説明

レンズ鏡筒

【課題】カメラ本体が静音となる駆動速度を直接指定する必要なく好適にフォーカシングレンズを駆動することが可能なレンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】複数の制御モードを有し、設定されている制御モードに応じた駆動制御を駆動部に対して行う制御部と、フォーカシングレンズを所定の駆動速度で駆動するように指令する駆動信号と、制御部に複数の制御モードのいずれかを設定する制御モード設定信号とを受信する受信部と、駆動速度が上限速度を超えるか否かを判定する上限判定部と、制御部に上下限制御モードが設定されている場合に駆動速度が下限速度を下回るか否かを判定する下限判定部とを備え、制御部は、駆動速度が上限速度を超えると判定された場合には、上限速度以下の第1駆動速度で駆動されるように駆動部を制御し、駆動速度が下限速度を下回ると判定された場合には、下限速度以上の第2駆動速度で駆動されるように駆動部を制御するレンズ鏡筒。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒に関する。
【背景技術】
【0002】
動画を撮影可能なデジタルカメラが知られている。一般的に、このようなデジタルカメラは、映像と共に音声を記録して記憶媒体に記憶可能である。例えば特許文献1には、カメラ本体と交換レンズとから成る、動画撮影可能なデジタルカメラが記載されている。この交換レンズは、最高速度と最低速度で絞りを駆動したときに発生する駆動音のうち小さい方の駆動音のレベルと同じかまたはそれよりも小さい駆動音のレベルで絞りを駆動可能な駆動速度を、静音速度としてカメラ本体に送信する。これにより、動画撮影時など、録音が行われている場合に、絞りの駆動音が録音されないように絞りを駆動することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−288778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたデジタルカメラには、駆動音を小さくするための駆動速度をカメラ本体が指定しなければならないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の一実施例を示す図面に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、カメラボディが取り付け可能な取付部(201)と、フォーカシングレンズ(210b)を有する結像光学系(210)と、フォーカシングレンズ(210b)を駆動する駆動部(212)と、上限制御モードと上下限制御モードとを少なくとも含む複数の制御モードを有し、設定されている制御モードに応じた駆動制御を駆動部(212)に対して行いフォーカシングレンズ(210b)を駆動させる制御部(203)と、カメラボディ(100)から、フォーカシングレンズ(210b)を所定の駆動速度で駆動するように指令する駆動信号と、制御部(203)に複数の制御モードのいずれかを設定する制御モード設定信号とを受信する受信部(217)と、所定の駆動速度が所定の上限速度を超えるか否かを判定する上限判定部(203)と、制御部(203)に上下限制御モードが設定されている場合に、所定の駆動速度が所定の下限速度を下回るか否かを判定する下限判定部(203)とを備え、制御部(203)は、上限判定部(203)によりフォーカシングレンズ(210b)の駆動速度が所定の上限速度を超えると判定された場合には、フォーカシングレンズ(210b)が所定の上限速度以下の第1駆動速度で駆動されるように駆動部(212)を制御し、下限判定部(203)によりフォーカシングレンズ(210b)の駆動速度が所定の下限速度を下回ると判定された場合には、フォーカシングレンズ(210b)が所定の下限速度以上の第2駆動速度で駆動されるように駆動部(212)を制御することを特徴とするレンズ鏡筒である。
なお、符号を付して説明した構成は適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、カメラ本体が静音となる駆動速度を直接指定する必要なく好適にフォーカシングレンズを駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した斜視図である。
【図2】本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した断面図である。
【図3】保持部102,202の詳細を示す模式図である。
【図4】コマンドデータ通信の例を示すタイミングチャートである。
【図5】ホットライン通信の例を示すタイミングチャートである。
【図6】レンズ位置と、当該レンズ位置において像面移動速度を一定とする場合に必要なレンズ駆動速度との対応関係を示す図である。
【図7】レンズ位置と、当該レンズ位置において像面移動速度を一定とする場合に必要なレンズ駆動速度との対応関係を示す図である。
【図8】レンズ位置と、当該レンズ位置において像面移動速度を一定とする場合に必要なレンズ駆動速度との対応関係を示す図である。
【図9】測距エリア毎に画面をブロック分割した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した斜視図である。なお、図1では本発明に係わる機器および装置のみを示し、それ以外の機器および装置については図示と説明を省略する。カメラ1は、カメラボディ100と、カメラボディ100に着脱可能なレンズ鏡筒200とから構成される。
【0009】
カメラボディ100にはレンズ鏡筒200が着脱可能に取り付けられるボディ側マウント部101が設けられている。ボディ側マウント部101の近傍(ボディ側マウント部101の内周側)の位置には、ボディ側マウント部101の内周側に部分的に突出する状態で、接点を保持する保持部(電気的な接続部)102が設けられている。この保持部102には複数の接点が設けられている。
【0010】
またレンズ鏡筒200には、ボディ側マウント部101に対応する、カメラボディ100が着脱可能に取り付けられるレンズ側マウント部201が設けられている。レンズ側マウント部201の近傍(レンズ側マウント部201の内周側)の位置には、レンズ側マウント部201の内周側に部分的に突出する状態で、接点を保持する保持部(電気的な接続部)202が設けられている。この保持部202には複数の接点が設けられている。
【0011】
カメラボディ100にレンズ鏡筒200が装着されると、複数の接点が設けられたカメラボディ100側の保持部102が、複数の接点が設けられたレンズ鏡筒200側の保持部202に電気的に且つ物理的に接続される。両保持部102,202は、カメラボディ100からレンズ鏡筒200への電力供給、および、カメラボディ100とレンズ鏡筒200との信号の送受信に利用される。
【0012】
カメラボディ100内のボディ側マウント部101後方には、例えばCMOSやCCDなどの撮像素子104が設けられる。カメラボディ100の上方には、入力装置たるボタン105が設けられている。ユーザはボタン105等の入力装置を用いてカメラボディ100に撮影指示や撮影条件の設定指示等を行う。
【0013】
図2は、本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した断面図である。レンズ鏡筒200は、被写体像を結像させる結像光学系210を備える。結像光学系210は複数のレンズ210a〜210cおよび絞り211により構成されている。これら複数のレンズ210a〜210cには、被写体像のピント位置を制御するためのフォーカシングレンズ210bが含まれている。
【0014】
レンズ鏡筒200内部には、レンズ鏡筒200の各部の制御を司るレンズ制御部203が設けられている。レンズ制御部203は不図示のマイクロコンピュータおよびその周辺回路等から構成される。レンズ制御部203には、レンズ側第1通信部217、レンズ側第2通信部218、レンズ駆動部212、レンズ速度検出部214、ROM215、およびRAM216が接続されている。
【0015】
レンズ側第1通信部217およびレンズ側第2通信部218は、保持部102、202の各通信接点を介してカメラボディ100との信号の送受信を行う。このレンズ側第1通信部217とレンズ側第2通信部218はそれぞれ、レンズ鏡筒200側の通信インターフェースである。レンズ制御部203はこれら通信インターフェースを使って、カメラボディ100(後述するボディ制御部103)との間で後述する各通信(ホットライン通信、コマンドデータ通信)を行う。
【0016】
レンズ駆動部212は駆動力を発生させるモータ(例えばステッピングモータ等のアクチュエータ)と、当該駆動力をフォーカシングレンズ210bに伝達する伝達系(例えば複数のギア等を組み合わせたもの)を有している。レンズ駆動部212はレンズ制御部203により制御され、フォーカシングレンズ210bを、レンズ制御部203が指定した駆動速度で光軸方向に駆動する。
【0017】
レンズ速度検出部214は、フォーカシングレンズ210bの駆動速度を検出するセンサである。ROM215は不揮発性の記憶媒体であり、レンズ制御部203が実行する所定の制御プログラムや、後述するフォーカシングレンズ210bの最大駆動速度および最小駆動速度等が予め記憶される。RAM216は揮発性の記憶媒体であり、レンズ制御部203により各種データの一時記憶領域として利用される。
【0018】
撮像素子104の前面には、撮像素子104の露光状態を制御するためのシャッター115と、光学的ローパスフィルターや赤外線カットフィルターを組み合わせた光学フィルター116とが設けられている。結像光学系210を透過した被写体光は、シャッター115およびフィルター116を介して撮像素子104に入射する。
【0019】
カメラボディ100内部には、カメラボディ100の各部の制御を司るボディ制御部103が設けられている。ボディ制御部103は不図示のマイクロコンピュータ、RAMおよびその周辺回路等から構成される。
【0020】
ボディ制御部103には、ボディ側第1通信部117およびボディ側第2通信部118が接続されている。ボディ側第1通信部117は保持部102に接続されており、保持部102に設けられた複数の接点を介して、レンズ側第1通信部217と信号の送受信を行うことができる。同様に、ボディ側第2通信部118はレンズ側第2通信部218と信号の送受信を行うことができる。換言すれば、ボディ側第1通信部117とボディ側第2通信部118はそれぞれ、ボディ側の通信インターフェースである。ボディ制御部103はこれら通信インターフェースを使って、レンズ鏡筒200(レンズ制御部203)との間で、後述する各通信(ホットライン通信、コマンドデータ通信)を行う。
【0021】
カメラボディ100の背面には、LCDパネル等により構成される表示装置111が配置される。ボディ制御部103はこの表示装置111に対し、撮像素子104の出力に基づく被写体の画像(いわゆるスルー画)や、撮影条件等を設定するための各種のメニュー画面を表示する。
【0022】
カメラボディ100は、静止画を撮影する静止画撮影モードと、動画を撮影する動画撮影モードと、の2種類の撮影モードを有している。ユーザがカメラボディ100に対してこれらの撮影モードの設定を指示すると、ボディ制御部103は当該撮影モードでの動作を開始する。カメラボディ100は不図示のマイクを備えており、動画撮影時にはこのマイクに入力された音声が映像と共に不図示の記憶媒体に記憶される。
【0023】
(保持部102,202の説明)
図3は保持部102,202の詳細を示す模式図である。なお図3において保持部102がボディ側マウント部101の右側に配置されているのは、実際のマウント構造に倣ったものである。すなわち、本実施形態の保持部102は、ボディ側マウント部101のマウント面よりも奥まった場所(図3においてボディ側マウント部101よりも右側の場所)に配置されている。同様に、保持部202がレンズ側マウント部201の右側に配置されているのは、本実施形態の保持部202がレンズ側マウント部201のマウント面よりも突出した場所に配置されていることを表している。保持部102と保持部202がこのように配置されているので、ボディ側マウント部101のマウント面とレンズ側マウント部201のマウント面とを接触させて、カメラボディ100とレンズ鏡筒200とをマウント結合させると、保持部102と保持部202とが接続され、両保持部に設けられている電気接点同士も接続することになる。このようなマウント構造については周知であるのでこれ以上の説明、図示を省略する。
【0024】
図3に示すように、保持部102にはBP1〜BP12の12個の接点が存在する。また保持部202には、上記の12個の接点にそれぞれ対応する、LP1〜LP12の12個の接点が存在する。
【0025】
接点BP1および接点BP2は、カメラボディ100内の第1電源回路130に接続されている。第1電源回路130は、接点BP1に、アクチュエータ等の駆動系を有し消費電力が比較的大きい回路(レンズ駆動部212など)を除くレンズ鏡筒200内の各部の動作電圧を供給する。すなわち、接点BP1および接点LP1からは、上記のレンズ駆動部212等を除くレンズ鏡筒200内の各部の動作電圧が供給される。この接点BP1に供給可能な電圧値は、最小電圧値〜最大電圧値の範囲(例えば3V台での電圧幅)をもつが、標準的に供給される電圧値はその最大電圧値と最小電圧値の中間値近傍の電圧値である。そしてこれにより、カメラボディ100側からレンズ鏡筒200側に供給される電流値は、電源ON状態において、約数10mA〜数100mAの範囲内の電流値である。
【0026】
接点BP2は、接点BP1に与えられる上記動作電圧に対応する接地端子である。すなわち、接点BP2および接点LP2は、上記の動作電圧に対応する接地端子電圧である。
【0027】
以下の説明では、接点BP1および接点LP1により構成される信号線を、信号線V33と呼ぶ。また、接点BP2および接点LP2により構成される信号線を、信号線GNDと呼ぶ。これらの接点LP1,LP2、BP1,BP2は、カメラボディ100側からレンズ鏡筒200側へ電源供給するための、電源系接点を構成する。
【0028】
接点BP3,BP4,BP5,およびBP6は、ボディ側第1通信部117に接続されている。これらの接点に対応するレンズ鏡筒200側の接点LP3,LP4,LP5,およびLP6は、レンズ側第1通信部217に接続されている。ボディ側第1通信部117とレンズ側第1通信部217は、これらの接点(通信系接点)を用いて、互いに信号の送受信を行う。ボディ側第1通信部117とレンズ側第1通信部217が行う通信の内容については、後に詳述する。
【0029】
なお以下の説明では、接点BP3および接点LP3により構成される信号線を、信号線CLKと呼ぶ。同様に、接点BP4および接点LP4により構成される信号線を信号線BDATと、接点BP5および接点LP5により構成される信号線を信号線LDATと、接点BP6および接点LP6により構成される信号線を信号線RDYと呼ぶ。
【0030】
接点BP7,BP8,BP9,およびBP10は、ボディ側第2通信部118に接続されている。これらの接点に対応するレンズ鏡筒200側の接点LP7,LP8,LP9,およびLP10は、レンズ側第2通信部218に接続されている。レンズ側第2通信部218は、これらの接点(通信系接点)を用いて、ボディ側第2通信部118に信号の送信を行う。ボディ側第2通信部118とレンズ側第2通信部218が行う通信の内容については、後に詳述する。
【0031】
なお以下の説明では、接点BP7および接点LP7により構成される信号線を、信号線HREQと呼ぶ。同様に、接点BP8および接点LP8により構成される信号線を信号線HANSと、接点BP9および接点LP9により構成される信号線を信号線HCLKと、接点BP10および接点LP10により構成される信号線を信号線HDATと呼ぶ。
【0032】
接点BP11および接点BP12は、カメラボディ100内の第2電源回路131に接続されている。第2電源回路131は、接点BP12に、アクチュエータ等の駆動系を有し消費電力が比較的大きい回路(レンズ駆動部212など)の駆動電圧を供給する。すなわち、接点BP12および接点LP12からは、レンズ駆動部212の駆動電圧が供給される。この接点BP12に供給可能な電圧値は、最小電圧値〜最大電圧値の範囲をもつが、その範囲はいずれも、前述した接点BP1に供給可能な電圧値範囲よりも大きい電圧値である(例えば、接点BP12に供給可能な最大電圧値は、接点BP1に供給可能な最大電圧値の数倍程度)。即ち接点BP12に供給される電圧値は、上述の接点BP1に供給される電圧値とは、その大きさが異なる電圧値である。なお接点BP12に標準的に供給される電圧値は、接点BP12に供給可能な最大電圧値と最小電圧値の中間値近傍の電圧値である。そしてこれにより、カメラボディ100側からレンズ鏡筒200側に供給される電流は、電源ON状態において、約10mA〜数Aの電流値となる。
【0033】
接点BP11は、接点BP12に与えられる上記駆動電圧に対応する接地端子である。すなわち、接点BP11および接点LP11は、上記駆動電圧に対応する接地端子である。
【0034】
以下の説明では、接点BP11および接点LP11により構成される信号線を、信号線PGNDと呼ぶ。また、接点BP12および接点LP12により構成される信号線を、信号線BATと呼ぶ。これらの接点LP11,LP12、BP11,BP12は、カメラボディ100側からレンズ鏡筒200側へ電源供給するための、電源系接点を構成する。
【0035】
なお、上述の接点BP12、接点LP12に供給される電圧値(電流値)と、接点BP1,LP1に供給される電圧値(電流値)との大小関係から明らかなように、それら各接点に供給される電圧にそれぞれに対する接地端子となる接点BP11および接点LP11を流れる電流の最大値と最小値との差は、接点BP2および接点LP2を流れる電流の最大値と最小値との差よりも大きくなっている。これは、アクチュエータ等の駆動系を有する各駆動部が消費する電力が、レンズ鏡筒200内のレンズ制御部203等の電子回路に比べて大きいこと、ならびに、被駆動部材を駆動する必要がない場合には各駆動部が電力を消費しないことに拠る。
【0036】
(コマンドデータ通信の説明)
レンズ制御部203は、レンズ側第1通信部217を制御して、接点LP3〜LP6、すなわち信号線CLK,BDAT,LDAT,およびRDYを介して、ボディ側第1通信部117からの制御データの受信と、ボディ側第1通信部117への応答データの送信とを並行して、第1の所定周期(本実施形態では例えば16ミリ秒)で行う。以下、レンズ側第1通信部217とボディ側第1通信部117との間で行われる通信の詳細を説明する。
【0037】
なお、本実施形態において、レンズ制御部203およびレンズ側第1通信部217と、ボディ制御部103およびボディ側第1通信部117との間で行われる通信を「コマンドデータ通信」と称する。また、コマンドデータ通信に利用される4つの信号線(信号線CLK,BDAT,LDAT,およびRDY)から成る伝送路を第1伝送路と称する。
【0038】
図4は、コマンドデータ通信の例を示すタイミングチャートである。ボディ制御部103およびボディ側第1通信部117は、コマンドデータ通信の開始時(T1)、まず信号線RDYの信号レベルを確認する。信号線RDYの信号レベルはレンズ側第1通信部217の通信可否を表している。レンズ制御部203およびレンズ側第1通信部217は、通信できない状態である場合には、接点LP6からH(High)レベルの信号を出力する。すなわち、信号線RDYの信号レベルをHレベルにする。ボディ制御部103およびボディ側第1通信部117は、信号線RDYがHレベルである場合、これがLレベルになるまで通信開始しない。また通信中の次の処理を実行しない。
【0039】
信号線RDYがL(Low)レベルであれば、ボディ制御部103およびボディ側第1通信部117は接点BP3からクロック信号401を出力する。すなわち、信号線CLKを介してレンズ側第1通信部217にクロック信号401を伝送する。ボディ制御部103およびボディ側第1通信部117はこのクロック信号401に同期して、接点BP4から制御データの前半部分であるボディ側コマンドパケット信号402を出力する。すなわち、信号線BDATを介してレンズ側第1通信部217にボディ側コマンドパケット信号402を伝送する。
【0040】
また、信号線CLKにクロック信号401が出力されると、レンズ制御部203およびレンズ側第1通信部217は、クロック信号401に同期して接点LP5から応答データの前半部分であるレンズ側コマンドパケット信号403を出力する。すなわち、信号線LDATを介してボディ側第1通信部117にレンズ側コマンドパケット信号403を伝送する。
【0041】
レンズ制御部203およびレンズ側第1通信部217は、レンズ側コマンドパケット信号403の送信完了に応じて、信号線RDYの信号レベルをHレベルにする(T2)。レンズ制御部203は、受信したボディ側コマンドパケット信号402の内容に応じた処理
である第1制御処理404(後述)を開始する。
【0042】
レンズ制御部203は第1制御処理404が完了すると、レンズ側第1通信部217に第1制御処理404の完了を通知する。レンズ側第1通信部217はこの通知に応じて、接点LP6からLレベルの信号を出力する。すなわち、信号線RDYの信号レベルをLレベルにする(T3)。ボディ制御部103およびボディ側第1通信部117はこの信号レベルの変化に応じて、接点BP3からクロック信号405を出力する。すなわち、信号線CLKを介してレンズ側第1通信部217にクロック信号405を伝送する。
【0043】
ボディ制御部103およびボディ側第1通信部117はこのクロック信号405に同期して、接点BP4から制御データの後半部分であるボディ側データパケット信号406を出力する。すなわち、信号線BDATを介してレンズ側第1通信部217にボディ側データパケット信号406を伝送する。
【0044】
また、信号線CLKにクロック信号405が出力されると、レンズ制御部203およびレンズ側第1通信部217はクロック信号405に同期して接点LP5から応答データの後半部分であるレンズがデータパケット信号407を出力する。すなわち、信号線LDATを介してボディ側第1通信部117にレンズ側データパケット信号407を伝送する。
【0045】
レンズ制御部203およびレンズ側第1通信部217は、レンズ側データパケット信号407の送信完了に応じて、信号線RDYの信号レベルを再びHレベルにする(T4)。レンズ制御部203は、受信したボディ側データパケット信号406の内容に応じた処理である第2制御処理408(後述)を開始する。
【0046】
ここで、レンズ制御部203が行う第1制御処理404、および第2制御処理408について述べる。
【0047】
例えば、受信したボディ側コマンドパケット信号402が、レンズ鏡筒側の特定のデータを要求する内容であった場合について述べる。レンズ制御部203は、第1制御処理404として、コマンドパケット信号402の内容を解析処理すると共に、当該要求されている特定データを生成する処理を実行する。更にレンズ制御部203は、第1制御処理404として、コマンドパケット信号402に含まれているチェックサムデータを用いて、コマンドパケット信号402の通信にエラーがないか否かをデータバイト数から簡易的にチェックする通信エラーチェック処理をも実行する。この第1制御処理404で生成された特定データの信号は、レンズ側データパケット信号407としてボディ側に出力される。なお、この場合においてコマンドパケット信号402の後でボディ側から出力されるボディ側データパケット信号406は、レンズ側にとっては特に意味をなさないダミーデータ信号(チェックサムデータは含む)となっている。この場合にはレンズ制御部203は、第2制御処理408として、ボディ側データパケット信号406に含まれるチェックサムデータを用いた、上述の如き通信エラーチェック処理を実行する。
【0048】
また例えば、受信したボディ側コマンドパケット信号402が、レンズ側の被駆動部材を駆動する指示であった場合について述べる。例えば、コマンドパケット信号402がフォーカシングレンズ210bの駆動指示であり、受信したボディ側データパケット信号406がフォーカシングレンズ210bの駆動速度および駆動量であった場合について述べる。レンズ制御部203は、第1制御処理404として、コマンドパケット信号402の内容を解析処理すると共に、その内容を理解したことを表す了解信号を生成する。更にレンズ制御部203は、第1制御処理404として、コマンドパケット信号402に含まれているチェックサムデータを用いて、上述の如き通信エラーチェック処理をも実行する。この第1制御処理404で生成された了解信号は、レンズ側データパケット信号407としてボディ側に出力される。またレンズ制御部203は、第2制御処理408として、ボディ側データパケット信号406の内容の解析処理を実行すると共に、ボディ側データパケット信号406に含まれるチェックサムデータを用いた上述の如き通信エラーチェック処理を実行する。
【0049】
レンズ制御部203は第2制御処理408が完了すると、レンズ側第1通信部217に第2制御処理408の完了を通知する。これによってレンズ制御部203は、レンズ側第1通信部217に、接点LP6からLレベルの信号を出力させる。すなわち、信号線RDYの信号レベルをLレベルにする(T5)。
【0050】
なお受信したボディ側コマンドパケット信号402が、上述のようなレンズ側の被駆動部材(たとえばフォーカシングレンズ210b)を駆動する指示であった場合、レンズ制御部203は、レンズ側第1通信部217に信号線RDYの信号レベルをLレベルにさせつつ、レンズ駆動部212に対して、フォーカシングレンズ210bを当該駆動速度で当該駆動量だけ駆動する処理を実行させる。
【0051】
上述した時刻T1〜時刻T5に行われた通信が、1回のコマンドデータ通信である。上述のように、1回のコマンドデータ通信では、ボディ制御部103およびボディ側第1通信部117により、ボディ側コマンドパケット信号402およびボディ側データパケット信号406がそれぞれ1つずつ送信される。すなわち、処理の都合上2つに分割されて送信されるものの、ボディ側コマンドパケット信号402およびボディ側データパケット信号406は2つ合わせて1つの制御データを構成する。
【0052】
同様に、1回のコマンドデータ通信では、レンズ制御部203およびレンズ側第1通信部217によりレンズ側コマンドパケット信号403およびレンズ側データパケット信号407がそれぞれ1つずつ送信される。すなわち、レンズ側コマンドパケット信号403およびレンズ側データパケット信号407は2つ合わせて1つの応答データを構成する。
【0053】
以上のように、レンズ制御部203およびレンズ側第1通信部217は、ボディ側第1通信部117からの制御データの受信と、ボディ側第1通信部117への応答データの送信とを並行して行う。コマンドデータ通信に利用される接点LP6および接点BP6は、他のクロック信号に同期しない非同期信号(信号線RDYの信号レベル/H(High)レベル、またはL(Low)レベル)が伝送される接点である。
【0054】
(ホットライン通信の説明)
レンズ制御部203は、レンズ側第2通信部218を制御して、接点LP7〜LP10、すなわち信号線HREQ,HANS,HCLK,およびHDATを介して、ボディ側第2通信部118へレンズ位置データを送信する。以下、レンズ側第2通信部218とボディ側第2通信部118との間で行われる通信の詳細を説明する。
【0055】
なお、本実施形態において、レンズ制御部203およびレンズ側第2通信部218と、ボディ制御部103およびボディ側第2通信部118との間で行われる通信を「ホットライン通信」と称する。また、ホットライン通信に利用される4つの信号線(信号線HREQ,HANS,HCLK,およびHDAT)から成る伝送路を第2伝送路と称する。
【0056】
図5は、ホットライン通信の例を示すタイミングチャートである。本実施形態のボディ制御部103は、ホットライン通信を第2の所定周期(本実施形態では例えば1ミリ秒)毎に開始するように構成されている。この周期は、コマンドデータ通信を行う周期よりも短い。図5(a)は、ホットライン通信が所定周期Tn毎に繰り返し実行されている様子を示す図である。繰り返し実行されるホットライン通信のうち、ある1回の通信の期間T
xを拡大した様子が図5(b)に示されている。以下、図5(b)のタイミングチャートに基づいて、ホットライン通信の手順を説明する。
【0057】
ボディ制御部103およびボディ側第2通信部118は、ホットライン通信の開始時(T6)、まず接点BP7からLレベルの信号を出力する。すなわち、信号線HREQの信号レベルをLレベルにする。レンズ側第2通信部218は、この信号が接点LP7に入力されたことをレンズ制御部203に通知する。レンズ制御部203はこの通知に応じて、レンズ位置データを生成する生成処理501の実行を開始する。生成処理501とは、レンズ制御部203が不図示のフォーカシングレンズ位置検出部にフォーカシングレンズ210bの位置を検出させ、検出結果を表すレンズ位置データを生成する処理である。
【0058】
レンズ制御部203が生成処理501を実行完了すると、レンズ制御部203およびレンズ側第2通信部218は接点LP8からLレベルの信号を出力する(T7)。すなわち、信号線HANSの信号レベルをLレベルにする。ボディ制御部103およびボディ側第2通信部118は、この信号が接点BP8に入力されたことに応じて、接点BP9からクロック信号502を出力する。すなわち、信号線HCLKを介してレンズ側第2通信部218にクロック信号を伝送する。
【0059】
レンズ制御部203およびレンズ側第2通信部218は、このクロック信号502に同期して、接点LP10からレンズ位置データを表すレンズ位置データ信号503を出力する。すなわち、信号線HDATを介してボディ側第2通信部118にレンズ位置データ信号503を伝送する。
【0060】
レンズ位置データ信号503の送信が完了すると、レンズ制御部203およびレンズ側第2通信部218は接点LP8からHレベルの信号を出力する。すなわち、信号線HANSの信号レベルをHレベルにする(T8)。ボディ側第2通信部118は、この信号が接点BP8に入力されたことに応じて、接点LP7からHレベルの信号を出力する。すなわち、信号線HREQの信号レベルをHレベルにする(T9)。
【0061】
上述した時刻T6〜時刻T9に行われた通信が、1回のホットライン通信である。上述のように、1回のホットライン通信では、レンズ制御部203およびレンズ側第2通信部218により、レンズ位置データ信号503が1つ送信される。ホットライン通信に利用される接点LP7、LP8、BP7、およびBP8は、他のクロック信号に同期しない非同期信号が伝送される接点である。つまり接点LP7およびBP7は、非同期信号(信号線HREQの信号レベル/H(High)レベル、またはL(Low)レベル)が伝送される接点であり、接点LP8およびBP8は、非同期信号(信号線HANSの信号レベル/H(High)レベル、またはL(Low)レベル)が伝送される接点である。
【0062】
なお、コマンドデータ通信とホットライン通信は、同時にも或いは一部並行的にも実行することが可能である。すなわち、レンズ側第1通信部217とレンズ側第2通信部218との一方は、その他方がカメラボディ100と通信を行っている場合であってもカメラボディ100と通信を行うことが可能である。
【0063】
(自動焦点調節の説明)
ボディ制御部103は、周知の自動焦点調節処理を実行可能に構成されている。この自動焦点調節処理において、ボディ制御部103は2種類の焦点検出処理を使い分けることが可能に構成されている。具体的には、ボディ制御部103はいわゆる瞳分割位相差方式の焦点検出処理(以下、位相差AFと呼ぶことがある)と、いわゆるコントラスト方式の焦点検出処理(以下、コントラストAFと呼ぶことがある)とを使い分けることが可能である。ボディ制御部103は、撮影状況や被写体の特性等に応じてこれら2種類の焦点検出処理を使い分ける。
【0064】
ボディ制御部103による瞳分割位相差検出方式の焦点検出処理について説明する。本実施形態の撮像素子104は、フォーカス検出用の画素(焦点検出用画素と呼ぶ)を有する。フォーカス検出用画素は、特開2007−317951号公報に記載されているものと同様のものである。ボディ制御部103は、焦点検出用画素からの画素出力データを用いて周知の位相差検出演算を行うことにより、焦点検出処理を行う。なお、この位相差検出演算については、例えば特開2007−317951号公報に記載されているものと同様のものであるため、説明を省略する。ボディ制御部103は、この焦点検出処理により得られたデフォーカス量に基づいて、レンズ駆動部212にフォーカシングレンズ210bを駆動させることにより、自動焦点調節を行う。なお、瞳分割位相差方式の焦点検出処理を実行する際、信頼性のあるデフォーカス量を算出できないことがある。この場合、ボディ制御部103はフォーカシングレンズ210bを所定範囲で駆動させながらデフォーカス量の算出を行う、いわゆるスキャン動作を実行する。
【0065】
ボディ制御部103によるコントラスト方式の焦点検出処理について説明する。ボディ制御部103は、撮像素子104が有する撮像用画素からの画素出力データを用いて周知のコントラスト検出演算を行う。ボディ制御部103はこのコントラスト検出演算を、フォーカシングレンズ210bを至近側の駆動限界位置と無限遠側の駆動限界位置との間で駆動させながら行う、いわゆるサーチ動作を実行し、焦点評価値(コントラスト値)がピークとなるフォーカシングレンズ210bの位置を検出することにより、自動焦点調節を行う。
【0066】
レンズ制御部203は、フォーカシングレンズ210bを駆動させるための2種類のレンズ駆動コマンド(第1レンズ駆動コマンド、第2レンズ駆動コマンド)に対応している。第1レンズ駆動コマンドは、フォーカシングレンズ210bを指定した駆動速度で駆動させるコマンドであり、パラメータとしてフォーカシングレンズ210bの駆動量および駆動速度を含む。ボディ制御部103がコマンドデータ通信によりフォーカシングレンズ210bの駆動量および駆動速度を含む第1レンズ駆動コマンドをレンズ制御部203に送信すると、レンズ駆動部212は指定された駆動速度で指定された駆動量だけフォーカシングレンズ210bを駆動させる。
【0067】
他方、第2レンズ駆動コマンドは、結像光学系210による結像面が指定した移動速度で移動するようにフォーカシングレンズ210bを駆動させるコマンドであり、パラメータとして結像面の移動量(像面移動量)および結像面の移動速度(像面移動速度)を含む。ボディ制御部103がコマンドデータ通信により像面移動量および像面移動速度を含む第2レンズ駆動コマンドをレンズ制御部203に送信すると、レンズ制御部203は指定された像面移動速度で指定された像面移動量だけ結像光学系210の結像面が移動するようにレンズ駆動部212を制御し、フォーカシングレンズ210bを駆動させる。
【0068】
図6は、レンズ位置と、当該レンズ位置において像面移動速度を一定とする場合に必要なレンズ駆動速度との対応関係を示す図であり、横軸がフォーカシングレンズ210bの位置を、縦軸がレンズ駆動速度をそれぞれ表している。図6に一例として示したレンズ鏡筒200は、至近側に近づくほどレンズ駆動量に対する像面移動量が大きくなるように構成されている。つまり、至近端ではフォーカシングレンズ210bを少し動かしただけで、結像面が大きく移動する。
【0069】
図6に示したレンズ鏡筒200は、例えば至近端から無限遠端までフォーカシングレンズ210bを一定の像面移動速度で駆動させる場合、レンズ駆動速度を少しずつ大きくしていく必要がある。ROM215には、図6に示すようなレンズ位置と像面移動量との対応関係を表す情報が予め格納されており、レンズ制御部203はこの情報を用いてフォーカシングレンズ210bを一定の像面移動速度で駆動させる制御を行う。
【0070】
ボディ制御部103は、コントラスト方式の焦点検出におけるサーチ動作を行うとき、および、瞳分割位相差方式の焦点検出におけるスキャン動作を行うとき、レンズ制御部203に対して、第2レンズ駆動コマンドを送信する。これは、コントラスト検出および位相差検出の間隔を一定にすることにより、焦点検出の精度を高めるためである。レンズ駆動速度を一定にして焦点検出を行うと、至近端や無限端の付近において像面が急激に変化してしまい、焦点検出を正しく行えない可能性がある。従って、上記の場合には、像面移動速度を一定にしてフォーカシングレンズ210bを駆動させることが望ましい。他方、例えば焦点検出処理が完了し合焦位置が判明した場合に、当該合焦位置へフォーカシングレンズ210bを駆動させる、いわゆる合焦駆動を行う際には、レンズ駆動速度を一定にする第1レンズ駆動コマンドを用いればよい。
【0071】
(静音制御モードの説明)
本実施形態のレンズ制御部203は、レンズ駆動部212の制御を、3種類の制御モード(通常制御モード、第1静音制御モード、および第2静音制御モード)に基づいて行う。レンズ制御部203に通常制御モードが設定されている場合、レンズ制御部203はフォーカシングレンズ210bの駆動速度を制限せずにレンズ駆動部212を制御する。他方、レンズ制御部203に第1静音制御モードまたは第2静音制御モードが設定されている場合、レンズ制御部203はフォーカシングレンズ210bの駆動速度を制限する。
【0072】
より具体的に述べると、レンズ制御部203に第1静音制御モードが設定されている場合、フォーカシングレンズ210bの駆動速度が所定の最大駆動速度を上回らないようにレンズ駆動部212を制御する。また、レンズ制御部203に第2静音制御モードが設定されている場合、上記の最大駆動速度の制限に加えて更に、フォーカシングレンズ210bの駆動速度が所定の最小駆動速度を下回らないようにレンズ駆動部212を制御する。レンズ制御部203は、レンズ駆動部212の制御中に、レンズ速度検出部214により検出されたフォーカシングレンズ210bの駆動速度を監視し、検出された駆動速度を上記の最大駆動速度や最小駆動速度と比較することにより、フォーカシングレンズ210bの駆動速度を制限する。
【0073】
例えば、レンズ制御部203に第1静音制御モードが設定されているときに、最大駆動速度を上回るレンズ駆動速度を指定した第1レンズ駆動コマンドが送信されてきた場合、レンズ制御部203は指定された駆動速度ではなく、上記の最大駆動速度でフォーカシングレンズ210bを駆動させる。
【0074】
本実施形態では、静音制御モードにおけるフォーカシングレンズ210bの最大駆動速度および最小駆動速度は、レンズ駆動部212がフォーカシングレンズ210bを駆動する際に発する駆動音に基づいて決定されている。例えば、駆動音が所定の音量(例えば50デシベル)を上回らない最大の駆動速度を、第1静音制御モードおよび第2静音制御モードにおける最大駆動速度とする。同様に、駆動音が当該所定の音量を上回らない最小の駆動速度を、第2静音制御モードにおける最小駆動速度とする。
【0075】
ボディ制御部103は、カメラボディ100に動画撮影モードが設定されると、コマンドデータ通信によりレンズ制御部203に第2静音制御モードコマンドを送信し、レンズ制御部203を第2静音制御モードに移行させる。他方、カメラボディ100に静止画撮影モードが設定されると、レンズ制御部203に通常制御モードコマンドを送信し、レンズ制御部203を通常制御モードに移行させる。
【0076】
従って、基本的に動画撮影時にはレンズ制御部203は第2静音制御モードである。ただし、ボディ制御部103がいわゆるコントラスト方式の焦点検出処理を行う場合、ボディ制御部103はレンズ制御部203に第1静音制御モードコマンドを送信し、レンズ制御部203を第1静音制御モードに移行させる。つまり、ボディ制御部103はコントラスト方式の焦点検出処理を第1静音制御モードが設定された状態で実行する。これは以下のような理由からである。
【0077】
一般的にコントラスト方式の焦点検出処理では、焦点評価値(コントラスト値)を取得する間隔が合焦精度に影響を及ぼす。例えば絞り値がF2.8に設定されている場合、焦点評価値の取得間隔は像面移動量換算で200マイクロメートル以下にしなければならない。これは、焦点評価値を取得する際の撮像素子104のフレームレートが60fps、つまり撮像素子104の画素出力が毎秒60回行われ、その都度焦点評価値が演算されるとすれば、フォーカシングレンズ210bの駆動速度を200マイクロメートル×60=12ミリメートル毎秒以下にしなければならない(さもなくば合焦精度が低下する)、ということを意味する。ところが、レンズ鏡筒200の最小駆動速度が像面移動量換算で12ミリメートル毎秒より大きい速度だった場合、この最小駆動速度でフォーカシングレンズ210bを駆動すると、合焦精度が低下してしまうこととなる。従って、コントラスト方式の焦点検出処理を実行する場合、そのサーチ動作において、フォーカシングレンズ210bの駆動速度を最小駆動速度で制限しないことが望ましい。
【0078】
なお、一般に動画撮影時の画像サイズは静止画のそれよりも小さく、静止画ほどの合焦精度は求められないことが多い。従って、動画撮影時の画像サイズとそれに求められる合焦精度から、コントラスト方式の焦点検出処理を実行する場合であっても第2静音制御モードを用いるようにしてもよい。例えば1920×1080の画像サイズで動画撮影を行う場合には第2静音制御モードを用いて、より小さい1280×720等の画像サイズで動画撮影を行う場合には第1静音制御モードを用いるようにしてもよい。
【0079】
他方、いわゆる瞳分割位相差検出方式の焦点検出処理は、焦点検出範囲が像面移動量換算で数ミリメートル程度あるので、コントラスト方式ほどフォーカシングレンズ210bの駆動速度に敏感ではない。そこで、本実施形態では、瞳分割位相差検出方式の焦点検出処理を実行する場合には第2静音制御モードを用いて、できるだけ駆動音が発生しないようにフォーカシングレンズ210bを駆動させる。もちろん、上述の最小駆動速度が像面移動量換算で速すぎるため、瞳分割位相差検出方式の焦点検出処理でもその性能が低下してしまうことが予想される場合には、第1静音制御モードを用いるようにしてもよい。
【0080】
なお、静止画撮影モードの場合にも、ユーザ操作等により、通常制御モード以外の各モードが設定されるようにしてよい。例えばカメラボディ100に静音撮影モード等のモードを設け、静音撮影モードが設定されていると静止画撮影モードにおいても第1静音制御モードや第2静音制御モードが設定されるようにすることが可能である。
【0081】
レンズ制御部203に上述の第1静音制御モードまたは第2静音制御モードが設定されている場合、上述の第2レンズ駆動コマンドに応じたレンズ駆動部212の制御を正しく行えない可能性がある。例えば、図6に示した範囲R1の中にフォーカシングレンズ210bが位置している場合、図6に対応する像面移動速度でフォーカシングレンズ210bを駆動するためには、破線で示した最大駆動速度を超える速度でフォーカシングレンズ210bを駆動させる必要がある。本実施形態のレンズ制御部203は、像面移動速度に対するカメラボディ100からの要求と、第1静音制御モードおよび第2静音制御モードにおける最大駆動速度の制限とが競合する場合、図7に示すように、最大駆動速度の制限を優先してレンズ駆動部212を制御する。換言すれば、図6に示した範囲R1において、図6に対応する像面移動速度でフォーカシングレンズ210bを駆動させる場合、図6に破線で示した最大駆動速度でフォーカシングレンズ210bを駆動させる。つまり、レンズ制御部203は、図6の範囲R1内では、カメラボディ100から要求された(第2レンズ駆動コマンドに含まれる)像面移動速度とは異なる速度(可能な限り大きな像面移動速度)で結像光学系210の結像面を移動させる。
【0082】
同様に、レンズ制御部203に上述の第2静音制御モードが設定されている場合、図8に示すように、像面移動速度に対するカメラボディ100からの要求と、第2静音制御モードにおける最小駆動速度の制限とが競合する場合、最小駆動速度の制限を優先してレンズ駆動部212を制御する。つまり第2静音制御モードでは、図8に示すように、最小駆動速度を下回らなければ指定された像面移動速度を実現できない範囲R2内では、カメラボディ100から要求された(第2レンズ駆動コマンドに含まれる)像面移動速度とは異なる速度(可能な限り小さな像面移動速度)で結像光学系210の結像面を移動させる。また、最大駆動速度を上回らなければ指定された像面移動速度を実現できない範囲R1内では、カメラボディ100から要求された(第2レンズ駆動コマンドに含まれる)像面移動速度とは異なる速度(可能な限り大きな像面移動速度)で結像光学系210の結像面を移動させる。
【0083】
なお、本実施形態のレンズ制御部203は、カメラボディ100との初期通信において、カメラボディ100(ボディ制御部103)に対して上記の最大駆動速度および最小駆動速度を通知する。ここで初期通信とは、カメラボディ100にレンズ鏡筒200が装着された状態で、カメラボディ100が電源オフ状態から電源オン状態になった場合や、カメラボディ100が電源オン状態のときにレンズ鏡筒200が装着された場合などにコマンドデータ通信により実行される、カメラボディ100とレンズ鏡筒200とが互いの情報を交換するための通信である。初期通信では、例えばレンズ鏡筒200から結像光学系210の光学特性を表す情報等が送信されるが、それらの情報と共に上記の最大駆動速度および最小駆動速度が送信される。
【0084】
ボディ制御部103は初期通信により第1静音制御モードおよび第2静音制御モードにおける最大駆動速度および最小駆動速度を知ることができるので、通常、各静音制御モードにおいて第2レンズ駆動コマンドを送信する際には、この最大駆動速度を超える駆動速度(第2静音制御モードの場合には更に最小駆動速度を下回る駆動速度)が指定されることはない。しかしながら、電気的なノイズ等によりレンズ側第1通信部217が駆動速度を正しく受信することができず、結果として、レンズ制御部203が最大駆動速度や最小駆動速度による制限を守らない駆動速度が指定されたものと判断してしまう、という可能性は残る。本実施形態のレンズ制御部203は、第1静音制御モードまたは第2静音制御モードが設定されている場合、第2レンズ駆動コマンドにより指定された駆動速度についても念のため最大駆動速度を超えているか否かを判断し、超えていた場合には指定された駆動速度ではなく最大駆動速度でフォーカシングレンズ210bが駆動されるようにレンズ駆動部212を制御する。同様に、第2静音制御モードが設定されている場合には、第2レンズ駆動コマンドにより指定された駆動速度についても念のため最小駆動速度を下回っているか否かを判断し、下回っていた場合には指定された駆動速度ではなく最小駆動速度でフォーカシングレンズ210bが駆動されるようにレンズ駆動部212を制御する。従って、各静音制御モード設定時の動作が確実なものとなる。
【0085】
上述した第1の実施の形態によるカメラシステムによれば、次の作用効果が得られる。(1)レンズ制御部203は、第1静音制御モードと第2静音制御モードとを有し、設定されている制御モードに応じた駆動制御をレンズ駆動部212に対して行いフォーカシングレンズ210bを駆動させる。レンズ側第1通信部217は、カメラボディ100から、フォーカシングレンズ210bを所定の駆動速度で駆動するように指令する第1レンズ駆動コマンドと、第1静音制御モードコマンドと、第2静音制御モードコマンドとを受信する。レンズ制御部203は、第1レンズ駆動コマンドにより指定された駆動速度が所定の最大駆動速度を超えるか否かを判定すると共に、第2静音制御モードが設定されている場合には更に、指定された駆動速度が所定の最小駆動速度を下回るか否かを判定する。レンズ制御部203は、指定された駆動速度が所定の最大駆動速度を超えると判定した場合には、フォーカシングレンズ210bが所定の最大駆動速度で駆動されるようにレンズ駆動部212を制御し、指定された駆動速度が所定の最小駆動速度を下回ると判定した場合には、フォーカシングレンズ210bが所定の最小駆動速度で駆動されるようにレンズ駆動部212を制御する。このようにしたので、カメラ本体が静音となる駆動速度を直接指定する必要なく好適にフォーカシングレンズを駆動することができる。また、通信エラー等により最大駆動速度より大きな駆動速度(最小駆動速度より小さな駆動速度)を指定する第1レンズ駆動コマンドが受信された場合であっても、静音を考慮した駆動速度でフォーカシングレンズ210bを駆動することができる。
【0086】
(2)レンズ制御部203は通常制御モードを有しており、通常制御モードが設定されている場合には、第1レンズ駆動コマンドにより指定された駆動速度が所定の最大駆動速度を超えるか否かを判定しない。このようにしたので、特に静音駆動する必要がない静止画撮影モード等において、迅速な焦点調節が可能となり、使い勝手が向上する。
【0087】
(3)レンズ側第1通信部217は、ボディ制御部103がコントラスト方式の焦点検出におけるサーチ動作を行うときに第1静音制御モードを設定する第1静音制御モードコマンドを受信し、ボディ制御部103が瞳分割位相差方式の焦点検出におけるスキャン動作を行うときに第2静音制御モードを設定する第2静音制御モードコマンドを受信する。このようにしたので、カメラボディ100が状況に応じて最適なフォーカシングレンズ210bの駆動方法を切り替えることができ、レンズ鏡筒の使い勝手が向上する。
【0088】
(4)初期通信の際、レンズ制御部203からボディ制御部103に、第2静音制御モードにおける最大駆動速度および最小駆動速度が送信される。このようにしたので、第1レンズ駆動コマンドを用いる際、適切な駆動速度を指定することが可能となる。
【0089】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係るカメラシステムは、第1の実施の形態に係るカメラシステムと同様の構成を備えるが、2つの方式の焦点検出処理を一定条件下で併用する、いわゆるハイブリッドAF機能を有する。以下、この点について詳述する。なお、第1の実施の形態に係るデジタルカメラと同様の箇所については同一の符号を付し説明を省略する。
【0090】
図9は、測距エリアの配置例を示す図である。図9(a)において、9つの位相差AFエリア10a〜10i(以下、総称する場合、単に符号10で示す。)が設けられている。各エリア10a〜10iと重複して破線で示す四角形状の領域20は、位相差AF用の一対のラインセンサの1次像面上の像を表している。通常、位相差AF使用時は、これら測距エリアの少なくとも一つを用いて、焦点検出を行う。たとえば、全ての測距エリアのデフォーカス量に基づいて、最もカメラシステム1に対して近距離に相当するデフォーカス量を採用し、焦点検出を行う。この場合、各測距エリアのデフォーカス量を使用しつつ、近距離側のデフォーカス量に大きな重み付けをするなど種々の方式が採用できる。太線で示す枠30は、コントラストAF使用時の測距エリアである。ユーザは不図示の操作部材(例えば上下左右の各キー)により、コントラストAFエリア30を手動で任意の位置に変えることが可能である。
【0091】
本実施形態のボディ制御部103は、図9(a)に示すように、撮影画面を各位相差AFエリア10を中心とした複数のブロックに分割し、コントラストAFエリア30を設定した際にこのコントラストAFエリア30が属するブロック内に位相差AFエリア10が存在する場合に、位相差AFエリア10とコントラストAFエリア30とが互いに近接していると判定する。図9(a)の例では、コントラストAFエリア30を設定したブロック内に位相差AFエリア10eが存在しているのでレンズ制御部203は位相差AFエリア10eとコントラストAFエリア30とが互いに近接していると判定する。他方、図9(b)に示すように、コントラストAFエリア30を設定したブロック内に位相差AFエリア10のいずれも存在しない場合は、レンズ制御部203はコントラストAFエリア30がどの位相差AFエリア10とも近接していないと判定する。
【0092】
ボディ制御部103は、コントラストAFエリア30がいずれかの位相差AFエリア10と近接していると判定した場合には、当該位相差AFエリア10を用いた位相差AFと、コントラストAFエリア30を用いたコントラストAFとを組み合わせたハイブリッドAF処理を実行する。例えば、位相差AFによりデフォーカス量を算出後、レンズ駆動方向のみを決めてコントラストAFを実行する。あるいは、位相差AFでデフォーカス量を算出し、フォーカシングレンズ210bを合焦位置の近傍まで駆動した後にコントラストAFを行い、コントラスト値が最大となる位置にフォーカシングレンズ210bを駆動させる。つまり、位相差AFにより駆動方向を決定する、あるいは、大まかなフォーカシングレンズ210bの駆動を行い、コントラストAFで精密に焦点調節を行う。他方、コントラストAFエリア30がどの位相差AFエリア10とも近接していないと判定した場合には、第1の実施の形態と同様に、コントラスト方式の焦点検出処理を実行する。なお、コントラストAFエリア30が複数のブロックに跨るように設定された場合は、コントラストAFエリア30が最も多く属しているブロックを採用すればよい。
【0093】
ボディ制御部103は、上述のようにしてどの方式の焦点検出処理を実行するか決めた後、レンズ制御部203にどの制御モードを設定するかを決定する。コントラスト方式の焦点検出処理を実行することにした場合、第1の実施の形態と同様に、レンズ制御部203に第1静音制御モードを設定する。他方、ハイブリッドAF処理を実行することにした場合には、レンズ制御部203に第2静音制御モードを設定する。これは、ハイブリッドAF処理においてまず位相差AFを行い、その後にコントラストAFを実行するためである。なお、ハイブリッドAF処理において、まずコントラストAFを実行し、次に位相差AFを実行する場合には、レンズ制御部203に第1静音制御モードを設定するようにしてもよい。
【0094】
上述した第2の実施の形態によるカメラシステムによれば、次の作用効果が得られる。(1)レンズ側第1通信部217は、カメラボディ100がコントラスト方式の焦点検出におけるサーチ動作を行うときに第1静音制御モードを設定する第1静音制御モードコマンドを受信し、カメラボディ100がコントラスト方式の焦点検出と瞳分割位相差方式の焦点検出とを組み合わせたハイブリッド方式の焦点検出を行うときに第2静音制御モードを設定する第2静音制御モードコマンドを受信する。このようにしたので、迅速かつ精度の高い焦点検出を、小さな駆動音で行うことが可能となる。
【0095】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0096】
(変形例1)
上述した第1の実施の形態では、必要な駆動速度(または指定された駆動速度)が最大駆動速度を上回っていた場合、当該駆動速度の代わりに最大駆動速度でフォーカシングレンズ210bが駆動されるよう制御を行っていた。このとき、最大駆動速度の代わりに、最大駆動速度以下のどのような駆動速度を用いてもよい。また、最小駆動速度についても同様である。つまり、必要な駆動速度(または指定された駆動速度)が最小駆動速度を下回っていた場合、当該駆動速度の代わりに、最小駆動速度以上のどのような駆動速度でフォーカシングレンズ210bが駆動されるようにしてもよい。
【0097】
(変形例2)
ボディ制御部103は、上述した各実施の形態において例示したものとは異なるタイミングにおいて、レンズ制御部203に各制御モードを設定するようにしてもよい。例えば、表示装置111にライブビュー表示を行うときに、第1静音制御モードを設定する第1静音制御モードコマンドを送信するようにしてもよい。
【0098】
(変形例3)
本発明は、レンズ交換可能なカメラシステムで用いられるレンズ鏡筒であれば、上述した各実施の形態に限定されず、どのようなものに対しても適用することができる。例えば、クイックリターンミラーを有する、いわゆる一眼レフレックス方式のカメラシステムに対しても本発明を適用することが可能である。
【0099】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1…カメラ、100…カメラボディ、101…ボディ側マウント部、102、202…保持部、103…ボディ制御部、117…ボディ側第1通信部、118…ボディ側第2通信部、200…レンズ鏡筒、201…レンズ側マウント部、203…レンズ制御部、210…結像光学系、210b…フォーカシングレンズ、212…レンズ駆動部、214…レンズ速度検出部、215…ROM、217…レンズ側第1通信部、218…レンズ側第2通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラボディが取り付け可能な取付部と、
フォーカシングレンズを有する結像光学系と、
前記フォーカシングレンズを駆動する駆動部と、
上限制御モードと上下限制御モードとを少なくとも含む複数の制御モードを有し、設定されている前記制御モードに応じた駆動制御を前記駆動部に対して行い前記フォーカシングレンズを駆動させる制御部と、
前記カメラボディから、前記フォーカシングレンズを所定の駆動速度で駆動するように指令する駆動信号と、前記制御部に前記複数の制御モードのいずれかを設定する制御モード設定信号とを受信する受信部と、
前記所定の駆動速度が所定の上限速度を超えるか否かを判定する上限判定部と、
前記制御部に前記上下限制御モードが設定されている場合に、前記所定の駆動速度が所定の下限速度を下回るか否かを判定する下限判定部とを備え、
前記制御部は、前記上限判定部により前記フォーカシングレンズの駆動速度が前記所定の上限速度を超えると判定された場合には、前記フォーカシングレンズが前記所定の上限速度以下の第1駆動速度で駆動されるように前記駆動部を制御し、前記下限判定部により前記フォーカシングレンズの駆動速度が前記所定の下限速度を下回ると判定された場合には、前記フォーカシングレンズが前記所定の下限速度以上の第2駆動速度で駆動されるように前記駆動部を制御することを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項2】
請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
前記制御部が有する前記複数の制御モードには、無制限制御モードが含まれ、
前記上限判定部は、前記制御部に前記無制限制御モードが設定されている場合には、前記所定の駆動速度が所定の上限速度を上回るか否かを判定しないことを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレンズ鏡筒において、
前記受信部は、前記カメラボディがコントラスト方式の焦点検出におけるサーチ動作を行うときに前記上限制御モードを設定する前記制御モード設定信号を受信し、前記カメラボディがコントラスト方式の焦点検出と瞳分割位相差方式の焦点検出とを組み合わせたハイブリッド方式の焦点検出を行うときに前記上下限制御モードを設定する前記制御モード設定信号を受信することを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項4】
請求項1または2に記載のレンズ鏡筒において、
前記受信部は、前記カメラボディがコントラスト方式の焦点検出におけるサーチ動作を行うときに前記上限制御モードを設定する前記制御モード設定信号を受信し、前記カメラボディが瞳分割位相差方式の焦点検出におけるスキャン動作を行うときに前記上下限制御モードを設定する前記制御モード設定信号を受信することを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒において、
前記受信部は、前記カメラボディがライブビュー表示を行うときに前記上限制御モードを設定する前記制御モード設定信号を受信することを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒において、
前記第1駆動速度は、前記所定の上限速度と略同一であることを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒において、
前記第2駆動速度は、前記所定の下限速度と略同一であることを特徴とするレンズ鏡筒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−57746(P2013−57746A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195137(P2011−195137)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】