説明

ロボットライン設備

【課題】ロボットと作業者とが互いに補助し合って処理ライン上で作業を行うことができ、生産性を高めることが可能なロボットライン設備を提供する。
【解決手段】本発明では、処理ライン10Lにおけるステージ処理空間R3をそれらロボット専用領域R2側と作業者専用領域R1側との両方に開放したので、ロボット80と作業者とが互いに補助し合って処理ライン10L上で処理を行うことができる。また、システム制御盤79が、ロボット処理待ちのステージを選んでロボット処理を開始し、作業者処理待ちのステージを選んでそのステージ処理空間R3への作業者の進入を許可する。これにより、作業者、ロボット80、加圧アクチュエータ50等が、作業者及びロボットの待ち時間を減らして別々のステージで効率良く作業を行うことができ、生産性を高めることが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの組み付け、検査、加工、その他所定の処理を順次行うための処理ラインの側方にワークの搬送等を行うためのロボットを備えたロボットライン設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のロボットライン設備では、ロボットと処理ラインとを合わせた全体を安全柵で囲んで作業者から完全に隔離していた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−265163号公報(段落[0015],第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記した従来のロボットライン設備では、作業者がロボットから完全に隔離されていたので、ロボットと作業者とが互いに補助し合って処理ライン上で組み付け、加工等を行うことができなかった。このため、従来の生産ラインは、ロボット専用ラインになるか或いは作業者専用ラインになり、処理ラインの生産性を上げることができない場合があった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ロボットと作業者とが互いに補助し合って処理ライン上で作業を行うことができ、生産性を高めることが可能なロボットライン設備の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るロボットライン設備(10)は、複数のステージ(ST1〜ST10)を並べて処理ライン(10L)を構成し、ワーク(90)をステージ(ST1〜ST10)間で移動してステージ(ST1〜ST10)毎にワーク(90)の組み付け、検査、加工、その他所定のステージ処理を行うと共に、その処理ライン(10L)の側方にロボット(80)を設けて、ロボット(80)1台に対して複数のステージ(ST1〜ST10)を割り当てたロボットライン設備(10)において、処理ライン(10L)を間に挟んで区画された1対の領域の一方を、ロボット(80)と作業者とのうちロボット(80)のみが内部で動作可能なロボット専用領域(R2)とする一方、他方を作業者のみが内部で動作可能な作業者専用領域(R1)とし、処理ライン(10L)のうちワーク(90)にステージ処理を行うためのステージ処理空間(R3)をロボット専用領域(R2)側と作業者専用領域(R1)側との両方に開放して、ロボット(80)と作業者の両方をステージ処理空間(R3)に進入可能とし、各ステージ処理を、作業者による作業者処理又は、ロボット(80)を含む機械(12〜18,50,80)による機械処理又は、それらの作業者処理及び機械処理の組み合わせで構成し、各ステージ(ST1〜ST10)の作業者処理が完了したことを検出するための作業者処理完了確認手段(71A,71B)と、ステージ(ST1〜ST10)毎の機械処理が完了したことを検出するための機械処理完了確認手段(76〜78)と、作業者処理完了確認手段(71A,71B)及び機械処理完了確認手段(76〜78)の検出結果に基づいて、各ステージ処理が作業者処理又は機械処理の何れの処理待ち状態であるかを随時更新して記憶する進捗状況記憶手段(79T)と、進捗状況記憶手段(79T)に記憶された機械処理待ちのステージ(ST1〜ST10)を選んで機械処理を開始すると共に、進捗状況記憶手段(79T)に記憶された作業者処理待ちのステージ(ST1〜ST10)におけるステージ処理空間(R3)への作業者の進入を許可しかつ作業者処理の完了以降その進入許可を取り下げるライン統括管理手段(PG1,79)と、各ステージ(ST1〜ST10)に設けられて、作業者専用領域(R1)からステージ処理空間(R3)に進入した作業者を検出する作業者側エリアセンサ(58A〜58J)と、作業者の進入が許可されていないステージ(ST1〜ST10)の作業者側エリアセンサ(58A〜58J)が作業者を検出したときに処理ライン(10L)を停止する安全管理手段(PG2,79)とを備えたところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のロボットライン設備(10)において、ロボット専用領域(R2)からステージ処理空間(R3)に進入したロボット(80)を検出するロボット側エリアセンサ(59A〜59J)を各ステージ(ST1〜ST10)に設け、安全管理手段(PG2,79)は、作業者の進入が許可されているステージ(ST1〜ST10)のロボット側エリアセンサ(59A〜59J)がロボット(80)を検出したときに処理ライン(10L)を停止するように構成したところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のロボットライン設備(10)において、ステージ(ST1〜ST10)毎に、ワーク(90)の圧入、カシメその他所定の加圧処理を行うための加圧装置(12〜18,50)が前記機械として設けられ、機械処理は、加圧装置(12〜18,50)による加圧処理とロボット(80)によるロボット処理とに分けられ、進捗状況記憶手段(79T)は、各ステージ処理に、作業者処理、加圧処理及びロボット処理の何れの処理待ち状態であるかを随時更新して記憶し、ライン統括管理手段(PG1,79)は、進捗状況記憶手段(79T)に記憶されたロボット処理待ちのステージ(ST1〜ST10)にロボット(80)を移動してロボット処理を開始するところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3に記載のロボットライン設備(10)において、加圧装置(12〜18,50)は、ステージ(ST1〜ST10)毎に設けられた複数の加圧治具(12〜18)と、複数の加圧治具(12〜18)に共有された加圧アクチュエータ(50)とからなり、複数の加圧治具(12〜18)が水平方向に並べて取り付けられたベース盤(33)と、加圧アクチュエータ(50)を複数の加圧治具(12〜18)の並び方向と平行に水平移動して、任意の加圧治具(12〜18)との対向位置に位置決め可能な水平移動機構(52,54,55)と、各加圧治具(12〜18)に設けられ、加圧アクチュエータ(50)に押圧されて往復動可能な可動治具部品(41)とを設け、ライン統括管理手段(PG1,79)は、進捗状況記憶手段(79T)に記憶された加圧処理待ちのステージ(ST1〜ST10)に加圧アクチュエータ(50)を移動して加圧処理を開始するところに特徴を有する。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4に記載のロボットライン設備(10)において、加圧アクチュエータ(50)が、加圧治具(12〜18)の可動治具部品(41)を押圧しているか否かを各ステージ(ST1〜ST10)に判別するための押圧動作検出スイッチ(SW1,SW2)を設け、安全管理手段(PG2,79)は、作業者の進入が許可されていないステージ(ST1〜ST10)の押圧動作検出スイッチ(SW1,SW2)が加圧アクチュエータ(50)による押圧を検出したときに処理ライン(10L)を停止するように構成されたところに特徴を有する。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載のロボットライン設備(10)において、ステージ(ST1〜ST10)には、ワーク(90)の種類に応じて位置変更を必要とする段替え部(63A)が備えられ、ロボット(80)を、ワーク(90)の搬送と段替え部(63A)の位置変更との両方に兼用したところに特徴を有する。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載のロボットライン設備(10)において、処理ライン(10S3,10S4)は、対をなして平行に設けられ、それら1対の処理ライン(10S3,10S4)に挟まれた内側をロボット専用領域(R2)としかつ、1対の処理ライン(10S3,10S4)の両外側を作業者専用領域(R1,R1)としたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0012】
[請求項1の発明]
請求項1のロボットライン設備では、複数のステージを並べて処理ラインを構成し、ワークをステージ同士の間で移動してステージ毎にワークの組み付け、検査、加工、その他所定のステージ処理を行う。ここで、本発明では、ロボット専用領域と作業者専用領域とを処理ラインで区画し、その処理ラインにおけるステージ処理空間をそれらロボット専用領域側と作業者専用領域側との両方に開放したので、ロボットと作業者とが互いに補助し合って処理ライン上で作業を行うことができる。
【0013】
また、本発明では各ステージの各ステージ処理が作業者処理又は機械処理の何れの処理待ち状態であるかを随時更新して進捗状況記憶手段に記憶し、ライン統括管理手段が、機械処理待ちのステージを選んで機械処理を開始し、作業者処理待ちのステージを選んでそのステージ処理空間への作業者の進入を許可するので、作業者とロボットを含む機械とが、待ち時間を減らして別々のステージで効率良く作業を行うことができ、生産性を高めることが可能になる。しかも、進入が許可されていないステージに作業者が誤って進入したときに、作業者側エリアセンサがこれを検出して処理ラインを停止するので、作業者は安心して作業を行うことができる。
【0014】
[請求項2の発明]
上述の如く、本発明に係るライン統括管理手段が、機械処理待ちのステージを進捗状況記憶手段の記憶データに基づいて選び、その選ばれたステージにおいてロボットに機械処理を開始するが、万が一、ロボットが誤動作して、作業者の進入が許可されているステージに進入しそうになっても、請求項2の構成によれば、そのようなロボットをロボット側エリアセンサが検出し、安全管理手段が処理ラインを停止するので、作業者は安心して作業を行うことができる。
【0015】
[請求項3の発明]
請求項3の構成では、ステージ毎に加圧装置が設けられ、進捗状況記憶手段が、各ステージ処理に、作業者処理、加圧処理及びロボット処理の何れの処理待ち状態であるかを随時更新して記憶している。そして、ライン統括管理手段が、ロボット処理待ちのステージにロボットを移動してロボット処理を開始するので、ロボットと加圧装置とを合わせた機械の稼働率が上がり、生産性が一層向上する。
【0016】
[請求項4及び5の発明]
請求項4の構成によれば、複数の加圧治具の間で加圧アクチュエータを共有したので設備費を削減することができる。しかも、ライン統括管理手段が、加圧処理待ちのステージに加圧アクチュエータを移動して加圧処理を開始するので、加圧装置とロボットとを合わせた機械の稼働率が上がり、生産性が一層向上する。
【0017】
また上述の如く、ライン統括管理手段が、加圧処理待ちのステージに加圧アクチュエータを移動して加圧処理を開始するが、万が一、加圧アクチュエータが誤動作して、作業者の進入が許可されているステージで加圧処理を開始しそうになっても、請求項5の構成によれば、押圧動作検出スイッチがそのような誤動作を検出し、安全管理手段が処理ラインを停止するので、作業者が安心して作業を行うことができる。
【0018】
[請求項6の発明]
請求項6の構成によれば、ロボットを、ワークの搬送とステージに備えた段替え部の位置変更との両方に兼用したので、段替え部の位置変更用に別途動力源を設けた場合に比べて設備のコストダウンが図られる。
【0019】
[請求項7の発明]
請求項7の構成によれば、1対の処理ラインに挟まれた内側をロボット専用領域としかつ、1対の処理ラインの両外側を作業者専用領域としたので、1対の処理ラインの間でロボット専用領域が共有され、ロボットライン設備をコンパクトな構成にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る一実施形態について、図1〜図18を参照しつつ説明する。図1には、本実施形態のロボットライン設備10の全体が示されており、図2(A)及び図2(B)には、このロボットライン設備10によって組み付け可能な複数種類のワーク90が示されている。ワーク90は、一般に等速ジョイントと呼ばれており、車両のディファレンシャルと駆動輪との間を連絡するものであって、エンジンからの駆動トルクを伝達するために用いられる。またワーク90は、車種に応じて、長さ、付加部品の有無等が相違する。なお、図2(A)及び図2(B)には、本実施形態のロボットライン設備10にて組み付け可能な複数種類のワーク90のうちの一部のみが示されている。
【0021】
何れの種類のワーク90も、中間シャフト93の両端部に第1端部シャフト91、と第2端部シャフト92とを連結した構造になっている。そして、第1連結部91Jにおいて、中間シャフト93の一端部が第1端部シャフト91に備えた連結カップ91Cの内部に直動可能かつ回転不能に受容され、第2連結部92Jにおいて、中間シャフト93の他端部が第2端部シャフト92に備えた連結カップ92Cの内部に傾動可能かつ回転不能に受容されている。これらにより、ワーク90は、駆動輪の上下動や傾動を許容した状態で駆動トルクを伝達する。また、何れの種類のワーク90にも、各第1連結部91J、第2連結部92Jに防塵用のゴムブーツ91B,92Bが装着されている。さらに、一部の種類のワーク90には、中間シャフト93に筒状のダンパー93Bが嵌合装着されている。
【0022】
本実施形態のロボットライン設備10では、ワーク90を第1〜第10のステージ処理に分けて組み付ける。そのために、ロボットライン設備10には、図1に示すように第1〜第10のステージST1〜ST10が並べて設けられている。それらのうち第2〜第9のステージST2〜ST9は、図1における右から左に向かって昇順に1列に並べられて加圧ライン10S1を構成している。また、加圧ライン10S1における始端部(即ち、第2ステージST2側の端部)の側方には、第1ステージST1と第10ステージST10とが並べて配置されている。そして、これら第1と第10のステージST1,ST10により補助ライン10S2が構成され、その補助ライン10S2と前記した加圧ライン10S1とによりL字形の処理ライン10Lが構成されている。
【0023】
第1ステージST1には、図3に示すように作業テーブル11が設けられ、第10ステージST10には、ワーク載置台20が設けられている。また、第2〜第8の各ステージST2〜ST8には、圧入治具12〜18が備えられかつ、第9ステージST9には、カシメ治具19が備えられている。そして、ロボットライン設備10には、第2〜第9のステージST2〜ST9の圧入治具12〜18及びカシメ治具19が共通して取り付けられたラインフレーム31が備えられている。
【0024】
ラインフレーム31は、第2〜第9のステージST2〜ST9が並べて配置された細長い矩形のベース盤33を備え、そのベース盤33の四隅に配置された支柱31Aにより、ベース盤33が設備の床面より上方に保持されている。また、支柱31Aは、ベース盤33より上方に延び、それら支柱31Aの上端部の間を梁で連絡してなる上端枠部32Wが備えられ、その上端枠部32Wの内側には長手方向の一端部を除く全体に天井板32T(図5参照)が張られている。さらに、上端枠部32Wのうち天井板32Tを有しない部分の下方に、中天井板35が備えられている。そして、第2及び第3のステージST2,ST3が、ベース盤33と中天井板35との間に配置され、第4〜第9のステージST4〜ST9がベース盤33と天井板32Tとの間に配置されている。
【0025】
図6に示すように、第2〜第9の各ステージST2〜ST9には、それぞれ上下方向に延びた複数本ずつのガイド支柱40と、それらガイド支柱40に案内されて上下動可能な昇降ベース41とが備えられている。また、各ガイド支柱40の両端部は、ベース盤33と天井板32T又は中天井板35とに固定され、ラインフレーム31を補強する役割を兼ねている。そして、第2〜第9の各ステージST2〜ST9におけるガイド支柱40及び昇降ベース41が、圧入治具12〜18及びカシメ治具19の一部を構成している。また、各圧入治具12〜18では、後述する加圧アクチュエータ50によって各昇降ベース41を上昇させて圧入処理を行う。
【0026】
第9ステージST9のカシメ治具19は、天井板32Tの上面に備えた昇降モータ19Aによって昇降ベース41を上下動させる構造になっている。具体的には、第9ステージST9には、ベース盤33と天井板32Tとに両端部を回転可能に支持されたボールネジシャフト19Bが備えられ、そのボールネジシャフト19Bが昇降ベース41に固定したボールナット19Eに螺合して貫通している。そして、天井板32Tに取り付けられた昇降モータ19Aによってボールネジシャフト19Bを回転駆動することで昇降ベース41が昇降する。また、昇降ベース41には、カシメ用直動駆動源19C(図3参照)とカシメ機構19D(図6参照)とが備えられ、昇降ベース41を昇降することで、カシメ機構19Dがワーク90の長手方向における所定の位置に側方から対向し、これにより各カシメリング96A〜96E(図2(A)参照)をカシメることができる。
【0027】
図6に示すように、第8と第9のステージST8,9においては、ワーク90の上端部を支持するための上端支持ベース63A(本発明に係る「段替え部」に相当する)がガイド支柱40に沿って上下動可能になっている。また、ブレーキ装置63Bにより上端支持ベース63Aを任意の高さに固定可能となっている。そして、ブレーキ装置63Bに通電することでブレーキが解除されて、上端支持ベース63Aを上下動させることができ、ブレーキ装置63Bへの通電を停止することでブレーキが効いて上端支持ベース63Aが上下動不能に固定される。
【0028】
ベース盤33のうち第2〜第8の各ステージST2〜ST8に貫通孔が形成され、昇降ベース41の下面から垂下したロッド突当部53が、それら貫通孔を通してベース盤33の下方に臨んでいる。また、ベース盤33の下方には、第2〜第8の各ステージST2〜ST8の昇降ベース41を押し上げるための加圧アクチュエータ50が対をなして設けられている。そして、複数のステージST2〜ST8の間でこれら加圧アクチュエータ50を共有し、加圧アクチュエータ50が適宜、何れかのステージST2〜ST8の下方に位置決め制御されると共に、加圧アクチュエータ50に備えた押上直動ロッド48(図7参照)を上昇させることで、何れかのステージST2〜ST8の昇降ベース41を押し上げて圧入処理又はカシメ処理を行う。
【0029】
詳細には、ベース盤33の真下の床面には、ラインフレーム31の長手方向に沿って走行台42が延びている。走行台42は、図7に示すように1対のチャンネル鋼42C,42Cを対向配置して底板42B上に溶接してなる。また、それら各チャンネル鋼42C,42Cの上面にはガイドレール43R,43Rが固定されている。そして、ガイドレール43R,43Rにスライド可能に係合したスライダ43S,43Sが、各加圧アクチュエータ50の下面に備えた走行ベース44に固定されている。これにより、1対の加圧アクチュエータ50が共通の走行台42上でスライド可能になっている。
【0030】
走行ベース44は平板状をなし、一端寄り位置に前記スライダ43S,43Sが配置されて、他端側が走行台42から一側方に張り出している。また、スライダ43S,43Sに挟まれた部分には貫通孔44Aが形成されると共にその貫通孔44Aの開口縁から上方にベーススリーブ45が起立した状態に溶接されている。そして、ベーススリーブ45の内側にはベアリングを介してボールナット47が回転可能に軸支され、そのボールナット47の内側にボールネジシャフトとしての押上直動ロッド48が螺合して上下に貫通している。
【0031】
押上直動ロッド48は、上端部に当接円板48Aを備えると共に下端部に抜止円板48Bを備えている。そして、当接円板48Aと昇降ベース41のロッド突当部53とが面当接して連結される。また、走行ベース44のうち貫通孔44Aの開口縁からは図示しない補助シャフトが垂下されており、この補助シャフトに抜止円板48Bの一部がスライド可能に係合することで、押上直動ロッド48の走行ベース44に対する回転が規制されている。これにより、ボールナット47を回転させると、その回転方向に応じて押上直動ロッド48が上下動する。
【0032】
走行ベース44のうち走行台42の側方に張り出した部分には、図7に示した第1サーボモータ51と図8に示した第2サーボモータ52とが横並びにして設けられている。図7に示すように第1サーボモータ51の回転出力軸には、プーリ46Bが取り付けられ、このプーリ46Bとボールナット47の下端部に取り付けられたプーリ46Aとの間にタイミングベルト46Cが架け渡されている。そして、この第1サーボモータ51により押上直動ロッド48の直動位置、直動速度、軸力が制御される。
【0033】
図8に示すように、第2サーボモータ52には、減速機52Gが連結され、その減速機52Gの出力軸にピニオン55が取り付けられている。そして、減速機52Gが走行ベース44を貫通してピニオン55が走行ベース44の下方に配置され、走行台42の外側面に固定されたラック54と噛合している。これにより、加圧アクチュエータ50が走行台42の長手方向における任意の位置に位置決め制御可能になっている。
【0034】
走行ベース44の下面には、ステージ対向検出スイッチSW1が設けられると共に、走行台42の長手方向における所定の複数位置には、スイッチ作動ブロック42Xが設けられている。そして、加圧アクチュエータ50の押上直動ロッド48が各ステージST2〜ST8のロッド突当部53を押し上げ可能な位置に配置されたときに、スイッチ作動ブロック42Xがステージ対向検出スイッチSW1をオンさせるようになっている。また、加圧アクチュエータ50におけるベーススリーブ45の上端面には、下端検出スイッチSW2とが備えられている。そして、押上直動ロッド48が上下ストロークの下端部に位置した際に、当接円板48Aが下端検出スイッチSW2をオンさせ、押上直動ロッド48が上下ストロークの下端部から離れると、下端検出スイッチSW2がオフするようになっている。なお、ステージ対向検出スイッチSW1及び下端検出スイッチSW2が、本発明に係る「押圧動作検出スイッチ」に相当する。
【0035】
図4に示すように、ラインフレーム31のうち作業テーブル11が備えられた側の一側面には、ロボット支持フレーム36が接続されている。そのロボット支持フレーム36は、ラインフレーム31から離れた位置で、ラインフレーム31の長手方向に並んだ複数の支柱36Aと、それら各支柱36Aの上端部とラインフレーム31の上端枠部32Wとの間を連絡した複数の縦梁36Bと、それら複数の縦梁36Bと直交して延びた横梁37とを備えている。また、図1に示すようにロボット支持フレーム36のうちラインフレーム31と反対側の側面と、作業テーブル11が配置された側と反対の側面とは、それぞれ安全柵62(図1参照)によって覆われている。
【0036】
図4に示すようにロボット支持フレーム36の内側に、例えば、3台のロボット80が備えられている。具体的には、吊り下げ型の2台のロボット80が、横梁37に設けられた共通の直動機構38Aに取り付けられ、据え置き型の1台のロボット80が、ラインフレーム31の床面に設けられた共通の直動機構38Bに取り付けられている。また、各ロボット80のアーム先端には、ワーク90を把持するためのハンド80Hが取り付けられている。そして、各ロボット80のハンド80Hにてワーク90を把持し、各ステージST1〜ST10(図3参照)の間でワーク90を搬送する。また、ハンド80Hを用いて前記した上端支持ベース63Aも把持することができるようになっている。これにより、ロボット80を用いて上端支持ベース63Aの位置を変更する段取り作業を行うことができる。
【0037】
さて、図1に示すように本実施形態のロボットライン設備10では、L字形の処理ライン10Lを間に挟んで作業者専用領域R1とロボット専用領域R2とが仕切られている。ロボット専用領域R2は、L字形の処理ライン10Lと安全柵62とによって回りを囲まれた直方体の空間であって、作業者はこのロボット専用領域R2には進入できないようになっており、このロボット専用領域R2内ではロボット80のみが動作可能になっている。作業者専用領域R1は、処理ライン10Lを間に挟んでロボット専用領域R2に対向する空間であって、平面形状が処理ライン10Lの外縁側に沿ったL字形になっている。この作業者専用領域R1は、ロボット80の動作領域外に位置しており、この作業者専用領域R1内では作業者のみが動作可能になっている。そして、処理ライン10Lのうち作業テーブル11及びワーク載置台20と、ロボット支持フレーム36の天井部分とに挟まれた空間と、ラインフレーム31におけるベース盤33と上端枠部32Wとに挟まれた空間とが、ワーク90に所定の処理を行うためのステージ処理空間R3になっている。そして、このステージ処理空間R3は、作業者専用領域R1とロボット専用領域R2との両方に開放しており、ロボット80と作業者の両方がステージ処理空間R3に進入して作業を行うことができる。
【0038】
より具体的には、図5に示すようにラインフレーム31におけるステージ処理空間R3は、ラインフレーム31の長手方向おける両端部の支柱31A,31Aとベース盤33と上端枠部32Wとに囲まれた開口部31K1,31K2を介して作業者専用領域R1とロボット専用領域R2とに開放しているので、ステージ処理空間R3と作業者専用領域R1、及び、ステージ処理空間R3とロボット専用領域R2との境界部分を視覚的に容易に認識することができる。また、作業テーブル11及びワーク載置台20と、ロボット支持フレーム36の天井部分とに挟まれたステージ処理空間R3に関しても、ロボット支持フレーム36の支柱36A及び縦梁36Bとラインフレーム31の支柱31Aとに囲まれた開口部36Kを介してステージ処理空間R3が作業者専用領域R1側に開放しているので、ステージ処理空間R3と作業者専用領域R1との境界部分を視覚的に容易に認識することができる。
【0039】
図1に示すようにロボットライン設備10のうち、作業者専用領域R1とステージ処理空間R3との境界部分には、各ステージST1〜ST10に作業者側エリアセンサ58A〜58Jが取り付けられている。また、ロボット専用領域R2とステージ処理空間R3との境界部分には、各ステージST1〜ST10にロボット側エリアセンサ59A〜59Jが取り付けられている。これら作業者側及びロボット側の各エリアセンサ58A〜58J,59A〜59Jは、図示しない投光側ユニットと受光側ユニットとからなり、これら両ユニットが上下に対向配置されて、両ユニット間で光を投受光する。そして、その光が進入物により遮られたときに検出信号を出力する。
【0040】
各ステージST1〜ST10には、作業者側エリアセンサ58A〜58Jより作業者専用領域R1側に、図示しない操作パネルがそれぞれ設けられている。また、各操作パネルには、図9に示した通常作業完了ボタン71Aと、段替作業完了ボタン71Bとが備えられている。
【0041】
各ステージST1〜ST10には、作業者専用領域R1側を向いた部位に、図9に示した進入許可ランプ72Aと段替ランプ72Bとが備えられている。そして、進入許可ランプ72Aを点灯することで、そのステージへの作業者の進入が許可されている状態であることを報知し、段替ランプ72Bを点灯することで、そのステージのワークの種類を切り替えるタイミングであることを報知するようになっている。
【0042】
また、第9ステージST9の昇降モータ19A及びカシメ用直動駆動源19C等のように所定のステージに備えた補助駆動源の可動部には、原位置検出スイッチSW3が備えらている。そして、その原位置検出スイッチSW3がオンしていることをもって補助駆動源の可動部が原位置にあることを検出している。
【0043】
図9に示すように、前記したロボット80を駆動制御するロボットコントローラ78、加圧アクチュエータ50を駆動制御するアクチュエータコントローラ77、昇降モータ19A及びカシメ用直動駆動源19C等の補助駆動源を駆動制御する治具コントローラ76は、システム制御盤79に接続されている。また、システム制御盤79は、各ステージST1〜ST10のステージ処理がスムーズに遂行されるように、図10の如く、ロボットコントローラ78、アクチュエータコントローラ77等との間で検出情報及び制御情報を授受して、ロボットライン設備10全体を統括的に制御している。
【0044】
さて、各ステージST1〜ST10でワーク90に対して行われるステージ処理は、作業者による「作業者処理」と、ロボット80による「ロボット処理」と、圧入治具12〜18又はカシメ治具19による「加圧処理」との何れかから構成されている。以下、各ステージ処理を区別する場合には、第1ステージST1におけるステージ処理を「第1ステージ処理」のように呼んで区別するものとし、各ステージ処理について具体的に説明する。
【0045】
第1ステージ処理は、第2端部シャフト92の連結カップ92C内にカップインナー部品95を組み付ける処理であり、「作業者処理」のみで遂行される。
【0046】
第2ステージ処理は、第2端部シャフト92における連結カップ92Cの外側に端部リング92R等を圧入する処理であって、図11に示すように、「作業者処理」→「ロボット処理」→「加圧処理」の順番に各処理を行って遂行される。具体的には、この第2ステージ処理は、作業者が圧入装着部品を圧入治具12(図6参照)にセットする「作業者処理」と、ロボット80が完成済みの第2端部シャフト92を圧入治具12から離脱しかつ新たに第2端部シャフト92を圧入治具12にセットする「ロボット処理」と、加圧アクチュエータ50にて圧入治具12を作動させて第2端部シャフト92内にグリスを封入しかつ圧入装着部品を第2端部シャフト92に圧入する「加圧処理」とを順番に行って遂行させる。
【0047】
また、第3ステージ処理は、第1端部シャフト91における連結カップ91Cの外側に端部リング91Rを圧入する処理であって、「作業者処理」→「加圧処理」→「ロボット処理」の順番に各処理を行って遂行される。第4ステージ処理は、ダンパー93Bを中間シャフト93の一端部から中間位置まで圧入する処理であって、「作業者処理」→「加圧処理」の順番に各処理を行って遂行される。第5ステージ処理は、中間シャフト93の両端部にゴムブーツ91B,92Bを圧入する処理であって、「加圧処理」→「作業者処理」の順番に各処理を行って遂行される。第6ステージ処理は、カップインナー部品95に中間シャフト93の一端部を圧入する処理であって、「加圧処理」→「ロボット処理」→「作業者処理」の順番に各処理を行って遂行される。第7ステージ処理は、中間シャフト93の他端部にカップインナー部品94を圧入する処理であって、「作業者処理」→「加圧処理」→「ロボット処理」の順番に各処理を行って遂行される。第8ステージ処理は、カップインナー部品94を第1端部シャフト91の連結カップ91C内に圧入すると共に、各ゴムブーツ91B,92Bの大径側の端部を第1及び第2の端部シャフト91,92にそれぞれ圧入する処理であって、「ロボット処理」→「作業者処理」の順番に各処理を行って遂行される。第9ステージ処理は、カシメリング96A〜96Eをカシメて、ゴムブーツ91B,92B、ダンパー93Bを固定する処理であって、「作業者処理」→「加圧処理」→「ロボット処理」の順番に各処理を行って遂行される。第10ステージ処理は、ワーク90の目視検査と重量検査とを行う処理であって、「ロボット処理」→「作業者処理」の順番に各処理を行って遂行される。
【0048】
システム制御盤79には、図11に示すように、第1〜第10の各ステージ処理の情報を記憶した進捗状況記憶テーブル79T(本発明に係る「進捗状況記憶手段」に相当する)が備えられている。進捗状況記憶テーブル79Tには、各ステージ処理に予め定められた、作業者処理、ロボット処理、加圧処理の構成順序が記憶されている。また、進捗状況記憶テーブル79Tには、例えば、各ステージ処理に、現在、作業者処理、ロボット処理又は加圧処理の何れかの処理を実行中であるか、或いは、何れの処理待ち状態なのかを特定するための「状態判別データ」を随時更新して書き込まれるようになっている。
【0049】
より具体的には、システム制御盤79は、ロボットコントローラ78からの制御信号を受けてロボット処理の開始、実行中、完了を確認し、アクチュエータコントローラ77及び治具コントローラ76からの制御信号を受けて加圧処理の開始、実行中、完了を確認する。なお、ロボットコントローラ78には、各ステージ処理をロボット80に行わせる動作プログラムが記憶されており、それら各動作プログラムの実行開始、実行中、完了をもってロボット処理の開始、実行中、完了を検出している。アクチュエータコントローラ77及び治具コントローラ76に関しても同様である。
【0050】
また、システム制御盤79は、各ステージST1〜ST10に備えた前記した通常作業完了ボタン71A及び段替作業完了ボタン71Bの操作信号を受けて作業者処理が完了したことを確認し、例えば、作業者側エリアセンサ58A〜58Jの検出信号を受けて、作業者処理の開始、実行中を確認する。そして、それら確認した情報に応じて、進捗状況記憶テーブル79Tのデータを随時更新していく。
【0051】
即ち、本実施形態では、通常作業完了ボタン71A及び段替作業完了ボタン71Bが本発明に係る「作業者処理完了確認手段」に相当し、各コントローラ76〜78が本発明に係る「機械処理完了確認手段」に相当する。
【0052】
システム制御盤79は、図12に示したライン統括管理プログラムPG1(本発明に係る「ライン統括管理手段」に相当する)を所定周期で繰り返して実行することで、図18に示すように、同じステージST1〜ST10のステージ処理空間R3において、作業者処理、ロボット処理及び加圧処理が同時に行われないように管理している。具体的には、ライン統括管理プログラムPG1は、第1〜第3の各ロボット管理処理(S10,S11,S12)と第1及び第2のアクチュエータ管理処理(S13,S14)と、カシメ治具管理処理(S15)と、作業者管理処理(S16)とからなる。
【0053】
第1ロボット管理処理(S10)では、図13に示すように、前記3台のロボット80のうちの第1のロボット80が何れかのステージで作業中であるか否かを、ロボットコントローラ78から出力される信号に基づいて判別する(S20)。そして、第1のロボット80が作業中であれば(S20:YES)、直ちにこの管理処理(S10)から抜ける。第1のロボット80が作業中でなければ(S20:NO)、進捗状況記憶テーブル79Tの記憶データに基づいて、第1のロボット80に割り当てられているステージST2〜ST8からロボット処理待ちのステージを選び、その中から第1のロボット80の現在位置に最も近いステージをさらに選ぶ(S21)。そして、システム制御盤79からロボットコントローラ78に制御指令を出力し、選ばれたステージに第1のロボット80を移動してロボット処理を開始して(S22)、この第1ロボット管理処理(S10)から抜ける。なお、第2ロボット管理処理(S11)及び第3ロボット管理処理(S12)に関しても同様の処理を行う。
【0054】
第1アクチュエータ管理処理(S13)では、図14に示すように、2台の加圧アクチュエータ50のうち第1の加圧アクチュエータ50が何れかのステージで加圧動作中であるか否かを、アクチュエータコントローラ77から出力される信号に基づいて判別する(S30)。そして、加圧作業中であれば(S30:YES)、直ちにこの管理処理(S13)から抜け、加圧動作中でなければ(S30:NO)、進捗状況記憶テーブル79Tの記憶データに基づいて、第1の加圧アクチュエータ50に割り当てられたステージST2〜ST5から加圧処理待ちのステージを選び、その中から、第1の加圧アクチュエータ50の現在位置に最も近いステージをさらに選ぶ(S31)。そして、システム制御盤79からアクチュエータコントローラ77に制御信号を出力し、選ばれたステージで第1の加圧アクチュエータ50による加圧処理を開始して(S32)、この管理処理(S13)から抜ける。なお、第2アクチュエータ管理処理(S14)でも同様の処理を行う。
【0055】
カシメ治具管理処理(S15)では、図15に示すように、カシメ治具19がカシメ処理中であるか否かを治具コントローラ76から出力される信号に基づいて判別する(S40)。そして、カシメ処理中であれば(S40:YES)、直ちにこの管理処理(S15)から抜け、カシメ処理中でなければ(S40:NO)、進捗状況記憶テーブル79Tの記憶データに基づいて、カシメ処理を待って待機している状態か否かを判別する(S41)。カシメ処理待ち状態であったときには(S41:NO)、直ちにこの管理処理(S15)から抜け、カシメ処理待ち状態でなかったときには(S41:YES)、システム制御盤79から治具コントローラ76に制御信号を出力し、カシメ処理を開始して(S42)、この管理処理(S15)から抜ける。
【0056】
作業者管理処理(S16)は、図16に示されており、進捗状況記憶テーブル79Tの記憶データに基づいて、作業者処理を待って待機しているステージを検索して(S50)、それらステージの通常作業完了ボタン71A又は段替作業完了ボタン71Bを点灯する(S51)。このとき、通常は、進入許可ランプ72Aのみが点灯し、ワーク90の種類の切り替え時、即ち、段替え時には、段替ランプ72Bが点灯する。なお、進入許可ランプ72Aは、通常作業完了ボタン71Aが押されたこを条件に消灯し、段替ランプ72Bは、段替作業完了ボタン71Bが押されたこを条件に消灯する。
【0057】
システム制御盤79は、図17に示した安全管理プログラムPG2(本発明に係る「安全管理手段」に相当する)を所定周期で実行して安全管理を行っている。具体的には、安全管理プログラムPG2を実行すると、先ずは、第1ステージST1に関して安全チェックを行う。即ち、進捗状況記憶テーブル79Tに基づいて、第1ステージST1のステージ処理空間R3が「作業者進入許可状態」であるか否かを判別する(S60)。ここで、第1ステージST1が、作業者処理待ち或いは作業者処理の実行中である場合に、第1ステージST1は「作業者進入許可状態」であると判断され(S60:YES)、それ以外の場合は、第1ステージST1は作業者進入許可状態でないと判断される(S60:NO)。
【0058】
ここで、第1ステージST1が作業者進入許可状態でない場合(S60:NO)、第1ステージST1の作業者側エリアセンサ58Aの検出信号が有るか否かが判別される(S61)。そして、作業者側エリアセンサ58Aの検出信号が有った場合(S61:YES)、ロボットライン設備10全体を非常停止する(S63)。
【0059】
一方、第1ステージST1が作業者進入許可状態である場合(S60:YES)、第1ステージST1のロボット側エリアセンサ59Aの検出信号が有るか否かが判別される(S62)。そして、ロボット側エリアセンサ59Aの検出信号が有った場合(S62:YES)、ロボットライン設備10全体を非常停止する(S63)。
【0060】
また、作業者側エリアセンサ58Aの検出信号が有った場合(S61:NO)、及び、ロボット側エリアセンサ59Aの検出信号がなかった場合(S62:NO)には、第1ステージST1に関する安全チェックを終了し、次に、第2ステージST2の安全チェックを行う。即ち、第2ステージST2のステージ処理空間R3が「作業者進入許可状態」であるか否かを判別する(S64)。そして、第2ステージST2が作業者進入許可状態でない場合には(S64:NO)、第1ステージST1と同様に、作業者側エリアセンサ58Bからの検出信号の有無を判別する(S65)。
【0061】
一方、第2ステージST2が作業者進入許可状態である場合(S64:YES)、ロボット側エリアセンサ59Bからの検出信号の有無の判別を行い(S66)、ロボット側エリアセンサ59Bの検出信号がなければ(S66:NO)、前記した加圧アクチュエータ50のステージ対向検出スイッチSW1がオンしかつ下端検出スイッチSW2がオフしているか否かを判別する(S67)。ここで、加圧アクチュエータ50が、第2ステージST2に下方から対向していたときにステージ対向検出スイッチSW1がオンし、押上直動ロッド48が上下ストロークの下端部から離れたときに下端検出スイッチSW2がオフする。即ち、加圧アクチュエータ50が第2ステージST2に押圧力を付与する動作を行ったときに、ステージ対向検出スイッチSW1がオンしかつ下端検出スイッチSW2がオフし(S67:YES)、この場合、ロボットライン設備10を非常停止する(S68)。また、ステージ対向検出スイッチSW1がオフし又は下端検出スイッチSW2がオンしていた場合(S67:NO)、第2ステージST2に関する安全チェックを終了し、以下、第3〜第10のステージST3〜ST8の安全チェックを行う。
【0062】
なお、第3〜第8のステージST3〜ST8に関する安全チェックは、第2ステージST2に関する安全チェックと同様であり、第10ステージST10に関する安全チェックは、第1ステージST1に関する安全チェックと同様である。また、第9ステージST9に関する安全チェックでは、上記したステップS67の加圧アクチュエータ50に係る安全チェックに代えて、昇降モータ19A及びカシメ用直動駆動源19Cの可動部に備えた前記原位置検出スイッチSW3がオフしているか否かをチェックする(図示せず)。そして、原位置検出スイッチSW3がオフしていた場合には、ロボットライン設備10を非常停止し、そうでない場合いは、安全チェックを完了する。
【0063】
本実施形態のロボットライン設備10に係る構成に関する説明は以上である。次に、ロボットライン設備10の作用・効果について説明する。図1に示すように、本実施形態のロボットライン設備10では、例えば、3人の作業者が作業を行う。その一例として、第1の作業者が第2〜第6のステージST2〜ST6を担当し、第2の作業者が第7〜第9のステージST7〜ST9を担当し、第3の作業者が第1と第10のステージST1,ST10を担当する。そして、各作業者は、図18に示すように、割り当てられたステージの間を移動し、各ステージで作業を行う。また、このとき、進入許可ランプ72A(図9参照)が点灯しているステージを選んで移動する。
【0064】
具体的には、第1の作業者は、第2〜第6のステージST2〜ST6のうち進入許可ランプ72Aが点灯しているステージを選んで、そこで作業を行う。例えば、第2ステージST2の進入許可ランプ72Aが点灯している場合には、作業者は、第2ステージST2のステージ処理空間R3(図1、図5参照)に進入して作業を行う。
【0065】
作業者は、第2ステージST2における作業が完了したら、通常作業完了ボタン71A(図9参照)を押圧操作する。すると、システム制御盤79は、図11に示した進捗状況記憶テーブル79Tの第2ステージST2に関する状態判別データを「ロボット処理待ち」状態に更新する。そして、ロボット80が他のステージの作業を終えたときに、第2ステージST2に移動し、そこでロボット処理を行う。このとき、作業者は第3〜第6のステージST3〜ST6のうち進入許可ランプ72Aが点灯している何れかのステージに移動して作業を行う。
【0066】
ロボット80が第2ステージST2でロボット処理を行うと、システム制御盤79は、ロボットコントローラ78から受けた制御信号に基づいて進捗状況記憶テーブル79Tの第2ステージST2に対する状態判別データを「ロボット処理の実行中」に更新する。そして、そのロボット処理が完了すると、システム制御盤79はロボットコントローラ78から受けた信号に基づいて進捗状況記憶テーブル79Tの第2ステージST2の状態判別データを「加圧処理待ち」状態に更新する。すると、空いている加圧アクチュエータ50が第2ステージST2に移動して圧入治具12を作動させる。
【0067】
このようにして、システム制御盤79の管理の下、第2ステージST2では、図18に示すように、「作業者処理」、「ロボット処理」、「加圧処理」が順番に実行されていく。また、第1の作業者が担当している他のステージST3〜ST6及び、第2の作業者が担当しているステージST7〜ST9に関しても同様である。
【0068】
さらに、第3の作業者が担当している第1及び第10のステージST1,ST10に関しては以下のようである。即ち、図11に示すように、第1ステージ処理は、作業者による作業者処理のみで構成されているので、第3の作業者は、第1ステージST1においては、ロボット80が進入してくることを気にせずに作業を行う。その作業の間に、ロボット80によって第10ステージST10におけるワーク載置台20上にワーク90が搬送される。そして、そのロボット80がステージ処理空間R3から退避すると、システム制御盤79が進捗状況記憶テーブル79Tの第10ステージST10における状態判別データを、「作業処理待ち」の状態に更新し、第10ステージST10の進入許可ランプ72Aを点灯する。これに対し、第3の作業者は、第1ステージST1におけるステージ処理を中断して、第10ステージST10のステージ処理(所定の検査作業)を行う。そして、その処理が完了したら、通常作業完了ボタン71Aを押圧操作する。すると、そのシステム制御盤79は、通常作業完了ボタン71Aの操作信号を受けて、進捗状況記憶テーブル79Tの第10ステージST10に関する状態判別データを「ロボット処理待ち」状態に更新する。これにより、再び、ロボット80が第10ステージST10のステージ処理空間R3に進入可能な状態になる。
【0069】
なお、ワーク90の種類を切り替える場合には、作業者が図示しない段替えボタンを操作する。すると、ステージST1〜ST10において順次ワーク90の種類が切り替わっていく。そして、ワーク90の種類が切り替わりかつ作業者処理待ち状態になったステージST2の段替ランプ72Bが進入許可ランプ72Aに代わって点灯する。このとき作業者は、段替え用の所定の処理を行ってから、段替作業完了ボタン71Bを押圧操作せばよい。また、システム制御盤79からロボットコントローラ78及び治具コントローラ76に出力された制御信号により、第8と第9のステージST8,9において、ロボット80とブレーキ装置63Bとが作動して、上端支持ベース63A(図6参照)の位置を自動変更する。
【0070】
上述したように本実施形態のロボットライン設備10では、ロボット専用領域R2と作業者専用領域R1とを処理ライン10Lで区画し、その処理ライン10Lにおけるステージ処理空間R3をそれらロボット専用領域R2側と作業者専用領域R1側との両方に開放したので、ロボット80と作業者とが互いに補助し合って処理ライン10L上で処理を行うことができる。
【0071】
また、本実施形態のロボットライン設備10では、ライン統括管理プログラムPG1を実行したシステム制御盤79が、ロボット処理待ちのステージを選んでロボット処理を開始し、加圧処理待ちのステージを選んで加圧処理を開始し、さらに、作業者処理待ちのステージを選んでそのステージ処理空間R3への作業者の進入を許可する。これにより、作業者、ロボット80、加圧アクチュエータ50が、待ち時間を減らして別々のステージで効率良く作業を行うことができ、生産性を高めることが可能になる。また、ロボット80を、ワーク90の搬送と段取り替えとの両方に兼用したので設備費のコストダウンが図られる。
【0072】
また、本実施形態では、システム制御盤79によって進入が許可されていないステージST2〜ST10に作業者が誤って進入したときに、作業者側エリアセンサ58B〜58Jがこれを検出して処理ライン10Lを停止するので、作業者は安心して作業を行うことができる。また、万が一、ロボット80が誤動作して、作業者の進入が許可されているステージST1〜ST10に進入しそうになっても、そのようなロボット80をロボット側エリアセンサ59A〜59Jが検出し、安全管理手段PG2が処理ライン10Lを停止するので、作業者は安心して作業を行うことができる。さらに、万が一、加圧アクチュエータ50又は昇降モータ19A,カシメ用直動駆動源19Cが誤動作して、作業者の進入が許可されているステージST1〜ST10で加圧処理を開始しそうになっても、ステージ対向検出スイッチSW1,下端検出スイッチSW2,原位置検出スイッチSW3がそのような誤動作を検出し、安全管理手段PG2が処理ライン10Lを停止するので作業者が安心して作業を行うことができる。
【0073】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0074】
(1)図19に示すように、1対の処理ライン10S3,10S4を平行にして設け、それら1対の処理ライン10S3,10S4に挟まれた内側をロボット専用領域R2としかつ、1対の処理ライン10Lの両外側を作業者専用領域S1,S1としてもよい。この構成によれば、1対の作業者専用領域S1,S1の間でロボット専用領域R2が共有され、ロボットライン設備をコンパクトな構成にすることができる。
【0075】
(2)前記実施形態のロボットライン設備10では、ロボット80が走行する構成であったが、ロボットを床面又は天井面に固定した構成にしてもよい。
【0076】
(3)また、図20に示すようにロボット80の回りを囲んだ円形のベース盤33X上に複数のステージST1,ST2,ST3,・・・を環状に配列して処理ライン10S5を構成し、その処理ライン10S5の内側をロボット専用領域R2、処理ライン10S5の外側を作業者専用領域R1としてもよい。
【0077】
(4)前記実施形態では、作業者側エリアセンサ58A〜58Jとロボット側エリアセンサ59A〜59Jを各ステージST1〜ST10に設けて、ステージST1〜ST10毎に、ロボット80と作業者とがステージ処理空間R3に同時に進入しないように制御していたが、ステージ毎に区別せずに、作業者専用領域R1とステージ処理空間R3との境界部分で作業者の進入を検出して、ロボット80と作業者とがステージ処理空間R3に同時に進入しないように制御する構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施形態に係るロボットライン設備を概念的に示した平面図
【図2】ワークの側断面図
【図3】ロボットライン設備の前面側斜視図
【図4】ロボットライン設備の後面側斜視図
【図5】ロボットライン設備の前面側斜視図
【図6】ロボットライン設備の正面図
【図7】アクチュエータの側断面図
【図8】アクチュエータの側断面図
【図9】ロボットライン設備の制御上の構成を示した概念図
【図10】ロボットライン設備の情報の流れを示した概念図
【図11】進捗状況記憶テーブルを示した概念図
【図12】ライン統括管理プログラムのフローチャート
【図13】第1ロボット管理処理のフローチャート
【図14】第1アクチュエータ管理処理のフローチャート
【図15】カシメ治具管理処理のフローチャート
【図16】作業者管理処理のフローチャート
【図17】安全管理プログラムのフローチャート
【図18】各ステージ間の作業者、ロボット、加圧アクチュエータの移動を示したタイムチャート
【図19】変形例1のロボットライン設備を概念的に示した平面図
【図20】変形例2のロボットライン設備を概念的に示した平面図
【符号の説明】
【0079】
10 ロボットライン設備
10L,10S3,10S4,10S5 処理ライン
12〜18 圧入治具
19 カシメ治具
19A 昇降モータ
19C カシメ用直動駆動源
33,33X ベース盤
41 昇降ベース(可動治具部品)
50 加圧アクチュエータ
58A〜58J 作業者側エリアセンサ
59A〜59J ロボット側エリアセンサ
63A 上端支持ベース(段替え部)
63B ブレーキ装置
71A 通常作業完了ボタン(作業者処理完了確認手段)
71B 段替作業完了ボタン(作業者処理完了確認手段)
76 治具コントローラ(機械処理完了確認手段)
77 アクチュエータコントローラ(機械処理完了確認手段)
78 ロボットコントローラ(機械処理完了確認手段)
79 システム制御盤(ライン統括管理手段、安全管理手段)
79T 進捗状況記憶テーブル(進捗状況記憶手段)
80 ロボット
90 ワーク
PG1 ライン統括管理プログラム(ライン統括管理手段)
PG2 安全管理プログラム(安全管理手段)
R1 作業者専用領域
R2 ロボット専用領域
R3 ステージ処理空間
ST1〜ST10 第1〜第10のステージ
SW1 ステージ対向検出スイッチ(押圧動作検出スイッチ)
SW2 下端検出スイッチ(押圧動作検出スイッチ)
SW3 原位置検出スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のステージを並べて処理ラインを構成し、ワークを前記ステージ間で移動して前記ステージ毎に前記ワークの組み付け、検査、加工、その他所定のステージ処理を行うと共に、その処理ラインの側方にロボットを設けて、前記ロボット1台に対して複数の前記ステージを割り当てたロボットライン設備において、
前記処理ラインを間に挟んで区画された1対の領域の一方を、前記ロボットと前記作業者とのうち前記ロボットのみが内部で動作可能なロボット専用領域とする一方、他方を前記作業者のみが内部で動作可能な作業者専用領域とし、
前記処理ラインのうち前記ワークに前記ステージ処理を行うためのステージ処理空間を前記ロボット専用領域側と前記作業者専用領域側との両方に開放して、前記ロボットと前記作業者の両方を前記ステージ処理空間に進入可能とし、
前記各ステージ処理を、前記作業者による作業者処理又は、前記ロボットを含む機械による機械処理又は、それらの作業者処理及び機械処理の組み合わせで構成し、
前記各ステージの前記作業者処理が完了したことを検出するための作業者処理完了確認手段と、
前記ステージ毎の前記機械処理が完了したことを検出するための機械処理完了確認手段と、
前記作業者処理完了確認手段及び前記機械処理完了確認手段の検出結果に基づいて、前記各ステージ処理が前記作業者処理又は前記機械処理の何れの処理待ち状態であるかを随時更新して記憶する進捗状況記憶手段と、
前記進捗状況記憶手段に記憶された前記機械処理待ちのステージを選んで前記機械処理を開始すると共に、前記進捗状況記憶手段に記憶された前記作業者処理待ちのステージにおける前記ステージ処理空間への前記作業者の進入を許可しかつ前記作業者処理の完了以降その進入許可を取り下げるライン統括管理手段と、
前記各ステージに設けられて、前記作業者専用領域から前記ステージ処理空間に進入した前記作業者を検出する作業者側エリアセンサと、
前記作業者の進入が許可されていない前記ステージの前記作業者側エリアセンサが前記作業者を検出したときに前記処理ラインを停止する安全管理手段とを備えたことを特徴とするロボットライン設備。
【請求項2】
前記ロボット専用領域から前記ステージ処理空間に進入した前記ロボットを検出するロボット側エリアセンサを前記各ステージに設け、
前記安全管理手段は、前記作業者の進入が許可されている前記ステージの前記ロボット側エリアセンサが前記ロボットを検出したときに前記処理ラインを停止するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のロボットライン設備。
【請求項3】
前記ステージ毎に、前記ワークの圧入、カシメその他所定の加圧処理を行うための加圧装置が前記機械として設けられ、
前記機械処理は、前記加圧装置による前記加圧処理と前記ロボットによるロボット処理とに分けられ、
前記進捗状況記憶手段は、前記各ステージ処理に、前記作業者処理、前記加圧処理及び前記ロボット処理の何れの処理待ち状態であるかを随時更新して記憶し、
前記ライン統括管理手段は、前記進捗状況記憶手段に記憶された前記ロボット処理待ちの前記ステージに前記ロボットを移動して前記ロボット処理を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載のロボットライン設備。
【請求項4】
前記加圧装置は、前記ステージ毎に設けられた複数の加圧治具と、前記複数の加圧治具に共有された加圧アクチュエータとからなり、
前記複数の加圧治具が水平方向に並べて取り付けられたベース盤と、前記加圧アクチュエータを前記複数の加圧治具の並び方向と平行に水平移動して、任意の前記加圧治具との対向位置に位置決め可能な水平移動機構と、前記各加圧治具に設けられ、前記加圧アクチュエータに押圧されて往復動可能な可動治具部品とを設け、
前記ライン統括管理手段は、前記進捗状況記憶手段に記憶された前記加圧処理待ちの前記ステージに前記加圧アクチュエータを移動して前記加圧処理を開始することを特徴とする請求項3に記載のロボットライン設備。
【請求項5】
前記加圧アクチュエータが、前記加圧治具の前記可動治具部品を押圧しているか否かを前記各ステージに判別するための押圧動作検出スイッチを設け、
前記安全管理手段は、前記作業者の進入が許可されていない前記ステージの前記押圧動作検出スイッチが前記加圧アクチュエータによる押圧を検出したときに前記処理ラインを停止するように構成されたことを特徴とする請求項4に記載のロボットライン設備。
【請求項6】
前記ステージには、前記ワークの種類に応じて位置変更を必要とする段替え部が備えられ、前記ロボットを、前記ワークの搬送と前記段替え部の位置変更との両方に兼用したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のロボットライン設備。
【請求項7】
前記処理ラインは、対をなして平行に設けられ、それら1対の処理ラインに挟まれた内側を前記ロボット専用領域としかつ、前記1対の処理ラインの両外側を前記作業者専用領域としたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のロボットライン設備。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−168357(P2008−168357A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1090(P2007−1090)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】