説明

レーザー耐性医療用回収用具

【課題】砕石器とは別個に身体内に導入することができ、かつ砕石器とともに使用され得るレーザー耐性構造を有する医療用具を提供する。
【解決手段】レーザー耐性バスケットを鞘12内で折りたたみ、鞘12を、操作者によって、回収する物質(例えば、尿管にある結石)が位置している体内の部位に挿入できる。レーザー砕石器9は、この医療用回収用具と独立した代替手段7により、捕獲された結石50を断片化するために、結石50に隣接したレーザー耐性バスケット10に導入され得る。結石50には、レーザーエネルギーを加えることができ、それを断片化する。これらの結石断片は、体内から引き出したとき、このレーザー耐性バスケットで除去されるか、またはこれらの断片が、十分に小さい場合、これらの断片は体内に残されて自然に排除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、体内の物質を係合する係合アセンブリを有する医療用具に関する。さらに特定すると、本発明は、体路(body tract)にある物質(例えば、結石)を砕石器(例えば、レーザー砕石器)によりその物質を処理するために、この物質を保持する回収アセンブリ(例えば、バスケット、グラスパ(graspers)、鉗子またはスクリーン)に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景情報)
医療用回収用具は、一般に、砕石器(例えば、レーザー砕石器)により断片化するために、体路から物質(例えば、結石)を回収するかまたは体路で物質を安定化するのに使用される。既存の医療用回収用具では、その回収アセンブリ(例えば、バスケット)は、複数のワイヤ脚部またはループから、または織物(例えば、金属製織物またはメッシュ)により形成される。この回収アセンブリは、物質(例えば、尿管、尿道、腎臓、胆管または胆嚢の結石)を捕獲するのに使用される。一旦、結石がバスケットに捕獲されると、結石が回収アセンブリで捕獲されている間に、この医療用回収用具を体内から引き出すことにより、結石を除去することが試みられている。
【0003】
いくつかの臨床状況では、体路に位置している結石は、体路から引き出すには大きすぎるか鋸歯状でありすぎるが、医療用回収用具の回収アセンブリで捕獲される。これらの状態では、結石は、小粒子に断片化しなければならない。
【0004】
結石を砕石器によって体路内で断片化するとき、結石は、まず、安定化されなければならない。典型的には、医療用回収用具は、その回収アセンブリで結石を捕獲するのに使用される。この回収アセンブリ内の適当な位置に結石を保持しながら、砕石器(例えば、レーザー砕石器)が結石の近傍に来て、そして結石は、砕石器により断片化される。結石を断片化した後、その結石断片を、同じまたは異なる医療用回収用具で除去でき、または体内に残して自然に排除できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レーザー砕石器は、体路内にとどまっている結石を処理する際に、ますます広く適用されている。数種のレーザー(例えば、Nd:YAGレーザーおよびホルミウム:YAGレーザー)が、医療用に利用されるようになってきた。しかし、体路内にある物質を回収および破壊するために、このようなレーザー砕石器とは別個に身体内に導入することができ、かつこのような砕石器とともに使用され得るようレーザー耐性構造を有するように設計されている係合アセンブリを備える医療用具は本発明者の知る限り存在しない。本願発明は、このような医療用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
一般に、本発明は、医療用回収用具に関し、これは、ハンドル、鞘(これは、管腔を有する)、および体内から物質を回収するレーザー耐性係合アセンブリを含む。このレーザー耐性係合アセンブリの少なくとも一部は、レーザーエネルギーにより誘導される損傷に耐性の少なくとも1種の材料を含む。このレーザー耐性物質は、この係合アセンブリそれ自体の中に取り込むことができ、または係合アセンブリ上に被覆できる。このレーザー耐性材料は、フルオロカーボンプラスチック、例えば、発泡ポリテトラフルオロエチレン(EPTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシ(perfluoroalkoy)(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)であり得る。このレーザー耐性材料はまた、反射面にメッキ研磨されたセラミックスまたは金、銀またはニッケルめっき、または医療用レーザーから放出されたレーザーエネルギー(例えば、医療用Nd:YAGまたはホルミウム:YAGレーザー)により誘発される損傷に耐性の任意の材料(または材料の組合せ)であり得る。
【0007】
本発明に従ってレーザーエネルギーに耐性の係合アセンブリを有する医療用回収用具は、本発明の用具をレーザーエネルギー療法と組み合わせて使用したとき、従来の医療用回収用具よりも有利である。例えば、レーザー砕石器は、医療用回収用具の回収アセンブリで捕獲された結石を断片化する際に効果的である。レーザー砕石器と回収アセンブリを併用することによる1つの欠点には、回収アセンブリまたは回収アセンブリ部品がレーザーエネルギーで誘発される損傷の影響を受けやすいことがある。損傷は、このレーザー砕石器の不発、方向違い、または結石との回避できない誤整列により引き起こされ得る。レーザーエネルギーが誘発した回収アセンブリの損傷により、回収アセンブリの部品(例えば、脚部)は、粗くなったり壊れ得る。壊れたまたは粗くなった脚部は、鋭い末端または面を露出し、これは、体路を傷つけ得る。
【0008】
本発明に従う医療用回収用具の利点は、その係合アセンブリが入射レーザーエネルギーによる損傷に耐性であることである。レーザーエネルギーにより引き起こされる係合アセンブリの損傷は、この医療用具を置いた体路を傷つける可能性があり得る。この係合アセンブリの少なくとも一部にレーザー耐性材料を含めることにより、損傷した係合アセンブリにより誘発し得る体路に対する外傷の危険性は、減少するかまたはなくなる。
【0009】
1局面では、本発明は、以下を含む医療用回収用具の特徴をもつ:ハンドル;管腔を有する鞘;および体内の物質を係合するレーザー耐性係合アセンブリを含む。このレーザー耐性係合アセンブリは、レーザーエネルギーにより誘発される損傷に耐性の材料を含む。このレーザー耐性材料は、この係合アセンブリの部品の少なくとも一部に組み込まれているか、または係合アセンブリの表面の少なくとも一部に塗布される。このレーザー耐性係合アセンブリは、レーザー耐性係合アセンブリが鞘の該管腔内にある位置(閉鎖位置)およびレーザー耐性係合アセンブリが鞘の遠位末端から鞘管腔の外に伸長するもう1つの位置(開放位置)を有する。このレーザー耐性係合アセンブリは、鞘が該係合アセンブリの上を軸方向に移動することにより、閉鎖位置と開放位置との間で移行できるか、または係合アセンブリは、鞘が固定して留まるとき、軸方向に移動できる。一般に、係合アセンブリを閉鎖位置、開放位置、または閉鎖位置と開放位置との間の任意の位置に置くために、鞘と該係合アセンブリの間で相対移動があり得る。
【0010】
本発明のこの局面に従った1実施態様は、細長部材を含み得、細長部材は、鞘管腔内を軸方向に伸長しており、上記レーザー耐性係合アセンブリに対してその遠位末端に作動可能に装着され、そしてハンドルにあるアクチュエータに対してその近位末端で接合される。この実施態様では、レーザー耐性係合アセンブリは、細長部材を前記ハンドルにあるアクチュエータにより移動したとき、移動される。
【0011】
本発明のこの局面に従った他の実施態様は、レーザー耐性係合アセンブリ(例えば、外科用回収バスケット)を含むことができ、レーザー耐性係合アセンブリは、複数の脚部、あるいは、複数のループを含む。レーザー耐性係合アセンブリはまた、単一ループ形状を含むことができる。ある実施態様では、レーザー耐性医療用回収バスケットは、バスケットの遠位末端に、鋭くない(tipless)または非外傷性先端部を有する。さらに他の実施態様では、レーザー耐性バスケットは、少なくとも1本の個々に動作可能な脚部、またはD形、V形または長方形脚部を有することができる。少なくとも1本の脚部の内面または外面は、少なくとも1種のレーザー耐性材料で処理され得る。
【0012】
他の実施態様では、該レーザー耐性係合アセンブリは、近位部分および遠位部分を有する。該レーザー耐性係合アセンブリの遠位部分は、該遠位部分を前記鞘の前記遠位末端を超えて伸長し、かつアセンブリの該近位部分が鞘内で折りたたまれる場合、体内の物質を捕獲するために使用できる。該レーザー耐性係合アセンブリのこの実施態様では、該係合アセンブリの該遠位および近位部分を該鞘の遠位末端を超えて伸長したとき、捕獲した物質は、該係合アセンブリから解放できる。
【0013】
本発明のさらに他の実施態様では、レーザー耐性係合アセンブリは、グラスパを含み、グラスパは、複数の対向ループ(例えば、2本のループ)を含み、そしてループは、該係合アセンブリの基部で接合され、それらの遠位末端で互いに装着していない。前記レーザー耐性回収アセンブリのループは、ループが鞘の管腔内で折りたたまれる折りたたみ位置およびループの少なくとも一部が鞘の遠位末端から管腔の外に伸長する他の位置を有する。これらループは、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であり、ループの遠位末端は、物質の捕獲および解放を可能にするように、開放位置にあるときよりも閉鎖位置にあるときの方が共に近づいている。
【0014】
他の局面では、本発明は、体内の物質を処理する方法を包含する。該方法は、体内に医療回収用具を挿入する工程を包含し、医療用具は、以下を含む:近位ハンドル;管腔を有する鞘;および係合アセンブリ。係合アセンブリは、少なくとも、係合アセンブリが鞘の管腔内にある位置および係合アセンブリが鞘の遠位末端から鞘管腔の外に伸長する他の位置を有する。係合アセンブリの少なくとも一部は、レーザーエネルギーによる損傷に耐性の材料を含む。体内の物質は、この係合アセンブリで保持され、そしてレーザー処理される。該医療用具は、体内から除去される。
【0015】
より特定すれば、本願発明は、以下に関する。
【0016】
項(1)体路にある物質を、該物質を処理するために保持する医療用具であって、この医療用具は、近位ハンドル;該ハンドルから遠位に伸長しかつ管腔を有する、鞘;該物質を係合する係合アセンブリ;および該係合アセンブリに連結され、かつ該鞘の該管腔内で該係合アセブンブリから近位方向に伸長する細長部材を備え、該係合アセンブリは、少なくとも、該係合アセンブリが該鞘の該管腔内にある位置、および該係合アセンブリが該鞘の遠位末端から該管腔の外に該係合アセンブリ内の物質を保持かつ安定化するように伸長する第2の位置を有し、ここで、該係合アセンブリが複数の脚部を含み、各脚部が、該細長部材に接続される近位末端、およびレーザー耐性織物に接続される遠位末端を有する、医療用具。
【0017】
項(2)前記鞘が、前記係合アセンブリの上を軸方向に移動可能であり、それにより、該係合アセンブリが、該鞘を軸方向に移動したとき、該鞘に対して移動する、項(1)に記載の医療用具。
【0018】
項(3)さらに、細長部材を含み、該細長部材が、前記鞘管腔内を伸長しており、かつ前記係合アセンブリの近位末端に作動可能に装着され、それにより、該細長部材を該鞘内で軸方向に移動したとき、該係合アセンブリが移動する、項(1)に記載の医療用具。
【0019】
項(4)前記係合アセンブリが、外科用回収バスケットを含む、項(1)に記載の医療用具。
【0020】
項(5)前記複数の脚部の少なくとも1本が、個々に動作可能である、項(1)に記載の療用具。
【0021】
項(6)前記複数の脚部の少なくとも1本の断面が、D形、V形または長方形である、項(1)に記載の医療用具。
【0022】
項(7)前記係合アセンブリが、体内の物質を係合可能にするように、閉鎖位置と開放位置との間で移動可能である、項(1)に記載の医療用具。
【0023】
項(8)前記係合アセンブリが、近位部分および遠位部分を含み、該遠位部分が、該遠位部分を前記鞘の遠位末端を超えて伸長し、かつ該係合アセンブリの該近位部分が該鞘内で折りたたまれた場合に、体内の物質を捕獲するためにあり、該係合アセンブリが、該係合アセンブリの該遠位および近位部分を該鞘の遠位末端から伸長した場合に、捕獲した物質を解放するように拡大する、項(1)に記載の医療用具。
【0024】
項(9)前記係合アセンブリが、バスケットを含む、項(8)に記載の医療用具。
【0025】
項(10)前記係合アセンブリが、外科用スクリーンを含む、項(1)に記載の医療用具。
【0026】
項(11)前記レーザー耐性織物が、少なくとも1種のフルオロカーボンプラスチックを含む、項(1)に記載の医療用具。
【0027】
項(12)前記フルオロカーボンプラスチックが、発泡ポリテトラフルオロエチレンを含む、項(11)に記載の医療用具。
【0028】
項(13)レーザーエネルギーによる損傷に耐性の材料が、前記係合アセンブリの少なくとも一部を覆う、項(1)に記載の医療用具。
【0029】
項(14)前記鞘が、前記係合アセンブリの上を軸方向に移動可能であり、それにより、該係合アセンブリが、該鞘を軸方向に移動したとき、該鞘に対して移動する、項(13)に記載の医療用具。
【0030】
項(15)さらに、細長部材を含み、該細長部材が、前記鞘管腔内を伸長しており、かつ前記係合アセンブリの近位末端に作動可能に装着され、それにより、該細長部材を該鞘内で軸方向に移動したとき、該係合アセンブリが移動する、項(13)に記載の医療用具。
【0031】
項(16)前記係合アセンブリが、外科用回収バスケットを含む、項(13)に記載の医療用具。
【0032】
項(17)前記係合アセンブリが、体内の物質を係合可能にするように、閉鎖位置と開放位置との間で移動可能である、項(13)に記載の医療用具。
【0033】
項(18)前記係合アセンブリが、近位部分および遠位部分を含み、該遠位部分が、前記鞘の遠位末端および該係合アセンブリの近位部分を該鞘内で崩壊したとき、体内の物質を捕獲するためにあり、そして該係合アセンブリが、該係合アセンブリの該遠位および近位部分を該鞘の該遠位末端から伸長したとき、捕獲した物質を解放するように拡大する、項(13)に記載の医療用具。
【0034】
項(19)前記係合アセンブリが、外科用スクリーンを含む、項(13)に記載の医療用具。
【0035】
項(20)前記材料が、少なくとも1種のフルオロカーボンプラスチックを含む、項(13)に記載の医療用具。
【0036】
項(21)前記フルオロカーボンプラスチックが、発泡ポリテトラフルオロエチレンを含む、項(20)に記載の医療用具。
【0037】
項(22)体内の物質を処理するシステムであって、該システムは、以下の手段を包含する:体内に医療用具を挿入する手段であって、該医療用具が、以下の部分:近位ハンドル;鞘であって、該ハンドルから遠位に伸長し、かつ管腔を有する鞘;体内の物質を係合する係合アセンブリ;および該係合アセンブリに連結され、かつ該鞘の該管腔内で該係合アセンブリから近位方向に伸長する細長部材を備え、該係合アセンブリが、少なくとも、該係合アセンブリが該鞘の該管腔内にある位置および該係合アセンブリが該鞘の遠位末端から該管腔の外に該係合アセンブリ内の物質を保持かつ安定化するように伸長する第2の位置を有し、ここで、該係合アセンブリが複数の脚部を含み、各脚部が、該細長部材に接続される近位末端、およびレーザー耐性織物に接続される遠位末端を有する、医療用具、を含む、手段;レーザー処理するために、該物質を該係合アセンブリで保持する手段;該物質をレーザーで処理する手段;および該医療用具を体内から除去する手段。
【0038】
項(23)前記複数の脚部の少なくとも1つの長さの少なくとも一部分が、レーザーエネルギーからの損傷に耐性である少なくとも1つの物質を含む、項(1)に記載の医療用具。
【0039】
項(24)前記複数の脚部が、内表面および外表面を備え、ここで、少なくとも1つの脚部の内表面または外表面のいずれかがレーザーエネルギーからの損傷に耐性である物質により被覆されている、請求項1に記載の医療用具。
【0040】
項(25)前記フルオロカーボンプラスチックがポリテトラフルオロエチレンを含む、項(11)に記載の医療用具。
【0041】
項(26)前記フルオロカーボンプラスチックがテトラフルオロエチレンを含む、項(11)に記載の医療用具。
【0042】
項(27)前記フルオロカーボンプラスチックがフッ素化エチレンフロピレンを含む、項(11)に記載の医療用具。
【0043】
項(28)前記フルオロカーボンプラスチックがペルフルオロアルコキシを含む、項(11)に記載の医療用具。
【0044】
項(29)前記フルオロカーボンプラスチックがエチレン−テトラフルオロエチレンを含む、項(11)に記載の医療用具。
【0045】
項(30)前記フルオロカーボンプラスチックがポリフッ化ビニリデンを含む、項(11)に記載の医療用具。
【0046】
項(31)前記材料が、セラミックス、金、銀、またはニッケルを含む、項(20)に記載の医療用具。
【0047】
項(32)前記複数の脚部の各々が内表面および外表面を備え、そして少なくとも1つの脚部の外表面の少なくとも一部分が、該少なくとも1つの脚部の内表面の少なくとも一部分を被覆する材料より大きな、レーザーエネルギーからの損傷に対する耐性を有する材料によって被覆されている、項(1)に記載の医療用具。
【0048】
項(33)前記複数の脚部の各々が内表面および外表面を備え、そして少なくとも1つの脚部の内表面または外表面のいずれか一方のみの少なくとも一部分が、該少なくとも1つの脚部の他方の内表面または外表面の少なくとも一部分を被覆する材料より大きな、レーザーエネルギーからの損傷に対する耐性を有する材料によって被覆されている、項(1)に記載の医療用具。
【0049】
項(34)前記複数の脚部の各々が内表面および外表面を備え、そして少なくとも1つの脚部の内表面のみがレーザーエネルギーからの損傷に対して耐性の材料によって被覆される、項(1)に記載の医療用具。
【0050】
項(35)前記レーザー耐性織物が、実質的に三角形形状を有する、項(1)に記載の医療用具。
【0051】
項(36)前記織物が、その中に開口部を有するメッシュ材料である、項(1)に記載の医療用具。
【0052】
項(37)前記開口部が、約3.0mm以下の直径を有する、項(36)に記載のデバイス。
【0053】
項(38)前記係合アセンブリの脚部が、形状記憶合金から形成される、項(1)に記載の医療用具。
【0054】
項(39)前記鞘、前記管腔、および前記係合アセンブリが、共通の長軸方向軸を規定し、そして前記係合アセンブリの各脚部が、近位部分および遠位部分を含み、該係合アセンブリが前記第2の位置にあるとき、該遠位部分が、該近位部分および該長軸方向軸から外側に曲がる、項(1)に記載の医療用具。
【0055】
項(40)前記各脚部の遠位部分が、前記係合アセンブリが前記第2の位置にあるとき、前記長軸方向軸から外側に約35゜から約60゜の角度で曲がる、項(39)に記載の医療用具。
【0056】
(41)前記レーザー耐性織物が、前記係合アセンブリが前記第2の状態にあるとき実質的に張りつめた平坦な表面を形成し、そして前記係合アセンブリの複数の脚部の近位部分が、前記鞘の遠位末端を超えて伸長する、項(39)に記載の医療用具。
【0057】
項(42)前記レーザー耐性織物が、前記複数の脚部の遠位部分が前記鞘の遠位末端を超えて伸長し、そして該複数の脚部の近位部分が該鞘内に残るとき、凸状形状をとる、項(39)に記載の医療用具。
【0058】
項(43)前記凸状形状の頂点が、前記複数の脚の各々の遠位末端にあるより、前記鞘の遠位末端からより遠くに配置される、項(42)に記載の医療用具。
【0059】
項(44)前記レーザー耐性織物が、前記複数の脚部の遠位部分が前記鞘の遠位末端を超えて伸長し、そして該複数の脚部の近位部分が該鞘内の残るとき、凹状形状をとる、項(39)に記載の医療用具。
【0060】
項(45)前記凹状形状の頂点が、前記複数の脚部の各々の遠位末端にあるより、前記鞘の遠位末端により近く配置される、項(44)に記載の医療用具。
【0061】
項(46)前記レーザー耐性織物が、実質的に矩形形状を有する、項(1)に記載の医療用具。
【0062】
項(47)前記レーザー耐性織物が、膨張したポリテトラフルオロエチレン(EPTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコイ(PFA)、エチレンテトラ−フルオロエチレン(ETFE)、およびポリビニリデンフルオライド(PVDF)から選択される、項(1)に記載の医療用具。
【0063】
項(48)各々の脚部の前記遠位末端が、前記係合アセンブリが前記鞘の遠位末端を超えて完全に伸長されるとき、前記長軸方向軸からほぼ等しい距離伸長する、項(1)に記載の医療用具。
【発明の効果】
【0064】
本願発明の医療用具を用いれば、レーザー耐性構造を有するように設計された係合アセンブリ内に身体内の結石を安定に維持した後に、レーザー砕石器を結石の近傍に接近させて作動させることができるので、係合アセンブリの損傷なくして身体内の結石を効率的に断片化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
(説明)
本発明の以下の実施態様の全ては、概して少なくとも1つのことを共通して有し、それは、医療用回収用具の係合アセンブリ、回収アセンブリまたは握りアセンブリの全部または一部が、レーザーエネルギーで誘発した損傷に耐性のことである。
【0066】
本発明の1局面では、図1Aを一般に参照すると、本発明の医療用回収用具2は、レーザー耐性回収アセンブリ10(例えば、レーザー耐性バスケット10)を含む。レーザー耐性バスケット10は、体内に入れるために鞘12内で折りたたまれ得かつバスケット脚部、ループまたは織物を使って作成できる種類である。レーザー耐性バスケット10および鞘12を含む医療用回収用具2はまた、近位ハンドル8を含む。図1Aおよび1Bで図示されたハンドル8、鞘12およびレーザー耐性バスケット10は、それらの正しい大きさまたは互いに対する比率では示されていない。この用具全体のサイズは、それを体内で適用する要件に合う寸法にされる。例えば、泌尿器用途には、体路に挿入される用具の一部のサイズは、典型的には、1.7〜8.0Frである。鞘12は、その中に少なくとも1本の管腔14を有し、そしてハンドル8から鞘の遠位末端16へと伸長している。管腔14内では、用具ハンドル8にある作動機構4から、レーザー耐性バスケット10の基部20へと、少なくとも1本の細長部材(例えば、ケーブル、コイル、シャフト、ガイドワイヤまたはマンドリルワイヤ)18が伸長している。1以上の動作機構4は、バスケット10に作動可能に装着されており、そして図1Aで図示しているように、鞘12内の折りたたみ/後退位置間で、鞘12の外側の伸長位置まで、バスケット10が鞘12に出入りするように操作者により操作され、この伸長位置において、レーザー耐性バスケット10は、図1Bで示すように、開放/拡大状態にあり、鞘16の遠位末端を超えて伸長している。あるいは、作動機構4は、固定レーザー耐性バスケット10およびケーブル18の組合せの上で遠位方向で鞘12を前進させ、それにより、レーザー耐性バスケット10を鞘12内で折りたたみ、作動機構4は、可動鞘12を近位方向で滑らせて、固定レーザー耐性バスケット10を露出し、このバスケットを開放/拡大させる。
【0067】
図1Cを参照すると、本発明に従う医療用回収用具の他の実施態様では、砕石装置9(例えば、レーザー砕石器)は、ハンドル8および鞘12にあるチャンネル200を通って長手方向に伸長しており、レーザー耐性バスケット10のバスケット基部20において、この管腔に入る。このようなレーザー砕石装置は、レーザー耐性バスケット10で係合された結石10を断片化するのに使用される。
【0068】
一般に、レーザー耐性バスケット/鞘移動形状および関連したハンドル機構の両方の種類、および多くの種類のレーザー砕石装置が公知であり、これらは、例えば、Boston Scientific Corporation(Natick,MA)から入手できる既存の製品設計で見られ得る。
【0069】
図1Aで示すように、レーザー耐性バスケットを鞘12内で折りたたみ、鞘12を、操作者によって、回収する物質(例えば、尿管にある結石)が位置している体内の部位に挿入できる。次に、レーザー耐性バスケット10をその開放/拡大位置に置くことにより(すなわち、図1Bで図示しているように、完全に展開している)、レーザー耐性バスケット10は、それを設置した体路を拡張し、操作者が握り、掴み、取り込み、捕獲するか、またはレーザー耐性バスケット10内の物質を支持することにより、物質を係合するように操作され得る。図1Cで示すように、医療用回収用具2を通って、レーザー耐性バスケット10の管腔へと、レーザー砕石器を通すことができる。あるいは、図1Dで示すように、レーザー砕石器9は、この医療用回収用具と独立した代替手段7により、捕獲された結石50を断片化するために、結石50に隣接したレーザー耐性バスケット10に導入され得る。結石50には、レーザーエネルギーを加えることができ、それを断片化する。これらの結石断片は、体内から引き出したとき、このレーザー耐性バスケットで除去されるか、またはこれらの断片が、十分に小さい場合、これらの断片は体内に残されて自然に排除される。
【0070】
本発明のこの局面の1実施態様では、図2Aおよび2Bを参照すると、この医療用回収用具のレーザー耐性回収アセンブリ10は、3本の弾力性脚部11a、11bおよび11cを有する。図2Aおよび2Bで図示しているように、レーザー耐性回収アセンブリ10は、鞘12の遠位末端16から完全に展開される。この回収アセンブリは、上述のように、この鞘を固定回収アセンブリの上で移動するか回収アセンブリを固定鞘に出し入れすることにより、鞘に対して移動される。3本の脚部11a、11b、11cの各々の近位末端20は、細長部材18に接合され、そして3本の脚部11a、11b、11cの各々の遠位末端22は、レーザー耐性織物24に固定されている。この織物は、当該技術分野で公知の任意の手段により(例えば、この織物に穴を開けることにより、この穴に脚部を通すことにより、この脚部をそれ自体の上に折り曲げることにより、また、この脚部をそれ自体ハンダ付けすることにより)、固定できる。
【0071】
図2A〜2Eで図示した織物24は、レーザー耐性である。この織物を製造するのに使用し得るレーザー耐性材料には、フルオロカーボンプラスチック、例えば、発泡ポリテトラフルオロエチレン(EPTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシ(perfluoroalkoy)(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が挙げられる。このレーザー耐性材料はまた、反射面に対する研磨されたセラミックスまたは金、銀またはニッケルめっきであり得る。このレーザー耐性織物は、メッシュ材料から製造できる。このメッシュは、小さい結石を通し大きい結石をそのまま置くように、3.0mm以下の直径の開口部を有することができる。3.0mm未満のメッシュ開口部は、小さい結石を取り込みレーザーエネルギー遮蔽を最大にするのに好ましい。図2B〜2Eで図示しているように、レーザー耐性織物24は、三角形の形状であるが、図示した三角形の形状に限定することを意図されない。3本脚の回収アセンブリを使って、他の織物形状(例えば、長方形、卵形、半円形または円形)が可能である。レーザー耐性織物24の生地には、メッシュまたはネットが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、レーザー耐性織物24は、頑丈な不織布シートの材料であり得る。この織物の開口部は、切り取るか打ち抜くことができる。
【0072】
このレーザー耐性織物製回収アセンブリの脚部は、形状記憶材料、ステンレス鋼、高分子、または医療用回収用具で使用することが公知の他の材料から製造される。
【0073】
図2Aを参照すると、レーザー耐性回収アセンブリ10の弾力性脚部11a、11b、11cは、2つの部分、すなわち、近位部分26および遠位部分28を有する。各脚部11の遠位部分28は、約45度の角度で、レーザー耐性回収アセンブリ10の中心長軸から外向きに曲げられている。可能な角度の範囲は、0°〜90°、好ましくは、35°〜60°である。それゆえ、これらの脚部の近位部分26および遠位部分28を鞘12の遠位末端16を超えて伸長することによりレーザー耐性回収アセンブリ10を完全に展開するとき、脚部11の遠位末端22は、図2Aで図示しているように、回収アセンブリ10の他の脚部11の遠位末端22から距離「l」で、最大に分かれる。レーザー耐性織物24は、レーザー耐性回収アセンブリ10の3本の脚部11a、11b、11cの遠位末端22に固定されているが、図2Aで側面から図示し、そして図2B〜2Eでレーザー耐性回収アセンブリ10の末端から図示しているように、張りつめた平坦面をなす。3本脚レーザー耐性織物24の張りつめた平坦面は、結石を、例えば、レーザー砕石器で断片化している間、結石用のスクリーンまたはバックストップとして供することができる。あるいは、織物24は、その平坦で張りつめた形状で、結石の位置を変えるか結石を体内から除去するスクレーパとして使用できる。
【0074】
本発明の他の実施態様では、図3Aおよび3Bを参照すると、3本脚レーザー耐性回収アセンブリ10を鞘12の遠位末端16から一部しか展開しないとき、レーザー耐性回収アセンブリ10は、凸状を呈することができる。図3Aで側面で図示しているように、また、図3Bでレーザー耐性回収アセンブリの末端から図示しているように、レーザー耐性回収アセンブリ10の弾力性脚部の遠位部分28を鞘12の遠位末端16を超えて伸長し、これらの脚部の近位部分26を鞘12内に納めたままのとき、これらの脚部の遠位末端22に固定されたレーザー耐性織物24は、凸状に外にめくり返される;この凸形状の頂部30は、レーザー耐性回収アセンブリ10の脚部の遠位末端22よりも、鞘12の遠位末端16からさらに遠くに位置している。それゆえ、3本脚レーザー耐性回収アセンブリ10は、図3Aで示すように、傘形状をとる。
【0075】
このレーザー耐性回収アセンブリのこの実施態様の代替形状では、図4Aで図示した回収アセンブリ10の側面図および図4Bで図示したレーザー耐性回収アセンブリ10の末端図を参照すると、レーザー耐性回収アセンブリ10の脚部11の遠位部分28を鞘12の遠位末端16を超えて伸長し、脚部11の近位部分26を鞘12内に納めたままのとき、レーザー耐性回収アセンブリ10の脚部11の遠位末端22に固定されたレーザー耐性織物24は、凹状にひっくり返され得るか、握り(grasping)または鉗子様回収アセンブリとなり得る;この凹形状の頂部30は、レーザー耐性回収アセンブリ脚部11の遠位末端22よりも、この鞘の遠位末端16に対してさらに近くに位置している。それゆえ、3本脚レーザー耐性回収アセンブリ10は、グラスピング(grasping)または鉗子様の形状をとる。
【0076】
3本脚レーザー耐性回収アセンブリ10は、この医療用回収用具の鞘内に完全に納めることができる。図5Aで示した3本脚レーザー耐性回収アセンブリ10の側面図および図5Bで示した回収アセンブリ10の末端図を参照すると、このレーザー耐性回収アセンブリの脚部の近位部分26および遠位部分28を鞘12の遠位末端16を通って引き出し鞘12管腔14に入れるとき、このレーザー耐性回収アセンブリは、鞘12内に納められる。この形状では、この医療用回収用具は、患者の体路に容易に挿入できる。
【0077】
ここで、図6Aおよび図6Bを参照すると、本発明のこの局面の他の実施態様では、この医療用回収用具のレーザー耐性回収アセンブリ10は、4本の脚部11a、11b、11cおよび11dを有する。図6Aおよび6Bで図示しているように、このレーザー耐性回収アセンブリを鞘12の遠位末端16から完全に展開すると、これらの4本の脚部の各々の近位末端20は、細長部材18に接合され、これらの4本の脚部の各々の遠位末端22は、レーザー耐性織物24に固定される。
【0078】
4本脚回収アセンブリのレーザー耐性織物24は、図6B〜6Eで図示されているが、上記3本脚レーザー耐性回収アセンブリのレーザー耐性織物24と同じ材料から製造される。図6B〜6Eで図示しているように、レーザー耐性織物24は、一般に、長方形である。図6B〜6Eで図示した長方形の形状は、図示した形状だけに限定することを意図されない。他の形状(例えば、正方形、卵形、半円形または円形)のレーザー耐性織物もまた、可能である。レーザー耐性織物24の生地には、メッシュまたはネットが挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
図6Aを参照すると、レーザー耐性回収アセンブリ10の脚部11a、11b、11c、11dは、2つの部分、すなわち、近位部分26および遠位部分28を有する。各脚部の遠位部分28は、約45度の角度で、このレーザー耐性回収アセンブリの中心長軸から外向きに曲げられている。可能な角度の範囲は、0°〜90°、好ましくは、35°〜60°である。それゆえ、これらの脚部の近位部分26および遠位部分28を鞘12の遠位末端16を超えて伸長することによりレーザー耐性回収アセンブリ10を完全に展開するとき、回収アセンブリ10の脚部11の遠位末端22は、図6Aで図示しているように、他の脚部11の遠位末端22から距離「l」で、最大に分かれる。レーザー耐性織物24は、レーザー耐性回収アセンブリ10の4本の脚部11a、11b、11c、11dの遠位末端22に固定されているが、図6Aでレーザー耐性回収アセンブリの側面から図示し、そして図6B〜6Eでレーザー耐性回収アセンブリ10の末端から図示しているように、張りつめた平坦面を形成する。4本脚レーザー耐性織物24の張りつめた平坦面は、結石が、例えば、レーザー砕石器で断片化している間、結石用のスクリーンまたはバックストップとして供することができる。あるいは、織物24は、その平坦で張りつめた形状で、体内結石の位置を変えるスクレーパとして使用できる。
【0080】
本発明の他の実施態様では、図7Aおよび7Bを参照すると、4本脚レーザー耐性回収アセンブリ10を鞘12の遠位末端から一部しか展開しないとき、レーザー耐性回収アセンブリ10は、凸状を呈することができる。図7Aでレーザー耐性回収アセンブリの側面から図示しているように、また、図7Bでレーザー耐性回収アセンブリの末端から図示しているように、レーザー耐性回収アセンブリ10の脚部の遠位部分28のみを鞘12の遠位末端16を超えて伸長し、脚部11の近位部分26を鞘12内に納めたままのとき、これらの脚部の遠位末端22に固定されたレーザー耐性織物24は、凸状に外にめくり返される;この凸形状の頂部30は、レーザー耐性回収アセンブリ10の脚部11の遠位末端22よりも、鞘12の遠位末端16からさらに遠くに位置している。それゆえ、4本脚レーザー耐性回収アセンブリ10は、傘形状をとる。
【0081】
このレーザー耐性回収アセンブリのこの実施態様の代替形状では、図8Aで図示したレーザー耐性回収アセンブリ10の側面図および図8Bで図示したレーザー耐性回収アセンブリ10の末端図を参照すると、レーザー耐性回収アセンブリ10の脚部11の遠位部分28のみを鞘12の遠位末端16を超えて伸長し、脚部11の近位部分26を鞘12内に納めたままのとき、レーザー耐性回収アセンブリ10の脚部11の遠位末端22に固定されたレーザー耐性織物24は、凹状にひっくり返されるか、グラスパまたは鉗子様回収アセンブリとなり得る;この凹形状の頂部30は、回収アセンブリ脚部11の遠位末端22よりも、この鞘の遠位末端16に対してさらに近くに位置している。それゆえ、4本脚レーザー耐性回収アセンブリ10は、グラスパまたは鉗子様の形状をとる。
【0082】
4本脚回収アセンブリ10は、この医療用回収用具2の鞘12内に完全に納めることができる。図9Aで示した4本脚レーザー耐性回収アセンブリ10の側面図および図9Bで示した4本脚レーザー耐性回収アセンブリ10の末端図を参照すると、このバスケットの脚部11の近位部分26および遠位部分28を鞘12の遠位末端16を通って引き出し鞘12管腔14に入れるとき、レーザー耐性回収アセンブリ10は、鞘12内に納められる。この形状では、医療用回収用具2は、4本脚レーザー耐性回収アセンブリ10を含めて、患者の体路に挿入できる。
【0083】
本発明に従って、レーザー耐性織物製回収アセンブリを含む医療用回収用具は、図示した3本または4本の脚部よりも多い脚部(例えば、5本、6本、8本または10本の脚部)(図示せず)を有し得る。
【0084】
さらに他の局面では、本発明は、このレーザー耐性織物回収アセンブリを使って体路にある物質(例えば、結石(例えば、尿管、尿道、嚢胞、腎臓、胆管または胆嚢の結石))を係合する方法に関する。このレーザー耐性織物回収アセンブリは、身体のポケットまたはアクセスが困難な領域から(例えば、腎杯(calyces)内から)捕獲される物質の近くに位置し得る。このレーザー耐性織物回収アセンブリは、比較的に鋭くなく、組織表面(ポケット型領域の壁または管壁でさえ)と密接に接触し得、結石、および従来の鋭い先端のバスケット(これは、外傷を引き起こし得、また、このバスケットが組織の裏層にどれだけ近づくことができるかについて、突出している先端の存在により限定されている)では回収できない他の物質の回収を可能にする。
【0085】
本発明の1実施態様では、体内の物質を係合する方法は、図10Aで図示しているように、レーザー耐性織物回収アセンブリ10を有する回収用具2を体内に、例えば、尿管102を経由して、腎杯100へと挿入する工程を包含する。この実施態様では、このレーザー耐性織物回収アセンブリは、バックストップ、シールド、スクリーンまたはスクレーパーとして役立つ。さらに、図10Aを参照すると、用具2をまず患者に挿入したとき、回収アセンブリ10は、閉鎖すなわち折りたたみ位置(また、図1Aを参照)にあり、鞘12の管腔14内に完全に納められている。ここで、図10Bを参照すると、鞘12の遠位末端16が腎杯100に入ると、レーザー耐性織物製回収アセンブリ10は、ハンドル8(図示せず)上にある1以上のアクチュエータ4を経由して織物製回収アセンブリ10を操縦することにより、またはハンドル8上の1以上のアクチュエータ4で鞘12を操縦することにより、伸長され、そして鞘12の遠位末端16から完全に展開される。図10Bで図示しているように、完全に展開した形状では、回収アセンブリ10の脚部の近位部分26および遠位部分28は、鞘12の遠位末端16を超えて伸長する。この形状では、脚部11の遠位末端22は、最大距離「l」で分けられ、脚部11の遠位末端22に装着されたレーザー耐性織物24は、平坦かつ張りつめて伸展される。ここで、図10Cを参照すると、張りつめた平坦レーザー耐性織物24の縁部23は、この鞘の遠位末端16と織物24の間に位置している空間17に結石50をかき集めるのに使用される。
【0086】
一旦、結石50を織物製回収アセンブリ10で係合し、そして空間17内で、鞘16の末端と織物24の間に位置づけると、レーザーまたは他の形状の砕石器9は、図10Dで示すように、結石50の近くに位置できる。図10Dを参照すると、この実施態様では、織物24は、砕石器9で断片化している間、結石50に対して、バックストップ、シールド、フィルターまたはスクリーンとして供される。この砕石器(好ましくは、レーザー砕石器)は、図10Dで図示しているように、この医療用具を通って挿入され、そして結石50の近くに位置している。あるいは、砕石器9は、図1Dで先に図示したように、別個の用具を経由して導入される。
【0087】
図10Eを参照すると、結石50は、砕石器9により断片化され、織物製回収アセンブリ10が完全に展開している間、織物24の縁部23は、断片化した結石を体路102のオリフィス104に近づいて案内して、それらの体内からの排出を助けるのに使用できる。
【0088】
本発明のこの局面の他の実施態様は、体路にある物質を捕獲することにより、この物質を係合する方法を包含する。この実施態様では、この回収用具は、織物製回収アセンブリ10を鞘(図示せず)内に納めている間、患者の体路100に挿入される。次の工程では、このハンドル上の1以上のアクチュエータを操縦して鞘および回収アセンブリ10を互いに対して移動することにより、この回収アセンブリの脚部11のちょうど遠位部分28は、この鞘の遠位末端16を超えて位置される。それゆえ、図3Aおよび3Bで先に図示したように、この織物製回収アセンブリは、凸形状を呈する。織物製回収アセンブリ10のこの形状は、回収アセンブリ10を閉鎖位置から部分展開位置(ここで、脚部11の近位部分26は、図1Aおよび9Aで最もよく図示されているように、鞘12内に納められたままである)へと移動することにより、または織物製回収アセンブリ10を完全展開位置(ここで、脚部11の遠位部分28および近位部分26は、図2A、2Bおよび6A、6Bで最もよく図示されているように、鞘12の遠位末端16を超えて、部分展開凸状位置へと完全に伸長されている)から移動することのいずれかにより、達成できる。
【0089】
次に、凸形状のレーザー耐性回収アセンブリ10を使って、結石50または結石断片は、図11Aで図示しているように、レーザー耐性回収アセンブリ10で係合される。脚部11の遠位部分28は、鞘12を遠位部分28の上で前進させることにより、または脚部11を鞘12の管腔14へと引き出すことにより、少なくとも部分的に鞘12の遠位端の管腔14内に引かれ得、それにより、捕獲された結石50の周りで、この凸状回収アセンブリを折りたたみ、結石50をしっかりと係合する。凸状レーザー耐性回収アセンブリ10内で結石50または結石断片を捕獲して、結石50または結石断片は、この医療用回収用具を体内から引き出すことにより、身体から除去される。図11Bで図示しているように、凸状レーザー耐性回収アセンブリ10内に捕獲された結石50はまた、砕石器9により断片化できる。
【0090】
ある場合には、図11Aで示した凸状位置で回収アセンブリ10内に捕獲された結石50は、体路のオリフィスを通って除去するには大きすぎ得る。結石50が除去するのに大きすぎる場合、回収アセンブリ10は、鞘12の遠位末端16を超えて回収アセンブリ10の脚部11の遠位部分28および近位部分26を伸長することにより、鞘12の遠位末端16から完全に展開でき、図11Aで先に図示してように、脚部11の分かれた末端22間で、距離「l」で最大に伸長する。この形状では、この回収アセンブリのサイズは、最大であり、回収アセンブリ10の管腔から結石50を容易に除去できるようになる。あるいは、結石50または結石断片は、この凸状回収アセンブリで係合されている間、この結石が外科処置でアクセスし易い体内の他の部位へと位置を変えることができる。
【0091】
本発明の他の方法では、この凸状織物製回収アセンブリはまた、バックストップ、スクリーン、シールドまたはフィルターとして使用できる。図11Cを参照すると、例えば、医療用回収用具2は、体路102に挿入される。鞘16の遠位末端は、結石50を超えて位置している。図11Dを参照すると、回収アセンブリ10は、鞘12の遠位末端16から部分的に展開され、すなわち、回収アセンブリ10の脚部11の遠位部分28だけは、鞘12の遠位末端16を超えて伸長する。それゆえ、回収アセンブリ10は、図11Dで示すように、凸状を呈する。結石50は、図11Eで図示しているように、砕石器9により断片化される。凸状回収アセンブリ10を結石50から遠位にして、回収アセンブリ10は、結石断片用のバックストップまたはフィルターとして作用し、それにより、これらの結石断片が体路でさらに遠位に前進するのを防止する。これらの結石断片は、この医療用具を体内から引き出したとき、この回収アセンブリで体内から除去できるか、またはこれらの結石断片は、体路内に残されて、体内から自然に排除できる。
【0092】
本発明の他の実施態様は、体内の物質(例えば、結石)を係合する方法を包含し、ここで、この織物製レーザー耐性回収アセンブリは、グラスピングまたは鉗子様回収アセンブリである。この実施態様では、医療用回収用具6は、まず、図12Aで図示しているように、鞘12内に納められた織物製回収アセンブリ10を使って、体内100(例えば、腎杯)に挿入される。次に、回収アセンブリ10は、図12Bで図示されているように、鞘12から部分的に展開されて、上記凸状グラスピングまたは鉗子様回収アセンブリ形状を呈する。この形状では、織物状回収アセンブリ10の脚部11の遠位部分28のみは、鞘12の遠位末端16を超えて伸長する。次の工程では、凸状レーザー耐性織物24の外側(すなわち、織物24の頂部30)は、結石50を押して、織物24をひっくり返し、凹状またはグラスパまたは鉗子様形状を形成させる。結石50は、それにより、凹状織物24内で握られる。結石50は、この鞘を脚部11の遠位部分28の上で前進させることにより、または脚部の遠位部分28の少なくとも一部を鞘12の管腔14へと引き出すことにより、回収アセンブリ10を鞘12の管腔14へと部分的に引き出すことによって、凹状織物24内でしっかりと握ることができる。結石50は、織物製回収アセンブリ10で握ると、この医療用回収用具を体内から引き出すにつれて、体内から除去できる。あるいは、この結石は、この回収アセンブリにより、レーザー療法または他の形態の医療/外科処置によりアクセスし易い体内の別の部位に位置を変えることができる。この結石は、結石が体路で操作するには大きすぎる場合、この凹状グラスパ織物製回収アセンブリから解放できる。この結石はまた、砕石器(例えば、レーザー砕石器)により、断片化できる。この砕石器は、図1Cで図示しているように、この医療用具を通って挿入でき、または図1Dで示したように、他の別個の医療用具を経由して導入され得る。
【0093】
例として、図13Aを参照すると、本発明の他の実施態様では、この医療用回収用具は、体内の物質を係合するために、多くの回収アセンブリ設計の少なくとも1つを含み、これらには、以下でさらに詳細に記述するように、複数の脚部またはループが挙げられ、ここで、この回収アセンブリの少なくとも一部は、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の材料を含有する。
【0094】
レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の特性を有する少なくとも1種の材料は、この回収アセンブリの少なくとも一部の製造で使用される。使用され得るレーザー耐性材料のいくつかは、フルオロカーボンプラスチック、例えば、発泡ポリテトラフルオロエチレン(EPTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシ(perfluoroalkoy)(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)である。このレーザー耐性材料はまた、反射面にメッキ研磨されたセラミックスまたは金、銀またはニッケルめっき、またはレーザーエネルギーにより誘発される損傷に耐性の任意の材料であり得る。図13Aで図示されているように、このレーザー耐性材料は、この回収アセンブリを製造するために使用される材料に組み込むことができる。図13A、13B、14A、14B、15Aおよび15Bで図示されているように、このレーザー耐性回収アセンブリの全部または一部は、レーザー耐性物質を組み込んだ材料から製造でき、または回収アセンブリの1以上の脚部、ループまたは他の部品は、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の少なくとも1種の材料から製造できる。
【0095】
図13Aで図示した典型的な回収アセンブリでは、脚部11aおよび11bは、それらの全長にわたって、すなわち、脚部11aおよび11bの近位末端40から遠位末端42へと、少なくとも1種のレーザー耐性材料を含有する。レベル(a)、(b)および(c)でのこの回収アセンブリの断面は、図13Bで示している。陰影を付けた断面は、少なくとも1種のレーザー耐性材料の存在を表わしている。
【0096】
本発明の他の実施態様では、ここで、図14Aを参照して、脚部11a、11b、11cおよび11dは、それらの全長にわたって、すなわち、脚部11の近位末端40から遠位末端42へと、少なくとも1種のレーザー耐性材料を含有する。レベル(a)、(b)および(c)でのこの回収アセンブリの断面は、図14Bで示している。
【0097】
代替実施態様では、図15Aを参照して、回収アセンブリの脚部11a、11b、11cおよび11dの各々の一部は、少なくとも1種のレーザー耐性材料を含有する。ここで、図15Bを参照すると、レベル(a)および(b)では、脚部11a、11b、11cおよび11dは、少なくとも1種のレーザー耐性材料を含有するが、レベル(c)では含まない。
【0098】
図示した回収アセンブリでは、脚部またはループの組合せ、および脚部またはループのうち少なくとも1種のレーザー耐性材料を含有する部分は、少なくとも1種のレーザー耐性材料を含有する回収アセンブリ、脚部またはループの可能な組合せ、または脚部またはループのうち少なくとも1種のレーザー耐性材料を含有する部分の他の型に関して、例示であって限定するものではないことを意味している。
【0099】
本発明に従う他の実施態様では、この回収アセンブリの少なくとも一部は、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の特性を有する材料で被覆されており、すなわち、回収アセンブリの1以上の部分は、その表面において、レーザー耐性材料で被覆されている。このような材料には、フルオロカーボンプラスチック、例えば、発泡ポリテトラフルオロエチレン(EPTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシ(perfluoroalkoy)(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が挙げられる。このレーザー耐性材料はまた、反射面にメッキ研磨されたセラミックスまたは金、銀またはニッケルであり得る。典型的な回収アセンブリ脚部は、図16Aで示されている。この実施態様では、脚部11は、脚部11の全長に沿って、レーザー耐性材料で被覆されている(陰影で表している)。他の実施態様では、この脚部のうち図16Bで脚部の断面で図示した全周は、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の少なくとも1種の材料で被覆される。他の実施態様では、この脚部の周囲の一部だけ(これは、図16Cで図示している)が、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の少なくとも1種の材料で被覆される。
【0100】
図16Bおよび16Cで図示した回収アセンブリの脚部のうち、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の少なくとも1種の材料で被覆された部分は、例示であり、このレーザー耐性材料で被覆された脚部の部分には限定されないことを意味する。
【0101】
この回収アセンブリの脚部は、当該技術分野で公知の任意の手段により、例えば、浸漬、塗布、噴霧により、または少なくとも1種のレーザー耐性材料を含有するスリーブを回収アセンブリの一部に塗布することにより、このレーザー耐性材料で被覆される。このスリーブは、例えば、0.001インチ厚であり得る。このスリーブの末端は、シアノアクリレート接着剤で、この回収アセンブリに固定される。発泡PTFEスリーブは、0.6〜1.0ジュールの範囲で、ホルミウムレーザーエネルギーの衝突に耐える。
【0102】
図17Aを参照すると、本発明に従う回収アセンブリの少なくとも一部は、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の特性を有する少なくとも1種の材料で被覆される。回収アセンブリの脚部、ループ、または他の部品の1個またはそれ以上は、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の特性を有する少なくとも1種の材料で被覆される。典型的な回収アセンブリ10では、図17Aで図示しているように、脚部11aおよび11bは、それらの全長にわたって、脚部11aおよび11bの近位末端40から遠位末端42へと、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の特性を有する少なくとも1種の材料で被覆される。レベル(a)、(b)および(c)での回収アセンブリ10の断面は、図17Bで示されている。
【0103】
本発明の他の実施態様では、ここで、図18Aを参照すると、脚部11a、11b、11cおよび11dは、それらの全長にわたって、脚部11a、11b、11c、11dの近位末端40から遠位末端42へと、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の特性を有する少なくとも1種の材料で被覆される。レベル(a)、(b)および(c)での回収アセンブリ10の断面は、図18Bで示されている。
【0104】
代替実施態様では、ここで、図19Aを参照すると、回収アセンブリ10の脚部11a、11b、11cおよび11dの各々の一部は、少なくとも1種のレーザー耐性材料を含有する。図19Bを参照すると、脚部11a、11b、11cおよび11dは、レベル(a)および(b)では、少なくとも1種のレーザー耐性材料で被覆されているが、レベル(c)では被覆されていない。
【0105】
レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の特性を有する少なくとも1種の材料で被覆した図示した回収アセンブリ、脚部またはループの組合せ、および脚部またはループの一部は、少なくとも1種の可能なレーザー耐性材料で被覆した回収アセンブリの他の型に関して、例示であって限定するものではないことを意味している。
【0106】
本発明に従うレーザー耐性回収アセンブリは、図13A〜19Bで図示した円形脚部を備えた回収アセンブリの他にも、また、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の特性を有する少なくとも1種の材料を含有できる。図20A〜20Fを参照すると、このような回収アセンブリは、例えば、長方形(図20A)、D形(図20B)、V形(図20C)またはB形(図示せず)である脚部11を有する。これらの特徴を含む回収バスケットは、U.S.S.N.09/027,534で記述されており、その全内容は、本明細書中で参考として援用されている。この回収アセンブリの脚部は、1個より多い面(例えば、内面13および外面15)を有することができる。内面13は、例えば、図20EでD形脚部に図示されているように、歯により、または図20FでV形脚部で図示されているように、縁部を切断することにより、粗くすることができる。図20A〜20Fで図示された脚部の任意の部分は、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の少なくとも1種の材料を含有できる。例えば、この脚部の任意の部分(例えば、ほぼ内面13またはほぼ外面15)は、レーザー耐性材料で被覆できる。
【0107】
図21Aで図示している本発明の他の実施態様では、回収アセンブリ10の遠位末端30は、鋭くないまたは非外傷性先端部である。これらの特徴を含む回収バスケットは、U.S.S.N.09/296,327(その全内容は、本明細書中で参考として援用されている)およびU.S.S.N.09/268,484(その全内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記述されている。この回収アセンブリの遠位末端部30は、実質的に平坦な材料の単一断片から製造された単一の連続ユニットを含有する形状で、規定される。例えば、図21Bの側面図および図21Cの末端図で図示されているように、鋭くない回収アセンブリ10は、単一シート材料から製造される。この実施態様では、脚部11a、11b、11c、11dを備えた形状は、図21Cで図示しているように、単一シート材料101から取り出される。回収アセンブリ10は、熱成形、常温成形により、または当該技術分野で公知の他の工程により、回収アセンブリの遠位末端の少なくとも一部の形状をなすような輪郭にされ、この形状は、単一材料片から取り出される。この材料シートは、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の少なくとも1種の材料を含有できる。あるいは、このシート材料の1以上の面(例えば、図21Cで示した上面)には、少なくとも1種のレーザーエネルギー耐性材料が塗布できる。このレーザーエネルギー耐性材料は、この単一片材料から回収アセンブリを取り出す前に塗布できるか、またはこの単一片材料から形状を取り出した後に、この回収アセンブリに塗布できる。
【0108】
図22Aおよび22Bを参照すると、非外傷性レーザー耐性回収アセンブリの他の実施態様は、回収アセンブリ10の遠位末端30で結んだ複数の脚部を有する回収アセンブリを含む。図22Aまたは22Bで図示した非外傷性回収アセンブリの少なくとも一部は、レーザーエネルギーに由来の損傷に耐性の材料を含有する。この回収アセンブリの遠位末端で結んだ複数の脚部を有する回収アセンブリの他の実施態様もまた、可能であり、図22Aおよび22Bで図示した実施態様には限定されない。
【0109】
他の実施態様では、このレーザー耐性回収アセンブリは、少なくとも1本の独立して作動可能な脚部を有する。これらの特徴を有する回収アセンブリは、U.S.S.N.09/065,158で記述されており、その全内容は、本明細書中で参考として援用されている。図23で図示しているように、この実施態様では、このレーザー耐性回収アセンブリの脚部の少なくとも1本は、他の脚部の少なくとも1本とは独立して、移動可能である。それゆえ、この回収アセンブリがその管腔にある結石を捕獲するように操縦されるとき、少なくとも1本の脚部は、独立して、これらの脚部間にある間隙の距離を調節するように、作動できる。一旦、この結石が捕獲されると、この独立して作動可能な脚部は、再度、この結石をそのバスケットの管腔内に保持するように、調節できる。
【0110】
少なくとも1本の独立して作動可能な脚部を有する医療用回収用具の実施態様では、1以上の管腔は、各管腔内に配置された少なくとも1個の細長部材を備えた鞘で、軸方向に伸長でき、この細長部材は、そのハンドル(図示せず)にある少なくとも1個のアクチュエータに作動可能に装着される。少なくとも1本の脚部の近位末端は、少なくとも1個の細長部材の遠位末端に作動可能に装着される。
【0111】
例えば、図23を参照すると、4本脚レーザー耐性回収アセンブリ10にある2本の脚部11aおよび11bは、第一細長部材18aの遠位末端に作動可能に装着されている。回収アセンブリ10の残りの2本の脚部11cおよび11dは、第二細長部材18bに作動可能に装着されている。細長部材18aは、鞘管腔14a内に納められており、そして細長部材18bは、別の鞘管腔14b内に納められている。第一細長部材18aは、鞘12の遠位末端16に向かって前進され、脚部11aおよび11bは、鞘12の遠位末端16から過伸展される。回収アセンブリ10は、細長部材18aに装着された脚部11aおよび11bを過伸展するにつれて、図22Aで図示しているように、非対称形状を呈する。少なくとも1本の個々に作動可能な脚部を有する回収アセンブリの少なくとも一部は、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の材料を含有する。
【0112】
作動可能な脚部、鞘管腔および細長部材の他の組合せは、可能であり、本発明は、図23で図示した実施態様には限定されない。
【0113】
また、他の実施態様では、レーザー耐性回収アセンブリ10は、例えば、図24A〜24Cで示すように、少なくとも2個の部分、例えば、近位部分22および遠位部分24を有することができる。これらの特徴を有する回収アセンブリは、U.S.S.N.09/369,269で記述されており、その全内容は、本明細書中で参考として援用されている。回収アセンブリ10の近位および遠位部分の各々は、種々の形状(例えば、球根状または楔状)を呈することができる。この回収アセンブリの遠位部分24は、遠位部分24を鞘12の遠位末端16を超えて伸長し、近位部分22を鞘12の管腔14内に納めたとき、図24Bで示すように、物質を捕獲するためにある。ここで、図24Cを参照すると、回収アセンブリ10の内部に捕獲される物質は、鞘12の遠位末端16から回収アセンブリ10の遠位部分24および回収アセンブリ10の近位部分22を伸長することにより、回収アセンブリ10から解放できる。
【0114】
上記のように、複数の部分を有する回収アセンブリの一部または全部は、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の材料を含有できるか、またはこの回収アセンブリの一部または全部は、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の材料で被覆できる。
【0115】
このレーザー耐性回収用具のさらに他の実施態様では、このレーザー耐性回収アセンブリは、複数のループにより形成される。これらの特徴を有する回収アセンブリは、U.S.S.N.09/064,704で記述されており、その全内容は、本明細書中で参考として援用されている。図25を参照すると、2本ループ実施態様では、ループ14a、14bは、回収アセンブリ10の基部20で接合される。ループ14a、14bの遠位末端30は、回収アセンブリ10の遠位末端では装着されない。1以上のループは、他のループよりも長さが短くあり得、それにより、あるループは、他のループの管腔を通ることができる。回収アセンブリループ14a、14bは、この回収アセンブリのループを鞘(図示せず)の遠位末端内に完全に納めたときの閉鎖位置と、回収アセンブリ10のループ14a、14bを図25で示した鞘12の遠位末端16を超えて伸長したときの開放位置との間で、移動可能である。この開放位置では、ループ14a、14bの遠位末端30は、分けられる。この開放位置では、回収アセンブリ10は、物質(例えば、体路の結石)の上を前進できる。この回収アセンブリのループを開放位置で分けたとき、この回収アセンブリは、回収アセンブリの前にある結石を直接的に前進させて、この結石を末端カプセル化できるか、この結石は、この回収アセンブリの側面から近づいて、側面カプセル化できる。
【0116】
上記のように、このループ式回収アセンブリの一部または全部は、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の材料を含むことができるか、またはこのループ式回収アセンブリの一部または全部は、レーサーエネルギーで誘発される損傷に耐性の材料で被覆できる。
【0117】
図26aおよび26bを参照して、このレーザー耐性回収アセンブリの他の実施態様では、回収アセンブリ10の脚部11a、11b、11c、11dは、鞘12の遠位末端16において、この鞘の螺旋伸長部であるか、または鞘内で包埋される。これらの特徴を有する回収アセンブリは、米国特許第5,935,139号(その全内容は、本明細書中で参考として援用されている)、およびU.S.S.N.09/184,135(その全内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記述されている。この回収アセンブリの遠位末端30には、カニューレまたは細長部材18が作動可能に装着される。図26Bで図示しているように、回収アセンブリ10の遠位末端を矢印(a)の方向で軸方向に移動するとき、回収アセンブリ10の遠位末端30は、鞘12の末端16に近づいて引き出され、それにより、回収アセンブリ10に圧縮力を加える。回収アセンブリ10への圧縮力により、回収アセンブリ10は、図26Aで図示した後退位置と図26Bで図示した拡大位置との間で移動される。この回収アセンブリの中間部31は、回収アセンブリ10が図26Bで図示した拡大位置にあるとき、半径方向に外向きに移される。回収アセンブリ10の遠位部分30が鞘12の遠位末端16の方へと近づくほど、回収アセンブリ10の中間部31の半径方向の外向き移動は、大きくなる。本発明に従って、この位置での回収アセンブリ10は、この回収アセンブリの内部で、物質(例えば、結石)を捕獲するのに使用できる。あるいは、上記のように、回収アセンブリ10は、その拡大位置では、結石を砕石器(例えば、レーザー砕石器)で断片化するとき、バックストップまたはシールドとして使用できる。
【0118】
上記のように、この螺旋状回収アセンブリの一部または全部は、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の材料を含有できるか、またはこの螺旋状回収アセンブリの一部または全部は、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の材料で被覆できる。
【0119】
本明細書中で記述したものの変更、改良および他の実行は、請求した本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者に想起される。従って、本発明は、前出の説明で規定されるのではなく、その代わりに、以下の請求の範囲の範囲および精神で規定される。
【0120】
図面では、同様の参照記号は、概して、異なる図にわたって、同じ部分を表わす。また、これらの図面は、必ずしも実物大ではなく、それ代わりに、概して、本発明の原理を説明する位置にされていることが強調される。
【0121】
(要約)
本発明は、医療用回収用具に関し、これは、ハンドル、鞘(これは、管腔を有する)、および体内から物質を回収するレーザー耐性係合アセンブリを含む。このレーザー耐性係合アセンブリの少なくとも一部は、レーザーエネルギーにより誘導される損傷に耐性の少なくとも1種の材料を含む。このレーザー耐性物質は、この係合アセンブリそれ自体の中に取り込むことができ、または係合アセンブリ上に被覆できる。このレーザー耐性係合アセンブリは、レーザー耐性係合アセンブリが鞘の該管腔内にある位置(閉鎖位置)およびレーザー耐性係合アセンブリが鞘の遠位末端から鞘管腔の外に伸長するもう1つの位置(開放位置)を有する。
【産業上の利用可能性】
【0122】
体路から、結石などの物質を回収および/または安定化するために用いられる医療用回収用具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1−1】図1−1において、図1Aは、本発明に従う医療用回収用具の平面図を示し、これは、近位末端にハンドルを備え、このハンドルと反対側に、鞘内にて、レーザー耐性回収アセンブリが納められている。図1Bは、図1Aで図示した本発明に従う医療用回収用具の平面図を示し、そのハンドルと反対側のレーザー耐性回収アセンブリは、この鞘の遠位末端から伸長している。図1Cは、図1Aで図示した本発明に従う医療用回収用具の平面図を示し、そのレーザー耐性回収アセンブリの内部で結石が捕獲されており、この医療用回収用具のチャンネルを通って、砕石器が伸長している。
【図1−2】図1−2において、図1Dは、図2中の図2Aで図示した本発明に従う医療用回収用具の平面図を示し、その回収アセンブリの内部で結石が捕獲されており、この結石には、第二内視鏡装置内の砕石器が近づいている。
【図2】図2において、図2Aは、完全に展開した位置での3本ワイヤレーザー耐性織物製回収アセンブリの1実施態様の側面図を示す。図2Bは、完全に展開した位置での図2Aで図示したレーザー耐性織物製回収アセンブリの末端図を示す。図2Cは、図2Aで図示した3本ワイヤレーザー耐性織物製回収アセンブリの他の実施態様の末端図を示す。図2Dは、図2Aで図示した3本ワイヤレーザー耐性織物製回収アセンブリの他の実施態様の末端図を示す。図2Eは、図2Aで図示した3本ワイヤレーザー耐性織物製回収アセンブリの他の実施態様の末端図を示す。
【図3】図3において、図3Aは、部分的に展開した凸状の3本ワイヤレーザー耐性織物製回収アセンブリの1実施態様の側面図を示す。図3Bは、部分的に展開した凸状の図3Aで図示したレーザー耐性織物製回収アセンブリの末端図を示す。
【図4】図4において、図4Aは、部分的に展開した凹状、グラスパまたは鉗子様の形状の3本ワイヤレーザー耐性織物製回収アセンブリの1実施態様の側面図を示す。図4Bは、部分的に展開した凹状の図4Aで図示したレーザー耐性織物製回収アセンブリの末端図を示す。
【図5】図5において、図5Aは、本発明に従う鞘内に折りたたまれた3本ワイヤレーザー耐性織物製回収アセンブリの1実施態様の側面図を示す。図5Bは、本発明に従う鞘内で折りたたまれた図5Aで図示したレーザー耐性織物製回収アセンブリの末端図を示す。
【図6】図6において、図6Aは、完全に展開した位置での4本ワイヤレーザー耐性織物製回収アセンブリの1実施態様の側面図を示す。図6Bは、本発明に従う完全に展開した位置での図6Aで図示したレーザー耐性織物製回収アセンブリの末端図を示す。図6Cは、図6Aで図示した4本ワイヤレーザー耐性織物製回収アセンブリの他の実施態様の末端図を示す。図6Dは、図6Aで図示した4本ワイヤレーザー耐性織物製回収アセンブリの他の実施態様の末端図を示す。図6Eは、図6Aで図示した4本ワイヤレーザー耐性織物製回収アセンブリの他の実施態様の末端図を示す。
【図7】図7において、図7Aは、部分的に展開した凸状の4本ワイヤレーザー耐性織物製回収アセンブリの側面図を示す。図7Bは、部分的に展開した凸状の図7Aで図示したレーザー耐性織物製回収アセンブリの末端図を示す。
【図8】図8において、図8Aは、部分的に展開した凹状、グラスパまたは鉗子様の形状の4本ワイヤレーザー耐性織物製回収アセンブリの側面図を示す。図8Bは、部分的に展開した凹状の図8Aで図示したレーザー耐性織物製回収アセンブリの末端図を示す。
【図9】図9において、図9Aは、本発明に従う鞘内に折りたたまれた4本ワイヤレーザー耐性織物製回収アセンブリの1実施態様の側面図を示す。図9Bは、本発明に従う鞘内で折りたたまれた図9Aで図示したレーザー耐性織物製回収アセンブリの末端図を示す。
【図10−1】図10−1において、図10Aは、腎臓結石を回収するために体路に入る本発明に従う医療用回収用具の概略図を示す。
【図10−2】図10−2において、図10Bは、図10−1中の図10Aの医療用回収用具の概略図を示し、レーザー耐性回収アセンブリは、腎杯で完全に展開されている。図10Cは、図10Bの医療用回収用具の概略図を示し、その回収アセンブリは、結石を捕獲するように位置している。図10Dは、図10Cの回収用具の概略図を示し、その結石は、この完全に展開したレーザー耐性回収アセンブリで捕獲されており、この結石には、砕石器が隣接している。
【図10−3】図10−3は、図10−2中の図10Dで示される回収用具の概略図を示し、図10Eで示されるこの回収アセンブリは、身体オリフィスの方へと結石断片をかき集めるように、位置している。
【図11−1】図11−1において、図11Aは、腎杯の管腔に位置している部分的に展開した凸状レーザー耐性回収アセンブリの内部で捕獲された結石の概略図を示す。図11Bは、図11Aの回収アセンブリおよび捕獲された結石に近づいている砕石器の概略図を示す。
【図11−2】図11−2において、図11Cは、本発明に従う医療用回収用具の概略図を示し、その回収アセンブリは、尿管の管腔で折りたたまれる。図11Dは、図11Cで図示した本発明の医療用回収用具の概略図を示し、その回収アセンブリは、この結石から遠位に位置しており、そして部分的に展開されている。図11Eは、図11Cで図示した本発明の医療用回収用具、砕石器およびこの砕石器で断片化された結石の概略図を示す。
【図12】図12において、図12Aは、腎杯にある結石に近づく本発明の折りたたみ位置での回収アセンブリの概略図を示す。図12Bは、部分的に展開した位置での図12Aで図示した回収アセンブリの概略図を示す。図12Cは、図12Aおよび図12Bで図示した回収アセンブリの概略図を示し、この回収アセンブリは、凹状であり、この回収アセンブリにより、結石が捕獲される。
【図13】図13において、図13Aは、2本の脚部を有する本発明の回収アセンブリの1実施態様を示し、これは、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の少なくとも1種の材料を含有する。図13Bは、図13Aの回収アセンブリの断面図を示す。
【図14】図14において、図14Aは、4本の脚部を有する本発明の回収アセンブリの1実施態様を示し、これは、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の少なくとも1種の材料を含有する。図14Bは、図14Aの回収アセンブリの断面図を示す。
【図15】図15において、図15Aは、4本の脚部の各々の一部を有する本発明の回収アセンブリの1実施態様を示し、これは、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の少なくとも1種の材料を含有する。図15Bは、図15Aの回収アセンブリの断面図を示す。
【図16】図16において、図16Aは、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の少なくとも1種の物質で被覆した回収アセンブリの脚部の側面図を示す。図16Bは、図16Aで図示した回収アセンブリの脚部の断面図の1実施態様を示す。図16Cは、図16Aで図示した回収アセンブリの脚部の断面図の他の実施態様を示す。
【図17】図17において、図17Aは、本発明の回収アセンブリの1実施態様を示し、これは、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の少なくとも1種の物質で被覆した2本の脚部を有する。図17Bは、図17Aで図示した回収アセンブリの断面図を示す。
【図18】図18において、図18Aは、本発明の回収アセンブリの1実施態様を示し、これは、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の少なくとも1種の物質で被覆した4本の脚部を有する。図18Bは、図18Aで図示した回収アセンブリの断面図を示す。
【図19】図19において、図19Aは、4本の脚部の各々の一部を有する本発明の回収アセンブリの1実施態様を示し、これは、レーザーエネルギーで誘発される損傷に耐性の少なくとも1種の材料で被覆される。図19Bは、図19Aで図示した回収アセンブリの断面図を示す。
【図20−1】図20−1において、図20Aは、レーザー耐性回収アセンブリの4本の長方形脚部の断面図を示す。図20Bは、レーザー耐性回収アセンブリの4本のD形脚部の断面図を示す。図20Cは、レーザー耐性回収アセンブリの2本のV形脚部の断面図を示す。図20Dは、レーザー耐性回収アセンブリの円形脚部の断面図を示す。
【図20−2】図20−2において、図20Eは、その内面に歯を有するD形脚部の断面図を示す。
【図20−3】図20−3において、図20Fは、歯を有するレーザー耐性回収アセンブリのV形脚部の断面図を示し、この脚部の内面には、鋭い切断縁部が位置している。
【図21−1】図21−1において、図21Aは、非外傷性遠位先端を含む本発明のレーザー耐性回収アセンブリの1実施態様の側面図を示す。
【図21−2】図21−2において、図21Bは、図21−1に示される図21Aの回収アセンブリの末端図を示す。図21Cは、レーザー耐性回収アセンブリの少なくとも遠位末端部のX輪郭実施態様の上面図を示し、これは、本発明に従って、実質的に平坦な材料の単一断片から取り出される。
【図22】図22において、図22Aは、本発明に従うレーザー耐性回収アセンブリの1実施態様を示し、これは、結んだ先端を含む。図22Bは、本発明に従うレーザー耐性回収アセンブリの遠位部分の他の実施態様を示し、これは、結んだ先端を含む。
【図23】図23は、本発明に従うレーザー耐性回収アセンブリの1実施態様を示し、これは、少なくとも1本の独立して作動可能な脚部を含む。
【図24】図24において、図24Aは、本発明に従うレーザー耐性回収アセンブリの1実施態様を示し、これは、その鞘内に、複数の回収アセンブリ部分を納めている。図24Bは、図24Aで図示した回収アセンブリの一部を示し、これは、その鞘から部分的に展開されている。図24Cは、図24Aで図示した回収アセンブリの全部を示し、これは、その鞘から完全に展開されている。
【図25】図25は、本発明に従うレーザー耐性回収アセンブリの1実施態様を示し、これは、複数の対向ループを有する。
【図26】図26において、図26Aは、本発明に従うレーザー耐性回収アセンブリの1実施態様を示し、これは、この鞘の壁から伸長している。図26Bは、拡大位置での26Aで図示した回収アセンブリを示している。
【符号の説明】
【0124】
2 医療用回収用具
4 作動機構
8 ハンドル
9 砕石装置
10 レーザー耐性バスケット
11 弾力性脚部
12 鞘
13 脚部内面
14 管腔
15 脚部外面
16 鞘の遠位末端
18 ケーブル
20 脚部の近位末端
22 脚部の遠位末端
24 レーザー耐性織物
26 脚部近位部分
28 脚部遠位部分
30 回収アセンブリの遠位末端
40 脚部近位末端
42 脚部遠位末端
50 結石
100 腎杯
102 体路
104 オリフィス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体路にある物質を、該物質を処理するために保持する医療用具であって:
近位ハンドル;
該ハンドルから遠位に伸長しかつ管腔を有する、鞘;
該物質を係合する係合アセンブリ;および
該係合アセンブリに連結され、かつ該鞘の該管腔内で該係合アセブンブリから近位方向に伸長する細長部材を備え、
該係合アセンブリは、少なくとも、該係合アセンブリが該鞘の該管腔内にある位置、および該係合アセンブリが該鞘の遠位末端から該管腔の外に該係合アセンブリ内の物質を保持かつ安定化するように伸長する第2の位置を有し、
ここで、該係合アセンブリが複数の脚部を含み、各脚部が、該細長部材に接続される近位末端、およびレーザー耐性織物に接続される遠位末端を有する、医療用具。
【請求項2】
前記鞘が、前記係合アセンブリの上を軸方向に移動可能であり、それにより、該係合アセンブリが、該鞘を軸方向に移動したとき、該鞘に対して移動する、請求項1に記載の医療用具。
【請求項3】
さらに、細長部材を含み、該細長部材が、前記鞘管腔内を伸長しており、かつ前記係合アセンブリの近位末端に作動可能に装着され、それにより、該細長部材を該鞘内で軸方向に移動したとき、該係合アセンブリが移動する、請求項1に記載の医療用具。
【請求項4】
前記係合アセンブリが、外科用回収バスケットを含む、請求項1に記載の医療用具。
【請求項5】
前記複数の脚部の少なくとも1本が、個々に動作可能である、請求項1に記載の医療用具。
【請求項6】
前記複数の脚部の少なくとも1本の断面が、D形、V形または長方形である、請求項1に記載の医療用具。
【請求項7】
前記係合アセンブリが、体内の物質を係合可能にするように、閉鎖位置と開放位置との間で移動可能である、請求項1に記載の医療用具。
【請求項8】
前記係合アセンブリが、近位部分および遠位部分を含み、該遠位部分が、該遠位部分を前記鞘の遠位末端を超えて伸長し、かつ該係合アセンブリの該近位部分が該鞘内で折りたたまれた場合に、体内の物質を捕獲するためにあり、該係合アセンブリが、該係合アセンブリの該遠位および近位部分を該鞘の遠位末端から伸長した場合に、捕獲した物質を解放するように拡大する、請求項1に記載の医療用具。
【請求項9】
前記係合アセンブリが、バスケットを含む、請求項8に記載の医療用具。
【請求項10】
前記係合アセンブリが、外科用スクリーンを含む、請求項1に記載の医療用具。
【請求項11】
前記レーザー耐性織物が、少なくとも1種のフルオロカーボンプラスチックを含む、請求項1に記載の医療用具。
【請求項12】
前記フルオロカーボンプラスチックが、発泡ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項11に記載の医療用具。
【請求項13】
レーザーエネルギーによる損傷に耐性の材料が、前記係合アセンブリの少なくとも一部を覆う、請求項1に記載の医療用具。
【請求項14】
前記鞘が、前記係合アセンブリの上を軸方向に移動可能であり、それにより、該係合アセンブリが、該鞘を軸方向に移動したとき、該鞘に対して移動する、請求項13に記載の医療用具。
【請求項15】
さらに、細長部材を含み、該細長部材が、前記鞘管腔内を伸長しており、かつ前記係合アセンブリの近位末端に作動可能に装着され、それにより、該細長部材を該鞘内で軸方向に移動したとき、該係合アセンブリが移動する、請求項13に記載の医療用具。
【請求項16】
前記係合アセンブリが、外科用回収バスケットを含む、請求項13に記載の医療用具。
【請求項17】
前記係合アセンブリが、体内の物質を係合可能にするように、閉鎖位置と開放位置との間で移動可能である、請求項13に記載の医療用具。
【請求項18】
前記係合アセンブリが、近位部分および遠位部分を含み、該遠位部分が、前記鞘の遠位末端および該係合アセンブリの近位部分を該鞘内で崩壊したとき、体内の物質を捕獲するためにあり、そして該係合アセンブリが、該係合アセンブリの該遠位および近位部分を該鞘の該遠位末端から伸長したとき、捕獲した物質を解放するように拡大する、請求項13に記載の医療用具。
【請求項19】
前記係合アセンブリが、外科用スクリーンを含む、請求項13に記載の医療用具。
【請求項20】
前記材料が、少なくとも1種のフルオロカーボンプラスチックを含む、請求項13に記載の医療用具。
【請求項21】
前記フルオロカーボンプラスチックが、発泡ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項20に記載の医療用具。
【請求項22】
体内の物質を処理するシステムであって、該システムは、以下の手段を包含する:
体内に医療用具を挿入する手段であって、該医療用具が、以下の部分:近位ハンドル;鞘であって、該ハンドルから遠位に伸長し、かつ管腔を有する鞘;体内の物質を係合する係合アセンブリ;および該係合アセンブリに連結され、かつ該鞘の該管腔内で該係合アセンブリから近位方向に伸長する細長部材を備え、
該係合アセンブリが、少なくとも、該係合アセンブリが該鞘の該管腔内にある位置および該係合アセンブリが該鞘の遠位末端から該管腔の外に該係合アセンブリ内の物質を保持かつ安定化するように伸長する第2の位置を有し、
ここで、該係合アセンブリが複数の脚部を含み、各脚部が、該細長部材に接続される近位末端、およびレーザー耐性織物に接続される遠位末端を有する、医療用具、を含む、手段;
レーザー処理するために、該物質を該係合アセンブリで保持する手段;
該物質をレーザーで処理する手段;および
該医療用具を体内から除去する手段。
【請求項23】
前記複数の脚部の少なくとも1つの長さの少なくとも一部分が、レーザーエネルギーからの損傷に耐性である少なくとも1つの物質を含む、請求項1に記載の医療用具。
【請求項24】
前記複数の脚部が、内表面および外表面を備え、ここで、少なくとも1つの脚部の内表面または外表面のいずれかがレーザーエネルギーからの損傷に耐性である物質により被覆されている、請求項1に記載の医療用具。
【請求項25】
前記フルオロカーボンプラスチックがポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項11に記載の医療用具。
【請求項26】
前記フルオロカーボンプラスチックがテトラフルオロエチレンを含む、請求項11に記載の医療用具。
【請求項27】
前記フルオロカーボンプラスチックがフッ素化エチレンフロピレンを含む、請求項11に記載の医療用具。
【請求項28】
前記フルオロカーボンプラスチックがペルフルオロアルコキシを含む、請求項11に記載の医療用具。
【請求項29】
前記フルオロカーボンプラスチックがエチレン−テトラフルオロエチレンを含む、請求項11に記載の医療用具。
【請求項30】
前記フルオロカーボンプラスチックがポリフッ化ビニリデンを含む、請求項11に記載の医療用具。
【請求項31】
前記材料が、セラミックス、金、銀、またはニッケルを含む、請求項20に記載の医療用具。
【請求項32】
前記複数の脚部の各々が内表面および外表面を備え、そして少なくとも1つの脚部の外表面の少なくとも一部分が、該少なくとも1つの脚部の内表面の少なくとも一部分を被覆する材料より大きな、レーザーエネルギーからの損傷に対する耐性を有する材料によって被覆されている、請求項1に記載の医療用具。
【請求項33】
前記複数の脚部の各々が内表面および外表面を備え、そして少なくとも1つの脚部の内表面または外表面のいずれか一方のみの少なくとも一部分が、該少なくとも1つの脚部の他方の内表面または外表面の少なくとも一部分を被覆する材料より大きな、レーザーエネルギーからの損傷に対する耐性を有する材料によって被覆されている、請求項1に記載の医療用具。
【請求項34】
前記複数の脚部の各々が内表面および外表面を備え、そして少なくとも1つの脚部の内表面のみがレーザーエネルギーからの損傷に対して耐性の材料によって被覆される、請求項1に記載の医療用具。
【請求項35】
前記レーザー耐性織物が、実質的に三角形形状を有する、請求項1に記載の医療用具。
【請求項36】
前記織物が、その中に開口部を有するメッシュ材料である、請求項1に記載の医療用具。
【請求項37】
前記開口部が、約3.0mm以下の直径を有する、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記係合アセンブリの脚部が、形状記憶合金から形成される、請求項1に記載の医療用具。
【請求項39】
前記鞘、前記管腔、および前記係合アセンブリが、共通の長軸方向軸を規定し、そして前記係合アセンブリの各脚部が、近位部分および遠位部分を含み、該係合アセンブリが前記第2の位置にあるとき、該遠位部分が、該近位部分および該長軸方向軸から外側に曲がる、請求項1に記載の医療用具。
【請求項40】
前記各脚部の遠位部分が、前記係合アセンブリが前記第2の位置にあるとき、前記長軸方向軸から外側に約35゜から約60゜の角度で曲がる、請求項39に記載の医療用具。
【請求項41】
前記レーザー耐性織物が、前記係合アセンブリが前記第2の状態にあるとき実質的に張りつめた平坦な表面を形成し、そして前記係合アセンブリの複数の脚部の近位部分が、前記鞘の遠位末端を超えて伸長する、請求項39に記載の医療用具。
【請求項42】
前記レーザー耐性織物が、前記複数の脚部の遠位部分が前記鞘の遠位末端を超えて伸長し、そして該複数の脚部の近位部分が該鞘内に残るとき、凸状形状をとる、請求項39に記載の医療用具。
【請求項43】
前記凸状形状の頂点が、前記複数の脚の各々の遠位末端にあるより、前記鞘の遠位末端からより遠くに配置される、請求項42に記載の医療用具。
【請求項44】
前記レーザー耐性織物が、前記複数の脚部の遠位部分が前記鞘の遠位末端を超えて伸長し、そして該複数の脚部の近位部分が該鞘内の残るとき、凹状形状をとる、請求項39に記載の医療用具。
【請求項45】
前記凹状形状の頂点が、前記複数の脚部の各々の遠位末端にあるより、前記鞘の遠位末端により近く配置される、請求項44に記載の医療用具。
【請求項46】
前記レーザー耐性織物が、実質的に矩形形状を有する、請求項1に記載の医療用具。
【請求項47】
前記レーザー耐性織物が、膨張したポリテトラフルオロエチレン(EPTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコイ(PFA)、エチレンテトラ−フルオロエチレン(ETFE)、およびポリビニリデンフルオライド(PVDF)から選択される、請求項1に記載の医療用具。
【請求項48】
各々の脚部の前記遠位末端が、前記係合アセンブリが前記鞘の遠位末端を超えて完全に伸長されるとき、前記長軸方向軸からほぼ等しい距離伸長する、請求項1に記載の医療用具。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図10−3】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20−1】
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【図20−2】
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【図20−3】
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【図21−1】
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【図21−2】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2006−116326(P2006−116326A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−317728(P2005−317728)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【分割の表示】特願2001−522901(P2001−522901)の分割
【原出願日】平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願人】(500345685)ボストン サイエンティフィック サイムド, インコーポレイテッド (41)
【Fターム(参考)】