説明

レーダ装置

【課題】加速度目標を除去せず、JEMを除去し、目標検出性能の向上したレーダ装置を得る。
【解決手段】送信信号を放射する送信手段2と、目標で反射した受信信号を受信する受信手段4と、受信信号から距離−速度マップを作成する距離−速度マップ作成手段206と、距離−速度マップに対し、目標候補、目標候補との相対距離および相対速度を算出する目標候補検出手段207と、所定時間経過前の過去時刻における距離−速度推定値の範囲を算出する距離−速度推定値算出手段208と、過去時刻に検出された目標候補が、過去時刻における距離−速度推定値の範囲内に存在する場合に、目標候補を目標と判定する目標判定手段209と、目標と判定されなかった目標候補からJEMを判定し、JEMと判定した目標候補および目標と判定された目標候補を除いた第2の目標候補を算出する第2の目標判定手段210とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標との相対距離および相対速度を算出し、目標検出を行うレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
まず始めに、偽速度目標を除去する従来の目標検出装置について説明する(例えば、特許文献1参照)。図27は、従来の目標検出装置の構成図である。特許文献1で示された目標検出装置の信号処理器5は、距離−速度マップ作成手段206、目標候補検出手段207、距離−速度推定値算出手段A8、目標判定手段A9で構成されている。従来の目標検出装置は、距離−速度マップ作成手段206と目標候補検出手段207を用いて、目標候補とその相対距離、相対速度を算出する。
【0003】
次に、偽速度目標を除去して目標を検出する方法について、具体的に説明する。図28は、従来の目標検出装置において、偽速度目標を除去して目標を検出する方法を示した説明図である。ある時刻に距離R1に、目標候補として、速度v11を持つ真の目標114aと、速度v12を持つ偽速度目標115aとが検出された場合を示している。
【0004】
距離−速度推定値算出手段A8は、ある時間経過後の真の目標114aの予測位置に相当する距離R2を算出する。目標判定手段A9は、ある時間経過後の真の目標114aの予測位置に相当する距離R2に真の目標114bが検出された場合、目標と判定する。一方、偽速度目標115aが、ある時間経過後の真の目標114aの予測位置に相当する距離R2に検出されない場合、偽速度目標として除去する。このようにして、偽速度目標を除去することにより、目標検出性能の改善が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−232280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。この従来の目標検出装置では、ある時間経過後の予測位置に検出されない場合、偽速度目標として除去する。このため、ある時間経過後の予測位置に検出されないような加速度目標も除去され、目標検出性能が劣化する可能性がある。図29は、従来の目標検出装置において、加速度目標を偽速度目標として除去してしまう場合を示した説明図であり、加速度目標116aが除去されてしまう場合を示している。
【0007】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、加速度目標を除去せず、JEM(Jet Engine Modulation)を除去し、目標検出性能の向上したレーダ装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るレーダ装置は、目標との相対距離および相対速度を算出し、目標検出を行うレーダ装置であって、キャリア信号が所定の時間間隔でパルス変調された送信信号を放射する送信手段と、目標で反射して戻った送信信号を受信信号として受信する受信手段と、受信手段で受信された受信信号から目標の相対距離および相対速度を算出するための距離−速度マップを作成する距離−速度マップ作成手段と、第1時刻に受信された受信信号に基づいて距離−速度マップ作成手段で作成された距離−速度マップに対し、CFAR処理を施し第1時刻における目標候補を検出するとともに、目標候補との相対距離、相対速度を算出する目標候補検出手段と、目標候補検出手段で検出された目標候補の、第1時刻から所定時間経過前の第2時刻における距離−速度推定値の範囲を算出する距離−速度推定値算出手段と、第2時刻における距離−速度マップに基づいて目標候補検出手段によって検出された目標候補が、距離−速度推定値算出手段で算出された目標候補の第2時刻における距離−速度推定値の範囲内に存在する場合には、第1時刻において検出された目標候補を目標と判定する目標判定手段と、第2時刻における距離−速度マップに基づいて目標候補検出手段によって検出された目標候補が、距離−速度推定値算出手段で算出された目標候補の第2時刻における距離−速度推定値の範囲内に存在せず、かつ、距離−速度推定値算出手段で算出されたJEMの第2時刻における距離−速度推定値の範囲内に存在する場合には、第1時刻において検出された目標候補をJEMと判定し、JEMと判定した目標候補および目標判定手段で目標と判定された目標候補を除いた残りの目標候補を第2の目標候補とする第2の目標判定手段とを備えるものである。
【0009】
また、本発明に係るレーダ装置は、目標との相対距離および相対速度を算出し、目標検出を行うレーダ装置であって、キャリア信号が所定の時間間隔でパルス変調された送信信号を放射する送信手段と、目標で反射して戻った送信信号を受信信号として受信する受信手段と、受信手段で受信された受信信号から目標の相対距離および相対速度を算出するための距離−速度マップを作成する距離−速度マップ作成手段と、第1時刻に受信された受信信号に基づいて距離−速度マップ作成手段で作成された距離−速度マップに対し、CFAR処理を施し第1時刻における目標候補を検出するとともに、目標候補との相対距離、相対速度を算出する目標候補検出手段と、目標候補検出手段で検出された目標候補の、第1時刻から所定時間経過後の第3時刻における距離−速度推定値の範囲を算出する距離−速度推定値算出手段と、第3時刻における距離−速度マップに基づいて目標候補検出手段によって検出された目標候補が、距離−速度推定値算出手段で算出された目標候補の第3時刻における距離−速度推定値の範囲内に存在する場合には、第3時刻において検出された目標候補を目標と判定する目標判定手段と、第3時刻における距離−速度マップに基づいて目標候補検出手段によって検出された目標候補が、距離−速度推定値算出手段で算出された目標候補の第3時刻における距離−速度推定値の範囲内に存在せず、かつ、距離−速度推定値算出手段で算出されたJEMの第3時刻における距離−速度推定値の範囲内に存在する場合には、第3時刻において検出された目標候補をJEMと判定し、JEMと判定した目標候補および目標判定手段で目標と判定された目標候補を除いた残りの目標候補を第2の目標候補とする第2の目標判定手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るレーダ装置によれば、目標判定手段により目標と判定されなかった目標候補に対して、JEMとそれ以外の目標に識別する第2の目標判定手段を備えることにより、加速度目標を除去せず、JEM(Jet Engine Modulation)を除去し、目標検出性能の向上したレーダ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1におけるレーダ装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1における距離−速度マップ作成手段の処理内容を示した説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1の距離−速度マップ作成手段により作成される距離−速度マップの例示図である。
【図4】本発明の実施の形態1の目標候補検出手段による目標検出処理の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1の目標候補検出手段において、CFAR処理の結果、CFAR閾値を越えるセルが集合した場合の処理内容の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1の目標候補検出手段によって、目標候補が時刻t、距離R(t)に2つ検出された場合の、時刻t−Δtにおける距離−速度推定値を示した説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1の目標判定手段による目標判定処理の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1における加速度目標の目標検出を説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態1における第2の目標判定方法の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1の第2の目標判定手段によるJEMの判定方法に関する説明図である。
【図11】本発明の実施の形態1における第2の目標判定方法の説明図である。
【図12】本発明の実施の形態2におけるレーダ装置の構成図である。
【図13】本発明の実施の形態2における速度折り返し数を考慮した目標候補の相対速度算出方法についての説明図である。
【図14】本発明の実施の形態2における速度折り返し数を考慮しない場合と、考慮した場合の目標候補の相対速度算出方法についての比較説明図である。
【図15】本発明の実施の形態3におけるレーダ装置の構成図である。
【図16】本発明の実施の形態3の目標候補検出手段によって、目標候補が時刻tに距離R(t)に2つ検出された場合の、時刻t+Δtにおける距離−速度推定値を示した説明図である。
【図17】本発明の実施の形態3の目標判定手段による目標判定処理の説明図である。
【図18】本発明の実施の形態4におけるレーダ装置の構成図である。
【図19】本発明の実施の形態4における測速度フェーズと測距フェーズの送信信号と受信信号の周波数を示した説明図である。
【図20】本発明の実施の形態4における目標候補検出の処理フローを示した説明図である。
【図21】本発明の実施の形態4における各フェーズにおいて1目標を検出した場合を示す説明図である。
【図22】本発明の実施の形態4の目標候補検出手段207Bによる周波数領域での目標検出処理の説明図である。
【図23】本発明の実施の形態4における時刻t、時刻t−Δtに各フェーズにおいて2目標、かつJEMが存在した場合の状況を示す説明図である。
【図24】本発明の実施の形態4における、時刻tに各フェーズにおいて2目標、かつJEMを検出した場合を示す説明図である。
【図25】本発明の実施の形態4における、時刻tに各フェーズにおいて2目標、かつJEMを検出した場合の組合せから算出される測距結果を示す図である。
【図26】本発明の実施の形態4において、測速度フェーズのfv、T1と測距1フェーズとの各測距結果と、測速度フェーズのfv、T1と測距2フェーズとの各測距結果の差から目標候補の相対距離を算出するための説明図である。
【図27】従来の目標検出装置の構成図である。
【図28】従来の目標検出装置において、偽速度目標を除去して目標を検出する方法を示した説明図である。
【図29】従来の目標検出装置において、加速度目標を偽速度目標として除去してしまう場合を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のレーダ装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1におけるレーダ装置の構成図である。図1におけるレーダ装置は、空中線1、送信機2、送受切替器3、受信機4、信号処理器205A、および表示器20を備えている。
【0014】
また、信号処理器205Aは、距離−速度マップ作成手段206、目標候補検出手段207、距離−速度推定値算出手段208、目標判定手段209、および第2の目標判定手段210を備えている。以下、受信ビデオ信号を生成するまでの動作について示す。
【0015】
送信機2は、キャリア信号をパルス繰り返し周期(Pulse Repetition Interval:以下、PRIと記述する)でパルス変調して送信RF信号を生成し、送受切替器3に出力する。送受切替器3は、送信機2から入力された送信RF信号を空中線1に出力する。この結果、空中線1から送信RF信号が空中に放射される。
【0016】
空中に放射された送信RF信号は、目標で反射され、反射RF信号として空中線1に入射する。そこで、空中線1は、入射してきた反射RF信号を受信し、受信RF信号として送受切替器3に出力する。送受切替器3は、空中線1から入力された受信RF信号を受信機4に出力する。そして、受信機4は、送受切替器3から入力された受信RF信号を増幅、位相検波の後、受信ビデオ信号に変換し、信号処理器205Aに出力する。
【0017】
信号処理器205Aは、CPU、RAM、ROM、インターフェース回路を有するコンピュータから構成され、ROMに記憶されるプログラムに従って、CPUで演算処理が行われる。信号処理器205Aの処理結果は、コンピュータに記録される。
【0018】
以降、各手段の処理内容について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における距離−速度マップ作成手段206の処理内容を示した説明図である。距離−速度マップ作成手段206は、距離−速度マップを作成するために、距離方向にチャープパルス圧縮を行う。距離−速度マップ作成手段206に入力される受信ビデオ信号V(s、n、m)は、次式(1)で表される。
【0019】
【数1】

【0020】
ここで、上式(1)における各符号は、以下のものを意味する。
tgt:受信ビデオ信号の振幅
:送信RF信号の送信中心周波数
:送信RF信号の送信パルス幅
(s):距離‐速度マップ作成時の目標との初期相対距離
tgt:目標との相対速度
pri:パルス繰り返し周期
s:距離‐速度マップ番号
S:距離‐速度マップ作成数
n:パルス番号
N:パルス数
m:1PRI内のサンプリング番号
M:1PRIのサンプリング点数
【0021】
さらに、chirpは、送信RF信号がアップチャープ変調のとき1が代入され、ダウンチャープ変調のとき−1が代入される。
【0022】
また、距離‐速度マップ作成時の目標との初期相対距離R(s)は、次式(2)により表される。
【0023】
【数2】

【0024】
距離−速度マップ作成手段206は、受信ビデオ信号V (s、n、m )と参照信号の相関演算を行い、チャープパルス圧縮を行う。
【0025】
距離−速度マップ作成手段206で用いる参照信号Ex(mτ)は、送信RF信号の変調成分と複素共役の関係にあり、下式(3)で表される。また、参照信号のサンプリング点数Mτは、下式(4)により表される。
ここで、下式(3)(4)における各符号は、以下のものを意味する。
A':参照信号の振幅
τ:参照信号のサンプリング番号
Samp_f:受信ビデオ信号に対するサンプリング周波数
【0026】
【数3】

【0027】
距離−速度マップ作成手段206は、受信ビデオ信号V(s、n、m )と参照信号Ex(mτ)を、下式(5)、(6)により、それぞれ高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)した後、下式(7)に従い、乗算する。ここで、lは、レンジビン番号、L'は、レンジ方向FFT点数を表す。ただし、L'>Mの時には、V(s、n、m )に0を代入し、L'>Mτの時には、Ex(mτ)に0を代入する。
【0028】
【数4】

【0029】
また、チャープパルス圧縮後の信号をチャープパルス圧縮前のサンプリング間隔よりも高精度にサンプリングする場合には、距離−速度マップ作成手段206は、下式(8)により0を設定する。ここで、Lは、レンジ方向高速フーリエ逆変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)点数であり、下式(9)により表される。ただし、qは、0以上の整数である。また、q=0の場合は、チャープパルス圧縮前サンプリング間隔と同じサンプリング間隔になる。
【0030】
【数5】

【0031】
距離−速度マップ作成手段206は、乗算結果を、次式(10)により高速フーリエ逆変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)を行い、相関演算の結果、すなわち、チャープパルス圧縮後の信号RV・Ex(s、n、l)を出力する。
【0032】
【数6】

【0033】
さらに、距離−速度マップ作成手段206は、チャープパルス圧縮後の信号RV・Ex(s、n、l)に対して、次式(11)によりパルス方向に高速フーリエ変換処理を行い、レンジビン毎の信号成分、すなわち、周波数スペクトルを算出し、距離−速度マップFR (s、k、l)を作成する。ここで、kは周波数ビン番号、Hはパルス方向FFT点数を表す。ただし、H>Nの時にはRV・Ex(s、n、l)に0埋めを行う。また、周波数ビン番号に対応する相対速度vel(k)は、下式(12)により表される。
【0034】
【数7】

【0035】
このように、距離−速度マップ作成手段206は、レンジ方向にチャープパルス圧縮、パルス方向に高速フーリエ変換を行うことにより、距離−速度マップを作成する。図3は、本発明の実施の形態1の距離−速度マップ作成手段206により作成される距離−速度マップの例示図である。作成した距離−速度マップは、目標候補検出手段207に出力される。
【0036】
次に、目標候補検出手段207において行われる、CFAR(Constant False Alarm Rate)処理による目標検出の処理内容について説明する。図4は、本発明の実施の形態1の目標候補検出手段207による目標検出処理の説明図である。より具体的には、この図4は、CFAR処理に関わる注目セル、ガードセル、サンプルセルを説明するための図である。
【0037】
目標候補検出手段207は、距離−速度マップ作成手段206から得られる距離−速度マップに対し、次式(13)によりCFAR処理を行い、目標候補を検出する。ここで、FRCFAR(s、k、l)は、CFAR処理による目標候補検出結果を表し、目標候補は、0が設定される。
【0038】
また、CFAR閾値CFAR_th(s、k、l)は、下式(14)により算出する。ここで、CFAR_corは、CFAR係数、Samp_cell (s、k、l)は、サンプルセル、ave (Z(p))は、配列Z(p)の平均値を表す。ただし、CFAR閾値CFAR_th(s、k、l)を越えるセルが集合した場合には、集合のなかで振幅の最大値を示すセルを目標候補として検出する。図5は、本発明の実施の形態1の目標候補検出手段207において、CFAR処理の結果、CFAR閾値を越えるセルが集合した場合の処理内容の説明図である。
【0039】
【数8】

【0040】
次に、距離−速度推定値算出手段208は、目標候補検出手段207から得られる目標候補から、過去の目標候補の距離と速度の推定値を算出する。図6は、本発明の実施の形態1の目標候補検出手段207によって、目標候補が時刻t、距離R(t)に2つ検出された場合の、時刻t−Δtにおける距離−速度推定値を示した説明図である。より具体的には、目標が目標候補1、JEMが目標候補2として検出された場合の、時刻t−Δtの距離−速度推定値を示している。ここで、時刻tの目標候補1の速度をv、目標候補2の速度をvとする。
【0041】
距離−速度推定値算出手段208は、下式(15)、(16)により時刻t−Δtの目標候補の距離−速度推定値を算出する。
【0042】
【数9】

【0043】
ここで、図6および上式(15)、(16)における各符号は、以下のものを意味している。
1、1とR1、2:時刻t−Δtの目標候補1の距離推定値の範囲
2、1とR2、2:時刻t−Δtの目標候補2の距離推定値の範囲
:時間t−Δtの距離推定幅
1、1とv1、2:時刻t−Δtの目標候補1の速度推定値の範囲
2、1とv2、2:時刻t−Δtの目標候補2の速度推定値の範囲
:時間t−Δtの速度推定幅
【0044】
過去の距離−速度推定値に推定幅を持たせ、距離と速度の推定誤差を考慮することにより、目標検出性能の向上が可能になる。
【0045】
次に、時刻t−Δtにおける処理内容について説明する。図7は、本発明の実施の形態1の目標判定手段209による目標判定処理の説明図である。より具体的には、この図7は、時刻t−Δtの距離−速度マップを示しており、時刻t−Δtの距離−速度マップを用いて、目標候補検出手段207が距離R(t−Δt)に目標候補1と目標候補2を検出した場合を示している。
【0046】
目標判定手段209は、距離−速度推定値算出手段208から得られる時刻t−Δtの目標候補の距離−速度推定値の範囲内に、時刻t−Δtにおける距離−速度マップを用いて目標候補検出手段207が目標候補を検出していた場合には、目標として判定する。
【0047】
特許文献1で示された従来の目標検出装置では、距離−速度推定値の範囲内を目標として判定し、範囲外は、JEM、つまり偽速度目標として除去を行っている。しかしながら、従来の目標検出装置では、加速度目標の場合にも、この加速度目標を偽速度目標として除去するため、目標検出性能が劣化する問題がある。そこで、目標判定手段209は、目標検出性能向上のため、目標判定のみ行い、JEMと加速度目標の判定は第2の目標判定手段210で行う。
【0048】
図8は、本発明の実施の形態1における加速度目標の目標検出を説明するための図である。また、図9は、本発明の実施の形態1における第2の目標判定方法の流れ図である。本実施の形態1では、JEMと加速度目標の判定は、第2の目標判定手段210で行う。
【0049】
第2の目標判定手段210は、目標判定手段209によって目標候補から目標と判定されなかった目標候補に対して、第2の目標判定を行う。より具体的には、図9に示すように、第2の目標判定手段210は、JEM、加速度目標、および第2の目標候補の3種の判定を行う。ここで、第2の目標候補は、目標候補の中で、目標、JEM、および加速度目標のいずれにも判定されなかった目標候補を表す。
【0050】
図10は、本発明の実施の形態1の第2の目標判定手段210によるJEMの判定方法に関する説明図である。第2の目標判定手段210は、JEMの距離−速度推定値の範囲を、それぞれ、距離−速度推定値算出手段208から得られる目標と判定した目標候補1の距離推定値の範囲、および目標候補2の速度推定値の範囲として設定する。第2の目標判定手段210は、時刻t−ΔtのJEMの距離−速度推定値の範囲内に目標候補が検出され、かつ、時刻t−Δtの目標候補2の距離‐速度推定値に目標候補が検出されない場合に、JEMと判定する。
【0051】
このように、連続してJEMが目標候補として検出された場合も、時刻t−ΔtのJEMの距離−速度推定値と目標候補2の距離‐速度推定値を用いることにより、JEMを目標と誤検出することがなくなり、目標検出性能の向上が期待できる。
【0052】
次に、加速度目標をJEMと除去せず、加速度目標を第2の目標候補と判定する方法について説明する。図11は、本発明の実施の形態1における第2の目標判定方法の説明図である。より具体的には、目標候補検出手段207によって、目標候補が時刻t−Δtに距離R(t−Δt)に速度vを持つ目標候補3として検出された場合の、時刻t−Δtの距離−速度マップを示している。
【0053】
時刻tに距離R(t)に検出された目標候補2と、時刻t−Δtに距離R(t−Δt)に検出された目標候補3とが、加速度aを持つ同じ目標とした場合、下式(17)の関係が成り立つ。第2の目標判定手段210は、下式(18)により、加速度推定値aestを算出する。
【0054】
【数10】

【0055】
第2の目標判定手段210は、時刻t−ΔtのJEMの距離‐速度推定値に目標候補が検出されず、かつ、時刻t−Δtの目標候補2の距離‐速度推定値に目標候補が検出されない場合、次式(19)を満たす目標候補を加速度目標と判定し、次式(19)を満たさない目標候補を第2の目標候補と判定する。ここで、a、aは、加速度推定値の範囲を表す。
【0056】
【数11】

【0057】
その後、距離−速度マップ作成手段206、目標候補検出手段207の処理を引き続き行う。そして、目標候補検出手段207が目標候補を検出した場合、時刻t−Δtにおける第2の目標候補との比較を、距離−速度推定値算出手段208、目標判定手段209、および第2の目標判定手段210を用いることにより、目標検出性能を向上させる。
【0058】
表示器20は、目標候補から目標あるいは加速度目標と判定された場合、目標情報として、時刻tの相対距離と相対速度を画面上に表示する。
【0059】
以上のように、実施の形態1によれば、目標判定手段により目標と判定されなかった目標候補に対して、第2の目標判定手段を用いて、JEMと、加速度目標と、目標、JEM、加速度目標のいずれにも判定されなかった目標候補との3種に識別する構成を備えている。この結果、加速度目標をJEMと誤検出して除去してしまうことがなくなり、目標検出性能の向上を図ったレーダ装置を得ることができる。
【0060】
さらに、目標候補が検出された場合には、時刻をさかのぼった目標候補と比較する構成を備えている。このため、目標がレーダ装置に接近する前に、目標の有無を判断することができ、目標への早急な対処が可能になり、レーダ装置の目標検出性能がさらに向上する。
【0061】
実施の形態2.
図12は、本発明の実施の形態2におけるレーダ装置の構成図である。図12におけるレーダ装置は、空中線1、送信機2、送受切替器3、受信機4、信号処理器205B、および表示器20を備えている。
【0062】
また、信号処理器205Bは、距離−速度マップ作成手段206、目標候補検出手段207、距離−速度推定値算出手段208、目標判定手段209、および第2の目標判定手段210に加えて、さらに速度折り返し数算出手段211を備えている。
【0063】
すなわち、本実施の形態2における図12の構成は、先の実施の形態1における図1の構成と比較すると、信号処理器(205A、205B)の構成が異なっている。より具体的には、本実施の形態2における信号処理器205Bは、目標候補検出手段207と距離−速度推定値算出手段208との間に、速度折り返し数算出手段211をさらに備えている点が異なっている。
【0064】
先の特許文献1における目標検出装置では、速度情報の算出方法が明らかになっていないが、一般的なレーダ装置では、先の実施の形態1のように、パルス方向にFFTを行うことにより、目標との相対速度を算出する。しかしながら、このような算出方法では、目標の速度が折り返す場合には、距離−速度推定値を誤り、目標検出性能が劣化する可能性がある。そこで、本実施の形態2におけるレーダ装置は、目標検出性能の向上を目的として、速度折り返し数を算出し、精度よい相対速度を算出することを可能にしている。
【0065】
図13は、本発明の実施の形態2における速度折り返し数を考慮した目標候補の相対速度算出方法についての説明図である。速度折り返し数算出手段211は、次式(20)により速度推定値vestを算出する。ここで、R(t)は、時刻tの目標候補の相対距離、R(t−Δt)は、時刻t−Δtの目標候補の相対距離をそれぞれ表す。
【0066】
【数12】

【0067】
速度折り返し数算出手段211は、次式(21)により目標候補の相対速度候補を算出する。また、折り返し速度vbandは、下式(22)により表される。
【0068】
【数13】

【0069】
ここで、上式(21)における各符号は、以下のものを意味する。
1、est(i):目標候補1の相対速度候補
2、est(i):目標候補2の相対速度候補
i:速度の折り返し数
band:折り返し速度
v':折り返した目標候補1の相対速度
v':折り返した目標候補2の相対速度
I:最大速度折り返し数
【0070】
速度折り返し数算出手段211は、下式(23)により速度推定値vestと、目標候補の相対速度候補との差分を算出する。また、速度折り返し数算出手段211は、下式(24)により目標候補の速度折り返し数を算出する。
【0071】
【数14】

【0072】
ここで、上式(23)、(24)における各符号は、以下のものを意味する。
Δv1、est(i):速度推定値vestと目標候補1の相対速度候補v1、est(i)の差分
Δv2、est(i):速度推定値vestと目標候補2の相対速度候補v2、est(i)の差分
abs(X):変数Xの最大値
1、est:目標候補1の速度折り返し数
2、est:目標候補2の速度折り返し数
min_i(Y(i)):配列Y(i)の最小値を示すi
【0073】
さらに、速度折り返し数算出手段211は、次式(25)により、速度折り返しを考慮した目標候補の相対速度を算出する。
【0074】
【数15】

【0075】
ここで、上式(25)における各符号は、以下のものを意味する。
v”1、est:速度折り返しを考慮した目標候補1の相対速度
v”2、est:速度折り返しを考慮した目標候補2の相対速度
【0076】
図14は、本発明の実施の形態2における速度折り返し数を考慮しない場合と、考慮した場合の目標候補の相対速度算出方法についての比較説明図である。図14(a)に示すように、速度が折り返した目標候補の相対速度を用いて距離−速度推定値を算出した場合、距離−速度推定値の精度が劣化し、目標検出性能が劣化する。
【0077】
これに対して、図14(b)に示すように、速度折り返し数算出手段211は、速度折り返し数と速度の折り返しを考慮した目標候補の相対速度を精度よく算出する。この結果、距離−速度推定値の精度が向上し、目標検出性能の向上を図ることができる。
【0078】
以上のように、実施の形態2によれば、速度折り返し数と速度の折り返しを考慮することのできる速度折り返し数算出手段をさらに備えた構成となっている。この結果、速度が折り返した場合にも、精度のよい目標候補の相対速度を算出することが可能になり、目標相対速度算出精度と目標検出性能の向上を図ったレーダ装置を得ることができる。
【0079】
さらに、速度が折り返した場合にも、先の実施の形態1と同様に、精度よくJEMを判定し、また、加速度目標を第2の目標候補することが可能になり、目標検出性能の向上を図ったレーダ装置を得ることができる。
【0080】
実施の形態3.
図15は、本発明の実施の形態3におけるレーダ装置の構成図である。図15におけるレーダ装置は、空中線1、送信機2、送受切替器3、受信機4、信号処理器205C、および表示器20を備えている。
【0081】
また、信号処理器205Cは、距離−速度マップ作成手段206、目標候補検出手段207、距離−速度推定値算出手段208B、目標判定手段209B、および第2の目標判定手段210Bを備えている。
【0082】
すなわち、本実施の形態3における図15の構成は、先の実施の形態1における図1の構成と比較すると、信号処理器(205A、205C)の構成が異なっている。より具体的には、本実施の形態2における信号処理器205Cは、先の実施の形態1における信号処理器205Aの距離−速度推定値算出手段208、目標判定手段209、および第2の目標判定手段210に代えて、距離−速度推定値算出手段208B、目標判定手段209B、第2の目標判定手段210Bを備えている点が異なっている。
【0083】
目標、JEM、加速度目標、第2の目標候補を判定する際に、先の実施の形態1は、過去の目標候補と比較するのに対して、本実施の形態3は、ある時間経過後の目標候補と比較している。そこで、ある時間経過後の目標候補と比較する処理例として、距離−速度推定値算出手段208Bと目標判定手段209Bについて説明し、同様な考え方で行う第2の目標判定手段210Bの説明は、省略する。
【0084】
距離−速度推定値算出手段208Bは、目標候補検出手段207から得られる目標候補から、ある時間経過後の目標候補の距離と速度の推定値を算出する。図16は、本発明の実施の形態3の目標候補検出手段207によって、目標候補が時刻tに距離R(t)に2つ検出された場合の、時刻t+Δtにおける距離−速度推定値を示した説明図である。また、時刻tの目標候補1の速度をv、目標候補2の速度をvとする。
【0085】
距離−速度推定値算出手段208Bは、下式(26)、(27)により時刻t+Δtの目標候補の距離−速度推定値を算出する。
【0086】
【数16】

【0087】
ここで、上式(26)、(27)における各符号は、以下のものを意味している。
R”1、1とR”1、2:時刻t+Δtの目標候補1の距離推定値の範囲
R”2、1とR”2、2:時刻t+Δtの目標候補2の距離推定値の範囲
W”:時間t+Δtの距離推定幅
v”1、1とv”1、2:時刻t+Δtの目標候補1の速度推定値の範囲
v”2、1とv”2、2:時刻t+Δtの目標候補2の速度推定値の範囲
W”:時間t+Δtの速度推定幅
【0088】
ある時間経過後の距離−速度推定値に推定幅を持たせ、距離と速度の推定誤差を考慮することにより、目標検出性能の向上が可能になる。
【0089】
次に、時刻t+Δtにおける処理内容について説明する。図17は、本発明の実施の形態3の目標判定手段209Bによる目標判定処理の説明図である。より具体的には、この図17は、時刻t+Δtの距離−速度マップを示しており、時刻t+Δtの距離−速度マップを用いて、目標候補検出手段207が距離R(t+Δt)に目標候補1と目標候補2を検出した場合を示している。
【0090】
目標判定手段209Bは、距離−速度推定値算出手段208Bから得られる時刻t+Δtの目標候補の距離−速度推定値の範囲内に目標候補が検出された場合、目標として判定する。
【0091】
以上のように、実施の形態3によれば、時刻tの目標候補と時刻t+Δtの目標候補を用いて目標を判定する目標判定手段を備えている。さらに、この目標判定手段により目標と判定されなかった目標候補に対して、第2の目標判定手段を用いて、JEMと、加速度目標と、目標、JEM、加速度目標のいずれにも判定されなかった目標候補との3種に識別する構成を備えている。この結果、加速度目標をJEMと誤検出して除去してしまうことがなくなり、目標検出性能の向上を図ったレーダ装置を得ることができる。
【0092】
実施の形態4.
図18は、本発明の実施の形態4におけるレーダ装置の構成図である。図18におけるレーダ装置は、空中線1、送信機2B、送受切替器3、受信機4B、信号処理器205D、および表示器20を備えている。
【0093】
また、信号処理器205Dは、周波数領域変換手段212、目標候補検出手段207B、第2の目標候補検出手段213、距離−速度推定値算出手段208、目標判定手段209、および第2の目標判定手段210を備えている。
【0094】
すなわち、本実施の形態4における図18の構成は、先の実施の形態1における図1の構成と比較すると、送信機(2、2B)、受信機(4、4B)、信号処理器(205A、205D)の構成が異なっている。
【0095】
より具体的には、本実施の形態4における送信機2Bと受信機4Bは、測速度フェーズに一定周波数のキャリア信号の送信信号と受信信号とを扱う点、および測距1フェーズと測距2フェーズに異なる周波数変調された送信信号と受信信号を扱う点が異なっている。また、信号処理器205Dは、距離−速度マップ作成手段206に代えて周波数領域変換手段212、目標候補検出手段207に代えて目標候補検出手段207Bと第2の目標候補検出手段213を備えている点が異なっている。
【0096】
図19は、本発明の実施の形態4における測速度フェーズと測距フェーズの送信信号と受信信号の周波数を示した説明図である。図19に示すように、本実施の形態4は、測速度フェーズにおいては、一定周波数のキャリア信号を送受信することによって目標あるいはJEM等との相対速度を算出し、測距1フェーズ、測距2フェーズにおいては、周波数変調されたキャリア信号を送受信することによって目標あるいはJEM等との相対距離を算出する。
【0097】
ここで、f0、Hは、本実施の形態4における送信最小周波数、B0、Rは、本実施の形態4における周波数変調帯域幅、Tobsは、本実施の形態4における各フェーズの観測時間、fは、測速度フェーズで観測される周波数、fR1は、測距1フェーズで観測される周波数、fR2は、測距2フェーズで観測される周波数をそれぞれ表す。また、図19では、各フェーズの観測時間を同一とした場合を示しているが、この観測時間は異なってもよい。また、図19では、測距1フェーズと測距2フェーズの周波数変調帯域幅を同一とした場合を示しているが、異なる周波数変調を行えばよい。
【0098】
図20は、本発明の実施の形態4における目標候補検出の処理フローを示した説明図である。以降、この図20を参照にして、目標候補検出の処理フローについて、詳細に説明する。
【0099】
まず、各フェーズにおける送信機2Bの動作について説明する。
測速度フェーズの場合、送信機2Bは、次式(28)で表される一定周波数のキャリア信号をPRIでパルス変調した送信RF信号Tx(t)を生成し、送受切替器3に出力する。
【0100】
【数17】

【0101】
ここで、上式(28)における各符号は、以下のものを意味する。
0、H:送信最小周波数
Tx、v:測速度フェーズの送信信号の振幅
pri、v:測速度フェーズのパルス繰り返し周期
:測速度フェーズのパルス番号
:測速度フェーズのパルス数
0、v:測速度フェーズのパルス幅
【0102】
送受切替器3は、送信機2Bから入力された送信RF信号Tx(t)を、空中線1に出力する。この結果、空中線1から送信RF信号Tx(t)が空中に放射される。このように、測速度を行うための測速度フェーズがあるため、速度アンビギュィティなく、高精度に相対速度を算出することが可能になる。
【0103】
次に、測距1フェーズの場合、送信機2Bは、次式(29)で表される周波数変調されたキャリア信号をPRIでパルス変調して送信RF信号TxR1(t)を生成し、送受切替器3と受信機4Bに出力する。
【0104】
【数18】

【0105】
ここで、上式(29)における各符号は、以下のものを意味する。
【0106】
Tx、R:測距1フェーズと測距2フェーズの送信信号の振幅
pri、R:測距1フェーズと測距2フェーズのパルス繰り返し周期
:測距1フェーズと測距2フェーズのパルス番号
:測距1フェーズと測距2フェーズのパルス数
0、R:測距1フェーズと測距2フェーズのパルス幅
【0107】
送受切替器3は、送信機2Bから入力された送信RF信号TxR1(t)を空中線1に出力する。この結果、空中線1から送信RF信号TxR1(t)が空中に放射される。
【0108】
また、測距2フェーズの場合、送信機2Bは、次式(30)で表される測距1フェーズと異なる周波数変調されたキャリア信号をPRIでパルス変調して送信RF信号TxR2(t)を生成し、送受切替器3と受信機4Bに出力する。
【0109】
【数19】

【0110】
ここでは、測距1フェーズと測距2フェーズの周波数変調は、チャープ変化率が同じで符号が違うものを用いているが、同じ符号でチャープ変化率が異なるものを用いてもよい。送受切替器3は、送信機2Bから入力された送信RF信号TxR2(t)を空中線1に出力する。この結果、空中線1から送信RF信号TxR1(t)が空中に放射される。
【0111】
各フェーズ(測速度フェーズ、測距1フェーズ、および測距2フェーズ)で空中に放射された送信RF信号は、目標で反射され、反射RF信号として空中線1に入射する。そこで、空中線1は、入射してきた反射RF信号を受信し、受信RF信号として送受切替器3に出力する。
【0112】
送受切替器3は、空中線1から入力された受信RF信号を受信機4Bに出力する。そして、受信機4Bは、送受切替器3から入力された受信RF信号を増幅、位相検波した後、測速度フェーズの場合には、受信ビデオ信号に変換し、測距1フェーズと測距2フェーズの場合には、受信ビート信号に変換し、信号処理器205Dに出力する。
【0113】
次に、各フェーズにおける受信機4Bの動作について説明する。ただし、目標が1つの場合として説明する。
測速度フェーズの場合、目標で反射した反射RF信号Rx(t)は、次式(31)で表される。ここで、Rは、目標との初期相対距離、vは、目標との相対速度を表す。
【0114】
【数20】

【0115】
受信機4Bは、送受切替器3から入力された反射RF信号Rx(t)に対し狭帯域フィルタを通過させた後、次式(32)で表される受信ビデオ信号V(n)として、信号処理器205Dに出力する。
【0116】
【数21】

【0117】
測距1フェーズの場合、目標で反射した反射RF信号RxR1(t)は、次式(33)で表される。
【0118】
【数22】

【0119】
受信機4Bは、送受切替器3から入力された反射RF信号RxR1(t)に対し、送信機2Bから入力された送信RF信号TxR1(t)を用いてダウンコンバートした後、次式(34)で表される受信ビート信号VR1(nR1)として、信号処理器205Dに出力する。
【0120】
【数23】

【0121】
また、測距2フェーズの場合、目標で反射した反射RF信号RxR2(t)は、次式(35)で表される。
【0122】
【数24】

【0123】
受信機4Bは、送受切替器3から入力された反射RF信号RxR2(t)に対し、送信機2Bから入力された送信RF信号TxR1(t)を用いてダウンコンバートした後、次式(36)で表される受信ビート信号VR2(nR2)として、信号処理器205Dに出力する。
【0124】
【数25】

【0125】
周波数領域変換手段212は、受信機4Bから入力された時間領域の受信ビデオ信号および受信ビート信号を周波数領域に変換する。
測速度フェーズの場合、周波数領域変換手段212は、時間領域の受信ビデオ信号V(nv1)に対し、次式(37)に表される高速フーリエ変換を行い、周波数領域に変換された受信ビデオ信号FVv(k)を目標候補検出手段207Bに出力する。ここで、L'は、FFT点数を表す。ただし、L'>Nの場合は、0を代入する。
【0126】
【数26】

【0127】
また、測距1フェーズの場合、周波数領域変換手段212は、時間領域の受信ビート信号VR1(n)に対し、次式(38)に表される高速フーリエ変換を行い、周波数領域に変換された受信ビート信号FVR1(k)を目標候補検出手段207Bに出力する。ここで、L'は、FFT点数を表す。ただし、L'>Nの場合は、0を代入する。
【0128】
【数27】

【0129】
また、測距2フェーズの場合、周波数領域変換手段212は、時間領域の受信ビート信号VR2(n)に対し、次式(39)に表される高速フーリエ変換を行い、周波数領域に変換された受信ビート信号FVR2(k)を目標候補検出手段207Bに出力する。
【0130】
【数28】

【0131】
次に、目標候補検出手段207Bにおいて行われる、CFAR処理による目標検出の処理内容について説明する。まず、各フェーズで1目標を検出した場合について説明する。図21は、本発明の実施の形態4における各フェーズにおいて1目標を検出した場合を示す説明図である。また、図22は、本発明の実施の形態4の目標候補検出手段207Bによる周波数領域での目標検出処理の説明図である。より具体的には、この図22は、CFAR処理に関わる注目セル、ガードセル、サンプルセルを説明するための図である。
【0132】
また、ここでは、目標候補検出手段207Bによる目標との相対速度、相対距離の算出方法を説明するために、図21に示すように、1目標が各フェーズで検出された場合について説明する。
【0133】
まず始めに、測速度フェーズの場合、目標候補検出手段207Bは、周波数領域変換手段212から得られる周波数領域の受信ビデオ信号FVv(k)に対し、下式(40)によりCFAR処理を行い、目標候補を検出する。
【0134】
【数29】

【0135】
ここで、FVv、CFAR(k)は測速度フェーズの周波数領域における受信ビデオ信号のCFAR処理による測速度フェーズ目標候補検出結果を表し、測速度フェーズの目標候補は、0が設定される。
【0136】
また、CFAR閾値CFAR_th(k)は、下式(41)により算出する。ここで、CFAR_corは、測速度フェーズのCFAR係数、Samp_cell (k)は、サンプルセル、ave (Z(p))は、配列Z(p)の平均値を表す。
【0137】
【数30】

【0138】
そして、測速度フェーズの場合、目標候補検出手段207Bは、検出された目標候補の相対速度vv、Tを下式(42)により算出する。
【0139】
【数31】

【0140】
次に、測距1フェーズの場合、目標候補検出手段207Bは、周波数領域変換手段212から得られる周波数領域の受信ビート信号FVR1(k)に対し、下式(43)によりCFAR処理を行い、測距1フェーズの目標候補を検出する。
【0141】
【数32】

【0142】
ここで、FVR1、CFAR (k)は測距1フェーズの周波数領域の受信ビート信号のCFAR処理による目標候補検出結果を表し、測距1フェーズの目標候補は、0が設定される。
【0143】
また、CFAR閾値CFAR_thR1(k)は、下式(44)により算出する。ここで、CFAR_corR1は、測距1フェーズのCFAR係数を表す。
【0144】
【数33】

【0145】
測距1フェーズの場合、目標候補検出手段207Bは、検出された目標候補の相対速度R'0、R1、Tを下式(45)により算出する。また、目標候補の相対速度R'0、R1、Tに対応する周波数f_R'0、R1、Tを用いる場合は、下式(46)により算出する。
【0146】
【数34】

【0147】
測距2フェーズの場合も、測距1フェーズと同様に、目標候補検出手段207Bは、周波数領域変換手段212から得られる周波数領域の受信ビート信号FVR2(k)に対し、上式(43)によりCFAR処理を行い、測距2フェーズの目標候補を検出する。
【0148】
そして、測距2フェーズの場合、目標候補検出手段207Bは、検出された目標候補の相対速度R'0、R2、Tを下式(47)により算出する。また、目標候補の相対速度R'0、R2、Tに対応する周波数f_R'0、R2、Tを用いる場合は、下式(48)により算出する。
【0149】
【数35】

【0150】
以上のようにして、各フェーズで1目標が検出される場合、目標の相対速度と相対距離を算出することが可能である。しかし、後述する図24のように、各フェーズで複数検出される場合(2目標、それぞれのJEMが1つ検出される場合)、上述した方法では、正確な目標の相対速度と相対距離を算出することができない。
【0151】
そこで、各フェーズで複数検出される場合(2目標、それぞれのJEMが1つ検出される場合)に、正確な目標の相対速度と相対距離を算出するための方法について、次に説明する。各フェーズで複数の目標候補が検出された場合、目標候補検出手段207Bは、各フェーズで検出された目標候補の組合せから、目標候補の相対速度と相対距離を算出することとなる。
【0152】
図23は、本発明の実施の形態4における時刻t、時刻t−Δtに各フェーズにおいて2目標、かつJEMが存在した場合の状況を示す説明図である。ここでは、図23のような場合において、目標候補検出手段207Bによる目標候補の相対速度と相対距離の算出方法について説明する。
【0153】
図24は、本発明の実施の形態4における、時刻tに各フェーズにおいて2目標、かつJEMを検出した場合を示す説明図である。このような図24の場合を例として、複数目標の場合に対する目標候補検出手段207Bによる目標候補の相対速度と相対距離の算出方法について説明する。
【0154】
各フェーズにおいて目標候補が複数ある場合、目標候補検出手段207Bは、各フェーズで検出された目標候補の組合せから、相対距離を算出し、目標候補の相対速度、相対距離を第2の目標候補検出手段213に出力する。
【0155】
図25は、本発明の実施の形態4における、時刻tに各フェーズにおいて2目標、かつJEMを検出した場合の組合せから算出される測距結果を示す図である。より具体的には、図25(a)は、時刻tの測速度フェーズと測距1フェーズで検出された目標候補の組合せから算出される相対距離を示している。ここで、R01”(fv、T1、fR1、T1)は、測速度フェーズで検出された目標候補の周波数fv、T1と測距1フェーズで検出された目標候補の周波数fR1、T1の組合せから、上式(45)を用いて算出される測距結果である。その他の組合せも、同様に算出することが可能である。
【0156】
一方、図25(b)は、時刻tの測速度フェーズと測距2フェーズで検出された目標候補の組合せから算出される相対距離を示している。ここで、R02”(fv、T1、fR1、T1)は、測速度フェーズで検出された目標候補の周波数fv、T1と測距2フェーズで検出された目標候補の周波数fR2、T1の組合せから、上式(47)を用いて算出される測距結果である。その他の組合せも、同様に算出することが可能である。
【0157】
時刻tの測速度フェーズと測距1フェーズで検出された目標候補の組合せから算出した相対距離のみ、あるいは、時刻tの測速度フェーズと測距2フェーズで検出された目標候補の組合せから算出した相対距離のみでは、測速度フェーズで算出した目標候補の相対速度に対する相対距離を決定することができない。
【0158】
そのため、第2の目標候補検出手段213は、時刻tの測速度フェーズで検出した目標候補の周波数fv、T1と測距1フェーズで検出された目標候補の組合せから算出した相対距離と、時刻tの測速度フェーズで検出した目標候補の周波数fv、T1と測距2フェーズで検出された目標候補の組合せから算出した相対距離との差を算出する。
【0159】
図26は、本発明の実施の形態4において、測速度フェーズのfv、T1と測距1フェーズとの各測距結果と、測速度フェーズのfv、T1と測距2フェーズとの各測距結果の差から目標候補の相対距離を算出するための説明図である。第2の目標候補検出手段213は、この差が予め定めた値以下の場合、相対速度fv、T1の相対距離にある目標候補とする。ここで、|X|は、変数Xの絶対値を表す。その他の相対速度についても同様の方法で、相対距離を算出することが可能である。
【0160】
このようにして、各フェーズにおいて、複数の目標候補が検出された場合においても、目標候補の相対速度と相対距離を算出することが可能になる。また、時刻t−Δtにおいても、同様な方法で目標候補の相対速度と相対距離を得ることが可能である。ただし、同じ相対距離に異なる相対速度を持つ目標候補が算出された場合、時刻tのみ、あるいは時刻t−Δtのみの結果では、JEM、加速度目標か判断できない。
【0161】
そのため、本実施の形態4は、先の実施の形態1と同様に、距離−速度推定値算出手段208、目標判定手段209、第2の目標判定手段210を用いて、JEMと、加速度目標と、目標、JEM、加速度目標のいずれにも判定されなかった目標候補との3種に識別する。また、時刻tと時刻t+Δtの結果を用いる場合にも、同様に識別することが可能である。
【0162】
なお、上述の説明では、目標候補検出手段207Bと第2の目標候補検出手段213を個別の構成として説明したが、目標候補検出手段207Bが、第2の目標候補検出手段213の機能も含めて実施する構成とすることも可能である。
【0163】
以上のように、実施の形態4によれば、先の実施の形態1〜3のように距離−速度マップ作成手段を用いない場合においても、異なるキャリア周波数を送受信する測速度フェーズ、測距1フェーズ、測距2フェーズを用いて、先の実施の形態1〜3と同様に、目標の相対速度、相対距離を算出することが可能になる。さらに、測速度フェーズにおいて、高精度に測速度が可能になる。
【0164】
また、複数の目標候補が存在する場合においても、目標判定手段により目標と判定されなかった目標候補に対して、第2の目標判定手段を用いて、JEMと、加速度目標と、目標、JEM、加速度目標のいずれにも判定されなかった目標候補との3種に識別する構成を備えている。この結果、加速度目標をJEMと誤検出して除去してしまうことがなくなり、目標検出性能の向上を図ったレーダ装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0165】
1 空中線、2、2B 送信機、3 送受切替器、4、4B 受信機、5 信号処理器、20 表示器、205A、205B、205C、205D 信号処理器、206 速度マップ作成手段、207、207B 目標候補検出手段、208、208B 速度推定値算出手段、209、209B 目標判定手段、210、210B 第2の目標判定手段、211 速度折り返し数算出手段、212 周波数領域変換手段、213 第2の目標候補検出手段(目標候補検出手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標との相対距離および相対速度を算出し、目標検出を行うレーダ装置であって、
キャリア信号が所定の時間間隔でパルス変調された送信信号を放射する送信手段と、
前記目標で反射して戻った前記送信信号を受信信号として受信する受信手段と、
前記受信手段で受信された前記受信信号から目標の相対距離および相対速度を算出するための距離−速度マップを作成する距離−速度マップ作成手段と、
第1時刻に受信された受信信号に基づいて前記距離−速度マップ作成手段で作成された前記距離−速度マップに対し、信号の強度に基づき前記第1時刻における目標候補を検出するとともに、前記目標候補との相対距離、相対速度を算出する目標候補検出手段と、
前記目標候補検出手段で検出された前記目標候補の、前記第1時刻から所定時間経過前の第2時刻における距離−速度推定値の範囲を算出する距離−速度推定値算出手段と、
前記第2時刻における距離−速度マップに基づいて前記目標候補検出手段によって検出された目標候補が、前記距離−速度推定値算出手段で算出された前記目標候補の前記第2時刻における距離−速度推定値の範囲内に存在する場合には、前記第1時刻において検出された前記目標候補を目標と判定する目標判定手段と、
前記第2時刻における距離−速度マップに基づいて前記目標候補検出手段によって検出された目標候補が、前記距離−速度推定値算出手段で算出された前記目標候補の前記第2時刻における距離−速度推定値の範囲内に存在せず、かつ、前記距離−速度推定値算出手段で算出されたJEMの第2時刻における距離−速度推定値の範囲内に存在する場合には、前記第1時刻において検出された前記目標候補をJEMと判定し、前記JEMと判定した目標候補および前記目標判定手段で目標と判定された目標候補を除いた残りの目標候補を第2の目標候補とする第2の目標判定手段と
を備えることを特徴とするレーダ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレーダ装置において、
前記第2の目標判定手段は、前記第2の目標候補の中で、前記第1時刻において前記目標候補検出手段により検出された目標候補と、前記第2時刻において前記目標候補検出手段により検出された目標候補とが同一の目標であると仮定した場合の加速度を算出し、算出した前記加速度が所定加速度範囲内に存在する場合には、前記第1時刻において検出された前記目標候補を加速度目標であると判定し、前記第2の目標候補の中から前記加速度目標をさらに取り除いて新たな第2の目標候補とすることを特徴とするレーダ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレーダ装置において、
前記目標候補検出手段で算出された前記相対距離および前記相対速度を用いて、目標候補の速度折り返し数を算出し、算出した前記速度折り返し数を考慮して前記目標候補の相対速度を算出する速度折り返し数算出手段をさらに備え、
前記距離−速度推定値算出手段は、前記速度折り返し数算出手段で算出された前記速度折り返し数を考慮した前記目標候補の相対速度に基づいて、前記目標候補検出手段で検出された前記目標候補の第2時刻における距離−速度推定値の範囲を算出する
ことを特徴とするレーダ装置。
【請求項4】
目標との相対距離および相対速度を算出し、目標検出を行うレーダ装置であって、
キャリア信号が所定の時間間隔でパルス変調された送信信号を放射する送信手段と、
前記目標で反射して戻った前記送信信号を受信信号として受信する受信手段と、
前記受信手段で受信された前記受信信号から目標の相対距離および相対速度を算出するための距離−速度マップを作成する距離−速度マップ作成手段と、
第1時刻に受信された受信信号に基づいて前記距離−速度マップ作成手段で作成された前記距離−速度マップに対し、信号の強度に基づき前記第1時刻における目標候補を検出するとともに、前記目標候補との相対距離、相対速度を算出する目標候補検出手段と、
前記目標候補検出手段で検出された前記目標候補の、前記第1時刻から所定時間経過後の第3時刻における距離−速度推定値の範囲を算出する距離−速度推定値算出手段と、
前記第3時刻における距離−速度マップに基づいて前記目標候補検出手段によって検出された目標候補が、前記距離−速度推定値算出手段で算出された前記目標候補の前記第3時刻における距離−速度推定値の範囲内に存在する場合には、前記第3時刻において検出された前記目標候補を目標と判定する目標判定手段と、
前記第3時刻における距離−速度マップに基づいて前記目標候補検出手段によって検出された目標候補が、前記距離−速度推定値算出手段で算出された前記目標候補の前記第3時刻における距離−速度推定値の範囲内に存在せず、かつ、前記距離−速度推定値算出手段で算出されたJEMの第3時刻における距離−速度推定値の範囲内に存在する場合には、前記第3時刻において検出された前記目標候補をJEMと判定し、前記JEMと判定した目標候補および前記目標判定手段で目標と判定された目標候補を除いた残りの目標候補を第2の目標候補とする第2の目標判定手段と
を備えることを特徴とするレーダ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のレーダ装置において、
前記第2の目標判定手段は、前記第2の目標候補の中で、前記第1時刻において前記目標候補検出手段により検出された目標候補と、前記第3時刻において前記目標候補検出手段により検出された目標候補とが同一の目標であると仮定した場合の加速度を算出し、算出した前記加速度が所定加速度範囲内に存在する場合には、前記第3時刻において検出された前記目標候補を加速度目標であると判定し、前記第2の目標候補の中から前記加速度目標をさらに取り除いて新たな第2の目標候補とすることを特徴とするレーダ装置。
【請求項6】
請求項1または4に記載のレーダ装置において、
前記送信手段は、測速度フェーズ、測距1フェーズ、および測距2フェーズの3つのフェーズで時分割して前記送信信号を放射し、前記測速度フェーズにおいては、一定周波数のキャリア信号が所定の時間間隔でパルス変調された送信信号を放射し、前記測距1フェーズにおいては、周波数変調されたキャリア信号が所定の時間間隔でパルス変調された送信信号を放射し、前記測距2フェーズにおいては、前記測距1フェーズと異なる周波数で変調されたキャリア信号が所定の時間間隔でパルス変調された送信信号を放射し、
前記距離−速度マップ作成手段の代わりに設けられた周波数領域変換手段は、前記受信手段で受信された時間領域の受信信号を周波数領域に変換し、
前記目標候補検出手段は、
前記周波数領域変換手段で変換された前記周波数領域の受信信号における前記信号の強度に基づく演算処理を行い、前記測速度フェーズにおいては前記第1時刻における目標候補を検出するとともに、目標候補との相対速度を算出し、前記測距1フェーズおよび前記測距2フェーズにおいては前記第1時刻における目標候補を検出するとともに、目標候補との相対距離あるいは相対距離に対応する周波数を算出する
ことを特徴とするレーダ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のレーダ装置において、
前記目標候補検出手段は、前記3つのフェーズにおいて目標候補を複数検出した場合には、前記測速度フェーズおよび測距1フェーズのそれぞれで検出された目標候補の組合せに対応する第1の相対距離を算出するとともに、前記測速度フェーズおよび測距2フェーズのそれぞれで検出された目標候補の組合せに対応する第2の相対距離を算出し、
前記第1の相対距離と前記第2の相対距離との差分に基づき、第1時刻における目標候補を特定するとともに、特定した前記目標候補との相対速度、相対距離を算出する
ことを特徴とするレーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2010−2410(P2010−2410A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102991(P2009−102991)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】