レーダ検出および動的周波数選択
【課題】無線ネットワークとレーダシステムの干渉を避けるため、レーダ信号を通信信号から識別する方法が必要とされている。
【解決手段】無線ネットワーク装置は、相関モジュール、自動利得制御モジュール、および制御モジュールを含む。相関モジュールは、無線周波数(RF)信号の所定の部分における相関を求め、それに基づいて相関信号を発生する。自動利得制御(AGC)モジュールは、前記RF信号に基づき利得制御信号を発生する。制御モジュールは、前記相関信号および前記利得制御信号に基づき、前記RF信号がレーダ信号であるか否かを選択的に判定する。
【解決手段】無線ネットワーク装置は、相関モジュール、自動利得制御モジュール、および制御モジュールを含む。相関モジュールは、無線周波数(RF)信号の所定の部分における相関を求め、それに基づいて相関信号を発生する。自動利得制御(AGC)モジュールは、前記RF信号に基づき利得制御信号を発生する。制御モジュールは、前記相関信号および前記利得制御信号に基づき、前記RF信号がレーダ信号であるか否かを選択的に判定する。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は、2005年12月5日出願の米国仮特許出願第60/742480号の利益を主張する。また、上記出願の開示の全体を、参照することによって本明細書に組み込む。
【発明の分野】
【0002】
[0002]本発明は、レーダシステムに関するものであり、より詳細には、レーダ検出アルゴリズムに関するものである。
【発明の背景】
【0003】
[0003]レーダは、Radio Detection and Rangingの頭字語である。「無線(radio)」という用語は、周波数fcをもちレーダパルス列を形成するように変調される搬送波と呼ばれる無線周波数(RF)を指す。頭字語における検出(detection)および測距(ranging)の部分は、RFパルスの送信とそれに続く反射との間の遅延時間を計測することを指す。時間遅延がΔtの場合、そのレーダの距離範囲は、
R=cΔt/2
よって求めることができる。ただし、c=3×108m/sであり、このcは光速である。式中の除数2は往復を考慮したものである。
【0004】
[0004]ここで図1を参照すると、一つのレーダバーストが、複数のレーダパルスを含んでいる。レーダパルスのパルス幅(PW)は、そのレーダパルスの持続時間である。パルス繰返し間隔(PRI)は、あるレーダパルスの開始から、次のレーダパルスの開始までの間隔である。パルス繰返し周波数(PRF)は、1秒当たり送信されるレーダパルスの数であり、PRIの逆数に等しい。
【0005】
[0005]軍組織がレーダ通信システムを使用している。近年まで、軍用レーダ通信システムは、ほとんど妨害のない通信を享受していた。しかし、近年において、無線ネットワーク通信が急増した。その結果、無線ネットワーク信号が軍用レーダ通信を妨害することがある。公共使用される無線ネットワークと軍用レーダシステムの間の干渉は、安全保障の理由から望ましくない。
【0006】
[0006]軍組織による開示に基づいて、IEEEは、IEEE802.11h仕様を規定しでおり、その全体は参照することによって本明細書に組み込まれている。IEEE802.11hは、レーダシステムを妨害しないように無線ネットワークおよび無線ネットワーク装置を制限しようと試みるものである。IEEE802.11hへの対応は、IEEE802.11a準拠の全てのアクセスポイントおよびクライアントステーションにおいて、軍用レーダへの妨害を回避するよう要求される。無線妨害を低減するためにIEEE802.11hが使用する技術の一つは、動的周波数選択(Dynamic Frequency Selection)(DFS)である。
【0007】
[0007]一般に、DFSを利用する装置が同じ無線チャネル上で他の装置を検出すると、その装置は、必要に応じて別のチャネルに切り換える。通常、無線ネットワーク内のアクセスポイント(AP)は、ビーコンを送信し、そのAPがDFSを使用していることをクライアントステーションに伝える。クライアントステーションは、あるチャネル上でレーダを検出すると、APに通知する。この情報に基づき、APはDFSを使用して、レーダを妨害しない、ネットワーク通信にとって最善のチャネルを選択する。
【0008】
[0008]しかしながら、ネットワーク装置には、チャネル上のレーダを誤検出するものもある。例えば、クライアントステーションが、マイクロ波機器やその他の装置によって発生された信号等のノイズ信号を、誤ってレーダ信号と判断することがある。ネットワークは、検出された信号がレーダ信号ではないにもかかわらず、そのチャネルを不必要に阻止することになる。誤検出が増加するにつれて、さらなるチャネルが阻止されることもあり、ネットワーク通信用に利用可能なままであるチャネルが少なくなる。これは、ネットワークの能力を著しく低下させる可能性がある。
【発明の概要】
【0009】
[0009]無線ネットワーク装置は、無線周波数(RF)信号の所定の部分における相関を求め、それに基づいて相関信号を発生するための相関モジュールを備える。無線ネットワーク装置は、RF信号に基づき利得制御信号を発生するための自動利得制御(AGC)モジュールを備える。無線ネットワーク装置は、相関信号および利得制御信号に基づきRF信号がレーダ信号か否かを選択的に判定するための制御モジュールを備える。
【0010】
[0010]別の特徴では、制御モジュールは、RF信号が無線データのパケットではないことを相関信号が示す場合に、そのRF信号がレーダ信号か否かを判定する。制御モジュールは、AGCモジュールの利得が所定の閾値を超えていることを利得制御信号が示す場合に、RF信号がレーダ信号か否かを判定する。
【0011】
[0011]別の特徴では、無線ネットワーク装置は、更に、RF信号をデジタルRF信号に変換するためのコンバータモジュールを備え、制御モジュールは、コンバータモジュールの出力が所定の値未満に低下したとき、AGCモジュールをリセットするリセット信号を発生する。
【0012】
[0012]別の特徴では、制御モジュールは、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の時間差に基づき、RF信号のパルスのパルス幅を決定する。制御モジュールは、RF信号の所定数の隣接パルスのパルス幅が、所定のレーダパルスのパルス幅と実質的に等しい場合に、そのRF信号がレーダ信号であると判定する。
【0013】
[0013]別の特徴では、制御モジュールは、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の期間中に、コンバータモジュールの出力をN個の同等のセグメントに分割する。ここで、Nは2以上の整数である。制御モジュールは、N個のセグメントのそれぞれにおけるゼロ交差の数をカウントする。制御モジュールは、このN個のセグメント内のゼロ交差の数に基づき、RF信号がシングルトーンレーダ信号とチャープレーダ信号の一方であることを判定する。制御モジュールは、N個のセグメント内のゼロ交差の数がほぼ線形に変化する場合に、RF信号がチャープレーダ信号であると判定する。
【0014】
[0014]別の特徴では、無線ネットワーク装置は、更に、制御モジュールがRF信号をレーダ信号と判定したときにネットワーク装置の通信チャネルを変更するチャネル変更モジュールを備える。
【0015】
[0015]別の特徴では、無線ネットワーク装置はアクセスポイントである。別の特徴では、無線ネットワーク装置はクライアントステーションである。
【0016】
[0016]別の特徴では、無線ネットワーク装置は、更に、RF信号を受信するための無線周波数(RF)受信器を備える。この無線ネットワーク装置は、IEEE802.11、802.11a、802.11b、802.11g、802.11h、802.11n、802.16、および802.20の各規格の少なくとも一つに準拠したものである。
【0017】
[0017]更に別の特徴では、レーダを検出する方法は、無線周波数(RF)信号の所定の部分において相関を求めるステップと、それに基づき相関信号を発生するステップと、RF信号に基づき利得制御信号を発生するステップと、相関信号および利得制御信号に基づきRF信号がレーダ信号か否かを選択的に判定するステップと、を含む。
【0018】
[0018]別の特徴では、この方法は更に、RF信号が無線データのパケットではないことを相関信号が示す場合に、RF信号がレーダ信号か否かを判定するステップを含む。この方法は更に、自動利得制御(AGC)モジュールの利得が所定の閾値を超えていることを利得制御信号が示す場合に、RF信号がレーダ信号か否かを判定するステップを含む。
【0019】
[0019]別の特徴では、この方法は更に、RF信号をデジタルRF信号に変換するステップと、このデジタルRF信号が所定の値未満に低下したときに自動利得調整(AGC)モジュールをリセットするリセット信号を発生するステップとを含む。
【0020】
[0020]別の特徴では、この方法は更に、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の時間差に基づき、RF信号のパルスのパルス幅を決定するステップを含む。この方法は更に、RF信号の所定数の隣接パルスのパルス幅が、所定のレーダパルスのパルス幅と実質的に等しい場合に、そのRF信号がレーダ信号であると判定するステップを含む。
【0021】
[0021]別の特徴では、この方法は更に、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の期間中に、デジタルRF信号をN個(ただしNは2以上の整数)の同等のセグメントに分割するステップと、N個のセグメントのそれぞれにおけるゼロ交差の数をカウントするステップと、N個のセグメント内のゼロ交差の数に基づきRF信号がシングルトーンレーダ信号とチャープレーダ信号の一方であることを判定するステップとを含む。この方法は更に、N個のセグメント内のゼロ交差の数が略線形に変化する場合に、RF信号がチャープレーダ信号であると判定するステップを含む。
【0022】
[0022]別の特徴では、この方法は更に、RF信号がレーダ信号と判定されたときに通信チャネルを変更するステップを含む。
【0023】
[0023]別の特徴では、アクセスポイントがこの方法を含む。別の特徴では、クライアントステーションがこの方法を含む。
【0024】
[0024]別の特徴では、この方法は更に、RF信号を受信するステップを含む。この方法は更に、IEEE802.11、802.11a、802.11b、802.11g、802.11h、802.11n、802.16、および802.20の各規格の少なくとも一つに準拠するステップを含む。
【0025】
[0025]別の特徴では、無線ネットワーク装置は、無線周波数(RF)信号の所定の部分における相関を求め、それに基づいて相関信号を発生する相関手段を備える。無線ネットワーク装置は、RF信号に基づき利得制御信号を発生する自動利得制御(AGC)手段を備える。無線ネットワーク装置は、相関信号および利得制御信号に基づきRF信号がレーダ信号か否かを選択的に判定する制御手段を備える。
【0026】
[0026]別の特徴では、制御手段は、RF信号が無線データのパケットではないことを相関信号が示す場合に、RF信号がレーダ信号か否かを判定する。制御手段は、AGC手段の利得が所定の閾値を超えていることを利得制御信号が示す場合に、RF信号がレーダ信号か否かを判定する。
【0027】
[0027]別の特徴では、無線ネットワーク装置はさらに、RF信号をデジタルRF信号に変換するコンバータ手段を備え、制御手段は、このコンバータ手段の出力が所定の値未満に低下したとき、AGC手段をリセットするリセット信号を発生する。
【0028】
[0028]別の特徴では、制御手段は、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の時間差に基づき、RF信号のパルスのパルス幅を決定する。制御手段は、RF信号の所定数の隣接パルスのパルス幅が、所定のレーダパルスのパルス幅と実質的に等しい場合に、そのRF信号がレーダ信号であると判定する。
【0029】
[0029]別の特徴では、制御手段は、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の期間中に、コンバータ手段の出力をN個の同等のセグメントに分割する。ここで、Nは2以上の整数である。制御手段は、N個のセグメントのそれぞれにおけるゼロ交差の数をカウントする。制御手段は、このN個のセグメント内のゼロ交差の数に基づき、RF信号がシングルトーンレーダ信号とチャープレーダ信号の一方であると判定する。制御手段は、N個のセグメント内のゼロ交差の数が略線形に変化する場合に、そのRF信号がチャープレーダ信号であると判定する。
【0030】
[0030]別の特徴では、無線ネットワーク装置は更に、制御手段がRF信号をレーダ信号と判定したときにネットワーク装置の通信チャネルを変更するチャネル変更手段を備える。
【0031】
[0031]別の特徴では、無線ネットワーク装置はアクセスポイントである。別の特徴では、無線ネットワーク装置はクライアントステーションである。
【0032】
[0032]別の特徴では、無線ネットワーク装置は更に、RF信号を受信する無線周波数(RF)受信器手段を備える。この無線ネットワーク装置は、IEEE802.11、802.11a、802.11b、802.11g、802.11h、802.11n、802.16、および802.20の各規格の少なくとも一つに準拠したものである。
【0033】
[0033]更に別の特徴では、レーダを検出するコンピュータ方法は、無線周波数(RF)信号の所定の部分において相関を求めるステップと、それに基づき相関信号を発生するステップと、RF信号に基づき利得制御信号を発生するステップと、相関信号および利得制御信号に基づきRF信号がレーダ信号か否かを選択的に判定するステップとを含む。
【0034】
[0034]別の特徴では、このコンピュータ方法は更に、RF信号が無線データのパケットではないことを相関信号が示す場合に、RF信号がレーダ信号か否かを判定するステップを含む。このコンピュータ方法は更に、自動利得制御(AGC)モジュールの利得が所定の閾値を超えていることを利得制御信号が示す場合に、RF信号がレーダ信号か否かを判定するステップを含む。
【0035】
[0035]別の特徴では、このコンピュータ方法は更に、RF信号をデジタルRF信号に変換するステップと、このデジタルRF信号が所定の値未満に低下したときに自動利得調整(AGC)モジュールをリセットするリセット信号を発生するステップとを含む。
【0036】
[0036]別の特徴では、このコンピュータ方法は更に、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の時間差に基づき、RF信号のパルスのパルス幅を決定するステップを含む。このコンピュータ方法は更に、RF信号の所定数の隣接パルスのパルス幅が、所定のレーダパルスのパルス幅と実質的に等しい場合に、そのRF信号がレーダ信号であると判定するステップを含む。
【0037】
[0037]別の特徴では、このコンピュータ方法は更に、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の期間中に、デジタルRF信号をN個(ただしNは2以上の整数)の同等のセグメントに分割するステップと、N個のセグメントのそれぞれにおけるゼロ交差の数をカウントするステップと、このN個のセグメント内のゼロ交差の数に基づきRF信号がシングルトーンレーダ信号とチャープレーダ信号の一方であることを判定するステップとを含む。このコンピュータ方法は更に、N個のセグメント内のゼロ交差の数が略線形に変化する場合に、そのRF信号がチャープレーダ信号であると判定するステップを含む。
【0038】
[0038]別の特徴では、このコンピュータ方法は更に、RF信号がレーダ信号と判定されたときに通信チャネルを変更するステップを含む。
【0039】
[0039]別の特徴では、アクセスポイントがこのコンピュータ方法を含む。別の特徴では、クライアントステーションがこのコンピュータ方法を含む。
【0040】
[0040]別の特徴では、このコンピュータ方法は更に、RF信号を受信するステップを含む。このコンピュータ方法はさらに、IEEE802.11、802.11a、802.11b、802.11g、802.11h、802.11n、802.16、および802.20の各規格の少なくとも一つに準拠するステップを含む。
【0041】
[0041]更に別の特徴では、上述のシステムおよび方法は、一つまたは複数のプロセッサによって実行されるコンピュータプログラムによって実施される。このコンピュータプログラムは、それだけには限らないが、メモリ、不揮発性データ記憶装置、および/またはその他の適切な有形の記憶媒体等のコンピュータ可読媒体上に常駐することができる。
【0042】
[0042]本発明の更なる利用可能範囲は、以下に提供する詳細な説明から明らかになろう。詳細な説明および具体的な例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例示のためのものにすぎず、本発明の範囲を限定するものでないことを理解されたい。
【0043】
[0043]本発明は、詳細な説明および添付の図面から、より完全に理解されるようになるであろう。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0044】
[0066]好ましい実施形態についての以下の説明は本質的に例示的なものにすぎず、本発明やその応用例、あるいはその使い方を全く限定するものではない。明確にするために、図面で類似の要素を特定するために同じ参照番号を使用する。本明細書では、モジュール、回路、および/または装置という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、一つまたは複数のソフトウェアまたはファームウェアのプログラムを実行する(共用、専用、または群の)プロセッサおよびメモリ、組合せ論理回路、および/または記述された機能を提供するその他の適切な構成要素を指す。本明細書では、A、B、およびCの少なくとも一つ、という語句は、非排他的な論理orを用いて、論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきである。一つの方法中の各ステップは、本発明の原理を変更することなく異なる順序で実行されてもよいことを理解されたい。
【0045】
[0067]ここで図2を参照する。レーダ信号と、5GHz帯で動作している無線ネットワーク通信システムとの間の干渉を回避するために、動的周波数選択(DFC)が使用されている。具体的には、DFSは、5.25〜5.35GHzおよび5.47〜5.725GHzの周波数範囲内の複数のオーバラップしないチャネルから、無線ネットワーク通信用のレーダ使用外のチャネルを選択するために使用される。
【0046】
[0068]図3の表は、レーダ信号と無線ネットワーク通信の間の干渉を回避するために、米国連邦通信委員会(FCC)によって定められた閾値を列挙している。すなわち、ある無線ネットワーク装置が、その装置によって使用されているチャネル内で−64dBmを超える強度の信号を検出した場合で、その妨害信号が確かにレーダ信号である場合に、この装置は、そのチャネルの使用を中止しなければならない。
【0047】
[0069]図4の表は、FCCによって定められたDFS応答要件を列挙している。すなわち、無線ネットワーク装置がレーダを検出した後、ネットワークは、10秒など、所定の時間内にそのチャネルの使用を停止しなければならない。そのチャネル上での通信は、半時間など、その後のある時間、阻止されることがある。
【0048】
[0070]次に図5を参照する。レーダ検出およびDFS用のシステム10は、自動利得制御(AGC)モジュール12、レーダ検出モジュール14、クリアチャネル評価(CCA)モジュール16、アナログデジタルコンバータ(ADC)モジュール18、フィルタモジュール20、および動的周波数選択(DFS)モジュール22を備えている。
【0049】
[0071]AGCモジュール12は、無線信号強度指標(RSSI)測定値をレーダ検出モジュール14に提供する。RSSIに基づき、レーダ検出モジュール14は、無線周波数(RF)信号が、−64dBm等の所定の閾値DFSthより強いか否かを判定する。CCAモジュール16は、正規の無線データパケットをその他の信号と区別し、RF信号が正規の無線データパケットでない場合のみ、レーダ検出モジュール14を起動させる。レーダ検出モジュール14は、パルス幅や周波数など、RF信号のパラメータを測定する。DFSモジュール22は、レーダ検出モジュール14によって測定されたパラメータを、既知のタイプのレーダ信号の1組のパラメータと比較する。システム10は、RF信号が既知のタイプのレーダ信号である場合に、チャネルを変更する。
【0050】
[0072]システム10は、アクセスポイントやクライアントステーションなどの無線ネットワーク装置24において実施することができる。無線ネットワーク装置24は、通常、RFトランシーバモジュール26、ベースバンドプロセッサ(BBP)28、およびメディアアクセスコントローラ(MAC)モジュール(または制御モジュール)30を備える。
【0051】
[0073]RFトランシーバ26は、RF信号を受信する。BBPモジュール28は、RF信号を復調し、デジタル化し、フィルタリングする。BBPモジュール26は、AGCモジュール12、ADCモジュール18、およびフィルタモジュール20を備えることができる。制御モジュール30は、レーダ検出モジュール14、CCAモジュール16、およびDFSモジュール22を備えることができる。
【0052】
[0074]一部の実施形態においては、レーダ検出モジュール14、CCAモジュール16、およびDFSモジュール22は、無線ネットワーク装置24のBBPモジュール26内に実装することもできる。更に別の実施形態においては、これらのモジュールの少なくとも一つを、ファームウェア、および/またはソフトウェアによって実装することができる。例示のために別々に示されているが、図5に示された各モジュールの少なくとも一つを、単一のモジュールを使用して実装してもよい。
【0053】
[0075]IEEEセクション802.11、802.11(a)、802.11(b)、802.11(g)、802.11(h)、802.11(n)、802.16、および802.20は、参照することによって本明細書に組み込まれるものであり、無線ネットワークおよび装置を構成する方法を規定している。これらの標準によれば、無線ネットワーク装置は、インフラストラクチャモードまたはアドホックモードの何れかで動作することが可能である。
【0054】
[0076]次に図6A〜6Bを参照すると、無線ネットワーク内でのシステム10の様々な実施形態の例が示されている。図6Aでは、アクセスポイント63と通信する無線クライアントステーション64−1、64−2、...、および64−X(一括して64)を有する、インフラストラクチャネットワークが示されている。アクセスポイント63は、ルータ65と通信することができる。モデム66は、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、および/またはローカルエリアネットワーク(LAN)などの分散型通信システム(DCS)67へのアクセスを行なうことができる。図6Bでは、クライアントステーション64−1、64−2、...、および64−X(一括して64)は、アドホックモードとして構成されている。AP63、および/または各クライアントステーション64は、システム10を備えることができる。
【0055】
[0077]レーダ信号は、一般に三つのカテゴリに大別することができる。すなわち、短パルスレーダ信号、長パルスレーダ信号またはチャープレーダ信号、および周波数ホッピングレーダ信号である。図7の表に、四つの例示的短パルスレーダ信号のサンプルパラメータを列挙する。チャープレーダ信号では、その搬送波の周波数がレーダパルス内で線形に変化する。例えば、典型的なチャープレーダ信号は、パルス幅(PW)を50〜100μS、パルス繰返し間隔(PRI)を1〜2mS、またチャープ幅を5〜20MHzとすることができる。典型的な周波数ホッピングレーダ信号は、PWを1μS、PRIを333μSとし、またホップ当たり9パルスとすることができる。実際の応用例で使用されるレーダ信号の各パラメータ値は、様々な値を取り得る。
【0056】
[0078]次に図8A〜9Bを参照すると、様々なタイプのRF信号に対するAGC利得の応答が示されている。図8Aは、無線データパケットが後に続くチャープレーダパルスに対するAGC利得の応答を示す。図8Bは、AGCがオフのときにADCモジュール18が受け取る、チャープレーダパルス74および無線データパケット72の例示的サンプルを示す。図8Bはまた、AGCがオフのときに、チャープレーダの変化する周波数に対応する、ADCモジュール18に入力される信号の変化73を示す。図9Aは、三つのレーダパルスからなるバーストであって無線データパケットが後に続くバーストに対するAGC利得の応答を示す。図9Bは、一つのレーダパルスに応答するAGC利得の減少78および増加80を詳細に示す。
【0057】
[0079]RFトランシーバ26がRF信号を受信したとき、AGCモジュール12の利得は、通常値よりも低い値まで減少する。このAGCモジュール12の利得は、ある時間後に通常値に戻る。AGCモジュール12の利得が通常値まで戻るのに要する時間は、信号強度やパルス幅、周波数など、RF信号の様々なパラメータに依存する。AGCモジュール12は、無線信号強度指標(RSSI)を使用して、レーダ検出モジュール14にRF信号の強度を示す。RSSIが−64dBm等のある閾値DFSthを超える場合、レーダ検出モジュール14はレーダ検出を行なう。
【0058】
[0080]CCAモジュール16は、RF信号が正規の無線データパケットであるか否かを判定する。正規の無線データパケット内のプリアンブルは、標準系列を含む。CCAモジュール16は、プリアンブル内の系列の相関を調べて、RF信号が正規の無線データパケットであるか否かを判定する。CCAモジュール16は、RF信号が正規の無線データパケットでないとき、CCA信号を使用してレーダ検出モジュール14を起動する。したがって、CCAモジュール16は、レーダ検出モジュール14の誤トリガリングを防止する。すなわち、CCAモジュール16は、RF信号が正規の無線データパケットであるときに、レーダ検出モジュール14がレーダ検出およびDFSを実行しないようにする。加えて、CCAモジュール16は、レーダ検出モジュール14がブルートゥース(Bluetooth)の妨害波によって誤ってトリガされないようにする。
【0059】
[0081]ADCモジュール18は、RF信号をアナログ形式からデジタル形式に変換する。RF信号の終止時に、ADCモジュール18の出力は、ある低い値まで減少する。レーダ検出モジュール14は、ADCモジュール18の出力を監視する。ADCモジュール18の出力が所定の閾値未満に減少し、ある時間、その所定の閾値未満に留まるとき、レーダ検出モジュール14は、ADCのアンダラン(under−run)条件を検出する。このADCアンダラン条件は、RF信号のパルスの終止を示す。レーダ検出モジュール14は、ADCアンダラン条件に基づいて、パルス幅(PW)や周波数など、RF信号の諸特性を求める。
【0060】
[0082]フィルタモジュール20は、通常、ADCモジュール18の出力をフィルタリングするローパスフィルタを備える。レーダ検出モジュール14は、フィルタモジュール20の出力に基づいて、RF信号がシングルトーンレーダであるか、それともチャープレーダであるかを判定する。加えて、レーダ検出モジュール14は、フィルタモジュール20の出力に基づいて、RF信号の周波数を求める。
【0061】
[0083]レーダ検出モジュール14は、パルス幅、周波数(例えば、チャープ周波数、シングルトーン周波数など)、およびパルス繰返し間隔(PRI)など、RF信号の諸パラメータを測定する。DFSモジュール22は、レーダ検出モジュール14によって測定されたパラメータを、図7の表に示されている例示的各パラメータと比較して、RF信号が既知のタイプのレーダ信号であるか否かを判定する。
【0062】
[0084]具体的には、RF信号の信号強度がDFSthを超えたとき、またRF信号が正規の無線データパケットでないことをCCAモジュール16が示したとき、レーダ検出モジュール14は、RF信号の各パルスのパルス幅を以下のように測定する。レーダ検出モジュール14は、AGCモジュール12によって発生されたRSSI信号に基づき、パルスの開始を判定する。このRSSI信号は、AGC利得が−64dBmの閾値を横切ったときに、パルスの開始を示す。パルスの終止は、各パルスの終止時にレーダ検出モジュール14によって検出されたADCアンダラン条件によって示される。レーダ検出モジュール14は、パルスの開始時間と終止時間との間の差をカウントすることによって、そのパルスのパルス幅を算出する。
【0063】
[0085]加えて、パルスの終止時にADCアンダラン信号を受け取った後、レーダ検出モジュール14は、AGCモジュール12の利得を通常値にリセットするための信号を発生する。このようにリセットしなければ、AGCモジュール12の利得が通常値まで戻るのに長時間を要することがあり、その時間中の受信データが失われることがある。
【0064】
[0086]次に図10を参照する。レーダ検出モジュール14は、RF信号がシングルトーンレーダ信号であるか、それともチャープレーダ信号であるかを判定するために、RF信号の周波数を測定する。AGCモジュール12の利得が所定の閾値DFSth(通常は−64dBm)未満に減少したとき、RFパルスの持続期間が、ビンと呼ばれる、時間幅が等しい複数のセグメントまたは領域に分割される。ビンの数は通常、パルス幅に比例する。各ビンの幅は、周波数測定の分解能に比例する。
【0065】
[0087]レーダ検出モジュール14は、各ビン内のRF信号の周波数を測定する。周波数を測定するには、フーリエ変換(例えば、DFT、FFT)やゼロ交差法など、多数の方法を使用することができる。ゼロ交差法は、フーリエ変換よりも複雑でないので、レーダ検出モジュール14はゼロ交差法を使用する。
【0066】
[0088]次に図11を参照する。各ビン内のゼロ交差の数がビンのインデックスに対してプロットされている。レーダ検出モジュール14は、各ビン内のゼロ交差の数をカウントすることによって周波数を測定する。あるビン内のゼロ交差の数は、そのビン内のRF信号の周波数に正比例する。すなわち、周波数が高くなるにつれてゼロ交差の数が大きくなる。具体的には、線形グラフが周波数の線形の変化を示す。周波数の線形の変化は、そのRF信号がチャープレーダである可能性があることを示す。ゼロ交差の数が非常に小さいとランダムノイズの影響を受けやすいことがあるので、所定の閾値未満のゼロ交差の数は無視される。
【0067】
[0089]次に図12〜13を参照する。レーダ検出モジュール14は、RF信号がチャープレーダであるか否かを以下のように判定する。最初に、レーダ検出モジュール14は、それぞれ隣接するビン内の各ゼロ交差の数の差diが、所定の閾値を超えるか否かを判定する。真である場合には、そのRF信号はシングルトーンレーダではなく、チャープレーダであるかもしれない。そうでない場合には、レーダ検出モジュール14は、そのRF信号がシングルトーンレーダ信号であると判定し、isTone信号を発生する。
【0068】
[0090]レーダ検出モジュール14は、更にすべてのiについて(di−di−1)の絶対値が所定の閾値未満であるか否かを判定することによって、RF信号がチャープレーダであるか否かを確認する。真である場合には、周波数の変化が線形であり、そのRF信号はチャープレーダである。そして、レーダ検出モジュール14は、isChirp信号を発生する。
【0069】
[0091]すなわち、レーダ検出モジュール14は、diが所定の閾値を超えた場合で、かつ絶対値(di−di−1)が所定の閾値未満である場合に、RF信号がチャープレーダであるか否かを判定する。図12は、チャープレーダのパルスの中心がレーダ信号を受信しているDFS可能装置の中心周波数に一致するときの、ゼロ交差の数の均一な分布を示す。図13は、チャープレーダのパルスの中心がレーダ信号を受信しているDFS可能装置の中心周波数に一致しないときの、ゼロ交差の数の不均一な分布を示す。
【0070】
[0092]レーダ検出モジュール14は、パルス毎に、パルス幅や周波数、パルス繰返し間隔(PRI)などの諸パラメータの測定値をDFSモジュール22に提供する。DFSモジュール22は、所定数の連続パルスの各測定パルス幅が等しいか否かを判定する。真である場合には、DFSモジュール22は、その測定パルス幅を図7の表に示された例示的パルス幅と比較する。測定パルス幅が既知のタイプのレーダパルスのパルス幅と一致する場合には、DFSモジュール22は、そのRF信号がレーダ信号であると判定する。
【0071】
[0093]さらに、MACモジュール30は、AGCモジュール12の利得をDFSthの閾値未満に減少させる各RF信号に対するタイムスタンプをDFSモジュール22に与える。DFSモジュール22は、RF信号の所定数の連続パルス間の時間間隔(間隔spacing)(すなわちパルス繰返し率またはPRI)が実質的に等しいか否かを判定する。真である場合には、DFSモジュール22は、そのPRIを図7の表に示されているような、レーダ信号の例示的PRI値と比較して、そのRF信号がレーダ信号であるか否かを判定する。
【0072】
[0094]RF信号がレーダ信号であるとDFSモジュール22が判定した場合には、システム10は、そのチャネルが変更されるべきであると判定する。そして、システム10は、ネットワーク装置24の通常動作の中断を制御する。システム10は、これを、あらゆる受信RF妨害に応答して、レーダ検出およびDFSをイネーブルすることによって達成するのではない。そうする代わりに、システム10は、レーダ検出およびDFSをイネーブルする前に、入力RF信号をスクリーニングして、制限する。例えば、システム10は、受信したRF信号が、既知のレーダ信号と一致するパラメータをもつシングルトーンレーダまたはチャープレーダである場合、または受信したRF信号が持続時間の非常に短いパルスである場合に、ネットワーク装置24がチャネルを変更すべきであることを示すdfsDetected信号を発生する。
【0073】
[0095]次に図14を参照する。DFS有限状態機械100は、受動(非能動)状態S0、能動状態S1、および待機状態S2を有する。状態機械100は、RSSIがDFSthを超えたときに状態をS0からS1に変化させ、受信RF信号が正規の無線データパケットであるとCCAモジュール16が確認しない限り、状態S1に留まる。状態S1では、状態機械100は、パルス幅や周波数など、RF信号のパルスのパラメータを測定する。
【0074】
[0096]状態機械100はまた、状態S1で、RF信号がシングルトーンレーダ信号であるか、それともチャープレーダ信号かを判定する。真である場合で、かつレーダ信号の諸パラメータが既知のレーダのタイプのパラメータと一致する場合、状態機械100は、検出レーダ信号のタイプ(例えば、シングルトーンまたはチャープ)、およびDFSが検出されたことを示す。パルスの終止時に、AGC利得は通常値にリセットされ、状態機械は状態S0に戻る。
【0075】
[0097]状態機械100が状態S1でRF信号が既知のタイプのレーダ信号ではないと判定した場合には、状態機械100は、妨害が終止するまで、またはAGC利得が通常値にリセットされるまで、状態S2で待機する。そして、状態機械100は、状態S0に戻る。既知のレーダ信号のパラメータ値に応じて、状態機械100の各ステップのタイミングをプログラムすることができる。
【0076】
[0098]次に図15を参照すると、レーダ検出の方法150が示されており、ステップ152でDFSが開始する。レーダ検出モジュール14は、ステップ154で、RF信号のRSSIがDFSthを超えるか否かを判定する。偽である場合には、方法150はステップ152に戻る。真である場合には、レーダ検出モジュール14は更に、ステップ156で、受信RF信号が、CCAモジュール16によって示された正規の無線データパケットであるか否かを判定する。真である場合には、方法150はステップ152に戻る。偽の場合には、レーダ検出モジュール14は、ステップ160でパルスの終止が検出されるまで、ステップ158で、RF信号のパルス幅や周波数などのパラメータを測定する。
【0077】
[0099]レーダ検出モジュール14は、ステップ162で、パルスの終止時にAGC利得をリセットする。DFSモジュール22は、ステップ164で、レーダ検出モジュール14によって測定された諸パラメータを既知のタイプのレーダ信号の例示的パラメータと比較し、RF信号が既知のタイプのレーダ信号であるか否かを判定する。真である場合には、方法150は、ステップ166で、チャネルが変更されるべきであると判定する。そうでない場合には、方法150はステップ152に戻る。
【0078】
[0100]次に図16A〜16Dを参照すると、本発明の様々な実施形態の例が示されている。ここで図16Aを参照する。本発明は、高精細度テレビジョン(HDTV)420において実施することができる。本発明は、図16Aでその全体が422で識別されている信号処理回路および/または制御回路、およびHDTV420の大容量データ記憶装置427のいずれか、または両者において実施することができる。HDTV420は、有線形式または無線形式のHDTV入力信号を受信し、ディスプレイ426用のHDTV出力信号を生成する。いくつかの実施形態においては、HDTV420の信号処理回路および/または制御回路422、および/またはその他の回路(図示せず)は、データを処理し、符号化および/または暗号化を実行し、演算を実行し、データをフォーマットし、および/または必要とされ得るその他のいかなる種類のHDTV処理をも実行することができる。
【0079】
[0101]HDTV420は、光学記憶装置および/または磁気記憶装置などの装置内にデータを不揮発性方式で記憶する大容量データ記憶装置427と通信することができる。この装置は、例えば、ハードディスクドライブHDDおよび/またはDVDを含んでもよい。このHDDは、直径約1.8インチ(4.57cm)未満の1枚または複数のプラッタを含むミニHDDであってもよい。HDTV420は、RAMやROMなどのメモリ428、フラッシュメモリなど低遅延の不揮発性メモリ、および/またはその他の適切な電子データ記憶装置と接続することができる。HDTV420はまた、WLANネットワークインターフェース429を介してWLANとの接続をサポートしてもよい。
【0080】
[0102]次に図16Bを参照する。本発明は、セルラーアンテナ451を含むことがあるセルラー電話450において実施することができる。本発明は、図16Bでその全体が452で識別されている信号処理回路および/または制御回路、およびセルラー電話450の大容量データ記憶装置464のいずれか又は両者において、実施することができ、および/または実装されてもよい。いくつかの実施形態においては、セルラー電話450は、マイクロホン456、スピーカおよび/または音声出力ジャックなどの音声出力装置458、ディスプレイ460、および/またはキーパッド、ポインティング装置、音声操作および/またはその他の入力装置などの入力装置462を含む。セルラー電話450内の信号処理回路および/または制御回路452、および/またはその他の回路(図示せず)は、データを処理し、符号化および/または暗号化を実行し、演算を実行し、データをフォーマットし、および/またはその他のセルラー電話の機能を実行することができる。
【0081】
[0103]セルラー電話450は、光学記憶装置および/または磁気記憶装置などの装置内にデータを不揮発性方式で記憶する大容量データ記憶装置464と通信することができる。この装置は、例えば、ハードディスクドライブHDDおよび/またはDVDを含んでもよい。このHDDは、直径約1.8インチ(4.57cm)未満の1枚または複数のプラッタを含むミニHDDであってもよい。セルラー電話450は、RAMやROMなどのメモリ466、フラッシュメモリなどの低遅延の不揮発性メモリ、および/またはその他の適切な電子データ記憶装置と接続することができる。セルラー電話450はまた、WLANネットワークインターフェース468を介してWLANとの接続をサポートすることができる。
【0082】
[0104]次に図16Cを参照する。本発明は、セットトップボックス480において実施することができる。本発明は、図16Cでその全体が484で識別されている信号処理回路および/または制御回路のいずれか、または両者において実施することができる。セットトップボックス480は、ブロードバンドソースなどのソースから信号を受信し、テレビジョンおよび/またはモニタなどのディスプレイ488、および/またはその他の映像および/または音声出力装置に適した、標準および/または高精細度の音声/映像信号を出力する。セットトップボックス480の信号処理回路および/または制御回路484、および/またはその他の回路(図示せず)は、データを処理し、符号化および/または暗号化を実行し、演算を実行し、データをフォーマットし、および/またはその他のセットトップボックスの機能を実行することができる。
【0083】
[0105]セットトップボックス480は、不揮発性方式でデータを記憶する大容量データ記憶装置490と通信することができる。大容量データ記憶装置490は、ハードディスクドライブHDDおよび/またはDVDなどの光学記憶装置および/または磁気記憶装置を含んでもよい。このHDDは、直径約1.8インチ(4.57cm)未満の1枚または複数のプラッタを含むミニHDDであってもよい。セットトップボックス480は、RAMやROMなどのメモリ494、フラッシュメモリなどの低遅延の不揮発性メモリ、および/またはその他の適切な電子データ記憶装置と接続することができる。セットトップボックス480はまた、WLANネットワークインターフェース496を介してWLANとの接続をサポートすることもできる。
【0084】
[0106]次に図16Dを参照する。本発明は、メディアプレーヤ500において実施することができる。本発明は、図16Dでその全体が504で識別されている信号処理回路および/または制御回路のいずれか、または両者において実施することができる。いくつかの実施形態においては、メディアプレーヤ500は、ディスプレイ507、および/またはキーパッドやタッチパッドなどのユーザ入力装置508を含む。いくつかの実施形態においては、メディアプレーヤ500は、ディスプレイ507および/またはユーザ入力装置508を介して、メニュー、ドロップダウンメニュー、アイコン、および/またはポイントアンドクリックのインタフェースを通常利用する、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を利用することができる。さらに、メディアプレーヤ500は、スピーカおよび/または音声出力ジャックなどの音声出力装置509を含む。メディアプレーヤ500の信号処理回路および/または制御回路504、および/またはその他の回路(図示せず)は、データを処理し、符号化および/または暗号化を実行し、演算を実行し、データをフォーマットし、および/またはその他のメディアプレーヤの機能を実行することができる。
【0085】
[0107]メディアプレーヤ500は、圧縮された音声および/または映像コンテンツなどのデータを不揮発性方式で記憶する大容量データ記憶装置510と通信することができる。いくつかの実施形態においては、この圧縮音声ファイルは、MP3形式、またはその他の適切な音声および/または映像の圧縮形式に準拠するファイルを含む。大容量データ記憶装置は、ハードディスクドライブHDDおよび/またはDVDなどの光学記憶装置および/または磁気記憶装置を含んでもよい。このHDDは、直径約1.8インチ(4.57cm)未満の1枚または複数のプラッタを含むミニHDDであってもよい。メディアプレーヤ500は、RAMやROMなどのメモリ514、フラッシュメモリなどの低遅延の不揮発性メモリ、および/またはその他の適切な電子データ記憶装置と接続することができる。メディアプレーヤ500はまた、WLANネットワークインターフェース516を介してWLANとの接続をサポートすることもできる。上述したものに加えて、さらにその他の実施形態が考えられる。
【0086】
[0108]以上の説明から、当業者は、本発明の広範な教示を様々な形態において実施できることを理解することができよう。したがって、本発明をその特定の例に関して説明してきたが、添付の図面、本明細書、および添付の特許請求の範囲を検討すれば当業者にはその他の変更形態が明らかになるので、本発明の真の範囲はそのような例によって限定されるべきものではない。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】従来技術による例示的なレーダ信号を示す図である。
【図2】本発明による、レーダ検出、および動的周波数選択(DFS)を利用することができる、例示的な周波数帯を示す図である。
【図3】レーダを検出しDFSを実行するために本発明が使用する、信号強度の例示的閾値を列挙した表である。
【図4】本発明による、無線ネットワーク装置がその時間内にレーダを検出しDFSを実行する、様々な例示的時間を列挙した表である。
【図5】無線ネットワーク内でレーダを検出しDFSを実行するための、例示的システムの機能ブロック図である。
【図6A】本発明を実装し、無線ネットワーク内においてインフラストラクチャモードで動作するクライアントステーションを示す図である。
【図6B】本発明を実装し、無線ネットワーク内においてアドホックモードで動作するアクセスポイントおよびクライアントステーションを示す図である。
【図7】本発明に従ってレーダを検出しDFSを実行するために使用することができる様々な例示的短パルスレーダ信号のパラメータを列挙した表である。
【図8A】本発明に係り、無線データパケットが後に続くチャープレーダパルスに対するAGC利得の例示的応答を示す線図である。
【図8B】本発明に係り、自動利得制御(AGC)がオフのときにアナログデジタルコンバータ(ADC)が受け取るチャープレーダパルスおよび無線データパケットの例示的サンプルを示す線図である。
【図9A】本発明に係り、三つのレーダパルスからなり、無線データパケットが後に続くバーストに対する、AGC利得の例示的応答を示す線図である。
【図9B】本発明に係り、レーダパルスに応答するAGC利得の例示的な増減を示す線図である。
【図10】本発明に係り、レーダパルスの周波数を測定する例示的方法を示す図である。
【図11】本発明に係り、一つのビン内のゼロ交差の数をビン(bin)の番号の関数とするグラフである。
【図12】本発明に係り、レーダパルスが搬送波を中心としているときに、一つのビン内のゼロ交差の数をビンの番号の関数とするグラフである。
【図13】本発明に係り、レーダパルスが搬送波を中心としていないときに、一つのビン内のゼロ交差の数をビンの番号を関数とするグラフである。
【図14】本発明に係る有限DFS状態機械の状態図である。
【図15】本発明に係るレーダ検出およびDFSの方法のフローチャートである。
【図16A】高精細度テレビジョンの機能ブロック図である。
【図16B】セルラー電話の機能ブロック図である。
【図16C】セットトップボックスの機能ブロック図である。
【図16D】メディアプレーヤの機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0088】
10…システム、12…自動利得制御(AGC)モジュール、14…レーダ検出モジュール、16…クリアチャネル評価(CCA)モジュール、18…アナログデジタルコンバータ(ADC)モジュール、20…フィルタモジュール、22…動的周波数選択(DFS)モジュール、24…無線ネットワーク装置、26…RFトランシーバモジュール、28…ベースバンドプロセッサ(BBP)、30…メディアアクセスコントローラ(MAC)モジュール(または制御モジュール)。
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は、2005年12月5日出願の米国仮特許出願第60/742480号の利益を主張する。また、上記出願の開示の全体を、参照することによって本明細書に組み込む。
【発明の分野】
【0002】
[0002]本発明は、レーダシステムに関するものであり、より詳細には、レーダ検出アルゴリズムに関するものである。
【発明の背景】
【0003】
[0003]レーダは、Radio Detection and Rangingの頭字語である。「無線(radio)」という用語は、周波数fcをもちレーダパルス列を形成するように変調される搬送波と呼ばれる無線周波数(RF)を指す。頭字語における検出(detection)および測距(ranging)の部分は、RFパルスの送信とそれに続く反射との間の遅延時間を計測することを指す。時間遅延がΔtの場合、そのレーダの距離範囲は、
R=cΔt/2
よって求めることができる。ただし、c=3×108m/sであり、このcは光速である。式中の除数2は往復を考慮したものである。
【0004】
[0004]ここで図1を参照すると、一つのレーダバーストが、複数のレーダパルスを含んでいる。レーダパルスのパルス幅(PW)は、そのレーダパルスの持続時間である。パルス繰返し間隔(PRI)は、あるレーダパルスの開始から、次のレーダパルスの開始までの間隔である。パルス繰返し周波数(PRF)は、1秒当たり送信されるレーダパルスの数であり、PRIの逆数に等しい。
【0005】
[0005]軍組織がレーダ通信システムを使用している。近年まで、軍用レーダ通信システムは、ほとんど妨害のない通信を享受していた。しかし、近年において、無線ネットワーク通信が急増した。その結果、無線ネットワーク信号が軍用レーダ通信を妨害することがある。公共使用される無線ネットワークと軍用レーダシステムの間の干渉は、安全保障の理由から望ましくない。
【0006】
[0006]軍組織による開示に基づいて、IEEEは、IEEE802.11h仕様を規定しでおり、その全体は参照することによって本明細書に組み込まれている。IEEE802.11hは、レーダシステムを妨害しないように無線ネットワークおよび無線ネットワーク装置を制限しようと試みるものである。IEEE802.11hへの対応は、IEEE802.11a準拠の全てのアクセスポイントおよびクライアントステーションにおいて、軍用レーダへの妨害を回避するよう要求される。無線妨害を低減するためにIEEE802.11hが使用する技術の一つは、動的周波数選択(Dynamic Frequency Selection)(DFS)である。
【0007】
[0007]一般に、DFSを利用する装置が同じ無線チャネル上で他の装置を検出すると、その装置は、必要に応じて別のチャネルに切り換える。通常、無線ネットワーク内のアクセスポイント(AP)は、ビーコンを送信し、そのAPがDFSを使用していることをクライアントステーションに伝える。クライアントステーションは、あるチャネル上でレーダを検出すると、APに通知する。この情報に基づき、APはDFSを使用して、レーダを妨害しない、ネットワーク通信にとって最善のチャネルを選択する。
【0008】
[0008]しかしながら、ネットワーク装置には、チャネル上のレーダを誤検出するものもある。例えば、クライアントステーションが、マイクロ波機器やその他の装置によって発生された信号等のノイズ信号を、誤ってレーダ信号と判断することがある。ネットワークは、検出された信号がレーダ信号ではないにもかかわらず、そのチャネルを不必要に阻止することになる。誤検出が増加するにつれて、さらなるチャネルが阻止されることもあり、ネットワーク通信用に利用可能なままであるチャネルが少なくなる。これは、ネットワークの能力を著しく低下させる可能性がある。
【発明の概要】
【0009】
[0009]無線ネットワーク装置は、無線周波数(RF)信号の所定の部分における相関を求め、それに基づいて相関信号を発生するための相関モジュールを備える。無線ネットワーク装置は、RF信号に基づき利得制御信号を発生するための自動利得制御(AGC)モジュールを備える。無線ネットワーク装置は、相関信号および利得制御信号に基づきRF信号がレーダ信号か否かを選択的に判定するための制御モジュールを備える。
【0010】
[0010]別の特徴では、制御モジュールは、RF信号が無線データのパケットではないことを相関信号が示す場合に、そのRF信号がレーダ信号か否かを判定する。制御モジュールは、AGCモジュールの利得が所定の閾値を超えていることを利得制御信号が示す場合に、RF信号がレーダ信号か否かを判定する。
【0011】
[0011]別の特徴では、無線ネットワーク装置は、更に、RF信号をデジタルRF信号に変換するためのコンバータモジュールを備え、制御モジュールは、コンバータモジュールの出力が所定の値未満に低下したとき、AGCモジュールをリセットするリセット信号を発生する。
【0012】
[0012]別の特徴では、制御モジュールは、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の時間差に基づき、RF信号のパルスのパルス幅を決定する。制御モジュールは、RF信号の所定数の隣接パルスのパルス幅が、所定のレーダパルスのパルス幅と実質的に等しい場合に、そのRF信号がレーダ信号であると判定する。
【0013】
[0013]別の特徴では、制御モジュールは、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の期間中に、コンバータモジュールの出力をN個の同等のセグメントに分割する。ここで、Nは2以上の整数である。制御モジュールは、N個のセグメントのそれぞれにおけるゼロ交差の数をカウントする。制御モジュールは、このN個のセグメント内のゼロ交差の数に基づき、RF信号がシングルトーンレーダ信号とチャープレーダ信号の一方であることを判定する。制御モジュールは、N個のセグメント内のゼロ交差の数がほぼ線形に変化する場合に、RF信号がチャープレーダ信号であると判定する。
【0014】
[0014]別の特徴では、無線ネットワーク装置は、更に、制御モジュールがRF信号をレーダ信号と判定したときにネットワーク装置の通信チャネルを変更するチャネル変更モジュールを備える。
【0015】
[0015]別の特徴では、無線ネットワーク装置はアクセスポイントである。別の特徴では、無線ネットワーク装置はクライアントステーションである。
【0016】
[0016]別の特徴では、無線ネットワーク装置は、更に、RF信号を受信するための無線周波数(RF)受信器を備える。この無線ネットワーク装置は、IEEE802.11、802.11a、802.11b、802.11g、802.11h、802.11n、802.16、および802.20の各規格の少なくとも一つに準拠したものである。
【0017】
[0017]更に別の特徴では、レーダを検出する方法は、無線周波数(RF)信号の所定の部分において相関を求めるステップと、それに基づき相関信号を発生するステップと、RF信号に基づき利得制御信号を発生するステップと、相関信号および利得制御信号に基づきRF信号がレーダ信号か否かを選択的に判定するステップと、を含む。
【0018】
[0018]別の特徴では、この方法は更に、RF信号が無線データのパケットではないことを相関信号が示す場合に、RF信号がレーダ信号か否かを判定するステップを含む。この方法は更に、自動利得制御(AGC)モジュールの利得が所定の閾値を超えていることを利得制御信号が示す場合に、RF信号がレーダ信号か否かを判定するステップを含む。
【0019】
[0019]別の特徴では、この方法は更に、RF信号をデジタルRF信号に変換するステップと、このデジタルRF信号が所定の値未満に低下したときに自動利得調整(AGC)モジュールをリセットするリセット信号を発生するステップとを含む。
【0020】
[0020]別の特徴では、この方法は更に、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の時間差に基づき、RF信号のパルスのパルス幅を決定するステップを含む。この方法は更に、RF信号の所定数の隣接パルスのパルス幅が、所定のレーダパルスのパルス幅と実質的に等しい場合に、そのRF信号がレーダ信号であると判定するステップを含む。
【0021】
[0021]別の特徴では、この方法は更に、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の期間中に、デジタルRF信号をN個(ただしNは2以上の整数)の同等のセグメントに分割するステップと、N個のセグメントのそれぞれにおけるゼロ交差の数をカウントするステップと、N個のセグメント内のゼロ交差の数に基づきRF信号がシングルトーンレーダ信号とチャープレーダ信号の一方であることを判定するステップとを含む。この方法は更に、N個のセグメント内のゼロ交差の数が略線形に変化する場合に、RF信号がチャープレーダ信号であると判定するステップを含む。
【0022】
[0022]別の特徴では、この方法は更に、RF信号がレーダ信号と判定されたときに通信チャネルを変更するステップを含む。
【0023】
[0023]別の特徴では、アクセスポイントがこの方法を含む。別の特徴では、クライアントステーションがこの方法を含む。
【0024】
[0024]別の特徴では、この方法は更に、RF信号を受信するステップを含む。この方法は更に、IEEE802.11、802.11a、802.11b、802.11g、802.11h、802.11n、802.16、および802.20の各規格の少なくとも一つに準拠するステップを含む。
【0025】
[0025]別の特徴では、無線ネットワーク装置は、無線周波数(RF)信号の所定の部分における相関を求め、それに基づいて相関信号を発生する相関手段を備える。無線ネットワーク装置は、RF信号に基づき利得制御信号を発生する自動利得制御(AGC)手段を備える。無線ネットワーク装置は、相関信号および利得制御信号に基づきRF信号がレーダ信号か否かを選択的に判定する制御手段を備える。
【0026】
[0026]別の特徴では、制御手段は、RF信号が無線データのパケットではないことを相関信号が示す場合に、RF信号がレーダ信号か否かを判定する。制御手段は、AGC手段の利得が所定の閾値を超えていることを利得制御信号が示す場合に、RF信号がレーダ信号か否かを判定する。
【0027】
[0027]別の特徴では、無線ネットワーク装置はさらに、RF信号をデジタルRF信号に変換するコンバータ手段を備え、制御手段は、このコンバータ手段の出力が所定の値未満に低下したとき、AGC手段をリセットするリセット信号を発生する。
【0028】
[0028]別の特徴では、制御手段は、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の時間差に基づき、RF信号のパルスのパルス幅を決定する。制御手段は、RF信号の所定数の隣接パルスのパルス幅が、所定のレーダパルスのパルス幅と実質的に等しい場合に、そのRF信号がレーダ信号であると判定する。
【0029】
[0029]別の特徴では、制御手段は、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の期間中に、コンバータ手段の出力をN個の同等のセグメントに分割する。ここで、Nは2以上の整数である。制御手段は、N個のセグメントのそれぞれにおけるゼロ交差の数をカウントする。制御手段は、このN個のセグメント内のゼロ交差の数に基づき、RF信号がシングルトーンレーダ信号とチャープレーダ信号の一方であると判定する。制御手段は、N個のセグメント内のゼロ交差の数が略線形に変化する場合に、そのRF信号がチャープレーダ信号であると判定する。
【0030】
[0030]別の特徴では、無線ネットワーク装置は更に、制御手段がRF信号をレーダ信号と判定したときにネットワーク装置の通信チャネルを変更するチャネル変更手段を備える。
【0031】
[0031]別の特徴では、無線ネットワーク装置はアクセスポイントである。別の特徴では、無線ネットワーク装置はクライアントステーションである。
【0032】
[0032]別の特徴では、無線ネットワーク装置は更に、RF信号を受信する無線周波数(RF)受信器手段を備える。この無線ネットワーク装置は、IEEE802.11、802.11a、802.11b、802.11g、802.11h、802.11n、802.16、および802.20の各規格の少なくとも一つに準拠したものである。
【0033】
[0033]更に別の特徴では、レーダを検出するコンピュータ方法は、無線周波数(RF)信号の所定の部分において相関を求めるステップと、それに基づき相関信号を発生するステップと、RF信号に基づき利得制御信号を発生するステップと、相関信号および利得制御信号に基づきRF信号がレーダ信号か否かを選択的に判定するステップとを含む。
【0034】
[0034]別の特徴では、このコンピュータ方法は更に、RF信号が無線データのパケットではないことを相関信号が示す場合に、RF信号がレーダ信号か否かを判定するステップを含む。このコンピュータ方法は更に、自動利得制御(AGC)モジュールの利得が所定の閾値を超えていることを利得制御信号が示す場合に、RF信号がレーダ信号か否かを判定するステップを含む。
【0035】
[0035]別の特徴では、このコンピュータ方法は更に、RF信号をデジタルRF信号に変換するステップと、このデジタルRF信号が所定の値未満に低下したときに自動利得調整(AGC)モジュールをリセットするリセット信号を発生するステップとを含む。
【0036】
[0036]別の特徴では、このコンピュータ方法は更に、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の時間差に基づき、RF信号のパルスのパルス幅を決定するステップを含む。このコンピュータ方法は更に、RF信号の所定数の隣接パルスのパルス幅が、所定のレーダパルスのパルス幅と実質的に等しい場合に、そのRF信号がレーダ信号であると判定するステップを含む。
【0037】
[0037]別の特徴では、このコンピュータ方法は更に、利得制御信号と、この利得制御信号に続くリセット信号との間の期間中に、デジタルRF信号をN個(ただしNは2以上の整数)の同等のセグメントに分割するステップと、N個のセグメントのそれぞれにおけるゼロ交差の数をカウントするステップと、このN個のセグメント内のゼロ交差の数に基づきRF信号がシングルトーンレーダ信号とチャープレーダ信号の一方であることを判定するステップとを含む。このコンピュータ方法は更に、N個のセグメント内のゼロ交差の数が略線形に変化する場合に、そのRF信号がチャープレーダ信号であると判定するステップを含む。
【0038】
[0038]別の特徴では、このコンピュータ方法は更に、RF信号がレーダ信号と判定されたときに通信チャネルを変更するステップを含む。
【0039】
[0039]別の特徴では、アクセスポイントがこのコンピュータ方法を含む。別の特徴では、クライアントステーションがこのコンピュータ方法を含む。
【0040】
[0040]別の特徴では、このコンピュータ方法は更に、RF信号を受信するステップを含む。このコンピュータ方法はさらに、IEEE802.11、802.11a、802.11b、802.11g、802.11h、802.11n、802.16、および802.20の各規格の少なくとも一つに準拠するステップを含む。
【0041】
[0041]更に別の特徴では、上述のシステムおよび方法は、一つまたは複数のプロセッサによって実行されるコンピュータプログラムによって実施される。このコンピュータプログラムは、それだけには限らないが、メモリ、不揮発性データ記憶装置、および/またはその他の適切な有形の記憶媒体等のコンピュータ可読媒体上に常駐することができる。
【0042】
[0042]本発明の更なる利用可能範囲は、以下に提供する詳細な説明から明らかになろう。詳細な説明および具体的な例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例示のためのものにすぎず、本発明の範囲を限定するものでないことを理解されたい。
【0043】
[0043]本発明は、詳細な説明および添付の図面から、より完全に理解されるようになるであろう。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0044】
[0066]好ましい実施形態についての以下の説明は本質的に例示的なものにすぎず、本発明やその応用例、あるいはその使い方を全く限定するものではない。明確にするために、図面で類似の要素を特定するために同じ参照番号を使用する。本明細書では、モジュール、回路、および/または装置という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、一つまたは複数のソフトウェアまたはファームウェアのプログラムを実行する(共用、専用、または群の)プロセッサおよびメモリ、組合せ論理回路、および/または記述された機能を提供するその他の適切な構成要素を指す。本明細書では、A、B、およびCの少なくとも一つ、という語句は、非排他的な論理orを用いて、論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきである。一つの方法中の各ステップは、本発明の原理を変更することなく異なる順序で実行されてもよいことを理解されたい。
【0045】
[0067]ここで図2を参照する。レーダ信号と、5GHz帯で動作している無線ネットワーク通信システムとの間の干渉を回避するために、動的周波数選択(DFC)が使用されている。具体的には、DFSは、5.25〜5.35GHzおよび5.47〜5.725GHzの周波数範囲内の複数のオーバラップしないチャネルから、無線ネットワーク通信用のレーダ使用外のチャネルを選択するために使用される。
【0046】
[0068]図3の表は、レーダ信号と無線ネットワーク通信の間の干渉を回避するために、米国連邦通信委員会(FCC)によって定められた閾値を列挙している。すなわち、ある無線ネットワーク装置が、その装置によって使用されているチャネル内で−64dBmを超える強度の信号を検出した場合で、その妨害信号が確かにレーダ信号である場合に、この装置は、そのチャネルの使用を中止しなければならない。
【0047】
[0069]図4の表は、FCCによって定められたDFS応答要件を列挙している。すなわち、無線ネットワーク装置がレーダを検出した後、ネットワークは、10秒など、所定の時間内にそのチャネルの使用を停止しなければならない。そのチャネル上での通信は、半時間など、その後のある時間、阻止されることがある。
【0048】
[0070]次に図5を参照する。レーダ検出およびDFS用のシステム10は、自動利得制御(AGC)モジュール12、レーダ検出モジュール14、クリアチャネル評価(CCA)モジュール16、アナログデジタルコンバータ(ADC)モジュール18、フィルタモジュール20、および動的周波数選択(DFS)モジュール22を備えている。
【0049】
[0071]AGCモジュール12は、無線信号強度指標(RSSI)測定値をレーダ検出モジュール14に提供する。RSSIに基づき、レーダ検出モジュール14は、無線周波数(RF)信号が、−64dBm等の所定の閾値DFSthより強いか否かを判定する。CCAモジュール16は、正規の無線データパケットをその他の信号と区別し、RF信号が正規の無線データパケットでない場合のみ、レーダ検出モジュール14を起動させる。レーダ検出モジュール14は、パルス幅や周波数など、RF信号のパラメータを測定する。DFSモジュール22は、レーダ検出モジュール14によって測定されたパラメータを、既知のタイプのレーダ信号の1組のパラメータと比較する。システム10は、RF信号が既知のタイプのレーダ信号である場合に、チャネルを変更する。
【0050】
[0072]システム10は、アクセスポイントやクライアントステーションなどの無線ネットワーク装置24において実施することができる。無線ネットワーク装置24は、通常、RFトランシーバモジュール26、ベースバンドプロセッサ(BBP)28、およびメディアアクセスコントローラ(MAC)モジュール(または制御モジュール)30を備える。
【0051】
[0073]RFトランシーバ26は、RF信号を受信する。BBPモジュール28は、RF信号を復調し、デジタル化し、フィルタリングする。BBPモジュール26は、AGCモジュール12、ADCモジュール18、およびフィルタモジュール20を備えることができる。制御モジュール30は、レーダ検出モジュール14、CCAモジュール16、およびDFSモジュール22を備えることができる。
【0052】
[0074]一部の実施形態においては、レーダ検出モジュール14、CCAモジュール16、およびDFSモジュール22は、無線ネットワーク装置24のBBPモジュール26内に実装することもできる。更に別の実施形態においては、これらのモジュールの少なくとも一つを、ファームウェア、および/またはソフトウェアによって実装することができる。例示のために別々に示されているが、図5に示された各モジュールの少なくとも一つを、単一のモジュールを使用して実装してもよい。
【0053】
[0075]IEEEセクション802.11、802.11(a)、802.11(b)、802.11(g)、802.11(h)、802.11(n)、802.16、および802.20は、参照することによって本明細書に組み込まれるものであり、無線ネットワークおよび装置を構成する方法を規定している。これらの標準によれば、無線ネットワーク装置は、インフラストラクチャモードまたはアドホックモードの何れかで動作することが可能である。
【0054】
[0076]次に図6A〜6Bを参照すると、無線ネットワーク内でのシステム10の様々な実施形態の例が示されている。図6Aでは、アクセスポイント63と通信する無線クライアントステーション64−1、64−2、...、および64−X(一括して64)を有する、インフラストラクチャネットワークが示されている。アクセスポイント63は、ルータ65と通信することができる。モデム66は、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、および/またはローカルエリアネットワーク(LAN)などの分散型通信システム(DCS)67へのアクセスを行なうことができる。図6Bでは、クライアントステーション64−1、64−2、...、および64−X(一括して64)は、アドホックモードとして構成されている。AP63、および/または各クライアントステーション64は、システム10を備えることができる。
【0055】
[0077]レーダ信号は、一般に三つのカテゴリに大別することができる。すなわち、短パルスレーダ信号、長パルスレーダ信号またはチャープレーダ信号、および周波数ホッピングレーダ信号である。図7の表に、四つの例示的短パルスレーダ信号のサンプルパラメータを列挙する。チャープレーダ信号では、その搬送波の周波数がレーダパルス内で線形に変化する。例えば、典型的なチャープレーダ信号は、パルス幅(PW)を50〜100μS、パルス繰返し間隔(PRI)を1〜2mS、またチャープ幅を5〜20MHzとすることができる。典型的な周波数ホッピングレーダ信号は、PWを1μS、PRIを333μSとし、またホップ当たり9パルスとすることができる。実際の応用例で使用されるレーダ信号の各パラメータ値は、様々な値を取り得る。
【0056】
[0078]次に図8A〜9Bを参照すると、様々なタイプのRF信号に対するAGC利得の応答が示されている。図8Aは、無線データパケットが後に続くチャープレーダパルスに対するAGC利得の応答を示す。図8Bは、AGCがオフのときにADCモジュール18が受け取る、チャープレーダパルス74および無線データパケット72の例示的サンプルを示す。図8Bはまた、AGCがオフのときに、チャープレーダの変化する周波数に対応する、ADCモジュール18に入力される信号の変化73を示す。図9Aは、三つのレーダパルスからなるバーストであって無線データパケットが後に続くバーストに対するAGC利得の応答を示す。図9Bは、一つのレーダパルスに応答するAGC利得の減少78および増加80を詳細に示す。
【0057】
[0079]RFトランシーバ26がRF信号を受信したとき、AGCモジュール12の利得は、通常値よりも低い値まで減少する。このAGCモジュール12の利得は、ある時間後に通常値に戻る。AGCモジュール12の利得が通常値まで戻るのに要する時間は、信号強度やパルス幅、周波数など、RF信号の様々なパラメータに依存する。AGCモジュール12は、無線信号強度指標(RSSI)を使用して、レーダ検出モジュール14にRF信号の強度を示す。RSSIが−64dBm等のある閾値DFSthを超える場合、レーダ検出モジュール14はレーダ検出を行なう。
【0058】
[0080]CCAモジュール16は、RF信号が正規の無線データパケットであるか否かを判定する。正規の無線データパケット内のプリアンブルは、標準系列を含む。CCAモジュール16は、プリアンブル内の系列の相関を調べて、RF信号が正規の無線データパケットであるか否かを判定する。CCAモジュール16は、RF信号が正規の無線データパケットでないとき、CCA信号を使用してレーダ検出モジュール14を起動する。したがって、CCAモジュール16は、レーダ検出モジュール14の誤トリガリングを防止する。すなわち、CCAモジュール16は、RF信号が正規の無線データパケットであるときに、レーダ検出モジュール14がレーダ検出およびDFSを実行しないようにする。加えて、CCAモジュール16は、レーダ検出モジュール14がブルートゥース(Bluetooth)の妨害波によって誤ってトリガされないようにする。
【0059】
[0081]ADCモジュール18は、RF信号をアナログ形式からデジタル形式に変換する。RF信号の終止時に、ADCモジュール18の出力は、ある低い値まで減少する。レーダ検出モジュール14は、ADCモジュール18の出力を監視する。ADCモジュール18の出力が所定の閾値未満に減少し、ある時間、その所定の閾値未満に留まるとき、レーダ検出モジュール14は、ADCのアンダラン(under−run)条件を検出する。このADCアンダラン条件は、RF信号のパルスの終止を示す。レーダ検出モジュール14は、ADCアンダラン条件に基づいて、パルス幅(PW)や周波数など、RF信号の諸特性を求める。
【0060】
[0082]フィルタモジュール20は、通常、ADCモジュール18の出力をフィルタリングするローパスフィルタを備える。レーダ検出モジュール14は、フィルタモジュール20の出力に基づいて、RF信号がシングルトーンレーダであるか、それともチャープレーダであるかを判定する。加えて、レーダ検出モジュール14は、フィルタモジュール20の出力に基づいて、RF信号の周波数を求める。
【0061】
[0083]レーダ検出モジュール14は、パルス幅、周波数(例えば、チャープ周波数、シングルトーン周波数など)、およびパルス繰返し間隔(PRI)など、RF信号の諸パラメータを測定する。DFSモジュール22は、レーダ検出モジュール14によって測定されたパラメータを、図7の表に示されている例示的各パラメータと比較して、RF信号が既知のタイプのレーダ信号であるか否かを判定する。
【0062】
[0084]具体的には、RF信号の信号強度がDFSthを超えたとき、またRF信号が正規の無線データパケットでないことをCCAモジュール16が示したとき、レーダ検出モジュール14は、RF信号の各パルスのパルス幅を以下のように測定する。レーダ検出モジュール14は、AGCモジュール12によって発生されたRSSI信号に基づき、パルスの開始を判定する。このRSSI信号は、AGC利得が−64dBmの閾値を横切ったときに、パルスの開始を示す。パルスの終止は、各パルスの終止時にレーダ検出モジュール14によって検出されたADCアンダラン条件によって示される。レーダ検出モジュール14は、パルスの開始時間と終止時間との間の差をカウントすることによって、そのパルスのパルス幅を算出する。
【0063】
[0085]加えて、パルスの終止時にADCアンダラン信号を受け取った後、レーダ検出モジュール14は、AGCモジュール12の利得を通常値にリセットするための信号を発生する。このようにリセットしなければ、AGCモジュール12の利得が通常値まで戻るのに長時間を要することがあり、その時間中の受信データが失われることがある。
【0064】
[0086]次に図10を参照する。レーダ検出モジュール14は、RF信号がシングルトーンレーダ信号であるか、それともチャープレーダ信号であるかを判定するために、RF信号の周波数を測定する。AGCモジュール12の利得が所定の閾値DFSth(通常は−64dBm)未満に減少したとき、RFパルスの持続期間が、ビンと呼ばれる、時間幅が等しい複数のセグメントまたは領域に分割される。ビンの数は通常、パルス幅に比例する。各ビンの幅は、周波数測定の分解能に比例する。
【0065】
[0087]レーダ検出モジュール14は、各ビン内のRF信号の周波数を測定する。周波数を測定するには、フーリエ変換(例えば、DFT、FFT)やゼロ交差法など、多数の方法を使用することができる。ゼロ交差法は、フーリエ変換よりも複雑でないので、レーダ検出モジュール14はゼロ交差法を使用する。
【0066】
[0088]次に図11を参照する。各ビン内のゼロ交差の数がビンのインデックスに対してプロットされている。レーダ検出モジュール14は、各ビン内のゼロ交差の数をカウントすることによって周波数を測定する。あるビン内のゼロ交差の数は、そのビン内のRF信号の周波数に正比例する。すなわち、周波数が高くなるにつれてゼロ交差の数が大きくなる。具体的には、線形グラフが周波数の線形の変化を示す。周波数の線形の変化は、そのRF信号がチャープレーダである可能性があることを示す。ゼロ交差の数が非常に小さいとランダムノイズの影響を受けやすいことがあるので、所定の閾値未満のゼロ交差の数は無視される。
【0067】
[0089]次に図12〜13を参照する。レーダ検出モジュール14は、RF信号がチャープレーダであるか否かを以下のように判定する。最初に、レーダ検出モジュール14は、それぞれ隣接するビン内の各ゼロ交差の数の差diが、所定の閾値を超えるか否かを判定する。真である場合には、そのRF信号はシングルトーンレーダではなく、チャープレーダであるかもしれない。そうでない場合には、レーダ検出モジュール14は、そのRF信号がシングルトーンレーダ信号であると判定し、isTone信号を発生する。
【0068】
[0090]レーダ検出モジュール14は、更にすべてのiについて(di−di−1)の絶対値が所定の閾値未満であるか否かを判定することによって、RF信号がチャープレーダであるか否かを確認する。真である場合には、周波数の変化が線形であり、そのRF信号はチャープレーダである。そして、レーダ検出モジュール14は、isChirp信号を発生する。
【0069】
[0091]すなわち、レーダ検出モジュール14は、diが所定の閾値を超えた場合で、かつ絶対値(di−di−1)が所定の閾値未満である場合に、RF信号がチャープレーダであるか否かを判定する。図12は、チャープレーダのパルスの中心がレーダ信号を受信しているDFS可能装置の中心周波数に一致するときの、ゼロ交差の数の均一な分布を示す。図13は、チャープレーダのパルスの中心がレーダ信号を受信しているDFS可能装置の中心周波数に一致しないときの、ゼロ交差の数の不均一な分布を示す。
【0070】
[0092]レーダ検出モジュール14は、パルス毎に、パルス幅や周波数、パルス繰返し間隔(PRI)などの諸パラメータの測定値をDFSモジュール22に提供する。DFSモジュール22は、所定数の連続パルスの各測定パルス幅が等しいか否かを判定する。真である場合には、DFSモジュール22は、その測定パルス幅を図7の表に示された例示的パルス幅と比較する。測定パルス幅が既知のタイプのレーダパルスのパルス幅と一致する場合には、DFSモジュール22は、そのRF信号がレーダ信号であると判定する。
【0071】
[0093]さらに、MACモジュール30は、AGCモジュール12の利得をDFSthの閾値未満に減少させる各RF信号に対するタイムスタンプをDFSモジュール22に与える。DFSモジュール22は、RF信号の所定数の連続パルス間の時間間隔(間隔spacing)(すなわちパルス繰返し率またはPRI)が実質的に等しいか否かを判定する。真である場合には、DFSモジュール22は、そのPRIを図7の表に示されているような、レーダ信号の例示的PRI値と比較して、そのRF信号がレーダ信号であるか否かを判定する。
【0072】
[0094]RF信号がレーダ信号であるとDFSモジュール22が判定した場合には、システム10は、そのチャネルが変更されるべきであると判定する。そして、システム10は、ネットワーク装置24の通常動作の中断を制御する。システム10は、これを、あらゆる受信RF妨害に応答して、レーダ検出およびDFSをイネーブルすることによって達成するのではない。そうする代わりに、システム10は、レーダ検出およびDFSをイネーブルする前に、入力RF信号をスクリーニングして、制限する。例えば、システム10は、受信したRF信号が、既知のレーダ信号と一致するパラメータをもつシングルトーンレーダまたはチャープレーダである場合、または受信したRF信号が持続時間の非常に短いパルスである場合に、ネットワーク装置24がチャネルを変更すべきであることを示すdfsDetected信号を発生する。
【0073】
[0095]次に図14を参照する。DFS有限状態機械100は、受動(非能動)状態S0、能動状態S1、および待機状態S2を有する。状態機械100は、RSSIがDFSthを超えたときに状態をS0からS1に変化させ、受信RF信号が正規の無線データパケットであるとCCAモジュール16が確認しない限り、状態S1に留まる。状態S1では、状態機械100は、パルス幅や周波数など、RF信号のパルスのパラメータを測定する。
【0074】
[0096]状態機械100はまた、状態S1で、RF信号がシングルトーンレーダ信号であるか、それともチャープレーダ信号かを判定する。真である場合で、かつレーダ信号の諸パラメータが既知のレーダのタイプのパラメータと一致する場合、状態機械100は、検出レーダ信号のタイプ(例えば、シングルトーンまたはチャープ)、およびDFSが検出されたことを示す。パルスの終止時に、AGC利得は通常値にリセットされ、状態機械は状態S0に戻る。
【0075】
[0097]状態機械100が状態S1でRF信号が既知のタイプのレーダ信号ではないと判定した場合には、状態機械100は、妨害が終止するまで、またはAGC利得が通常値にリセットされるまで、状態S2で待機する。そして、状態機械100は、状態S0に戻る。既知のレーダ信号のパラメータ値に応じて、状態機械100の各ステップのタイミングをプログラムすることができる。
【0076】
[0098]次に図15を参照すると、レーダ検出の方法150が示されており、ステップ152でDFSが開始する。レーダ検出モジュール14は、ステップ154で、RF信号のRSSIがDFSthを超えるか否かを判定する。偽である場合には、方法150はステップ152に戻る。真である場合には、レーダ検出モジュール14は更に、ステップ156で、受信RF信号が、CCAモジュール16によって示された正規の無線データパケットであるか否かを判定する。真である場合には、方法150はステップ152に戻る。偽の場合には、レーダ検出モジュール14は、ステップ160でパルスの終止が検出されるまで、ステップ158で、RF信号のパルス幅や周波数などのパラメータを測定する。
【0077】
[0099]レーダ検出モジュール14は、ステップ162で、パルスの終止時にAGC利得をリセットする。DFSモジュール22は、ステップ164で、レーダ検出モジュール14によって測定された諸パラメータを既知のタイプのレーダ信号の例示的パラメータと比較し、RF信号が既知のタイプのレーダ信号であるか否かを判定する。真である場合には、方法150は、ステップ166で、チャネルが変更されるべきであると判定する。そうでない場合には、方法150はステップ152に戻る。
【0078】
[0100]次に図16A〜16Dを参照すると、本発明の様々な実施形態の例が示されている。ここで図16Aを参照する。本発明は、高精細度テレビジョン(HDTV)420において実施することができる。本発明は、図16Aでその全体が422で識別されている信号処理回路および/または制御回路、およびHDTV420の大容量データ記憶装置427のいずれか、または両者において実施することができる。HDTV420は、有線形式または無線形式のHDTV入力信号を受信し、ディスプレイ426用のHDTV出力信号を生成する。いくつかの実施形態においては、HDTV420の信号処理回路および/または制御回路422、および/またはその他の回路(図示せず)は、データを処理し、符号化および/または暗号化を実行し、演算を実行し、データをフォーマットし、および/または必要とされ得るその他のいかなる種類のHDTV処理をも実行することができる。
【0079】
[0101]HDTV420は、光学記憶装置および/または磁気記憶装置などの装置内にデータを不揮発性方式で記憶する大容量データ記憶装置427と通信することができる。この装置は、例えば、ハードディスクドライブHDDおよび/またはDVDを含んでもよい。このHDDは、直径約1.8インチ(4.57cm)未満の1枚または複数のプラッタを含むミニHDDであってもよい。HDTV420は、RAMやROMなどのメモリ428、フラッシュメモリなど低遅延の不揮発性メモリ、および/またはその他の適切な電子データ記憶装置と接続することができる。HDTV420はまた、WLANネットワークインターフェース429を介してWLANとの接続をサポートしてもよい。
【0080】
[0102]次に図16Bを参照する。本発明は、セルラーアンテナ451を含むことがあるセルラー電話450において実施することができる。本発明は、図16Bでその全体が452で識別されている信号処理回路および/または制御回路、およびセルラー電話450の大容量データ記憶装置464のいずれか又は両者において、実施することができ、および/または実装されてもよい。いくつかの実施形態においては、セルラー電話450は、マイクロホン456、スピーカおよび/または音声出力ジャックなどの音声出力装置458、ディスプレイ460、および/またはキーパッド、ポインティング装置、音声操作および/またはその他の入力装置などの入力装置462を含む。セルラー電話450内の信号処理回路および/または制御回路452、および/またはその他の回路(図示せず)は、データを処理し、符号化および/または暗号化を実行し、演算を実行し、データをフォーマットし、および/またはその他のセルラー電話の機能を実行することができる。
【0081】
[0103]セルラー電話450は、光学記憶装置および/または磁気記憶装置などの装置内にデータを不揮発性方式で記憶する大容量データ記憶装置464と通信することができる。この装置は、例えば、ハードディスクドライブHDDおよび/またはDVDを含んでもよい。このHDDは、直径約1.8インチ(4.57cm)未満の1枚または複数のプラッタを含むミニHDDであってもよい。セルラー電話450は、RAMやROMなどのメモリ466、フラッシュメモリなどの低遅延の不揮発性メモリ、および/またはその他の適切な電子データ記憶装置と接続することができる。セルラー電話450はまた、WLANネットワークインターフェース468を介してWLANとの接続をサポートすることができる。
【0082】
[0104]次に図16Cを参照する。本発明は、セットトップボックス480において実施することができる。本発明は、図16Cでその全体が484で識別されている信号処理回路および/または制御回路のいずれか、または両者において実施することができる。セットトップボックス480は、ブロードバンドソースなどのソースから信号を受信し、テレビジョンおよび/またはモニタなどのディスプレイ488、および/またはその他の映像および/または音声出力装置に適した、標準および/または高精細度の音声/映像信号を出力する。セットトップボックス480の信号処理回路および/または制御回路484、および/またはその他の回路(図示せず)は、データを処理し、符号化および/または暗号化を実行し、演算を実行し、データをフォーマットし、および/またはその他のセットトップボックスの機能を実行することができる。
【0083】
[0105]セットトップボックス480は、不揮発性方式でデータを記憶する大容量データ記憶装置490と通信することができる。大容量データ記憶装置490は、ハードディスクドライブHDDおよび/またはDVDなどの光学記憶装置および/または磁気記憶装置を含んでもよい。このHDDは、直径約1.8インチ(4.57cm)未満の1枚または複数のプラッタを含むミニHDDであってもよい。セットトップボックス480は、RAMやROMなどのメモリ494、フラッシュメモリなどの低遅延の不揮発性メモリ、および/またはその他の適切な電子データ記憶装置と接続することができる。セットトップボックス480はまた、WLANネットワークインターフェース496を介してWLANとの接続をサポートすることもできる。
【0084】
[0106]次に図16Dを参照する。本発明は、メディアプレーヤ500において実施することができる。本発明は、図16Dでその全体が504で識別されている信号処理回路および/または制御回路のいずれか、または両者において実施することができる。いくつかの実施形態においては、メディアプレーヤ500は、ディスプレイ507、および/またはキーパッドやタッチパッドなどのユーザ入力装置508を含む。いくつかの実施形態においては、メディアプレーヤ500は、ディスプレイ507および/またはユーザ入力装置508を介して、メニュー、ドロップダウンメニュー、アイコン、および/またはポイントアンドクリックのインタフェースを通常利用する、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を利用することができる。さらに、メディアプレーヤ500は、スピーカおよび/または音声出力ジャックなどの音声出力装置509を含む。メディアプレーヤ500の信号処理回路および/または制御回路504、および/またはその他の回路(図示せず)は、データを処理し、符号化および/または暗号化を実行し、演算を実行し、データをフォーマットし、および/またはその他のメディアプレーヤの機能を実行することができる。
【0085】
[0107]メディアプレーヤ500は、圧縮された音声および/または映像コンテンツなどのデータを不揮発性方式で記憶する大容量データ記憶装置510と通信することができる。いくつかの実施形態においては、この圧縮音声ファイルは、MP3形式、またはその他の適切な音声および/または映像の圧縮形式に準拠するファイルを含む。大容量データ記憶装置は、ハードディスクドライブHDDおよび/またはDVDなどの光学記憶装置および/または磁気記憶装置を含んでもよい。このHDDは、直径約1.8インチ(4.57cm)未満の1枚または複数のプラッタを含むミニHDDであってもよい。メディアプレーヤ500は、RAMやROMなどのメモリ514、フラッシュメモリなどの低遅延の不揮発性メモリ、および/またはその他の適切な電子データ記憶装置と接続することができる。メディアプレーヤ500はまた、WLANネットワークインターフェース516を介してWLANとの接続をサポートすることもできる。上述したものに加えて、さらにその他の実施形態が考えられる。
【0086】
[0108]以上の説明から、当業者は、本発明の広範な教示を様々な形態において実施できることを理解することができよう。したがって、本発明をその特定の例に関して説明してきたが、添付の図面、本明細書、および添付の特許請求の範囲を検討すれば当業者にはその他の変更形態が明らかになるので、本発明の真の範囲はそのような例によって限定されるべきものではない。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】従来技術による例示的なレーダ信号を示す図である。
【図2】本発明による、レーダ検出、および動的周波数選択(DFS)を利用することができる、例示的な周波数帯を示す図である。
【図3】レーダを検出しDFSを実行するために本発明が使用する、信号強度の例示的閾値を列挙した表である。
【図4】本発明による、無線ネットワーク装置がその時間内にレーダを検出しDFSを実行する、様々な例示的時間を列挙した表である。
【図5】無線ネットワーク内でレーダを検出しDFSを実行するための、例示的システムの機能ブロック図である。
【図6A】本発明を実装し、無線ネットワーク内においてインフラストラクチャモードで動作するクライアントステーションを示す図である。
【図6B】本発明を実装し、無線ネットワーク内においてアドホックモードで動作するアクセスポイントおよびクライアントステーションを示す図である。
【図7】本発明に従ってレーダを検出しDFSを実行するために使用することができる様々な例示的短パルスレーダ信号のパラメータを列挙した表である。
【図8A】本発明に係り、無線データパケットが後に続くチャープレーダパルスに対するAGC利得の例示的応答を示す線図である。
【図8B】本発明に係り、自動利得制御(AGC)がオフのときにアナログデジタルコンバータ(ADC)が受け取るチャープレーダパルスおよび無線データパケットの例示的サンプルを示す線図である。
【図9A】本発明に係り、三つのレーダパルスからなり、無線データパケットが後に続くバーストに対する、AGC利得の例示的応答を示す線図である。
【図9B】本発明に係り、レーダパルスに応答するAGC利得の例示的な増減を示す線図である。
【図10】本発明に係り、レーダパルスの周波数を測定する例示的方法を示す図である。
【図11】本発明に係り、一つのビン内のゼロ交差の数をビン(bin)の番号の関数とするグラフである。
【図12】本発明に係り、レーダパルスが搬送波を中心としているときに、一つのビン内のゼロ交差の数をビンの番号の関数とするグラフである。
【図13】本発明に係り、レーダパルスが搬送波を中心としていないときに、一つのビン内のゼロ交差の数をビンの番号を関数とするグラフである。
【図14】本発明に係る有限DFS状態機械の状態図である。
【図15】本発明に係るレーダ検出およびDFSの方法のフローチャートである。
【図16A】高精細度テレビジョンの機能ブロック図である。
【図16B】セルラー電話の機能ブロック図である。
【図16C】セットトップボックスの機能ブロック図である。
【図16D】メディアプレーヤの機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0088】
10…システム、12…自動利得制御(AGC)モジュール、14…レーダ検出モジュール、16…クリアチャネル評価(CCA)モジュール、18…アナログデジタルコンバータ(ADC)モジュール、20…フィルタモジュール、22…動的周波数選択(DFS)モジュール、24…無線ネットワーク装置、26…RFトランシーバモジュール、28…ベースバンドプロセッサ(BBP)、30…メディアアクセスコントローラ(MAC)モジュール(または制御モジュール)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数(RF)信号の所定の部分における相関を求め、求めた相関に基づいて相関信号を発生する相関モジュールと、
前記RF信号に基づき利得制御信号を発生する自動利得制御(AGC)モジュールと、
前記相関信号および前記利得制御信号に基づき、前記RF信号がレーダ信号であるか否かを選択的に判定する制御モジュールと、
を備える無線ネットワーク装置。
【請求項2】
前記制御モジュールは、前記RF信号が無線データのパケットではないことを前記相関信号が示す場合に、前記RF信号がレーダ信号であるか否かを判定する、請求項1に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項3】
前記制御モジュールは、前記AGCモジュールの利得が所定の閾値を超えていることを前記利得制御信号が示す場合に、前記RF信号がレーダ信号であるか否かを判定する、請求項1に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項4】
前記RF信号をデジタルRF信号に変換するコンバータモジュールを更に備え、前記制御モジュールは、前記コンバータモジュールの出力が所定の値未満に低下したときに、前記AGCモジュールをリセットするリセット信号を発生する、請求項1に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項5】
前記制御モジュールは、前記利得制御信号と、前記利得制御信号に続く前記リセット信号との間の時間差に基づき、前記RF信号のパルスのパルス幅を決定する、請求項4に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項6】
前記制御モジュールは、前記RF信号の所定数の隣接パルスの前記パルス幅が所定のレーダパルスのパルス幅と実質的に等しい場合に、前記RF信号がレーダ信号であると判定する、請求項5に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項7】
前記制御モジュールが、
前記利得制御信号と、前記利得制御信号に続く前記リセット信号との間の期間中に、前記コンバータモジュールの出力をN個(ただしNは2以上の整数)の同等のセグメントに分割し、
前記N個のセグメントのそれぞれにおけるゼロ交差の数をカウントし、
前記N個のセグメント内の前記ゼロ交差の数に基づき、前記RF信号がシングルトーンレーダ信号とチャープレーダ信号の一方であると判定する、
請求項4に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項8】
前記制御モジュールは、前記N個のセグメント内の前記ゼロ交差の数が略線形に変化する場合に、前記RF信号がチャープレーダ信号であると判定する、請求項7に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項9】
前記RF信号がレーダ信号であると前記制御モジュールが判定した場合に、前記ネットワーク装置の通信チャネルを変更するチャネル変更モジュールを更に備える、請求項1に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項10】
前記無線ネットワーク装置が、アクセスポイントとクライアントステーションのうちの一方である、請求項1に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項11】
レーダを検出する方法であって、
無線周波数(RF)信号の所定の部分における相関を求めるステップと、
前記相関に基づき相関信号を発生するステップと、
前記RF信号に基づき利得制御信号を発生するステップと、
前記相関信号および前記利得制御信号に基づき、前記RF信号がレーダ信号であるか否かを選択的に判定するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記RF信号が無線データのパケットではないことを前記相関信号が示す場合に、前記RF信号がレーダ信号であるか否かを判定するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
自動利得制御(AGC)モジュールの利得が所定の閾値を超えていることを前記利得制御信号が示す場合に、前記RF信号がレーダ信号であるか否かを判定するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記RF信号をデジタルRF信号に変換するステップと、前記デジタルRF信号が所定の値未満に低下したときに自動利得制御(AGC)モジュールをリセットするリセット信号を発生するステップとを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記利得制御信号と、前記利得制御信号に続く前記リセット信号との間の時間差に基づき、前記RF信号のパルスのパルス幅を決定するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記RF信号の所定数の隣接パルスの前記パルス幅が、所定のレーダパルスのパルス幅と実質的に等しい場合に、前記RF信号がレーダ信号であると判定するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記利得制御信号と、前記利得制御信号に続く前記リセット信号との間の期間中に、前記デジタルRF信号をN個(ただしNは2以上の整数)の同等のセグメントに分割するステップと、
前記N個のセグメントのそれぞれにおけるゼロ交差の数をカウントするステップと、
前記N個のセグメント内の前記ゼロ交差の数に基づき、前記RF信号がシングルトーンレーダ信号とチャープレーダ信号の一方であると判定するステップと、
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記N個のセグメント内の前記ゼロ交差の数が略線形に変化する場合に、前記RF信号がチャープレーダ信号であると判定するステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記RF信号がレーダ信号であると判定された場合に、通信チャネルを変更するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項1】
無線周波数(RF)信号の所定の部分における相関を求め、求めた相関に基づいて相関信号を発生する相関モジュールと、
前記RF信号に基づき利得制御信号を発生する自動利得制御(AGC)モジュールと、
前記相関信号および前記利得制御信号に基づき、前記RF信号がレーダ信号であるか否かを選択的に判定する制御モジュールと、
を備える無線ネットワーク装置。
【請求項2】
前記制御モジュールは、前記RF信号が無線データのパケットではないことを前記相関信号が示す場合に、前記RF信号がレーダ信号であるか否かを判定する、請求項1に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項3】
前記制御モジュールは、前記AGCモジュールの利得が所定の閾値を超えていることを前記利得制御信号が示す場合に、前記RF信号がレーダ信号であるか否かを判定する、請求項1に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項4】
前記RF信号をデジタルRF信号に変換するコンバータモジュールを更に備え、前記制御モジュールは、前記コンバータモジュールの出力が所定の値未満に低下したときに、前記AGCモジュールをリセットするリセット信号を発生する、請求項1に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項5】
前記制御モジュールは、前記利得制御信号と、前記利得制御信号に続く前記リセット信号との間の時間差に基づき、前記RF信号のパルスのパルス幅を決定する、請求項4に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項6】
前記制御モジュールは、前記RF信号の所定数の隣接パルスの前記パルス幅が所定のレーダパルスのパルス幅と実質的に等しい場合に、前記RF信号がレーダ信号であると判定する、請求項5に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項7】
前記制御モジュールが、
前記利得制御信号と、前記利得制御信号に続く前記リセット信号との間の期間中に、前記コンバータモジュールの出力をN個(ただしNは2以上の整数)の同等のセグメントに分割し、
前記N個のセグメントのそれぞれにおけるゼロ交差の数をカウントし、
前記N個のセグメント内の前記ゼロ交差の数に基づき、前記RF信号がシングルトーンレーダ信号とチャープレーダ信号の一方であると判定する、
請求項4に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項8】
前記制御モジュールは、前記N個のセグメント内の前記ゼロ交差の数が略線形に変化する場合に、前記RF信号がチャープレーダ信号であると判定する、請求項7に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項9】
前記RF信号がレーダ信号であると前記制御モジュールが判定した場合に、前記ネットワーク装置の通信チャネルを変更するチャネル変更モジュールを更に備える、請求項1に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項10】
前記無線ネットワーク装置が、アクセスポイントとクライアントステーションのうちの一方である、請求項1に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項11】
レーダを検出する方法であって、
無線周波数(RF)信号の所定の部分における相関を求めるステップと、
前記相関に基づき相関信号を発生するステップと、
前記RF信号に基づき利得制御信号を発生するステップと、
前記相関信号および前記利得制御信号に基づき、前記RF信号がレーダ信号であるか否かを選択的に判定するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記RF信号が無線データのパケットではないことを前記相関信号が示す場合に、前記RF信号がレーダ信号であるか否かを判定するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
自動利得制御(AGC)モジュールの利得が所定の閾値を超えていることを前記利得制御信号が示す場合に、前記RF信号がレーダ信号であるか否かを判定するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記RF信号をデジタルRF信号に変換するステップと、前記デジタルRF信号が所定の値未満に低下したときに自動利得制御(AGC)モジュールをリセットするリセット信号を発生するステップとを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記利得制御信号と、前記利得制御信号に続く前記リセット信号との間の時間差に基づき、前記RF信号のパルスのパルス幅を決定するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記RF信号の所定数の隣接パルスの前記パルス幅が、所定のレーダパルスのパルス幅と実質的に等しい場合に、前記RF信号がレーダ信号であると判定するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記利得制御信号と、前記利得制御信号に続く前記リセット信号との間の期間中に、前記デジタルRF信号をN個(ただしNは2以上の整数)の同等のセグメントに分割するステップと、
前記N個のセグメントのそれぞれにおけるゼロ交差の数をカウントするステップと、
前記N個のセグメント内の前記ゼロ交差の数に基づき、前記RF信号がシングルトーンレーダ信号とチャープレーダ信号の一方であると判定するステップと、
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記N個のセグメント内の前記ゼロ交差の数が略線形に変化する場合に、前記RF信号がチャープレーダ信号であると判定するステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記RF信号がレーダ信号であると判定された場合に、通信チャネルを変更するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【公開番号】特開2007−171164(P2007−171164A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−300741(P2006−300741)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(502188642)マーベル ワールド トレード リミテッド (302)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300741(P2006−300741)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(502188642)マーベル ワールド トレード リミテッド (302)
【Fターム(参考)】
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