説明

レーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板及びその製造方法

【課題】引張強さが高く、プレス成形性及びレーザ溶接性に優れ、多段絞り−しごき加工を用いて、比較的大型の電池用角型缶に容易に成形することができるレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板は、被接合部材とレーザ溶接法によって溶接されるものであり、Si:0.01〜0.20質量%、Fe:0.05〜0.50質量%、Cu:0.30〜0.80質量%、Mn:0.90〜1.30質量%、Mg:0.20〜0.80質量%を含有し、残部Alおよび不可避不純物からなり引張強さ及び伸びが所定の範囲に規定されている。このアルミニウム合金板は、例えば電池用角型缶2に成形され、レーザ溶接法によって、その開放部に蓋部材3が溶接されて電池缶1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばリチウムイオン二次電池などの二次電池用外装缶の素材として用いられるレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は携帯電話やPC(パーソナルコンピュータ)等のモバイル製品の電源として多用されている。
これらのモバイル製品で用いられるリチウムイオン二次電池では、例えば、一側方が開放された角型金属管の開放部を蓋部材で閉塞した角型電池缶が用いられる(例えば、特許文献1参照。)。そして、比較的大型の缶でも、横断面の寸法が短幅W≦10mm、長幅L≦50mm程度であり、高さH≦60mmとされている。このようなモバイル用のリチウムイオン二次電池の電池缶は、充放電サイクル中の発熱による膨れや外部衝撃から内部電極材を保護するため、高い強度を有することが必要であり、JIS規定のH12〜H16調質材で板厚t:0.40〜0.60mm程度のアルミニウム合金板が使用されている。
【0003】
一方、近年、リチウムイオン二次電池は、大型輸送機器や電気自動車など、大容量を必要とする箇所で使用されることが多くなっている。この場合、リチウムイオン二次電池は、複数のセルを並列したユニット単位で使用され、積載荷重をできるだけ小さくするため、1セルあたりの電池容量(出力密度:W/kg、エネルギー密度:Wh/kg)を少しでも大きくする工夫がなされている。
【0004】
特に、内燃機関を主動力とし、補助動力として二次電池を使用するハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、あるいは二次電池のみでモーターを回転させて動力を得る電気自動車(EV)においては、二次電池の積載荷重が小さいことが望ましく、1セル当りの電池容量が極めて重要となる。
このため、車載用のリチウムイオン二次電池は、モバイル機器で用いられるよりも大型の角型電池缶、すなわち、横断面の寸法が短幅W≧10mm、長幅L≧70mm以上であり、高さH≧60mmの角型電池缶を用いることで1セル当りの電池容量を大きくし、これを一台当りに複数個搭載するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−11964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、リチウムイオン二次電池で用いられる角型金属缶は、多段絞り−しごき加工を用いて製造されるのが一般的である。ここで、高さHが60mm以上の大型金属缶を製造する場合には、プレス機のストロークが金属缶高さの3倍以上もある大型のトランスファープレスを使用する必要があり、モバイル用途の金属缶を製造する場合に比べて極めて厳しい深絞り加工が行われる。
【0007】
しかも、車載用の角型金属缶の場合、充放電サイクルに対して十分な耐膨れ性を有することが要求されるだけでなく、自動車の衝突を想定した外部衝撃から電極材を保護し得ることも求められる。このため、金属缶の素材としては、より高い強度を有することが必要であり、板厚tが0.6〜1.6mmのアルミニウム合金素材板が使用されている。しかし、このような厚板状のアルミニウム合金素材板は、深絞り加工に際して、割れやそれに伴う破断が非常に発生し易く、これによって電池缶の不良率が高くなってしまう。
【0008】
また、このような電池缶では、例えばJIS1050、3003などのアルミニウム合金によって構成された蓋部材と、電池缶とがレーザ溶接法によって接合される。ここで、特に、車載用の電池缶では、前述のような強い外部衝撃から電極材を保護することが要求されるため、金属缶と蓋部材との接合強度が高いこと、すなわちレーザ溶接において深い溶け込みが生じていることが必要であり、また、ブローホールや溶融スパッタ等の溶接欠陥が少ないことが好ましい。特に、溶融スパッタの一部が周囲に飛び跳ね、金属片が電池缶の内部に混入した場合、正極と負極が短絡し、リチウムイオン二次電池の内圧が異常に増加することも想定されるため、これを抑制することが極めて重要となる。
【0009】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、引張強さが高く、プレス成形性及びレーザ溶接性に優れ、多段絞り−しごき加工を用いて、比較的大型の電池用角型缶に容易に成形することができるレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らが、引張強さが高く、プレス成形性及びレーザ溶接性に優れたアルミニウム合金板を得るべく、検討を重ねた結果、アルミニウム合金板の組成及び機械的性質(引張強さ、伸び)を規定することにより、これらの要求を満たすアルミニウム合金板が得られるとの知見を得るに至った。本発明は、かかる知見に基づいて成されたものであって、以下の構成を有する。
【0011】
本発明のレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板は、被接合部材とレーザ溶接法によって溶接されるレーザ溶接用高強度アルミニウム合金板であって、Mn、Cu、Mg、Si、Feを下記の含有量で含有し、残部がAlと不可避的不純物からなり、
Mn:0.90〜1.30質量%、Cu:0.30〜0.80質量%、Mg:0.20〜0.80質量%、Si:0.01〜0.20質量%、Fe:0.05〜0.50質量%、引張強さが150〜230MPa、伸びが20%以上であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明において、多段絞り−しごき加工によって、横断面における短幅Wが10mm以上、長幅Lが70mm以上、高さHが60mm以上の電池用角型缶に成形し得ることを特徴とする。
また、本発明において、被接合部材とのレーザ溶接で優れたレーザ溶接性が得られることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板の製造方法は、被接合部材とレーザ溶接法によって溶接されるレーザ溶接用高強度アルミニウム合金板の製造方法であって、Mn、Cu、Mg、Si、Feを下記の含有量で含有し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金鋳塊に、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、最終焼鈍を順次行うことでレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板を製造するに際し、Mn:0.90〜1.30質量%、Cu:0.30〜0.80質量%、Mg:0.20〜0.80質量%、Si:0.01〜0.20質量%、Fe:0.05〜0.50質量%、熱間圧延での圧延板の巻取り温度を360℃以下とし、最終焼鈍を、冷間圧延で得られた圧延板を昇温速度10〜250℃/秒で400〜550℃に昇温した後、この温度で5〜60秒保持し、その後、冷却速度20〜200℃/秒で冷却することで行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、レーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板は、Mn、Cu、Mg、Si、Feを所定の含有量で含有し、引張強さ及び伸びが所定の範囲に規定されていることにより、引張強さが高く、また、良好なプレス成形性及びレーザ溶接性を得ることができる。
このため、このレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板は、多段絞り−しごき加工を用いて、比較的大型の電池用角型缶に容易に成形することができる。そして、成形された角型缶は、機械的強度に優れ、また、レーザ溶接法によって電池の蓋部材と高い溶接強度で溶接することができる。このため、車載用の大型リチウムイオン二次電池の角型缶として好適に用いることができる。
【0015】
また、本発明によれば、Mn、Cu、Mg、Si、Feを所定の有量で含有するアルミニウム合金鋳塊に、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、最終焼鈍を順次行うことでレーザ溶接用高強度アルミニウム合金板を製造するに際し、熱間圧延での圧延板の巻取り温度、及び、最終焼鈍の条件を所定の範囲に設定するため、前述のような引張強さが高く、また、プレス成形性及びレーザ溶接性に優れたレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る高強度アルミニウム合金板から成形された電池缶の一例を示す概略分解斜視図である。
【図2】図1に示す電池用角型缶の横断面図である。
【図3】実施例のレーザ溶接性の評価において、電池缶の切断状態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
<レーザ溶接用高強度アルミニウム合金板>
まず、本発明のレーザ溶接用高強度アルミニウム合金板の実施形態について説明する。
図1は、本発明のレーザ溶接用高強度アルミニウム合金板から成形された電池用角型缶を適用した電池缶の一例を示す概略分解斜視図、図2は、図1に示す電池用角型缶の横断面図である。
なお、以下の説明では、電池用角型缶2において、高さ方向に直交する面に沿った断面を「横断面」と言い、この横断面における外形の短幅を「W」、長幅を「L」とし、横断面と直交する方向の長さが「高さH」となる。
【0018】
本発明のレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板(以下、単に「アルミニウム合金板」と言う。)は、被接合部材とレーザ溶接法によって溶接されるものであり、Mn、Cu、Mg、Si、Feを下記の含有量で含有し、残部がAlと不可避的不純物からなっている。
Mn:0.90〜1.30質量%、Cu:0.30〜0.80質量%、Mg:0.20〜0.80質量%、Si:0.01〜0.20質量%、Fe:0.05〜0.50質量%。また、この実施形態のアルミニウム合金板は、引張強さが150〜230MPa、伸びが20%以上とされている。
これにより、本実施形態のアルミニウム合金板は、高い引張強さが得られ、また、優れたプレス成形性及びレーザ溶接性を得ることができる。
【0019】
本実施形態のアルミニウム合金板は、必要に応じて所望の形状に成形され、被接合部材とレーザ溶接法によって溶接される。
アルミニウム合金板を成形する場合、その形状は特に限定されないが、図1に示す構造のリチウムイオン二次電池等の電池用角型缶2に成形するのが好適である。
図1、2に示す電池用角型缶2は、横断面が長方形状をなす有底筒状に成形され、開放された一端を閉塞する蓋部材3によって電池缶1が構成される。本実施形態の角型缶2は、多段絞り−しごき加工によって成形されており、横断面における短幅Wが10mm以上、長幅Lが70mm以上であり、高さHが60mm以上の大型サイズとされている。また、蓋部材3は、角型缶2にレーザ溶接法により溶接されている。
【0020】
ここで、本発明のアルミニウム合金板は、良好なプレス成形性を有するため、多段絞り−しごき加工を用いて、本実施形態のような大型の角型缶2に容易に成形することができる。また、成形された角型缶2は、素材となるアルミニウム合金板の引張強さ及びレーザ溶接性が優れることにより、高い機械的強度が得られ、また、蓋部材3を、レーザ溶接法によって高い溶接強度で溶接することができる。このため、車載用の大型リチウムイオン二次電池の角型缶として好適に用いることができる。
【0021】
以上の効果は、アルミニウム合金板に含まれる各成分の含有量及びその機械的性質(引張強度、伸び)が所定の範囲に規定されていることによって得られるものである。
以下、アルミニウム合金板の各成分及びその含有量、機械的性質について説明する。
「Mn:0.90〜1.30質量%」
Mnの添加は、アルミニウム合金板の引張強さを高めるとともに、結晶粒を微細化し、アルミニウム合金板のプレス成形性を向上させる効果がある。
Mn含有量が0.90質量%未満の場合には、これらの効果が不十分となる。一方、Mn含有量が1.40質量%を超えると、圧延用スラブ鋳造時に粗大なAl−Fe−Mn系晶出物が生成し易くなり、これらが混入することによって、アルミニウム合金板のプレス成形性が著しく低下する。このため、本発明では、Mn含有量を0.90〜1.40質量%に規定する。なお、引張強さ及びプレス成形性をより改善する点から、Mn含有量は0.95〜1.30質量%の範囲が好ましい。
【0022】
「Cu:0.30〜0.80質量%」
Cuの添加は、アルミニウム合金板の引張強さを高めるとともに、レーザ溶接に際する溶融金属の溶け込みを深くする作用がある。これにより、例えば該アルミニウム合金板で電池の角型缶を構成した場合、角型缶の機械的強度及び角型缶と蓋部材との溶接強度が向上し、耐圧強度に優れた電池缶を得ることができる。
Cu含有量が0.30質量%未満の場合には、これらの効果が不十分となる。一方、Cu含有量が0.80質量%を超えると、アルミニウム合金板のプレス成形性とレーザ溶接性が顕著に低下する。このため、本発明では、Cu含有量を0.30〜0.80質量%に規定する。なお、引張強さ、レーザ溶接性及びプレス成形性をより改善する点から、Cu含有量は、0.35〜0.70質量%であるのが好ましい。
【0023】
「Mg:0.20〜0.80質量%」
Mgの添加は、アルミニウム合金板の耐圧強度を高めるとともに、レーザ溶接に際する溶融金属の溶け込みを深くする作用がある。これにより、例えば該アルミニウム合金板で電池の角型缶を構成した場合、角型缶の機械的強度及び角型缶と蓋部材との溶接強度が向上し、耐圧強度に優れた電池を得ることができる。
Mg含有量が0.20質量%未満の場合には、これらの効果が不十分となる。また、Mg含有量が0.80質量%を越えると、アルミニウム合金板の引張強さと電池の耐圧強度は向上するが、アルミニウム合金板のプレス成形性が低下する。さらに、アルミニウム合金板と被接合部材とをレーザ溶接するに際し、ブローホールと溶融スパッタ発生がともに多くなる。このため、本発明ではMg含有量を0.20〜0.80質量%に規定する。なお、引張強さ、レーザ溶接性及びプレス成形性をより改善する点から、Mg含有量は、0.25〜0.65質量%であることが好ましい。
【0024】
「Si:0.01〜0.20質量%」
Siは不可避不純物として存在し、アルミニウム合金板の強度を若干高める効果があるが、レーザ溶接において溶け込み深さが一定でなくなるなど、溶接安定性に悪影響を及ぼす。このため、Si含有量は0.20質量%以下であることが必要であり、0.15質量%以下であるのが好ましく、0.10質量%未満であるのがより好ましい。但し、Si含有量を0.01質量%未満とするには、入手が困難な高純度地金を使用する必要があり、アルミニウム合金板がコスト高になる。このため、Si含有量の下限は0.01質量%に規定する。
【0025】
「Fe:0.05〜0.50質量%」
Feは、Siと同様に不可避不純物として存在し、アルミニウム合金板の強度を若干高める効果があるが、Fe含有量が大きくなると、アルミニウム合金板にAl−Fe−Mn系の晶出物粒子が粗大に分布するようになる。このAl−Fe−Mn系晶出物粒子は、特に粗大粒子である場合、アルミニウム合金板のプレス成形に際して、破断の直接原因にはならないが、き裂の進展経路となり易い。このため、良好なプレス成形性を得るには、アルミニウム合金板に分布するAl−Fe−Mn系晶出物粒子について、その大きさと分布状態を適切に管理する必要がある。
【0026】
このため、本発明では、Fe含有量を0.50質量%未満に規制する。これにより、Al−Fe−Mn系粗大粒子の晶出が抑えられ、良好なプレス成形性を得ることができる。なお。Fe含有量のより好ましい範囲は0.30質量%以下である。但し、Fe含有量を0.05質量%未満とするには、入手が困難な高純度地金を使用する必要があり、アルミニウム合金板がコスト高になる。さらに、Fe含有量を極めて少なくすると、アルミニウム合金の鋳造性が悪化し、鋳塊に割れを生じるなどの問題が発生する。このため、Fe含有量の下限は0.05質量%に規定する。
【0027】
次に、アルミニウム合金板の引張強さ及び伸びについて説明する。
ここで、本明細書中において、「引張強さ」及び「伸び」とは、それぞれJIS Z2201に規定される引張試験方法に準じて測定される「引張強さ」及び「伸び」である。
「引張強さ:150〜230MPa」
アルミニウム合金板の引張強さは、アルミニウム合金板のプレス成形性と得られる成形体(角型缶等)の機械的強度に影響する。本実施形態においてアルミニウム合金板の引張強さは150MPa以上230MPa以下であることが好ましい。
アルミニウム合金板の引張強さが150MPa未満であると、例えば該アルミニウム合金板によって電池の角型缶を構成した場合に、電池内部の電極材を外部衝撃から保護する機能が十分に得られない。一方、引張強さが230MPaを超える場合には、例えばトランスファープレスを使用する多段絞り加工によって角型缶を成形したとき、成形過程で割れが発生し易く、不良率が著しく増加する。アルミニウム合金板の引張強さが前記範囲であることにより、電池の充放電サイクルに対して十分な耐膨れ性が得られ、且つ、外部衝撃に十分耐え得る電池用の角型缶を生産性良く得ることができる。
【0028】
「伸び:20%以上」
本実施形態のアルミニウム合金板の伸びは、該アルミニウム合金板を多段絞り−しごき加工等によって成形する際のプレス成形性に影響する。
アルミニウム合金板は、伸びが20%以上であることにより、肉厚tが0.6〜1.6mmと比較的厚い場合でも、多段絞り−しごき加工で良好な成形性が得られ、高さH≧60mm以上の大型角型缶に確実に成形することができる。
ここで、JIS3003合金等の汎用アルミニウム合金板であっても、高さH≧60mmの角型缶に成形することは十分可能である。しかし、引張強さが150〜230MPaの高強度アルミニウム合金板の場合、多段絞り−しごき加工が非常に難しく、この加工を可能にするには伸びが20%以上であることが必要である。すなわち、アルミニウム合金板は、伸びが20%以上であることにより、高強度でありながら、多段絞り−しごき加工による大型角型缶2への成形が可能となる。
【0029】
<レーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板の製造方法>
次に、このアルミニウム合金板の製造方法(本発明のアルミニウム合金板の製造方法)について説明する。
このアルミニウム合金板の製造方法は、アルミニウム合金鋳塊の均質化処理工程[1]と、熱間圧延工程[2]と、冷間圧延工程[3]と、最終焼鈍工程[4]とを有している。以下、各工程について順次説明する。
【0030】
[1]均質化処理工程
まず、目的とするアルミニウム合金板の組成に対応するアルミニウム合金鋳塊を、処理温度まで昇温し、この温度で一定時間保持する。これにより、アルミニウム合金鋳塊の偏析等の不均一な組織が除去され、得られるアルミニウム合金板の特性及び品質が安定化する。
処理時間及び処理温度は、特に限定されないが、通常480℃〜590℃、60分〜12時間とされる。
【0031】
[2]熱間圧延工程
次に、均質化処理が施されたアルミニウム合金鋳塊を、再結晶温度以上に加熱しつつ、一対の圧延ロール間を通過させることで圧延し、得られた圧延板を巻取りコイルに巻取る。
また、本発明では、圧延板を巻取る際の圧延板の温度を360℃以下に規定する。これにより、圧延板で繊維状組織が強く発達し、後工程[4]で行う最終焼鈍で、均一且つ微細な結晶粒組織を容易に得ることができる。
なお、この圧延工程を繰り返し行う場合には、各回全てにおいて、圧延板を360℃以下の温度で巻取ることが好ましい。これにより、圧延板の繊維状組織をより強く発達させることができる。
【0032】
[3]冷間圧延工程
次に、熱間圧延工程で得られた圧延板を、冷間圧延し、得られた圧延板を巻取りコイルに巻取る。これにより、圧延板の平坦度および硬度が所望の値に調整される。
ここで、この冷間圧延工程での加工度は、20〜85%であることが好ましい。冷間圧延工程での加工度が20%未満の場合に、得られるアルミニウム合金板の引張強さが不足し、該アルミニウム合金板によって電池の角型缶を構成したとき十分な耐圧強度が得られない可能性がある。また、加工度が90%を超えると、アルミニウム合金板の引張強さが高くなり過ぎ、そのプレス成形性が低下する。これにより、このアルミニウム合金板を多段絞り−しごき加工によって角型缶に成形した場合に、得られた角型缶が破断し易い可能性がある。
【0033】
[4]最終焼鈍工程
次に、冷間圧延工程によって得られた圧延板を、再結晶温度以上(焼鈍温度)に昇温し、この温度で一定時間保持した後、冷却することでアルミニウム合金板を得る。
この最終焼鈍は、アルミニウム合金板を再結晶温度以上に加熱した後冷却することで再結晶化させる処理であり、これによって圧延板の加工歪が緩和され、引張強さとプレス成形性が両立する。
【0034】
ここで、引張強さ及びプレス成形性に優れたアルミニウム合金板を得るには、この再結晶化した結晶粒が微細且つ均一であることが好ましく、本発明では、このような点から最終焼純工程の条件を下記のように規定する。
昇温速度:10〜250℃/秒、加熱温度:400〜550℃、保持時間:5〜60秒、冷却速度:20〜200℃/秒。
【0035】
昇温速度が10℃/秒より遅い場合、この昇温過程で冷間圧延時に導入された蓄積エネルギーが解放されるため、再結晶核生成率が低下して焼鈍後の結晶粒径が大きくなる。その結果、得られるアルミニウム合金板の引張強さとプレス成形性が低下する。一方、昇温速度を250℃/秒より速くしても、それ以上の効果はほとんど得られず、却って高価な加熱設備が必要となってアルミニウム合金板の生産コストが増加する。
【0036】
焼鈍時の加熱温度が400℃より低いと、再結晶化が終了するまでの時間が長くなるため、アルミニウム合金板の製造効率が低下してしまう。また、得られるアルミニウム合金板に、細長く、粗大な結晶粒が生じる。逆に、焼鈍温度が550℃より高くなると、局部溶融が発生して伸びが低くなり、得られるアルミニウム合金板のプレス成形性が低下する。
【0037】
保持時間が5秒より短いと、再結晶化が完全に完了せず、微細な結晶粒が得られない。逆に、保持時間が60秒より長いと、結晶粒が成長してしまう。これにより、いずれの場合も、得られるアルミニウム合金板の引張強さが低くなる。
また、冷却速度が20℃/秒より遅いと、冷却中にCuとMgがAlと金属間化合物を形成して析出してしまい、得られるアルミニウム合金板の強度の低下をもたらす。また、冷却速度を200℃/秒より速くしても、それ以上の効果はほとんど得られず、却って高価な冷却設備が必要なり、生産コストが増加する。
このように、冷間圧延後の最終焼鈍工程の昇温速度、焼鈍温度、保持時間および冷却速度を上記範囲とすることで、強度が高くプレス成形性に優れたアルミニウム合金板を製造できる。
【0038】
以上のようにして製造されたレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板は、引張強さが高く、また、プレス成形性及びレーザ溶接性に優れている。
このため、例えば多段絞り−しごき加工を用いて、大型の電池用角型缶に容易に成形することができる。また、上述のアルミニウム合金板から成形された角型缶は、アルミニウム合金板の引張強さ及びレーザ溶接性が優れることにより、高い機械的強度が得られ、また、蓋部材を、レーザ溶接法によって高い溶接強度で溶接できる。このため、車載用の大型リチウムイオン二次電池の角型缶として好適に用いることができる。
【0039】
以上、本発明のアルミニウム合金板及びその製造方法の各実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【実施例】
【0040】
以下に、本発明の具体的実施例について説明するが、本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
「実施例1〜実施例5」
Mn、Cu、Mg、Si、Feを表1に示す如く含有するアルミニウム合金鋳塊を用意した。そして、このアルミニウム合金鋳塊に、580℃で6時間保持する均質化処理を行い、その後、熱間圧延を施した。この熱間圧延工程での巻取りコイルの測定温度を表1に示す。
続いて、熱間圧延工程で得られた圧延板に、冷間圧延を施すことによって板厚1.6mmの圧延板を得た。
次に、この圧延板に最終焼純を行った。最終焼鈍の条件は下記の通りである。
昇温速度:120℃/秒、焼鈍温度:450℃、焼鈍温度での保持時間:30秒、冷却速度:150℃/秒。以上の工程により、アルミニウム合金板を得た。
【0041】
「実施例6、実施例7」
最終焼鈍の条件を表2に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にしてアルミニウム合金板を得た。
【0042】
「比較例1〜比較例6」
表1に示すように、アルミニウム合金に含まれる成分の少なくともいずれかの含有量を、所定範囲外とする以外は、前記実施例1と同様にしてアルミニウム合金板を得た。
「比較例7」
表1に示すように、熱間圧延に際して、圧延板の巻取り温度を所定範囲外とする以外は、前記実施冷1と同様にしてアルミニウム合金板を得た。
「比較例8〜比較例11」
表2に示すように、最終焼鈍の条件を所定範囲外とする以外は、前記実施例1と同様にしてアルミニウム合金板を得た。
【0043】
<評価>
各実施例及び各比較例で作製したアルミニウム合金板について、プレス成形性及びレーザ溶接性を評価した。評価の条件は以下に示したとおりである。
(1)プレス成形性
板厚1.6mmの各アルミニウム合金板を、多段絞り−しごき加工によって、缶の肉厚t:1.3mm、横断面における短幅W:37.5mm、長幅L:150mm、高さH:120mmの角型缶に成形した。そして、その成形に際するプレス成形性を、以下の基準に従い評価した。なお、加工に用いたプレス機は10段の金型を有するトランスファープレスである。
○:多段絞り−しごき加工で問題なく成形できた場合
△:角型缶は成形できたが、肌荒れや微小クラックの発生がある場合
×1〜×10:多段絞りの工程で割れが発生して成形できなかった場合であり、右の数字は、割れが発生した際のトランスファープレスの段数を示す。
また、実施例1で作製したアルミニウム合金板を、多段絞り−しごき加工によって、表3に示す寸法で角型缶に成形し、その成形に際するプレス成形性を同様にして評価した。
なお、表3中に示す体積VとL/W比の評価であるが、体積Vとしてできるだけ大きなものを電池缶として作製したいが、L/W比が大きくなると成形が困難になる傾向となる。
【0044】
(2)レーザ溶接性
レーザ溶接性は、前述のプレス成形性の評価において、アルミニウム合金板材から成形した各角型缶を用いて評価した。
各角型缶の開放側に、JIS規定A3003−O材よりなるアルミニウムの蓋部材(板厚1.0mm)を、最大出力2kwのYb−ファイバーレーザ溶接機を用いて溶接し、電池缶を得た。溶接条件は以下の通りである。
発振方式:CW発振、ファイバー径:φ0.1、Arガス流量:20(l/min)、出力:850W、溶接速度:166(mm/sec)。
得られた電池缶の溶接部について、溶融スパッタ、溶け込み深さ及びブローホール数を以下のようにして調べた。
【0045】
a.溶融スパッタ
各電池缶外周面について、溶接ビードから±1.0mmの範囲をCCDカメラによって観察し、50μm以上の溶融スパッタの発生数を全て計測した。単位長さ100mmを基準として、スパッタの発生数が0〜10個であるものは○、10〜50個であるものは△、50個以上の場合は×として評価した。
b.溶け込み深さの評価
図3に示すように、各電池缶1を切断線bに沿って縦に切断し(4等分し)、断面において観察される溶接部4の最大溶け込み深さを測定した。なお、ここでは各電池缶1の断面位置6カ所(蓋部材の幅方向一側縁に3カ所ずつ、合計6カ所)で観察し、各最大溶け込み深さを観察位置6カ所の平均値で評価した。
この溶け込み深さは溶接部4の接合強度の指標となり、この値が大きい程、溶接部4の接合強度が高く、耐圧性能に優れることを意味する。
一方、壁厚さに対して溶け込み深さが浅い場合には、必要な耐圧強度が得られない。但し、溶け込み深さが必要以上に大きくなると、溶融金属が角型缶2の肉厚を貫通し、内部の電極部材に損傷を与える恐れがある。また、深い溶け込みを得るためには高出力で大きな入熱量が必要で、特に上述の溶融スパッタの発生が多くなり不適である。
具体的には、缶の肉厚tに対して40〜80%程度の溶け込み深さが好ましい。よって肉厚1.3mmの電池缶に対しては、520μm(40%)〜1040μm(80%)に制御する事が望ましい。なお、図3に符号Sで溶接機ノズル先端位置を示す。
【0046】
c.幅100μm以上のブローホール数
蓋部材及び電池缶の溶接ビードと逆側を山状にして折り曲げ、溶接部全長をCCDカメラを使用し観察した。そして、溶接部に存在する幅100μm以上のブローホールの発生数を計測した。
ブローホールは溶接欠陥の一種であり、ブローホールの発生箇所は蓋部材と電池缶とが未接合の状態にある。そして、特に幅100μm以上の大型ブローホールは接合強度を低下させるため、その発生数は溶接部の接合強度の指標となる。すなわち、この幅100μ以上のブローホールの発生数が少ない程、溶接部の接合強度が高いことを意味する。単位長さ100mmを基準として、幅100mm以上のブローホールが0〜10個であるものは○、10個以上ある物は×として評価した。
以上の評価結果を表1〜表3に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
【表3】

【0050】
表1〜表3に示すように、各元素の含有量が所定の範囲(Si:0.01〜0.20質量%、Fe:0.05〜0.50質量%、Cu:0.30〜0.80質量%、Mn:0.90〜1.30質量%、Mg:0.20〜0.80質量%)にある試料は、150〜230MPaの高い引張強度と20%以上の伸びを有する優れたレーザ溶接用高強度アルミニウム合金板であることが判明した。また、そのような特性を有するレーザ溶接用高強度アルミニウム合金板を製造する際の条件として、熱間圧延巻取温度360℃以下、最終焼鈍における昇温速度10〜250℃/秒、400〜500℃加熱、保持時間5〜60秒、冷却速度20〜200℃の範囲として作製したアルミニウム合金板(実施例1〜7)は、適正な引張強度と十分な伸びを有している。
このため、成形する角型缶の寸法に関わらず、良好なプレス成形性を得ることができた(表3参照)。具体的には、肉厚1.3mm、長幅150mm、180mmのサイズにおいて、高さ60〜160mm、短幅26.5〜50mmの範囲のサイズの角型缶を支障なくプレス成形−しごき成形により製造できた。
【0051】
また、蓋部材とのレーザ溶接において溶融スパッタの数を少なく、ブローホールの発生を抑制でき、また、充分な溶け込み深さを得ることができた。
なお、得られた結果において、溶け込み深さについては、缶の肉厚の40〜80%程度であることが好ましい。溶け込み深さが大きいほど接合強度が高く、良好といえるが、溶け込み深さが必要以上になると溶接速度を低下せざるを得ない場合や、板を貫通してしまう危険がある。
溶融スパッタ数については、50個以下であることが好ましく、スパッタによる金属粉の内部混入の可能性が少なくなる。
ブローホール発生数については、10個以下であることが好ましく、未溶接部が少ないことで高い接合強度を得ることができる。
【0052】
これらに対し、各元素の含有量が上述の所定範囲から外れているアルミニウム合金板試料である比較例1〜6の試料、作製条件が所定範囲から外れている比較例7〜10の試料は、引張強度や伸びが所定範囲に無いか、レーザ溶接性が不良であった。そして、このうち引張強度が高過ぎる比較例2、6、9、10の試料や、伸びが不十分である比較例7、10の試料、Mn含有量が多すぎる比較例4の試料には、プレス成形時に割れが発生し、角型缶に成形することができなかった。
なお、焼鈍工程で焼鈍温度での保持時間を長くし、冷却速度を遅くした比較例8の試料、昇温速度を遅くした比較例11の試料は、温度管理が難しく、実用性に欠けるものであった。
【0053】
「実施例8〜12、比較例12〜18」
先の実施例1〜5で行った試験と同様な試験(引張強さの測定、伸びの測定、レーザ溶接性試験、プレス成形性試験)を板厚0.8mmの圧延板に対しても行い、その結果を表4に示す。板厚0.8mmの試料は、缶の肉厚t:0.6mm、横断面における短幅W:14mm、長幅L:90mm、高さH:70mmの角型缶に成形した。また、レーザ溶接機の出力は550Wに設定した。
表4に示す実施例8〜12の試料は表1に示す実施例1〜5の試料と組成比を表の順に同じとした試料であるが、板厚のみ異なる試料であり、比較例12〜18に示す試料は表1に示す比較例1〜7の試料と表の順に組成比は同じであるが板厚のみ異なる試料である。これらの試料を表4に示す熱間圧延巻取温度で処理し、その後、表1に示す試料と同等の試験に供した。
更に、実施例8で作製した板厚0.8mmのアルミニウム合金板を、多段絞り−しごき加工によって、表5に示す寸法で角型缶に成形し、その成形に際するプレス成形性を同様にして評価した。また、金型の段数が8となっている以外は、スパッタの発生数やブローホールの数の計算方法など、前述の1.6mm厚の試料の場合と同等である。
【0054】
【表4】

【0055】
【表5】

【0056】
表4、表5に示す結果の如く、板厚0.8mmの圧延板を用いた試験においても、板厚1.6mmの圧延板を用いた試験結果を示す表1の試験結果と同等の結果を得ることができたので、板厚0.8mm〜1.6mmの範囲の圧延板において二次電池大型角型缶として用いた場合に同等の結果が得られることがわかった。
【符号の説明】
【0057】
1…電池缶、2…電池用角型缶、3…蓋部材、4…溶接部、W…短幅、L…長幅、H…高さ、a…ビード幅、b…切断位置、t…缶の肉厚。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被接合部材とレーザ溶接法によって溶接されるレーザ溶接用高強度アルミニウム合金板であって、Mn、Cu、Mg、Si、Feを下記の含有量で含有し、残部がAlと不可避的不純物からなり、
Mn:0.90〜1.30質量%
Cu:0.30〜0.80質量%
Mg:0.20〜0.80質量%
Si:0.01〜0.20質量%
Fe:0.05〜0.50質量%
引張強さが150〜230MPa、伸びが20%以上であることを特徴とするレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板
【請求項2】
多段絞り−しごき加工によって、横断面における短幅Wが10mm以上、長幅Lが70mm以上、高さHが60mm以上の電池用角型缶に成形し得ることを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板。
【請求項3】
被接合部材とのレーザ溶接で優れたレーザ溶接性が得られることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板。
【請求項4】
被接合部材とレーザ溶接法によって溶接されるレーザ溶接用高強度アルミニウム合金板の製造方法であって、Mn、Cu、Mg、Si、Feを下記の含有量で含有し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金鋳塊に、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、最終焼鈍を順次行うことでレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板を製造するに際し、
Mn:0.90〜1.30質量%
Cu:0.30〜0.80質量%
Mg:0.20〜0.80質量%
Si:0.01〜0.20質量%
Fe:0.05〜0.50質量%
熱間圧延での圧延板の巻取り温度を360℃以下とし、
最終焼鈍を、冷間圧延で得られた圧延板を昇温速度10〜250℃/秒で400〜550℃に昇温した後、この温度で5〜60秒保持し、その後、冷却速度20〜200℃/秒で冷却することで行うことを特徴とするレーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−197489(P2012−197489A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62760(P2011−62760)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000176707)三菱アルミニウム株式会社 (446)
【Fターム(参考)】