説明

レーザ加工装置

【課題】空間光変調素子へ照射するレーザ光のエネルギーを高めることなく、加工対象に対する微細加工を可能とするレーザ加工装置を提供すること。
【解決手段】本発明にかかるレーザ加工装置100は、可視領域あるいは近赤外領域のレーザ光を出射するレーザ光源41と、レーザ光源41から出射されたレーザ光を加工パターンに対応させて空間変調する空間光変調素子43と、空間光変調素子43によって空間変調されたレーザ光の波長を紫外領域の波長に波長変換する波長変換素子45と、波長変換素子45によって波長変換されたレーザ光を対象物に投影する結像レンズ48、対物レンズ31と、波長変換素子45と結像レンズ48との間に設けられ、波長変換素子45によって波長変換されたレーザ光を結像レンズ48、対物レンズ31の光軸に偏向させる回折光学素子47とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を使用して対象物の加工を行うレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイやPDP(Plasma Display Panel)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや表面電動型電子放出素子ディスプレイなどのFPD(Flat Panel Display)基板、半導体ウェハ、プリント基板など、各種基板の製造では、その歩留りを向上するために、各パターニングプロセス後、欠陥検査装置によって、電極および配線の短絡、接続不良、断線、パターン不良および基板表面に付着したパーティクルやレジストといった異物等である欠陥が存在するか否かが検査される。そして、欠陥検査装置によって欠陥が存在することが確認された場合、レーザ加工装置によるレーザ光を用いた加工処理によって欠陥が修正される。
【0003】
このレーザ加工装置は、微小ミラーがマトリクス状に配置するDMD(Digital Mirror Device)などの空間光変調素子を配置し、このDMDで形成したパターンを加工対象にレーザ照射することで、加工対象に任意のパターン形状を高速に加工する。
【0004】
ところで、レーザ加工装置が用いるレーザ光として、たとえば、Nd:YAGレーザの基本波である第1高周波(波長1064nm±20nm)、第2高周波(波長432nm±10nm)、第3高周波(波長355nm±70nm)、第4高周波(波長266±5nm)の短波長レーザ光が採用される。このうち、第2高周波、第3高周波および第4高周波は、第1高周波の周波数を逓倍することによって出力される。
【0005】
近年、TFT基板等のガラス基板の薄膜化にともない、レーザ加工装置の処理として、ガラス基板の表面上でフォトレジスト(Photo Resist)として使用されるの高分子材料膜のみを取り除く処理が多くなっている。この高分子材料膜は、紫外領域のレーザ光の吸収が高いため、第4高周波レーザ光の照射によって高分子材料膜を選択的に取り除くことができるとともに、高分子材料膜の下層の損傷を軽減することができる。このため、近年においては、第4高周波レーザ光を用いるレーザ加工装置が注目されている。
【0006】
しかしながら、レーザ光として第4高周波のレーザ光を採用する場合、この波長に対応した紫外光専用のDMDを使用する必要があるため、レーザ加工装置が非常に高価になる。さらに、第1高周波の近赤外光、第2高周波の可視光をDMDに照射する場合と比較して、より波長の短い第4高周波の紫外光をDMDに照射する場合、DMDの劣化が早くなるため、DMDの交換周期も短く、レーザ加工装置を使用する上で維持コストが非常に高くなってしまう。
【0007】
そこで、近赤外光または可視光専用のDMDを用いて近赤外領域または可視領域のレーザ光を空間変調した後に、非線形光学素子を用いて紫外領域の波長に変換したレーザ光を加工対象に照射して高分子材料膜の加工処理を行うレーザ加工装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−291805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、加工対象の加工面上で微細加工を行うためには、次数が異なる複数の回折光を加工光学系に入射させる必要がある。そして、非線形光学素子は、高効率で波長変換を行なうための入射角が著しく制限されているのに対し、DMDから出射された回折光の回折角は、次数ごとに特定の角度で広く分布している。このため、DMDから出射された回折光のうち非線形光学素子において波長変換が行われる回折光の本数は制限される。すなわち、DMDで発生した回折光のうち、非線形光学素子の光軸に沿って入射できる入射条件を満たす特定のn次回折光は波長変換されるものの、非線形光学素子の入射条件を満たさない(n+1)次回折光、(n−1)次回折光は、非線形光学素子において波長変換されない。したがって、特許文献1記載のレーザ加工装置においては、特定のn次回折光しか加工光学系に入射できないため、加工面上で微細なパターンが再現できず、所望の加工パターンで加工対象を加工することができないという問題があった。
【0010】
この問題を解決するため、DMDへ照射するレーザ光のNA(開口数)を大きくし、DMDから出射する各回折光に、NAに応じた入射角度の広がりを持たせて、非線形光学素子の入射条件を満たさない(n+1)次回折光、(n−1)次回折光にも、n次回折光の方向と一致する成分が含まれるようにすることで、(n+1)次回折光、(n−1)次回折光の波長変換を実現する方法が考えられる。しかしながら、(n+1)次回折光、(n−1)次回折光のn次回折光の方向と一致する成分は微量であるため、波長変換効率が悪く、加工エネルギーが大幅に低下してしまう。これを補うために、DMDへのレーザ光の照射エネルギーを高めると、レーザ光の高エネルギー化によってDMDが損傷してしまうおそれもある。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、空間光変調素子へ照射するレーザ光のエネルギーを高めることなく、加工対象に対する微細加工を可能とするレーザ加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるレーザ加工装置は、レーザ光を使用して対象物の加工を行うレーザ加工装置であって、複数波長のレーザ光を出射する光源と、規則的に配列された複数のミラーを有し、前記複数のミラーによって、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を加工パターンに対応させて空間変調する空間光変調素子と、前記空間光変調素子によって空間変調されたレーザ光の波長を他の波長に波長変換する波長変換素子と、前記波長変換素子によって波長変換されたレーザ光を前記対象物に投影する投影光学系と、前記波長変換素子と前記投影光学系との間に設けられ、前記波長変換素子によって波長変換されたレーザ光の進行方向を前記投影光学系の光軸に偏向させる回折光学素子と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかるレーザ加工装置は、波長変換素子によって波長変換されたレーザ光の進行方向を投影光学系の光軸に偏向させる回折光学素子を備えることによって、空間光変調素子へ照射するレーザ光のエネルギーを大幅に高めずとも、波長変換後のレーザ光として、次数が異なる複数の回折光を加工用の投影光学系に供給できるため、加工対象に対する微細加工を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施の形態1にかかるレーザ加工装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示すレーザ照射部を説明するための図である。
【図3】図3は、従来技術にかかるレーザ加工装置のレーザ照射部の構成を説明する図である。
【図4】図4は、図3に示す非線形光学素子において波長変換が行われる回折光を説明する図である。
【図5】図5は、非線形光学素子への回折光強度の入射角度依存の一例を示す図である。
【図6】図6は、従来のレーザ加工装置においては、DMDへ照射するレーザ光のNAを大きくした場合における非線形光学素子への回折光強度の入射角度依存の一例を示す図である。
【図7】図7は、図1に示すレーザ加工装置の要部の他の構成を説明する図である。
【図8】図8は、図2に示すレーザ加工装置のレーザ照射部の他の構成を説明する図である。
【図9】図9は、レーザ加工装置のレーザ照射部の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明にかかる実施の形態として、たとえば、ガラス基板、半導体ウェハなどの基板のパターン不良や欠陥を修正するレーザ加工装置を例として説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0016】
(実施の形態1)
実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1にかかるレーザ加工装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、図1に示すレーザ加工装置のレーザ照射部の構成を説明する図である。
【0017】
図1および図2に示すように、実施の形態にかかるレーザ加工装置100は、加工対象の基板1を載置するとともに図面に鉛直な平面上で基板1を移動させるステージ2と、ステージ2上に載置された基板1を上方から観察する顕微鏡部3と、基板1に照射する欠陥修復加工用のレーザ光の光束断面形状(以下、レーザ断面形状という)を所望の形状に整形するレーザ照射部4と、各種プログラムおよびパラメータを実行してレーザ加工装置100の各構成要素を制御する制御部5と、レーザ加工装置100に対する各種操作や設定を指示する指示情報が入力される入力部6と、外部装置との間で通信を行う通信部7と、顕微鏡部3で取得された画像や各種情報を表示する表示部8aを有する出力部8と、各種プログラムおよび配線、電極の各種標本パターン画像を記憶する記憶部9とを備える。加工対象である基板1は、たとえばFPD用のガラス基板、半導体基板、プリント基板などである。レーザ加工装置100は、加工情報にしたがって加工対象の欠陥等を撮像し、撮像した欠陥画像と所定の標本パターン画像とのマッチングによって、欠陥の抽出と、電極パターンまたは配線パターンをレーザ加工領域から除外するためにレーザ光の非照射領域を設定するマスク設定とを行ってから、レーザ光を照射することで基板上の欠陥を加工する。欠陥には、電極および配線の短絡、接続不良、断線、パターン不良および基板表面に付着したパーティクルやレジスト等の異物が含まれる。
【0018】
ステージ2の載置面には、複数の穴が設けられている。これらの穴に不図示のポンプから気体が供給されることによって基板1を浮上させた状態とすることができ、この状態において、不図示の搬送機構によって基板1がステージ2上で移動可能に保持される。ここで、基板1を観察、レーザ加工を行う際は、基板1の浮上を停止してステージ2上に載置される状態にする。または、搬送機構による基板1の保持を解除しこの複数の穴を、不図示のバキュームポンプに連結し、この複数の穴からの吸気によって、ステージ2上に載置された基板1をステージ2に対して吸着して固定することも可能である。また、上記のような、ステージ2上で基板1を保持する保持手段として、上記以外にも支持ピンやクランプ機構など、機械的な手段を用いる構成としてもよい。尚、上記のような基板1を浮上させる浮上搬送型のステージ2に代えて、複数のローラーで基板を移動可能に保持するローラー搬送型のステージとしてもよい。
ステージ2上に保持される基板1は、後述する移動制御部52の制御のもと、ステージ移動部38によって、後述する対物レンズ31の光軸に直交した平面内で自在に移動され、対物レンズ31に対する基板1の当該平面上での位置を変化させる。尚、ステージ2上の基板1を移動させる構成に代えて、レーザ加工装置100を当該平面状に移動させて対物レンズ31と基板1との相対位置を移動させる構成としてもよい。
【0019】
顕微鏡部3は、対物レンズ31、レボルバ32、焦準機構33、撮像部34、結像部35、照明系36、ハーフミラー37aおよびハーフミラー37bを有し、基板1の一部を拡大した画像を取得する撮像部として機能する。
【0020】
対物レンズ31は、ステージ2に載置された基板1の上部に位置するようにレボルバ32により保持される。対物レンズ31は、レボルバ32に対して着脱自在に取り付けられており、レボルバ32の回転またはスライド動作に応じてステージ2上に配置される。対物レンズ31と、後述するレーザ光用の結像レンズ48とは、両側テレセントリックとなるように配置される。
【0021】
レボルバ32は、焦準機構33によって昇降移動することが可能である。焦準機構33は、レボルバ32を昇降させることによって、対物レンズ31の基板1に対する焦点合わせを行い、焦点位置の最適化を行う。
【0022】
撮像部34は、CCDセンサやCMOSセンサなどの撮像素子を含む。結像部35は、結像レンズ35aとミラー35bとによって構成される。結像部35は、対物レンズ31と協働して、基板1の観察像を結像させる。
【0023】
照明系36から出力された照明光は、レンズ36aで集光されてからハーフミラー37aで反射された後、観察光学系の基板1に対する観察光軸と同軸の光として対物レンズ31を介して基板1を照明する。撮像部34の視野領域内は、照明系36からの照明光によって上方から略均一に照明される。照明系36、レンズ36aおよびハーフミラー37aは、照明光学系として機能する。なお、図2では、図1に示すレーザ加工装置のうちハーフミラー37a,37b等の図示を省略している。
【0024】
照明された基板1の像は、基板1の加工面と垂直である光軸に沿って配置された対物レンズ31、ハーフミラー37b、ミラー35bおよび結像レンズ35aを含む観察光学系によって、撮像部34の受光面に、たとえば数倍〜数十倍に拡大されて結像される。撮像部34で取得された画像データは、制御部5に出力され、各種画像処理が施された後、表示部8aに出力される。
【0025】
レーザ照射部4は、可視領域あるいは近赤外領域の平行レーザ光を出射するレーザ光源41と、レーザ光の分布を均一化する均一光学素子42と、レーザ光源41からのレーザ光のレーザ断面形状を所望の加工パターン形状に対応させて空間変調する空間光変調素子43と、後述する制御部5のパターン形状設定部54の制御のもと空調光変調素子43を駆動させてレーザ照射部4が出力する欠陥修復用のレーザ光の光束断面形状(レーザ光の光軸と垂直な断面の形状)を調整する空間光変調素子駆動部44と、空間光変調素子43によって空間変調されたレーザ光の波長を他の波長に波長変換する波長変換素子45と、前述した他の波長のレーザ光のみを通過させる干渉フィルタ46と、波長変換素子45と結像レンズ48との間に設けられ、空間光変調素子43から出力されたレーザ光を後述する結像レンズ48の光軸に偏向させる回折光学素子47と、入射したレーザ光を結像して基板1の加工面に投影する結像レンズ48と、を有する。レーザ照射部4は、顕微鏡部3の撮像部34が取得した画像に基づいて、基板1に欠陥修復加工用に空間変調したレーザ光を照射する。
【0026】
レーザ光源41は、可視領域あるいは近赤外領域のレーザ光を出射する。レーザ光源41は、たとえばYAGレーザによって構成され、第2高周波である波長532nmのレーザ光を出射するピコ秒パルスレーザ光源である。レーザ光源41は、制御部5に電気的に接続され、制御部5からの制御信号に応じてレーザ光のオン・オフ、光出力、発振パルス幅などが制御される。
【0027】
均一光学素子42は、空間光変調素子43の前段に設けられてレーザ光源41から出射されたレーザ光の分布を均一化して平行光化し、余分なエネルギーの空間光変調素子43への照射を防止する。なお、レーザ光源41は、レーザ光源41から出射された平行レーザ光が均一光学素子42によって分布が平坦化された後に空間光変調素子43に面照射するように配置される。なお、レーザ光源内でレーザ光の分布を均一化させる機能を有したレーザ光源を用いる場合には、均一光学素子42は不要である。
【0028】
空間光変調素子43は、たとえば微小デバイスの1つである微小ミラーが2次元アレイ状に配列された構成を備え、複数のミラーによってレーザ光源41から出射されたレーザ光を加工形状に対応させて空間変調する。レーザ光源41から出力されるレーザ光の光軸は、図2に示すように、空間光変調素子43の基準面の法線に一致する。空間光変調素子43は、基準面に対してたとえば24.0°の角度でレーザ光を出力するように光学的に配置されている。各微小ミラーの反射角は、パターン形状制御部54の制御のもと、空間光変調素子駆動部44の駆動処理によって、少なくともオン角度とオフ角度とに切り替え可能である。オン角度とは、この状態にある微小ミラーで反射されたレーザ光が、空間光変調素子43の後段に位置する波長変換素子45に投射される角度であり、オフ角度とは、この状態にある微小ミラーで反射されたレーザ光が不必要な光として光路外に設けられる不図示の遮光部材や吸収部材などのレーザダンパーに照射される角度である。したがって、2次元アレイ状に配列された微小ミラーそれぞれの反射角をオン角度とオフ角度とに切り替えることで、基板1に投射されるレーザ光の断面形状を制御することが可能である。
【0029】
これによって、レーザ光源41からのレーザ光の断面形状を加工パターンの形状に調整して基板1に照射することが可能となる。この加工パターンは、正常な配線パターン以外にレーザ光を照射する加工パターンであり、たとえばパターン除去不良などの欠陥を修復する場合には、ショット領域中の正常な配線等の領域に対応する微小ミラーをオフ角度とし、それ以外の領域に対応する微小ミラーをオン角度としたパターンとなる。空間光変調素子43には、例えばDMDを用いればよい。空間光変調素子43は、制御部5の制御のもと空間光変調素子駆動部44によって駆動されることによって、レーザ照射部4が出力する欠陥修復用のレーザ光の光束断面形状(レーザ光の光軸と垂直な断面の形状)を調整する。なお、加工パターンの設定は、上記のように正常な配線パターンに応じて設定する以外に、欠陥形状に合わせて設定するようにしても構わない。この場合、レーザ光の断面形状を欠陥形状に合わせて、欠陥領域に対応する微小ミラーをオン角度とし、欠陥領域以外の領域に対応する微小ミラーをオフ角度とすればよい。
【0030】
波長変換素子45は、空間光変調素子43から出力されるレーザ光の光軸に沿って配置され、入力されたレーザ光の波長を可視領域から紫外領域に変換する。具体的には、波長変換素子45は、入射した第2高周波の波長532nmのレーザ光の一部を、第4高周波である波長266nmのレーザ光に変換する。波長変換素子45は、β−BaB(BBO)や、CsLiB10(CLBO)、KTiOPO(KTP)等の紫外光変換用の非線形光学結晶(NLO:Non−Linear Optical)で形成された非線形光学素子である。
【0031】
干渉フィルタ46は、波長変換素子45と、後述する回折光学素子47との間に設けられ、波長変換素子45が変換した紫外光のみを通過させる。波長変換素子45を通過するレーザ光は、変換前の532nmの波長のレーザ光と、変換後の266nmの波長のレーザ光とが混合した状態であるため、干渉フィルタ47を通過することによって、加工に必要となる266nmの波長のレーザ光のみが結像レンズ48に出力される。
【0032】
回折光学素子47は、たとえば、2次元回折格子である。回折光学素子47は、空間光変調素子43の基準面と、格子面とが平行となるように配置される。回折光学素子47は、波長変換素子45によって波長変換されるとともに干渉フィルタ46を通過した紫外領域のレーザ光を結像レンズ48の光軸に偏向させる。回折光学素子47は、レーザ光用の結像レンズ48の焦点位置に対応して配置される。回折光学素子47を構成する2次回折格子の各格子面は、たとえば、空間光変調素子43を構成するDMDのミラー傾斜角度、ミラーピッチと同等に設計され、格子面全面が、DMDの微小ミラーのオン角度と平行となるように傾斜している。なお、回折光学素子47へ入射するレーザ光の入射角度および回折光学素子47のピッチは、回折効率が高くなるように適宜設定される。また、回折光学素子47のピッチは、図2のように複数の次数の回折光を出力できるように、空間光変調素子43のピッチ以下に設定されていればよい。
【0033】
空間光変調素子43から照射されて回折光学素子47によって偏向されたレーザ光は、結像レンズ48において平行光となり、ハーフミラー37bおよびハーフミラー37aを経由し、対物レンズ31の瞳面に取り込まれ、基板1の加工面に投射される。この結果、基板1の加工対象である欠陥が加工される。結像レンズ48および対物レンズ31は、空間光変調素子43に空間変調された変調光を加工対象物である基板1の加工面に投影する投影光学系として機能する。回折光学素子47は、この結像レンズ38の光軸に、空間光変調素子43から出力されたレーザ光の進行方向を偏向させる。対物レンズ31は、結像レンズ48から出力されたレーザ光を所定のエネルギー密度まで高めて基板1に投影して基板1の欠陥を加工する機能を有する。
【0034】
制御部5は、顕微鏡部3の各構成要素の動作処理を制御する顕微鏡制御部51、ステージ2の移動処理を制御するステージ移動制御部52、レーザ照射部4のレーザ光源41の出力を制御するレーザ加工制御部53およびパターン形状設定部54を有する。
【0035】
空間光変調素子43から回折光学素子47に至る光軸は、結像レンズ48および対物レンズ31の光軸に対して24°傾斜しているため、空間光変調素子43で設定したパターンは、回折光学素子47上では歪んでしまう。パターン形状設定部54は、この空間光変調素子43と回折光学素子47との間の光軸傾斜に由来する加工パターンの歪みを解消するように空間光変調素子43の空間変調パターンを設定し、設定条件にしたがって空間光変調素子駆動部44を駆動させる。このように、パターン形状設定部54は、空間光変調素子43に設定されるパターンを、回折光学素子47に投影されるパターン歪みを考慮して補正している。
【0036】
入力部6は、キーボード、マウス等を用いて構成されており、使用者からの各種設定パラメータ等の入力指示を、表示部8aに表示されるGUI(Graphical User Interface)と連携して取得する。通信部7は、図示しない通信インターフェース等を有し、所定の形式にしたがった情報を、ネットワークを介して外部装置との間で通信する。出力部8は、液晶ディスプレイ等を用いて構成された表示部8aを有し、観察画像、設定情報等を表示出力を行うとともに、スピーカ等を有し、音声出力を行う。記憶部9は、ハードディスク、ROM、RAMおよび携帯型記憶媒体等を用いて構成されており、レーザ加工装置100の各種動作を制御するための制御プログラムや制御条件を予め記憶する。また、記憶部9は、基板1の工程・品種に応じた、電極(または配線)パターンの標本パターン画像を記憶する。
【0037】
ここで、従来のレーザ加工装置について説明する。図3は、従来技術にかかるレーザ加工装置のレーザ照射部の構成を説明する図である。図3に示すように、従来のレーザ加工装置においては、レーザ照射部は、レーザ光源141から出射された可視領域あるいは近赤外領域のレーザ光を、DMDである空間光変調素子143において任意の形状に空間変調した後に、非線形光学素子である波長変換素子145を用いて近赤外領域あるいは可視領域から紫外領域に波長変換する。その後、結像レンズ148および対物レンズ131を用いて、基板1の加工面上に空間光変調素子143で設定されたパターンを結像させて加工を行なう。レーザ光源141から出射されたレーザ光は、空間光変調素子143に24°の入射角度で入射し、空間光変調素子143の基準面の法線に沿って空間変調後のレーザ光が出力される。
【0038】
ところで、加工対象の加工面上で微細加工を行うためには、次数の異なる複数の回折光を加工光学系に入射させる必要がある。そして、非線形光学素子は、高効率で波長変換が行われるための入射角が著しく制限されているのに対し、DMDから出射された回折光の回折角は、図4に示すように、次数ごとに特定の角度で広く分布している。このため、DMDから出射された回折光のうち非線形光学素子において波長変換が行われる回折光の本数は、制限されてしまう。非線形光学素子における波長変換条件を満たす回折光の次数をnとすると、DMDで発生した回折光のうち、波長変換素子145の光軸に沿って入射したn次回折光Laは、紫外光Luに波長変換されるものの、波長変換素子145の入射条件を満たさないn次回折光以外の(n+1)次回折光およびLan+1、(n−1)次回折光Lan−1は、非線形光学素子において波長変換されない。
【0039】
具体的に、図5を参照して説明する。図5は、非線形光学素子への回折光強度の入射角度依存の一例を示す図である。図5の縦軸は、各回折光の強度である。図5の横軸は、非線形光学素子への回折光強度の入射角度であり、DMDの基準面の法線付近に現れる最も回折効率の高い−18次回折光のDMD基準面からの入射角度を0°としたときの、−17次回折光および−19次回折光の入射角度を示す。
【0040】
非線形光学素子は、入射光の波長を532nmの波長から266nmの波長に変換する。この非線形光学素子においては、たとえば図5の入射角度範囲Dpに示すように、実用的な波長変換効率が得られる入射角の幅が0.034°である。そして、微小ミラーの傾斜角度が12°、ミラーピッチが10.8μmのDMDに3画素ピッチ(30.32μm)の白パターンおよび黒パターンを設定し、波長542nmの可視レーザ光を平行光の状態で24°の角度で入射させた場合、DMDからの回折光の出射角度は、−18次回折光のDMD基準面から非線形光学素子への入射角度を0°としたとき、−17次回折光のDMD基準面からの出射角度は、−18次回折光と比較して−0.941°傾いており、−19次回折光のDMD基準面からの出射角度は、−18次回折光と比較して0.941°傾いている。
【0041】
このとき、−18次回折光の波長変換効率が最大となるように、−18次回折光の非線形光学素子への入射角度を図5の入射角度範囲Dp内となるように最適化した場合、入射角度範囲Dp外の入射角度で入射する−17次回折光および−19次回折光は、非線形光学素子での変換効率が著しく低下するため、−17次回折光および−19次回折光の波長変換光の強度は、ほぼ0となる。この場合、−18次回折光しか結像レンズ48および対物レンズ31に入射しないため、基板1の加工面上において微細パターンが再現できず、フラットなパターンで加工処理が行われてしまい、所望の加工パターンで加工対象を加工することができないという問題があった。
【0042】
そこで、従来のレーザ加工装置においては、DMDへ照射するレーザ光のNAを大きくし、図6に示すように、DMDから出射する各回折光にNAに応じた入射角度の広がりを持たせて、非線形光学素子の入射条件を満たさない−17次回折光、−19次回折光にも、入射角度範囲Dp内に位置する成分が含まれるようにすることで、非線形光学素子による−17次回折光、−19次回折光の波長変換を実現する。なお、図6において、曲線Lb(−17)は、NAを大きくした場合の−17次回折光の非線形光学素子への回折光強度の入射角度依存性を示し、曲線Lb(−18)は、NAを大きくした場合の−18次回折光の非線形光学素子への回折光強度の入射角度依存性を示し、曲線Lb(−19)は、NAを大きくした場合の−19次回折光の非線形光学素子への回折光強度の入射角度依存性を示す。
【0043】
しかしながら、図6に示すように、レーザ光のNAを大きくした場合であっても、−17次回折光、−19次回折光の−18次回折光の方向と一致する成分は、微量であるため、波長変換効率が悪く、加工エネルギーが大幅に低下してしまう。これを補うために、DMDへのレーザ光の照射エネルギーを高めると、レーザ光の高エネルギー化によってDMDが損傷してしまうおそれもあった。
【0044】
これに対し、本実施の形態1においては、波長変換素子45によって波長変換され干渉フィルタ46を通過した紫外領域のレーザ光は、回折光学素子47に入射し、結像レンズ48、対物レンズ31の光軸と一致するように偏向される。この場合、回折光学素子47上の各格子において回折が生じ、図2に示すように、次数が異なる複数の回折光が回折光学素子47から出力され、次数が異なる複数の回折光が結像レンズ48に到達することになる。すなわち、波長変換素子45において波長変換素子45の光軸に沿って入射した特定のn次回折光のみしか紫外光に波長変換されない場合であっても、波長変換後のレーザ光が回折光学素子47の格子面を経由することによって、特定のn次回折光を含む複数の次数の回折光が複数生じ、結像レンズ48、対物レンズ31にそのまま入射する。具体的には、この回折光学素子47の格子面を経由することによって、−17次回折光や−19次回折光が生じるため、−18次回折光のみならず、−17次回折光や−19次回折光も結像レンズ48、対物レンズ31に入射する。したがって、実施の形態1によれば、複数の次数の回折光が加工光学系に入射するため、加工対象の加工面上で微細パターンを正しく再現でき、加工対象に対する微細加工を適切に実施することが可能になる。
【0045】
また、実施の形態1においては、波長変換後のレーザ光が回折光学素子47の格子面を経由することによって、特定のn次回折光を含む次数が異なる複数の回折光を発生することができるため、空間光変調素子43に照射する可視領域あるいは近赤外領域のレーザ光の照射エネルギーを高める必要もなく、空間光変調素子43の損傷も低減することができる。
【0046】
もちろん、実施の形態1においては、可視領域あるいは近赤外領域のレーザ光を空間変調素子43に照射しており、紫外光専用の空間光変調素子を用いる必要がないため、レーザ加工装置の製造コストを低減できる。また、実施の形態1においては、紫外領域のレーザ光を空間光変調素子43に照射することがないため、紫外領域のレーザ光を照射する場合と比較して空間光変調素子43の劣化も進みにくく、空間光変調素子43の交換周期も紫外光専用の空間光変調素子を用いた場合よりも長くすることができる。
【0047】
また、実施の形態1においては、均一光学素子42によってレーザ光源41から出射されたレーザ光の分布を均一化してから空間光変調素子43へ入射するため、効率よくレーザ光を空間変調できるとともに、波長変換素子45における波長変換効率も高めることができる。
【0048】
また、実施の形態1においては、波長変換素子45の後段に、紫外領域のレーザ光のみを通過させる干渉フィルタ46を設け、紫外領域のレーザ光のみを回折光学素子47に出力するようにしているため、加工に必要となる266nmの波長のレーザ光のみが結像レンズ48、対物レンズ31に投影されることとなり、微細パターンの加工精度が高まるという効果も奏する。
【0049】
なお、波長変換素子45における波長変換効率は、入射光のパワー密度の二乗に比例するため、パワー密度が小さくなると変換効率も悪化する。このため、実施の形態1においては、レーザ光源41として、ピコ秒パルスレーザ光源を用い、パワー密度を高めている。
【0050】
また、回折光学素子47の回折効率を向上させるため、図7のように、回折光学素子47を傾斜させて、回折光学素子47に入射するレーザ光の入射角を調整する角度調整機構47Aを設けてもよい。この場合、制御部5Aにおけるレーザ加工制御部53Aが角度調整機構47Aを制御して、回折効率が所定の設定値を満たすように、回折光学素子47に入射するレーザ光の入射角度を調整する。
【0051】
また、実施の形態1においては、回折光学素子47として、図2に示す空間光変調素子43と同じ構成を有する微小ミラーアレイを用いてもよい。この場合、全微小ミラーをオン状態とすることによって、空間光変調素子43から出力されたレーザ光を結像レンズ48、対物レンズ31の光軸に偏向させればよい。
【0052】
また、実施の形態においては、図8に示すように、回折光学素子47に代えて、透明材料にて形成される透過型回折光学素子47Bを用いてもよい。透過型回折光学素子47Bは、表面に複数の溝が所定ピッチで形成された構造を有し、裏面から入射したレーザ光を、表面において、結像レンズ48、対物レンズ31の光軸Ldに偏向させる。図8に示すように、空間光変調素子43から出力されたレーザ光が透過型回折光学素子47Bの裏面に垂直に入射するように、波長変換素子45、干渉フィルタ46および透過型回折光学素子47Bは、空間光変調素子43と結像レンズ48との間に配置される。このとき、空間光変調素子43が入射光に対して角度βでレーザ光を出力するのに対応させて、透過型回折光学素子47Bの裏面は、裏面に入射するレーザ光の光軸Lcの直交面に対して角度βで傾斜するように配置される。
【0053】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2にかかるレーザ加工装置は、レーザ照射部を除き、実施の形態1と同様の構成を有する。図9は、レーザ加工装置のレーザ照射部の構成を説明する図である。
【0054】
図9に示すように、実施の形態2におけるレーザ照射部204は、図2に示すレーザ光源41に代えて、可視領域あるいは近赤外領域のレーザ光を出射するナノ秒パルスレーザ光源で構成されるレーザ光源241を有する。レーザ光源241は、たとえば、第2高周波である波長532nmのレーザ光を出射する。
【0055】
また、レーザ照射部204は、実施の形態1におけるレーザ照射部と比して、空間光変調素子43と波長変換素子45との間に設けられ、空間光変調素子43によって空間変調されたレーザ光の光束の大きさ(光束の断面積)を縮小して波長変換素子45に出力する縮小光学系49をさらに備える。縮小光学系49は、複数のレンズ49a,49bによって構成され、波長変換素子45に入射するレーザ光のエネルギー密度を高める機能を有する。
【0056】
さらに、レーザ照射部204は、実施の形態1におけるレーザ照射部と比して、波長変換素子45と回折光学素子47との間に設けられ、波長変換素子45によって波長変換されたレーザ光の光束の大きさを、縮小光学系49によって縮小される前の光束の大きさに拡大する拡大光学系50をさらに備える。拡大光学系50は、複数のレンズ50a,50bによって構成され、波長変換素子45からの出力光を、空間光変調素子43によって空間変調されたレーザ光のパターンサイズに対応するように復元するための機能を有する。
【0057】
このように、実施の形態2においては、レーザ光源241として、ピコ秒パルスレーザ光源よりも低コストであるナノ秒パルスレーザ光源を採用するため、実施の形態1と比して、レーザ加工装置全体の製造コストをさらに低減することができる。また、実施の形態2においては、縮小光学系49を設けてレーザ光の光束の大きさを縮小して、十分な波長変換効率を得られる程度まで波長変換素子45への入射エネルギー密度を高めているため、レーザ光の紫外領域への波長変換も適切に実行することができるとともに、拡大光学系50を設けて、波長変換後のレーザ光の光束の大きさを元の大きさに復元するため、加工対象に対する微細加工も適切に実施できる。
【符号の説明】
【0058】
1 基板
2 ステージ
3 顕微鏡部
4,204 レーザ照射部
5,5A 制御部
6 入力部
7 通信部
8 出力部
8a 表示部
9 記憶部
31,131 対物レンズ
32 レボルバ
33 焦準機構
34 撮像部
35 結像部
35a 結像レンズ
35b ミラー
36 照明系
36a レンズ
37a,37b ハーフミラー
41,141,241 レーザ光源
42 均一光学素子
43,143 空間光変調素子
44 空間光変調素子駆動部
45,145 波長変換素子
46 干渉フィルタ
47 回折光学素子
47A 角度調整機構
47B 透過型回折光学素子
48,148 結像レンズ
49 縮小光学系
50 拡大光学系
51 顕微鏡制御部
52 ステージ移動制御部
53,53A レーザ加工制御部
54 パターン形状設定部
100 レーザ加工装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を使用して対象物の加工を行うレーザ加工装置であって、
レーザ光を出射する光源と、
規則的に配列された複数のミラーを有し、前記複数のミラーによって、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を加工パターンに対応させて空間変調する空間光変調素子と、
前記空間光変調素子によって空間変調されたレーザ光の波長を他の波長に波長変換する波長変換素子と、
前記波長変換素子によって波長変換されたレーザ光を前記対象物に投影する投影光学系と、
前記波長変換素子と前記投影光学系との間に設けられ、前記波長変換素子によって波長変換されたレーザ光を前記投影光学系の光軸に偏向させる回折光学素子と、
を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項2】
前記空間光変調素子の前段に設けられ、前記光源から出射されたレーザ光の分布を均一化する均一光学素子をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記回折光学素子のピッチは、前記空間光変調素子のピッチ以下であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記回折光学素子は、二次元の回折光学素子、二次元に配列する複数のミラーを有する回折光学素子または透過型回折光学素子であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
前記波長変換素子は、非線形光学素子であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
前記光源は、ナノ秒パルスレーザ光源であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項7】
前記空間光変調素子と前記波長変換素子との間に設けられ、前記空間光変調素子によって空間変調されたレーザ光の光束の大きさを縮小して前記波長変換素子に出力する縮小光学系と、
前記波長変換素子と前記回折光学素子との間に設けられ、前記波長変換素子によって波長変換されたレーザ光の光束の大きさを、前記縮小光学系によって縮小される前の光束の大きさに拡大する拡大する拡大光学系と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載のレーザ加工装置。
【請求項8】
前記波長変換素子と、前記回折光学素子との間に設けられ、前記他の波長のレーザ光のみを通過させる干渉フィルタをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項9】
前記空間光変調素子と前記回折光学素子との間の光軸傾斜に由来する加工パターンの歪みを解消するように前記空間光変調素子の空間変調パターンを設定する設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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