説明

レーダ装置及びレーダ信号処理方法

【課題】 追尾性能を向上させたレーダ装置及びレーダ信号処理方法を提供する。
【解決手段】 アンテナ部20は、レーダ信号の送信及び受信を行なう。目標検出部40は、アンテナ部20が受信した受信信号に基づいて、所定の捜索領域を捜索して目標を検出する。追尾処理部50は、目標検出部40が検出した目標を追尾するための追尾処理を行う。レーダ制御部10は、目標検出部40による捜索領域の捜索を制御する。レーダ制御部10は、捜索領域を方位方向に複数の領域に分割し、複数の領域のそれぞれを更に距離方向に分割して、隣り合う分割領域の一部が重複するように複数の分割領域を生成し、同一の方位について、分割領域間の捜索に時間差が生じるように、捜索順序を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダ装置及びレーダ信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
目標を捜索する捜索レーダでは、要求目標RCS(有効反射面積;radar cross section)における要求覆域を満足するようにレーダパラメータの一つであるPRI(パルス繰り返し周期;pulse repetition interval)を調整する。フェーズドアレイアンテナを用いた捜索レーダにおいて、目標を確実に検出するためには、追尾性能(追尾レート)を向上させることが求められる。
【0003】
例えば特許文献1には、目標捜索のデータレートを向上させるアンテナ装置が記載されている。このアンテナ装置では、アレイアンテナの開口を仰角方向に分割し、分割に対応させて捜索領域も分割している。分割したそれぞれの走査覆域に対して受信ビームが形成されて目標が検出される。捜索は、重複が無いように行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−279147号公報(段落0036)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術によって捜索のデータレートを向上させるためには、送信開口又は受信開口の増大(送信又は受信モジュールの増加)が必要となる。このため、システム規模の見直しが必要であり実施が容易ではない。
【0006】
また、同一の方位において、異なる距離についての捜索が連続して行われると、捜索領域の境目近辺において目標が両方の領域で検出されても、領域間での捜索時間差が極短時間である。このため、追尾レートの向上には寄与しない。
【0007】
本発明は、前記のような問題に鑑みなされたもので、追尾性能を向上させたレーダ装置及びレーダ信号処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るレーダ装置は、レーダ信号の送信及び受信を行なうレーダ送受信手段と、前記レーダ送受信手段が受信した受信信号に基づいて、所定の捜索領域を捜索して目標を検出する検出手段と、前記目標検出手段が検出した目標を追尾するための追尾処理を行う追尾手段と、前記検出手段による前記捜索領域の捜索を制御する捜索制御手段であって、前記捜索領域を方位方向に複数の領域に分割し、前記複数の領域のそれぞれを更に距離方向に分割して、隣り合う分割領域の一部が重複するように複数の分割領域を生成し、同一の方位について、分割領域間の捜索に時間差が生じるように、前記検出手段による前記複数の分割領域の捜索の順序を設定する捜索制御手段を具備する。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係るレーダ信号処理方法は、レーダ信号の送信及び受信を行なうレーダ送受信手段を具備するレーダ装置においてレーダ信号を処理するレーダ信号処理方法であって、前記レーダ送受信手段が受信した受信信号に基づいて、所定の捜索領域を捜索して目標を検出するステップと、前記目標を追尾するための追尾処理を行うステップと、前記捜索領域の捜索を制御するステップであって、前記捜索領域を方位方向に複数の領域に分割し、前記複数の領域のそれぞれを更に距離方向に分割して、隣り合う分割領域の一部が重複するように複数の分割領域を生成し、同一の方位について、分割領域間の捜索に時間差が生じるように、前記複数の分割領域の捜索の順序を設定するステップを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、追尾性能を向上させたレーダ装置及びレーダ信号処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図2】捜索領域Wを距離方向に2分割して行う探知について概略的に示す図。
【図3】図2に示すように捜索領域を分割した場合の捜索順序の一例を示す図。
【図4】捜索領域Wを距離方向に重複させて2分割して行う探知について概略的に示す図。
【図5】図4に示すように捜索領域を重複させて分割した場合の捜索順序の一例を示す図。
【図6】図4に示すように捜索領域を重複させて分割した場合の本実施形態に係る捜索順序の一例を示す図。
【図7】図3に示すように設定された捜索順序に従って行われる目標捜索の結果の一例を示す図。
【図8】図6に示すように設定された捜索順序に従って行われる目標検出の結果の一例を示す図。
【図9】PRI、RCS及び探知距離の関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明によるレーダ装置の実施形態を説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。図1に示すようにレーダ装置は、レーダ制御部10、アンテナ部20、走査制御部30、目標検出部40、及び追尾処理部50を具備している。
【0014】
レーダ制御部10はレーダ装置全体の動作を制御する。具体的には、レーダ装置10は例えばビームスケジュールの管理を行い、目標の捜索順序やPRI(パルス繰り返し周期pulse repetition interval)の制御を行なう。
【0015】
アンテナ部20は、フェーズドアレイアンテナとして構成され、送信部21、電力分配合成器22、複数の送受信モジュール23−1〜23−n、複数のアンテナ素子24−1〜24−n、及び受信部25を具備する。
【0016】
レーダ信号の送信時には、送信部21から送られる送信信号を電力分配合成器22が分配して、送受信モジュール23−1〜23−nに供給する。
【0017】
送受信モジュール23−1〜23−nは、対応するアンテナ素子24−1〜24−nの位相及び振幅を調整し、送信信号の信号増幅を行なう。この送信信号は、アンテナ措置24−1〜24−nから空間へ放射される。
【0018】
信号の受信時には、アンテナ素子24−1〜24−nによって受信された受信信号に対して、対応する送受信モジュール23−1〜23−nによって低雑音増幅及び位相制御が行なわれる。
【0019】
受信部25は、送受信モジュール23−1〜23−nから送られた受信信号の電力合成を行なう。また受信部25は、受信信号に対して、中間周波数(IF)への周波数変換、アナログ・デジタル変換、及び直交検波を行なう。直交検波によって複素形式のI(同相;In-phase)信号とQ(直交;Quadrature)信号が生成され、生成されたI信号とQ信号は目標検出部40に送られる。
【0020】
走査制御部30は、送受信モジュール23−1〜23−nに、ビーム走査角に応じた制御信号を送信する。送受信モジュール23−1〜23−nは、対応するアンテナ素子24−1〜24−nの位相及び振幅を、制御信号に応じて設定する。
【0021】
目標検出部40は、受信部25から出力されるI信号及びQ信号に基づいて所望の受信ビームを形成する。また目標検出部40は、形成された受信ビームから目標を捜索して検出する目標検出処理を行なう。検出された目標を表す目標情報は、追尾処理部50に送られる。
【0022】
追尾処理部50は、目標検出部40から送られた目標情報に基づいて、目標の相関処理及び追尾処理を行う。
【0023】
次に、以上のように構成されたレーダ装置の動作について説明する。
【0024】
レーダ制御部10は、ビーム形成のタイミング及び目標検出部40が目標検出処理を行うための捜索領域の管理を行っている。通常のレーダの最大の探知距離は、以下の式(1)によって表される。
【数1】

【0025】
式(1)に示すように、目標RCS(有効反射面積;radar cross section)の値σが大きい程、遠距離での探知が可能になる。このため、レーダ制御部10は、対象とする目標RCSに応じてPRIを調整する。すなわち、レーダ制御部10がPRIを変更することにより、捜索の距離が制御される。
【0026】
図2は、捜索領域Wを距離方向に2分割して行う探知について概略的に示す図である。図2に示す例では、1つの方位θについての捜索領域が、近距離側の捜索領域Aと遠距離側の捜索領域Bとに分割されている。この例では、従来技術と同様に、捜索領域Aと捜索領域Bとの間に重複する領域は生じていない。
【0027】
図3は、図2に示すように捜索領域を分割した場合の捜索順序の一例を示す図である。図3に示す例では、捜索領域Wを方位方向にN個の領域(−X〜X)に分割している。そして、それぞれの方位において、捜索領域を近距離側の捜索領域Aと遠距離側の捜索領域Bに分割している。
【0028】
図3に示す例においては、方位θ=−Xにおける捜索領域Aの捜索順序が1番に、捜索領域Bの捜索順序が2番に設定されている。以降同様に、各方位において、近距離側の捜索領域Aの捜索が行なわれた後に、遠距離側の捜索領域Bの捜索が行なわれる。全ての捜索領域を終了するには、捜索時間Tが要される。すなわち、分割された捜索領域の1つ1つについては、周期Tで捜索が行なわれる。このため、それぞれの領域について追尾レートを向上させることができない。
【0029】
図4は、捜索領域Wを距離方向に重複させて2分割して行う探知について概略的に示す図である。図4に示す例では、1つの方位についての捜索領域が、近距離側の捜索領域(分割領域)Aと遠距離側の捜索領域(分割領域)Bとに分割され、分割領域Aと分割領域Bの一部が重複している。
【0030】
図5は、図4に示すように捜索領域を重複させて分割した場合の捜索順序の一例を示す図である。図5に示す例では、捜索領域Wを方位方向にN個の領域(−X〜X)に分割している。そして、それぞれの方位において、捜索領域を近距離側の捜索領域Aと遠距離側の捜索領域Bに分割している。近距離側の分割領域Aの一部と遠距離側の分割領域B一部は互いに重なりあっている。
【0031】
図5に示す例においては、方位θ=−Xにおける捜索領域Aの捜索順序が1番に、捜索領域Bの捜索順序が2番に設定されている。以降同様に、各方位において、近距離側の捜索領域Aの捜索が行なわれた後に、遠距離側の捜索領域Bの捜索が行なわれる
全ての捜索領域を終了するには、捜索時間Tが要される。このとき、各方位において重複する領域については、周期Tの間に2回捜索が行なわれることになる。しかしながらこの2回の捜索のタイミングが近いため、検出結果にはほとんど差が生じない。このため、追尾レートの向上には寄与しない。
【0032】
そこで、本実施形態では、以下のように捜索領域及び捜索順序を設定して、追尾レートを向上させる。
【0033】
図6は、図4に示すように捜索領域を重複させて分割した場合の本実施形態に係る捜索順序の一例を示す図である。図6に示す例では、捜索領域Wを方位方向にN個の領域(−X〜X)に分割している。そして、それぞれの方位において、捜索領域を近距離側の捜索領域(分割領域)Aと遠距離側の捜索領域(分割領域)Bに分割している。近距離側の分割領域Aの一部と遠距離側の分割領域B一部は互いに重なりあっている。
【0034】
図6に示す例においては、方位θ=−Xにおける捜索領域Aの捜索順序が1番に設定されており、この捜索領域Aが1番最初に捜索される。そして、図6において右隣のθ=−X+1における捜索領域Aの捜索順序が2番に設定されており、この捜索領域Aが2番目に捜索される。以降同様に、近距離側の捜索領域Aが各方位において順次捜索される。
【0035】
そして、捜索領域Aの捜索が終了した後、方位θ=−Xにおける捜索領域Bが捜索される。続いて、図6において右隣のθ=−X+1における捜索領域Bが捜索される。以降同様に、遠距離側の捜索領域Bが各方位において順次捜索される。このような捜索順序は、レーダ制御部10によって設定される。
【0036】
全ての捜索領域を終了するまでには、図5の例と同様に捜索時間Tが要される。従って、近距離側(内側)の捜索領域A全ての捜索には捜索時間T/2が、遠距離側(外側)の捜索領域B全ての捜索にも捜索時間T/2が必要とされる。このため、各方位において重複する領域では、周期T/2で捜索が行なわれることになり、同方位であっても捜索のタイミングにT/2だけ時間差が生じる。これによって、同じ方位の捜索結果の間に差が生じ、重複領域の捜索結果が意味を持つようになり、重複領域における追尾レートを向上させることができるようになる。
【0037】
次に、捜索領域を分割し、捜索順序を制御することによる追尾レートの向上について説明する。
【0038】
図7は、図3に示すように設定された捜索順序に従って行なわれる目標捜索の結果の一例を示す図である。図7に示す例では、捜索領域W内には目標a、目標b、及び目標cが存在している。近距離側の捜索領域Aと遠距離側の捜索領域Bに重複が無い場合、分割された捜索領域の1つ1つについては、周期Tで捜索が行なわれる。このため、目標a、目標b、及び目標cのいずれも、捜索時間Tの間に1回ずつ検出される。また、追尾間隔Tで追尾処理が行われることになる。
【0039】
図8は、図6に示すように設定された捜索順序に従って行なわれる目標検出の結果の一例を示す図である。図8に示す例でも、捜索領域W内には目標a、目標b、及び目標cが存在している。この場合、全ての捜索領域A(捜索領域Wの内側)の捜索が終了した後に、全ての捜索領域B(捜索領域Wの外側)の捜索が行なわれ、1つの方位において、捜索領域Aの捜索と捜索領域Bの捜索の間に充分な時間間隔が生じている。従って、近距離側の捜索領域Aと遠距離側の捜索領域Bに重複がある場合、当該重複領域では、周期T/2で捜索が行なわれる。
【0040】
このため、重複領域内にある目標b及び目標cは、捜索時間Tの間に2回ずつ検出される。また、重複領域内においては、追尾間隔T/2で追尾処理が行われることになる。このため、重複領域にある目標については、追尾レートが向上し、追尾性能が高くなっていることがわかる。
【0041】
一方、重複する領域外に存在する目標aは、図7の場合と同様に、捜索時間Tの間に1回検出され、追尾間隔Tで追尾処理が行われることになる。しかしながら、図7の場合に比べて追尾レートが劣っているわけではない。
【0042】
このように、本実施形態に係るレーダ装置によれば、捜索領域を重複させて分割し、捜索順序を適切に設定することで、追尾レートを向上させることができる。このレーダ装置では、レーダ制御部10によって、レーザパラメータ(PRI)が変更され、捜索領域の分割方法及び捜索順序が調整される。これによって、追尾性能が向上する。
【0043】
すなわち、捜索領域を距離方向に分割し、同じ方位において分割された領域間の捜索時間間隔を充分に大きく設定することで、重複領域の目標に対しては早期の検出、検出機会の増加(追尾レートの向上)が可能となり、追尾性能の向上が可能となる。
【0044】
なお、レーダパラメータの1つであるPRIを調整することで、目標RCSが大きい場合であれば、探知距離が延伸し、重複領域を延伸することもできる。
【0045】
図9は、PRI、RCS及び探知距離の関係を示す図である。
【0046】
図9において左側に示すように、PRI=Y[μs]の時の最大探知距離をy[km]とする。このとき、図示のようにRCS=A[m]での最大の探知距離はa[km](a<y)、RCS=B[m]での最大の探知距離はb[km](b<y)と一意に定まる。すなわち、PRIを制御することで目標RCSにより、最大の探知距離を伸ばすことができる。探知距離が伸びることで、遠距離の目標をいち早く検出することが可能となる。
【0047】
従って、目標RCSに応じたPRIを設定することで、所望の探知距離を実現することができる。
【0048】
以上のように、本実施形態に係るレーダ装置によれば、システム規模を変更する事なく、追尾性能を向上させることが可能となる。
【0049】
なお、上述の実施形態では、探索領域Aと探索領域Bの一部を重複させた。重複する領域は、図8に示すように、より多くの目標が含まれるように設定されてもよい。目標が存在する可能性の高い領域が既知であれば、その領域が重複部分に含まれるように探索領域の分割が成される。
【0050】
なお、上述の実施形態では、図6に示すように近距離側の捜索領域Aの捜索を方位の順に順次行い、その後に遠距離側の捜索領域Bの捜索を方位の順に順次行なった。しかしながら、遠距離側の捜索領域Bの捜索を方位の順に順次行い、その後に近距離側の捜索領域Aの捜索を方位の順に順次行なってもよい。また、捜索の順序は方位の順に限定されない。同じ方位において、捜索範囲Aの捜索と捜索範囲Bの捜索との間に充分な時間差(例えば捜索時間Tの2分の1程度)が設けられれば、レーダ制御部10によってどのような捜索順序が設定されてもよい。
【0051】
捜索範囲Aの捜索と捜索範囲Bの捜索との間の充分な時間差は、目標の移動速度に応じて定められてもよい。捜索範囲Aと捜索範囲Bの捜索結果において、重複する部分に差分が生じれば良く、移動速度の速い目標については短い時間差でも良く、移動速度の遅い目標については長い時間差が設定されてもよい。
【0052】
また、図3に示す捜索順序(重複無し)、図5に示す捜索順序(重複あり)、及び図6に示す捜索順序(重複あり、1つの方位において捜索時間差があり)を切換えて用いてもよい。図3の操作順序や図5の操作順序は、方位毎に捜索を行なうため、処理結果を分かりやすく図示することができる。従って、通常は図3又は図5の捜索順序に従って捜索を行い、より高精度の追尾が求められる場合に図6に示す捜索順序が用いられてもよい。
【0053】
上述の実施形態では、1つの方位について、捜索領域を距離方向に2分割したが、捜索領域は2以上の分割領域に分割されてもよい。
【0054】
また、上述の実施形態ではアンテナ部20はアレイアンテナとして構成されるとした。しかしながら、回転レーダ等の他の方式のアンテナを用いるレーダ装置にも、本発明を適用することが可能である。
【0055】
本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、1つの実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの実施形態に示される構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0056】
10…レーダ装置、20…アンテナ部、21…送信部、22…電力分配合成器、23−1〜23−n…送受信モジュール、24−1〜24−n…アンテナ素子、25…受信部、30…走査制御部、40…目標検出部、50…追尾処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダ信号の送信及び受信を行なうレーダ送受信手段と、
前記レーダ送受信手段が受信した受信信号に基づいて、所定の捜索領域を捜索して目標を検出する検出手段と、
前記目標検出手段が検出した目標を追尾するための追尾処理を行う追尾手段と、
前記検出手段による前記捜索領域の捜索を制御する捜索制御手段であって、
前記捜索領域を方位方向に複数の領域に分割し、
前記複数の領域のそれぞれを更に距離方向に分割して、隣り合う分割領域の一部が重複するように複数の分割領域を生成し、
同一の方位について、分割領域間の捜索に時間差が生じるように、前記検出手段による前記複数の分割領域の捜索の順序を設定する捜索制御手段と、
を具備するレーダ装置。
【請求項2】
前記捜索制御手段は、同一の方位における分割領域間の捜索結果に、前記目標の移動速度に応じた時間差が生じるように、前記複数の分割領域の捜索の順序を設定する請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記捜索制御手段は、前記レーダ送受信手段の有効反射面積を制御することで、前記複数の領域のそれぞれを距離方向に分割する請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項4】
前記捜索制御手段は、前記レーダ送受信手段のパルス繰り返し周期を制御することで、前記複数の領域のそれぞれを距離方向に分割する請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項5】
レーダ信号の送信及び受信を行なうレーダ送受信手段を具備するレーダ装置においてレーダ信号を処理するレーダ信号処理方法であって、
前記レーダ送受信手段が受信した受信信号に基づいて、所定の捜索領域を捜索して目標を検出するステップと、
前記目標を追尾するための追尾処理を行うステップと、
前記捜索領域の捜索を制御するステップであって、
前記捜索領域を方位方向に複数の領域に分割し、
前記複数の領域のそれぞれを更に距離方向に分割して、隣り合う分割領域の一部が重複するように複数の分割領域を生成し、
同一の方位について、分割領域間の捜索に時間差が生じるように、前記複数の分割領域の捜索の順序を設定するステップと、
を備えるレーダ信号処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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