説明

レーダ装置

【課題】占有周波数帯域において周波数による空間伝搬損失の差が大きい場合であっても良好な検出を行うことができるレーダ装置を提供する。
【解決手段】振幅制御回路15によって、変調信号S11に基づいて、占有周波数帯域において周波数が高くなるほど被変調信号S13の振幅を増幅する。これにより、周波数が高くなるほど電力が大きくなる信号が送信信号S14として生成される。この送信信号S14を送信アンテナ4から電波として送信することで、結果的に、受信側では高周波信号成分と低周波信号成分とでレベル差の少ない(周波数スペクトルで見たときに平坦な信号波形の)受信信号S21が得られる。この受信信号S21に基づいて、受信系回路部2では正確な検出処理をしやすくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車載用レーダに利用され、送信波として周波数変調された信号を用いるレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば自動車に搭載されて先行車などの障害物との相対距離および相対速度を測定する車載用レーダが知られている。この種のレーダ装置としては、FM−CW(Frequency Modulated-Continuous Wave)方式のレーダがある。FM−CWレーダでは、周波数変調された連続波を送信し、検出対象物で反射された信号を受信して送信信号と合成することでビート信号を生成し、そのビート信号を解析することで検出対象物との相対距離および相対速度を検出する。またこの他にも、パルス変調された信号を送信するパルス方式や振幅変調された信号を送信する方式などもある。さらにこれらの方式を組み合わせた方式も提案されている。例えば特許文献1には、遠距離の検出対象物を検出する場合には周波数変調された送信信号を用い、近距離の検出対象物を検出する場合には周波数変調時の変調波よりも遥かに周波数の高い変調波で振幅変調された送信信号を用いることが提案されている。また特許文献2には、遠距離の検出対象物を検出する場合には無変調の送信信号を高パワーで送信し、近距離の検出対象物を検出する場合には周波数変調された送信信号を低パワーで送信することが提案されている。
【特許文献1】特開2003−255044号公報
【特許文献2】特表2002−502042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年では、占有周波数帯域幅が500MHz以上におよぶUWB(Ultra Wide Band))が着目されてきている。これは、UWBの場合には占有周波数帯域幅は広いが各周波数の信号成分レベルが非常に小さくなるので、他の無線システムとの干渉を低減できるからである。一方、電波の空間伝搬損失は周波数に依存し、周波数が高くなるほど信号の損失が大きくなる。このため、UWBのように使用帯域幅が広い無線システムの場合には、空間での伝搬により受信信号の高周波信号成分と低周波信号成分とにレベル差が生じ、正確な検出ができなくなるおそれがある。従来のFM−CWレーダの規格では、例えば、周波数変調の変移量が最大76MHzと狭く、かつ中心周波数が10GHzまたは24GHzと高い周波数に設定されていたので、占有周波数帯域幅の最大周波数と最小周波数との比が小さく、周波数による空間伝搬損失の差は問題にならなかった。しかしながら、UWBをFM−CWレーダに適用しようとすると、占有周波数帯域幅の最大周波数と最小周波数との比が大きくなり、周波数による空間伝搬損失の差も大きくなってしまう。具体的には、最大周波数と最小周波数とで空間伝搬損失の差が数dBにも達する。このため、受信側での信号処理の際に波形の歪みが生じ、正確な検出ができなくなるおそれがある。上記特許文献1,2も含めて従来のレーダ装置は、空間伝搬損失を考慮した回路構成にはなっていないので、UWBのような広い帯域幅で使用するには問題がある。
【0004】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、占有周波数帯域において周波数による空間伝搬損失の差が大きい場合であっても良好な検出を行うことができるレーダ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるレーダ装置は、周波数変調された信号を送信すると共に、検出対象物で反射された信号を受信することによって検出対象物を検出するレーダ装置であって、周波数変調を行うための変調信号を発生する変調信号発生回路と、変調信号に基づいて周波数変調された被変調信号を出力する発振器と、被変調信号を送信信号として空間中に伝搬させたときに生ずる、周波数による空間伝搬損失の差を補正する処理を行う補正回路とを備えたものである。
【0006】
本発明によるレーダ装置では、補正回路によって、被変調信号を送信信号として空間中に伝搬させたときに生ずる、周波数による空間伝搬損失の差が補正される。これにより、周波数による空間伝搬損失の差が大きい場合であっても良好な検出が行われる。
【0007】
ここで、本発明によるレーダ装置において、補正回路は、送信側において、変調信号に基づいて被変調信号の振幅を周波数に応じて変化させる振幅制御回路を有していても良い。
この構成の場合には、変調信号に基づいて、例えば占有周波数帯域において周波数が高くなるほど被変調信号の振幅が増幅され、周波数が高くなるほど電力が大きくなる信号が送信信号として出力される。空間伝搬損失は周波数が高くなるほど大きいので、結果的に、受信側では高周波信号成分と低周波信号成分とでレベル差の少ない(周波数スペクトルで見たときに平坦な信号波形の)受信信号が得られる。この受信信号に基づいて、正確な検出処理をしやすくなる。
【0008】
また、本発明によるレーダ装置において、補正回路は、周波数による空間伝搬損失の差に応じたフィルタ特性を有し、送信側または受信側において被変調信号をフィルタリングするフィルタ回路を有していても良い。この場合、フィルタ回路は例えば、カットオフ周波数が被変調信号の占有周波数帯域幅の最大周波数よりも高く、低周波数側ほど信号の減衰度が大きいハイパスフィルタで構成することができる。
【0009】
この場合、送信側にフィルタ回路を設けることで、占有周波数帯域において相対的に周波数が高くなるほど被変調信号の振幅が大きく電力が大きくなる信号が、送信信号として出力される。空間伝搬損失は周波数が高くなるほど大きいので、結果的に、受信側では高周波信号成分と低周波信号成分とでレベル差の少ない(周波数スペクトルで見たときに平坦な信号波形の)受信信号が得られる。この受信信号に基づいて、正確な検出処理をしやすくなる。
また、受信側にフィルタ回路を設けることで、空間伝搬損失により、高周波信号成分と低周波信号成分とでレベル差のある状態で信号が受信されても、それがフィルタ回路により補正され、レベル差の少ない(周波数スペクトルで見たときに平坦な信号波形の)受信信号が得られる。この受信信号に基づいて、正確な検出処理をしやすくなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のレーダ装置によれば、被変調信号を送信信号として空間中に伝搬させたときに生ずる、周波数による空間伝搬損失の差を補正するようにしたので、占有周波数帯域において周波数による空間伝搬損失の差が大きい場合であっても、その空間伝搬損失の差が補正され、良好な検出を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
【0012】
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係るレーダ装置の一構成例を示している。このレーダ装置は、例えば車載用レーダとして使用することができる。このレーダ装置は、送信処理を行う送信系回路部1と、受信処理を行う受信系回路部2とを備えている。
【0013】
送信系回路部1は、送信信号S14を電波として放射する送信アンテナ4と、周波数変調連続波(FMCW)からなる被変調信号を生成する周波数変調信号生成部10と、周波数変調信号生成部10から出力された被変調信号を2つの信号S10,S12に分配する分配器13とを有している。送信系回路部1はまた、分配された一方の被変調信号S12を増幅する送信アンプ14と、増幅された被変調信号S13の振幅を制御して送信信号S14として出力する振幅制御回路15とを有している。周波数変調信号生成部10は、周波数変調を行うための変調信号S11を発生する変調信号発生器11と、変調信号S11に基づいて周波数変調されたFMCWからなる被変調信号を出力するVCO(電圧制御発振器:Voltage Controlled Oscilator)12とで構成されている。振幅制御回路15は、被変調信号S13を送信信号S14として空間中に伝搬させたときに生ずる、周波数による空間伝搬損失の差を補正する処理を行うためのものであり、変調信号発生器11からの変調信号S11に基づいて被変調信号S13の振幅を制御するようになっている。
本実施の形態において、振幅制御回路15が、本発明における「補正回路」の一具体例に対応する。
【0014】
受信系回路部2は、送信アンテナ4から電波として送信された送信信号S14のうち、図示しない検出対象物で反射された反射波を受信して受信信号S21として出力する受信アンテナ5と、受信アンテナ5で受信された受信信号S21を増幅する受信アンプ21とを有している。受信系回路部2はまた、増幅された受信信号S22と送信系回路部1の分配器13で分配された他方の被変調信号S10とを合成してビート信号S23を生成するミキサ22と、ビート信号S23を解析して、このレーダ装置に対する検出対象物の相対距離および相対速度を検出する信号処理部23とを有している。信号処理部23は、図示しないが、ビート信号S23を解析処理する演算を行うためのCPU(Central Processing Unit)を有している。
【0015】
次に、このレーダ装置の動作を説明する。
送信系回路部1において、変調信号発生器11では、例えば図2(A)に示したように電圧の振幅が時間的に三角波状に変化する信号を変調信号S11として発生してVCO12に印加する。VCO12では、変調信号S11に基づいて、例えば図2(B)に示したように周波数が時間的に変化するFMCWからなる被変調信号を生成し、分配器13に入力する。分配器13によって分配された一方の被変調信号S12は送信アンプ14で増幅され、振幅制御回路15に入力される。分配された他方の被変調信号S10は、受信系回路部2のミキサ22に入力される。
【0016】
振幅制御回路15では、変調信号発生器11からの変調信号S11に基づいて被変調信号S13の振幅を周波数に応じて変化させる。これにより、図2(C)に示したように、波形全体の形状が、例えば変調信号S11に相似な形状となるような送信信号S14を生成する。送信アンテナ4では、その送信信号S14を検出対象物に向けて電波として放射する。
【0017】
ここで、振幅制御回路15による振幅制御を具体例を挙げて説明する。
振幅制御回路15は、FMCWを送信信号として空間中に伝搬させたときに生ずる、周波数による空間伝搬損失の差を補正するための処理を行う。この補正処理は、占有周波数帯域幅の広いFMCWを用いる場合に効果が大きい。具体的には例えば、広帯域で変調を掛けて占有周波数帯域幅が500MHz以上、または、
(fH−fL)/(fH+fL)≦0.2
の条件を満足するような幅の広いFMCWを用いる場合に効果が大きい。ここで、fHはFMCWの占有周波数帯域幅の最大周波数、fLはFMCWの占有周波数帯域幅の最低周波数である。
【0018】
電波を送信アンテナ4から放射した場合、その電波の伝搬損失Passlossは、
assloss=20log10(4πD/λ)[dB] ……(1)
で表される。ここで、Dは通信距離、λは波長である。
【0019】
具体例として、図3にFMCWである被変調信号S12(S10)の変調スペクトラムを示す。中心周波数8.5GHzで周波数変移が1GHz、変調信号S11の最大周波数が1MHzとすると、占有周波数帯域幅OBWは、周波数変移量(デビエーション)をfdev、最大変調周波数をfmodとして、
OBW=2(fdev+fmod
で表されるので、OBW=約2GHzとなり、スペクトラム最大値は、9.5GHzで、最小値は7.5GHzとなる。
【0020】
9.5GHzの波長は3.15cm(=λ1)で、7.5GHzの波長は4cm(=λ2)である。上記(1)式から、この比が占有周波数帯域幅における最大周波数と最小周波数との空間伝搬損失の差となる。具体的に計算すると、空間伝搬損失の差は、
空間伝搬損失の差=|−20log10(4πD/λ1)
−(−20log10(4πD/λ2)|
=|−20log10((4πD/λ1)・(λ2/4πD))|
=|−20log10(λ2/λ1)|
=|−20log10(0.04/0.0315)|
=約2dB
となり、最大周波数と最小周波数とで約1.5倍の差となる。これはFMCWを電波として伝搬させたときに、受信側では9.5GHzの成分は7.5GHzの成分に比較して70%以下の電力しか届かないことを意味する。
【0021】
すなわち、周波数スペクトルで見たときに、図3に示したような占有周波数帯域幅において平坦な信号波形のFMCWをそのままの状態で、電波として送信すると、空間伝搬損失により、受信側では、図4に示したように、周波数が高くなるほどスペクトル強度が小さくなる信号波形となってしまう。この信号波形の歪みを補正するためには、相対的に周波数が高い場合ほど出力電力を上げ、周波数が低い場合ほど電力を下げる処理を行えば良い。
【0022】
本実施の形態では、振幅制御回路15によって、変調信号S11に基づいて、占有周波数帯域において周波数が高くなるほど被変調信号S13の振幅を増幅する。これにより、周波数が高くなるほど電力が大きくなる信号が送信信号S14として生成される。具体的には、波形全体の形状が図2(C)で示したように変調信号S11に相似な形状を有し、周波数スペクトルで見たときに、図5に示したように周波数が高くなるほどスペクトル強度が大きくなる信号波形の信号が生成される。空間伝搬損失は周波数が高くなるほど大きいので、図5に示したスペクトル波形の送信信号S14を送信アンテナ4から電波として送信することで、結果的に、受信側では高周波信号成分と低周波信号成分とでレベル差の少ない(周波数スペクトルで見たときに平坦な信号波形の)受信信号S21が得られる。この受信信号S21に基づいて、受信系回路部2では正確な検出処理をしやすくなる。具体的には、受信信号S21を受信アンプ21で増幅した後、その増幅された受信信号S22と送信系回路部1の分配器13で分配された他方の被変調信号S10とをミキサ22で合成してビート信号S23を生成する。信号処理部23では、このビート信号S23を解析して、このレーダ装置に対する検出対象物の相対距離および相対速度を検出する。
【0023】
以上説明したように、本実施の形態によれば、送信側において、変調信号S11に基づいてFMCWの振幅を周波数に応じて変化させるようにしたので、FMCWを送信信号として空間中に伝搬させたときに生ずる、周波数による空間伝搬損失の差が補正され、占有周波数帯域において周波数による空間伝搬損失の差が大きい場合であっても、良好な検出を行うことができる。
[第2の実施の形態]
【0024】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、上記第1の実施の形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0025】
図6は、本実施の形態に係るレーダ装置の一構成例を示している。このレーダ装置は、図1の構成における振幅制御回路15に代えて、HPF(ハイパスフィルタ)16を備えたものである。本実施の形態において、HPF16が、本発明における「補正回路」の一具体例に対応する。
【0026】
HPF16は、周波数による空間伝搬損失の差に応じたフィルタ特性を有し、送信側において増幅後の被変調信号S13に対して所定のフィルタリング処理を行うものである。HPF16は、例えば図7に示したように、1次のフィルタ特性を有し、カットオフ周波数fcが被変調信号S13の占有周波数帯域幅の最大周波数fHよりも高く、低周波数側ほど信号の減衰度が大きいフィルタとなっている。HPF16の減衰傾度Aは、図2(A)に示した変調信号S11の波形の傾きに対応する。減衰傾度Aは、例えば上述の具体例のように空間伝搬損失が、−20log10(λ2/λ1)となる場合には、その損失の傾きは−6dB/octであるので、それを補正するために、6dB/octに設定される。
【0027】
本実施の形態では、送信側にHPF16を設けたことで、占有周波数帯域において相対的に周波数が高くなるほど被変調信号S13の振幅が大きく電力が大きくなる信号が、送信信号S14として出力される。具体的には、周波数スペクトルで見たときに、図5に示したように周波数が高くなるほどスペクトル強度が大きくなる信号波形の信号が生成される。空間伝搬損失は周波数が高くなるほど大きいので、図5に示したスペクトル波形の送信信号S14を送信アンテナ4から電波として送信することで、結果的に、受信側では高周波信号成分と低周波信号成分とでレベル差の少ない(周波数スペクトルで見たときに平坦な信号波形の)受信信号S21が得られる。この受信信号S21に基づいて、受信系回路部2では正確な検出処理をしやすくなる。
[第3の実施の形態]
【0028】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。なお、上記第1および第2の実施の形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0029】
図8は、本実施の形態に係るレーダ装置の一構成例を示している。上記第2の実施の形態では送信側にHPF16を設けたが、本実施の形態ではこれに代えて受信側にHPF24を備えたものである。HPF24は、受信系回路部2において受信アンテナ5と受信アンプ21との間に設けられている。本実施の形態において、HPF24が、本発明における「補正回路」の一具体例に対応する。
【0030】
HPF24は、周波数による空間伝搬損失の差に応じたフィルタ特性を有し、受信側において受信信号S21に対して所定のフィルタリング処理を行うものである。HPF24は、上記第2の実施の形態におけるHPF16と同様、例えば図7に示したように、1次のフィルタ特性を有し、カットオフ周波数fcが被変調信号S13の占有周波数帯域幅の最大周波数fHよりも高く、低周波数側ほど信号の減衰度が大きいフィルタとなっている。
【0031】
本実施の形態では、受信側にHPF24を設けたことで、空間伝搬損失により、高周波信号成分と低周波信号成分とでレベル差のある状態で信号が受信されても、具体的には、図4に示したように周波数が高くなるほどスペクトル強度が小さくなる信号が受信信号S21として受信されたとしても、それがHPF24により補正され、レベル差の少ない(周波数スペクトルで見たときに平坦な信号波形の)受信信号S24が得られる。この受信信号S24に基づいて、正確な検出処理をしやすくなる。
【0032】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば上記各実施の形態では、被変調信号に対して、変調波形と相似な三角波状の振幅変調またはフィルタ処理を行うようにしたが、図9に示したように、階段状の波形となるような補正を行っても良い。また図9では、振幅レベルを2段階に補正しているが、3段階以上に補正しても良い。この場合にも、相対的に周波数が高くなるほど被変調信号の振幅が大きくなるような補正が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るレーダ装置の一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るレーダ装置における送信系での信号の波形を示す図であり、(A)は変調信号の波形図、(B)は周波数変調信号の波形図、(C)は振幅補正後の周波数変調信号の波形図である。
【図3】周波数変調信号のスペクトラムの一例を示す説明図である。
【図4】空間伝搬損失によるスペクトラムの変化を示す説明図である。
【図5】空間伝搬損失を考慮した補正を行った後の周波数変調信号のスペクトラムを示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るレーダ装置の一構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るレーダ装置において用いるフィルタの周波数特性の一例を示す特性図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るレーダ装置の一構成例を示すブロック図である。
【図9】他の実施の形態を示す波形図である。
【符号の説明】
【0034】
1…送信系回路部、2…受信系回路部、4…送信アンテナ、5…受信アンテナ、10…FM変調信号生成部、11…変調信号発生器、12…VCO(電圧制御発振器:Voltage Controlled Oscilator)、13…分配器、14…送信アンプ、15…振幅制御回路、21…受信アンプ、22…ミキサ、23…信号処理部、S10…送信基準信号、S11…変調信号、S12,S13…被変調信号(周波数変調信号、FMCW)、S14…送信信号、S21,S22…受信信号、S23…ビート信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数変調された信号を送信すると共に、検出対象物で反射された信号を受信することによって前記検出対象物を検出するレーダ装置であって、
周波数変調を行うための変調信号を発生する変調信号発生回路と、
前記変調信号に基づいて周波数変調された被変調信号を出力する発振器と、
前記被変調信号を送信信号として空間中に伝搬させたときに生ずる、周波数による空間伝搬損失の差を補正する処理を行う補正回路と
を備えたことを特徴とするレーダ装置。
【請求項2】
前記補正回路は、
送信側において、前記変調信号に基づいて前記被変調信号の振幅を周波数に応じて変化させる振幅制御回路を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記補正回路は、
周波数による前記空間伝搬損失の差に応じたフィルタ特性を有し、送信側または受信側において前記被変調信号をフィルタリングするフィルタ回路を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項4】
前記フィルタ回路は、カットオフ周波数が前記被変調信号の占有周波数帯域幅の最大周波数よりも高く、低周波数側ほど信号の減衰度が大きいハイパスフィルタである
ことを特徴とする請求項3に記載のレーダ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−32470(P2008−32470A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−204650(P2006−204650)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】