説明

レーザ加工機

【課題】レーザ加工機を提供することを課題とする。
【解決手段】チャンバーとレーザシステムと少なくとも1個の加工ステージと少なくとも1個の上部運動ステージとを含むレーザ加工機であって、レーザシステムはチャンバー内部の下方に設けられ、進行方向が重力方向と反対するレーザ光の出力に用いられる。加工ステージがチャンバー内部の上方に設けられ、対向する吸着面と連結面とを備える。且つ、吸着面は連結面の下方に位置し、加工物を吸着するために用いられる。上部運動ステージがチャンバー内部の上方に設けられ、加工ステージの連結面に対応して連結し、加工ステージを運動するために用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工に関し、特に、レーザ加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ技術は広範囲に渡り多くの産業に応用されている。
例をあげると、パネル製造産業において、ウェット工程で生じる化学物質の廃液により容易に環境保全問題につながるため、レーザのパネルエッチングに変更することで、化学物質の廃液の発生を避けることができる以外に、レーザエッチング技術により更に精密度が高くなるという長所がある。
よって、レーザ技術の穴あけ、切断への応用以外に、配線或いはパターン製造需要の産業にも応用できる。
例えばパネルのショートリングスクライビング、薄膜トランジスタの修整、表面プリントの回路パターンの直接描画・製作、検出導電薄膜回路の図形製作、フレキシブルプリント基板の精密配線パターン形成及び太陽電池薄膜回路の区画・スクライビングの製作等である。
【0003】
図1は従来のレーザ加工を示す図である。
図1に示すように、加工物(例えばパネル)100aが加工ステージ110aに載置され、レーザヘッド120aが加工物100aの上方に位置し、下に向かってレーザ光130aを出力する。これを通じて、加工物100aに対しスクライビング、穴あけ或いは切断等の加工ができる。
しかしながら、加工物100aが熱を受けて気化し、加工物100aの表面に粉塵が生じてしまう。加工物100a上に付着した粉塵は容易に切断線路の間において短絡を引き起こしてしまう。
レーザヘッド120a上に吸気装置140aを設置して空気の抽出によって気流を発生させることで、加工物100a表面の粉塵を舞い上げて抽出できるが、粒子が比較的大きい粉塵が容易に再度加工物表面に落ちる、或いは加工物100a表面で生じた静電気により加工物100a上に吸着されてしまう。
【0004】
この他に、レーザ加工の後、加工結果が要求を満たしているかどうかをチェックする必要があり、誤差があった場合、レーザ修整を行わなければならない。
よって、加工物100aをレーザ加工機で加工を終えた後、電気特性の測定又は目視比較を行うことで、加工と予想の不一致箇所を見つけ出すため、検査装置へ移動しなければならない。
そして加工物100aをレーザ加工機(或いは別のレーザ修整機に置く)に移して修整する。加工物100aを異なる装置に置くたびに、位置決めを行わなければならないため、製造工程時間を無駄してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は上記のような従来技術の問題点に鑑みて、レーザ加工機を提供することで従来の技術に存在する問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例では、チャンバーとレーザシステムと少なくとも1台の加工ステージと少なくとも1台の上部運動ステージとを、含むレーザ加工機を提供する。
【0007】
レーザシステムはチャンバー内部の下方に設けられ、進行方向が重力方向と反対するレーザ光の出力に用いられる。
加工ステージがチャンバー内部の上方に設けられ、対向する吸着面と連結面とを備える。且つ吸着面は連結面の下方に位置し、加工物を吸着するために用いられる。
上部運動ステージがチャンバー内部の上方に設けられ、加工ステージの連結面に対応して連結し、加工ステージを運動するために用いられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施例を通して、重力を利用して有効的に除塵し、配線ミスを避け、工業化生産の歩留まりに役立つ。
且つ加工ステージと上部運動ステージが複数の場合、同時に加工と測定できるため、工業化生産の生産能力に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】従来のレーザ加工を示す図である。
【図2】本発明に係る第1の実施例のレーザ加工機背面図である。
【図3A】本発明に係る第1の実施例の加工ステージ底面図である。
【図3B】本発明に係る第1の実施例の加工物底面図である。
【図4】本発明に係る第1の実施例の加工ステージと加工物の側面図である。
【図5】本発明に係る第1の実施例の温湿度制御システムを示す図である。
【図6】本発明に係る第1の実施例の集塵システムを示す図である。
【図7】本発明に係る第2の実施例のレーザ加工機前面図である。
【図8】本発明に係る第2の実施例のレーザ加工機側面図である。
【図9】本発明に係る第2の実施例のレーザ加工機の運用フローチャートである。
【図10】本発明に係る第3の実施例のレーザ加工機背面図である。
【図11】本発明に係る第3の実施例のレーザ加工機前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施例)
図2は本発明に係る第1の実施例のレーザ加工機200背面図である。
図2に示すようにレーザ加工機200にはチャンバー210とレーザシステム220と加工ステージ230と上部運動ステージ240とを、含む。レーザシステム220がチャンバー210内部の下方に設けられる。加工ステージ230と上部運動ステージ240がチャンバー210内部の上方に設けられる。
【0011】
レーザシステム220は、進行方向が重力方向と反対するレーザ光500を出力するために用いられる。加工ステージ230は対向する吸着面231及び連結面233を備え、且つ吸着面231が連結面233の下方に位置し、加工物400を吸着するために用いられる。上部運動ステージ240が加工ステージ230の連結面233に連結し、加工ステージ230を運動するために用いられる。
【0012】
そこで、上部運動ステージ240にはX軸運動ステージとY軸運動ステージ(図示略)とを含むことができ、加工ステージ230をX方向とY方向に沿って運動させることで、加工物400にスクライビングして特定パターンを形成することに用いる。
【0013】
これにより、加工物400がレーザ光熱或いは光化学反応を受けて生じた粉塵は、重力によって下に落下できる。
このほかに、上部運動ステージ240の運動も、加工物400上の粉塵を払い落とすことにも役立つ。
【0014】
そこで、図2に示すように、レーザ加工機200は、第1の下部運動ステージ250と台座260とダンパーシステム270と電気特性測定システム280とワーク搬送システム290とを、更に含むことができる。
【0015】
第1の下部運動ステージ250がチャンバー210内部の下方に設けられ、レーザシステム220を載置並びに運動するために用いられる。そこで、第1の下部運動ステージ250はX軸運動ステージ251とZ軸運動ステージ253とを含むことができる。
X軸運動ステージ251はレーザシステム220をX方向に沿って運動させるために用いる。
Z軸運動ステージ253はレーザシステム220をZ方向に沿って運動させるために用いる。
これにより、レーザシステム220を適切な位置に移動することで、加工物400上の加工箇所に対応できる。
【0016】
ダンパーシステム270はチャンバー210と台座260の間に設けられ、複数のダンパーを含み、外部振動で加工精度に影響しないように外部からチャンバー210内部システムへの振動を抑制できる。
【0017】
ワーク搬送システム290は、加工ステージ230と第1の下部運動ステージ250の間に設けられることができ、加工物400のロード(加工ステージ230に置く)とアンロード(加工ステージ230から卸す)を行うために用いる。
そこで、スムーズに説明するため、ワーク搬送システム290に関する詳細な説明を後記図4で説明する。
【0018】
電気特性測定システム280は、四探針法(Gated−four−probe method)で加工を経た加工物400上の導線抵抗を測定でき、或いはフレキシブルな圧力式プローブステーションの治具で迅速なスイッチ切替で開回路や短絡の有無のデータを得て判別できる。導線の開回路と短絡状況を通じて、更に加工物400の修整を行う必要があるかを判断する。
【0019】
電気特性測定システム280は、チャンバー210内部の上方或いは下方に設けられることができ、またワーク搬送システム290に合わせ、電気特性測定システム280のプローブステーションとワーク搬送システム290を結合させることができる。
例を挙げると、ワーク搬送システム290を通じて位置決め方法(例えば位置決めピン(Locating pin)又はロボットで視覚位置決めに合わせる)により加工物400を加工ステージ230に置く。電気特性測定システム280は加工前後品質管理の検証を図るため、同時にワーク搬送システム290を通じて位置決めることができる。
この他、安定して加工ステージ230箇所まで持ち上げるため、電気特性測定システム280は昇降テープルを含むことができる。
【0020】
図3Aは本発明に係る第1の実施例の加工ステージ230底面図である。
図3Bは本発明に係る第1の実施例の加工物400底面図である。
図4は本発明に係る第1の実施例の加工ステージ230と加工物400の側面図である。
図3A、図3B及び図4を一緒に参照しながら説明する。図に示すように加工ステージ230には基台232及び気流システム235が含まれる。
【0021】
図3Aに示すように、基台232は多孔性材質(porous material)からなり、複数の気孔部234を形成できる。
例えば毛細繊維、陶磁或いは金属粉末を焼結してからなることができる。
若しくはレーザ光500を散乱し、レーザ光500は基台232で反射して加工物400を傷つけないように、基台232の材質も石英ガラス或いはその他光学ガラス又は結晶体を選択できる。
【0022】
そこで、粉塵が基台232の静電気により加工物400に吸着されることを避けるため、基台232は好しくは導電材質からなり、且つ接地に接続することができる。
【0023】
図4に示すように、気流システム235は基台232に連結される。気流システム235は正陰圧供給ユニット236と気室237を含むことができる。気室237は各気孔部234と陽陰圧供給ユニット236の間に連結する。
これを介して、気流システム235は基台232表面(吸着面231)で陽圧気流を発生して加工物400を気流浮上できる。
或いは、基台232表面で陰圧気流を発生して加工物400を吸着できる。
そこで、気流システム235は電磁弁の切替により陽圧又は陰圧の気流を発生させることができる。
【0024】
図3Bを参照しながら説明する。
加工物400は加工ゾーン410及びその外周の無効ゾーン430を含むことができる。加工ゾーン410をレーザ加工を受けるエリアとして計画する。無効ゾーン410はレーザ加工を受けないエリアとする。
これにより、無効ゾーン430に複数個の位置決めポイント450を設置できる。
且つ、図3Aに示すように、基台232に位置決めポイント450と対応する位置決め穴238を設けられることで、ワーク搬送システム290と合わせて位置決めできる。
【0025】
ワーク搬送システム290は、位置決め方法(例えば位置決めピン(Locating pin)或いはロボットで視覚位置決めに合わせる)により加工物400を加工ステージ230に置くことができる。
以下は、位置決めピンを例として説明する。図4に示すように、ワーク搬送システム290は挟持具(又は吸盤)291を備える。
【0026】
挟持具291は、加工物400の位置決めポイント(図示略)で加工物400を挟持或いは吸引し、また位置決め穴238まで、次に気流システム235を通じて加工物400を吸着し、加工物400を基台232に固定させる。
【0027】
図4に示すように、ワーク搬送システム290は気流浮上搬送モジュール293を更に含むことができる。気流浮上搬送モジュール293は、接触式保持具294と張力伸展ステージ295と気流浮上吸引ノズル296とを含む。
【0028】
接触式保持具294は、実質に吸引ノズル又は固定ジョーを含むことができ、加工物400を保持するために用いる。張力伸展ステージ295は接触式保持具294に連結し、水平移動により加工物400に対し水平引張力或いは張力を施すために用いる。気流浮上吸引ノズル296は陽圧気流を発生するために用い、加工物400を加工ステージ230まで搬送する過程において、加工物400の衝突損耗を避けることができる。
【0029】
そこで、レーザ加工機200は、イオン銃(図示略)を更に含むことができ、加工物400の位置決め後、その上の静電気を除去するために用いる。これを介して、加工時に粉塵が加工物400の表面に吸着することを避けることができる。
【0030】
再度図2を参照しながら説明する。
本発明に係る第1の実施例において、チャンバー210は外側チャンバー211とシールチャンバー213とを含むことができる。外側チャンバー211はシールチャンバー213を被覆するために用いられる。外側チャンバー211は、好しくは花崗岩材質からなり、これを介して強固で信頼できる外周保護を提供できる。
【0031】
図5は本発明に係る第1の実施例の温湿度制御システム300を示す図である。
図5に示されるように、レーザ加工機200は温湿度制御システム300を更に含むことができ、シールチャンバー213内の恒温恒湿を維持するために用いる。
温湿度制御システム300は、気体吹込装置301と気体排出装置303とを含むことができる。気体吹込装置301は恒温気体をシールチャンバー213内に吹き込まれるために用いる。気体排出装置303はシールチャンバー213内の気体を排出することで、シールチャンバー213内の低真空状態を維持するために用いる。
そこで、気体吹込装置301はシールチャンバー213の上方に設けられ、気体排出装置303がシールチャンバー213の下方に設けられることができる。
これを介して重力により落下した粉塵をシールチャンバー213から運び出すことができる。
【0032】
その他、温湿度制御システム300も水循環システムで恒温制御を行い、また除湿装置を組み合わせてシールチャンバー213内の恒湿を維持できる。
【0033】
図6は、本発明に係る第1の実施例の集塵システム310を示す図である。
図6に示されるように、レーザ加工機200は集塵システム310を更に含むことができる。集塵システム310は、空気吹出ノズル311と吸気ハウジング313とを含む。
【0034】
空気吹出ノズル311はレーザシステム220のレーザヘッド221に設けられることができる。吸気ハウジング313の凹面は加工ステージ230とレーザシステム220の間に上向きに設置される。空気吹出ノズル311は該レーザ光500の焦点に伴って加工物400の表面に空気を噴射するために用いられる。吸気ハウジング313は空気吹出ノズル311で飛散された粉塵を吸引するために用いられる。
そこで、集塵システム310がなお空気吹出ノズル311の空気吹出に供する陽圧供給ユニットと二者間に連結する管路と吸気ハウジング313の吸気に供する陰圧供給ユニットと二者間に連結する管路とを含むことについて、当業者には明白であろう。
【0035】
本発明に係る第2の実施例において、図2は本発明に係る第2の実施例のレーザ加工機200背面図とすることができる。図7は本発明に係る第2の実施例のレーザ加工機200前面図とすることができる。
【0036】
図7に示すように、本実施例と第1の実施例は大まかに同じで、レーザ加工機200は光学測定システム320と第2の下部運動ステージ330とを更に含む。光学測定システム320と第2の下部運動ステージ330がチャンバー210内部の下方に設けられる。
【0037】
光学測定システム320は加工物400を位置決めて、レーザシステム220がこれを以ってレーザ加工を行うために供される。
若しくはレーザ加工後、レーザシステム220は光学測定システム320の測定結果に基づき、レーザパラメータを修正すると共に加工物400を修整できる。
そこで、光学測定システム320は、撮影カメラと干渉計とを含むことができる。
【0038】
撮影カメラは、加工物400の映像をキャプチャすることに用いられ、加工物400を位置決めして、上部運動ステージ240及び第2の下部運動ステージ330の座標に合わせるよう図る。且つ、光学測定システム320はレーザ加工及び加工後の修整のため、映像処理技術により加工物400の映像について映像認識を行うことができる。
例をあげると、加工物400は挟持或いは加工して熱を受けて変形が生じる、若しくはレーザ加工前のプリント配線工程の精度誤差により、実際の位置決めポイントと各配線とがずれてしまう。
光学測定システム320は原予定図形と実際の図形を対比して新図形として校正してから、予定レーザスクライビングライン経路を計画することで、本当のレーザ加工経路座標を得る。この加工経路座標はレーザシステム220が加工物400を加工或いは修整することに供することができる。
【0039】
その他、2つの撮影カメラの視覚交点を通じて、人間の視覚に真似て、Z軸運動ステージの高さを校正できる。
【0040】
干渉計は、白光干渉計或いはレーザ干渉計とすることができ、加工物400の表面形状を取得するために用いる。且つ、表面形状に基づいて取得したパラメータ(例えば線幅、凸起の高さと幅等の取り除く)は、灰色分析法或いはタグチメソッドでベストのレーザパラメータ設定を求めることで、レーザパラメータを校正する。
【0041】
第2の下部運動ステージ330は、光学測定システム320を載置並びに運動するために用いる。
そこで、第2の下部運動ステージ330は、X軸運動ステージ331とZ軸運動ステージ333とを含むことができる。X軸運動ステージ331は、光学測定システム320をX方向に沿って運動させることに用いる。Z軸運動ステージ333は光学測定システム320をZ方向に沿って運動させるために用いる。これを介して、光学測定システム320を適切な位置に移動させて、加工物400を測定させることができる。
【0042】
(第2の実施例)
図8は、本発明に係る第2の実施例のレーザ加工機200側面図である。
図9は本発明に係る第2の実施例のレーザ加工機200の運用フローチャートである。
【0043】
図8に示すように、電気特性測定システム280とワーク搬送システム290はレーザ加工機200の前区域に位置し、光学測定システム320がレーザ加工機200の中区域に位置し、レーザシステム220がレーザ加工機200の後区域に位置できる。
【0044】
これを介し、図9に示すように、加工物400はレーザ加工機200の前区域で加工ステージ230にロードすると共に脱イオン(ステップS601)を行うことができる。
次に、中区域の光学測定システム320で図形の判別を行うことで、加工物400を位置決めし、レーザ加工の予定経路と座標(ステップS602)を計画する。更に後区域のレーザシステム220で加工(ステップS603)を行う。
【0045】
加工を終えた後、レーザ加工機200前区域にある電気特性測定システム280が加工物400に対して電気特性測定(ステップS604)を行う。
配線ミスを検出された場合、ステップS602に戻り、図形の判別を行い、また新しいレーザ加工経路と座標を生成して、ステップS603で加工物400を修整する。
配線ミスが検出されなかった場合、レーザ加工機200の前区域において、加工物400を脱イオンした後、アンロード(ステップS605)を行う。
【0046】
(第3の実施例)
図10は、本発明に係る第3の実施例のレーザ加工機200背面図である。
図11は本発明に係る第3の実施例のレーザ加工機200前面図である。
【0047】
図10及び図11を一緒に参照しながら説明する。
本実施例と第2の実施例は大まかに同じで、レーザ加工機200は2個の加工ステージ230、230’と2個の上部運動ステージ240、240’とを含む。加工ステージ230、230’は各々チャンバー210の両側に設けられる。上部運動ステージ240、240’も加工ステージ230、230’に対応して各々チャンバー210の両側に設けられる。
【0048】
レーザシステム200は2個の加工ステージ230、230’のいずれかにある加工物(400或いは400’)を加工し、光学測定システム320が別の加工ステージ(230又は230’)にある加工物(400或いは400’)を測定する。
例を挙げると、レーザシステム200は加工ステージ230上の加工物400を加工した後、加工ステージ230’の下方に移動し、加工物400に対し加工を行う。この時、本当のレーザ経路又は修整の必要がある加工座標を得るため、光学測定システム320は加工物400に対し光学図形の判別・位置決め若しくは加工結果の測定を行うことができる。
レーザシステム200が加工物400’に加工を終えた後、更に戻って加工物400について加工又は修整を行う。この時、光学測定システム320は同時に加工物400’に対し光学図形の判別或いは加工結果の測定を行うことができる。これを通じて、同時に加工と測定を行うことで、工程時間を短縮できる。
更に、加工と測定はいずれも同一装置にあり、加工物400、400’はそのまま加工ステージ230、230’上に位置決めする。
よって、加工物400、400’のロード・アンロード過程中における改めて位置決めの時間を節約できる。
【0049】
図10に示すように、レーザ加工機200は加速度計340、340’とダンパーシステム270、270’とを更に含むことができる。
加速度計340、340’は加工ステージ230、230’或いは上部運動ステージ240、240’に設けられることができ、加工ステージ230、230’の運動変化を検出するために用いる。ダンパーシステム270、270’は各々加工ステージ230、230’に対応してチャンバー210外部の下方に設けられる。
各ダンパーシステムは複数のダンパーを含むことができ、好しくは2個のダンパーを含むことができ、チャンバー210外部下方に前後設置する。ダンパーシステム270内のダンパーの減衰係数は、加速度計340の検出データに対応して変わる。つまり、上部運動ステージ240が加速運動している時、上部運動ステージ240により引き起こす振動は上部運動ステージ240’に影響を及ぼす。
よって、ダンパーシステム270はリアルタイムで減衰係数を引き上げ、上部運動ステージ240により引き起こした振動に抵抗できる。振動の影響が消失した後、ダンパーシステム270は更に減衰係数を元の数値に戻す。これを介して、2個の加工ステージ230、230’の運動による相互影響を避けることができる。且つダンパーシステム270、270’も地面の振動の影響を避けることができる。
【0050】
その他、2個の加工ステージ230、230’間の相互影響を軽減するため、2個の加工ステージ230、230’は各々相対的な高速及び相対的な低速で運動する。
【0051】
上述をまとめると、本発明の実施例は重力を利用して有効的に除塵することで配線ミスを避ける。また同一装置において、同時に加工と測定を行い、工程時間を効果的に短縮できる。本発明の実施例は、工業化生産の生産能力と歩留まりに役立つ。
【符号の説明】
【0052】
100a 加工物
110a 加工ステージ
120a レーザヘッド
130a レーザ光
140a 吸気装置
200 レーザ加工機
210 チャンバー
211 外側チャンバー
213 シールチャンバー
220 レーザシステム
221 レーザヘッド
230、230’ 加工ステージ
231 吸着面
232 基台
233 連結面
234 気孔部
235 気流システム
236 陽陰圧供給ユニット
237 気室
238 位置決め穴
240、240’ 上部運動ステージ
250 第1の下部運動ステージ
251 X軸運動ステージ
253 Z軸運動ステージ
260 台座
270、270’ ダンパーシステム
280 電気特性測定システム
290 ワーク搬送システム
291 挟持具
293 気流浮上搬送モジュール
294 接触式保持具
295 張力伸展ステージ
296 気流浮上吸引ノズル
300 温湿度制御システム
301 気体吹込装置
303 気体排出装置
310 集塵システム
311 空気吹出ノズル
313 吸気ハウジング
320 光学測定システム
330 第2の下部運動ステージ
331 X軸運動ステージ
333 Z軸運動ステージ
340、340’ 加速度計
400、400’ 加工物
410 加工ゾーン
430 無効ゾーン
450 位置決めポイント
500 レーザ光
S601〜S605 ステップ
X 方向
Y 方向
Z 方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバーと、
レーザシステムであって、前記チャンバー内部の下方に設けられ、進行方向が重力方向と反対するレーザ光の出力に用いられるレーザシステムと、
前記チャンバー内部の上方に設けられ、対向する吸着面と連結面とを備え、且つ、前記吸着面は前記連結面の下方に位置し、加工物を吸着するために用いられる少なくとも1個の加工ステージと、
前記チャンバー内部の上方に設けられ、前記少なくとも1個の加工ステージの前記連結面に対応して連結し、前記少なくとも1個の加工ステージを運動するために用いられる上部運動ステージと、
を含むことを特徴とするレーザ加工機。
【請求項2】
前記加工ステージには、
多孔性材質(porous material)からなる基台と、
前記基台に連結し、基台の表面に陽圧気流を発生して前記加工物を気流浮上し、若しくは、基台の表面に陰圧気流を発生して前記加工物を吸着するための気流システムと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工機。
【請求項3】
基台は、導電材質からなり、且つ、接地に接続することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工機。
【請求項4】
前記レーザシステムに設けられ、前記レーザ光に伴って前記加工物の表面に空気を噴射するための空気吹出ノズルと、
凹面は加工ステージとレーザシステム220の間に上向きに設置され、空気吹出ノズルで飛散された粉塵を吸引するための吸気ハウジングと、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工機。
【請求項5】
前記チャンバー内部の下方に設けられ、前記レーザシステムを載置、並びに、運動するための第1の下部運動ステージを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工機。
【請求項6】
前記チャンバー内部の下方に設けられ、前記加工物を測定して前記レーザシステムが測定結果に基づき、レーザパラメータを修正すると共に前記加工物を修整するために供する光学測定システムと、
前記チャンバー内部の下方に設けられ、前記光学測定システムを載置、並びに、運動するための第2の下部運動ステージと、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工機。
【請求項7】
前記少なくとも1個の加工ステージの数量が2個で、且つ、前記2個の加工ステージは各々前記チャンバーの両側に設けられ、前記レーザシステムは前記2個の加工ステージのいずれかにある前記加工物を加工し、前記光学測定システムが別の前記加工ステージにある前記加工物を測定することを特徴とする請求項6に記載のレーザ加工機。
【請求項8】
前記2個の加工ステージの運動変化をそれぞれ検出するための加速度計と、
前記2個の加工ステージに対応して前記チャンバー外部の下方に設けられ、その減衰係数が前記2個の加速度計の検出データに対応して変わる2個のダンパーシステムと、
を更に含むことを特徴とする請求項7に記載のレーザ加工機。
【請求項9】
前記2個の加工ステージは各々相対的な高速及び相対的な低速で運動することを特徴とする請求項7に記載のレーザ加工機。
【請求項10】
前記加工物の前記レーザシステムによるスクライビングした導線抵抗を測定して前記レーザシステムが前記加工物を修整するために供する電気特性測定システムを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工機。
【請求項11】
前記チャンバー内部の恒温恒湿を維持するための温湿度制御システムを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate