説明

レーザー溶着用ラベル及び複合成形品

【課題】 粘着剤などを用いることなく、簡便な方法により樹脂成形品に貼付可能な樹脂製ラベルを提供する。
【解決手段】 本発明のレーザー透過溶着用ラベルは、少なくとも樹脂層を有し、かつレーザー溶着により樹脂成形品に接合するための樹脂製ラベルであって、前記樹脂層が、波長740〜1100nmの範囲内に発振波長を有するレーザー光に対する透過率が20%以上であり、可視光線に対する全光線透過率(ASTM D1003準拠)が50%以下であり、光散乱性を有している。前記樹脂層は、熱可塑性樹脂で構成でき、熱可塑性樹脂は、前記樹脂成形品を構成する樹脂に対して相溶性を有していてもよい。前記ラベルは、樹脂成形品を隠蔽可能であってもよく、着色剤などに着色されていてもよい。レーザー溶着により前記ラベルを樹脂成形品に接合させて複合成形品(トナーカートリッジなど)を形成してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー溶着により樹脂成形品に貼付又は接合するのに有用なラベル、及びラベルが樹脂成形品に接合(又は貼付)された複合成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂成形品などの成形品には、一方の面に印刷が施され、他方の面に粘着剤を介して離型紙を貼り合わせたラベルが用いられている。しかし、このような方法では、ラベル作製に多くの工程を要するとともに、成形品への貼付作業も、離型紙を剥離し、位置合わせする必要があり、非常に煩雑である。また、ラベルを貼付した成形品をリサイクルするには、ラベルを剥離する必要があり、リサイクルも困難である。
【0003】
そこで、ラベルを貼付しても、容易に再使用や再利用することができる成形品が検討されている。例えば、特開2000−43177号公報(特許文献1)には、成形樹脂材料と相溶性がある材料からなる表示ラベルを、弱粘着性の接着剤により樹脂成形品本体(トナーマガジンの上カバーなど)に着脱可能に貼付したリサイクル可能な樹脂成形品が開示されている。
【0004】
特開平8−340182号公報(特許文献2)には、熱可塑性樹脂よりなるリサイクル可能な部品を有する製品において、前記部品に対して相溶性を有する熱可塑性樹脂よりなり、かつ前記部品に貼着されていて、前記部品から剥離することなく前記部品を再生処理できることを示すマークが表示されているデカル(シート状部片)と、前記マークの意味する内容が表示された表示部材(シート状部材)とを具備する製品が開示されている。前記特許文献2には、複写機の前ドアとデカルとを熱融着又は接着剤により貼着することが開示されている。
【0005】
特開平10−119169号公報(特許文献3)には、第1の物品と、この物品に接着材を介して接合された第2の物品とを有するリサイクル可能な物品において、前記第1の物品と第2の物品とを互いに相溶性のある熱可塑性樹脂により構成すると共に、前記接着材として、熱及び/又は電磁波(紫外線など)を加えることによって、第1の物品に対する接着力が減少する特性を有する接着材を使用したリサイクル可能な物品が開示されている。
【0006】
特開平11−109831号公報(特許文献4)には、画像形成装置を構成する各部品の構成材料名、部品としての再利用の可否などの複数の項目を選択し、これらの項目をまとめて表示する表示部を対象部品中に形成したリサイクル表示付き画像形成装置が開示されている。また、樹脂からなる部品に対しては、その部品にシート部材の貼付によって表示部を形成することも開示されている。なお、特許文献4には、貼付方法の詳細については記載がない。
【0007】
特開2000−66607号公報(特許文献5)には、装置に備えられる外装カバーにおいて、外装カバー基体の外観表面部に剥離可能な透明のフィルムが張り合わされているリサイクル用外装カバーが開示されている。また、前記特許文献5には、前記透明フィルムの材料と、外装カバー基体の材料とは相互に相溶性を有していてもよいこと、張り合わせに接着剤を用いた場合には透明フィルムの材料と、外装カバー基体の材料と、接着剤とが相互に相溶性を有することが開示されている。
【0008】
しかし、接着剤や粘着剤などを用いると、リサイクルに先立ってラベルを成形品から剥離する必要があるとともに、接着剤が成形品の表面に残存しやすく、リサイクル品の品質も低下する。また、熱融着などによりラベルを貼付すると、接着剤を用いる場合と同様に位置合わせが困難であることに加え、周囲の樹脂まで融解して成形品の外観を損なう虞があるとともに、複雑な形状の成形品には適用するのが困難である。
【0009】
特開2003−181931号公報(特許文献6)には、レーザー光に対して非吸収性で熱可塑性の隣接する透明樹脂部材間に、レーザー光に対して吸収性で非常に薄い透明フィルム(赤外線吸収透明フィルム)を介在させた状態で複数の透明樹脂部材を接面重合し、外側の透明樹脂部材の面にレーザー光を照射することにより溶着させる熱可塑性透明樹脂部材のレーザー接合方法が開示されている。前記透明フィルムには、赤外線に対しては吸収性を呈するが可視光線に対しては透過性を呈する顔料又は染料を添加してもよいことも開示されている。しかし、特許文献6では、透明樹脂部材を用いるので、ラベルとして用いたとき、下地を有効に隠蔽できない。一方、ラベルで下地を隠蔽すると、レーザー光を有効に透過できず、接合強度が低下しやすい。
【0010】
特開2001−198982号公報(特許文献7)には、レーザー光の透過率が70.0〜100%で、全光線透過率が60%以下である着色層が設けられた加飾透明樹脂パネルを、レーザー光の透過率が0〜10%である着色樹脂成形品の上に接置し、加飾透明樹脂パネルの着色層上からレーザー光を照射し、加飾透明樹脂パネルの裏面と着色樹脂成形品の表面の界面を溶着させることにより、加飾透明樹脂パネルと着色樹脂成形品とを溶着一体化させる加飾プラスチック成形品の製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献7には、レーザー溶着性を損なうことなく、下地となる樹脂成形品を隠蔽する度合い(隠蔽特性)を効率よく調整することができるラベル特性については記載されていない。
【特許文献1】特開2000−43177号公報(請求項1、及び段落番号[0026])
【特許文献2】特開平8−340182号公報(請求項1及び2、並びに段落番号[0002]、[0026]、及び[0033])
【特許文献3】特開平10−119169号公報(請求項1、段落番号[0046])
【特許文献4】特開平11−109831号公報(請求項3及び8)
【特許文献5】特開2000−66607号公報(請求項1、3及び6)
【特許文献6】特開2003−181931号公報(請求項1及び2、段落番号[0018])
【特許文献7】特開2001−198982号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、レーザー溶着性を損なうことなく樹脂成形品に対して容易に接合可能で、かつ下地となる樹脂成形品を有効に隠蔽可能な樹脂製ラベル、及びこの樹脂製ラベルが樹脂成形品に接合された複合成形品を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、粘着剤などを用いることなく、樹脂成形品に対して強固に接合可能であり、リサイクル性に優れる樹脂製ラベル及び複合成形品を提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的は、被接合体となる樹脂成形品がレーザー光を吸収可能であるか否かに拘わらず、レーザー光照射により樹脂成形品に容易に接合することができ、しかも下地を有効に隠蔽可能である樹脂製ラベル及び複合成形品を提供することにある。
【0014】
また、本発明の更に他の目的は、被接合体となる樹脂成形品のラベルとの接合する面にレーザー光を吸収可能な吸収部を構成し、レーザー光照射により下地を有効に隠蔽可能である樹脂製ラベルを樹脂成形品に容易に接合することができる複合成形品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、レーザー光並びに可視光に対して特定の透過特性を有する樹脂製ラベルを用いると、ラベルとしての機能を損なうことなく、レーザー溶着により樹脂成形品に容易に接合できることを見いだし、本発明を完成した。
【0016】
すなわち、本発明のレーザー溶着用ラベルは、少なくとも樹脂層を有し、かつレーザー溶着により樹脂成形品に貼付するための樹脂製ラベルであって、前記樹脂層において、波長740〜1100nmの範囲内に発振波長を有するレーザー光に対する透過率が20%以上(例えば、20〜100%程度)であり、ASTM D1003に準拠した可視光線に対する全光線透過率が50%以下(例えば、0〜50%程度)である。前記樹脂層は、光散乱性を有しており、ASTM D1003に準拠したヘーズ値が70%以上である。
【0017】
前記ラベルは、50μm〜5mm程度の厚みを有していてもよい。前記樹脂層を構成する樹脂は、通常、熱可塑性樹脂であってもよい。熱可塑性樹脂は、前記樹脂成形品を構成する樹脂に対して相溶性を有していてもよい。
【0018】
前記ラベルの樹脂層は、樹脂成形品を隠蔽可能であってもよく、有彩色(例えば、黄色、橙色、赤色、青色など)又は無彩色(例えば、白色、灰色、黒色など)に着色されていてもよい。樹脂層の着色濃度は所望に応じて選択でき、例えば、白色の着色剤と有彩色の着色剤とを組み合わせることもできる。
【0019】
樹脂層単独で構成されたラベルは、レーザー光を透過可能であり、このようなラベルをレーザー透過溶着用ラベルと称する場合がある。
【0020】
また、本発明のラベルは、表面に表示機能を有する印刷層が形成されていてもよい。印刷層は、レーザー光に対して透過性を有する着色剤で構成してもよい。なお、印刷層では、このような着色剤を複数組み合わせてもよい。
【0021】
本発明のラベルは、前記樹脂層と、この樹脂層の一方の面に形成され、かつレーザー光を吸収可能な吸収部とで構成してもよい。このようなラベルでは、被接合体となる樹脂成形品に対して前記吸収部側を接触させて、レーザー光の照射により溶着可能である。また、吸収部を有するラベルは、樹脂成形品の種類によらず、樹脂成形品に対して簡便に接合することができ、樹脂成形品の選択の幅が広がる。なお、前記吸収部は、樹脂層の一方の面に形成されたレーザー光を吸収可能な吸収層であってもよい。吸収層の厚みは1〜40μm程度であってもよい。また、前記吸収層は、レーザー光吸収剤を含有する塗膜(塗布層)で形成してもよく、例えば、レーザー光吸収剤を含有するコーティング剤(インク、塗料など)の塗布により形成された塗膜であってもよい。
【0022】
本発明には、樹脂成形品と前記ラベルとが、レーザー溶着により接合された複合成形品も含まれる。前記樹脂成形品は、前記樹脂成形品のラベルと溶着する面(被接合面又は被溶着面)の少なくとも一部に、レーザー光を吸収可能な吸収部が形成された樹脂成形品であってもよい。このような樹脂成形品を用いると、前記吸収部側をレーザー溶着用ラベル(例えば、レーザー透過溶着用ラベル)に接触させて、レーザー光の照射によりラベルと樹脂成形品とを溶着可能である。前記吸収部は、樹脂成形品の被接合面に形成されたレーザー光を吸収可能な吸収層であってもよい。このような吸収層の厚みは1〜40μm程度であってもよい。また、前記吸収層は、レーザー光吸収剤を含有する塗膜(塗布層)で形成してもよく、例えば、レーザー光吸収剤を含有するコーティング剤(インク、塗料など)の塗布により形成された塗膜であってもよい。
【0023】
前記複合成形品は、リサイクル可能な消耗品などの用途、特に、使用済みの製品を素材に戻して再利用する用途、例えば、レーザープリンターや小型複写機等に用いられるトナー用カートリッジなどに好適である。
【発明の効果】
【0024】
本発明の樹脂製ラベルは、レーザー光に対して特定の透過特性を有する樹脂層で少なくとも構成するので、レーザー溶着性を損なうことなく、被接合体に対して容易に接合することができる。更に、前記樹脂製ラベルは、可視光に対しても特定の透過特性を有するので、ラベルとしての機能を損なうことがなく、例えば、下地(被接合体(樹脂成形品)など)を有効に隠蔽することもできる。また、本発明のラベルは、レーザー溶着によりラベルと被接合体とを接合可能であるため、粘着剤などを用いなくとも、被接合体に対して強固に接合又は貼付することができ、リサイクル性にも優れている。更に、前記樹脂層の一方の面にレーザー光を吸収可能な吸収部(吸収層など)を有するラベルでは、被接合体となる樹脂成形品がレーザー光を吸収可能であるか否かに拘わらず、樹脂層のレーザー光透過性と、吸収部のレーザー光吸収性を利用して、吸収部側を被接合体に接触させてレーザー光照射により容易に貼付又は接合することができる。しかも、樹脂層は、可視光に対して特定の透過特性を有するので、下地(吸収部及び被接合体)を有効に隠蔽することもできる。
【0025】
または、樹脂成形品のある面にレーザー光を吸収可能な吸収部(吸収層)が形成されている樹脂成形品では、前記吸収部と下地を有効に隠蔽することができるレーザー溶着用ラベルを接触させてレーザー光照射により容易に貼付または接合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
[レーザー溶着用ラベル]
本発明のレーザー溶着用ラベルは、レーザー光に対して特定の透過特性を有する樹脂層(レーザー光透過層)で少なくとも構成されており、(i)樹脂層単独で構成してもよく、(ii)樹脂層とこの樹脂層の一方の面に形成されたレーザー光線を吸収可能な吸収部(吸収層など)とで構成してもよい。また、レーザー溶着用ラベルの少なくとも表面には、表示機能(又は識別機能)を付与するため、印刷が施されていてもよい。このような印刷が施されたラベルも本発明に含まれる。
【0027】
(樹脂層)
樹脂層を構成する樹脂(又はベース樹脂)としては、レーザー光を透過可能である限り特に制限されず、種々の熱可塑性樹脂が使用でき、結晶性樹脂であっても、非結晶性樹脂であってもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリアクリロニトリルなど)、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーなどのオレフィンの単独又は共重合体など)、ビニル系樹脂(塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、熱可塑性ポリエステル系樹脂(ポリC2-4アルキレンテレフタレート、ポリC2-4アルキレンナフタレート、これらのコポリエステル、ポリアリレート、液晶性ポリエステルなど)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド6/66、ポリアミド6/11など)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなどのビスフェノール型ポリカーボネート、水添ビスフェノール型ポリカーボネートなど)、ポリフェニレンオキシド系樹脂などが挙げられる。
【0028】
前記スチレン系樹脂としては、ポリスチレン(GPPSなど)、スチレン−アクリル系共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)など)、スチレン−ジエン又はオレフィン系共重合体[スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体など]、ゴム含有スチレン系樹脂[耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン樹脂(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム−スチレン樹脂(MBS樹脂)、メタクリル酸メチル−スチレン樹脂(MS樹脂)など]などが挙げられる。
【0029】
これらの熱可塑性樹脂のうち、ラベルとしての強度や光散乱性の点から、結晶性樹脂(ポリアミド、結晶性ポリエステルなど)や、非結晶性樹脂では、ポリスチレン(GPPSなど)、ゴム強化樹脂(例えば、ゴム含有スチレン系樹脂(例えば、ABS樹脂など)、スチレン−ジエン又はオレフィン系共重合体など)などを用いるのが好ましい。
【0030】
前記熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。複数の樹脂を組み合わせて用いる場合、樹脂の組合せは、レーザー溶着性や成形性を損なわない限り、被接合体(又は被着体)を構成する樹脂や吸収部の種類に応じて、同系統又は異系統の樹脂の組み合わせであってもよい。なお、樹脂層を構成する樹脂は、被接合体である樹脂成形品を構成する樹脂及び/又は吸収体に含まれる樹脂などに対して相溶性を有するのが好ましい。
【0031】
樹脂層を構成する樹脂は、レーザー光線を透過可能である限り、特に制限されず、透明、半透明又は不透明のいずれであってもよい。また、前記樹脂は、更に着色剤を含む樹脂組成物であってもよい。透明な樹脂であっても、着色剤を併用することにより、ラベルとして有効に機能させることもできる。
【0032】
樹脂製ラベルの樹脂層は、半透明又は不透明であればよく、レーザー光に対する透過率は、使用するレーザー光の発振波長に応じて、例えば、20%以上(例えば、20〜100%程度)であればよい。なお、本明細書において、「レーザー光に対する透過率が20%以上」とは、波長740〜1100nm(好ましくは波長740〜1064nm)の範囲内に発振波長を有するレーザー光から選択されたあるレーザー光線の波長に対して、透過率が20%以上であればよく、上記の全波長範囲に対して、透過率が必ずしも20%以上である必要はない。レーザー光に対する樹脂層の透過率は、好ましくは25%以上(25〜100%程度)、更に好ましくは30%以上(30〜100%程度)であってもよい。また、樹脂層の上記レーザー光透過率は、20〜70%程度であっても、ラベルを効率よく溶着することができる。
【0033】
樹脂層を、前記着色剤を含む樹脂組成物で構成する場合、前記着色剤としては、レーザー光が透過可能な有彩色又は無彩色着色剤(又はレーザー光に対して非吸収性の着色剤)が使用できる。前記着色剤としては、例えば、白色染顔料(例えば、チタン白、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リトポンなどの無機顔料)、黄色顔料[例えば、カドミイエロー(カドミ黄)、黄鉛(クロム黄)、ジンククロメート、黄土(オーカー)などの無機顔料、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピグメントイエローなどの有機顔料]、橙色顔料、赤色顔料[例えば、赤口顔料、アンバー、カドミウムレッド(火赤)、鉛丹(四三酸化鉛、光明丹)などの無機顔料、パーマンネントレッド、レーキレッド、ウォッチャンレッド、ブリリアント・カーミン6Bなどの有機顔料]、青色顔料[例えば、紺青、群青、コバルトブルー(テナール青)などの無機顔料、フタロシアニンブルーなどの有機顔料]、緑色顔料[例えば、クロムグリーンなどの無機顔料、フタロシアニングリーンなどの有機顔料]、アゾ系染顔料、アゾ系含金染顔料、ナフトールアゾ系染顔料、アゾレーキ系染顔料、アゾメチン系染顔料、アントラキノン系染顔料、キナクリドン系染顔料、ジオキサジン系染顔料、ジケトピロロピロール系染顔料、アントラピリドン系染顔料、イソインドリノン系染顔料、インダンスロン系染顔料、ペリノン系染顔料、ペリレン系染顔料、インジゴ系染顔料、チオインジゴ系染顔料、キノフタロン染顔料、キノリン系染顔料、ベンズイミダゾロン系染顔料、トリフェニルメタン系染顔料などの有機染顔料が挙げられる。また、黒色系の着色剤としては、公知又は市販のレーザー光に対して非吸収性の黒色染顔料を用いることができる。このような黒色系着色剤は、例えば、オリヱント化学工業(株)から「eBINDLTW−817OC」、「eBINDLTW−8012」、「eBINDLTW−8620C」、「eBINDLTW−8630C」、「eBINDLTW−8400C」、「eBINDLTW−8950C」、「eBINDLTW−8200」、「eBINDLTW−8300」、「eBINDLTW−8250C」などとして入手可能であり、好適に使用できる。
【0034】
着色剤は、前記例示の染顔料などを単独で用いてもよく、複数の着色剤を組み合わせて用いて所望の色調に調整してもよい。例えば、減色混合法を利用して、色相の異なる複数の着色剤(例えば、3原色)を組み合わせて、樹脂を着色(例えば、黒色に着色)してもよく、白色の着色剤と、有彩色の着色剤とを組み合わせることもできる。着色剤は、光散乱性を有していてもよく、このような着色剤(例えば、酸化チタンなどの顔料など)を用いるとラベルに光散乱性を付与でき、下地となる樹脂成形品を効果的に隠蔽することもできる。
【0035】
なお、樹脂層の色は、特に制限されず、必要に応じて、下地(被接合体である樹脂成形品及び/又は吸収部)を隠蔽可能であってもよい。被接合体の色に対して、明瞭に区別できる色を採用してもよく、同系色を採用してもよい。このようなラベルは、有彩色(例えば、黄色、橙色、赤色、青色など)又は無彩色(例えば、白色、灰色、黒色など)に着色されていてもよい。
【0036】
着色剤の割合は、特に制限されないが、樹脂や着色剤の種類、レーザー光の発振波長、被接合体の色などに応じて適宜選択でき、例えば、樹脂100重量部に対して、0.0001〜10重量部、好ましくは0.001〜7重量部、更に好ましくは0.01〜5重量部程度であってもよい。
【0037】
樹脂製ラベルの樹脂層は、下地(樹脂成形品)を効果的に隠蔽するため、ASTM D1003に準拠した可視光線に対する全光線透過率が、例えば、50%以下(0〜50%程度)、好ましくは30%以下(0〜30%程度)、更に好ましくは20%以下(0〜20%程度)であってもよい。
【0038】
また、樹脂製ラベルの樹脂層は、ASTM D1003に準拠して測定したヘーズ値(拡散透過率/全光線透過率で算出され、曇価である。)が、70%以上(例えば、70〜100%程度)、好ましくは80%以上(例えば、80〜100%程度)、更に好ましくは90〜100%程度であってもよい。このようなヘーズ値を有する樹脂層は、光散乱性をも有しており、レーザー溶着性を損なうことなく、下地を有効に隠蔽することができる。
【0039】
前記樹脂層は、必要により、他の添加剤、例えば、相溶化剤、難燃剤、充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、金属フィラーなど)、安定剤(酸化防止剤など)、滑剤、分散剤、発泡剤、抗菌剤などを含んでいてもよい。
【0040】
(吸収部)
吸収部は、レーザー光を吸収して、樹脂製ラベルを被接合体に対して溶着可能であればよく、レーザー光に対する吸収剤を樹脂層の一方の面に散布や塗布(レーザー光吸収剤の分散液又は溶液などの塗布)などにより付着させることにより形成してもよい。吸収部は、通常、レーザー光吸収剤と、樹脂(前記樹脂層の項で例示の樹脂の他、インク、塗料などのコーティング剤において使用される慣用の樹脂(例えば、ケトン樹脂、テルペン樹脂など)など)とを含む樹脂組成物で構成する場合が多い。このような吸収部を有するラベルでは、樹脂成形品に対して前記吸収部側を接触させて、レーザー光の照射により溶着可能である。
【0041】
なお、吸収部の分布形態は、特に制限されず、前記樹脂層の一方の面全体に、均一又は不均一な層状で分布させてもよく、樹脂層の一方の面に全体的又は部分的に分散分布させてもよい。また、吸収部は、特定の形状、例えば、直線状、曲線状、円状、多角形状などで分布させてもよく、レーザー光の照射位置に合わせた形状(例えば、複数の並行線状、格子状などの形状)であってもよい。これらの分散形態のうち、通常、層状の吸収体(吸収層)を樹脂層の一方の面に形成する場合が多い。吸収層は、前記レーザー光吸収剤を含んでいればよく、通常、前記レーザー光吸収剤と樹脂(ベース樹脂)とを含む樹脂組成物で構成できる。また、吸収層は、前記レーザー光吸収剤を含有する塗膜などであってもよい。
【0042】
前記レーザー光吸収剤は、レーザー光の波長に応じて選択でき、レーザー光の波長域に吸収を有する無機又は有機染顔料が使用でき、通常、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックなど)、チタンブラック、黒色酸化鉄、アニリンブラックなどの顔料(黒色顔料など)の他、ニグロシン、フタロシアニン、ポルフィリン、シアニン系化合物、ペリレン、クオテリレン、金属錯体、アゾ染料、アントラキノン、スクエア酸誘導体、インモニウム染料などの染料を使用することができる。これらのレーザー光吸収剤は、単独で又は二種以上組合せて使用できる。なお、顔料の平均粒径は、例えば、10nm〜3μm(好ましくは10nm〜1μm)程度の広い範囲から選択できる。カーボンブラックの一次粒径は、例えば、10〜100nm、好ましくは15〜90nm程度であってもよい。樹脂組成物で構成された吸収層において、レーザー光吸収剤の割合は、ベース樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜7重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部程度であってもよい。なお、吸収層は、前記レーザー光吸収剤を着色剤として含有していてもよく、更に他の着色剤(無機又は有機染顔料など)を含有してもよい。
【0043】
樹脂組成物で構成された吸収部(吸収層)において、ベース樹脂は、被接合体を構成する樹脂及び/又は樹脂層を構成する樹脂に対して相溶性を有するのが好ましい。好ましいベース樹脂は、結晶性樹脂(ポリアミド、結晶性ポリエステル、ケトン樹脂など)や、非結晶性樹脂では、ポリスチレン(GPPS)、ゴム強化樹脂(例えば、ABS樹脂などのゴム含有スチレン系樹脂、スチレン−ジエン又はオレフィン系共重合体など)などである。
【0044】
吸収層の厚みは、被接合体に対する接合性を損なわない範囲で選択でき、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜40μm、更に好ましくは2〜30μm程度であってもよい。樹脂層に対する吸収層の厚み比は、例えば、吸収層/樹脂層=0.001/100〜20/100、好ましくは0.005/100〜15/100、更に好ましくは0.01/100〜10/100程度であってもよい。
【0045】
また、吸収部(又は吸収層)は、必要により、前記樹脂層の項で例示の他の添加剤を含有してもよい。
【0046】
本発明において、前記樹脂層単独で構成されたラベルは、ラベル全体として、レーザー光を透過可能であり、通常、レーザー光を吸収可能な樹脂成形品に対してレーザー光照射により溶着できる。また、樹脂層と吸収部とで構成されたラベルでは、樹脂層を透過したレーザー光が吸収部に吸収され、ラベルの吸収部側で、被接合体となる樹脂成形品に接合することができる。そのため、吸収部を有するラベルは、被接合体のレーザー光吸収性の如何に拘わらず、簡便かつ効率よく被接合体に対して接合できる。
【0047】
また、本発明の樹脂製ラベルは、レーザー光及び可視光に対して特定の透過特性を有するとともに、特定の光散乱特性を有する樹脂層で少なくとも構成されているため、特にラベル表面側(視認側)に着色層を設けなくても、レーザー溶着性と下地の隠蔽性とを両立できる。
【0048】
前記樹脂層又はラベルの厚み(吸収層を有するラベルでは、樹脂層と吸収層との厚みの合計)は、例えば、50μm〜5mm、好ましくは70μm〜3mm(例えば、100μm〜1mm)、更に好ましくは150μm〜1mm(例えば、510μm〜1mm)、特に200〜900μm(例えば、550〜900μm)程度の範囲から選択できる。なお、樹脂層単独で構成された樹脂製ラベルでは、ラベルの不透明性は、レーザー光の透過を阻害しない範囲で、ラベル(樹脂層)の厚みによっても調整することができる。
【0049】
ラベルの厚みは、ラベル全体において均一であってもよく、不均一であってもよい。また、ラベルは、凹凸又は一部に孔を有していてもよく、ラベル表面が曲面になっていてもよく、少なくとも表面の一部が傾斜していてもよい。ラベルは、通常、シート又はフィルム(もしくはプレート)状である場合が多い。
【0050】
また、レーザー溶着用ラベルの形状(平面形状)は、特に制限されるものではなく、例えば、多角形状(三角形状、四角形状、台形状など)、円状、楕円状の他、周囲を直線及び/又は曲線で囲まれた種々の形状(例えば、ブロック矢印、星形、ドーナツ形など種々の有形物を模った形状など)であってもよい。
【0051】
樹脂層(又は樹脂層単独で構成された単層構造のラベル)、及び樹脂組成物で構成された吸収層は、それぞれの所望に合わせた各構成成分(例えば、樹脂、着色剤、レーザー光吸収剤、添加剤など)を、押出機、ニーダー、ミキサー、ロールなどを用いた慣用の混合方法で混合(例えば、溶融混練)し、慣用の成形方法、例えば、押出成形、射出成形、圧縮成形、ブロー成形などにより、通常、シート又はフィルム(あるいはプレート)状に成形することにより得ることができる。また、シート状の成形体を、必要により、型抜き、切断などの加工処理し、所望の形状に成形してもよい。
【0052】
また、樹脂層と吸収層との積層構造を有する樹脂製ラベルは、慣用の積層フィルムの製造方法、例えば、ラミネート法、共押出法(共押出Tダイ成形法、共押出サーキュラーダイ成形法、共押出中空成形法など)、コーティング法などの方法により調製できる。
【0053】
ラミネート法では、上記成形方法により成形された樹脂層と、吸収層とを、慣用のラミネート方法、例えば、ヒートラミネーションやドライラミネーションなどの方法により積層することにより調製できる。
【0054】
また、共押出法では、各層を構成する樹脂組成物を、汎用のフィードブロック付きダイやマルチマニホールドダイなどを使用して共押出することにより調製でき、例えば、各樹脂組成物を押出機に供給して溶融攪拌し、各樹脂組成物層をダイ内で合流させて積層し、ダイから押し出すことにより調製できる。
【0055】
コーティング法では、樹脂層及び吸収層のうち一方を構成する樹脂組成物を溶剤に溶解又は懸濁させてコーティング液を調製し、このコーティング液を、他方(例えば、前記例示の成形法により成形されたシート又はフィルム状樹脂層)に、慣用の流延又は塗布方法、例えば、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、コンマコーター、グラビアコーター、シルクスクリーンコーター法などにより流延又は塗布し、乾燥することにより調製できる。また、スプレーコーティングによりコーティング液を他方の樹脂層の表面に適用してもよい。前記溶剤としては、トルエンなどの芳香族炭化水素;アセトニトリルなどのニトリル;ジメチルホルムアミドなどのアミド;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;アルコール(エタノールなどのアルカノール;ベンジルアルコールなどのアラルキルアルコールなど);グリコール系溶剤;エステル系溶剤;又はこれらの混合溶剤などの有機溶剤などが使用できる。樹脂層及び吸収層のいずれをコーティング法により形成してもよいが、通常、フィルム又はシート状の樹脂層に、吸収層を構成する樹脂組成物のコーティング液をコーティングする場合が多い。
【0056】
また、コーティング法では、レーザー光吸収剤を含有するコーティング剤(インク及び/又は塗料など)を樹脂層の一方の面の少なくとも一部に塗布することにより、塗膜(塗布層)を形成してもよい。このようなコーティング剤は、通常、レーザー光吸収剤の他、インクや塗料などに使用される慣用の成分、例えば、溶剤(前記例示の溶剤など)、樹脂成分(前記例示の樹脂の他、ケトン樹脂、テルペン樹脂など)、添加剤(オレイン酸などの有機酸など)などを含有する場合が多い。
【0057】
なお、樹脂製ラベルの少なくとも表面には、慣用の方法により、文字や画像を印刷(複写、転写なども含む)可能である。また、レーザー光を透過可能な着色剤(例えば、前記樹脂層の項で例示の着色剤など)を用いて、前記文字や画像などをラベル表面に形成してもよい。また、表面に凹凸(例えば、点字など)などを設けることによりラベルとして機能させてもよい。
【0058】
(印刷)
レーザー溶着用ラベルの少なくとも表面に施される印刷(印刷部)は、表示機能(又は識別機能)を有していればよく、特定の形状を有する識別子(点、記号、文字、記号又は文字列、バーコード、図形、画像等)であってもよく、単なる着色(色分け機能を有する着色など)であってもよい。印刷部は、ラベル表面の全体に形成してもよく、一部に形成してもよい。なお、吸収部を有するラベルでは、印刷部がラベルの少なくとも表面(視認面)に形成されており、吸収部は、ラベルの裏面(被溶着面)に形成されている。
【0059】
前記印刷部は、通常、ラベル表面に層状に形成される場合が多く、このような印刷部を印刷層と称する場合がある。印刷部(又は印刷層)は、通常、慣用の印刷方法、例えば、ラベル印刷方法などを利用することにより形成できる。例えば、サーマルヘッドをインクリボンに押し付けてインクリボンを加熱することにより、ラベルに印刷部(印刷層)を形成してもよい。なお、印刷部(又は印刷層)は、レーザー溶着に先だって、ラベルの少なくとも表面に形成してもよく、レーザー溶着と同時に形成してもよい(例えば、レーザー光の照射により、溶着と同時に印刷部が形成されてもよい)。
【0060】
印刷部(印刷層)は、通常、有彩色又は無彩色の着色剤(染料、顔料、配合着色剤など)などを含んでいるが、レーザー溶着性の点から、レーザー光に対して透過性を有する着色剤が好ましい。
【0061】
レーザー光に対して透過性を有する着色剤としては、前記樹脂層の項で例示の染顔料が使用できる。このような着色剤は一種で用いてもよく、レーザー光透過性及び表示又は識別性の点から、必要により、レーザー光に対して透過性を有する着色剤を複数組み合わせて用いてもよい。
【0062】
[複合成形品]
本発明の複合成形品は、被接合体である樹脂成形品と前記樹脂製ラベルとが、レーザー溶着により接合されている。
【0063】
樹脂成形品を構成する樹脂としては、特に制限されず、前記ラベルの項で例示の各種熱可塑性樹脂が使用できる。ラベルを構成する樹脂に対して相溶性の樹脂で、樹脂成形品を形成するのが好ましい。ラベルを構成する樹脂と、被接合体を構成する樹脂とは、同種又は同系統の樹脂の組合せであってもよく、互いに同種又は同系統の樹脂を含むアロイ(又はブレンド)の組合せであってもよい。
【0064】
被接合体は、ラベルの種類に応じて、レーザー光に対する吸収剤(前記吸収部の項で例示のレーザー光吸収剤など)を含んでいてもよい。すなわち、樹脂層単独で構成されたラベルと接合させる被接合体は、レーザー光を吸収して、樹脂製ラベルと溶着可能であればよく、通常、(i)前記樹脂とレーザー光に対する吸収剤とを含む樹脂組成物で形成してもよく、(ii)被接合面の少なくとも一部にレーザー光線を吸収可能な吸収部(吸収層など)が形成された樹脂成形体であってもよい。後者の樹脂成形体は、レーザー光吸収性及び非吸収性のいずれであってもよい。また、樹脂層及び吸収部(吸収層)で構成されたラベルと接合させる被接合体は、レーザー光吸収性及び非吸収性のいずれであってもよく、レーザー光吸収剤を含有してもよく、含有しなくてもよい。なお、被接合体(あるいは被接合体を構成する樹脂又は樹脂組成物)は、前記レーザー光吸収剤を着色剤として含有していてもよい。被接合体におけるレーザー光吸収剤の分布形態は、特に制限されず、被接合体全体に均一に分布させてもよく、不均一に分布(例えば、表面などに局所的に分布)させてもよいが、通常、少なくとも被接合面(又は被溶着面)に分布させる場合が多い。また、レーザー光吸収剤は、被接合面全体に、均一又は不均一な層状で分布させてもよく、被接合面に全体的又は部分的に分散分布させてもよい。
【0065】
レーザー光吸収剤の割合は、被接合体を構成する樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部(例えば、0.3〜4重量部)、更に好ましくは0.5〜3重量部程度であってもよい。
【0066】
被接合体(あるいは被接合体を構成する樹脂又は樹脂組成物)は、慣用の着色剤(前記レーザー光吸収剤以外の着色剤(他の着色剤)、例えば、市販の着色剤など)を含有してもよい。着色剤及び/又は前記レーザー光吸収剤の種類や割合を適宜選択することにより、被接合体の色調を所望の色調に調整できる。このような他の着色剤の種類は、特に制限されず、樹脂の着色に使用される種々の無機又は有機染顔料、例えば、白色染顔料(チタン白など)、黄色染顔料(ベンジジンイエローなど)、橙色染顔料(ハンザイエローなど)、赤色顔料(レーキレッドなど)、青色顔料(フタロシアニンブルーなど)、緑色顔料(フタロシアニングリーンなど)等が使用でき、前記樹脂層の項で例示の着色剤を使用してもよい。着色剤の割合は、特に制限されず、例えば、樹脂100重量部に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部程度であってもよい。
【0067】
前記吸収部(又は吸収層)としては、前記ラベルの項で記載した吸収部と同様にして形成できる。また、吸収層の厚みも、前記ラベルの項で例示した吸収層の厚みと同様の範囲から選択できる。なお、吸収部は、特定の形状、例えば、直線状、曲線状、円状、多角形状などで分布させてもよく、レーザー光の照射位置に合わせた形状(例えば、複数の並行線状、格子状などの形状)であってもよい。
【0068】
樹脂成形品は、慣用の方法、例えば、前記ラベルの項で例示の方法と同様の混合方法及び成形法などにより成形できる。樹脂成形品の形状は、樹脂製ラベルを貼付又は接合させるに十分な接触面(平面など)を少なくとも一部に有する限り、特に制限されず、二次元的形状(例えば、板状)又は三次元的形状であってもよい。
【0069】
被接合体である樹脂成形品としては、特に制限されず、家庭用又はオフィスオートメーション(OA)用機器、例えば、コンピューター、ワードプロセッサー、プリンター、コピー機、ファックス、電話、モバイル機器(携帯電話、携帯情報端末(PDA)など)などの機器類や家電製品(テレビ、ビデオデッキ、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)プレーヤー、エアコン、冷蔵庫、洗濯機など)の構成部品(ハウジング、ケース、カバー、ドア、カートリッジ(インクカートリッジ、トナーカートリッジなど)など)などの他、自動車部品、家庭用品、建築材料など種々の成形品が挙げられる。
【0070】
複合成形品は、被接合体である樹脂成形品と、樹脂製ラベルとをレーザー溶着により接合することにより製造できる。複合成形品は、例えば、樹脂成形品と樹脂製ラベルとを少なくとも接合部を面接触させ、レーザー光を照射することにより、樹脂成形品と樹脂製ラベルとの界面を部分的に溶融させて接合面を密着させ、冷却することにより両者を接合、一体化することにより得られる。なお、吸収部を有する樹脂製ラベルでは、吸収部側が樹脂成形品と接触するように、ラベルと樹脂成形品とを配置させ、樹脂層側からレーザー光を照射し、吸収部又はその周辺部を少なくとも部分的に溶融させて、ラベルと樹脂成形品とを接合する。
【0071】
レーザー溶着に使用されるレーザー光源としては、樹脂製ラベルの樹脂層への吸収が抑制される範囲で、例えば、固体レーザー(Nd:YAG励起、半導体レーザー励起など)、半導体レーザー(650〜980nm)、チューナブルダイオードレーザー(630〜1550nm)、チタンサファイアレーザー(Nd:YAG励起、690〜1000nm)などが利用できる。これらのレーザー光源のうち、通常、可視光より長波長域(740〜1600nm(例えば、740〜1100nm)程度)に発振波長を有するレーザー光源が使用される。
【0072】
本発明では、粘着剤などを用いることなく、いずれも樹脂製のラベルと成形品とをレーザー溶着により接合するので、リサイクルする場合にも、成形品からラベルを剥離する必要がない。また、レーザー光の強度や照射時間(露光量など)などを調整することにより、接合強度を調整することもでき、例えば、比較的少ない露光量で、接合強度を小さくすることもできる。そのため、必要に応じて、ラベルを樹脂成形品から剥離してリサイクルすることもできる。しかも、樹脂製ラベルは、レーザー光及び可視光に対して特定の透過特性を有するため、レーザー溶着性を損なうことがなく、必要に応じて、下地の成形品を隠蔽することもでき、ラベルとしての機能にも優れている。特に、複合成形品として、トナーカートリッジに用いることが最適である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の樹脂製ラベルは、各種機器類の構成部品や、樹脂成形品などに容易に接合させて情報を提示するのに有用である。樹脂製ラベルを樹脂成形品に接合させた複合成形品は、例えば、家庭用又はオフィスオートメーション(OA)用機器、例えば、コンピューター、ワードプロセッサー、プリンター、コピー機、ファックス、電話、モバイル機器などの機器類や各種家電製品を構成する部品(ハウジング、ケース、カバー、ドア、カートリッジなど)などの他、自動車部品、家庭用品、建築材料などの各種樹脂成形品として有用である。
【実施例】
【0074】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0075】
実施例1〜12及び比較例1
(1)ラベルの作製
表1に示す樹脂及び着色剤を用いて、表1に示す厚みのシートA〜Mを作製した。得られたシートの全光線透過率、ヘーズ値、及びレーザー光線透過率を評価した結果を表1に示す。得られたシートを縦20mm×60mmのサイズに切り取り、ラベルを作製した。
【0076】
(2)レーザー溶着
黒色に着色した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)(カーボンブラック(CB)含量0.5重量%)及び黒色に着色したアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)樹脂(カーボンブラック(CB)含量0.5重量%)を用いて、成形品サンプル(縦100mm×横100mm×厚み2mm)を成形した。この成形品サンプル上に、上記工程(1)で作成したラベルを置き、更にこのラベルの上に透明なガラス板を重しとして置き、ファインデバイス社製120Wレーザー溶着機(半導体レーザー、波長940nm)を用いて、両者を溶着させた(溶着条件I:出力5W、走査速度45mm/秒、溶着条件II:出力5W、走査速度15mm/秒)。結果を表2に示す。なお、ラベルの隠蔽性は、目視で確認した。上記HIPS及びABS樹脂としては、シートの作製で用いたHIPS及びABSと同様の樹脂を用いた。また、実施例1〜4、12及び比較例1では、上記HIPS成形品を使用し、実施例5〜11では、ABS成形品を使用した。
【0077】
a)溶着評価
○:外観にコゲやレーザーの走査痕がほとんど認められず、きれいに、正確に溶着した
△:外観にコゲやレーザーの走査跡が認められたが溶着した
×:溶着しなかった
b)溶着片の剥離試験
○:ラベルの端を手で、剥がそうとしたが、しっかり溶着しているため、剥がれない
×:ラベルの端を手で、剥がそうとすると、容易に剥がれる
−:溶着しないため、剥離試験できない
c)隠蔽性
○:下地(及び吸収層)が見えない
×:下地(及び吸収層)が見える。
【0078】
実施例13
(1)吸収層が形成されたラベルの作製
多層押出法により、表1のシートCと同様の組成の樹脂層上に、上記と同様のHIPS100重量部とカーボンブラック(CB)含有マスターバッチ(大日精化工業(株)製、PS-M SSC 98H 822D黒)2重量部とを含む厚み10μmの吸収層が形成された二層構造のラベルを作製した。なお、前記樹脂層の厚みは、シートC同様に339μmとした。本実施例において、樹脂層を構成するシートを便宜上、「シートC」とする。なお、樹脂層の全光線透過率、ヘーズ値、及びレーザー光線透過率は、シートCの透過率をそれぞれ参照できる。
【0079】
(2)レーザー溶着
また、被接合体として、実施例3のカーボンブラック含有HIPSに代えて、HIPSを用いる以外は、実施例3と同様にラベルと被接合体とを溶着させた。各条件における溶着評価及び溶着片の剥離試験の結果を表3に示す。
【0080】
実施例14
(1)吸収層が形成されたラベルの作製
表1のシートC(樹脂層)上に、カーボンブラック(CB)を含有するHIPSフィルム(厚み20μm、吸収層)をヒートラミネートし、二層構造のラベルを作製した。
【0081】
(2)レーザー溶着
また、被接合体として、実施例3のカーボンブラック(CB)含有HIPSに代えて、HIPSを用いる以外は、実施例3と同様にラベルと被接合体とを溶着させた。各条件における溶着評価及び溶着片の剥離試験の結果を表3に示す。
【0082】
実施例15
(1)吸収層が形成されたラベルの作製
5重量%のカーボンブラック(CB)で黒色に着色したポリスチレン(GPPS)を、トルエンに溶解し、コーティング液を調製した。シートCで形成されたラベル上に、乾燥後の厚みが3μmとなるように、コーティング液をメイヤーバーでコーティングし、乾燥することにより、二層構造のラベルを作製した。なお、GPPSとしては、シートA又はBの作製で使用したGPPSと同様の樹脂を用いた。
【0083】
(2)レーザー溶着
被接合体として、実施例3のカーボンブラック(CB)含有HIPSに代えて、HIPSを用いる以外は、実施例3と同様にラベルと被接合体とを溶着させた。各条件における溶着評価及び溶着片の剥離試験の結果を表3に示す。
【0084】
実施例16
(1)吸収層用コーティング剤(吸収インク)の調製
下記の全ての成分を、40℃で混合して、均一に溶解させ、ろ過することにより、コーティング剤を調製した。
【0085】
吸収インク組成:
ニグロシン染料
(オリヱント化学工業(株)製、商品名「ニグロシンベースEX」) 6重量部
エタノール 69重量部
ベンジルアルコール 5重量部
オレイン酸 10重量部
ケトン樹脂(荒川化学工業(株)製「ケトンレジンK−90」) 10重量部
(2)吸収層が形成されたラベルの作製
上記コーティング剤(吸収インク)を、シートCで形成されたラベル上に、乾燥後の厚みが10μmとなるように、バーコーダーで塗布し、乾燥することにより、二層構造のラベルを作製した。
【0086】
(3)レーザー溶着
被接合体として、実施例3のカーボンブラック(CB)含有HIPSに代えて、HIPSを用いる以外は、実施例3と同様にラベルと被接合体とを溶着させた。各条件における溶着評価及び溶着片の剥離試験の結果を表3に示す。
【0087】
実施例17
(1)吸収層が形成された被接合体の作製
実施例16と同様の吸収インクを、実施例10と同様の被接合体の一方の面に、乾燥後の厚みが10μmとなるようにバーコーダーで塗布し、乾燥することにより吸収層を形成させた。
【0088】
(3)レーザー溶着
被接合体として、実施例3のカーボンブラック(CB)含有HIPSに代えて、上記吸収層を有する被接合体を用いる以外は、実施例3と同様にラベルと被接合体とを溶着させた。結果を表3に示す。
【0089】
実施例18
(1)印刷層用着色インクの調製
下記の全ての成分を、40℃で混合し、均一に溶解させて、ろ過することにより、レーザー光に対して透過性を有する着色インク(青色インク)を調製した。
【0090】
着色インク組成:
C.I.Acid Blue 80(アントラキノン酸性染料)のジトリルグアニジン塩 8重量部
エタノール 72重量部
ベンジルアルコール 14重量部
テルペン樹脂(ヤスハラケミカル(株)製「YSレジンTO」) 3重量部
ケトン樹脂(荒川化学工業(株)製「ケトンレジンK−90」) 3重量部
(2)ラベルの作製
シートCで形成されたラベルの表面(一方の面)に、上記で調製した青色インクを用いて、ラベル印刷装置により、図1のような文字列「LABEL」を印刷した。
【0091】
(3)レーザー溶着
実施例3と同様に、黒色に着色したHIPS(カーボンブラック(CB)含量0.5重量%)を用いて、成形品サンプル(縦100mm×横100mm×厚み2mm)を成形した。この成形品サンプル上に、上記工程(2)で作成したラベルを置き、更にこのラベルの上に透明なガラス板を重しとして置き、ファインデバイス社製120Wレーザー溶着機(半導体レーザー、波長940nm)を用いて、略ラベル全面にレーザー光を照射し、両者を溶着させた(溶着条件(i):出力5W、走査速度45mm/秒、溶着条件(ii):出力5W、走査速度15mm/秒)。結果を表3に示す。なお、レーザー照射後もラベル表面の文字列「LABEL」は、焦げが発生することなく鮮やかな青色で視認することができた。
【0092】
実施例19
(1)印刷層用着色インクの調製
下記の全ての成分を、40℃で混合し、均一に溶解させて、ろ過することにより、レーザー光に対して透過性を有する着色インク(黒色インク)を調製した。
【0093】
着色インク組成:
黒色透過性着色剤(商品名eBIND LTW8170C オリヱント化学工業社製) 5重量部
エタノール 75重量部
ベンジルアルコール 14重量部
テルペン樹脂(ヤスハラケミカル(株)製「YSレジンTO」) 3重量部
ケトン樹脂(荒川化学工業(株)製「ケトンレジンK−90」) 3重量部
(2)ラベルの作製
シートCで形成されたラベルの表面(一方の面)に、上記工程(1)で調製した黒色インクを用いて、ラベル印刷装置により、図1のような文字列「LABEL」を印刷した。
【0094】
(3)レーザー溶着
実施例3と同様に、黒色に着色したHIPS(カーボンブラック(CB)含量0.5重量%)を用いて、成形品サンプル(縦100mm×横100mm×厚み2mm)を成形した。この成形品サンプル上に、上記工程(1)で作成したラベルを置き、更にこのラベルの上に透明なガラス板を重しとして置き、ファインデバイス社製120Wレーザー溶着機(半導体レーザー、波長940nm)を用いて、ラベルの略全面にレーザー光を照射し、両者を溶着させた(溶着条件(i):出力5W、走査速度45mm/秒、溶着条件(ii):出力5W、走査速度15mm/秒)。結果を表3に示す。なお、レーザー照射後もラベル表面の文字列「LABEL」は、焦げが発生することなく鮮やかな黒色で視認することができた。
【0095】
【表1】

【0096】
【表2】

【0097】
【表3】

【0098】
表から明らかなように、実施例のラベルは、樹脂成形品に対して、粘着剤を用いることなく、強固に溶着しており、手でラベルと樹脂成形品とを剥がすことは困難であった。一方、比較例では、ラベルと樹脂成形品とが溶着しなかった。なお、実施例1〜12及び比較例1のラベルは、目視で確認したところ、下地を効果的に隠蔽していた。また、実施例13〜19のラベルは、目視で確認したところ、黒色の吸収層及び下地の何れも効果的に隠蔽していた。
【0099】
(1)なお、実施例及び比較例のシートでは、以下に示す樹脂及び着色剤を用いた。
【0100】
(i)樹脂
表1に示す白色の耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、並びに必要によりポリスチレン(GPPS)及び酸化チタン含有樹脂マスターバッチを用いて、表に示す厚みのラベルを作製した。得られたラベルの全光線透過率、ヘーズ値、及びレーザー光線透過率を評価した結果を表1に示す。
【0101】
(i-1)HIPS:白色の耐衝撃性ポリスチレン[(株)東洋スチレン製,商品名「E640」]
(i-2)GPPS:ポリスチレン[(株)東洋スチレン製,商品名「HRM63C」]
(i-3)ABS:アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン樹脂[日本エイアンドエル(株)製,商品名「ST−55」]
(i-4)PBT:ポリブチレンテレフタレート[ウインテックポリマー(株)製の商品、「FP700」]
(ii)着色剤
(ii-1)MB1:酸化チタン含有樹脂マスターバッチ[三協化学工業(株)製、商品名「SCPSM41919ホワイト(Z)」]
(ii-2)MB2:酸化チタン含有樹脂マスターバッチ[ポリコール興業(株)製、商品名「ESHWMD 17266 0025PM」]
(ii-3)酸化チタン:石原産業(株)製、商品名「R830」
(ii-4)硫化亜鉛:SACHTLEBEN CHEMIE社製、商品名「SACHTOLI TH HD−S」
(ii-5)黄色顔料(C.I.PIGMENT YELLOW 93(ジスアゾ染料) 、大日精化工業(株)製、商品名「CHROMOFINE YELLOW 5930」)
(2)また、ラベルの光線透過率は、以下のようにして測定した。
【0102】
(i)全光線透過率及びヘーズ値
ASTM D1003に準拠して、全光線透過率(%)、及びヘーズ値(%)を測定した。なお、測定装置としては、日本電色工業(株)製TC−H3DPKを用いた。
【0103】
(ii)レーザー光線透過率
紫外−可視−近赤外域用の60φ積分玉一セットを分光光度計((株)日立製作所製,U−3410)内に置き、試験片をセットして波長λ=808、840、940及び1064nmで透過率を測定した。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】図1は実施例18及び19で作製したラベルの上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも樹脂層で構成され、かつレーザー溶着により樹脂成形品に貼付するための樹脂製ラベルであって、前記樹脂層において、波長740〜1100nmの範囲内に発振波長を有するレーザー光に対する透過率が20%以上であり、ASTM D1003に準拠した可視光線に対する全光線透過率が50%以下であり、ASTM D1003に準拠したヘーズ値が70%以上であり、光散乱性を有するレーザー溶着用ラベル。
【請求項2】
50μm〜5mmの厚みを有する請求項1記載のラベル。
【請求項3】
樹脂層を構成する樹脂が、熱可塑性樹脂である請求項1記載のラベル。
【請求項4】
樹脂層単独で構成される請求項1記載のラベル。
【請求項5】
樹脂層が熱可塑性樹脂で構成され、この熱可塑性樹脂が、樹脂成形品を構成する樹脂に対して相溶性を有する請求項1記載のラベル。
【請求項6】
樹脂層が、樹脂成形品を隠蔽可能であり、有彩色又は無彩色に着色されている請求項1記載のラベル。
【請求項7】
表面に表示機能を有する印刷層が形成されている請求項1記載のラベル。
【請求項8】
印刷層がレーザー光に対して透過性を有する着色剤で構成されている請求項7記載のラベル。
【請求項9】
樹脂層と、この樹脂層の一方の面に形成され、かつレーザー光を吸収可能な吸収部とで構成されたラベルであって、樹脂成形品に対して前記吸収部側を接触させて、レーザー光の照射により溶着可能である請求項1記載のラベル。
【請求項10】
吸収部が、樹脂層の一方の面に形成されたレーザー光を吸収可能な吸収層であり、この吸収層の厚みが1〜40μmである請求項9記載のラベル。
【請求項11】
吸収部が、レーザー光を吸収可能な吸収層であり、この吸収層が、レーザー光吸収剤を含有する塗膜で形成されている請求項9又は10記載のラベル。
【請求項12】
樹脂成形品と請求項1〜11のいずれかの項に記載のラベルとが、レーザー溶着により接合されている複合成形品。
【請求項13】
樹脂成形品の被接合面の少なくとも一部に、レーザー光を吸収可能な吸収部が形成されており、この吸収部側をラベルに対して接触させて、ラベルと樹脂成形品とがレーザー溶着により接合されている請求項12記載の複合成形品。
【請求項14】
吸収部が、レーザー光を吸収可能な吸収層であり、この吸収層の厚みが1〜40μmである請求項13記載の複合成形品。
【請求項15】
吸収部が、レーザー光を吸収可能な吸収層であり、この吸収層が、レーザー光吸収剤を含有する塗膜で形成されている請求項13又は14記載の複合成形品。
【請求項16】
樹脂成形品が、トナー用カートリッジである請求項12〜15のいずれかの項に記載の複合成形品。

【図1】
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【公開番号】特開2006−58869(P2006−58869A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−211475(P2005−211475)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(501041528)ダイセルポリマー株式会社 (144)
【出願人】(000103895)オリヱント化学工業株式会社 (59)
【Fターム(参考)】