説明

レーザ加工方法及びレーザ加工装置

【課題】 加工対象物に形成する穴の形状の乱れを防止することが可能なレーザ加工方法を提供する。
【解決手段】 光源1から出射されるレーザ光Lの進行方向を、音響光学素子3によって、0次回折光の出射光軸に対してθ度傾斜した第1の方向に制御する。第1の方向に進行方向を制御されたレーザ光Lを多層基板14に入射させ、多層基板14に穴を途中段階まで形成する。次に、光源1から出射されるレーザ光Lの進行方向を、音響光学素子3によって、0次回折光の出射光軸に対してθ度傾斜した第2の方向に制御することにより、レーザ光Lを、プロファイルを均一に近づけるレンズ17及びマスク18に入射させる。それらを通過したレーザ光Lを、多層基板14に既に途中段階まで形成した穴に入射させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工対象物にレーザ光を入射させて加工するレーザ加工方法及びレーザ加工装置に係り、特に加工品質の向上を図ることが可能なレーザ加工方法及びレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、多層基板の最表層を構成する樹脂層にレーザ光を入射させることにより、その樹脂層を貫通する穴を形成し、穴の底面に銅の内層配線パターンを露出させる技術が開示されている。樹脂層を貫通する穴を形成した後、穴の底面及び側面並びに樹脂層の表面に銅の上層配線パターンを形成する。上層配線パターンが、穴の底面において内層配線パターンと電気的に接続される。
【0003】
【特許文献1】特開2003−236690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂層に形成する穴の形状が乱れることがある。例えば、側面が樽状に湾曲した穴が形成されてしまうことがある。このように穴の形状が乱れた場合、上層配線パターンを内層配線パターンと良好に導通させることができなくなることがある。
【0005】
本発明の目的は、加工品質の向上を図ることが可能なレーザ加工方法及びレーザ加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によれば、(A)光源から出射されるレーザ光を、進行方向制御素子によって、加工対象物の表面に至る第1の光路に進行させる工程と、(B)前記第1の光路に進入したレーザ光を前記加工対象物に入射させ、該加工対象物の所定領域を途中段階まで加工する工程と、(C)前記光源から出射されるレーザ光を、前記進行方向制御素子によって、第2の光路に進行させる工程と、(D)前記第2の光路に進入したレーザ光のプロファイルを変更する工程と、(E)前記変更されたプロファイルのレーザ光を、前記第1の光路に進行させて、前記工程(B)で途中段階まで加工した前記所定領域に入射させる工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
加工の途中で、レーザ光のプロファイルを変更することにより、加工品質の向上を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、実施例によるレーザ加工装置の概略図である。光源1が、レーザ光Lを出射する。光源1は、COレーザ発振器によって構成されている。光源1から出射されたレーザ光Lは、コリメータ2を通して音響光学素子(AOM;Acousto-Optic Modulator)3に入射する。音響光学素子3は、制御装置4からRF信号sigが与えられていないときは、レーザ光Lを回折させずに透過させる。回折されずに音響光学素子3を透過したレーザ光L(0次回折光)は、ダンパ5に入射する。
【0009】
一方、音響光学素子3は、制御装置4からRF信号sigが与えられているときは、レーザ光Lを回折させる。その回折角θは、RF信号sigの周波数に依存する。そこで、制御装置4は、音響光学素子3に与えるRF信号sigの周波数によって、レーザ光Lの進行方向を制御することができる。具体的には、制御装置4は、RF信号sigの周波数を、第1の値fと第2の値fとの2段階に切り替えることができる。
【0010】
RF信号sigの周波数が第1の値f(例えば、30MHz)のときに、レーザ光Lの進行方向が、0次回折光Lの音響光学素子3からの出射方向に対して角度θ(例えば、3°)だけ傾斜した第1の方向に制御される。一方、RF信号sigの周波数が第1の値fよりも大きな第2の値f(例えば、50MHz)のときに、レーザ光Lの進行方向が、0次回折光Lの音響光学素子3からの出射方向に対して角度θよりも大きな角度θ(例えば、5°)だけ傾斜した第2の方向に制御される。
【0011】
角度θだけ回折されたレーザ光Lは、第1のプリズム6よって偏向され、第1のレンズ7を通して第1のマスク8に入射する。第1のマスク8には、ピンホール8aが形成されていて、そのピーンホール8aが形成された部分だけがレーザ光Lの通過を許容する。第1のマスク8を通過したレーザ光Lは、偏向ビームスプリッタ9に入射する。光源1から出射されるレーザ光Lは、偏向ビームスプリッタ9に対してP偏光になるように調整されている。偏光ビームスプリッタ9は、P偏光を透過させる。偏光ビームスプリッタ9を透過したレーザ光Lは、ミラー10で反射され、ガルバノスキャナ11及びfθレンズ12を通して、ステージ13に保持された多層基板14に入射する。fθレンズ12が、第1のマスク8のピンホール8aを多層基板14の表面に結像させる。
【0012】
角度θだけ回折されたレーザ光Lは、第2のプリズム15によって偏向される。第2のプリズム15からのレーザ光Lの出射光軸が、第1のプリズム6からのレーザ光Lの出射光軸と平行になるように、第2のプリズム15が配置されている。このため、本レーザ加工装置の光路設計が容易になるとともに、装置の大型化を防止することができる。第2のプリズム15によって偏向されたレーザ光Lは、第2のレンズ16を通して第2のマスク17に入射する。第2のマスク17にもピンホール17aが形成されていて、そのピーンホール17aが形成された部分だけがレーザ光Lの通過を許容する。第2のマスク17を通過したレーザ光Lは、1/2波長板18を透過し、ミラー19で反射されて、偏光ビームスプリッタ9に入射する。
【0013】
1/2波長板18が、レーザ光Lを偏光ビームスプリッタ9に対してS偏光に変換する。偏光ビームスプリッタ9が、S偏光であるレーザ光Lを反射させることにより、レーザ光Lがレーザ光Lと共通の光路を伝播するように、レーザ光Lの光路をレーザ光Lの光路と一致させる。偏光ビームスプリッタ9から出射したレーザ光Lは、ミラー10で反射され、ガルバノスキャナ11及びfθレンズ12を通して、ステージ13に保持された多層基板14に入射する。fθレンズ12が、第2のマスク17のピンホール17aを多層基板14の表面に結像させる。第2のマスク17から偏向ビームスプリッタ9までの光路長は、第1のマスク8から偏向ビームスプリッタ9までの光路長と等しく設計されている。
【0014】
なお、第2のレンズ16から第2のマスク17までの距離D2を調整できるように、第2のレンズ16が移動可能になっている。レーザ光Lの音響光学素子3から多層基板14までの光路が第1の光路である。レーザ光Lの音響光学素子3から第2のレンズ16までの光路が第2の光路である。
【0015】
図2に、レーザ光のビーム断面内における強度分布(以下、プロファイルという。)を示す。横軸は、ビーム断面内における径方向の位置を示し、縦軸は光強度を示す。幅dは、図1のピンホール8a及び17aの開口直径を示す。即ち、図1のピンホール8a及び17aの開口直径は等しく設計されている。
【0016】
曲線21は、図1の第1のレンズ7を通過したレーザ光Lのプロファイルである。一般に、COレーザ発振器から出射されるレーザ光のプロファイルはガウス分布状となる。曲線21の破線部分が、図1の第1のマスク8によって遮光される部分のプロファイルである。曲線21の実線部分が、図1のピンホール8aを通過する部分のプロファイルである。曲線21の実線部分が示すように、図1のピンホール8aを通過したレーザ光Lは、ビームの中心の光強度が相対的に強く、中心から離れるに従って光強度が低下したプロファイルをもつ。以下、このようなプロファイルをシングルモード型プロファイルと呼ぶことにする。
【0017】
曲線22は、図1の第2のレンズ16を通過したレーザ光Lのプロファイルを示す。曲線22の破線部分が、図1の第2のマスク17によって遮光される部分のプロファイルである。曲線22の実線部分が、図1のピンホール17aを通過する部分のプロファイルである。図1の第2のレンズ16を通過したレーザ光の、第2のマスク17のマスク面におけるスポットサイズは、図1の第1のレンズ7を通過したレーザ光の、第1のマスク8のマスク面におけるスポットサイズよりも大きい。これは、図1の第2のレンズ16から第2のマスク17までの距離D2を、第1のレンズ7から第1のマスク8までの距離D1よりも小さくすることで可能となる。このため、曲線22の実線部分が示すプロファイルは、曲線21の実線部分が示すプロファイルに比べるとビーム断面の全域にわたって均一に近づけられている。以下、このようなプロファイルをトップフラット型プロファイルと呼ぶことにする。
【0018】
図3は、図1のレーザ光L及びRF信号sigのタイミングチャートである。図1の光源1から出射されるレーザ光Lはパルスレーザ光である。図3の上欄に、そのパルスレーザ光のON・OFFを示す。図3の下欄に、時間軸上に配置したRF信号sigの周波数を示す。以下、図3を参照しながら図1に示したレーザ加工装置の動作を説明する。前提として、図3に示すように、パルスレーザ光のパルス幅を3つの期間A、B、及びCに分けることを考える。なお、期間A、B、及びCは、それぞれ30μs〜40μsに設定され、かつこれらの合計としてのパルス幅は100μsに設定される。
【0019】
最初の期間Aは、制御装置4が音響光学素子3に周波数が第1の値f(例えば、30MHz)のRF信号sigを与える期間である。このとき、レーザ光Lの進行方向が、0次回折光Lの音響光学素子3からの出射方向に対して角度θ(例えば、3°)だけ傾斜した第1の方向に制御され、第1のレンズ7及び第1のマスク8を通過したシングルモード型のプロファイル(図2の曲線21参照)をもつレーザ光Lが多層基板14に入射する。これにより、多層基板14に穴が途中段階まで形成される。
【0020】
次の期間Bは、制御装置4が音響光学素子3にRF信号sigを与えない期間である。このとき、レーザ光Lは、音響光学素子3において回折されず、ダンパ5に入射する。このため、多層基板14にはレーザ光が入射しない状態となる。この期間Bに、上記期間Aで途中段階まで形成された穴の内面に蓄積された熱を放熱させることができるので、穴の内面の過熱に起因した穴形状の悪化を防止できる。
【0021】
最後の期間Cは、制御装置4が音響光学素子3に周波数が第2の値f(例えば、50MHz)のRF信号sigを与える期間である。このとき、レーザ光Lの進行方向が、0次回折光Lの音響光学素子3からの出射方向に対して角度θ(例えば、5°)だけ傾斜した第2の方向に制御される。第2の方向に進行方向を制御され、第2のレンズ16及び第2のマスク17を通過したトップフラット型のプロファイル(図2の曲線22参照)をもつレーザ光Lが、上記期間Aにおいて途中段階まで形成された穴に入射する。これにより、その途中段階まで形成された穴の内面の一部が除去され、所望形状の穴が完成する。
【0022】
以上のように、光源1から1ショットのパルスレーザ光Lが出射されている期間内に、音響光学素子3によってパルスレーザ光Lの進行方向を制御することにより、期間A及びCのそれぞれにおいて独立したパルスを切り出すことができる。音響光学素子3は、例えば1μs程度でレーザ光の進行方向を切り替えることができるため、30μs〜40μs程度の時間間隔でパルスを切り出すための進行方向制御素子として用いるのに適している。
【0023】
なお、以上の期間A〜Cを経て多層基板14に一つの穴を完成させた後に、制御装置4がガルバノスキャナ11に駆動信号sigを送出し、多層基板14の表面上におけるレーザ光の入射位置を移動させる。このようにして、制御装置4は、穴の形成と多層基板14上におけるレーザ光の入射位置の移動とが交互に繰り返されるように、音響光学素子3とガルバノスキャナ11とを同期させて制御する。これにより、多層基板14の表面に、複数(例えば、数千〜数万個)の穴を形成することができる。
【0024】
図4(a)に、図1に示した多層基板14の一部の断面図を示す。コア層40の表面の一部に、内層の銅配線パターン41が形成されている。さらに、コア層40上に、銅配線パターン41を覆うように樹脂層42が積層されている。
【0025】
図4(b)は、図3の期間Aにおいて、シングルモード型のプロファイルをもつレーザ光Lの入射によって穴を途中段階まで形成した多層基板14の断面図である。途中段階まで形成された穴(以下、未完成穴という。)Hの側面は、すり鉢状に傾斜している。これは、シングルモード型プロファイルをもつレーザ光Lは、光強度がビームの中心に偏っているため、ビームスポットの中心部分において樹脂層42の除去速度が速く、中心から離れるに従って樹脂層42の除去速度が遅くなるためである。
【0026】
図4(c)は、図3の期間Cにおいて、トップフラット型のプロファイルをもつレーザ光Lを未完成穴Hに入射させた多層基板14の断面図である。トップフラット型プロファイルをもつパルスレーザ光Lは、光強度がビーム断面内で均一化されているので、そのビームスポット内における樹脂層42の除去速度が略均等になる。トップフラット型プロファイルをもつパルスレーザ光Lを未完成穴Hに入射させた結果、穴底側が狭まったテーパ状の側面を有する穴Hを完成させることができた。
【0027】
穴Hの底面には、銅配線パターン41の表面が露出している。未完成穴Hの側面がすり鉢状に傾斜していたため、パルスレーザ光Lのビームスポットの中心部分の銅配線パターン41が、そのビームスポットの周辺部分の銅配線パターン41よりも相対的に速く露出すると考えられる。COガスレーザ発振器によって構成された光源1(図1参照)から出射された赤外域の波長をもつレーザ光は、樹脂層42には吸収されるが、銅配線パターン41の表面では反射される。穴の底部に銅配線パターン41の表面が露出すると、その露出した銅配線パターン41によってレーザ光が反射されるため、銅配線パターン41には穴は形成されない。
【0028】
本実施例によれば、シングルモード型プロファイルをもつレーザ光のみを用いて穴を形成する場合に比べると、穴Hの開口の直径をDt、底面の直径をDbとしたとき、Db/Dtで定義される開口率を高めることが可能になるとともに、穴形状の乱れを防止することが可能になる。また、トップフラット型プロファイルをもつレーザ光のみを用いて穴を形成する場合に比べると、穴Hの加工効率を向上させ得る利点がある。
【0029】
穴Hの底面及び側面並びに樹脂層42の表面に銅の上層配線パターン(図示せず)を形成することにより、穴Hの底面において上層配線パターンと内層配線パターンとを良好に導通させることができる。
【0030】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られない。実施例では、1ショットのパルスレーザ光を、ダンパ5に入射させる期間Bを挟んで、時間的に2分割し、そのうちの前半のパルスレーザ光によって穴を途中段階まで形成し、後半のパルスレーザ光によって穴を完成させることとしたが、nショットのパルスレーザ光によって穴を途中段階まで形成し、mショットのパルスレーザ光によって穴を完成させることとしてもよい(但し、n、mは、自然数とする)。その場合は、制御装置4が、n+mショット毎に、ガルバノスキャナ11に駆動信号sigを送出する。また、シングルモード型プロファイルをもつレーザ光と、トップフラット型プロファイルをもつレーザ光とを交互に多層基板14に入射させることもできる。
【0031】
実施例では、光源1としてCOレーザ発振器を用いたが、エキシマレーザ発振器等の他のレーザ発振器を用いることもできる。また、第2のレンズ16と第2のマスク17とによって、レーザ光のプロファイルを均一に近づける均一化光学系を構成することとしたが、均一化光学系は非球面レンズ等によって構成してもよい。また、本発明のレーザ加工装置は、穴あけ加工だけでなく、表面の除去加工等にも適用することができる。この他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施例によるレーザ加工装置の概略図である。
【図2】レーザ光のビーム断面内における強度分布を示す線図である。
【図3】レーザ光及びRF信号のタイミングチャートである。
【図4】多層基板の断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1…光源、2…コリメータ、3…音響光学素子(進行方向制御素子)、4…制御装置、5……ダンパ、6…第1のプリズム、7…第1のレンズ、8…マスク、9…偏向ビームスプリッタ(光合波素子)、10…ミラー、11…ガルバノスキャナ(走査器)、12…fθレンズ、13…ステージ(保持台)、14…多層基板(加工対象物)、15…第2のプリズム、16…第2のレンズ、17…第2のマスク、18…1/2波長板、19…ミラー、40…コア層、41…銅配線パターン、42…樹脂層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)光源から出射されるレーザ光を、進行方向制御素子によって、加工対象物の表面に至る第1の光路に進行させる工程と、
(B)前記第1の光路に進入したレーザ光を前記加工対象物に入射させ、該加工対象物の所定領域を途中段階まで加工する工程と、
(C)前記光源から出射されるレーザ光を、前記進行方向制御素子によって、第2の光路に進行させる工程と、
(D)前記第2の光路に進入したレーザ光のプロファイルを変更する工程と、
(E)前記変更されたプロファイルのレーザ光を、前記第1の光路に進行させて、前記工程(B)で途中段階まで加工した前記所定領域に入射させる工程と
を有するレーザ加工方法。
【請求項2】
前記光源から出射されるレーザ光がパルスレーザ光であり、該パルスレーザ光が前記光源から1ショット出射されている期間内に、前記工程(B)〜(E)を行う請求項1に記載のレーザ加工方法。
【請求項3】
前記パルスレーザ光のパルス幅が、90μs以上、600μs以下である請求項2に記載のレーザ加工方法。
【請求項4】
前記工程(B)が、前記所定領域を途中段階まで加工した後、前記光源から出射されるレーザ光を、前記進行方向制御素子によって、ダンパに至る第3の光路に進行させる工程を含む請求項1〜3のいずれかに記載のレーザ加工方法。
【請求項5】
前記進行方向制御素子が、外部から与えられる電気信号に基いて、自己に入射したレーザ光を回折させる音響光学素子である請求項1〜4のいずれかに記載のレーザ加工方法。
【請求項6】
前記変更されたプロファイルが、トップフラット型である請求項1〜3のいずれかに記載のレーザ加工方法。
【請求項7】
レーザ光を出射する光源と、
前記光源から出射されたレーザ光が入射し、該レーザ光を第1の光路及び第2の光路のいずれにも進行させることができる進行方向制御素子と、
前記第1の光路を伝播したレーザ光が入射する位置に加工対象物を保持する保持台と、
前記第2の光路を伝播したレーザ光が入射し、該レーザ光のプロファイルを、前記進行方向制御素子によって前記第1の光路に進行されたレーザ光のプロファイルよりも均一に近づける均一化光学系と、
前記均一化光学系を通過したレーザ光が前記第1の光路と共通の光路を伝播するように、該均一化光学系を通過したレーザ光を前記第1の光路に進行させる光合波素子と、
前記共通の光路上に配置され、自己に入射したレーザ光の、前記加工対象物の表面上における入射位置を、該加工対象物の表面上で移動させる走査器と、
(a)前記光源から出射されたレーザ光が前記進行方向制御素子によって前記第1の光路に進行され、(b)次いで該レーザ光が前記進行方向制御素子によって前記第2の光路に進行され、(c)次いで該レーザ光の前記加工対物の表面上における入射位置が前記走査器によって移動される一連の前記工程(a)〜(c)が繰り返し行われるように、前記進行方向制御素子及び前記走査器を同期させて制御する制御装置と
を備えたレーザ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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