説明

ロスバスタチンの調製

ロスバスタチンの中間体の調製方法、及びロスバスタチン及びその塩の調製へのそれらの使用が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ロスバスタチンの中間体の調製方法、及びロスバスタチン及びその塩の調製へのそれらの使用に向けられる。
【背景技術】
【0002】
背景
心血管患者の合併症、例えば心筋梗塞、ストローク及び抹消血管疾患は、アメリカ合衆国におけるすべての死亡の半分の原因である。血流における高レベルの低密度リポタンパク質(LDL)は、血流の流れを遮断し、そして血栓症を促進する冠状動脈外傷の形成に関連している(Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9<th> ed., p. 879 (1996)を参照のこと)。血漿LDLレベルの低減は、心血管疾患を有する患者、及び心血管患者を有さないが、しかし高コレステロール血症を有する患者において臨床学的現象の危険性を低めることが示されている(Scandinavian Simvastatin Survival Study Group, 1994; Lipid Research Clinics Program, 1984a, 1984b)。
【0003】
スタチン薬剤は、心血管疾患の危険性のある患者の血流中のLDLのレベルを低めるために利用できる、現在最も治療的に効果的な薬剤である。この種類の薬剤は、中でもコンパクチン(compactin)、ロバスタチン(lovastatin)、シンバスタチン(simvastatin)、プラバスタチン(pravastatin)及びフルバスタチン(fluvastatin)を包含する。
【0004】
スタチン薬剤の作用の機構は、いくらの詳細に解明されて来た。スタチン薬剤は、3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル−補酵素Aレダクターゼ酵素(“HMG−CoAレダクターゼ”)を競争的に阻害することにより、肝臓におけるコレステロール及び他のステロールの合成を中断する。HMG−CoAレダクターゼは、コレステロールの生合成における速度決定階段である、HMG−CoAのメバロネートへの転換を触媒する。従ってHMG−CoAレダクターゼ阻害は、肝臓におけるコレステロールの形成の速度の低下を導く。コレステロールの低められた生成は、LDL受容体の数の低下、及び血流におけるLDL患者の濃度の対応する低下を引き起こす。血流におけるLDLレベルの低下は、冠状動脈患者の危険性を低める(J.A.M.A. 1984, 251, 315-74)。
【0005】
現在入手できるスタチンは次のものを包含する:ロバスタチン(lovastatin)、シムバスタチン(simvastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、セリバスタチン(cerivastatin)及びアトルバスタチン(atorvastatin)(ナトリウム塩又はカルシウム塩として、それらのラクトン形で投与される)。
【0006】
ロスバスタチン(7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(N−メチル−N−メチルスルホニルアミノ)ピリミジン−5−イル]−(3R, 5S)−ジヒドロキシ−(E)−6−へプテン酸)カルシウム、すなわちHMG−CoAレダクターゼインヒビターは、第1世代スタチン薬剤よりも効果的に、LDL−コレステロール及びトリグリセリドレベルを低めることが出来る。ロスバスタチンカルシウムは、次の化学式を有する:
【0007】
【化1】

【0008】
ロスバスタチン及びその塩の調製のための多くの適切な方法は開示されている。ロスバスタチンカルシウム、中間体及びそれらの調製は、アメリカ特許第5,260,440号(本明細書においては、‘440号)に開示されている。WO03/097614号は、後期中間体(3R)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−オキソ−6−トリフェニル−ホスホリデンヘキサネート、すなわち‘440号に開示される中間体からのロスバスタチンの合成を開示する。WO03/087112号は、異なった中間体からのロスバスタチンの合成を開示する。WO03/087112号は、異なった中間体(3R)−3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−6−ジメトキシホスフェニル−5−オキソヘキサネートからのロスバスタチンの合成を開示する。WO/0049014号は、Wittig反応を通しての他の側鎖を有する中間体を用いてのロスバスタチンの合成を開示する。EP850,902号は、混合物におけるトリフェニルホスフィン誘導体の除去を記載する。
【0009】
それにもかかわらず、費用効率があり、より少ない精製段階を有し、そして/又は最終生成物のより高い純度をもたらし、それにより、産業規模の調製のためにより適切にする、ロスバスタチンの調製方法についての必要性が当業界において残っている。
【発明の開示】
【0010】
発明の要約
1つの態様においては、本発明は、次の構造:
【化2】

【0011】
[式中、Wはカルボキシル保護基であり、そしてXはヒドロキシル保護基である]
で表される化合物20の調製方法を提供し、ここで前記方法は、
次の構造:
【0012】
【化3】

【0013】
[式中、Wはカルボキシル保護基であり、T1及びT2は独立して、アリール又はアルコキシルであり、そしてXはヒドロキシル保護基である]
で表される化合物19A、塩基、及び次の構造:
【0014】
【化4】

で表される化合物14を一緒にすることを含んで成るWittig−Horner反応を包含する。
【0015】
もう1つの態様においては、本発明は、ロスバスタチン又は医薬的に許容できるその塩の調製方法を提供し、ここで前記方法は、
【0016】
a. 次の構造:
【化5】

【0017】
[式中、YはC1-C4エステルであり、Wはカルボキシル保護基であり、そしてXはヒドロキシル保護基である]
で表される化合物、及び極性溶媒の溶液を供給し;
b.前記溶液と、約10〜約13のpHを得るための塩基とを一緒にして、次の構造:
【化6】

[式中、Wはカルボキシル保護基であり、そしてXはヒドロキシル保護基である]
で表される化合物17を含んで成る第1溶液を形成し;
c.モノ、ジ−、トリ−(C1-C4)アルキル置換されたベンゼンクロロホルメート、飽和又は芳香族C5-C12クロロホルメート又はC1-C8アルキルクロロホルメート及び有機溶媒を含んで成る第2溶液を、約−50℃〜約−10℃の温度を維持しながら添加して、第1反応混合物を得;
【0018】
d. 前記第1反応混合物を、次の構造:
【化7】

【0019】
[式中、Wはカルボキシル保護基であり、Xはヒドロキシル保護基であり、そしてZはC1-8アルキル又はアリールである]
で表される化合物18を得るのに十分な時間、維持し;
【0020】
e. 乾燥溶媒、及び次の構造:
【化8】

【0021】
[式中、Wはカルボキシル保護基であり、T1及びT2は独立して、アリール又はアルコキシであり、そしてXはヒドロキシル保護基である]
で表される化合物19Aを供給し;
f. 塩基と、前記乾燥溶媒及び化合物19Aとを一緒にして、第2反応混合物を得;
【0022】
g. 次の構造:
【化9】

【0023】
で表される化合物14と、前記第2反応混合物とを、低められた温度で一緒にして、第3反応混合物を得;
h. 前記第3反応混合物を、次の構造:
【0024】
【化10】

【0025】
[式中、Wはカルボキシル保護基であり、そしてXはヒドロキシル保護基である]
で表される化合物20を得るのに十分な時間、維持し;
i. 任意には、反応を停止し;
j. 前記化合物20を、次の構造:
【0026】
【化11】

【0027】
[式中、Wはカルボキシル保護基である]で表される化合物21に転換し;
k. 非極性脂肪族溶媒及び非極性芳香族溶媒の混合物、及び低級脂肪族アルコール及び水の混合物を、化合物21及び粗化合物21に対してそれぞれ約4〜約6体積の量で含んで成る2相系を供給し、前記非極性相を、低級脂肪族アルコール及び水の混合物により洗浄し、そして前記有機相から化合物21を回収することにより、化合物21を回収し;
l. 任意には、化合物21を結晶化し;
m. 化合物21を、次の構造:
【0028】
【化12】

【0029】
[式中、Wはカルボキシル保護基である]で表される化合物22に転換し;そして
n. 化合物22を、ロスバスタチンに転換することを含んで成る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
特定の記載
本明細書において使用される場合、RTとは、室温を言及し、そして約25±5℃の温度を包含する。
本明細書において使用される場合、“乾燥溶媒”とは、実質的に水を含まないか、好ましくは0.5%以下の水を含むいずれかの溶媒を意味する。
【0031】
本明細書において使用される場合、“低められた温度”とは、約25±5℃以下の温度を意味する。
本明細書において使用される場合、特にことわらない限り、“実質的に純粋な”とは、標準に対するアッセイにより測定される場合、少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%及びより好ましくは、少なくとも約95重量%の純度を示すことを意味する。
【0032】
本出願内の構造体におけるカルボキシル保護基は、いずれかの適切なカルボキシル保護基、例えばエステル、アミド、ベンゼン又はヒドラジドであり得る。より好ましくは、カルボキシル保護基は、エステルであり、そして最も好ましくは、本発明の構造体におけるtert−ブチルエステルである。ヒドロキシル保護基のいくつかの典型的な例は、メトキシメチルエステル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリメチルシリルエーテル、tertブチルジフェニルシリル、スズ誘導体及びアセテートエステルを包含する。好ましくは、トリ(C1-C6アルキル)シリルは、トリ(C1-C4アルキル)シリル、さらにより好ましくはトリメチルシリル又はtert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)であり、そしてTBDMSが特に好ましい。さらに、カルボキシル又はヒドロキシル保護基は、Protective Groups in Organic Synthesis" by T. W. Greene, John Wiley & Sons, Inc. (1981)に記載される。
【0033】
本明細書において使用される場合、“低級脂肪族アルコール”とは、C1-C4アルコールを包含する。
【0034】
本明細書において使用される場合、接尾辞“TB”とは、Rがt−ブチルである、発明の要約に記載される中間体化合物を記載する。例えば、用語“17TB”とは、Rがt−ブチルである中間体化合物を意味する。接尾辞“M”とは、Rがメチルである中間体化合物を記載する。例えば、用語“17M”とは、Rがメチルである中間体化合物17を意味する。接尾辞“TBPH”とは、Rがt−ブチルであり、そしてPHがフェニルである、本明細書における化合物を記載する。接尾辞“TBRE”とは、Rがtert−ブチルであり、そしてREがロスバスタチンエステルである、本明細書における化合物を記載する。接尾辞“TBDMS”とは、Rがt−ブチルであり、そしてTDMSがtert−ブチルジメチルシリルである、本明細書における化合物を記載する。
【0035】
本明細書において使用される場合、“アリール”、“アリール基”又は“Ar”とは、単一の環(例えば、フェニル)又は複数の縮合された環(例えば、ナフチル又はアントリル)を有する、6〜14個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環式基を意味し、ここで前記縮合された環は、芳香族炭化水素(例えば、2−ベンゾキサゾリノン、2H−1,4−ベンゾキサジン−3(4H)−オン−7−イル及び同様のもの)であっても又は出なくても良く、但し、結合の点は、芳香族環原子を通してである。好ましくは、アリールは、フェニル、ナフチル又は5,6,7,8−テトラヒドロナフト−2−イルである。アリールは、置換されても又は置換されなくても良い。置換基は例えば、アルキル基、アルケニル基、環状アルキル基、アラルキル基、環状アルケニル基、シアノ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基であり得る。
【0036】
本発明は、費用効率の良い試薬を用いて、ロスバスタチン及びその中間体の高収率での改良された調製方法を提供する。本発明の方法は、試薬の定量的転換、及び副生成物の低められた形成を提供し、より少ない精製段階を必要とするロスバスタチンの調製方法をもたらす。特定の場合、例は十分に施行されている。
【0037】
本発明の1つの観点においては、次の構造:
【化13】

【0038】
[式中、YはC1-C4エステルであり、Wはカルボキシル保護基であり、そしてXはヒドロキシル保護基である]
で表される化合物Iのジエステルの部分的加水分解により、次の構造:
【0039】
【化14】

【0040】
[式中、Wはカルボキシル保護基であり、そしてXはヒドロキシル保護基である]
で表される中間体化合物17を調製する方法が提供される。前記方法は、化合物I及び極性溶媒の溶液を供給し;前記溶液と、塩基とを組合し、約10〜約13のpHを得;そして化合物17を回収することを含んで成る。この方法においては、化合物17の合成は、二酸誘導体の少々の汚染を有する一酸誘導体の精製を可能にする。
【0041】
極性溶媒は、C1-4アルコール、ニトリル、アセトン、ジオキサン及びTHFから成る群から選択され、最も好ましくはメタノール及びエタノールであり得る。極性溶媒は、化合物Iに対して、約2〜約15体積、好ましくは約5〜約10体積、及び最も好ましくは5体積の量で存在する。
【0042】
使用される塩基は、モノ−、ジ−、トリ−(C1-4アルキル)アミノピリジン、モノ−、ジ−、トリ−(C1-4アルキル)アミン、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ土類アルコオキシド及びC1-4アルキルリチウムカーボネートから成る群から選択され得る、いずれかの適切な塩基である。好ましくは、塩基は、少なくとも1つの水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化リチウムであり、最も好ましくは、水酸化ナトリウムである。好ましくは、塩基は、化合物Iに対して、約0.9〜約1.8体積、最も好ましくは約1.2体積の濃度で存在する。
【0043】
特に好ましい態様においては、塩基は、化合物(I)の溶液に滴下される。塩基は、このレベルでpHを維持するために少しずつ添加され得る。反応をもたらすために必要とされる塩基の量は、反応の規模に依存し、そしてTLCのような技法を用いて実験をほとんどか又はまったく伴わないで、当業者により容易に決定され得る。
【0044】
好ましくは、反応混合物は、約30℃〜約70℃の温度で加熱される。最も好ましくは、反応混合物は、約45℃〜約55℃で加熱される。加熱は、一定期間であり、規模及び混合方法に依存し、そしてHPLC又はTLCのような技法を用いて、制限試薬の不在を測定することにより、当業者により決定され得る。例えば、約288mモルの化合物Iが使用される場合、加熱時間は、約1〜約10時間、及び好ましくは約7時間である。
【0045】
本発明のもう1つの観点においては、反応混合物からの化合物17の回収方法が提供される。この方法は、粗化合物17を供給し;溶媒を一部、蒸発し;水を添加し;C5-7アルキルにより洗浄し;飽和又は芳香族C5-C12炭化水素、モノ−、ジ−、トリ−(C1-C4)アルキル置換されたベンゼンから成る群から選択された有機溶媒を用いて抽出し;前記混合物を、約7〜約5のpHに無機酸を用いて酸性化し;そして有機相から化合物17を回収することを含んで成る。
【0046】
使用される水は好ましくは、粗化合物17に対して、約2〜約10体積、最も好ましくは4体積の量で存在する。好ましくは、C5-7アルキルはヘキサンである。洗浄は、少しずつ、好ましくは約2回であり得る。有機溶媒は好ましくは、トルエンである。いずれかの無機酸、好ましくはHClが酸性化のために使用され得る。好ましくは、酸性化は、約6のpHへである。有機相からの回収は、例えば硫酸マグネシウム上での乾燥によってであり得る。
【0047】
本発明のもう1つの観点においては、本発明の方法により調製される化合物17は、例えばアメリカ特許第5,260,440号に示されるように、従来の手段により、いずれかの下流の中間体、ロスバスタチン及び医薬的に許容できるそれらの塩を調製するために使用される。例えば、次の反応スキームは、化合物17を、ロスバスタチンに転換する1つの方法を記載し、ここで化合物17〜22は数字により示される:
【0048】
【化15】

【0049】
ここで、Wはカルボキシル保護基であり、ZはC1-C8アルキル基又はアリールであり、YはC1-C4エステルであり、そしてXはヒドロキシル保護基である。
【0050】
1つの態様においては、上記スキームにおいては、化合物19が、下記に示される化合物19Aにより置換され、ここでX及びWは上記に定義される通りであり、そしてT1及びT2は独立して、アリール又はアルコキシである。化合物19Aは、塩基においての化合物18とPOQ3(ここで、Qはアルコキシ又はアリール(例えば、(OEt)2POEt)である)との反応により、化合物18から調製され得る。
【0051】
【化16】

【0052】
中間体を通してのロスバスタチンの調製:
本発明のもう1つの観点においては、次の構造:
【0053】
【化17】

【0054】
[式中、Wはカルボキシル保護基であり、そしてXはヒドロキシル保護基であり、そしてZはC1-8アルキル又はアリールである]
で示されるような中間体化合物18の調製方法が提供される。前記方法は、化合物17、第1有機溶媒及び塩基を含んで成る第1溶液を、モノ−、ジ−、又はトリ−(C1-C4)アルキル置換されたベンゼンクロロホルメート、飽和又は芳香族C5-C12クロロホルメート又はC1-8アルキルクロロホルメート及び第2有機溶媒を含んで成る第2溶液に、約−50℃〜約−10℃の温度を維持しながら、添加し、反応混合物を得;そして前記反応混合物を、化合物18を得るのに十分な時間、維持することを含んで成る。
【0055】
塩基は、いずれかの適切な有機塩基、例えばジ−(C1-C4アルキル)ピリジン(ここで、アルキル基は同じであっても又は異なっていても良い)、モノ−、ジ−又はトリ−(C1-C4アルキル)アミン(ここでアルキル基は同じであっても又は異なっていても良い)、アルカリ土類金属、アルカリ土類水酸化物、アルカリ土類アルコキシド、C1-4アルキルリチウムであり得るが、但しそれらだけには限定されない。好ましくは、塩基は、C1-C4トリアルキルアミンであり、そして最も好ましくは、トリエチルアミンである。
【0056】
本発明の方法への使用のために適切な第1及び第2有機溶媒は、飽和又は芳香族C5-12炭化水素、モノ−、ジ−、トリ−(C1-C4アルキル)置換されたベンゼン、及びベンゼンを包含するが、但しそれらだけには限定されない。例えば、THF、トルエン、塩化メチレン、ジエチルエーテル、ベンゼン及びクロロホルムが使用され得る。トルエン及びTHFが好ましい有機溶媒である。同じ有機溶媒が好ましくは、第1及び第2有機溶媒のために使用される。
【0057】
好ましくは、モノ−、ジ−、トリ−(C1-C4)アルキル置換されたベンゼンクロロホルメート、飽和又は芳香族C5-C12クロロホルメート、又はC1-8アルキルクロロホルメートは、C1-4アルキルクロロホルメート、より好ましくはエチルクロロホルメート又はメチルクロロホルメートであり、そしてエチルクロロホルメートが特に好ましい。反応混合物におけるクロロホルメート:化合物17のモル比は、約1:約3であり、そして好ましくは、約1:約1.5である。
【0058】
第1溶液は、第2溶液と、約−50℃〜約−10℃、より好ましくは−50℃〜約−30℃、及び最も好ましくは、約−45℃〜約−40℃の温度で一緒にされる。好ましくは、前記溶液は、約30分間にわたって一緒にされる。
【0059】
反応混合物は、約−10℃から約30℃に、及びより好ましくは約0℃に徐々に加熱することにより維持される。化合物18を得るのに必要とされる十分な時間は、例えば規模及び混合方法に依存するであろう。これは、HPLC又はTLC、好ましくはTLCのような技法を用いて、制限試薬の不在を測定することにより、当業者により決定され得る。任意には、反応混合物は、好ましくは水により反応停止され得る。
【0060】
任意には、化合物18は、当業者に知られている技法を用いて、反応混合物から回収され得る。好ましくは、化合物18は、反応混合物から、反応停止の間に形成される有機層を分離し、そして有機層を、緩塩基(pH7〜11)、例えば炭酸水素ナトリウムにより洗浄することにより回収される。反応混合物は、NaCl の添加により洗浄され得る。次に、有機層が、例えば金属塩、好ましくは硫酸ナトリウム又は硫酸マグネシウム上で乾燥される。次に、溶媒が蒸発され、化合物18が得られる。他方では、反応混合物は濾過され、反応の間に形成され得る塩が除去される。
【0061】
本発明の方法に従っての化合物18の調製は、対称乾燥物不純物の形成を低め、そして混合された乾燥物生成物の定量的形成を可能にする。さらに、本発明の方法は、−70℃〜−80℃が理想的に使用されるアメリカ特許第5,260,440号とは対照的に、極端な温度の必要性がないので、産業規模で容易に使用され得る。
本発明のもう1つの観点においては、本発明の方法により調製される化合物18は、ロスバスタチンのいずれか下流の中間体又は医薬的に許容できるその塩を調製するために使用される。
【0062】
化合物18は、次の構造:
【化18】

【0063】
[式中、Xはいずれかのヒドロキシル保護基であり、T1及びT2は独立して、アリール又はアルコキシであり、そしてWはいずれかのカルボキシル保護基である]
で表される化合物19又は化合物19Aに、当業界において知られている方法により転換され得る。例えば、トルエン中、化合物18の溶液は、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド、THF及びブチルリチウムを含んで成る、冷却された溶液に、約−60℃で温度を維持しながら、徐々に添加し、反応混合物を得;そして前記反応混合物を、約−20℃の最大温度で、化合物19を得るのに十分な時間、維持される(アメリカ特許第5,260,440号を参照のこと)。
【0064】
本発明のもう1つの観点においては、本発明の方法により調製される化合物19又は化合物19Aは、例えばロスバスタチン及び医薬的に許容できるその塩の合成において、いずれかの下流の中間体を調製するために使用され得る。
本発明のもう1つの観点においては、化合物20の調製方法が提供される。1つの観点においては、化合物20は、下記に示されるように、化合物19及び化合物14のWittig縮合を通して調製される。
【0065】
【化19】

【0066】
[式中、Wはカルボキシル保護基であり、そしてXはヒドロキシル保護基である]。この方法は、不活性雰囲気、例えばアルゴン又は窒素下で、化合物19、化合物14及びアセトニトリル以外の適切な有機溶媒を供給し、反応混合物を得;そして前記反応混合物を、約70℃〜ほぼ還流温度で、化合物20を得る期間、加熱することを含んで成る。
【0067】
有機溶媒は、飽和又は芳香族C5-C12炭化水素、モノ−、ジ−、トリ−(C1-C4)アルキル置換されたベンゼン、及びベンゼンを包含するいずれかの適切な有機溶媒であり得る。好ましくは、有機溶媒は、トルエンである。
【0068】
化合物19は、化合物14に対して、1.5当量の量で存在し、そしてアセトニトリル以外の有機溶媒は、化合物14に対して約10体積である。反応混合物の加熱は、好ましくは約70℃〜約110℃、最も好ましくは約100℃へである。必要な時間は、工程の規模及び温度に依存し、そして当業者により容易に決定され得る。
【0069】
他方では、化合物20は、Wittig−Horner反応(Horner−Wadsworth-Emmons反応としても知られている)の使用により調製され得る(Maryanoff など. "The Wittig olefmation reaction", Chem. Rev. (1989) 89, 863-927; Boutagy など. "Olefin synthesis with organic phosphonate carbanions", Chem. Rev. (1974), 74 (1), 87-99; Wadsworth など." The utility of phosphonate carbanions in olefin synthesis", JACS (1961), 83, 1733-1738; Tsuge など. "Horner-Emmons Olefmation", Bull. Chem. Soc. Jpn. (1987), 60, 4091-4098を参照のこと)。Wittig−Horner反応は、下記に示されているように、化合物19A及び化合物14に適用され得る:
【0070】
【化20】

【0071】
[X及びWは、化合物19について定義される通りであり、そしてT1及びT2は独立して、アルコキシ又はアリールである]。例えば、化合物19Aは、下記に示されるように、19TBPOであり得る:
【0072】
【化21】

【0073】
本発明の1つの観点においては、化合物19A、塩基及び化合物14を組合し、化合物20を得るWittig−Hurner反応が調製される。
好ましくは、化合物20を調製するためのWittig−Horner反応は、
(a)乾燥溶媒及び化合物19Aを供給し;
(b)塩基と、乾燥溶媒及び化合物19Aとを一緒にして、第1反応混合物を得;
(c)化合物14と、前記第1反応混合物とを、低められた温度で一緒にして、第2反応混合物を得;
(d)前記第2反応混合物を、化合物20を得るのに十分な時間、維持することを含んで成る。
【0074】
化合物19Aは例えば、化合物14に対して、約1〜5モル当量の量で存在する。好ましくは、約1〜約2及びより好ましくは、約1.3〜1.6モル当量が使用される。
乾燥溶媒の例は、エーテル性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、芳香族溶媒、例えばトルエン、塩素化された溶媒及びアセトニトリルを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0075】
好ましくは、乾燥溶媒及び化合物19Aは、均質混合物において供給される。1つの例においては、乾燥溶媒及び化合物19Aは、均質混合物を得るために、約20分間、混合される。好ましくは、乾燥溶媒及び化合物19Aは、室温以下の温度、及び使用される溶媒の凍結点以上、例えば5〜約−5℃の温度で存在する。
好ましくは、乾燥溶媒及び化合物19Aの組合せは、ほぼ室温〜使用される溶媒のほぼ凍結点の温度で行なわれ、溶媒の凍結点は、当業者により容易に得られることは注目される。好ましくは、乾燥溶媒及び化合物19Aは、均質懸濁液が得られるまで、一緒にされる。
【0076】
Wittig−Horner反応のための適切な塩基は、NaH又は他の金属水素化物、NaOMe、NaOH、KOtBu、NaOtBu、K2CO3、BuLi又は他のリチウム化された塩基、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン)、及びDABCO(ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)を包含するが、但し、それらだけには限定されない。必要な場合、適切な塩基は、相転移触媒の存在下で存在する。好ましくは、塩基、例えばリチウム化された塩基、及び金属水素化物が使用される。十分な量の塩基は例えば、化合物14に対して、約1〜5モル当量、好ましくは約1〜約2モル当量である。好ましくは、塩基及び第1反応混合物は、発熱反応を妨げるために、約20℃以下、より好ましくは約10℃以下の低められた温度で存在する。好ましくは、塩基は、一定時間にわたって徐々に添加される。
【0077】
好ましくは、化合物14は、一定時間にわたって徐々に添加される。好ましくは、温度は、ほぼ20℃以下、より好ましくは10℃以下で維持される。
第2反応混合物の維持は好ましくは、HPLCにより測定される場合、反応の完結への進行を可能にする時間である。当業者が理解するように、反応の完結への進行を可能にするのに必要とされる時間は、他の因子の中でも、出発材料の量及び温度に依存して変化し、そして定期的にHPLC測定により決定され得る。好ましくは、反応の約70%以上、より好ましくは約85%以上、及び最も好ましくは約95%以上が完結する。
【0078】
好ましくは、反応が完結するとすぐに、反応の停止が、水及び/又は酸の添加により行なわれる。酸は強又は弱い有機又は無機酸であり得る。例えば、酢酸、塩酸又は塩化アンモニウムが使用され得る。好ましくは、反応が停止されるとすぐに、化合物20が回収される。
【0079】
アルデヒド(1当量)との縮合の後、主に過剰の化合物19A及びホスホネート誘導体から、塩又は不純物により化合物20の汚染を測定するアッセイが行われ得る。それらの不純物にもかかわらず、この工程から形成される化合物20は、化合物21を形成するために次の段階に、更なる精製を行わないで直接的に使用され得る。回収は、いずれかの適切な手段、例えば濾過、洗浄及び乾燥により行われ得る。1つの態様においては、化合物20は、ブライン溶液により抽出され;有機相が炭酸水素ナトリウムの飽和溶液及びブライン溶液により洗浄され;そして混合物が蒸発され、粘性の油状物が得られる。
【0080】
もう1つの態様においては、実質的に純粋な化合物20が供給される。
さらにもう1つの態様においては、化合物20の回収方法は、
a. 前記反応停止された第2反応混合物(任意には、濾過され、そして洗浄される)と、水不混和性溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン又はトルエン)及び水とを一緒にして2相系を得;
b. 前記第1有機相(上方)を、塩基(例えば、炭酸カリウム(K2CO3))及び溶媒(有機化合物、例えばアルコールと水性塩基と接触される)により洗浄し、3相系を得;そして
c. 化合物20を回収する、ことを含んで成る。
【0081】
特に好ましい態様においては、化合物20は、
a. 前記反応停止された第2反応混合物(任意には、濾過され、そして洗浄される)と、水不混和性溶媒及び水とを一緒にして第1有機及び水性相を得:
b. 前記第1有機相を、適切な溶媒により洗浄し、第2有機及び第2層を得;
c. 前記第1有機相及び第2有機相と、塩基及びアルコールとを一緒にし、そして任意には、前記第1水性相及び第2水性相の抽出された生成物を添加し、上相、中間相及び下相からなる3相系を得;
d. 前記上相を単離し;
e. 前記上相を、アルコール/水混合物、次に塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、水酸化ナトリウム)、次にアルコール及び続いて水により洗浄し;そして
f. 化合物20を回収することを含んで成るを含んで成る方法により回収される。
【0082】
本発明者は、上記Wittig−Horner反応が、Wittig反応に比較して、より高い純度の下流生成物、例えば化合物20を導くことを発現した。
Wittig−Horner反応から得られる副生成物は、作業後の反応の最後で、容易に分離され得る。
全体的に、化合物14と化合物19Aとの反応は、出発材料の定量的転換をもたらす。好ましくは、化合物14は、HPLCにより測定される場合、5%以下、及び最も好ましくは2%以下の量で存在する。
【0083】
トリフェニルホスフィンオキシドが、反応の副生成物として形成され、そして反応混合物から除去からされ得る。好ましくは、トリフェニルホスフィンオキシドは、EP特許第0850902A1号に開示されるように、金属塩、好ましくは乾燥塩化マグネシウムと反応混合物とを組合すことにより、金属塩と錯体を形成し、そして約100℃に加熱し、約0℃に冷却し、濾過し、水又はトルエンにより洗浄し、そして溶媒を蒸発することにより、化合物20を単離することにより除去される。
【0084】
本発明のもう1つの観点においては、本発明の方法により調製される化合物20は、ロスバスタチンのいずれかの下流の中間体、及び医薬的に許容できるその塩を調製するために使用される。
化合物21は、下記に示されるように、WO2003/097614A2号に開示されるように、化合物20のヒドロキシル基の保護解除により調製され得る:
【0085】
【化22】

【0086】
ここで、Wは、カルボキシル保護基であり、そしてXはヒドロキシル保護基である。1つの例においては、メタノール、THF又はアセトニトリル中、化合物20の溶液が、保護解除剤、例えばフルオリドイオン源又はHF以外の無機酸と一緒にされ、反応混合物が得られる;そして反応混合物は、十分な時間及び温度で維持され、化合物21が得られる。
【0087】
本発明のもう1つの観点においては、化合物21の回収方法が提供される。この方法は、
a. 非極性脂肪族溶媒及び非極性芳香族溶媒の混合物及び低級脂肪族アルコール及び水の混合物から、それぞれ化合物21及び粗化合物21に対して約4〜約6体積の量で構成される2相系を供給し;
b. 前記非極性相を、低級脂肪族アルコール及び水の混合物により洗浄し;そして
c. 前記有機相から化合物21を回収することを含んで成る。
【0088】
約80%以上、好ましくは約90%(HPLCにより決定される場合)の純度、及び約90%以上、好ましくは約95%以上の収率を有する化合物21が、この回収方法を用いて得られる。
【0089】
好ましくは、段階a. における非極性脂肪族溶媒、非極性芳香族溶媒、低級脂肪族アルコール及び水は、化合物21に対して約5体積のそれぞれ等体積で存在する。好ましくは、非極性脂肪族溶媒はヘプタンである。好ましくは、非極性芳香族溶媒はトルエンである。好ましくは、低級脂肪族アルコールはエタノールである。好ましくは、段階a. の2相系の供給は、透明な溶媒が得られるまで室温で段階a. の試薬を混合し、そして混合物の相への分離を可能にすることを包含する。
【0090】
極性溶媒及び水の混合物による非極性相の洗浄が好ましくは、段階に存在し、ここで5回の洗浄が十分である。より好ましい態様においては、エタノール及び水の4つの部分が使用される。好ましくは、エタノール:水の比は、体積によれば約2:1の比である。好ましくは、エタノールは、化合物21に対して、約4〜約6体積、好ましくは5体積の量で存在し、そして水は、化合物21に対して、約8〜約12体積、好ましくは約10体積の量で存在する。好ましくは、5つの画分のうち画分2〜5が集められ、組合され、そして好ましくは、減圧下で濃縮され、化合物21の油状残渣が得られる。
【0091】
上記化合物21の回収方法は、化合物21の立体選択的還元の後、化合物22の結晶化を可能にする。化合物21の精製に起因する固体形での化合物22の生成は、所望には、ロスバスタチンのさらなる精製を可能にする。化合物21の結晶化はさらに、存在する不純物を低めるが:しかしながら、そのような結晶化は満足する収率を提供しない。
【0092】
化合物22を形成するための中間体化合物21の続く還元が下記に示される:
【化23】

【0093】
ここで、Wはカルボキシル保護基であり、そしてXはヒドロキシル保護基である。この工程は、当業者に知られている条件下で行われ、そして好ましくは、THF中、ジエチルメトキシボラン及び硼水素化ナトリウムを用いて行われる。
ロスバスタチンは、化合物22の鹸化に基づいて得られる。
【0094】
もう1つの観点においては、本発明は、化合物17をロスバスタチンに転換するようによる、ロスバスタチン及び医薬的に許容できるその塩の調製方法を提供する。
この方法は、
a. 化合物I、及び極性溶媒の溶液を供給し;
b.前記溶液と、約10〜約13のpHを得るための塩基とを一緒にして化合物17を含んで成る第1溶液を形成し;
c.モノ、ジ−、トリ−(C1-C4)アルキル置換されたベンゼンクロロホルメート、飽和又は芳香族C5-C12クロロホルメート又はC1-C8アルキルクロロホルメート及び有機溶媒を含んで成る第2溶液を、約−50℃〜約−10℃の温度を維持しながら、添加し、第1反応混合物を得;
d. 前記第1反応混合物を、化合物18を得るのに十分な時間、維持し;
e.化合物18を化合物19に転換し;
【0095】
f. 化合物19、化合物14及びアセトニトリル以外の適切な有機溶媒を供給し、不活性雰囲気、例えばアルゴン又は窒素における第1反応混合物を得;
g.前記第1反応混合物を、約70℃〜ほぼ還流温度で化合物20を得る期間、加熱し;
h. 前記化合物20を、化合物21に転換し;
i. 非極性脂肪族溶媒及び非極性芳香族溶媒の混合物、及び低級脂肪族アルコール及び水の混合物を、化合物21及び粗化合物21に対してそれぞれ約4〜約6体積の量で含んで成る2相系を供給し、前記非極性相を、低級脂肪族アルコール及び水の混合物により洗浄し、そして前記有機相から化合物21を回収することにより、化合物21を回収し;
j. 化合物21を、化合物22に転換し;そして
k. 化合物22を、ロスバスタチンに転換することを含んで成る。
【0096】
任意には、段階e, f及びgは、次の工程により置換される:
(aa)乾燥溶媒、及び化合物19Aを供給し;
(bb)塩基と、前記乾燥溶媒及び化合物19Aとを一緒にして、第2反応混合物を得;
(cc)化合物14と、前記第2反応混合物とを、低められた温度で一緒にして、第3反応混合物を得;
(dd)前記第3反応混合物を、化合物20を得るのに十分な時間、維持し;
(ee)任意には、反応を停止し、化合物20を含んで成る第4反応混合物を得;そして
(ff)任意には、化合物20を回収すること。
【0097】
任意には、段階(ff)は、
(i)前記反応停止された第2反応混合物(任意には、濾過され、そして洗浄された化合物20)と、水不混和性溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン又はトルエン)及び水とを一緒にし、2相系を得;
(ii)前記第1有機相(下方)を、塩基(例えば、炭酸カリウム(K2CO3))及び溶媒(有機化合物、例えばアルコールと水性塩基と接触される)により洗浄し、3相系を得;そして
(iii)化合物20を回収することを含んで成る。
【0098】
任意には、段階(ff)は、
(i)前記反応停止された第2反応混合物(任意には、濾過され、そして洗浄された化合物20)と、水不混和性溶媒及び水とを一緒にして、第1有機及び水性相を得:
(ii)前記第1有機相を、適切な溶媒により洗浄し、第2有機及び第2層を得;
(iii)前記第1有機相及び第2有機相と、塩基及びアルコールとを一緒にし、そして任意には、前記第1水性相及び第2水性相の抽出された生成物を添加して、上相、中間相及び下相からなる3相系を得;
【0099】
(iv)前記上相を単離し;
(v)前記上相を、アルコール/水混合物、次に塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、水酸化ナトリウム)、次にアルコール及び続いて水により洗浄し;そして
(i)化合物20を回収すること;
を含んで成るを含んで成る方法により回収することを含んで成る。
【0100】
任意には、化合物17は、第1溶液から溶媒を部分的に蒸発し、水を添加し、C5-7アルキルにより洗浄し、飽和又は芳香族C5-C12炭化水素、モノ−、ジー、トリ−(C1-C4)アルキル置換されたベンゼンから成る群から選択された有機溶媒を用いて抽出し、前記混合物を、無機酸を用いて、約7〜約5のpHに酸性化し、そして有機相から化合物17を回収することにより、段階b. から回収され得る。次に、回収された化合物17は、第1有機溶媒及び塩基と組合され、化合物17を含んで成る第1溶液が形成される。
【0101】
本発明の方法により得られるロスバスタチンは、ロスバスタチンの医薬的に許容できる塩、好ましくはカルシウム塩に転換され得る(例えば、アメリカ特許第5,260,440号を参照のこと)。ロスバスタチンをその医薬的に許容できる塩に転換する方法は、ロスバスタチンと水酸化カルシウム又はより強い塩基、例えば水酸化ナトリウムとを接触することを包含する。塩基は好ましくは、ロスバスタチンの反応混合物と、適切な温度、例えば約25℃±5℃の温度で組み合わされる。反応混合物は、適切な水不混和性有機溶媒により洗浄され得る。適切な水不混和性有機溶媒は、炭化水素を包含するが、それらだけには限定されず;好ましくは不混和性有機溶媒はトルエンである。水不混和性有機溶媒は、相分離により除去され得る。残る水不混和性有機溶媒は、減圧(約50mmHg以下)下で、好ましくは約40℃〜約45℃の温度での反応混合物の蒸留により除去され得る。
【0102】
次に、反応混合物が、アルカリ金属、例えばカルシウム源、例えば塩化カルシウム又は酢酸カルシウムと組合され、ロスバスタチンの塩が形成される(アメリカ特許第6,777,552号を参照のこと)。例えば、塩化カルシウムが、ロスバスタチンの反応混合物に、適切な温度、例えば約35℃〜約45℃の温度、及び好ましくは約40℃で、約30〜約90分間にわたって滴下される。活性炭が、ロスバスタチンの反応混合物と組合され、反応混合物から不純物が除去される。活性炭がロスバスタチンのその医薬的に許容できる塩への転換の間に使用される場合、活性炭は、アルカリ金属とのロスバスタチンの接触の前又はその後に使用され得る。
【0103】
ロスバスタチンのその医薬的に許容できる塩への転換はまた、反応混合物の濾過を包含する。反応混合物は、水不混和性有機溶媒による洗浄の前又は後、例えばSynter and Hyflo(商標)により濾過され得る。
本発明の他の態様は、本発明の方法により製造されたロスバスタチン又はその塩を含む医薬組成物、及び化合物17を、ロスバスタチン、又は1又は複数の上記中間体、例えば化合物18, 19, 19A, 20, 21及び22に転換することを含んで成る医薬組成物の製造方法を包含する。
【0104】
本発明の医薬組成物は、賦形剤を含むことができる。希釈剤は、固体医薬組成物の嵩を高め、そして前記組成物を含む医薬用量形を患者及び取り扱うケアー供与者を、より容易にすることができる。固体組成物のための希釈剤は、例えば微晶性セルロース(例えば、AVICEL(商標))、微小セルロース、ラクトース、スターチ、プレゲル化されたスターチ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストレート、デキストリン、第二リン酸カルシウム・二水和物、第三リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えば、EUDRAGIT(商標))、塩化カリウム、粉末化されたセルロース、塩化ナトリウム、ソルビトール及びタルクを包含する。
【0105】
投与量形、例えば錠剤に圧縮される固体医薬組成物は、圧縮の後、活性成分及び他の賦形剤を一緒に結合することための賦形剤を含むことができる。固体医薬組成物のための結合剤は、アカシア、アルギン酸、カルボマー(例えば、カルボポール)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、水素化された植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、KLUCEL(商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、METHOCEL(商標))、液体グルコース、珪酸アルミニウム・マグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリレート、ポビドン(例えば、KOLLIDON(商標), PLASDONE(商標))、プレゲル化されたスターチ、アルギン酸ナトリウム及びスターチを包含する。
【0106】
患者の胃における圧縮された固体医薬組成物の溶解速度は、組成物への砕解剤の添加により高められ得る。砕解剤は、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、AC−DI−SOL(商標), PRIMELLOSE(商標))、コロイド状二酸化珪素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えば、KOLLIDON(商標), POLYPLASDONE(商標))、グアーガム、珪酸アルミニウム・マグネシウム、メチルセルロース、微晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末化されたセルロース、プレゲル化されたスターチ、アルギ酸ナトリウム、ナトリウムスターチグリコレート(例えば、EXPLOTAB(商標))及びスタートを包含する。
【0107】
潤滑剤は、圧縮されていない固体組成物の流動性を改良するために、及び投与量の精度を改良するために添加され得る。潤滑剤として機能することができる賦形剤は、コロイド状二酸化珪素、三珪酸マグネシウム、粉末化されたセルロース、スターチ、タルク及び第三リン酸カルシウムを包含する。
【0108】
用量形、例えば錠剤が、粉末化された組成物の圧縮により製造される場合、その組成物は、パンチ及び染料からの圧縮にゆだねられる。パンチ及び染料からの圧縮にゆだねられる。いくつかの賦形剤及び活性成分は、ピット及び他の表面不規則性の生成物による獲得を引起すことができる、パンチ及び染料の表面への付着傾向を有する。滑剤は、付着性を低め、そして染料からの生成物の開放を容易にするために組成物に添加され得る。滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、グリセリルモノステアレート、グルセリルパルミトステアレート、水素化されたヒマシ油、水素化された植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク及びステアリン酸亜鉛を包含する。
【0109】
風味剤及び風味増強剤は、用量形を、患者に対して口に合うようにする。本発明の組成物に含まれ得る、医薬生成物のための通常の風味剤及び風味増強剤は、マルトール、バニリン、エチルバニリン、メンソール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトール及び酒石酸を包含する。
固体及び液体組成物はまた、それらの外観を改良し、そして/又は生成物及び/又は生成物及び単位用量レベルの患者による同定を促進するために、いずれか医薬的に許容できる着色剤を用いて着色され得る。
【0110】
本発明の液体医薬組成物においては、イバンドロネートナトリウム及びいずれか他の固体賦形剤が、液体キャリヤー、例えば水、植物油、アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール又はグリセリンに溶解されるか又は懸濁される。液体医薬組成物は、液体キャリヤーに不溶性である活性成分又は他の賦形剤を、組生物を通して均等に分散するために乳化剤を含むことができる。本発明の流体組成物において有用である乳化剤は、例えばゼラチン、卵黄、カゼイン、コレステロール、アカシア、トラガカント、コンドラス、ペクチン、メチルセルロース、カルボマー、セトステアリルアルコール及びセチルアルコールを包含する。
【0111】
本発明の液体医薬組成物はまた、生成物の口内感触を改良し、そして/又は胃腸管の内層を被覆するために粘度増強剤を含むことができる。そのような剤は、アカシア、アルギン酸ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースカルシウム又はナトリウム、セトステアリルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチングアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、プロピレンカーボネート、プロピレングリコールアルギネート、アルギン酸ナトリウム、ナトリウムスターチグリコレート、スターチトラガカント及びキサントガムを包含する。
【0112】
甘味剤、例えばソルビトール、サッカリン、ナトリウムサッカリン、スクロース、アスパータム、フルクトース、マンニトール、及び転化糖が、味覚を改良するために添加され得る。
保存剤及びキレート化剤、例えばアルコール、安息香酸ナトリウム、ブチル化されたヒドロキシルトルエン、ブチル化されたヒドロキシアニソール、及びエチレンジアミン四酢酸が、貯蔵安定性を改良するために摂取のための安全レベルで添加され得る。
【0113】
本発明によれば、液体組成物はまた、緩衝液、例えばグルコン酸、乳酸、クエン酸又は酢酸、グルコン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又は酢酸ナトリウムを含むことができる。賦形剤の選択及び使用される量は、この分野における標準の方法及び基準研究の経験及び考慮に基づいて配合科学者により容易に決定され得る。
【0114】
本発明の固体組成物は、粉末、顆粒、凝集体及び圧縮組成物を包含する。用量は、経口、頬、直腸、非経口(皮下、筋肉内及び静脈内)、吸入及び眼投与のために適切な用量である。いずれかの所定の場合における最も適切な投与は、処理される病状の性質及び重症度に依存するが、本発明の最も好ましい経路は経口である。その用量は、単位用量形で便利には提供され、そして医薬業界において良く知られているいずれかの方法により調製され得る。
【0115】
用量形は、固体用量形、例えば錠剤、粉末、カプセル、坐剤、サケット、トローチ及びロゼンジ、並びに液体シロップ、懸濁液及びエリキシルを包含する。本発明の用量は、組成物、好ましくは本発明の粉末化された又は顆粒化された固体組成物を含むカプセル(ハード又はソフトシェルのいずれか)であり得る。シェルは、ゼラチンから製造され、そして任意には、可塑剤、例えばグリセリン及びソルビトール、及び不透明剤又は着色剤を含む。
【0116】
活性成分及び賦形剤は、当業界において知られている方法に従って、組成物及び用量形に配合され得る。
【0117】
錠剤化又はカプセル充填のための組成物は、湿式顆粒化により調製され得る。湿式顆粒化においては、粉末形での活性成分及び賦形剤のいくらか又はすべてが、ブレンドされ、そして次に、液体、典型的には粉末の顆粒への凝集を引起す水の存在下で、さらに混合される。顆粒はスクリーンされ、そして/又は微粉砕され、乾燥され、そして次に、所望する粒度にスクリーンされ、そして/又は微粉砕される。次に顆粒は錠剤化されるか、又は他の賦形剤、例えば滑剤及び/又は潤滑剤が、錠剤化の前、添加され得る。
【0118】
錠剤組成物は、便利には、ドライブレンドにより調製され得る。例えば、活性剤及び賦形剤のブレンドされた組成物が、スラグ又はシートに圧縮され、そして次に、圧縮された顆粒に微粉砕される。続いて、圧縮された顆粒が錠剤に圧縮され得る。
【0119】
乾燥顆粒化に変わるものとして、ブレンドされた組成物は、直接的圧縮技法を用いて、圧縮された用量形に直接的に圧縮され得る。直接的な圧縮は、顆粒を有さないより均等な錠剤を生成する。直接的な圧縮錠剤化のために特に適切である賦形剤は、微晶性セルロース、噴霧乾燥されたラクトース、リン酸二カルシウム・二水和物及びコロイド状シリカを包含する。直接的圧縮錠剤化におけるそれらの及び他の賦形剤の正しい使用は、当業者、特に直接的に圧縮錠剤化の配合専門家に知られている。
【0120】
本発明のカプセル充填は、錠剤化に関して記載された前述のブレンド及び顆粒のいずれかを含んで成るが、しかしながら、それらは最終錠剤化段階にゆだねられない。本発明の経口投与形は、好ましくは、約5mg〜約40mgの用量を有する経口カプセル、より好ましくは5, 10, 20及び40mgの用量を有するカプセルの形で存在する。
【0121】
本発明は、その態様において、次の非制限的例により示される。
本明細書に言及されるすべての純度は、既知標準に対する生成物のHPLCを比較することにより測定される、重量定量化当たりの収率を言及する。
【実施例】
【0122】
例1化合物17TBの調製
【化24】

【0123】
冷却器、機械撹拌機、pH−メーター及び温度計を備えた1Lのフラスコを、保護されたt−ブチルエチルグルタル酸TBDMS(100g、288mモル)及び乾燥エタノール(500mg)により充填し、反応混合物を形成した。その反応混合物を50℃に加熱し、そして1NのNaOH(115.2ml)を滴下した。pHを測定すると12.8であった。
【0124】
この温度での1時間後、pHは10.59であった。追加の1NのNaOH(115.2ml)を添加した。pHは12.25であった。1時間後、追加の1NのNaOH(115.2ml)を添加した。
反応混合物を、出発材料がTLCにより検出されなくなるまで、50℃で7時間、維持した。反応混合物を室温に冷却し、そして300mlの最終体積まで蒸発した。水(400ml)及びエタノール(95%、50ml)を、反応混合物に添加した。反応混合物を、ヘキサン(それぞれ、300ml)により2度、洗浄した。
【0125】
トルエン(300ml)を、水性相に添加し、そして反応混合物を、6のpHにHCl(32%)により中和した。トルエンによる2回の追加の抽出を行った(それぞれ300ml)。トルエン層を組合し、硫酸マグネシウム(約12g)上で乾燥し、そして蒸発し、78.3g(85%の収率)の黄色の油状物を得た。
【0126】
例2化合物18TBの調製
【化25】

【0127】
2Lのフラスコを、900mlの乾燥トルエン中、エチルクロロホルメート(16.44ml)の第1溶液(KF=0.01%以下)により充填し、そしてその溶液を−45℃に冷却した。反応混合物を、前記第1溶液に、滴下漏斗を通して、100mlのトルエン中、化合物17TB(50g)及びEt3N(26.06ml)の第2溶液を滴下することにより成形し、ここで反応混合物の温度は-45〜-40℃で維持された。
【0128】
前記反応混合物を、1.5時間にわたって0℃にゆっくり加熱し、そして次に、水により反応停止した。反応混合物を、2Lの分離用漏斗に、すぐに移し、そして有機相をNaHCO3(飽和、250ml)及びNaCl(飽和、250ml)により洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を蒸発し、そして残渣を、いずれの精製も伴わないで、次の段階に使用した。
【0129】
例3化合物19TBPHの調製
【化26】

【0130】
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(224.3g)を、THF(600ml)に懸濁し、そしてBuLi(1.6M、392.5ml)を、約−55〜−50℃の温度で30分間にわたって添加した。次に、その反応混合物を、ほぼ0℃に、1.5時間にわたって加熱し、そして次に、約−60℃に冷却した。
【0131】
トルエン(360ml)中、乾燥化合物18TB(122.6g、314mモル)の溶液を、前記反応混合物に、反応混合物の温度を約−55〜−65℃で維持しながら、約2時間にわたって滴下した。反応混合物を、ほぼ0℃に、1.5時間にわたって加熱し、そして水(250ml)により反応停止した。水性相を分離し、そして生成物を、トルエン(100ml)を用いて、水性相から抽出した。両有機層を、一緒に混合し、そしてNaHCO3(飽和、2×100ml)及びNaCl(2×100ml)により洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で一晩、約−25℃で維持し、そして使用の前、溶媒を蒸発した。
【0132】
例419TBPHからのWittig反応による化合物20TBの調製
【化27】

【0133】
光から保護され、そしてN2流を供給された100mlのフラスコを、化合物14(3.6g、10.5mモル)、化合物19TBPH(9.05g、15.7mモル)、及び乾燥トルエン(36ml、化合物14に対して10体積)により充填した。反応混合物を、約100℃に19.5時間、加熱した。反応混合物のサンプルを、HPLCにより分析し、そしてそれは1.7%の化合物14を含んだ。
【0134】
無水MgCl2(2g、化合物19TBPHに対して2当量)を、反応混合物に添加し、そしてその反応混合物を100℃で2時間、撹拌し、反応混合物を0℃に、2時間、冷却し、そして固形物を洗浄しないで濾過した。濾液を得、そして水(それぞれ100ml)により2度、洗浄し、そして溶媒を蒸発し、7.56gの褐色の固形物を得た。
【0135】
例5Wittig反応による19Mからの化合物20Mの調製
【化28】

【0136】
光から保護され、そしてN2流を供給された250mlのフラスコを、化合物14(4.38g、12.5mモル)、化合物19M(10g、18.7mモル)、及びエキストラ乾燥トルエン(100ml)により充填した。反応混合物を、約100℃に15時間、加熱した。反応の完結の後、乾燥MgCl2(4.8g、2.7当量)を、反応混合物に添加し、そして反応混合物を約100℃で2時間、加熱した。反応混合物を0℃に、約2時間にわたって冷却し、濾過し、そして45mlのトルエンにより洗浄し、12.73gの粘性油状物を得た。
【0137】
例6HCl/メタノール中、化合物21TBの調製
【化29】

【0138】
HCl(水中、32%、1ml)、水(0.5ml)及びメタノール(8ml)を、メタノール(10ml)中、化合物20TB(2g)の溶液に滴下した。反応混合物を、TLC(ヘキサン/EtAc、4:1)が出発材料の十分な消費が示すまで、30℃で約1.5時間、混合した。
酢酸エチル(150ml)を、反応混合物に添加し、そして反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50ml×2)により洗浄し、有機層を形成した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして溶媒を減圧下で除去し、化合物21TB(1.72g)を生成した。
【0139】
例7HCl/THF中、化合物21TBの調製
HCl(水中、32%、0.57g)、水(2ml)及びTHF(17.5ml)の混合物を調製した。5.4mlのこの混合物を、THF(8.1ml)中、化合物20TB(2.7g)の溶液に滴下した。その反応混合物を、TLCによる反応のモニターが反応の完結を示すまで、周囲温度で一晩、撹拌した。
【0140】
酢酸エチル(20ml)を、反応混合物に添加し、そしてその反応混合物を水(20ml)により洗浄した。水性層が形成し、そしてそれを、酢酸エチル(20ml)により抽出し、有機層を組合し、そして約10.5のpHで、Et3Nの水溶液(2×5ml)により洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして溶媒を減圧下で除去し、化合物21TBの油状物(2.03g)を得た。
【0141】
例8テトラブチルアンモニウム弗化物/THFによる化合物TBの調製
化合物20TB(5g)を、THF(40ml)に溶解した。THF中、テトラブチルアンモニウム弗化物(8.46ml、1M溶液)を、前記溶液に滴下し、反応混合物を形成した。反応混合物を、室温で約1時間、撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。トルエン(300ml)を、前記溶液に添加した。その溶液を、炭酸水素ナトリウム飽和溶液(50ml)により3度、洗浄し、そして減圧下で濃縮し、化合物21TBを得た。
【0142】
例9CsF, K2CO3及びNH2OH・HClによるTBDMS保護解除による化合物21TBの調製
化合物20TB(0.3g)を、アセトニトリル(10ml)に、室温で溶解した。CsF(70mg)、K2CO3(300mg)及びNH2OH・HCl(160mg)を、前記溶液に添加し、反応混合物を形成した。反応混合物を、約75℃で加熱した。化合物の部分的保護解除が、約4.5時間の加熱の後、観察された。
【0143】
例10CsFによるTBDMS保護解除による化合物21TBの調製
化合物20TB(300mg)を、アセトニトリル(10ml)に溶解した。CsF(70mg)を、前記溶液に添加し、スラリーを形成した。そのスラリーを、約75℃で約17時間、加熱し、この時点で、材料の完全な保護解除が観察された。
【0144】
例1120TBのテトラブチルアンモニウム弗化物によるTBDMS保護解除による化合物21TBの調製
化合物20TB(5g)をTHF(40ml)に溶解し、そしてテトラブチルアンモニウム弗化物を、THF中、1M溶液(8.46ml)として滴下した。その混合物を室温で1時間、撹拌し、そして溶媒減圧下で除去した。トルエン(300ml)を、残渣に添加した。その溶液を飽和NaHCO3溶液(50ml×3)により洗浄し、そして減圧下で濃縮し、粗21TBをもたらした。
【0145】
例12メタンスルホン酸/メタノール中、化合物21TBの調製
メタンスルホン酸の溶液(15ml、メタノール/水中、0.2M、10:1)を、メタノール(15ml)中、化合物20TB(3g)の溶液に添加した。その反応混合物を、TLC(ヘキサン/EtAc, 4:1)によるモニターが出発材料の十分な消費を示すまで、30℃で約3時間、撹拌した。
トルエン(200ml)を、反応混合物に添加し、そしてその反応混合物を、飽和NaHCO3溶液(50ml×2)により洗浄し、有機層を形成した。その有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして溶媒を、減圧下で除去し、化合物21TB(2.97g)を得た。
【0146】
例13メタノール中、メタンスルホン酸によるTBDMS保護解除による化合物21TBの調製
メタノール(200ml)及び水(19ml)中、メタンスルホン酸(1.66g)の溶液を、メタノール(185ml)中、20TB(20.26g、81.2%アッセイ)の溶液に添加した。得られる混合物を、約30℃で撹拌した。10.5時間後、HPLCは、出発材料のレベルが6%(面積上)であることを示し、そして溶液を室温に冷却した。
【0147】
EtOAc(400ml)を添加し、そしてその溶液をブライン(400ml)により洗浄した。次に、有機層を、NaHCO3の飽和溶液(2×200ml)及び最終的に、ブライン(2×100ml)により洗浄した。
有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして溶媒を減圧下で除去し、21TB(19.9g)を得た。
【0148】
例14メタノール中、メタンスルホン酸によるTBDMS保護解除による化合物21Mの調製
【化30】

【0149】
メタンスルホン酸の溶液(50ml、メタノール/水中、0.2M、10:1)を、メタノール(50ml)中、化合物20M(10g)の溶液に添加し、反応混合物を形成した。この反応混合物を、約30℃で約4時間、撹拌した。メタノールスルホン酸(0.35ml)を、その反応混合物に添加し、そしてその反応混合物を、反応の完結まで、撹拌した。
生成物を、トルエン(2×100ml)により抽出し、そして飽和NaHCO3溶液(100ml)により洗浄し、有機層を形成した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして溶媒を減圧下で除去し、9.15gの油状物を得た。
【0150】
例15化合物21TBの抽出
機械撹拌機械を備えたILのフラスコを、粗21TB(41.6g、アッセイ=40.8%)、トルエン(200ml)、エタノール(200ml)、ヘプタン(200ml)及び水(200ml)により充填し、懸濁液を形成した。その懸濁液を、透明な溶液が得られるまで、室温で撹拌した。次に、その溶液を、分離用漏斗に注ぎ、相を分離した。エタノール/水の層を除去した。次に、トルエン/ヘプタン相を、エタノール/水(400ml:200ml)の混合物により4度、洗浄し、そして画分を集めた。画分2〜5を組合し、そして減圧下で濃縮し、精製された21TBの油状残渣(24.2g、アッセイ=56.0%、80%の収率)を得た。
【0151】
例16化合物22TB(TBRE)の調製
【化31】

【0152】
乾燥THF(26ml)及び乾燥メタノール(7ml)中、21TB(1g)の溶液に、THF(2ml)中、ジエチルメトキシボランの溶液(1M)を、約−78℃で添加し、反応混合物を形成した。その反応混合物を0.5時間、撹拌し、NaBH4を添加し、そして撹拌を3時間、続けた。酢酸(1.2ml)を反応混合物に添加し、そしてその反応混合物を周囲温度に暖めた。
【0153】
酢酸エチル(150ml)を反応混合物に添加し、そしてそのpHを、濃NaHCO3水溶液の添加により8に調節した。層を分離し、そして水を、追加の量の酢酸エチル(50ml)の添加により抽出した。有機層を組合し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。次に、溶媒を減圧下で蒸発し、残渣を得た。その残渣をメタノールにより処理し、そして次に、メタノールを蒸発した。メタノール処理及び蒸発を、さらに2度、実施し、粗化合物22TB(TBRE)(0.87g、86%)を得た。
【0154】
例17酢酸エチルにおける抽出による化合物22TBのロスバスタチンCaへの転換
機械撹拌機を備えた1Lの反応器を、エタノール(3L)、水(1800ml)及びTBRE(600g)により充填し、反応混合物を形成した。NaOH(47%、1.2当量、114g)を、RTで反応混合物にゆっくり添加した。反応混合物を、ほぼRTで2時間、撹拌した。反応混合物を、Synter and Hyfloを用いて減圧下で濾過し、存在する小さな粒子を排除した。反応混合物を、反応混合物の体積の半分が残るまで、約40℃で減圧下で濃縮した。
【0155】
水(2000ml)を、反応混合物に添加し、そしてその反応混合物を、ほぼRTで5分間、撹拌した。水性相及び有機相が形成した。相を分離し、そして水性相を酢酸エチル(3000ml)により洗浄し、そしてRTで30分間、撹拌した。有機相を捨てた。
水性相を、体積の半分が残存するまで、約40℃で減圧下で濃縮した。水(2800ml)を、水性相に添加し、そして水性相をほぼRTで5分間、撹拌した。CaCl2(124g)を、水性相に、ほぼRTの温度で約10分間にわたって少しずつ添加した。次に、水性相を、ほぼRTで約1時間、撹拌し、濾過し、そして1200mlの水により洗浄し、粉末状化合物(491g、88%)を得た。
【0156】
例18トルエンにおける抽出による化合物22TBのロスバスタチンCaへの転換
機械撹拌機を備えた500mlの反応器を、エタノール(150ml)、水(90ml)及び22TB(30g)により充填し、反応混合物を形成した。NaOH(47%、1.2当量、5.7g)を、ほぼRTで反応混合物にゆっくり添加した。反応混合物を、RTで約2時間、撹拌した。反応混合物を、Synter and Hyfloを用いて減圧下で濾過し、存在する小さな粒子を排除した。反応混合物を、トルエン(150ml)により洗浄し、そしてRTで約30分間、撹拌し、水性相及び有機相を形成した。2つの相を分離し、そして有機相を捨てた。
【0157】
水性相を、体積の半分が残存するまで、約40℃で減圧下で濃縮した。水(104ml)を、水性相に添加し、そして水性相をほぼRTで5分間、撹拌した。CaCl2(6.2g)を、水性相に、ほぼRTの温度で約1分間にわたって少しずつ添加した。次に、水性相を、RTで約1時間、撹拌し、濾過し、そして1200mlの水により洗浄し、粉末状化合物(26g、92%)を得た。
【0158】
例19トルエンにおける抽出による化合物22TB(TBRE)のロスバスタチンCaへの転換
機械撹拌機を備えた1Lの反応器を、エタノール(300ml)、水(90ml)及び22TB(60g)により充填し、反応混合物を形成した。NaOH(47%、1.2当量、11.4g)を、RTで反応混合物にゆっくり添加した。反応混合物を、ほぼRTで2時間、撹拌した。反応混合物を、Synter and Hyfloを用いて減圧下で濾過し、存在する小さな粒子を排除した。水(420ml)を、反応混合物に添加した。
【0159】
次に、混合物を、トルエン(3000ml)により抽出し、そしてRTで30分間、撹拌した。水性相が形成し、そしてそれを単離した。水性相を、減圧下で40℃で、体積の半分に濃縮した。残る水性相の半分を、500mlの反応器に移し、そして水(110ml)を添加し、溶液を得た。その溶液をRTで5分間、撹拌した。Ca(OAc)2(8.8g)を、前記溶液にRTで1分間にわたって滴下した。その溶液をRTで1時間、撹拌し、濾過し、そして60mlの水により洗浄し、粉末状化合物(26g、94%)を得た。
【0160】
例20Wittig−Hurner反応によるTB−20の合成及びその精製
機械撹拌機及び窒素バブラーを備えた1000mlの3つ首フラスコを、19TBPO(100g、1.5当量)及びテトラヒドロフラン(500ml)により充填した。そのようにして得られた混合物を、0〜2℃で20分間、撹拌した。カリウムtert−アトキシド(24.7g、1.5当量)を、10℃以下に温度を維持しながら、3回に分けて添加し、そしてその溶液を15分間、撹拌した。ROSU−14(化合物14)(51g、1.0当量)を添加し、そしてその懸濁液をさらに、0〜2℃で2時間、撹拌した。次に、懸濁液を、周囲温度にし、そしてさらに、16〜18時間、撹拌した。氷酢酸(3ml)を添加し、そしてその溶液を蒸発乾燥し、油状残渣を得た。
【0161】
ヘプタン(350ml)及び水(250ml)を、前記油状残渣に添加し、そして有機相を分離し、そして飽和NaHCO3(250ml)により洗浄した。水性相を組合し、そしてヘプタン(100ml)により抽出した。有機相を組合し、そしてさらに、K2CO3(20%、350ml)及びエタノール(350ml)により洗浄し、3相を得た。2つの底の相を捨て、そして残る有機相をエタノール(275ml)/水(275mlの混合物、次に再びK2CO3(20%、275ml)、並びにエタノール(275ml)及び最終的に水(200ml)により洗浄した。次に、有機相を蒸発乾燥し、TB-20の油状残渣を得た(83.2g、92%アッセイに基づいて82.0%)。
【0162】
例21化合物20TBの調製
N2硫下での2Lのフラスコを、19TBPO(100g、1.5当量)及びTHF(500ml、9.7体積)により充填し、そして−5℃に冷却した。カリウムtert−ブトキシド(22.97g、1.4当量)を、管を通して15分間にわたって添加した。混合物を、さらに15分間、この温度で撹拌し、そして次にRosu-14(51.49g、1当量)を添加した。浴を取り除き、そして混合物を室温で8時間、撹拌した。
【0163】
反応を、AcOH(6ml、pH5〜6まで)の添加により反応停止した。ブライン溶液(240ml、4.6体積)を添加し、そして相を分離した。有機相を、NaHCO3の飽和溶液(300ml、5.8体積)及びブライン溶液(240ml、4.6体積)により洗浄した。有機溶媒を蒸発し、136.4gの粘性油状物(アッセイ=59.6%、収率=81.3%)を得た。
【0164】
例22化合物21TBの結晶化
油状TB−21(100g、アッセイ65%)を、反応器に、周囲温度でトルエン(100ml)と共に充填した。その混合物を、すべての材料の溶解まで、撹拌した(それは、油状物がトルエン中に進行しない場合、50℃に加熱され得る)。周囲温度で、ヘキサン(150ml)を、滴下漏斗を通して、ゆるい撹拌下で30分間にわたって添加した。固形物が、ヘキサンの初期添加の後、沈殿し始めた。追加の量のヘキサン(250ml)を同じ温度で45分間にわたって滴下した。3時間の撹拌の後、固形物を、減圧下で濾過し、前もって冷却されたヘキサン(50ml、12〜15℃)により洗浄し、そして真空下で約50℃で1時間、乾燥し、82gの固体素材(アッセイ80%)を得た。
【0165】
例23化合物22Mの調製
【化32】

【0166】
乾燥THF(210ml)及び乾燥メタノール(56ml)中、化合物21M(8g;Wittig-Horner反応により調製された)の溶液に、THF(17ml)中、ジエチルメトキシボラン(1M)の溶液を、−78℃で添加し、反応混合物を形成した。反応混合物を0.5時間、撹拌し、NaBH4(0.76g)を添加し、そして撹拌を3時間、続けた。酢酸(9.6ml)を、反応混合物を添加し、そしてその反応混合物を、周囲温度に暖めた。水(100ml)、酢酸エチル(100ml)及びNaHCO3の飽和溶液を添加し、層を形成した。層を分離し、そして水を追加の酢酸エチル(100ml)により抽出した。有機層を組合し、そして溶媒を減圧下で蒸発し、残渣を得た。残渣を、メタノールにより処理し、そしてメタノールを蒸発し、メタノール処理及び蒸発を、2回以上、実施し、粗化合物22M(4.78g)を得た。
【0167】
例24活性炭を用いて、トルエンにおける抽出による化合物22TBのロスバスタチンCaへの転換
機械撹拌機を備えた1Lの反応器を、エタノール(100ml)、水(60ml)及びTBRE(20g)により充填し、懸濁における反応混合物を形成した。NaOH(47%、1.2当量、3.8g)を、25℃±5℃で反応混合物にゆっくり添加した。反応混合物を、ほぼ25℃±5℃で2時間、撹拌した。水(140ml)を、反応混合物に添加し、そして反応混合物をトルエン(100ml)により洗浄した。反応混合物を、25℃±5℃で20分間、撹拌し、そして次に、水性相を単離した。
【0168】
水性相を、その体積の半分まで、40℃で減圧下で濃縮した。活性炭を、前記水性相に添加し、そして水性相を25℃±5℃で約30分間、撹拌した。水性相を減圧下でSynter and Hylloにより濾過し、存在する活性炭を排除した。水(50ml)を添加し、そして水性相を40℃に過熱した。CaCl2(4.13g)を、約38℃〜45℃の温度で約30〜90分間にわたって、前記水性相に滴下した。次に、水性相を25℃±5℃で1時間、撹拌した。次に、水性相を濾過し、そして水により洗浄(4×20ml)、粉末状化合物(16.7g、90%)を得た。
【0169】
例25活性炭を用いて、トルエンにおける抽出による化合物22TBのロスバスタチンCaへの転換
機械撹拌機を備えた1Lの反応器を、エタノール(100ml)、水(60ml)及びTBRE(20g)により充填し、懸濁における反応混合物を形成した。NaOH(47%、1.2当量、3.8g)を、25℃±5℃で反応混合物に滴下した。反応混合物を、ほぼ25℃±5℃で2時間、撹拌した。水(140ml)を、反応混合物に添加し、そして反応混合物をトルエン(100ml)により洗浄した。反応混合物を、25℃±5℃で30分間、撹拌し、そして次に、水性相を単離した。
【0170】
活性炭を、前記水性相に添加し、そして水性相を25℃±5℃で約30分間、撹拌した。水性相を減圧下でSynter and Hylloにより濾過し、存在する活性炭を排除した。水性相を、その体積の半分まで、40℃で減圧下で濃縮した。
水(50ml)を水性相に添加し、溶液を形成した。その溶液を約40℃に加熱した。水(20ml)中、CaCl2 (4.13g)を、前記溶液に、38〜45℃で30〜90分間にわたって滴下した。次に、その溶液を25±5℃に冷却し、25±5℃で1時間、撹拌し、濾過し、そして水(4×20ml)により洗浄し、粉末状化合物(16.7g;乾量;90%)を得た。
【0171】
例26活性炭を用いて、トルエンにおける抽出による化合物22TBのロスバスタチンCaへの転換
機械撹拌機を備えた1Lの反応器を、エタノール(150ml)、水(90ml)及びTBRE(30g)により充填し、反応混合物を形成した。NaOH(47%、1.2当量、5.7g)を、25℃±5℃で反応混合物に滴下した。反応混合物を、25℃±5℃で2時間、撹拌した。
【0172】
活性炭を反応混合物に添加し、そして反応混合物を25±5℃で30分間、撹拌した。反応混合物を、Synter and Hyfloを用いて減圧下で濾過し、存在する活性炭を排除した。
水(210ml)を、反応混合物に添加し、そして反応混合物をトルエン(150ml)により洗浄した。反応混合物を、25℃±5℃で30分間、撹拌し、そして次に、水性相を単離した。
水性相を40℃で減圧下でその体積の半分に濃縮した。水(75ml)を、水性相に添加し、溶液を形成し、そしてその溶液を40℃にて加熱した。
【0173】
CaCl2(6.2g)を、前記溶液に38〜45℃で30〜90分間にわたって滴下した。次に、その溶液を25±5℃に冷却し、25±5℃で1時間、撹拌し、濾過し、そして水(4×30ml)により洗浄し、粉末状化合物(25g;乾量:90%)を得た。
【0174】
例27活性炭を用いて、トルエンにおける抽出による化合物22TBのロスバスタチンCaへの転換
機械撹拌機を備えた1Lの反応器を、エタノール(100ml)、水(60ml)及びTBRE(20g)により充填し、反応混合物を形成した。NaOH(47%、1.2当量、3.8g)を、25℃±5℃で反応混合物に滴下し、そして反応混合物を、25℃±5℃で2時間、撹拌した。
水(140ml)を、反応混合物に添加し、そして反応混合物をトルエン(100ml)により洗浄した。反応混合物を、25℃±5℃で30分間、撹拌し、そして次に、水性相を単離した。
【0175】
活性炭を、前記水性相に添加し、そして水性相を25℃±5℃で約30分間、撹拌した。水性相を減圧下でSynter and Hylloにより濾過し、存在する活性炭を排除した。
水性相を40℃で減圧下でその体積の半分に濃縮した。水(50ml)を、水性相に添加し、溶液を形成した。その溶液を40℃にて加熱した。CaCl2(4.13g)を、前記溶液に38〜45℃で30〜90分間にわたって滴下した。次に、その溶液を25±5℃に冷却し、25±5℃で1時間、撹拌し、濾過し、そして水(4×20ml)により洗浄し、粉末状化合物(16.7g;乾量:90%)を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の構造:
【化1】

[式中、Wはカルボキシル保護基であり、そしてXはヒドロキシル保護基である]
で表される化合物20の調製方法であって、
次の構造:
【化2】

[式中、Wはカルボキシル保護基であり、T1及びT2は独立して、アリール又はアルコキシであり、そしてXはヒドロキシル保護基である]
で表される化合物19A、塩基、及び次の構造:
【化3】

で表される化合物14を一緒にすることを含んで成るWittig−Horner反応による調製方法。
【請求項2】
前記工程が、
(a)乾燥溶媒及び化合物19Aを供給し;
(b)塩基と、乾燥溶媒及び化合物19Aとを一緒にして、第1反応混合物を得;
(c)化合物14と、前記第1反応混合物とを、低められた温度で一緒にして、第2反応混合物を得;
(d)前記第2反応混合物を、化合物20を得るのに十分な時間、維持する;
ことを含んで成る、請求項1記載の方法。
【請求項3】
段階(d)の後、反応を停止することをさらに含んで成る請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記化合物20を回収することをさらに含んで成る請求項1又は2記載の方法。
【請求項5】
前記回収が、
(i)前記反応停止された第2反応混合物と、水不混和性溶媒及び水とを一緒にして、2相系を得;
(ii)前記第1有機相を、塩基及び溶媒により洗浄し、3相系を得;そして
(iii)化合物20を回収する;
ことを含んで成る請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記回収が、
(i)前記反応停止された第2反応混合物と、水不混和性溶媒及び水とを一緒にして、第1有機及び水性相を得:
(ii)前記第1有機相を、溶媒により洗浄して、第2有機及び第2層を得;
(iii)前記第1有機相及び第2有機相と、塩基及びアルコールとを一緒にし、そして任意には、前記第1水性相及び第2水性相の抽出された生成物を添加し、上相、中間相及び下相からなる3相系を得;
(iv)前記上相を単離し;
(v)前記上相を、アルコール/水混合物、次に塩基、次にアルコール及び続いて水により洗浄し;そして
(vi)化合物20を回収する;
ことを含んで成る請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記反応停止された第2反応混合物と、水不混和性溶媒及び水とを一緒にする前、化合物20を濾過し、そして洗浄することをさらに含んで成る請求項5又は6記載の方法。
【請求項8】
前記反応停止が、水及び/又は酸を添加することを含んで成る請求項3〜7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記低められた温度が、ほぼ室温〜溶媒のほぼ凍結点である請求項2〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記塩基が、相転移触媒の存在下で一緒にされる請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記化合物19Aが、化合物14に対して約1〜約5モル当量の量で存在する請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記化合物19Aが、化合物14に対して約1〜約2モル当量の量で存在する請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記塩基が、金属水素化物、NaOMe、KOtBu、NaOtBu、NaOH、K2CO3、リチウム化された塩基、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン及びそれらの混合物から成る群から選択される請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記化合物19Aが、下記式:
【化4】

で表される19TBPOである請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
次の構造:
【化5】

[式中、Wはカルボキシル保護基である]
で表される化合物21の調製方法であって、
i. 請求項1〜14のいずれか1項記載の方法に従って化合物20を調製し;そして
ii. 前記化合物20を化合物21に転換する;
ことを含んで成る方法。
【請求項16】
ロスバスタチン(rosuvastatin)又は医薬的に許容できるその塩の調製方法であって、
i. 請求項1〜14のいずれか1項記載の方法に従って化合物20を調製し;そして
ii. 前記化合物を、ロスバスタチン又は医薬的に許容できるその塩に転換する;
ことを含んで成る方法。
【請求項17】
ロスバスタチン又は医薬的に許容できるその塩の調製方法であって、
a. 次の構造:
【化6】

[式中、YはC1-C4エステルであり、Wはカルボキシル保護基であり、そしてXはヒドロキシル保護基である]
で表される化合物及び極性溶媒の溶液を供給し;
b.前記溶液と、約10〜約13のpHを得るための塩基とを一緒にし、次の構造:
【化7】

[式中、Wはカルボキシル保護基であり、そしてXはヒドロキシル保護基である]
で表される化合物17を含んで成る第1溶液を形成し;
c.モノ、ジ−、トリ−(C1-C4)アルキル置換されたベンゼンクロロホルメート、飽和又は芳香族C5-C12クロロホルメート又はC1-C8アルキルクロロホルメート及び有機溶媒を含んで成る第2溶液を、約−50℃〜約−10℃の温度を維持しながら添加して、第1反応混合物を得;
d. 前記第1反応混合物を、次の構造:
【化8】

[式中、Wはカルボキシル保護基であり、Xはヒドロキシル保護基であり、そしてZはC1-8アルキル又はアリールである]
で表される化合物18を得るのに十分な時間、維持し;
e. 乾燥溶媒、及び次の構造:
【化9】

[式中、Wはカルボキシル保護基であり、T1及びT2は独立して、アリール又はアルコキシであり、そしてXはヒドロキシル保護基である]
で表される化合物19Aを供給し;
f. 塩基と、前記乾燥溶媒及び化合物19Aとを一緒にして、第2反応混合物を得;
g. 次の構造:
【化10】

で表される化合物14と、前記第2反応混合物とを、低められた温度で一緒にして、第3反応混合物を得;
h. 前記第3反応混合物を、次の構造:
【化11】

[式中、Wはカルボキシル保護基であり、そしてXはヒドロキシル保護基である]
で表される化合物20を得るのに十分な時間、維持し;
i. 任意には、反応を停止し;
j. 前記化合物20を、次の構造:
【化12】

[式中、Wはカルボキシル保護基である]で表される化合物21に転換し;
k. 非極性脂肪族溶媒及び非極性芳香族溶媒の混合物、及び低級脂肪族アルコール及び水の混合物を、化合物21及び粗化合物21に対してそれぞれ約4〜約6体積の量で含んで成る2相系を供給し、前記非極性相を、低級脂肪族アルコール及び水の混合物により洗浄し、そして前記有機相から化合物21を回収することにより、化合物21を回収し;
l. 任意には、化合物21を結晶化し;
m. 化合物21を、次の構造:
【化13】

[式中、Wはカルボキシル保護基である]で表される化合物22に転換し;そして
n. 化合物22を、ロスバスタチンに転換する;
ことを含んで成る方法。
【請求項18】
(i)前記反応停止された第2反応混合物と、水不混和性溶媒及び水とを一緒にして、2相系を得;
(ii)前記第1有機相を、塩基及び溶媒により洗浄し、3相系を得;そして
(iii)化合物20を回収する;
ことをさらに含んで成る請求項17記載の方法。
【請求項19】
(i)前記反応停止された第2反応混合物と、水不混和性溶媒及び水とを一緒にして、第1有機及び水性相を得:
(ii)前記第1有機相を、溶媒により洗浄し、第2有機及び第2層を得;
(iii)前記第1有機相及び第2有機相と、塩基及びアルコールとを一緒にし、そして任意には、前記第1水性相及び第2水性相の抽出された生成物を添加し、上相、中間相及び下相からなる3相系を得;
(iv)前記上相を単離し;
(v)前記上相を、アルコール/水混合物、次に塩基、次にアルコール及び続いて水により洗浄し;そして
(vi)化合物20を回収する;
ことをさらに含んで成る請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記得られるロスバスタチンがさらに、ロスバスタチンの医薬的に許容できる塩に転換される請求項17〜19のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
前記ロスバスタチンの塩が、カルシウム塩である請求項16又は20記載の方法。
【請求項22】
請求項16〜21のいずれか1項記載の方法に従って調製された、ロスバスタチン又は医薬的に許容できるその塩、及び医薬的に許容できる賦形剤を含んで成る医薬組成物。
【請求項23】
コレステロールを低めるための薬剤の製造への請求項22記載の医薬組成物の使用。
【請求項24】
約80%より高い純度を有する実質的に純粋な21TB。
【請求項25】
約90%より高い純度を有する実質的に純粋な21TB。

【公表番号】特表2008−521836(P2008−521836A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543631(P2007−543631)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/038921
【国際公開番号】WO2007/041666
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】