説明

レーザー加工装置

【課題】被加工物を加工送りしつつ被加工物の厚み方向にパルスレーザー光線を複数ショット照射することができるレーザー加工装置を提供する。
【解決手段】レーザー光線照射手段と、加工送り手段と、位置検出手段からの検出信号に基づいてレーザー光線照射手段および加工送り手段を制御する制御手段とを具備するレーザー加工装置であって、レーザー光線照射手段は、パルスレーザー光線発振手段と、集光レンズを備えた集光器をZ軸方向と所定角度(α)をもって変位せしめるピエゾモータを備えており、パルスレーザー光線の繰り返し周波数に対してピエゾモータに印加する高周波電流の周波数と電圧を制御し、チャックテーブルを加工送りする際に、集光器をX軸方向にΔx移動するとともにZ軸方向にΔz移動することにより、集光レンズによって集光されるパルスレーザー光線の集光点をチャックテーブルに保持された被加工物の所定領域の厚み方向に変位せしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工送り方向に移動するチャックテーブルに保持された被加工物に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射し、被加工物の内部に改質層を形成するレーザー加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所謂インクジェットヘッドを構成するインクを吐出するための複数のノズルが形成されたノズル基板に連結されるシリコンリザーバ基板には、ノズルに連通する複数の貫通孔が形成される。シリコンリザーバ基板に複数の貫通孔を形成するには、シリコンリザーバ基板の表面に貫通孔が形成される領域に開口部が形成されたエッチングマスクを被覆し、シリコンリザーバ基板に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線をエッチングマスクの開口部を通して照射することによりシリコンリザーバ基板の内部に改質層を形成し、その後エッチングマスクの開口部を通してエッチング液を供給することにより、エッチング液を改質層に沿ってシリコンリザーバ基板に浸透させて内径が5〜15μmの適正な貫通孔を形成する。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−221527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
而して、パルスレーザー光線の1ショットで形成される改質層の深さは20〜30μm程度であり、シリコンリザーバ基板の厚みが例えば200μmの場合には、シリコンリザーバ基板の表面から裏面に至る改質層を形成するためにパルスレーザー光線を10ショット以上照射する必要があるため、被加工物であるシリコンリザーバ基板をパルスレーザー光線照射位置にその都度停止して間歇的にレーザー加工を実施しなければならず、生産性が悪いという問題がある。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、被加工物を加工送りしつつ被加工物の厚み方向にパルスレーザー光線を複数ショット照射することができるレーザー加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記主たる技術的課題を解決するために、本発明によれば、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、該チャックテーブルと該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送り方向(X軸方向)に加工送りする加工送り手段と、該加工送り手段による該チャックテーブル移動位置を検出するX軸方向位置検出手段と、該X軸方向位置検出手段からの検出信号に基づいて該レーザー光線照射手段を制御する制御手段と、を具備するレーザー加工装置において、
該レーザー光線照射手段は、パルスレーザー光線発振手段と、該パルスレーザー光線発振手段が発振するパルスレーザー光線を集光して該チャックテーブルに保持された被加工物に照射する集光レンズを備えた集光器と、該集光器を光軸方向(Z軸方向)と所定角度(α)をもって変位せしめるピエゾモータを備えており、
該制御手段は、パルスレーザー光線の繰り返し周波数に対して該ピエゾモータに印加する高周波電流の周波数と電圧を制御し、チャックテーブルをX軸方向に加工送りする際に、該集光器をX軸方向にΔx移動するとともにZ軸方向にΔz移動することにより、該集光レンズによって集光されるパルスレーザー光線の集光点を該チャックテーブルに保持された被加工物の所定領域の厚み方向に変位せしめる、
ことを特徴とするレーザー加工装置が提供される。
【0007】
上記パルスレーザー光線発振手段によって発振されるパルスレーザー光線の繰り返し周波数をFヘルツとし、上記ピエゾモータに印加する高周波電流の周波数をHヘルツとし、ピエゾモータに印加する電圧によって生ずるピエゾモータの振幅をJμmとし、上記加工送り手段による上記チャックテーブルの移動速度をVμm/秒とし、パルスレーザー光線の1ショットで形成される改質層の厚みをhμmとした場合、
(2×J×H)×sinα=V を満たし、ΔxはV/Fとなり、
(2×J×H×1/F)×cosα≦h を満たし、Δzは(2×J×H×1/F)×cosαとなる。
また、上記ピエゾモータの振幅周期における集光器の下方位置から上方位置に変位する期間に2ショット以上のnショットのパルスレーザー光線を照射する場合、H≦F/2nに設定される。
更に、被加工物における加工すべき領域の間隔をAとした場合、H=V/Aに設定される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によるレーザー加工装置おいては、パルスレーザー光線発振手段によって発振されるパルスレーザー光線の繰り返し周波数に対して、集光器をX軸方向および集光レンズの光軸方向(Z軸方向)と所定角度(α)をもって変位せしめるピエゾモータに印加する高周波電流の周波数と電圧を制御し、チャックテーブルをX軸方向に加工送りする際に、集光器の集光レンズをX軸方向にΔx移動するとともにZ軸方向にΔz移動することにより、集光レンズによって集光されるパルスレーザー光線の集光点をチャックテーブルに保持された被加工物の所定領域の厚み方向に変位せしめるので、被加工物に設定された加工領域に厚み方向に複数の変質層を形成することができる。従って、被加工物に設定された加工領域に効率よく改質層を積層することができ、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図。
【図2】図1に示すレーザー加工装置に装備されるレーザー光線照射手段の構成ブロック図。
【図3】図2に示すレーザー光線照射手段を構成するピエゾモータに印加する高周波電流によって変位する集光器の変位量を示す説明図。
【図4】図3に示す集光器の変位に基づいてチャックテーブルに保持された被加工物に照射されるパルスレーザー光線のショット間の間隔を示す説明図。
【図5】図1に示すレーザー加工装置に装備される制御手段の構成ブロック図。
【図6】被加工物としてのシリコンリザーバ基板の平面図。
【図7】図4に示すシリコンリザーバ基板の一部を拡大して示す平面図。
【図8】図4に示すシリコンリザーバ基板を環状のフレームに装着された保護テープの表面に貼着した状態を示す斜視図および要部を拡大して示す断面図。
【図9】図4に示すシリコンリザーバ基板が図1に示すレーザー加工装置のチャックテーブルの所定位置に保持された状態における座標との関係を示す説明図。
【図10】図1に示すレーザー加工装置によって図4に示すシリコンリザーバ基板に実施する改質層形成工程の説明図。
【図11】図2に示すレーザー光線照射手段を構成するピエゾモータの振幅周期とパルスレーザー光線のショットとの関係を示す説明図。
【図12】図8に示す改質層形成工程が実施されたシリコンリザーバ基板の要部を拡大して示す断面図。
【図13】図2に示すレーザー光線照射手段を構成するピエゾモータの振幅周期とパルスレーザー光線のショットとの関係を示す他の実施形態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に従って構成されたレーザー加工装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0011】
図1には、本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図が示されている。図1に示すレーザー加工装置は、静止基台2と、該静止基台2に矢印Xで示す加工送り方向(X軸方向)に移動可能に配設され被加工物を保持するチャックテーブル機構3と、静止基台2に上記X軸方向と直交する矢印Yで示す割り出し送り方向(Y軸方向)に移動可能に配設されたレーザー光線照射ユニット支持機構4と、該レーザー光線照射ユニット支持機構4に矢印Zで示す集光点位置調整方向(Z軸方向)に移動可能に配設されたレーザー光線照射ユニット5とを具備している。
【0012】
上記チャックテーブル機構3は、静止基台2上に矢印Xで示す加工送り方向(X軸方向)に沿って平行に配設された一対の案内レール31、31と、該一対の案内レール31、31上にX軸方向に移動可能に配設された第1の滑動ブロック32と、該第1の滑動ブロック32上に矢印Yで示す割り出し送り方向(Y軸方向)に移動可能に配設された第2の滑動ブロック33と、該第2の滑動ブロック33上に円筒部材34によって支持されたカバーテーブル35と、被加工物保持手段としてのチャックテーブル36を具備している。このチャックテーブル36は多孔性材料から形成された吸着チャック361を具備しており、吸着チャック361の上面(保持面)に被加工物である例えば円盤状の半導体ウエーハを図示しない吸引手段によって保持するようになっている。このように構成されたチャックテーブル36は、円筒部材34内に配設された図示しないパルスモータによって回転せしめられる。なお、チャックテーブル36には、後述する環状のフレームを固定するためのクランプ362が配設されている。
【0013】
上記第1の滑動ブロック32は、その下面に上記一対の案内レール31、31と嵌合する一対の被案内溝321、321が設けられているとともに、その上面にY軸方向に沿って平行に形成された一対の案内レール322、322が設けられている。このように構成された第1の滑動ブロック32は、被案内溝321、321が一対の案内レール31、31に嵌合することにより、一対の案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第1の滑動ブロック32を一対の案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動させるための加工送り手段37を具備している。加工送り手段37は、上記一対の案内レール31と31の間に平行に配設された雄ネジロット371と、該雄ネジロット371を回転駆動するためのパルスモータ372等の駆動源を含んでいる。雄ネジロット371は、その一端が上記静止基台2に固定された軸受ブロック373に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ372の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロット371は、第1の滑動ブロック32の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ372によって雄ネジロット371を正転および逆転駆動することにより、第1の滑動ブロック32は案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動せしめられる。
【0014】
上記第2の滑動ブロック33は、その下面に上記第1の滑動ブロック32の上面に設けられた一対の案内レール322、322と嵌合する一対の被案内溝331、331が設けられており、この被案内溝331、331を一対の案内レール322、322に嵌合することにより、矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第2の滑動ブロック33を第1の滑動ブロック32に設けられた一対の案内レール322、322に沿ってY軸方向に移動させるための第1の割り出し送り手段38を具備している。第1の割り出し送り手段38は、上記一対の案内レール322と322の間に平行に配設された雄ネジロット381と、該雄ネジロット381を回転駆動するためのパルスモータ382等の駆動源を含んでいる。雄ネジロット381は、その一端が上記第1の滑動ブロック32の上面に固定された軸受ブロック383に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ382の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロット381は、第2の滑動ブロック33の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ382によって雄ネジロット381を正転および逆転駆動することにより、第2の滑動ブロック33は案内レール322、322に沿ってY軸方向に移動せしめられる。
【0015】
上記レーザー光線照射ユニット支持機構4は、静止基台2上に矢印Yで示す割り出し送り方向に沿って平行に配設された一対の案内レール41、41と、該案内レール41、41上にY軸方向に移動可能に配設された可動支持基台42を具備している。この可動支持基台42は、案内レール41、41上に移動可能に配設された移動支持部421と、該移動支持部421に取り付けられた装着部422とからなっている。装着部422は、一方の側面にZ軸方向に延びる一対の案内レール423、423が平行に設けられている。図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット支持機構4は、可動支持基台42を一対の案内レール41、41に沿ってY軸方向に移動させるための第2の割り出し送り手段43を具備している。第2の割り出し送り手段43は、上記一対の案内レール41、41の間に平行に配設された雄ネジロット431と、該雄ネジロット431を回転駆動するためのパルスモータ432等の駆動源を含んでいる。雄ネジロット431は、その一端が上記静止基台2に固定された図示しない軸受ブロックに回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ432の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロット431は、可動支持基台42を構成する移動支持部421の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された雌ネジ穴に螺合されている。このため、パルスモータ432によって雄ネジロット431を正転および逆転駆動することにより、可動支持基台42は案内レール41、41に沿ってY軸方向に移動せしめられる。
【0016】
図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット5は、ユニットホルダ51と、該ユニットホルダ51に取り付けられたレーザー光線照射手段6を具備している。ユニットホルダ51は、上記装着部422に設けられた一対の案内レール423、423に摺動可能に嵌合する一対の被案内溝511、511が設けられており、この被案内溝511、511を上記案内レール423、423に嵌合することにより、Z軸方向に移動可能に支持される。
【0017】
図示のレーザー光線照射ユニット5は、ユニットホルダ51を一対の案内レール423、423に沿ってZ軸方向に移動させるための集光点位置調整手段53を具備している。集光点位置調整手段53は、一対の案内レール423、423の間に配設された雄ネジロット(図示せず)と、該雄ネジロットを回転駆動するためのパルスモータ532等の駆動源を含んでおり、パルスモータ532によって図示しない雄ネジロットを正転および逆転駆動することにより、ユニットホルダ51およびレーザー光線照射手段6を案内レール423、423に沿ってZ軸方向に移動せしめる。なお、図示の実施形態においてはパルスモータ532を正転駆動することによりレーザー光線照射手段6を上方に移動し、パルスモータ532を逆転駆動することによりレーザー光線照射手段6を下方に移動するようになっている。
【0018】
図示のレーザー光線照射手段6は、上記ユニットホルダ51に固定され実質上水平に延出する円筒形状のケーシング61を含んでいる。このレーザー光線照射手段6について、図2を参照して説明する。
図示のレーザー光線照射手段6は、上記ケーシング61内に配設されたパルスレーザー光線発振手段62と、該パルスレーザー光線発振手段62が発振するパルスレーザー光線をチャックテーブル36の保持面に向けて(図2において下方に向けて)方向変換する方向変換ミラー63と、該方向変換ミラー63によって方向変換されたパルスレーザー光線を集光してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射する集光器64と、該集光器64をX軸方向および集光レンズ641の光軸方向(Z軸方向)と所定角度をもって変位せしめるピエゾモータ65を具備している。
【0019】
パルスレーザー光線発振手段62は、被加工物であるウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレー光線を発振する。このパルスレーザー光線発振手段62は、被加工物Wがシリコン基板、炭化珪素基板、リチウムタンタレート基板である場合、例えば波長が1064nmであるパルスレーザー光線を発振するYVO4パルスレーザー発振器或いはYAGパルスレーザー発振器621と、これに付設された繰り返し周波数設定手段622とから構成されている。
【0020】
上記集光器64は、方向変換ミラー63によって方向変換されたパルスレーザー光線を集光する集光レンズ641を備えている。上記ピエゾモータ65は、図示の実施形態においては高周波電流を印加する電圧値に対応してZ軸方向(レーザー光線の光軸)と所定角度(α)をもって振幅するように配設された圧電素子によって構成されており、一方の面が集光器64を装着する装着部材66に固定され、他方の面が上記ケーシング61に取り付けられた支持部材67に固定されている。従って、ピエゾモータ65は、高周波電流を印加することにより、集光器64を図2において実線で示す位置と2点鎖線で示すようにZ軸方向と所定角度(α)をもって斜め下方に変位した位置との間で振幅(往復動)する。従って、図3に示すように集光器64がZ軸方向と所定角度(α)をもって変位する変位量を(a)とすると、X軸方向の変位量(Δx)は a×sinα となり、Z軸方向の変位量(Δz)は a×cosα となる。そして、図4に示すように被加工物Wに照射されるパルスレーザー光線のショット間の間隔(d)は、 a×cosα即ちΔzとなる。
【0021】
図2を参照して説明を続けると、図示の実施形態における上記レーザー光線照射手段6は、パルスレーザー光線発振手段62が発振したレーザー光線を方向変換ミラー63に導く方向と、レーザー光線吸収手段68に導く方向に偏向する音響光学偏向手段69を具備している。この音響光学偏向手段69は、後述する制御手段から例えば5Vの電圧が印加されるとパルスレーザー光線発振手段62が発振したレーザー光線の光軸を方向変換ミラー63に導き、後述する制御手段から例えば0Vの電圧が印加されるとレーザー光線吸収手段68に導くようになっている。従って、音響光学偏向手段69は、パルスレーザー光線発振手段62が発振したレーザー光線を方向変換ミラー63に導く方向と、レーザー光線吸収手段68に導く方向に偏向する光偏向手段として機能する。
【0022】
図1に戻って説明を続けると、図示の実施形態におけるレーザー加工装置は、ケーシング61の前端部に配設され上記レーザー光線照射手段6によってレーザー加工すべき加工領域を撮像する撮像手段7を備えている。この撮像手段7は、可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を後述する制御手段に送る。
【0023】
図示の実施形態におけるレーザー加工装置は、図5に示す制御手段8を具備している。制御手段8はコンピュータによって構成されており、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)81と、制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)82と、後述する制御マップや被加工物の設計値のデータや演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)83と、カウンター84と、入力インターフェース85および出力インターフェース86とを備えている。制御手段8の入力インターフェース85には、上記X軸方向位置検出手段374、Y軸方向位置検出手段384および撮像手段7等からの検出信号が入力される。そして、制御手段8の出力インターフェース86からは、上記パルスモータ372、パルスモータ382、パルスモータ432、パルスモータ532、パルスレーザー光線発振手段62、ピエゾモータ65、音響光学偏向手段69等に制御信号を出力する。なお、上記ランダムアクセスメモリ(RAM)83は、後述する被加工物としてのシリコンリザーバ基板の設計値のデータを記憶する第1の記憶領域83aや後述する加工送り開始位置座標値等を記憶する第2の記憶領域83bや他の記憶領域を備えている。
【0024】
図示の実施形態におけるレーザー加工装置は以上のように構成されており、以下その作用について説明する。
図6にはレーザー加工される被加工物としてのシリコンリザーバ基板10の平面図が示されている。図6に示すシリコンリザーバ基板10は、表面10aに格子状に配列された複数の分割予定ライン101によって複数の領域が区画され、この区画された領域にリザーバデバイス102がそれぞれ形成されている。この各リザーバデバイス102は、全て同一の構成をしている。リザーバデバイス102の表面にはそれぞれ図7に示すように複数の貫通孔形成領域103(103a〜103j)が設定されている。この貫通孔形成領域103(103a〜103j)は、例えば直径が15μmに設定されている。各リザーバデバイス102における貫通孔形成領域103(103a〜103j)のX方向(図7おいて左右方向)の間隔A、および各リザーバデバイス102における貫通孔形成領域103における分割予定ライン101を挟んでX方向(図7において左右方向)に隣接するリザーバデバイス102の貫通孔形成領域103eと貫通孔形成領域103aとの間隔Bは、図示の実施形態においては同一間隔に設定されている。また、各リザーバデバイス102における貫通孔形成領域103(103a〜103j)のY方向(図7において上下方向)の間隔C、および各リザーバデバイス102に設定された貫通孔形成領域103における分割予定ライン101を挟んでY方向(図7において上下方向)に隣接するリザーバデバイス102の貫通孔形成領域103fと貫通孔形成領域103aおよび貫通孔形成領域103jと貫通孔形成領域103eとの間隔Dは、図示の実施形態においては同一間隔に設定されている。このように構成されたシリコンリザーバ基板10について、図6に示す各行E1・・・・Enおよび各列F1・・・・Fnに配設されたリザーバデバイス102の個数と上記間隔A,B,C,DおよびX,Y座標値は、その設計値のデータが上記ランダムアクセスメモリ(RAM)83の第1記憶領域83a格納されている。
【0025】
上述したレーザー加工装置を用い、シリコンリザーバ基板10に設定された各リザーバデバイス102における貫通孔形成領域103(103a〜103j)の内部に改質層を形成するレーザー加工の実施形態について説明する。
シリコンリザーバ基板10は、図8の(a)に示すように環状のフレームFに装着されたポリオレフィン等の合成樹脂シートからなる保護テープTに裏面10bを貼着する。従って、シリコンリザーバ基板10は、表面10aが上側となる。なお、シリコンリザーバ基板10の表面10aの表面には、図8の(b)に示すように上記貫通孔形成領域103(103a〜103j)と対応する開口部111が形成されたエッチングマスク110が被覆されている。このようにして環状のフレームFに保護テープTを介して支持されたシリコンリザーバ基板10は、図1に示すレーザー加工装置のチャックテーブル36上に保護テープT側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することによりシリコンリザーバ基板10は、保護テープTを介してチャックテーブル36上に吸引保持される。従って、シリコンリザーバ基板10は、表面10aを上側にして保持される。また、環状のフレームFは、クランプ362によって固定される。
【0026】
上述したようにシリコンリザーバ基板10を吸引保持したチャックテーブル36は、加工送り手段37を作動することによって撮像手段7の直下に位置付けられる。チャックテーブル36が撮像手段7の直下に位置付けられると、チャックテーブル36上のシリコンリザーバ基板10は、図9に示す座標位置に位置付けられた状態となる。この状態で、チャックテーブル36に保持されたシリコンリザーバ基板10に形成されている格子状のストリート101がX軸方向とY軸方向に平行に配設されているか否かのアライメント作業を実施する。即ち、撮像手段7によってチャックテーブル36に保持されたシリコンリザーバ基板10を撮像し、パターンマッチング等の画像処理を実行してアライメント作業を行う。
【0027】
次に、チャックテーブル36を移動して、シリコンリザーバ基板10に形成されたリザーバデバイス102における最上位の行E1の図9において最左端のリザーバデバイス102を撮像手段7の直下に位置付ける。そして、更にリザーバデバイス102に設定された複数の貫通孔形成領域103(103a〜103j)における図9において左上の貫通孔形成領域103aを撮像手段7の直下に位置付ける。この状態で撮像手段7が貫通孔形成領域103aを検出したならばその座標値(a1)を第1の加工送り開始位置座標値として制御手段8に送る。そして、制御手段8は、この座標値(a1)を第1の加工送り開始位置座標値として第2の記憶手段83bに格納する(加工送り開始位置検出工程)。このとき、撮像手段7とレーザー光線照射手段6の集光器64はX軸方向に所定の間隔を置いて配設されているので、X座標値は上記撮像手段7と集光器64との間隔を加えた値が格納される。
【0028】
このようにして図9において最上位の行E1のリザーバデバイス102における第1の加工送り開始位置座標値(a1)を検出したならば、チャックテーブル36をリザーバデバイス102の間隔だけY軸方向に割り出し送りするとともにX軸方向に移動して、図9において最上位から2番目の行E2における最左端のリザーバデバイス102を撮像手段7の直下に位置付ける。そして、更にリザーバデバイス102に設定された貫通孔形成領域103(103a〜103j)における図9において左上の貫通孔形成領域103aを撮像手段7の直下に位置付ける。この状態で撮像手段7が貫通孔形成領域103aを検出したならばその座標値(a2)を第2の加工送り開始位置座標値として制御手段8に送る。そして、制御手段8は、この座標値(a2)を第2の加工送り開始位置座標値として第2の記憶手段83bに格納する。このとき、撮像手段7とレーザー光線照射手段6の集光器64は上述したようにX軸方向に所定の間隔を置いて配設されているので、X座標値は上記撮像手段7と集光器64との間隔を加えた値が格納される。以後、上述した割り出し送りと加工送り開始位置検出工程を図7において最下位の行Enまで繰り返し実行し、各行に形成されたリザーバデバイス102の加工送り開始位置座標値(a3〜an)を検出して、これを上記制御手段8の第2の記憶手段83bに格納する。
【0029】
次に、シリコンリザーバ基板10の各リザーバデバイス102に設定された各貫通孔形成領域103(103a〜103j)の内部に改質層を形成する改質層形成工程を実施する。改質層形成工程は、先ず加工送り手段37を作動しチャックテーブル36を移動して、上記ランダムアクセスメモリ(RAM)83の第2の記憶領域83bに格納されている第1の加工送り開始位置座標値(a1)をレーザー光線照射手段6の集光器64の直下に位置付ける。このように第1の加工送り開始位置座標値(a1)が集光器64の直下に位置付けられた状態が図10に示す状態である。図10に示す状態で制御手段8は、集光点位置調整手段53を作動して、集光器64から照射されるパルスレーザー光線の集光点Pがリザーバデバイス102の下面から所定量上側の位置になるように制御する。次に、制御手段8は、ピエゾモータ65に高周波電流を印加しパルスレーザー光線発振手段62を作動するとともにチャックテーブル36を図10において矢印X1で示す方向に所定の移動速度で加工送りするように上記加工送り手段37を制御する(改質層形成工程)。
【0030】
即ち、制御手段8は、パルスレーザー光線発振手段62が発振するパルスレーザー光線の繰り返し周波数に対して、ピエゾモータ65に印加する高周波電流の周波数と電圧を制御し、チャックテーブル36をX1軸方向に加工送りする際に、集光器64の集光レンズ641をX軸方向にΔx移動するとともにZ軸方向にΔz移動することにより、集光レンズ641によって集光されるパルスレーザー光線の集光点をチャックテーブル36に保持されたシリコンリザーバ基板10の所定領域の厚み方向に変位せしめる。
【0031】
上述した改質層形成工程においては、パルスレーザー光線発振手段62によって発振されるパルスレーザー光線の繰り返し周波数をFヘルツとし、ピエゾモータ65に印加する高周波電流の周波数をHヘルツとし、ピエゾモータ65に印加する電圧によって生ずるピエゾモータ65の振幅をJμmとし、加工送り手段37によるチャックテーブル36の加工送り速度をVμm/秒とし、パルスレーザー光線の1ショットで形成される改質層の厚みをhμmとした場合、次の条件を満足するように設定される。
即ち、ピエゾモータ65の振幅の速度は(2×J×H)であり、X軸方向の速度は(2×J×H)×sinα となることから同じ位置にパルスレーザー光線を照射するためにはチャックテーブル36の加工送り速度V と一致させる必要があり、(2×J×H)×sinα=Vの条件を満たし、パルスレーザー光線が照射され次のパルスレーザー光線が照射される時間間隔は1/F(秒)であることからΔxとV/Fとが一致しΔx=V/Fとなる。
また、ピエゾモータ65の振幅の速度におけるZ軸方向の速度は(2×J×H)×cosαであることから1/F(秒)でZ軸方向に進む距離は(2×J×H×1/F)×cosαとなり、改質層を同じ位置の上方に連続して重ねるためには改質層の厚みh以下にする必要があり、(2×J×H)×sinα≦h を満たし、Δzは(2×J×H×1/F)×cosαと一致しΔz=(2×J×H×1/F)×cosαとなる。
そして、図11に示すようにピエゾモータ65の振幅周期における集光器64の下方位置から上方位置に変位する期間Sにパルスレーザー光線(LB)を複数ショット照射する。
なお、ピエゾモータ65の振幅周期における集光器64の下方位置から上方位置に変位する期間Sに2ショット以上のnショットのパルスレーザー光線(LB)を照射する場合、パルスレーザー光線の繰り返し周波数をFヘルツに対してピエゾモータ65に印加する高周波電流の周波数Hヘルツを十分小さくする必要があり、H≦F/2nに設定される。また、シリコンリザーバ基板10の各リザーバデバイス102に設定された各貫通孔形成領域103(103a〜103j)のX方向の間隔が上述したようにAとした場合、ピエゾモータ65に印加する高周波電流の周波数Hヘルツの同期と貫通孔形成領域の送り周期とを一致させる必要があり、H=V/Aに設定される。
この結果、図12に示すようにシリコンリザーバ基板10のリザーバデバイス102に設定された貫通孔形成領域103には、厚み方向に複数の変質層120が連続して重なって形成される。なお、図12においては便宜上間隔をあけて変質層120を示している。
【0032】
改質層形成工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
レーザー光線の波長 :1064nm
繰り返し周波数 :500kHz
平均出力 :0.3W
パルス幅 :10p秒
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :300mm/秒
【0033】
上記改質層形成工程において、改質層形成工程開始時にはレーザー光線照射手段6の音響光学偏向手段69には、5Vの電圧が印加されている。従って、パルスレーザー光線発振手段62が発振したパルスレーザー光線は方向変換ミラー63に導かれるようになっている。従って、パルスレーザー光線は集光器64を通してシリコンリザーバ基板10に照射される。そして、ピエゾモータ65の振幅周期における集光器64の下方位置から上方位置に変位する期間S(図11参照)が経過したならば、制御手段8は音響光学偏向手段69に0Vを印加する。この結果、音響光学偏向手段69はパルスレーザー光線発振手段62が発振したパルスレーザー光線をレーザー光線吸収手段68に導く。次に、ピエゾモータ65の振幅周期における集光器64の下方位置に達したら音響光学偏向手段6に5Vの電圧を印加し、ピエゾモータ65の振幅周期における集光器64の下方位置から上方位置に変位する期間Sの間継続する。このようにピエゾモータ65の振幅周期における集光器64の下方位置から上方位置に変位する期間Sに音響光学偏向手段69に5Vの電圧を印加する制御と、該期間S以外に音響光学偏向手段69に0Vの電圧を印加する制御とを繰り返し実施し、リザーバデバイス102に設定された貫通孔形成領域103jに対して上述したパルスレーザー光線の照射を実施したならば、音響光学偏向手段69に0Vの電圧を印加してパルスレーザー光線発振手段62が発振したパルスレーザー光線をレーザー光線吸収手段68に導く。そして、シリコンリザーバ基板10の各リザーバデバイス102に設定された貫通孔形成領域103(103a〜103j)に対して上述したように音響光学偏向手段69に5Vの電圧を印加する制御と、該期間S以外に音響光学偏向手段69に0Vの電圧を印加する制御とを繰り返し実施する。以後、同様の制御をシリコンリザーバ基板10に形成された図6において最右端のリザーバデバイス102に設定された貫通孔形成領域103(103a〜103j)に対して実施する。
【0034】
上記改質層形成工程においては、パルスレーザー光線の繰り返し周波数に対してピエゾモータ65に印加する高周波電流の周波数と電圧を制御し、チャックテーブル36をX軸方向に加工送りする際に、集光器64の集光レンズ641をX軸方向にΔx移動するとともにZ軸方向にΔz移動することにより、集光レンズ641によって集光されるパルスレーザー光線の集光点をチャックテーブル36に保持されたシリコンリザーバ基板10の所定領域の厚み方向に変位せしめるので、図12に示すようにシリコンリザーバ基板10のリザーバデバイス102に設定された貫通孔形成領域103に厚み方向に複数の変質層120を形成することができる。従って、シリコンリザーバ基板10のリザーバデバイス102に設定された貫通孔形成領域103に効率よく改質層を積層することができ、生産性が向上する。
【0035】
次に、上述した改質層形成工程において、パルスレーザー光線発振手段62によって発振されるパルスレーザー光線の繰り返し周波数をFヘルツとし、ピエゾモータ65に印加する高周波電流の周波数をHヘルツとし、ピエゾモータ65に印加する電圧によって生ずるピエゾモータ65の振幅をJμmとし、加工送り手段37によるチャックテーブル36の移動速度をVμm/秒とし、レーザー光線の1ショットで形成される改質層の厚みをhμmとした場合の条件の他の実施形態について説明する。
この実施形態においては、図13の(a)および(b)に示すようにピエゾモータ65の振幅周期における集光器64の下方位置から上方位置に変位する期間Sに位相を僅かにずらせてパルスレーザー光線(LB)を1ショット照射するように制御する。このように制御するには、ピエゾモータ65の振幅周期における集光器64の下方位置から上方位置に変位する期間Sに2ショット以上のnショットのパルスレーザー光線を照射する場合、次の条件を満足するように設定される。
即ち、FとHは(360度/2n)を超えない範囲で位相がずれていて、ピエゾモータ65が配設されている側からシリコンリザーバ基板10を保持したチャックテーブルを移動する際即ちX1で示す方向にチャックテーブルを移動する際(図13の(a)の状態)には、F=Hを除きF/(1+1/2n)≦Hを満たし、ピエゾモータ65が配設されている反対側からシリコンリザーバ基板10を保持したチャックテーブルを移動する際即ちX2で示す方向にチャックテーブルを移動する際(図13の(b)の状態)には、H≦F/(1−1/2n)を満たすように制御する。
【0036】
以上のようにして、リザーバデバイス102に設定された貫通孔形成領域103の内部に改質層が形成されたシリコンリザーバ基板10は、貫通孔形成領域103をエッチングして貫通孔を形成するエッチング工程に搬送される。
【符号の説明】
【0037】
2:静止基台
3:チャックテーブル機構
36:チャックテーブル
37:加工送り手段
38:第1の割り出し送り手段
4:レーザー光線照射ユニット支持機構
43:第2の割り出し送り手段
5:レーザー光線照射ユニット
53:集光点位置調整手段
6:レーザー光線照射手段
62:パルスレーザー光線発振手段
64:集光器
65:ピエゾモータ
68:レーザー光線吸収手段
69:音響光学偏向手段
7:撮像手段
8:制御手段
10:シリコンリザーバ基板
F:環状のフレーム
T:保護テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、該チャックテーブルと該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送り方向(X軸方向)に加工送りする加工送り手段と、該加工送り手段による該チャックテーブル移動位置を検出するX軸方向位置検出手段と、該X軸方向位置検出手段からの検出信号に基づいて該レーザー光線照射手段を制御する制御手段と、を具備するレーザー加工装置において、
該レーザー光線照射手段は、パルスレーザー光線発振手段と、該パルスレーザー光線発振手段が発振するパルスレーザー光線を集光して該チャックテーブルに保持された被加工物に照射する集光レンズを備えた集光器と、該集光器を光軸方向(Z軸方向)と所定角度(α)をもって変位せしめるピエゾモータを備えており、
該制御手段は、パルスレーザー光線の繰り返し周波数に対して該ピエゾモータに印加する高周波電流の周波数と電圧を制御し、チャックテーブルをX軸方向に加工送りする際に、該集光器をX軸方向にΔx移動するとともにZ軸方向にΔz移動することにより、該集光レンズによって集光されるパルスレーザー光線の集光点を該チャックテーブルに保持された被加工物の所定領域の厚み方向に変位せしめる、
ことを特徴とするレーザー加工装置。
【請求項2】
該パルスレーザー光線発振手段によって発振されるパルスレーザー光線の繰り返し周波数をFヘルツとし、該ピエゾモータに印加する高周波電流の周波数をHヘルツとし、該ピエゾモータに印加する電圧によって生ずる該ピエゾモータの振幅をJμmとし、該加工送り手段による移動速度をVμm/秒とし、パルスレーザー光線の1ショットで形成される改質層の厚みをhμmとした場合、
(2×J×H)×sinα=Vを満たし、ΔxはV/Fとなり、
(2×J×H×1/F)×cosα≦h を満たし、Δzは(2×J×H×1/F)×cosαとなる、
請求項1記載のレーザー加工装置。
【請求項3】
該ピエゾモータの振幅周期における該集光器の下方位置から上方位置に変位する期間に2ショット以上のnショットのパルスレーザー光線を照射する場合、H≦F/2nに設定される、請求項2記載のレーザー加工装置。
【請求項4】
該被加工物における加工すべき領域の間隔をAとした場合、H=V/Aに設定される、請求項3記載のレーザー加工装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate