69上に設けられ、前板用部材68の後面70側に突出した突起部71、72と、側板用部材67の側面から内側に突出して形成された固定用バネ支持部73、74とから構成されている。これらの突起部71、72は、シリンドリカルレンズ4の突き当て用部材としての役割を果たすものであり、シリンドリカルレンズ4の位置決め作用も兼用している。
【0035】
図16、図17は、本発明の他の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造を、組立後の状態として表したものであり、図16は、本発明の他の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造を、組立後の状態として概略的に表した前方斜視図であり、図17は、本発明の他の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造を、組立後の状態として概略的に表した後方斜視図である。
【0036】
本実施形態においては、まず、シリンドリカルレンズ4を、シリンドリカルレンズ4の前面25が位置決め部材66の突起部71、72と当接する様に、底板用部材69上に設置し、シリンドリカルレンズ4の位置決めを行う。
【0037】
次に、位置決め部材66により位置決めされたシリンドリカルレンズ4を覆う様に保持部材100を設置する。この際、保持部材100の上板部61によりシリンドリカルレンズ4の上面部24が加圧されるとともに、加圧片62、63によりシリンドリカルレンズ4の前面部25が加圧される。
【0038】
ここで、本実施形態においては、保持部材100が設置されると、図17に示す様に、保持部材100の固定用バネ部64、65が位置決め部材66の固定用バネ支持部73、74と当接し、固定用バネ部64、65の有するバネ性により、位置決め部材66に対して保持部材100が固定される。これにより、シリンドリカルレンズ4の押圧保持、固定が行われる。
【0039】
以上より、本実施形態においては、シリンドリカルレンズを保持、固定する際に、保持部材100の固定用バネ部64、65が位置決め部材66の固定用バネ支持部73、74と接触し、固定用バネ部64、65の有するバネ性により、位置決め部材66に対して保持部材100が固定される構成としているため、保持部材100を位置決め部材66にビス止めしなくても、保持部材100の上板部61によりシリンドリカルレンズ4の上面部24を確実に加圧することができるとともに、加圧片62、63によりシリンドリカルレンズ4の前面部25が加圧される際の反力を確実に抑制することができる。更に、組立て工数、及び部品の種類を削減できるとともに、これらの部品の管理が煩雑になる等の不都合を回避することができる。
【0040】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて各部の構造、形状等を適宜変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0041】
例えば、上記実施形態では、位置決め部材の後板用部材に爪部を設ける構成としたが、保持部材の前板部に突起部を設ける構成としても良い。
【0042】
又、上記実施形態においては、保持部材に加圧片を2個、ないしは3個設けた構成としたが、シリンドリカルレンズの保持、固定に適した態様であれば、加圧片を更に設けた構成としても良い。
【0043】
又、上記実施形態においては、保持部材に固定用バネ部を2個設け、位置決め部材に固定用バネ支持部を2個設けた構成としたが、シリンドリカルレンズの保持、固定に適した態様であれば、固定用バネ部と位置決め部材を更に設けた構成としても良い。又、位置決め部材に固定用バネ部を設け、保持部材に固定用バネ支持部を設けた構成としても良い。
【0044】
更に、上記実施形態においては、シリンドリカルレンズの保持構造を有する走査光学装置としてマルチビーム型の走査光学装置を用いて説明したが、単数のレーザビームを用いてラインを書き込む走査光学装置にも適用できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、レーザビームプリンタやレーザファクシミリ等に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】は、本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造を有する走査光学装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】は、本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造における保持部材の概略構成を示すための上面図である。
【図3】は、本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造における保持部材の概略構成を示すための後面図である。
【図4】は、本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造における保持部材の概略構成を示すための前面図である。
【図5】は、本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造における保持部材の概略構成を示すための側面図である。
【図6】は、本発明の実施形態に係る位置決め部材を概略的に表した前方斜視図である。
【図7】は、本発明の実施形態に位置決め部材を概略的に表した後方斜視図である。
【図8】は、本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造を、組立後の状態として概略的に表した前方斜視図である。
【図9】は、本発明の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造を、組立後の状態として概略的に表した後方斜視図である。
【図10】は、本発明の他の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造における保持部材の概略構成を示すための上面図である。
【図11】は、本発明の他の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造における保持部材の概略構成を示すための後面図である。
【図12】は、本発明の他の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造における保持部材の概略構成を示すための前面図である。
【図13】は、本発明の他の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造における保持部材の概略構成を示すための側面図である。
【図14】は、本発明の他の実施形態に係る位置決め部材を概略的に表した前方斜視図である。
【図15】は、本発明の他の実施形態に位置決め部材を概略的に表した後方斜視図である。
【図16】は、本発明の他の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造を、組立後の状態として概略的に表した前方斜視図である。
【図17】は、本発明の他の実施形態に係るシリンドリカルレンズの保持構造を、組立後の状態として概略的に表した後方斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
1 マルチビーム光源ユニット
2 マルチビーム半導体レーザ
3 コリメータレンズ
4 シリンドリカルレンズ
5 回転多面鏡
7 結像レンズ
8 回転ドラム
10 結像レンズ
14 光学箱
18 前板部
19 底板部
20、21、22 加圧片
23 開口部
26 位置決め部材
27、28、29 突起部
30 爪部
50 保持部材
61 上板部
62、63 加圧片
64、65 固定用バネ部
66 位置決め部材
71、72 突起部
73、74 固定用バネ支持部
100 保持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンドリカルレンズの位置決めを行うための位置決め部材と、前記位置決め部材により位置決めされた前記シリンドリカルレンズを押圧保持する保持部材とからなるシリンドリカルレンズの保持構造であって、
前記位置決め部材には固定用バネ支持部が設けられており、前記保持部材に形成された固定用バネ部が前記固定用バネ支持部と当接することにより、前記位置決め部材により位置決めされた前記シリンドリカルレンズが押圧保持されることを特徴とするシリンドリカルレンズの保持構造。
【請求項2】
前記固定用バネ部は前記保持部材の上板部の後方に突出して形成されており、かつ、前記固定用バネ支持部は、前記位置決め部材の側面から内側に突出して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシリンドリカルレンズの保持機構。
【請求項3】
レーザー光を発光する光源と、前記光源から発せられた光を集光するシリンドリカルレンズと、一定の角速度で回転し、前記シリンドリカルレンズにより集光された光を放射状に反射する回転多面鏡を有するとともに、前記シリンドリカルレンズの位置決めを行うための位置決め部材と、前記位置決め部材により位置決めされた前記シリンドリカルレンズを押圧保持する保持部材からなるシリンドリカルレンズの保持構造を有する走査光学装置において、
前記位置決め部材には固定用バネ支持部が設けられており、前記保持部材に形成された固定用バネ部が前記固定用バネ支持部と当接することにより、前記位置決め部材により位置決めされた前記シリンドリカルレンズが押圧保持されることを特徴とするシリンドリカルレンズの保持構造を有する走査光学装置。
【請求項4】
前記固定用バネ部は前記保持部材の上板部の後方に突出して形成されており、かつ、前記固定用バネ支持部は、前記位置決め部材の側面から内側に突出して形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシリンドリカルレンズの保持機構を有する走査光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−47765(P2007−47765A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−187443(P2006−187443)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【分割の表示】特願2002−323261(P2002−323261)の分割
【原出願日】平成14年11月7日(2002.11.7)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】