説明

レーザ発振器の出力補正方法およびレーザ加工装置

【課題】レーザ出力を基準波形に一致させることが出来るレーザ発振器の出力補正方法を提供することを目的とする。
【解決手段】励起用ランプ(1)を駆動する投入電流駆動回路(13)に入力する電流信号:I(n)を、基準光量値:Ls(n)とレーザ出力光量値:Lb(n)との差に応じた量:ΔP(n)と、積算基準光量値:ΣLb(n)と積算レーザ出力光量値:ΣLs(n)の差に応じた量:ΔJ(n)と、あらかじめ定めた形状の基準電流値:Is(n+1)に基づいて演算することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
レーザ出力を利用する溶接機やその他の加工装置に関係し、特に光励起式レーザ出力の安定化を図るレーザ発振器の出力補正方法およびレーザ加工装置に関係する。
【背景技術】
【0002】
近年は多くの製品がレーザ加工装置を使って作られている。切断はもちろん接合にも重要な機器として重用されている。特に溶接の分野では自動化が容易で多用されている。
最近では部品が小さく精密になり均一で確実な溶接が要求されている。
【0003】
そのようなレーザ溶接にはYAGパルスレーザがよく用いられていて、レーザパルス出力の安定化に工夫がされてきた。YAGレーザの場合、連続発振したときと単発でのレーザ出力は異なることが多く不安定である。これはレーザロッドの温度ならびに不均一な温度分布とそれによるロッドの変形などが原因であるとされている。また励起ランプの劣化による励起光の変化などもレーザ出力を不安定にする要因である。レーザ溶接では溶接部の溶融が始まると急激にレーザ光の吸収が変化するためにレーザ出力立ち上がりの制御に加えて均一な溶接のためにトータルエネルギの制御が大切である。レーザ出力の安定化に一般的によくなされているのはレーザ出力を測定し所望のレーザ波形を得るために励起用ランプへの投入電流を制御する方法である。
【0004】
従来のレーザ発振器は、特許文献1に示されるような出力補正方法によりレーザ出力を安定化させている。特許文献1について図5を用いて説明する。
レーザ発振器40の励起用ランプ1で発生した光は、レーザーロッド2によって増幅されて、ハーフミラー3で反射されたレーザ光LBは、集光レンズ17によって光ファイバーケーブル18に入力される。レーザ光は光ファイバーケーブル18により被加工物19の近くまで送られた後、集光レンズを備えた出射ユニット20を介して被加工物19に集光される。
【0005】
また、レーザ光LBは、ハーフミラー3を介してその0.01%が光センサ41に入力され、レーザ出力検出回路42によりレーザ出力検出電圧ELに変換される。比較回路43では、あらかじめ設定しておいた基準波形信号WSとレーザ出力電圧ELを比較し、その差に比例した誤差電圧EV+(EV−)を発生する。
【0006】
EV ∝ WS−EL
誤差電圧EV+(EV−)は、演算増幅器からなるドライブ回路44を介してランプ電流供給回路45に与えられる。そして、ランプ電流供給回路45においては、誤差電圧EV+(EV−)に応じたランプ電流DIが発生する。すなわち、正の誤差電圧EV+に対してはランプ電流DIを増大させ、負の誤差電圧EV−に対しては逆にランプ電流DIを減少させる。
【0007】
このようにして、フィードバックループによってレーザ出力を基準波形信号に追従するように制御している。
【特許文献1】特公平5−56237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、被加工物19に作用するレーザパルスのトータルエネルギが、図6(a)に示す所望のトータルエネルギ波形に一致するように、図6(b)(c)に示すように+補正または−補正して図6(a)に示す所望のトータルエネルギ波形に一致させようとしても、実際はレーザ出力は励起用ランプへの電流信号よりも遅延するため、図4(a)に示すように所望のトータルエネルギのレーザパルス出力を得ることができないのが現状である。
【0009】
本発明は、レーザ出力を基準波形に一致させることが出来るレーザ発振器の出力補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1記載のレーザ発振器の出力補正方法は、投入電流駆動回路によってレーザ発振器の励起用ランプを駆動し、前記投入電流駆動回路から前記励起用ランプへの投入電流に応じて発生したレーザ出力を、前もって用意したレーザ基準波形と比較して、その差に応じた電流信号:I(n)を投入電流駆動回路にフィードバックしてレーザ出力を安定化するに際し、電流信号:I(n)を、
基準光量値:Ls(n)とレーザ出力光量値:Lb(n)との差に応じた量:ΔP(n)と、積算基準光量値:ΣLb(n)と積算レーザ出力光量値:ΣLs(n)の差に応じた量:ΔJ(n)と、あらかじめ定めた形状の基準電流値:Is(n+1)に基づいて演算することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2記載のレーザ発振器の出力補正方法は、請求項1において、前記電流信号:I(n)が、
Is(n)・[1+ΔP(n−1)+{ΔI(n−1)・n/N}]
但し、
n:フィードバックのステップ番号(0,1,2,3,4,・・・・N)
N:レーザ出力のパルス幅/フィードバックのサイクルタイム
Is(n):あらかじめ定めた形状のパルス電流
ΔP(n):{Ls(n)−Lb(n)}・Gp/基準光量値(n)
ΔJ(n):{ΣLb(n)−ΣLs(n)}・Gj/積算基準光量値(n)
Gp:あらかじめ定めたゲインで定数
Gj:あらかじめ定めたゲインで定数
であることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項3記載のレーザ発振器の出力補正方法は、請求項1または請求項2において、前記基準光量波形:Ls(n)を、実測定したレーザ出力の平均波形としたことを特徴とする。
本発明の請求項4記載のレーザ加工装置は、投入電流駆動回路から励起用ランプへの投入電流に応じてレーザを発するレーザ発振器と、前記レーザ発振器のレーザ出力を被加工物に導く光学系と、前記レーザ出力の一部を測定するレーザ出力測定系と、前記レーザ出力測定系によって得られたデータ:Lb(n)を元に前記励起用ランプへの投入電流を制御する電流信号:I(n)を前記投入電流駆動回路へ指示してレーザ出力を安定化する制御部とを設け、前記制御部を、基準光量値:Ls(n)とレーザ出力光量値:Lb(n)との差に応じた量:ΔP(n)と、積算基準光量値:ΣLb(n)と積算レーザ出力光量値:ΣLs(n)の差に応じた量:ΔJ(n)と、あらかじめ定めた形状の基準電流値:Is(n+1)に基づいて、前記電流信号:I(n)を演算するように構成したことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項5記載のレーザ加工装置は、請求項4において、前記電流信号:I(n)が、
Is(n)・[1+ΔP(n−1)+{ΔI(n−1)・n/N}]
但し、
n:フィードバックのステップ番号(0,1,2,3,4,・・・・N)
N:レーザ出力のパルス幅/フィードバックのサイクルタイム
Is(n):あらかじめ定めた形状のパルス電流
ΔP(n):{Ls(n)−Lb(n)}・Gp/基準光量値(n)
ΔJ(n):{ΣLb(n)−ΣLs(n)}・Gj/積算基準光量値(n)
Gp:あらかじめ定めたゲインで定数
Gj:あらかじめ定めたゲインで定数
であることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6記載のレーザ加工装置は、請求項4または請求項5において、前記基準光量波形:Ls(n)を、実測定したレーザ出力の平均波形としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この構成によると、溶接に大切なレーザ出力の立ち上がりと同時にトータルエネルギを従来になく安定化できる。そのためこの補正方法を使ったレーザ溶接機は品質の良好な溶接を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明のレーザ発振器の出力補正方法を具体的な実施の形態に基づいて説明する。
図1は本発明のレーザ発振器の出力補正方法を採用したレーザ加工装置を示す。
【0017】
このレーザ加工装置は、レーザ発振器14と、レーザ発振器14のレーザ出力LBを被加工物19に導く光学系と、レーザ出力LBの一部を測定するレーザ出力測定系と、レーザ出力測定系によって得られたデータを元に励起用ランプ1への投入電流を制御する電流信号:I(n)を投入電流駆動回路13へ指示してレーザ出力LBを安定化する制御部15とで構成されている。
【0018】
レーザ発振器14のレーザ出力LBを被加工物19に導く光学系は、次のように構成されている。
電源16から投入電流駆動回路13を介して駆動されている。レーザ発振器14の励起用ランプ1で発生した光は、レーザーロッド2によって増幅されて、ハーフ18に入力される。レーザ光は光ファイバーケーブル18により被加工物19の近くまで送られた後、集光レンズを備えた出射ユニット20を介して被加工物19に集光される。被加工物は19NC制御によるモータ駆動のテーブルに固定されており、レーザパルス出力に同期して被加工物19を動かすことで溶接を行う。
【0019】
レーザ出力測定系は、ハーフミラー3を通過して光センサ4に入力されたレーザ光が、レーザ出力検出回路5でレーザ出力光量値に変換され制御部15に入力されるように構成されている。
【0020】
制御部15は、マイクロプロセッサ回路とプログラムにより構成されており、フィードバック演算をサイクリックに行うことでその機能を実現している。具体的には、この制御装部15は、次のように構成されている。
【0021】
制御部15は、先ず、前もって設定されている基準電流波形テーブル11の出力に従って制御部15から投入電流駆動回路13に電流信号Iを出力する。
これによって投入電流駆動回路13では、電流信号Iに従って励起用ランプ1に電流DIを投入し、レーザロッド2でレーザ出力LBを発生させる。レーザ出力LBの一部(0.01%)は、ハーフミラー3を介して光センサ4に入力され、レーザ出力光量検出回路5でレーザ光の強度に比例したレーザ出力光量Lbに変換される。
【0022】
制御部15の比較演算部7では、レーザ出力光量検出回路5からのレーザ出力光量Lbと、前もって設定されている基準光量波形テーブル6から参照した基準光量Lsとの差から光量補正量ΔP
ΔP=(Ls−Lb)/Ls
を算出する。つまり、レーザ出力光量が基準光量より小さい場合は正の補正量になり、大きい場合は負の補正量になる。
【0023】
制御部15の積算演算部8と積算演算部9では、基準光量Lsとレーザ出力光量Lbをそれぞれ積算することで基準エネルギΣLsと出力エネルギΣLbを算出する。
制御部15の比較演算部10では、エネルギ補正量ΔJ
ΔJ=(ΣLs−ΣLb)/ΣLs
を算出する。つまり、出力エネルギが基準エネルギより小さい場合は正の補正量になり、大きい場合は負の補正量になる。
【0024】
制御部15の関数演算部12では、基準電流波形テーブル11を光量補正量ΔPとエネルギ補正量ΔJの2つの補正量により増減して電流信号Iとして出力する。すなわち、レーザ出力光量と出力エネルギの両方が基準光量波形に追従するように電流信号Iを増減させることにより、励起用ランプへの投入電流DIを増減させ、レーザ出力LBを安定させる。
【0025】
制御部15によるフィードバック演算のサイクルタイムは、レーザのパルス幅に対して十分短い周期で行う必要があり、この実施の形態では、5ms幅のレーザパルスを50ステップに分割しサイクルタイム0.1ms毎にフィードバック演算している。また、レーザ出力光量Lb、基準光量Ls、基準電流Is、電流信号Iは、サイクルタイム毎に量子化された値Lb(n)、Ls(n)、Is(n)、I(n)として演算している。
【0026】
Lb(n):レーザ出力光量値
Ls(n):基準光量値
Is(n):基準電流値
I(n):電流信号値
Tn:パルス幅(5ms)
n:ステップ番号(0〜50)
N:最大ステップ番号(50)N=Tn/Tc
Tc:サイクルタイム(0.1ms)
基準電流波形テーブル11は、図2(a)のように横軸を時間、縦軸を電流とした波形で、被加工物19に応じて前もって設定する。実際には図3の基準電流値Is(n)のように、ステップ番号nに対応したデータテーブルとして設定している。
【0027】
基準光量波形テーブル6は、図2(b)のように横軸を時間、縦軸を光量とした波形で、所望するレーザ出力波形を前もって設定する。実際には図3の基準光量値Ls(n)のように、ステップ番号nに対応したデータテーブルとして設定している。
【0028】
基準光量波形テーブル6は、レーザ出力波形を測定器により測定したり、基準電流波形テーブル11の出力から演算したりすることで求めることもできるが、ここではより精度の高い基準光量波形を得るために、実際のレーザ出力波形のLb(n)を、平均波形演算部21によって自動的に計測・平均化し生成している。
【0029】
制御部15の構成を具体的な動作に基づいて説明する。
制御部15は、基準電流波形テーブル11を電流信号Iとしたレーザパルスを、あらかじめ設定された周期に従って16回出力する。このうち最初の8回のレーザパルスはレーザ発振器14が熱的に過渡状態にあるとして無視する。そして、出力が安定した後半8回のレーザパルスの出力光量をLn9(n)、Lb10(n)、・・・Ln16(n)としてデータテーブルに格納し、その8回平均から基準光量値Ls(n)を生成する。
【0030】
基準光量値:Ls(n)=
{Lb9(n)+Lb10(n)+・・・・+Lb16(n)}/8
このようにして生成した基準光量波形は、使用するレーザ媒体特有の温度特性や遅延を反映したもので、使用するレーザ媒体として最も出力を安定させやすい波形となる。
【0031】
このようにして構成された制御部15によって、サイクルタイム0.1ms毎にステップ番号nを0〜Nまで更新しながら下記のフィードバック演算を行い電流信号I(n)を算出する。
【0032】
電流信号:I(n)=
Is(n)・[1+ΔP(n−1)+{ΔJ(n−1)・n/N}]
ただし、I(0)=Is(0)、ΔP(0)=0、ΔJ(0)=0
光量補正値:ΔP(n)=(Ls(n)−Lb(n))×Gp/Ls(n)
エネルギ補正値:ΔJ(n)=(ΣLs(n)−ΣLb(n))×Gj/ΣLs(n)
基準エネルギ値:ΣLs(n)=
Ls(0)+Ls(1)+Ls(2)+・・・+Ls(n)
出力エネルギ値:ΣLb(n)=
Lb(0)+Lb(1)+Lb(2)+・・・+Lb(n)
Gp:あらかじめ定めたゲインで定数(例えば、0.3)
Gj:あらかじめ定めたゲインで定数(例えば、0.2)
すなわち、基準光量値Ls(n−1)よりレーザ出力光量値Lb(n−1)が小さい場合は、電流信号値I(n)を基準電流値Is(n)より増加させ、逆の場合は減少する。また、基準エネルギ値ΣLs(n−1)より出力エネルギ値ΣLb(n−1)が小さい場合は、電流信号値I(n)を基準電流値Is(n)より増加させ、逆の場合は減少する。
【0033】
また、電流信号Iの演算においてエネルギ補正値ΔJにn/Nを掛けることで、ステップ番号nが小さいレーザ出力の立ち上がりの部分においては光量補正量ΔPが有効に作用し、ステップ番号nが大きいレーザ出力の終わり部分P1では、エネルギ補正値ΔJが有効に作用するようにしている。これにより、図4(b)のようにレーザ溶接において重要なレーザ出力の立ち上がり波形とトータルエネルギの安定化の両立を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
レーザ溶接機をはじめレーザ出力を使用する計測器やレーザ出力を使用するその他の加工機の高機能化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のレーザ発振器の出力補正方法を採用したレーザ加工装置の構成図
【図2】同実施の形態の基準電流値:Is(n)の波形図と基準光量値:Ls(n)の波形図
【図3】繰り返し測定毎の基準電流値:Is(n)と基準光量値:Ls(n)のデータテーブル説明図
【図4】従来の補正方法による出力光量値の変動と本発明による補正方法による出力光量値の変動を示す波形図
【図5】従来のレーザ加工装置の構成図
【図6】従来の出力補正方法を説明するレーザ出力波形図
【符号の説明】
【0036】
1 励起用ランプ
2 レーザロッド
3 ハーフミラー
4 光センサ
5 レーザ出力光量検出回路
6 基準光量波形テーブル
7,10 比較演算部
8,9 積算演算部
11 基準電流波形テーブル
12 関数演算部
13 投入電流駆動回路
14 レーザ発振器
15 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入電流駆動回路によってレーザ発振器の励起用ランプを駆動し、
前記投入電流駆動回路から前記励起用ランプへの投入電流に応じて発生したレーザ出力を、前もって用意したレーザ基準波形と比較して、その差に応じた電流信号:I(n)を投入電流駆動回路にフィードバックしてレーザ出力を安定化するに際し、
電流信号:I(n)を、
基準光量値:Ls(n)とレーザ出力光量値:Lb(n)との差に応じた量:ΔP(n)と、
積算基準光量値:ΣLb(n)と積算レーザ出力光量値:ΣLs(n)の差に応じた量:ΔJ(n)と、
あらかじめ定めた形状の基準電流値:Is(n+1)
に基づいて演算する
レーザ発振器の出力補正方法。
【請求項2】
前記電流信号:I(n)が、
Is(n)・[1+ΔP(n−1)+{ΔI(n−1)・n/N}]
但し、
n:フィードバックのステップ番号(0,1,2,3,4,・・・・N)
N:レーザ出力のパルス幅/フィードバックのサイクルタイム
Is(n):あらかじめ定めた形状のパルス電流
ΔP(n):{Ls(n)−Lb(n)}・Gp/基準光量値(n)
ΔJ(n):{ΣLb(n)−ΣLs(n)}・Gj/積算基準光量値(n)
Gp:あらかじめ定めたゲインで定数
Gj:あらかじめ定めたゲインで定数
であることを特徴とする
請求項1に記載のレーザ発振器の出力補正方法。
【請求項3】
基準光量波形:Ls(n)を、実測定したレーザ出力の平均波形としたことを特徴とする
請求項1または請求項2に記載のレーザ発振器の出力補正方法。
【請求項4】
投入電流駆動回路から励起用ランプへの投入電流に応じてレーザを発するレーザ発振器と、
前記レーザ発振器のレーザ出力を被加工物に導く光学系と、
前記レーザ出力の一部を測定するレーザ出力測定系と、
前記レーザ出力測定系によって得られたデータを元に前記励起用ランプへの投入電流を制御する電流信号:I(n)を前記投入電流駆動回路へ指示してレーザ出力を安定化する制御部と
を設け、前記制御部を、
基準光量値:Ls(n)とレーザ出力光量値:Lb(n)との差に応じた量:ΔP(n)と、
積算基準光量値:ΣLb(n)と積算レーザ出力光量値:ΣLs(n)の差に応じた量:ΔJ(n)と、
あらかじめ定めた形状の基準電流値:Is(n+1)
に基づいて、前記電流信号:I(n)を演算するように構成した
レーザ加工装置。
【請求項5】
前記電流信号:I(n)が、
Is(n)・[1+ΔP(n−1)+{ΔI(n−1)・n/N}]
但し、
n:フィードバックのステップ番号(0,1,2,3,4,・・・・N)
N:レーザ出力のパルス幅/フィードバックのサイクルタイム
Is(n):あらかじめ定めた形状のパルス電流
ΔP(n):{Ls(n)−Lb(n)}・Gp/基準光量値(n)
ΔJ(n):{ΣLb(n)−ΣLs(n)}・Gj/積算基準光量値(n)
Gp:あらかじめ定めたゲインで定数
Gj:あらかじめ定めたゲインで定数
であることを特徴とする
請求項4に記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
前記基準光量波形:Ls(n)を、実測定したレーザ出力の平均波形としたことを特徴とする
請求項4または請求項5に記載のレーザ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−278023(P2009−278023A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130248(P2008−130248)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】